JP4200436B2 - 高分子光導波路 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子光導波路に関し、更に詳細には、光インタコネクションや光通信に用いられ、簡易な構成で良好なクラッドモード抑制の効果を有する高分子光導波路に関するものである。更に、本発明は、高分子光導波路の入射端部で、それぞれ、相互に波長の異なる導波光、例えば赤色光、緑色光、及び青色光を入射させ、高分子光導波路の出射端部から赤色光、緑色光、及び青色光の合波光を出射させることができ、しかもクラッドモードを抑制した高分子光導波路に関するものである。
光インタコネクションや光通信の機器では、光素子又は光学部品と光導波路との光結合効率を高めることが重要である。そのためには、光源からの光をできるだけ光導波路のコア層のみに入射させるように、光源からの光をレンズなどで十分に精度良く絞り、高い光結合効率を示すように光導波路と光源とを配置することが必要である。光源からの光をコア層にのみ入射させるには、高精度の技術が要求されるので、実際には実現困難であり、光がコア層だけでなくクラッド層にも漏れて入射されることがある。
クラッド層に漏れて入射された光は、クラッドモードとして光導波路中を伝播し、不要光として出射端から取り出される。この不要光は所望の信号を得る上でのノイズとなるため、クラッドモードを抑制する光導波路が必要とされている。
特に、複数本の光導波路が並列して配置される並列光導波路などでは、入射させるビームの数が多いため、レンズなどの多くの光学部品が必要となり、光学部品のアライメントが容易ではない。このため、クラッド層への光の漏れは多少容認し、部品点数を増加させない簡易な構成でクラッドモードを抑制することにより、コストアップを招かないようにする必要がある。
このような要求に応ずるべく、特開平4−67103号公報は、例えば、添加剤として近赤外吸収剤であるSIR−114(三井東圧染料株式会社製)が添加されたクラッド層を採用し、クラッドモードを吸収又は散乱させることにより、クラッドモードを抑制する光導波路を開示している。
ここで、図9を参照して、前掲公報に開示されている光導波路の構成を説明する。図9は、前掲公報に開示されている光導波路の構成を示す断面図である。
前掲公報によれば、光導波路60は、溝形状を有するクラッド61と、溝形状内に充填され、クラッド61より大きな屈折率を有するコア62と、クラッド61及びコア62上に形成され、クラッド61と同じ材料からなるクラッド被覆材63から構成される。
クラッド61及びクラッド被覆材63は、SIR−114である添加剤64が材料中に一様に分散されている。
同公報では、上述のような構成により、クラッドモードを排除する効果が得られるものとしている。
特開平4−67103号公報(第2−3頁)
しかし、特開平4−67103号公報に開示された光導波路では、クラッドモード抑制の効果が十分でないという問題があった。光インタコネクション及び光配線に用いられる光導波路でノイズを減少させ、光導波路の性能を高めるためには、より良好なクラッドモードの抑制の効果を有する光導波路が望まれる。
そこで、本発明の目的は、簡易な構成で良好なクラッドモード抑制の効果を有する高分子光導波路を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決するために検討を行い、可視光領域で高い吸収係数を有する特定の黒色有機物色素がクラッド層の添加剤として好適な性質を有することに着目した。
即ち、特定の黒色有機物色素をクラッド層中に一様に分散させ、高い吸収係数を有するクラッド層を形成し、クラッド層に入射した光を効果的に吸収させることにより、良好なクラッドモード抑制の効果を得ることを着想し、本発明を完成するに至った。
そこで、上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係る高分子光導波路(以下、第1発明と言う)は、それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層、下部クラッド層上に形成された帯状のコア層、及びコア層を囲んで下部クラッド層上に成膜された上部クラッド層を備えた平面型高分子光導波路において、
下記の特定の黒色有機物色素が、下部クラッド層及び上部クラッド層中に一様に添加、分散され、下部クラッド層及び上部クラッド層が黒色を呈していることを特徴としている。
この黒色有機物色素は、可視光領域で高い吸収係数を有するため、下部クラッド層及び上部クラッド層中に添加されて一様に分散されることにより、高い吸収係数を有するクラッド層を形成し、クラッド層を伝搬する光、即ちクラッドモードを効果的に抑制することができる。
従って、光導波路の出射端から取り出される信号に混在するノイズや、隣接する光導波路とのクロストークを減少させることができるので、高性能の光導波路を実現することができる。
第1発明では、黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である。
Figure 0004200436
黒色有機物色素である特定黒色色素は、良好な上記第1発明の効果を得ることができる。
また、高分子有機化合物と混ざり易いため、特定黒色色素を高分子有機化合物からなる下部クラッド層及び上部クラッド層中により一様に分散させることができる。
第1発明の好適な実施態様では、特定黒色色素が、下部クラッド層及び上部クラッド層中に0.01重量%以上10重量%以下の添加率で添加される。下部クラッド層及び上部クラッド層中に添加される特定黒色色素の添加率が0.01重量%未満の添加率だと、クラッドモード抑制の効果が小さいからである。また、10重量%以下の添加率で十分なクラッドモード抑制の効果を得ることができるからである。
第1発明の好適な実施態様では、コア層が、下部クラッド層上に相互に平行に形成された複数本のコア層であることにより、光導波路の高密度化を実現できる。
本発明に係る別の高分子光導波路(以下、第2発明と言う)は、三次元配列で延在する複数本のコア層と、
コア層に沿ってコア層の周りに延在するクラッド層とを有する三次元高分子光導波路であって、
下記の特定の黒色有機物色素が、クラッド層中に一様に添加、分散され、クラッド層が黒色を呈していることを特徴としている。
これにより、第1発明に係る高分子光導波路と同様の効果を得ることができるとともに、光導波路の更なる高密度化を実現できる。
第2発明では、黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である。
Figure 0004200436
第2発明の好適な実施態様では、特定黒色色素が、クラッド層中に0.01重量%以上10重量%以下の添加率で添加される。
第1発明及び第2発明では、例えば、下部クラッド層、コア層、及び上部クラッド層、並びにクラッド層に、オキセタン樹脂(ソニーケミカル株式会社製)を採用することができる。この場合、コア層のオキセタン樹脂には、クラッド層のオキセタン樹脂より、0.2から2.0%程度大きな屈折率を有するオキセタン樹脂を採用する。
