JP6038787B2 - 光導波路の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コア部と、コア部の周囲を被覆するクラッド部と、を有する光導波路の製造方法に関する。
近年、ネットワーク機器やコンピューターの処理速度が向上しているが、電気伝送方式における信号伝達速度はほぼ限界に達しつつある。そこで、処理速度向上のため、電気伝送方式に代えて、光導波路を用いた光インターコネクション方式を導入することが提案されている。光インターコネクション方式は、電気伝送方式と比較して遥かに広帯域な信号伝送を行うことが可能であり、又、クロストークノイズやEMI(Electromagnetic Interference)ノイズの発生を抑制する効果も期待できる。
このような光導波路の一例として、複数のクラッド層と複数のコア層とを所定の順序で積層し、コア部を3次元的に配置した光導波路を挙げることができる。この光導波路では、コア部は、例えばノルボルネン系樹脂を含む樹脂組成物を主材料とし、かつ活性放射線の照射により、又は、更に加熱することにより屈折率が変化する材料で構成されたコア層に対し活性放射線を選択的に照射することにより所望の形状に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
又、このような光導波路の他の例として、クラッド層とコア層とからなる導波路層を複数含み、かつ、複数の導波路層が少なくとも一部において積層されてなる光導波路を挙げることができる。この光導波路では、下部クラッド層の塗工後に、塗工された下部クラッド層に対し凹凸パターンが形成されたモールドをプレスして、凹凸パターンを下部クラッド層表面に転写することにより下部クラッド層に溝部を形成し、溝部内にコア層を塗工し、下部クラッド層上に更に上部クラッド層を塗工している(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−323319号公報 特開2006−184802号公報
しかしながら、従来の光導波路は、第1のクラッド部上にコア部を積層し、更にコア部を覆うように第2のクラッド部を積層する製造工程を含む。そのため、製造工程が複雑であり、又、コア部をX・Y・Z方向それぞれに自由に連続的に形成することが困難でありコア部のレイアウト設計の自由度が低いという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、コア部のレイアウト設計の自由度が高く、簡易な方法により製造可能な光導波路の製造方法を提供することを課題とする。
本光導波路の製造方法は、未硬化のクラッド部に吐出部先端の針状部を刺入する第1工程と、前記針状部から未硬化の材料を吐出させながら、前記針状部を前記未硬化のクラッド部内で移動させ、前記未硬化のクラッド部に周囲を被覆された未硬化のコア部を形成する第2工程と、前記針状部を前記未硬化のクラッド部から抜去する第3工程と、前記未硬化のクラッド部及び前記未硬化のコア部を硬化させる第4工程と、を有することを要件とする。
開示の技術によれば、コア部のレイアウト設計の自由度が高く、簡易な方法により製造可能な光導波路の製造方法を提供できる。
第1の実施の形態に係る光導波路を例示する平面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 第1の実施の形態に係る光導波路の光の伝搬について説明するための模式図である。 比較例に係る光導波路の光の伝搬について説明するための模式図である。 第1の実施の形態に係る光導波路の製造工程を例示する図(その1)である。 第1の実施の形態に係る光導波路の製造工程を例示する図(その2)である。 第1の実施の形態に係る光導波路の製造工程を例示する図(その3)である。 第1の実施の形態に係る光導波路の製造工程を例示する図(その4)である。 第1の実施の形態に係る光導波路の製造工程を例示する図(その5)である。 ディスペンサ法による光導波路の製造工程を例示する図(その1)である。 ディスペンサ法による光導波路の製造工程を例示する図(その2)である。 ディスペンサ法による光導波路の製造工程を例示する図(その3)である。 インプリント法による光導波路の製造工程を例示する図(その1)である。 インプリント法による光導波路の製造工程を例示する図(その2)である。 インプリント法による光導波路の製造工程を例示する図(その3)である。 第2の実施の形態に係る光導波路を例示する平面図である。 図17のE−E線に沿う断面図である。 図17のF−F線に沿う断面図である。 第3の実施の形態に係る光導波路を例示する平面図である。 図20のG−G線に沿う断面図である。 図20のH−H線に沿う断面図である。 実施例1に係る光導波路の製造工程を例示する図(その1)である。 実施例1に係る光導波路の製造工程を例示する図(その2)である。 実施例1で作製した各光導波路の断面写真である。 実施例1における各コア部の径と吐出条件との関係を例示する図である。 実施例2で作製した各光導波路の断面写真である。 実施例2で作製した光導波路の出射ニアフィールドパターン(NFP)画像である。 実施例2で作製した光導波路の干渉縞測定写真である。 図29の干渉縞から計算した屈折率分布を例示する図(その1)である。 図29の干渉縞から計算した屈折率分布を例示する図(その2)である。 実施例3で作製した光導波路の断面写真である。 実施例3で作製した光導波路の出射ニアフィールドパターン(NFP)画像である。 実施例3で作製した光導波路の干渉縞測定写真である。 図34の干渉縞から計算した屈折率分布を例示する図である。 実施例4で作製した光導波路の断面写真である。 実施例4で作製した光導波路の出射ニアフィールドパターン(NFP)画像である。 実施例5に係るスロープ型の光導波路を例示する断面図である。 実施例5で作製した光導波路の入射端及び出射端の断面写真である。 実施例6に係る立体交差型の光導波路を例示する断面図である。 実施例6で作製した立体交差型の光導波路の断面写真である。 実施例6で作製した光導波路の立体交差部分を上部から撮影した顕微鏡写真である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係る光導波路の構造]
まず、第1の実施の形態に係る光導波路の構造について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る光導波路を例示する平面図である。図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。図3は、図1のB−B線に沿う断面図である。図1〜図3で、光導波路10は、クラッド部19内に4チャネルのコア部11〜14が並設されたGI(Graded-Index)型の屈折率分布をもつ光導波路(以下、GI型の光導波路とする)を示している。なお、図1〜図3では、一例としてクラッド部19の形状を立方体又は直方体とし、立方体又は直方体の底面の一辺に平行な方向をX方向、立方体又は直方体の底面内でX方向に垂直な方向をY方向、X方向及びY方向に垂直な方向(立方体又は直方体の高さ方向)をZ方向としている(以降の図においても同様)。