本発明に係る更に別の高分子光導波路(以下、第3発明と言う)は、それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層、下部クラッド層上に成膜された中間クラッド層、中間クラッド層内に帯状に形成されているコア層、中間クラッド層及びコア層上に成膜された上部クラッド層を備えた平面型高分子光導波路において、
中間クラッド層が、コア層と同じ組成の高分子有機化合物であって、紫外線照射によりコア層の屈折率より小さな屈折率を有するように変性させた高分子有機化合物で成膜され、
下記の特定の黒色有機物色素が、下部クラッド層及び上部クラッド層中に一様に添加、分散され、下部クラッド層及び上部クラッド層が黒色を呈していることを特徴としている。
第3発明では、第1発明と同様の効果を奏する。
また、フォトマスクを用いて所定の高分子有機化合物に紫外線を照射し、照射部分の屈折率を下げることにより、コア層及びコア層の屈折率より小さな屈折率を有する中間クラッド層を形成するので、作製が容易な高分子光導波路を実現している。
更に、中間クラッド層がコア層の屈折率より小さな屈折率を有するため、良好な横方向の光閉じ込め効果を得ることができる。
第3発明では、横方向に反射して伝播するクラッドモードに対して、中間クラッド層中には特定黒色色素が添加されていないため、吸収が少ないものの、上記構成により光導波路の出射端から取り出される信号に混在するノイズを十分に減少させることができる。
第3発明では、黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である。
Figure 0004200436
第3発明の好適な実施態様では、特定黒色色素が、下部クラッド層及び上部クラッド層中に0.01重量%以上10重量%以下の添加率で添加される。
本発明に係る更に別の高分子光導波路(以下、第4発明と言う)は、下部クラッド層と、下部クラッド層上に成膜された第1の中間クラッド層と、第1の中間クラッド層内に相互に平行に形成された複数本の帯状の第1のコア層と、第1の中間クラッド層及び第1のコア層上に成膜された第1の上部クラッド層とを有する1段目の平面型光導波路と、
下段の平面型光導波路の上部クラッド層上に成膜された第2の中間クラッド層と、第2の中間クラッド層内に相互に平行に形成された複数本の帯状の第2のコア層と、第2の中間クラッド層及び第2のコア層上に成膜された第2の上部クラッド層とを有する上段平面型光導波路を1段目の平面型光導波路上に少なくとも一段備え、
下部クラッド層、第1の中間クラッド層、第2の中間クラッド層、第1のコア層、第2のコア層、第1の上部クラッド層、及び第2の上部クラッド層が、それぞれ高分子有機化合物からなり、
第1の中間クラッド層及び第2の中間クラッド層が、第1のコア層及び第2のコア層と同じ組成の高分子有機化合物であって、紫外線照射により第1のコア層及び第2のコア層の屈折率より小さな屈折率を有するように変性させた高分子有機化合物で成膜され、
下記の特定の黒色有機物色素が、下部クラッド層、第1の上部クラッド層、及び第2の上部クラッド層中に一様に添加、分散され、下部クラッド層、第1の上部クラッド層、及び第2の上部クラッド層が黒色を呈していることを特徴としている。
これにより、第3発明に係る高分子光導波路と同様の効果を得ることができるとともに、光導波路の高密度化を実現できる。
第4発明では、黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である。
Figure 0004200436
第4発明の好適な実施態様では、特定黒色色素が、第1の下部クラッド層、第2の下部クラッド層、第1の上部クラッド層、及び第2の上部クラッド層中に0.01重量%以上10重量%以下の添加率で添加される。
第3発明及び第4発明では、例えば、波長が850nm付近の導波光に対し、コア層及び中間クラッド層にグラシア(ポリシラン)(日本ペイント株式会社製)を、下部クラッド層及び上部クラッド層にフッ素化ポリイミド(NTTアドバンステクノロジ株式会社製、日立化成工業株式会社製)を採用することができる。グラシアは、波長が850nm付近の導波光に対し、フッ素化ポリイミドより大きな屈折率を有し、かつ紫外線照射により屈折率が低下する性質を有するので、第3発明及び第4発明に好適に適用できる。
ところで、複数本の光導波路が並列して配置される並列光導波路などでは、入射させるビームの数が多いため、レンズなどの多くの光学部品が必要となり、光学部品のアライメントが容易ではない。このため、クラッド層への光の漏れは多少容認し、部品点数を増加させない簡易な構成でクラッドモードを抑制することにより、コストアップを招かないようにする必要がある。
これに関連して、特に、高分子光導波路の入射端部で、それぞれ、相互に波長の異なる導波光、例えば赤色光、緑色光、及び青色光を入射させ、高分子光導波路の出射端部から赤色光、緑色光、及び青色光の合波光を出射させることができ、しかもクラッドモードを抑制した高分子光導波路が求められている。
そこで、次に説明する第5から第7の発明が、そのような高分子光導波路を提供している。第5から第7の発明は、高分子光導波路に関し、更に詳細には、光インタコネクションや光通信に用いられ、簡易な構成で良好なクラッドモード抑制の効果を有する高分子光導波路に関するものである。
本発明に係る更に別の高分子光導波路(以下、第5発明と言う)は、それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層、前記下部クラッド層上に形成された帯状のコア層、及び前記コア層を囲んで前記下部クラッド層上に成膜された上部クラッド層を備えた高分子光導波路において、
前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層は、下記の特定の黒色有機物色素が層内に一様に添加、分散されて黒色を呈し、
前記コア層は、複数本の光入射コア層が導波光の入射端部から相互に離隔して導波光の進行方向に合流部に向かって直線状で又は曲線状で延在しつつ集束し、次いで合流部で1本の光出射コア層に集合して出射端部まで延在することを特徴としている。
光入射コア層の本数には制約はない。例えば、複数本の光入射コア層が、直線状に延在する第1の光入射コア層と、第1の光入射コア層の両側にそれぞれ延在する第2及び第3の光入射コア層との3本の光入射コア層で構成され、
第2及び第3の光入射コア層は、それぞれ、第1の光入射コア層の外方に凸の第1の湾曲部と第1の湾曲部に連続して第1の光入射コア層に向かって凸の第2の湾曲部とを備えた略S字状カーブの形状を有する。
第5発明に係る高分子光導波路を適用することにより、第1の光入射コア層、第2の光入射コア層、及び第3の光入射コア層に、導波光として、それぞれ、赤色光、緑色光、及び青色光を入射させ、光出射コア層から赤色光、緑色光、及び青色光の合波光を出射させることができる。
本発明に係る更に別の高分子光導波路(以下、第6発明と言う)は、それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層、前記下部クラッド層上に形成された帯状のコア層、及び前記コア層を囲んで前記下部クラッド層上に成膜された上部クラッド層を備えた高分子光導波路において、
前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層は、下記の特定の黒色有機物色素が層内に一様に添加、分散されて黒色を呈し、
前記コア層は、帯状の層幅が導波光の入射端部から出射端部まで導波光の進行方向に連続的に縮小していることを特徴としている。
第6発明に係る高分子光導波路を適用することにより、前記コア層の前記入射端部の層幅方向に相互に離隔した位置から、導波光として、それぞれ、赤色光、緑色光、及び青色光を入射させ、前記コア層の出射端部から赤色光、緑色光、及び青色光の合波光を出射させることができる。
本発明に係る更に別の高分子光導波路(以下、第7発明と言う)は、それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層、及び前記下部クラッド層上に形成され、外気に露出している帯状のコア層を備えた高分子光導波路において、
前記下部クラッド層は、下記の特定の黒色有機物色素が層内に一様に添加、分散されて黒色を呈し、
前記コア層は、帯状の層幅が導波光の入射端部から出射端部まで導波光の進行方向に連続的に縮小していることを特徴としている。
第7発明に係る高分子光導波路を適用することにより、前記コア層の前記入射端部の層幅方向に相互に離隔した位置から、導波光として、それぞれ、赤色光、緑色光、及び青色光を入射させ、前記コア層の出射端部から赤色光、緑色光、及び青色光の合波光を出射させることができる。
第5から第7の発明では、第1発明と同様に、前記黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である。
Figure 0004200436
前記特定黒色色素が、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層、又は前記下部クラッド層中に0.01重量%以上10重量%以下の添加率で添加されているのがよい。また、コア層とクラッド層との比屈折率差は、0.1〜4.0%であるのがよい
第1から第7の発明は、シングルモード伝送、及びマルチモード伝送のいずれにも用いることができる。
また、第5から第7の発明は、平面型高分子光導波路のみならず、第5から第7の発明に係る平面型高分子光導波路を積層した3次元高分子光導波路にも適用できる。
本発明の第1発明及び第2発明の高分子光導波路によれば、上記した特定の黒色有機物色素が下部クラッド層及び上部クラッド層中に一様に添加、分散されることにより、高い吸収係数を有する下部クラッド層及び上部クラッド層を形成し、下部クラッド層及び上部クラッド層に入射する光を効果的に吸収し、良好なクラッドモード抑制の効果を得ることができる。
本発明の第3発明及び第4発明の高分子光導波路では、本発明の第1発明の効果を得ることができると共に、作製が容易な高分子光導波路を実現している。
従って、本発明では、光導波路の出射端から取り出される信号に混在するノイズや、隣接する光導波路とのクロストークを効果的に減少させることができるので、高性能の高分子光導波路を実現することができる。
また、本発明では、簡易な構成により、良好なクラッドモード抑制の効果を得る高分子光導波路を提供するため、コストダウンを図ることができる。
第5から第7の発明によれば、以上説明したように、黒色のクラッド層を有する構造により、クラッドモードの不要光を効果的に除去できる高分子光導波路であって、放射角の広い発光ダイオード(以下、LEDという)等の光源から入射した光をコア層の出射端部からクラッドモードを排除した光を効率的に取り出すことができる。
そして、第5から第7の発明は、三分岐型光導波路やコア層の層幅が導波光の進行方向に連続的に縮小するテーパ型光導波路を有することにより、赤色、緑色、及び青色の三色光を効率よく合波することができ、光結合のための合波器及びアライメントが不要となる。
このように、第5から第7の発明に係る高分子光導波路は、光源とのアライメント精度をそれ程留意することなく、クラッドモードを除去した合波光を出射端部から取り出すことができる。
以下に、添付図面を参照して、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
本実施例は、第1発明に係る高分子光導波路の実施例の一例である。図1は、本実施例に係る高分子光導波路の構成を示す断面図であり、図2は、図1に示す高分子光導波路の導波方向に平行な縦方向の断面を示す断面図である。
本実施例の高分子光導波路10は、導波光の波長が850nm付近に設定された平面型の高分子光導波路であって、図1及び図2に示すように、それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層11、下部クラッド層11上に形成された帯状のコア層12、コア層12を囲んで下部クラッド層11上に成膜された上部クラッド層13を備えた高分子光導波路である。
本実施例では、下部クラッド層11、コア層12、及び上部クラッド層13はオキセタン樹脂からなる。
下部クラッド層11及び上部クラッド層13を構成するオキセタン樹脂は、コア層12に採用されるオキセタン樹脂より0.2から2.0%程度低い屈折率を有する。
このため、コア層12への入射光は、コア層12の境界面を全反射して進行する。
本実施例では、下部クラッド層11及び上部クラッド層13を構成するオキセタン樹脂には、添加率が1.0重量%になるように、スルホン酸基を有する化学式[化1]で規定される黒色有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)が添加され、一様に分散されている。本実施例では、特定黒色色素として、ブラックB(CI−-リアクティブブラック5)(住友化学工業社製)を使用した。ブラックBは、例えば住化ケムテック社からの購入により入手できる。
本実施例の高分子光導波路10の作製方法を、図3(a)から(c)を参照して説明する。図3(a)から(c)は、それぞれ高分子光導波路の各作製工程を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、ポリイミド、ガラス、石英、Si、GaAs、InP、又はSOI(Silicon on Insulator)などからなる基板14上に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が添加され、一様に分散されたオキセタン樹脂をスピンコート法で塗布して、オキセタン樹脂膜を成膜する。
次いで、オキセタン樹脂膜を紫外線照射及びポストベークにより硬化させ、下部クラッド層11とする。
続いて、下部クラッド層11上に、下部クラッド層11を構成するオキセタン樹脂よりも0.2から2.0%程度高い屈折率を有するオキセタン樹脂を、スピンコート法で塗布して、オキセタン樹脂膜を成膜し、コア形成層12aとする。
次いで、図3(b)に示すように、コア形成層12a上に、紫外線に対して透明な領域15aと不透明な領域15bからなる帯状のパターンを有するフォトマスク15を載せ、照度250W、照射量3分の紫外線照射を行う。紫外線照射により、コア形成層12a中で、紫外線が照射された領域15aの下部のみが硬化してコア層12となる。