コア部11〜14は、それぞれ、光が伝搬する部分であり、例えば、シリコーン樹脂を主成分とする材料から形成されている。又、コア部11〜14は、それぞれ、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等を主成分とする材料から形成されてもよい。或いは、コア部11〜14は、それぞれ、これらの樹脂を混合した材料から形成されてもよい。後述するように、コア部11〜14は、それぞれ、中心部ほど屈折率が高く、周辺部に近づくほど屈折率が低い。コア部11〜14の中心部のそれぞれの屈折率は、例えば1.52程度とすることができる。
コア部11〜14は、それぞれ、コア部11〜14の内部に界面を生じることなく連続的にかつ一体的に形成されている。ここで、界面とは、2つの層が互いに接触しているときに、2つの層の間にできる境界面をいう(後述するクラッド部についても同様)。コア部11〜14のそれぞれの断面形状は、例えば、円形とすることができる。コア部11〜14のそれぞれの断面形状が円形である場合の直径は、例えば、10〜200μm程度とすることができる。コア部11〜14において、隣接するコア部のピッチは、例えば、20〜300μm程度とすることができる。コア部11〜14のそれぞれにおいて、クラッド部19の底面からの高さは略一定である。つまり、コア部11〜14は、それぞれXY平面と略平行に形成されている。
なお、本願において、円形とはおおよそ円形であることを意味し、厳密な真円であることを意味するものではない。従って、GI型の光導波路としての所定の効果を実質的に損なわない範囲で真円からずれていてもよい。
クラッド部19は、コア部11〜14の周囲を被覆するように形成されている。クラッド部19は、例えば、シリコーン樹脂を主成分とする材料から形成されている。又、クラッド部19は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等を主成分とする材料から形成されてもよい。或いは、クラッド部19は、これらの樹脂を混合した材料から形成されてもよい。
更に、クラッド部19を形成するこれらの樹脂又はこれらの樹脂を混合した材料は、例えばカーボンブラック等の光を吸収する素材を含有してもよい。クラッド部19にカーボンブラック等の光を吸収する素材を分散させることにより、隣接するコア部間のクロストークを低減できる。特に、コア部が狭ピッチ化した場合に大変有利である。
但し、クラッド部19は、コア部11〜14の中心部よりも低屈折率の材料により形成する必要がある。コア部11〜14の中心部のそれぞれの屈折率が、例えば1.52程度であれば、クラッド部19の屈折率は、それより低い、例えば1.51程度とすることができる。クラッド部19の断面形状は、例えば、矩形状とすることができる。クラッド部19の厚さは、コア部11〜14の直径や製造条件等により任意に決定できるが、好ましくは数mm程度、より好ましくは50〜1000μm程度とすることができる。なお、後述の光導波路10の製造工程から明らかなように、クラッド部19は一体的に形成されたものであり、クラッド部19内に界面は存在しない。
ここで、比較例としてSI(Step-Index)型の屈折率分布をもつ光導波路(以下、SI型の光導波路とする)を示しながら、光導波路10の光の伝搬について説明する。図4は、第1の実施の形態に係る光導波路の光の伝搬について説明するための模式図である。図5は、比較例に係る光導波路の光の伝搬について説明するための模式図である。図4及び図5において、(A)はコア部の断面における屈折率分布を模式的に例示する断面図であり、(B)はコア部を伝搬する光を模式的に例示する平面図である。
図4(A)で、GI型の光導波路10のコア部11〜14のそれぞれの断面における屈折率分布は放物線状である。つまり、コア部11〜14のそれぞれの断面における屈折率は連続的に変化しており、中心部ほど屈折率が高く、周辺部に近づくほど屈折率が低くなっている。又、図4(B)で、例えば、矢印Iの部分からコア部12に入射した光81は、コア部12の側面に到達することなくコア部12内を伝搬して矢印Oの部分から出射する。これは、コア部12の断面における屈折率分布により、光81の電界分布をコア部11の中心に強く閉じこめる効果(光電界閉じこめ効果)が生じるためである。光81はコア部12の側面に到達しないため、コア部12とクラッド部19との界面の状態にかかわらず、光81は入射したコア部12内を伝搬し、隣接するコア部11やコア部13に遷移することはない。他のコア部についても同様である。
一方、図5(A)に示す比較例に係るSI型の光導波路100では、クラッド部190内のコア部110〜140のそれぞれの断面形状は四角形状であり、コア部110〜140のそれぞれの断面における屈折率分布は矩形状である。つまり、コア部110〜140のそれぞれの断面における屈折率は、クラッド部190との界面のみで非連続的に変化している。又、図5(B)で、矢印Iの部分からコア部120に入射した光82は、コア部120の側面で反射を繰り返しながらコア部120内を伝搬する。これは、SI型の光導波路100では、光82がコア部120とクラッド部190との界面で全反射して伝搬するためである。しかしながら、光82がコア部120の側面に到達したとき、コア部120とクラッド部190の界面に界面不整があると、界面不整の部分で光82は光83と光84に分離する。そして、光83はそのままコア部120内を伝搬して矢印Oの部分から出射するが、光84はコア部120から隣接するコア部110に遷移し、コア部110内を伝搬して矢印Oの部分から出射する。他のコア部についても同様である。
このように、SI型の光導波路100は、界面不整による伝送損失が大きく、又、隣接するコア部間のクロストークが問題となる。これに対して、GI型の光導波路10は、界面不整の影響を受けないため伝送損失が小さく、又、隣接するコア部間のクロストークを大幅に低減できる。この特徴は、特に、コア部が狭ピッチ化した場合に大変有利である。
これ以外にも、GI型の光導波路10は様々な特徴を有する。例えば、コア部の断面形状が円形である場合には、同様の円形のコア部を有する光ファイバと接続する際の接続損失を低減できる。又、コア部の断面における放物線状の屈折率分布により、モード分散の低減が可能となり、例えば、80Gb/s・m以上の超広帯域の高速伝送を実現できる。
[第1の実施の形態に係る光導波路の製造方法]
次に、第1の実施の形態に係る光導波路の製造方法について説明する。図6〜図10は、第1の実施の形態に係る光導波路の製造工程を例示する図である。
まず、図6に示す工程では、支持体91を準備する。支持体91は、平面形状が略矩形状の底板92の周縁部に、平面形状が略額縁状の外枠93が着脱可能な状態で配設された部材である。底板92及び外枠93のそれぞれの材料としては、例えば、樹脂(アクリル等)、ガラス、シリコン、セラミックス、金属等を用いることができる。但し、底板92と外枠93とは、同一材料を用いなくてもよい。底板92の上面は、平坦性が高いことが好ましい。
次に、図7に示す工程では、支持体91の外枠93内に露出する底板92の上面に所定の材料を塗布し、一様に広げて略一定層厚のクラッド部19Aを作製する。クラッド部19Aは、粘性(適度な流動性や付形性)を有するペースト状の樹脂前駆体を主成分としており、後工程で重合硬化され、最終的にクラッド部19となる部分である。ここで、樹脂前駆体とは、重合硬化されて樹脂を形成し得る前駆体化合物である。
クラッド部19Aの材料としては、例えば、重合硬化されてシリコーン樹脂を形成し得る樹脂前駆体を主成分とする材料を用いることができる。又、クラッド部19Aの材料として、例えば、重合硬化されてアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等を形成し得る樹脂前駆体を主成分とする材料を用いてもよい。或いは、クラッド部19Aの材料として、例えば、重合硬化されてこれらの樹脂を形成し得る複数の樹脂前駆体を主成分とする材料を用いてもよい。更に、クラッド部19Aの材料は、例えばカーボンブラック等の光を吸収する素材を含有してもよい。