続いて、フォトマスク15を除去した後、アセトンでコア形成層12aの未硬化部分を洗浄除去する。
次いで、図3(c)に示すように、下部クラッド層11及びコア層12上に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が添加され、一様に分散されたオキセタン樹脂をスピンコート法で塗布して、オキセタン樹脂膜を成膜する。
続いて、オキセタン樹脂膜を紫外線照射及びポストベークにより硬化させ、上部クラッド層13とする。
続いて、基板14を除去する等の工程を経ることにより、図1及び図2に示した高分子光導波路10を作製することができる。なお、基板14は、除去せずに取り付けたままにしてもよい。
上述の作製方法で、特定黒色色素を下部クラッド層11及び上部クラッド層13を構成するオキセタン樹脂に添付し、一様に分散させる際には、1分以上攪拌する。
本実施例の高分子光導波路10によれば、下部クラッド層11及び上部クラッド層14を構成するオキセタン樹脂中に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が添加され、一様に分散されることにより、高い吸収係数を有する下部クラッド層11及び上部クラッド層14を形成し、下部クラッド層11及び上部クラッド層14に入射した光を効果的に吸収し、良好なクラッドモード抑制の効果を得ることができる。
本実施例の高分子光導波路10の作製方法によれば、オキセタン樹脂からなるコア形成層12aを成膜し、フォトマスク15を用いてコア形成層12aに紫外線を照射し、照射部分のオキセタン樹脂を硬化させることにより、コア層12を形成することができるので、本実施例に係る高分子光導波路10を容易に作製することができる。
本実施例の高分子光導波路10は、シングルモード及びマルチモードの何れにも適用することができる。
図10に、出射端52付近でS字状にカーブしている光導波路51を示す。従来、光導波路51から漏れ出した光53の一部は、クラッド層54中を伝搬し、出射端52から取り出され、ノイズとなっていた。このような形状の光導波路51に、本実施例の高分子光導波路10を適用することにより、クラッド層54を伝搬するノイズ光53を減衰させ、ノイズを減らすことができる。
本実施例は、第1発明に係る高分子光導波路の実施例の一例である。図4は本実施例の高分子光導波路の構成を示す断面図である。
本実施例の高分子光導波路20は、導波光の波長が850nm付近に設定された平面型の高分子光導波路であって、図4に示すように、3本の帯状のコア層22が下部クラッド層21上に相互に平行に形成されることを除いては、実施例1の高分子光導波路10と同様の構成を有する。
本実施例の高分子光導波路20によれば、高分子光導波路の高密度化を実現でき、光インタコネクションの並列伝送配線などに適用することができる。
本実施例の高分子光導波路20の作製方法は、3本の帯状のコア層22を下部クラッド層21上に相互に平行に形成することを除いては、実施例1の高分子光導波路10の作製方法と同様である。
即ち、図3(b)で、コア形成層12aをエッチングしてコア層12に加工する際に、コア形成層12a上に所定のコア層パターンを有するフォトマスク15を載せて紫外線照射を行う。
本実施例は、第1発明に係る高分子光導波路の実施例の一例である。図5は本実施例の高分子光導波路の構成を示す断面図である。
本実施例の高分子光導波路24は、導波光の波長が850nm付近に設定された三次元の高分子光導波路であって、図5に示すように、第1積層25、第2積層26、及び第3積層27を備える。
第1積層25は、実施例2の高分子光導波路20と同様の構成を有し、下部クラッド層21Aと、下部クラッド層21A上に相互に平行に形成された3本の帯状の第1コア層22Aと、第1コア層22Aを囲んで下部クラッド層21上に成膜された第1上部クラッド層23Aとを有する。
第2積層26は、実施例2に示したコア層22及び上部クラッド層23と同様の構成を有し、第1積層25の第1上部クラッド層23A上に相互に平行に形成された3本の帯状の第2コア層22Bと、第2コア層22Bを囲んで第1上部クラッド層23A上に成膜された第2上部クラッド層23Bとを有する。
第3積層27は、実施例2に示したコア層22及び上部クラッド層23と同様の構成を有し、第2積層26の第2上部クラッド層23B上に相互に平行に形成された3本の帯状の第3コア層22Cと、第3コア層22Cを囲んで第2上部クラッド層23B上に成膜された第3上部クラッド層23Cとを有する。
本実施例の高分子光導波路24によれば、実施例2の高分子光導波路20と比較して、高分子光導波路の更なる高密度化を実現でき、光インタコネクションの大容量配線や、入力側のイメージ画像を出力側に伝送するイメージファイバなどに適用することができる。
本実施例の高分子光導波路24の作製方法は、まず、実施例2の高分子光導波路20を作製し、下部クラッド層21A、第1コア層22A、及び第1上部クラッド層23Aを有する第1積層25とする。
次いで、第1積層25の第1上部クラッド層23A上に、実施例2で説明した、コア層21及び上部クラッド層22の形成方法と同様の形成方法を用いて、第2コア層21B及び第2上部クラッド層22Bを有する第2積層26を形成する。
続いて、第2積層26の第2上部クラッド層23B上に、実施例2で説明した、コア層21及び上部クラッド層22の形成方法と同様の形成方法を用いて、第3コア層21C及び第3上部クラッド層22Cを有する第3積層27を形成することによって、図5に示した高分子光導波路24を作製することができる。
本実施例は、第3発明に係る高分子光導波路の実施例の一例である。図6は、本実施例に係る高分子光導波路の構成を示す断面図である。
本実施例の高分子光導波路30は、導波光の波長が850nm付近に設定された平面型の高分子光導波路であって、図6に示すように、それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層31、下部クラッド層31上に成膜された中間クラッド層32、中間クラッド層32内に帯状に形成されている3本のコア層33、中間クラッド層32及びコア層33上に成膜された上部クラッド層34を備えた高分子光導波路である。3本のコア層33は、相互に平行に形成されている。
本実施例では、中間クラッド層32及びコア層33はグラシアからなり、下部クラッド層31及び上部クラッド層34はフッ素化ポリイミドからなる。コア層33の屈折率は、下部クラッド層31及び上部クラッド層34の屈折率より3.8%大きい。中間クラッド層32の屈折率は、紫外線照射によりコア層33の屈折率よりも1.0%小さい。このため、コア層33への入射光は、コア層33の境界面を全反射して進行する。
また、本実施例では、下部クラッド層31及び上部クラッド層34を構成するフッ素化ポリイミド中に、添加率が1.0重量%になるように、化学式[化1]で規定される特定黒色色素が添加され、一様に分散されている。本実施例では、特定黒色色素として、ブラックB(CI−リアクティブブラック5)(住友化学工業社製)を使用した。