クラッド部19Aの材料は、光硬化性、熱硬化性、熱可塑性等を適宜選択できる。クラッド部19Aの粘度は、例えば、10300cPs程度とすることができる。クラッド部19Aの厚さは、コア部11〜14の直径や製造条件等により任意に決定できるが、好ましくは数mm程度、より好ましくは50〜1000μm程度とすることができる。クラッド部19Aは、例えば、塗布装置(ディスペンサ等)や印刷装置等を用いて作製できる。
次に、図8に示す工程では、吐出部94(吐出部本体95及び針状部96を有する)を有する塗布装置(図示せず)を準備し、準備した塗布装置(図示せず)を作動させ、吐出部94先端の針状部96の一部をクラッド部19Aに刺入する。支持体91の底板92の上面から針状部96の先端部までの高さHは適宜選択できるが、例えば、100〜1000μm程度とすることができる(クラッド部19Aの層厚が数mm程度の場合)。
なお、塗布装置(図示せず)は、CPUやメモリ等を含んでおり、プログラムをすることにより、吐出部94をクラッド部19Aに対して、X方向、Y方向、及びZ方向に所定の移動速度で精度よく移動させる機能を有する。又、針状部96は、例えば、断面形状が円環状であり、塗布装置(図示せず)は、針状部96の円環内から所定の材料を所定の吐出圧力で吐出させる機能を有する。針状部96の円環の内径は適宜選択できるが、例えば、100〜200μm程度とすることができる。塗布装置(図示せず)は、例えば、卓上型塗布ロボットやディスペンサ等を含んで構成することができる。
次に、図9に示す工程では、塗布装置(図示せず)を作動させ、クラッド部19Aに刺入した針状部96から所定の材料を吐出させながら、針状部96をクラッド部19A内で移動させてコア部11Aを形成する。なお、図9において、(A)は平面図、(B)は(A)のC−C線に沿う断面図である。但し、(A)において吐出部94の図示は省略されている。針状部96の移動方向は適宜選択できるが、ここでは、一例としてX方向のみに移動させている。針状部96の移動速度は適宜選択できるが、例えば、5〜30mm/s程度とすることができる。針状部96の吐出圧力は適宜選択できるが、例えば、100〜400kPa程度とすることができる。
コア部11Aは、粘性(適度な流動性や付形性)を有するペースト状の樹脂前駆体を主成分としており、後工程で重合硬化され、最終的にコア部11となる部分である。コア部11Aの材料としては、例えば、重合硬化されてシリコーン樹脂を形成し得る樹脂前駆体を主成分とする材料を用いることができる。又、コア部11Aの材料として、例えば、重合硬化されてアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等を形成し得る樹脂前駆体を主成分とする材料を用いてもよい。或いは、コア部11Aの材料として、例えば、重合硬化されてこれらの樹脂を形成し得る複数の樹脂前駆体を主成分とする材料を用いてもよい。コア部11Aの材料は、光硬化性、熱硬化性、熱可塑性等を適宜選択できる。コア部11Aの粘度は、例えば、12000cPs程度とすることができる。
吐出部94の移動速度や針状部96の吐出圧力、針状部96の円環の内径を、それぞれコア部11Aの材料やクラッド部19Aの材料に合わせて調整することにより、例えば、断面形状が円形で、中心部ほど屈折率が高く周辺部に近づくほど屈折率が低いコア部11Aを形成できる。コア部11Aの断面形状が円形である場合の直径は、例えば、10〜200μm程度とすることができる。
なお、吐出部94の移動速度や針状部96の吐出圧力を、コア部11Aの材料やクラッド部19Aの材料に合わせて調整することにより、針状部96の円環の内径よりも小径の円形(断面形状)のコア部11Aを作製することが可能である。この理由は、粘性のある材料を針状部96から吐出する際に、円環の内側面と材料との摩擦により、円環の内側面近傍からは材料が吐出され難く、円環の内側面とは摩擦が生じない円環の中心部近傍の材料のみが優先的に吐出されるからである。
図9に示す工程では、クラッド部19Aが形成された支持体91を固定し、針状部96をクラッド部19A内で移動させてコア部11Aを形成する例を示した。しかしながら、このような態様には限定されず、例えば、針状部96を固定し、クラッド部19Aが形成された支持体91を移動させてコア部11Aを形成してもよい。
次に、図10に示す工程では、図9に示す状態から吐出部94をZ方向に移動させて、針状部96をクラッド部19Aから抜去する。そして、図9の工程と針状部96の抜去とを繰り返し、コア部12A、13A、及び14Aをコア部11Aに並設するように形成する。コア部12A、13A、及び14Aの材料としては、コア部11Aと同様の材料を用いることができる。隣接するコア部のピッチは、例えば、20〜300μm程度とすることができる。前述のように、クラッド部19Aは適度な流動性を有するため、針状部96をクラッド部19Aから抜去しても、抜去の痕跡は残らず、コア部11A、12A、13A、及び14Aを形成後も、クラッド部19Aに界面は形成されない。なお、図10において、(A)は平面図、(B)は(A)のD−D線に沿う断面図である。但し、(A)において吐出部94の図示は省略されている。
図10に示す工程の後(図示せず)、コア部11A、12A、13A、及び14A、並びにクラッド部19Aを所定の方法により重合硬化させる。例えば、コア部11A、12A、13A、及び14A、並びにクラッド部19Aが、それぞれ光硬化性の材料であれば、これらに光(紫外線等)を照射して硬化させる。光の照射のみでは完全に硬化しない材料を用いた場合には、光を照射した後、更に、加熱してもよい。
これにより、ペースト状の樹脂前駆体を主成分とするコア部11A、12A、13A、及び14A、並びにクラッド部19Aは、それぞれ重合硬化され、樹脂を主成分とするコア部11、12、13、及び14、並びにクラッド部19が形成される。なお、コア部11〜14は、それぞれ、コア部11〜14の内部に界面を生じることなく連続的にかつ一体的に形成され、クラッド部19は、クラッド部19の内部に界面を生じることなく一体的に形成される。以上の工程により、図1〜図3に示す光導波路10が完成する。なお、以降、図6〜図10に例示した光導波路の製造工程をインジェクション法と称する場合がある。
なお、第1の実施の形態では、支持体91を用意して光導波路を製造したが、支持体91は必ずしも必要なものではない。例えば、集積回路内やプリント基板内に形成された凹状の形状内にクラッド部19Aを作製してもよいし、当該基板内の溝やスリットを支持体の代替として作製してもよい。
ここで、比較例として所謂ディスペンサ法及び所謂インプリント法を示しながら、本願の特徴について説明する。なお、ディスペンサ法は、例えば、第71回応用物理学会学術講演会の講演予稿集(2010年秋 長崎大学)等に例示されている方法である。又、インプリント法は、例えば、O
plus E、 vol27、 No.2等に例示されている方法である。
最初にディスペンサ法について説明する。図11〜図13は、ディスペンサ法による光導波路の製造工程を例示する図である。まず、図11に示す工程では、インジェクション法と同様に、支持体91を準備し、支持体91の外枠93内に露出する底板92の上面に所定の材料を塗布し、一様に広げて略一定層厚のクラッド部19Eを作製する。クラッド部19Eの材料としては、例えば、クラッド部19Aと同一材料を用いることができる。