本実施例の高分子光導波路30の作製方法を、図7(a)から(c)を参照して説明する。図7(a)から(c)は、それぞれ本実施例の高分子光導波路30の一作製工程を示す断面図である。
まず、図7(a)に示すように、ポリイミド、ガラス、石英、Si、GaAs、InP、又はSOI(Silicon on Insulator)などからなる基板35上に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が添加され、一様に分散されたフッ素化ポリイミドをスピンコート法で塗布し、フッ素化ポリイミド膜を成膜する。
次いで、フッ素化ポリイミド膜を紫外線照射及びポストベークにより硬化させ、下部クラッド層31とする。
続いて、下部クラッド層31上に、グラシアを塗布してグラシア膜を成膜し、コア形成層33aとする。
次いで、図7(b)に示すように、コア形成層33a上に、紫外線に対して透明な領域36aと不透明な領域36bからなる帯状のパターンを有するフォトマスク36を載せ、照度250W、照射量30分の紫外線照射を行う。紫外線照射により、コア形成層33a中で紫外線が照射された領域36aの下部は、屈折率が下がって中間クラッド層32となり、紫外線が照射されなかった領域36bの下部はコア層32となる。
続いて、ポストベークを行う。
次いで、図7(c)に示すように、フォトマスク36を除去し、コア層32及び中間クラッド層33上に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が
添加され、一様に分散されたフッ素化ポリイミドをスピンコート法で塗布してフッ素化ポリイミド膜を成膜する。
続いて、フッ素化ポリイミド膜を紫外線照射及びポストベークにより硬化させ、上部クラッド層34とする。
続いて、基板35を除去する等の工程を経ることにより、図6に示した本実施例の高分子光導波路30を完成することができる。なお、基板35は除去せずに取り付けたままにしてもよい。
本実施例の高分子光導波路30によれば、下部クラッド層31及び上部クラッド層34を構成するフッ素化ポリイミド中に、添加率が1.0重量%になる
ように特定黒色色素が添加され、一様に分散されていることにより、高い吸収係数を有する下部クラッド層31及び上部クラッド層34を形成し、下部クラッド層31及び上部クラッド層34に入射した光を効果的に吸収し、良好なクラッドモード抑制の効果を得ることができる。
また、中間クラッド層32がコア層33の屈折率より小さな屈折率を有するため、良好な横方向の光閉じ込め効果を得ることができる。
更に、高分子光導波路の高密度化を実現でき、光インタコネクションの並列伝送配線などに適用することができる。
本実施例の高分子光導波路30では、横方向に反射して伝播するクラッドモードに対して、中間クラッド層32中には特定黒色色素が添加されていないため、吸収が少ないものの、本実施例の高分子光導波路30の構成により光導波路の出射端から取り出される信号に混在するノイズを十分に減少させることができる。
本実施例の高分子光導波路30の作製方法によれば、グラシアからなるコア形成層33aを成膜し、フォトマスク36を用いてコア形成層33aに紫外線を照射し、照射部分のグラシアの屈折率を下げることにより、コア層32及びコア層32より小さな屈折率を有する中間クラッド層33を形成することができるので、本実施例に係る高分子光導波路30を容易に作製することができる。
上述の作製方法で、特定黒色色素を下部クラッド層31及び上部クラッド層34を構成するオキセタン樹脂に添付し、一様に分散させる際には、1分以上攪拌する。
本実施例は、第4発明に係る高分子光導波路の実施例の一例である。図8は本実施例の高分子光導波路の構成を示す断面図である。
本実施例の高分子光導波路37は、導波光の波長が850nm付近に設定された三次元の高分子光導波路であって、図8に示すように、第1積層38、第2積層39、及び第3積層40を備える。
第1積層38は、実施例4の高分子光導波路30と同様の構成を有し、下部クラッド層31Aと、下部クラッド層31A上に成膜された第1中間クラッド層32Aと、第1中間クラッド層32A内に相互に平行に形成された3本の帯状の第1コア層33Aと、第1中間クラッド層32A及び第1コア層33A上に成膜された第1上部クラッド層34Aとを有する。
第2積層39は、実施例4に示した中間クラッド層32、コア層33、及び上部クラッド層34と同様の構成を有し、第1積層38の第1上部クラッド層34A上に成膜された第2中間クラッド層32Bと、第2中間クラッド層32B内に相互に平行に形成された3本の帯状の第2コア層33Bと、第2中間クラッド層32B及び第2コア層33B上に成膜された第2上部クラッド層34Bとを有する。
第3積層40は、実施例4に示した中間クラッド層32、コア層33、及び上部クラッド層34と同様の構成を有し、第2積層39の第1上部クラッド層34B上に成膜された第3中間クラッド層32Cと、第3中間クラッド層32C内に相互に平行に形成された3本の帯状の第3コア層33Cと、第3中間クラッド層32C及び第3コア層33C上に成膜された第3上部クラッド層34Cとを有する。
本実施例の高分子光導波路37によれば、実施例4の高分子光導波路30と比較して、高分子光導波路の高密度化を実現でき、光インタコネクションの大容量配線や、入力側のイメージ画像を出力側に伝送するイメージファイバなどに適用することができる。
本実施例の高分子光導波路37の作製方法は、まず、実施例4の高分子光導波路30を作製し、第1下部クラッド層31A、第1中間クラッド層32A、第1コア層33A、及び第1上部クラッド層34Aを有する第1積層38とする。
次いで、第1積層38の第1上部クラッド層34A上に、実施例4で説明した、中間クラッド層32、コア層33、及び上部クラッド層34の形成方法と同様の形成方法を用いて、第2中間クラッド層32B、第2コア層33B、及び第2上部クラッド層34Bを有する第2積層39を形成する。
続いて、第2積層39の第2上部クラッド層34B上に、実施例4で説明した、中間クラッド層32、コア層33、及び上部クラッド層34の形成方法と同様の形成方法を用いて、第3中間クラッド層32C、第3コア層33C、及び第3上部クラッド層34Cを有する第3積層40を形成することによって、図8に示した高分子光導波路37を作製することができる。
なお、実施例1から5の高分子光導波路では、所定形状のマスクパターンを有するフォトマスクを用い、コア形成層の所定領域のみに紫外線を照射し硬化させ、或いは屈折率を低下させることにより、Y分岐やS字カーブなどの複雑な形状の光導波路を作製することもできる。
本実施例は、第5発明に係る高分子光導波路の実施例の一例である。図11(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ、本実施例に係る高分子光導波路の構成を示す断面図である。図11(a)は、導波光の進行方向に平行な面でのコア層の平面図、図11(b)及び(c)は、図11(a)の線I−I及びII−IIでの高分子光導波路の断面図である。
本実施例の高分子光導波路70は、三分岐型の平面型高分子光導波路であって、図11に示すように、下部クラッド層72と、下部クラッド層72上に形成され、下部クラッド層72に対する比屈折率差が1.7%と、下部クラッド層72より屈折率が高いコア層74と、コア層74を囲んで下部クラッド層72上に成膜された上部クラッド層76とを備えた平面型高分子光導波路である。
コア層74は、三分岐型光導波路構造であって、導波光の入射端部から導波光の光の進行方向に延在する3本の光入射コア層78A〜Cと、光入射コア層78A〜Cが合流部80で合流して1本のコア層となった光出射コア層82とから構成されている。
各光入射コア層78A〜Cは、それぞれ、高さが40μm、幅が50μmである。3本の光入射コア層78A〜Cのうち、中央の光入射コア層78Bは入射端部からほぼ直線状の平面形状で平面型高分子光導波路70の長手方向中央に延在している。光入射コア層78A及びCは、光入射コア層78Bの両側に位置し、短い直線状の入射端部コア層83に続いて中央の光入射コア層78Bの外方に僅かに凸の第1湾曲部84と、第1湾曲部と合流部80との間にあって中央の光入射コア層78Bに向かって僅かに凸の第2湾曲部86のS字状カーブの形状の平面形状で延在している。第1湾曲部84の曲率半径は30μm、第2湾曲部86の曲率半径は30μmである。
光出射コア層82は、合流部80から光入射コア層78Bの延長方向に出射端部87まで延在している。光出射コア層82は、高さが40μm、幅が50μmである。
下部クラッド層72、コア層74、及び上部クラッド層76は、 それぞれ、実施例1と同様に、ポリマー系樹脂等の高分子有機化合物、例えばオキセタン樹脂(ソニーケミカル社製)を使用する。また、ポリシラン(商品名グラシア、日本ペイント社製)などを使用しても良い。
下部クラッド層72及び上部クラッド層76は、コア層74より屈折率が低く、黒色色素が添加されたオキセタン樹脂層として構成されている。本実施例の下部クラッド層72及び上部クラッド層76を構成するオキセタン樹脂には、添加率が1.0重量%になるように、スルホン酸基を有する化学式[化1]で規定される特定黒色色素が添加され、一様に分散されている。本実施例では、特定黒色色素として、ブラックB(CI−リアクティブブラック5)(住友化学工業社製)を使用している。ブラックBは、例えば住化ケムテック社からの購入により入手できる。
光入射コア層78A〜Cは、それぞれ、波長の相互に異なる光、例えば波長が640nm付近の赤色光と、波長が522nm付近の緑色光と、波長が460nm付近の青色光を導波し、光出射コア層82は、光入射コア層78A〜Cからそれぞれ導波された赤色光、緑色光、及び青色光が合波した合波光を導波して、出射端部から出射する。
図12に示すように、それぞれ、赤色光、緑色光、及び青色光を出射する発光ダイオード(以下、LEDと言う)88A〜CをRGB三光源として平面型高分子光導波路70の光入射コア層78A〜Cの入射端部83に設け、LED88A〜Cから各光入射コア層78A〜Cにそれぞれ赤色光、緑色光、及び青色光を入射させると、光は光入射コア層78A〜Cを経て合流部80で合波して白色光となり光出射コア層82の出射端部87から白色光として取り出される。尚、図12は平面型高分子光導波路70に対するLED88の配置図である。
LED88から出射される光は放射角が広いので、LED88からの光は入射端部83では光入射コア層78A〜Cに加えて下部クラッド層72及び上部クラッド層76にも入射する。光入射コア層78A〜Cに入射した光は全反射しつつ伝搬するが、黒色色素が添加されている下部クラッド層72及び上部クラッド層76に入射した光は、それぞれ、下部クラッド層72及び上部クラッド層76の内部で光吸収されて伝搬することができない。
よって、光出射コア層82の出射端部87では、クラッドモードが効果的に除去されたスポットサイズの小さい白色光を取り出すことができる。
図10に示す、出射端52付近でS字状にカーブしている従来の光導波路51では、光導波路51から漏れ出した光53の一部は、クラッド層54中を伝搬し、出射端52から取り出され、ノイズとなっていた。
一方、本実施例の高分子光導波路70によれば、下部クラッド層72及び上部クラッド層14を構成するオキセタン樹脂中に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が添加され、一様に分散されることにより、高い吸収係数を有する下部クラッド層72及び上部クラッド層76を形成し、下部クラッド層72及び上部クラッド層76に入射した光を効果的に吸収し、良好なクラッドモード抑制の効果を得ることができる。本実施例の平面型高分子光導波路70は、シングルモード及びマルチモードの何れにも適用することができる。
本実施例の平面型高分子光導波路70の作製方法を、図13(a)から(c)を参照して説明する。図13(a)から(c)は、それぞれ、本実施例の平面型高分子光導波路の各作製工程を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、ポリイミド、ガラス、石英、Si、GaAs、InP、又はSOI(Silicon on Insulator)などからなる基板71上に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が添加され、一様に分散されたオキセタン樹脂をスピンコート法で塗布して、オキセタン樹脂膜を成膜する。
次いで、オキセタン樹脂膜を紫外線照射及びポストベークにより硬化させ、下部クラッド層72とする。
続いて、下部クラッド層72上に、下部クラッド層72を構成するオキセタン樹脂に対する比屈折率差が1.7%程度の高い屈折率を有するオキセタン樹脂を、スピンコート法で塗布して、オキセタン樹脂膜を成膜し、コア形成層74aとする。
次いで、図13(b)に示すように、コア形成層74a上に、紫外線に対して透明な領域75aと不透明な領域75bからなるツリー状(三分岐型)のパターンを有するフォトマスク75を載せ、照度250W、照射量3分の紫外線照射を行う。紫外線照射により、コア形成層74aのうち紫外線が照射された領域75aの下部のみが硬化してコア層74となる。尚、図13(b)及び(c)は、便宜上、図11(b)に対応する断面である。
続いて、フォトマスク75を除去した後、アセトンでコア形成層74aの未硬化部分を洗浄除去する。
次いで、図13(c)に示すように、下部クラッド層72及びコア層74上に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が添加され、一様に分散されたオキセタン樹脂をスピンコート法で塗布して、オキセタン樹脂膜を成膜する。
続いて、オキセタン樹脂膜を紫外線照射及びポストベークにより硬化させ、上部クラッド層76とする。
続いて、基板71を除去する等の工程を経ることにより、図11に示した高分子光導波路70を作製することができる。なお、基板71は、除去せずに取り付けたままにしてもよい。
上述の作製方法で、特定黒色色素を下部クラッド層72及び上部クラッド層76を構成するオキセタン樹脂に添付し、一様に分散させる際には、1分以上攪拌する。
本実施例の平面型高分子光導波路70の作製方法によれば、オキセタン樹脂からなるコア形成層74aを成膜し、フォトマスク15を用いてコア形成層74aに紫外線を照射し、照射部分のオキセタン樹脂を硬化させることにより、コア層74を形成することができるので、本実施例に係る高分子光導波路70を容易に作製することができる。