そして、インジェクション法と同様に、吐出部94(吐出部本体95及び針状部96を有する)を有する塗布装置(図示せず)を準備し、準備した塗布装置(図示せず)を作動させ、吐出部94先端の針状部96をクラッド部19E上に配置する。但し、インジェクション法とは異なり、針状部96をクラッド部19Eには刺入せず、針状部96先端とクラッド部19E上面とが所定の間隔を有するように配置する。
そして、塗布装置(図示せず)を作動させ、クラッド部19E上に配置した針状部96から所定の材料を吐出させながら、針状部96をクラッド部19E上で移動させて1つのコア部11Eを形成する。その後、同様の動作を繰り返し、例えば、4つのコア部11Eを並設する。コア部11Eの材料としては、例えば、コア部11Aと同一材料を用いることができる。
次に、図12に示す工程では、図11に示す工程と同様にして、コア部11Eを被覆するようにクラッド部19E上に略一定層厚のクラッド部19Fを作製する。クラッド部19Fの材料としては、例えば、クラッド部19Eと同一材料を用いることができる。その後、クラッド部19E、コア部11E、及びクラッド部19Fを硬化させる。
次に、図13に示す工程で、支持体91を除去することにより、光導波路が完成する。完成した光導波路には、クラッド部の内部(クラッド部19Eとクラッド部19Fとの境界部分)に界面61が生じる。
続いて、インプリント法について説明する。図14〜図16は、インプリント法による光導波路の製造工程を例示する図である。
まず、図14に示す工程では、例えば、基板上等に所定の材料を塗布し、一様に広げて略一定層厚のクラッド部19Mを作製する。クラッド部19Mの材料としては、例えば、クラッド部19Aと同一材料を用いることができる。又、形成したいコア部の形状に対応する凸部を有するモールド200を準備する。そして、モールド200の凸部をクラッド部19Mの一方の面に接触させる。
次に、図15に示す工程では、モールド200の凸部をクラッド部19Mの一方の面に接触させた状態でモールド200を加圧し(必要に応じて、加熱してもよい)、その状態でクラッド部19Mを硬化させる。そして、モールド200をクラッド部19Mから剥離する。クラッド部19Mにモールド200の残渣等が付着している場合には、ドライエッチング等により除去する。これにより、クラッド部19Mの一方の面に、モールド200の凸部が転写された凹部50が形成される。
次に、図16に示す工程では、クラッド部19Mの凹部50に所定の材料を充填し、コア部11Nを作製する。コア部11Nの材料としては、例えば、コア部11Aと同一材料を用いることができる。その後、コア部11Nを被覆するようにクラッド部19M上に略一定層厚のクラッド部19Nを作製する。クラッド部19Nの材料としては、例えば、クラッド部19Mと同一材料を用いることができる。その後、コア部11N及びクラッド部19Nを硬化させることにより、光導波路が完成する。完成した光導波路には、クラッド部の内部(クラッド部19Mとクラッド部19Nとの境界部分)に界面62が生じる。
このように、ディスペンサ法やインプリント法では、クラッド部を積層する工程が存在するため、光導波路の製造工程が複雑化する。又、ディスペンサ法やインプリント法では、積層したクラッド部の境界部分に界面が生じ、界面では屈折率の変化を伴う(界面では屈折率が不連続となる)。
一方、第1の実施の形態に係るインジェクション法では、クラッド部を積層する工程を有さない簡易な方法により、GI型の光導波路を製造できる。又、クラッド部を積層する工程を有さず1つのクラッド部の内部に直接コア部を作製するため、クラッド部は内部に界面を生じることなく一体的に形成される。
つまり、インジェクション法では、ディスペンサ法やインプリント法とは異なる簡易な製造工程により、ディスペンサ法やインプリント法とは異なる構造の(クラッド部の内部に界面を有さない)光導波路が製造できる。
又、インジェクション法は、針状部から所定の材料を吐出させながら、針状部をクラッド部内で移動させてコア部を形成するため、針状部の移動方向を制御することにより、コア部を自由にレイアウトできる。インジェクション法では3次元に自在なコア部を連続的に形成することも容易であるため、ディスペンサ法やインプリント法とは異なり、立体構造の光導波路を容易に製造できる。これに関しては、第2の実施の形態、第3の実施の形態、及び実施例において説明する。
なお、ディスペンサ法やインプリント法とは別の比較例として、プリフォーム法(例えば、特開2008−242449号公報参照)を挙げることができる。プリフォーム法は、GI型プラスチック光ファイバの作製工程に用いられているプリフォームの熱延伸行程を光導波路作製プロセスに適用したものであり、1つのプリフォームから数百mにも及ぶ光導波路を一度に作製できる点で生産性に優れる。しかしながら、プリフォーム法は、基板上に光導波路を形成する方法ではないため、形成した光導波路を別途プリント基板等に精密実装する必要があり、実装コストの問題等が懸念される。一方、第1の実施の形態に係るインジェクション法では、集積回路やプリント基板等にも容易に光導波路を作製することができる。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、コア部の一部を傾斜させたスロープ型の光導波路を例示する。図17は、第2の実施の形態に係る光導波路を例示する平面図である。図18は、図17のE−E線に沿う断面図である。図19は、図17のF−F線に沿う断面図である。図17〜図19で、光導波路20は、クラッド部29内に4チャネルのコア部21〜24が並設されたGI型の光導波路である。なお、コア部21〜24及びクラッド部29の材料や断面形状、機能等は、第1の実施の形態のコア部11〜14及びクラッド部19と同様であるため、詳細な説明は省略する。
光導波路10では、コア部11〜14全体が、それぞれ一方向(X方向と略平行な方向)に直線状に形成されていたが、光導波路20では、コア部21〜24が、それぞれ傾斜する部分(スロープ部分)を含むように形成されている。つまり、コア部21〜24は、それぞれ屈曲する部分を含んでおり、一方向に直線状には形成されていない。なお、屈曲する部分は、湾曲していてもよい(弓なりに曲がっていてもよい)。
より詳しくは、光導波路20のコア部21は、X方向と略平行な方向に直線状に形成された部分21aと、屈曲する部分21bと、X方向に対してZ方向に傾斜する方向に直線状に形成された部分21c(スロープ部分)と、屈曲する部分21dと、X方向と略平行な方向に直線状に形成された部分21eとを含んでいる。
部分21a、21c、及び21eは、互いに異なる直線上にある。部分21aと部分21eとは、クラッド部29の底面からの距離が異なる別階層である。但し、これらの各部分は、便宜上コア部21を複数の部分に分割したものであり、コア部21は、コア部21の内部に界面を生じることなく連続的にかつ一体的に形成されている。コア部22から24もコア部21と同様の形状である。
スロープ型の光導波路を製造するには、例えば、第1の実施の形態の図9に示す工程において、針状部96を未硬化のクラッド部の底面からの垂直距離を変えながら移動するように、塗布装置(図示せず)をプログラムすればよい。つまり、針状部96をX方向に移動させながらZ方向にも移動するように塗布装置(図示せず)をプログラムすれば、スロープ部分(部分21c)を形成できる。X方向の移動速度とZ方向の移動速度とは、形成したいスロープ部分(部分21c)の傾斜角度を考慮して適宜設定できる。
なお、針状部96を未硬化のクラッド部の側面からの水平距離を変えながら移動させることにより、XZ平面に対してY方向に傾斜した部分を含むコア部を形成することも可能である。更に、針状部96を未硬化のクラッド部の底面からの垂直距離を変えるとともに、側面からの水平距離を変えながら移動させることにより、XY平面に対してZ方向に傾斜するとともに、XZ平面に対してY方向に傾斜した部分を含むコア部を形成することも可能である。要するに、塗布装置(図示せず)を制御し、針状部96を任意の方向に移動させながら針状部96から所定の材料を吐出させることにより、様々な形状のコア部を簡易な方法で形成できる。
又、第2の実施の形態では、部分21a、21c、及び21eを直線状に形成する例を示したが、部分21a、21c、及び21eは曲線状(コイル状、スパイラル状やヘリックス状も含む。以下、同様)に形成してもよい。部分21a、21c、及び21eが曲線状であっても、直線状の場合と同様に光が伝搬する。或いは、直線状の部分と曲線状の部分が混在してもよい。例えば、部分21aを直線状に形成し、部分21c及び21eを曲線状に形成してもよい。又、部分21a、21c、及び21eは同一平面上にあってもよいし、互いに異なる平面上にあってもよい。
このように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果を奏し、界面を生じることなく一体的に形成されている1つのクラッド部内に、クラッド部の所定の面に平行なコア部やクラッド部の所定の面に対して傾斜したコア部を含むスロープ型の光導波路を容易に製造できる。
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態では、コア部同士が立体的に交差する立体交差型の光導波路を例示する。図20は、第3の実施の形態に係る光導波路を例示する平面図である。図21は、図20のG−G線に沿う断面図である。図22は、図20のH−H線に沿う断面図である。図20〜図22で、光導波路30は、クラッド部39内に8チャネルのコア部31〜38が形成されたGI型の光導波路である。なお、コア部31〜38及びクラッド部39の材料や断面形状、機能等は、第1の実施の形態のコア部11〜14及びクラッド部19と同様であるため、詳細な説明は省略する。
光導波路30において、コア部31〜34全体は、それぞれ一方向(Y方向と略平行な方向)に直線状に形成されている。一方、コア部35〜38は、それぞれ傾斜する部分(スロープ部分)を含むように形成されている。つまり、コア部35〜38は、それぞれ屈曲する部分を含んでおり、一方向に直線状には形成されていない。なお、屈曲する部分は、湾曲していてもよい(弓なりに曲がっていてもよい)。
より詳しくは、光導波路30のコア部35は、X方向と略平行な方向に直線状に形成された部分35aと、屈曲する部分35bと、X方向に対してZ方向に傾斜する(上昇する)方向に直線状に形成された部分35c(スロープ部分)と、屈曲する部分35dと、X方向と略平行な方向に直線状に形成された部分35eと、屈曲する部分35fと、X方向に対してZ方向に傾斜する(下降する)方向に直線状に形成された部分35g(スロープ部分)と、屈曲する部分35hと、X方向と略平行な方向に直線状に形成された部分35iとを含んでいる。
部分35a、35c、35e、及び35gは互いに異なる直線上にあるが、部分35a及び35iは同一直線上にある。但し、部分35a及び35iは、必ずしも同一直線上に形成しなくてもよい。部分35a及び35iと部分35eとは、クラッド部39の底面からの距離が異なる別階層である。但し、これらの各部分は、便宜上コア部35を複数の部分に分割したものであり、コア部35は、コア部35の内部に界面を生じることなく連続的にかつ一体的に形成されている。コア部36から38もコア部35と同様の形状である。コア部35〜38は、コア部31〜34と立体的に交差している。
立体交差型の光導波路を製造するには、第1の実施の形態の製造方法と第2の実施の形態の製造方法とを組み合わせればよいが、最初にコア部31〜34を作製し、その後コア部35〜38を作製すべき点に留意する必要がある。なお、第2の実施の形態と同様に、塗布装置(図示せず)を制御し、針状部96を任意の方向に移動させながら針状部96から所定の材料を吐出させることにより、様々な形状のコア部を簡易な方法で形成できる。又、第2の実施の形態と同様に、部分35a、35c、35e、35g、及び35iは曲線状に形成してもよいし、直線状の部分と曲線状の部分が混在してもよい。又、部分35a、35c、35e、35g、及び35iは同一平面上にあってもよいし、互いに異なる平面上にあってもよい。
このように、第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果を奏し、界面を生じることなく一体的に形成されている1つのクラッド部内でコア部同士が立体的に交差する立体交差型の光導波路を容易に製造できる。
以下、図面を参照して実施例について説明する。なお、各図面において、既に説明した実施の形態と同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈実施例1〉
実施例1では、表1に示す条件で、クラッド部内に1チャネルのコア部を形成した光導波路を作製した。
Figure 0006038787

以下、具体的に説明する。まず、図23(A)に示すように、支持体91を作製し、支持体91にクラッド材料19Bを塗布した。
より詳しくは、縦10cm×横10cm×厚さ3mmのアクリル板を底板92とし、底板92の周縁部近傍に所望のサイズに切り取った4枚のアクリル板を平面形状が略額縁状となるように貼りつけて外枠93とし、支持体91を作製した。そして、支持体91の外枠93内に露出する底板92の上面にクラッド材料19Bを塗布した。なお、クラッド材料19Bは、重合硬化されてクラッド部19となる樹脂前駆体を主成分としており、ここでは、ADEKA株式会社製FX−W713(粘度、約10300cPs)を用いた。
次に、図23(B)に示すように、クラッド部19Aを作製した。具体的には、支持体91を水平方向から約45度傾けながら、クラッド材料19Bを外枠93内に一様に広げた後、水平となるように支持体91を静置し、クラッド材料19B中に混入した気泡をポリスポイト97で取り除き、更に、水平に保ちながら室温下において遮光した状態で30分程度静置し、おおよそ縦9cm×横4cm×厚さ3mmであるクラッド部19Aを作製した。なお、クラッド部19Aとクラッド部19Bとは、形状が異なるのみであり、物性は同一である。
次に、図23(C)に示すように、クラッド部19A内部にコア材料を吐出してコア部11Aを作製した。具体的には、クラッド部19Aが作製された支持体91を卓上型塗布ロボット(武蔵エンジニアリング株式会社製SHOTmini SL 200DS)のワークテーブルに取り付けた。又、5ml UVブロックシリンジ(武蔵エンジニアリング株式会社製PSY-5E)中に、コア材料としてADEKA株式会社製FX−W712(粘度、約12000cPs)を充填して脱泡し、卓上型塗布ロボットに取り付けた。更に、吐出部94(吐出部本体95及び針状部96を有する)として内径190μmの金属ニードル(武蔵エンジニアリング株式会社製SN-27G-LF)を卓上型塗布ロボットに取り付けた。