本実施例は、第6発明に係る高分子光導波路の実施例の一例である。図14(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ、本実施例に係る高分子光導波路の構成を示す断面図である。図14(a)は、導波光の進行方向に平行な面でのコア層の平面図、図14(b)及び(c)は、図14(a)の線III−III及びIV−IVでの平面型高分子光導波路の断面図である。
本実施例の高分子光導波路90は、RGB光源同時入射型の平面型高分子光導波路であって、図14に示すように、下部クラッド層92と、下部クラッド層92上に形成され、下部クラッド層92に対する比屈折率差が1.7%と、下部クラッド層92より屈折率が高いコア層94と、コア層94を囲んで下部クラッド層92上に成膜された上部クラッド層96とを備えた平面型高分子光導波路である。
コア層94は、平面形状が長さ5mmのテーパ型の構造であって、光の入射端部94aで400μmのコア幅が導波光の光の進行方向に2等辺三角形状に連続的に縮小し、出射端部94bで50μmになっている。
下部クラッド層92、コア層94、及び上部クラッド層96は、 それぞれ、実施例1と同様に、ポリマー系樹脂等の高分子有機化合物、例えばオキセタン樹脂(ソニーケミカル社製)を使用する。また、ポリシラン(商品名グラシア、日本ペイント社製)などを使用しても良い。
下部クラッド層92及び上部クラッド層96は、コア層94より屈折率が低く、黒色色素が添加されたオキセタン樹脂層として構成されている。本実施例の下部クラッド層92及び上部クラッド層96を構成するオキセタン樹脂には、添加率が1.0重量%になるように、スルホン酸基を有する化学式[化1]で規定される特定黒色色素が添加され、一様に分散されている。本実施例では、特定黒色色素として、ブラックB(CI−リアクティブブラック5)(住友化学工業社製)を使用している。ブラックBは、例えば住化ケムテック社からの購入により入手できる。
図15に示すように、RGB三光源として赤色光、緑色光、及び青色光を出射するLED98A〜Cを入射端部94aに配置し、各LED98A〜Cからコア層94に赤色光、緑色光、及び青色光を入射させると、各光はコア層94を伝播しつつテーパ状平面形状の側壁面反射性により集束、合波して白色光となるので、コア層94の出射端部94bから白色光を取り出すことができる。図15は実施例7の平面型高分子光導波路90に対するLED98の配置図である。
LED98Aは入射端部94aの一方の隅から50μm離隔した位置に、LED98Cは入射端部94aの他方の隅から50μm離隔した位置に配置され、かつLED98A〜Cはそれぞれ400μmの間隔で等間隔に配置されている。
LED98A〜Cから出射される光は放射角が広いので、LED98A〜Cからの光は入射端部94aではコア層94に加えて下部クラッド層92及び上部クラッド層96にも入射する。コア層94に入射した光は全反射しつつ伝搬するが、黒色色素が添加されている下部クラッド層92及び上部クラッド層96に入射した光は、それぞれ、下部クラッド層92及び上部クラッド層96の内部で光吸収されて伝搬することができない。
よって、コア層92の出射端部94bでは、クラッドモードが効果的に除去されたスポットサイズの小さい白色光を取り出すことができる。
図10に示す、出射端52付近でS字状にカーブしている従来の光導波路51では、光導波路51から漏れ出した光53の一部は、クラッド層54中を伝搬し、出射端52から取り出され、ノイズとなっていた。
一方、本実施例の平面型高分子光導波路90によれば、下部クラッド層92及び上部クラッド層14を構成するオキセタン樹脂中に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が添加され、一様に分散されることにより、高い吸収係数を有する下部クラッド層92及び上部クラッド層96を形成し、下部クラッド層92及び上部クラッド層96に入射した光を効果的に吸収し、良好なクラッドモード抑制の効果を得ることができる。
本実施例に対するシミュレーション計算の結果によると、入射端部94aから出射端部94bへの長さ5mmのテーパ型コア層94の放射損失は、1dBである。黒色クラッド層へ入射したLED光は伝搬されないので、出射端部94bでは、クラッドモードを除去したコア層94のみから出射したスポットサイズの小さい光を取り出すことができる。
本実施例のテーパ型の平面型高分子光導波路90を適用すると、RGB三色の光を効率よく合波することができるので、光結合のための合波器及びアライメントは不要となる。
テーパ型コア層では、図16に示すような、コア層94の導波方向の中心線に対するテーパの勾配θが大きくなると、上部クラッド層96に光が漏れ出す。計算によれば、θが2.5°〜3.5°になると、光が漏れ出すので、テーパの勾配θは0.1°から3.5°の範囲が望ましい。上述の計算では、コア層及びクラッド層ともソニーケミカル社製のオキセタン樹脂を使い、コア層94の屈折率n1 をn1=1.543とし、上部クラッド層96の屈折率n 2をn 2=1.516としている。本実施例の平面型高分子光導波路90のコア層94の勾配は、上述の範囲に収まっている。
本実施例の平面型高分子光導波路90の作製方法は、コア層94をパターニングするマスクの形成工程が異なることを除いて実施例6の平面型高分子光導波路70の作製工程と同じである。図17(a)から(c)は、それぞれ、本実施例の平面型高分子光導波路の各作製工程を示す断面図である。
つまり、実施例6と同じ基板71上に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が添加され、一様に分散されたオキセタン樹脂をスピンコート法で塗布して、オキセタン樹脂膜を成膜する。
次いで、オキセタン樹脂膜を紫外線照射及びポストベークにより硬化させ、下部クラッド層92を形成する。
続いて、下部クラッド層92上に、下部クラッド層92を構成するオキセタン樹脂に対する比屈折率差が1.7%の高い屈折率を有するオキセタン樹脂を、スピンコート法で塗布して、オキセタン樹脂膜を成膜し、図17(a)に示すように、コア形成層94aとする。
次いで、図17(b)に示すように、コア形成層94a上に、紫外線に対して透明な領域95aと不透明な領域95bからなるテーパ状のパターンを有するフォトマスク95を載せ、照度250W、照射量3分の紫外線照射を行う。紫外線照射により、コア形成層94a中で、紫外線が照射された領域95aの下部のみが硬化してコア層94となる。尚、図17(b)及び(c)は、便宜上、図14(b)に対応する断面である。
続いて、フォトマスク95を除去した後、アセトンでコア形成層94aの未硬化部分を洗浄除去する。
次いで、図17(c)に示すように、下部クラッド層92及びコア層94上に、添加率が1.0重量%になるように特定黒色色素が添加され、一様に分散されたオキセタン樹脂をスピンコート法で塗布して、オキセタン樹脂膜を成膜する。
続いて、オキセタン樹脂膜を紫外線照射及びポストベークにより硬化させ、上部クラッド層96とする。