続いて、支持体91の底板92の上面から針状部96の先端部までの高さが300μmとなるように吐出部94の位置を調整した。又、ディスペンサ(武蔵エンジニアリング株式会社製ML-808FXcom)の吐出圧力を250kPaに設定し、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を8mm/sに設定した。
卓上型塗布ロボットの吐出プログラムを動作させることにより、支持体91の底板92の上面から針状部96の先端部までの高さが300μmの位置で、光導波路の長さが8.5cmとなるように、コア材料FX−W712をクラッド部19A内部に吐出してコア部11Aを形成した。
次に、図24(D)に示すように、紫外線照射装置98を用いてコア部11A及びクラッド部19Aに紫外線99を照射して樹脂前駆体を重合硬化させた後、図24(E)に示すように、支持体91から外枠93とり除き、更に、カミソリ(図示せず)を用いて底板92からコア部11A及びクラッド部19Aを剥離した。剥離したコア部11A及びクラッド部19Aは、90℃の空気浴内で19分程度ポストベークを行って完全に硬化させた。その後、徐々に温度を下げながら空冷(徐冷)し、クラッド部19内部に1チャネルのコア部11を有する光導波路(樹脂平板状導波路)を得た(図24(F))。なお、徐冷する理由は、急激に常温に戻すと、急激な体積収縮により、コア部11Aやクラッド部19Aが割れる虞があるためである。
続いて、ディスペンサの吐出圧力を250kPaに設定したまま、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を、順次10、12、14mm/sに設定して、同様の工程により、3個の光導波路を作製した。更に、ディスペンサの吐出圧力を350kPaに設定し、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を、順次8、10、12、14mm/sに設定して、同様の工程により、4個の光導波路を作製した。このようにして、吐出圧力及び描線動作速度(吐出部94の移動速度)の条件が異なる8個の光導波路が完成した。
図25は、実施例1で作製した各光導波路の断面写真である。図25に示すように、表1の何れの条件下においても、断面形状が円形に近いコア部11を有する光導波路が作製された。各コア部11の径は、何れも100μm前後である。図26は、実施例1における各コア部11の径と吐出条件との関係を例示する図である。図26において、縦軸はコア部11の径、横軸は吐出部94の移動速度である。図26に示すように、250kPaで吐出した時、グラフには線形性が見られた。一方、350kPaで吐出した時は、吐出部94の移動速度が速くなるとコア部11の径の変化量が小さくなることが推測された。コア材料の吐出圧力が250kPa、かつ、吐出部94の移動速度(描線動作速度)が14mm/sの場合に、コア部11の径が最も小さくなり、約80μmのコア径が得られた。又、金属ニードルの移動速度や吐出圧力をコア部の材料やクラッド部の材料に合わせて調整することにより、金属ニードルの内径よりも小径の円形(断面形状)のコア部11を作製できることが確認された。
なお、図25及び図26は、それぞれコア部11の径とコア部11の製造条件の一例を示しており、両者が完全に対応しているわけではない。
〈実施例2〉
実施例2では、表2に示す条件で、クラッド部内に1チャネルのコア部を形成した光導波路を作製した。
Figure 0006038787
以下、具体的に説明する。実施例1との相違は、第1に、ディスペンサの吐出圧力を順次250、350、450kPaに設定した点、第2に、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を順次8、10、12mm/sに設定した点、第3に、吐出部94として内径150μmの金属ニードル(武蔵エンジニアリング株式会社製SN-30G-LF)を用いた点である。その他の条件は実施例1と同一として、図23及び図24に示す工程により光導波路の作製を行った。
図27は、実施例2で作製した各光導波路の断面写真である。図27に示すように、金属ニードルの内径を細くした場合でも、表2の何れの条件下においても、断面形状が円形に近いコア部11を有する光導波路が作製されている。各コア部11の径は、何れも50μm前後である。
次に、実施例2で作製した光導波路の特性評価を行った。まず、実施例2で作製した光導波路の出射ニアフィールドパターン(NFP)を測定した。光源には白色光源(安藤電気株式会社製AQ-4303B)を用い、入射プローブには、長さ1mでコア径50μmのGI型マルチモードファイバ(エイム電子株式会社製AFP2-FC/FC-10G-50-01-1C)を用い、光導波路からの出射光は、ビームプロファイラ(オフィール社製BeamStar FX50)にて測定した。
実施例2で作製した全ての光導波路において、光の導波を確認することができたが、その中の1つを図28に例示する。図28は、実施例2で作製した光導波路の出射ニアフィールドパターン(NFP)画像である((A)は2次元の画像、(B)は3次元の画像)。図28は、金属ニードルの内径が150μm、吐出圧力が350kPa、吐出部(金属ニードル)の移動速度が12mm/sの条件で作製した光導波路のデータである。
次に、実施例2で作製した光導波路の屈折率分布を、濾過型二光速干渉顕微鏡(溝尻光学製)を用いて評価した。実施例2で作製した光導波路をコア部の光軸に垂直になるようにスライスしたスラブ状のサンプルを、両面を研磨することにより厚さ200μmに加工し、測定に用いた。図29は、実施例2で作製した光導波路の干渉縞測定写真である。図30及び図31は、図29の干渉縞から計算した屈折率分布を例示する図である。なお、図29〜図31は、図28と同様に、金属ニードルの内径が150μm、吐出圧力が350kPa、吐出部(金属ニードル)の移動速度が12mm/sの条件で作製した光導波路のデータである。
図29に示す干渉縞写真から、コア部の周辺部分の屈折率の変化が大きく、中心部分は屈折率の変化が小さいことがわかる。又、図30及び図31から、略放物線状に屈折率分布が形成されていることが確認された。更に、屈折率分布係数gの値を評価したところ、g=4であることがわかった。
〈実施例3〉
実施例1及び2では、図23及び図24に示す方法(インジェクション法)を用いて、コア部の断面形状が円形のGI型の光導波路の作製が可能であることを検証してきた。実施例3では、インジェクション法で光導波路の並列化が可能か否かを検討した。具体的には、図23及び図24に示す工程を繰り返し実行することにより、表3に示す条件で、クラッド部内に4チャネルのコア部を並列に形成した光導波路を作製した。なお、実施例3は、前述の第1の実施の形態に対応するものである。
Figure 0006038787
図32は、実施例3で作製した光導波路の断面写真である。図32は、吐出部(金属ニードル)の移動速度が22mm/sの条件で作製した光導波路のデータである。図32に示す通り、コア部の断面形状が円形であり、コア部のピッチが略250μmの4チャネル樹脂並列光導波路(PPOW)の作製に成功した。又、出射ニアフィールドパターン(NFP)画像にて光の導波を確認した。
図33は、実施例3で作製した光導波路の出射ニアフィールドパターン(NFP)画像である((A)は2次元の画像、(B)は3次元の画像)。光源には白色光源(安藤電気株式会社製AQ-4303B)を用い、入射プローブには、長さ1mでコア径800μmのSI型マルチモードファイバ(三菱電線工業株式会社製FV95P2-ST800G)を用い、光導波路からの出射光は、ビームプロファイラ(オフィール社製BeamStar FX50)にて測定した。
図34は、実施例3で作製した光導波路の干渉縞測定写真である。図35は、図34の干渉縞から計算した屈折率分布を例示する図である。なお、図33〜図35は、図32と同様に、吐出部(金属ニードル)の移動速度が22mm/sの条件で作製した光導波路のデータである。又、図35は、作製した光導波路の1チャネル目のコア部の屈折率分布である。
図34に示す干渉縞写真から、コア部の周辺部分の屈折率の変化が大きく、中心部分は屈折率の変化が小さいことがわかる。又、図35から、略放物線状に屈折率分布が形成されていることが確認された。
〈実施例4〉
実施例4では、図23及び図24に示す工程を繰り返し実行することにより、表4に示す条件で、クラッド部内に8チャネルのコア部を並列に形成した光導波路を作製した。
Figure 0006038787
図36は、実施例4で作製した光導波路の断面写真である。図36に示す通り、コア部の断面形状が円形であり、コア部のピッチが略250μmの8チャネル樹脂並列光導波路(PPOW)の作製に成功した。又、出射ニアフィールドパターン(NFP)画像にて光の導波を確認した。図37は、実施例4で作製した光導波路の出射ニアフィールドパターン(NFP)画像である((A)は2次元の画像、(B)は3次元の画像)。光源には白色光源(安藤電気株式会社製AQ-4303B)を用い、入射プローブには、長さ1mでコア径800μmのSI型マルチモードファイバ(三菱電線工業株式会社製FV95P2-ST800G)を用い、光導波路からの出射光は、ビームプロファイラ(オフィール社製BeamStar FX50)にて測定した。
〈実施例5〉
実施例5では、表5に示す条件で、クラッド部内に部分的に傾斜するコア部を形成したスロープ型の光導波路を作製した。なお、実施例5は、前述の第2の実施の形態に対応するものである(但し、作製したコア部は1チャネルのみである)。
Figure 0006038787
以下、具体的に説明する。まず、前述の図23(A)及び図23(B)と同様にして、おおよそ縦7cm×横4cm×厚さ2mmであるクラッド部29Aを作製した。なお、クラッド部29Aは、粘性(適度な流動性や付形性)を有するペースト状の樹脂前駆体を主成分としており、後工程で重合硬化され、最終的にクラッド部29(図17〜図19参照)となる部分である。
次に、前述の図23(C)と同様にして、吐出部94として内径150μmの金属ニードル(武蔵エンジニアリング株式会社製SN-30G-LF)を卓上型塗布ロボットに取り付け、支持体91の底板92の上面から針状部96の先端部までの高さH(図38参照)が150μmとなるように吐出部94の位置を調整した。又、ディスペンサの吐出圧力を200kPaに設定し、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を16mm/sに設定した。
続いて、図38に示すように、厚さT≒2mmのクラッド部29Aに、X方向と略平行な方向に直線状に形成された部分21a(X方向の長さ≒10mm)、屈曲する部分21b、X方向に対してZ方向に傾斜する(上昇する)方向に直線状に形成された部分21c(スロープ部分)(X方向の長さ≒50mm)、屈曲する部分21d、X方向と略平行な方向に直線状に形成された部分21e(X方向の長さ≒10mm)が一連の動作で描画でき、かつ、部分21aの終点(屈曲する部分21b)と部分21cの終点(屈曲する部分21d)のZ方向の高低差H(入出力高低差)が100μmとなるようにディスペンサをプログラムし、コア材料FX−W712をクラッド部29A内部に吐出してコア部21Aを形成した。但し、これらの各部分は、便宜上コア部21Aを複数の部分に分割したものであり、コア部21Aは、コア部21Aの内部に界面を生じることなく連続的にかつ一体的に形成される。なお、コア部21Aは、粘性(適度な流動性や付形性)を有するペースト状の樹脂前駆体を主成分としており、後工程で重合硬化され、最終的にコア部21(図17〜図19参照)となる部分である。
次に、前述の図24(D)〜図24(F)と同様の工程により、クラッド部29内部に1チャネルのコア部21を有するスロープ型の光導波路を得た。
続いて、他の条件は一定とし、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を順次18、22mm/sに設定して、同様の工程により、2個のスロープ型の光導波路を作製した。次に、高低差Hが300μmとなるようにディスペンサをプログラムし、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を順次16、18、22mm/sに設定して、3個のスロープ型の光導波路を作製した。更に、高低差Hが500μmとなるようにディスペンサをプログラムし、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を順次16、18、22mm/sに設定して、3個のスロープ型の光導波路を作製した。このようにして、高低差H及び描線動作速度(吐出部94の移動速度)の条件が異なる9個のスロープ型の光導波路が完成した。
なお、ディスペンサの吐出圧力を200kPaに設定し、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を16〜20mm/sに設定した理由は、実施例1〜4の結果から、低吐出圧力、かつ、高移動速度での吐出によって小径のコア部を得られることが示唆されているからである。
図39は、実施例5で作製した光導波路の入射端及び出射端の断面写真である。図39において、(A)は入射端の断面写真、(B)は高低差H=100μmの場合の出射端の断面写真、(C)は高低差H=300μmの場合の出射端の断面写真、(D)は高低差H=500μmの場合の出射端の断面写真であり、何れも40倍のレンズを使用して撮影したものである。又、図39は、光源には白色光源(安藤電気株式会社製AQ-4303B)を用い、入射プローブには、長さ1mでコア径100μmのマルチモードファイバ(Fiber Instrument Sales(FIS)社製S57U7VM1Fis)を用い、光導波路からの出射光は、USBマイクロスコープ(スカラ株式会社製M2)で観察したものである。
図39(A)に示すように、入射端でのコア部の位置が最低階層にあり、図39(B)〜図39(D)に示すように、ディスペンサのプログラムの設定値の通り、出射端が高い階層にできていることが確認できた。
〈実施例6〉
実施例6では、表6に示す条件で、クラッド部内でコア部同士が立体的に交差する立体交差型の光導波路を作製した。なお、実施例6は、前述の第3の実施の形態に対応するものである(但し、作製した上側のコア部は1チャネルのみである)。
Figure 0006038787
以下、具体的に説明する。まず、前述の図23(A)及び図23(B)と同様にして、おおよそ縦5cm×横4cm×厚さ2mmであるクラッド部39Aを作製した。なお、クラッド部39Aは、粘性(適度な流動性や付形性)を有するペースト状の樹脂前駆体を主成分としており、後工程で重合硬化され、最終的にクラッド部39(図20〜図22参照)となる部分である。
次に、前述の図23(C)と同様にして、吐出部94として内径150μmの金属ニードル(武蔵エンジニアリング株式会社製SN-30G-LF)を卓上型塗布ロボットに取り付け、支持体91の底板92の上面から針状部96の先端部までの高さH(図40参照)が150μmとなるように吐出部94の位置を調整した。又、ディスペンサの吐出圧力を200kPaに設定し、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を20mm/sに設定した。そして、実施例3と同様にして、図40に示すように、厚さT≒2mmのクラッド部39A内にピッチPが略250μmの4チャネルのコア部31A、32A、33A、及び34AをY方向と略平行な方向に形成した。なお、コア部31A、32A、33A、及び34Aは、粘性(適度な流動性や付形性)を有するペースト状の樹脂前駆体を主成分としており、最終的にコア部31、32、33、及び34(図20〜図22参照)となる部分である。
続いて、支持体91の底板92の上面から針状部96の先端部までの高さH(図40参照)が150μmとなるように吐出部94の位置を再び調整した。又、ディスペンサの吐出圧力を200kPaのままにし、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を16mm/sに設定した。そして、図40に示すように、厚さT≒2mmのクラッド部39Aに、X方向と略平行な方向に直線状に形成された部分35a(X方向の長さ≒5mm)、屈曲する部分35b、X方向に対してZ方向に傾斜する(上昇する)方向に直線状に形成された部分35c(スロープ部分)(X方向の長さ≒15mm)、屈曲する部分35d、X方向と略平行な方向に直線状に形成された部分35e(X方向の長さ≒10mm)、屈曲する部分35f、X方向に対してZ方向に傾斜する(下降する)方向に直線状に形成された部分35g(スロープ部分)(X方向の長さ≒15mm)、屈曲する部分35h、X方向と略平行な方向に直線状に形成された部分35i(X方向の長さ≒5mm)が一連の動作で描画でき、かつ、コア部31A〜34Aとコア部35Aの部分35eとのZ方向の高低差Hが700μmとなるようにディスペンサをプログラムし、コア材料FX−W712をクラッド部39A内部に吐出してコア部35Aを形成した。但し、これらの各部分は、便宜上コア部35Aを複数の部分に分割したものであり、コア部35Aは、コア部35Aの内部に界面を生じることなく連続的にかつ一体的に形成される。なお、コア部35Aは、粘性(適度な流動性や付形性)を有するペースト状の樹脂前駆体を主成分としており、後工程で重合硬化され、最終的にコア部35(図20〜図22参照)となる部分である。
次に、前述の図24(D)〜図24(F)と同様の工程により、クラッド部39内部にコア部31〜34、及びコア部31〜34と立体的に交差するコア部35を有する立体交差型の光導波路を得た。
続いて、別のクラッド部にコア部31A〜34Aを形成後、他の条件は一定とし、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を順次18、22mm/sに設定して、同様の工程により、2個の立体交差型の光導波路を作製した。このようにして、コア部35Aの描線動作速度(吐出部94の移動速度)の条件が異なる3個の立体交差型の光導波路が完成した。
なお、ディスペンサの吐出圧力を200kPaに設定し、卓上型塗布ロボットの描線動作速度(吐出部94の移動速度)を16〜20mm/sに設定した理由は、実施例1〜4の結果から、低吐出圧力、かつ、高移動速度での吐出によって小径のコア部を得られることが示唆されているからである。
図41は、実施例6で作製した立体交差型の光導波路の断面写真である。図41において、(A)はコア部35の断面写真、(B)はコア部31〜34の断面写真である。図41に示すように、下を通る4チャネルの並列のコア部と上を通る1チャネルのコア部が立体的に交差した光導波路が得られた。図42は、実施例6で作製した光導波路の立体交差部分を上部から撮影した顕微鏡写真である。図42において、(A)はコア部35にピントを合わせた写真、(B)はコア部31〜34にピントを合わせた写真である。上を通るコア部35にピントを合わせると下を通るコア部31〜34にピントが合わないことから、上下で立体交差していることが確認できる。なお、図41及び図42は、コア部35を形成する際の吐出部(金属ニードル)の移動速度が16mm/sの条件で作製した光導波路のデータである。
以上の実施例1〜6により、インジェクション法を用いて、並列型、スロープ型、及び立体交差型のGI型の光導波路が作製可能であることが確認された。又、作製した各光導波路において、良好な光の導波が確認された。
以上、光導波路及びインジェクション法を用いた光導波路の製造方法の好ましい実施の形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施の形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、クラッド部の上面側から光を入射する場合には、インジェクション法を用いて、水平方向のコア部、斜め方向のコア部(スロープ部分)、及び垂直方向のコア部を連続的に形成すればよい。これにより、従来用いられていた45度反射ミラー等が不要となる。
又、コア部の断面形状は円形には限定されず、針状部96の断面形状を適宜変形して、楕円形、略四角形、略三角形等の様々な形状としても構わない。
又、上記実施の形態及び実施例では、コア部を1階層又は2階層とする例を示したが、コア部を3階層以上とすることも可能である。
又、本発明に係る光導波路を配線基板上に直接作製することも可能である。
又、針状部96は、必ずしも直線状の形状でなくても構わない。
本国際出願は2011年6月27日に出願した日本国特許出願2011−142081号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2011−142081号の全内容を本国際出願に援用する。
10、20、30 光導波路
11、11A、12、12A、13、13A、14、14A、21、21A、22、23、24、31、31A、32、32A、33、33A、34、34A、35、35A、36、37、38 コア部
19、19A、29、29A、39A クラッド部
19B クラッド材料
81 光
91 支持体
92 底板
93 外枠
94 吐出部
95 吐出部本体
96 針状部
97 ポリスポイト
98 紫外線照射装置
99 紫外線
、H、H、H、H 高さ
、O 矢印
、L、L、L、L、L、L、L 長さ
、T 厚さ

Claims (3)

  1. 未硬化のクラッド部に吐出部先端の針状部を刺入する第1工程と、
    前記針状部から未硬化の材料を吐出させながら、前記針状部を前記未硬化のクラッド部内で移動させ、前記未硬化のクラッド部に周囲を被覆された未硬化のコア部を形成する第2工程と、
    前記針状部を前記未硬化のクラッド部から抜去する第3工程と、
    前記未硬化のクラッド部及び前記未硬化のコア部を硬化させる第4工程と、を有する光導波路の製造方法。
  2. 前記第3工程と前記第4工程との間で、前記第2工程及び前記第3工程を繰り返し、前記未硬化のクラッド部に周囲を被覆された複数の未硬化のコア部を形成する請求項記載の光導波路の製造方法。
  3. 前記複数の未硬化のコア部の少なくとも一部を立体的に交差するように形成する請求項記載の光導波路の製造方法。
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