続いて、基板71を除去する等の工程を経ることにより、図14に示した平面型高分子光導波路90を作製することができる。なお、基板71は、除去せずに取り付けたままにしてもよい。
本実施例は、第7発明に係る高分子光導波路の実施例の一例である。図18(a)は、導波光の進行方向に平行な面での本実施例の高分子光導波路の平面図、図18(b)及び(c)は、図18(a)の線V−V及びVI−VIでの平面型高分子光導波路の断面図である。
本実施例の高分子光導波路100は、コア層94を覆う上部クラッド層92を有しないエアリッジ型であることを除いて、実施例7の高分子光導波路90と同じ構成のRGB光源同時入射型の平面型高分子光導波路であって、図18に示すように、下部クラッド層102と、下部クラッド層102上に形成され、下部クラッド層102に対する比屈折率差が1.7%と、下部クラッド層102より屈折率が高いコア層104とを備えた平面型高分子光導波路である。
下部クラッド層102及びコア層104は、コア層104のテーパの勾配を除いて実施例7の下部クラッド層92及びコア層94と同じ構成である。
本実施例は、上部クラッド層が無く、コア層104が外気(空気層)に露出しているエアリッジ構造であるから、クラッドの屈折率n 2はn 2=1.0であり、コア層104の屈折率n1 はn1=1.543である。導波光は、コア層104と空気層の臨界角φを上限としてテーパ状コア層104を進行する。
臨界角φは次の式で表される。
Sinφ=n 2/n1=1/n1
よって、コア層104の屈折率n1 がn1=1.543のとき、φ=40.4°である。
また、クラッドが空気層であるエアリッジ型テーパ型光導波路では、φ=30°以上になると、テーパ型光導波路コア内部の壁面にて反射した光が光路を変え、次に壁面に光が反射したときには、進行方向とは逆に進んでしまうという問題が生じる。よって、エアリッジ型テーパ型光導波路では、φは30°未満であることが望ましい。
エアリッジ型の光導波路構造であるから多少光の閉じ込め性が劣るものの、コア層104に入射した光は、コア層104の境界面で外側の空気層に多少光を放散させつつコア層104を伝播して進行する。
図19に示すように、RGB三光源として赤色光、緑色光、及び青色光を出射するLED106A〜Cをコア層104の入射端部104aに配置し、各LED106A〜Cからコア層104に赤色光、緑色光、及び青色光を入射させると、各光はコア層104を伝播しつつテーパ状平面形状の側壁面反射性により集束、合波して白色光となりコア層104の出射端部104bから白色光を取り出すことができる。尚、コア層104の入射端部で空気中に放射された光は減衰して出射端部104bには到達しない。
LED106Aは入射端部104aの一方の隅から50μm離隔した位置に、LED106Cは入射端部104aの他方の隅から50μm離隔した位置に配置され、かつLED106A〜Cはそれぞれ400μmの間隔で等間隔に配置されている。
LED106A〜Cから出射される光は放射角が広いので、LED106A〜Cからの光は入射端部104aではコア層104に加えて下部クラッド層102にも入射する。コア層104に入射した光は全反射しつつ伝搬するが、黒色色素が添加されている下部クラッド層102に入射した光は、それぞれ、下部クラッド層102の内部で光吸収されて伝搬することができない。
よって、コア層102の出射端部102bでは、クラッドモードが効果的に除去されたスポットサイズの小さい白色光を取り出すことができる。
本実施例の高分子光導波路100の作製方法は、上部クラッド層を形成しないことを除いて実施例7の高分子光導波路90の作製工程と同じである。
実施例6から実施例8では、平面型高分子光導波路を例にあげて第5から第7の発明を説明したが、第5から第7の発明は、平面型高分子光導波路に限らず、3次元の高分子光導波路にも適用できる。
本発明は、高分子光導波路単体のみならず、本発明に係る高分子光導波路と半導体レーザ素子又はLED等の光源とを組み合わせることにより光システムを実現することができる。
実施例1に係る高分子光導波路の構成を示す断面図である。 実施例1に係る高分子光導波路の導波方向に平行な縦方向の断面を示す断面図である。 図3(a)から(c)は、それぞれ実施例1に係る高分子光導波路の一作製工程を示す断面図である。 実施例2に係る高分子光導波路の構成を示す断面図である。 実施例3に係る高分子光導波路の構成を示す断面図である。 実施例4に係る高分子光導波路の構成を示す断面図である。 図7(a)から(c)は、それぞれ実施例4に係る高分子光導波路の一作製工程を示す断面図である。 実施例5に係る高分子光導波路の構成を示す断面図である。 特開平4−67103号公報に記載の光導波路の構成を示す断面図である。 実施例1で説明する光導波路の光出射端付近を示す断面図である。 図11(a)は、導波光の進行方向に平行な面でのコア層の平面図、図11(b)及び(c)は、図11(a)の線I−I及びII−IIでの平面型高分子光導波路の断面図である。 実施例6の平面型高分子光導波路に対するLEDの配置図である。 図13(a)から(c)は、それぞれ、実施例6の平面型高分子光導波路の各作製工程を示す断面図である。 図14(a)は、導波光の進行方向に平行な面でのコア層の平面図、図14(b)及び(c)は、図14(a)の線III−III及びIV−IVでの平面型高分子光導波路の断面図である。 実施例7の平面型高分子光導波路に対するLEDの配置図である。 コア層の勾配を説明する模式図である。 図17(a)から(c)は、それぞれ、実施例7の平面型高分子光導波路の各作製工程を示す断面図である。 図18(a)は、導波光の進行方向に平行な面での平面型高分子光導波路の平面図、図18(b)及び(c)は、図18(a)の線V−V及びVI−VIでの平面型高分子光導波路の断面図である。 実施例8の平面型高分子光導波路に対するLEDの配置図である。 コア層の勾配を説明する模式図である。
符号の説明
10……実施例1の高分子光導波路、11……下部クラッド層、12……コア層、12a……コア形成層、13……上部クラッド層、14……基板、15……フォトマスク、15a……紫外線に対して透明な領域、15b……紫外線に対して不透明な領域、20……実施例2の高分子光導波路、21……下部クラッド層、21A……第1下部クラッド層、21B……第2下部クラッド層、21C……第3下部クラッド層、22……コア層、22A……第1コア層、22B……第2コア層、22C……第3コア層、23……上部クラッド層、23A……第1上部クラッド層、23B……第2上部クラッド層、23C……第3上部クラッド層、24……実施例3の高分子光導波路、25……第1積層、26……第2積層、27……第3積層、30……実施例4の高分子光導波路、31……下部クラッド層、31A……第1下部クラッド層、31B……第2下部クラッド層、31C……第3下部クラッド層、32……中間クラッド層、32A……第1中間クラッド層、32B……第2中間クラッド層、32C……第3中間クラッド層、33……コア層、33A……第1コア層、33B……第2コア層、33C……第3コア層、33a……コア形成層、34……上部クラッド層、34A……第1上部クラッド層、34B……第2上部クラッド層、34C……第3上部クラッド層、35……基板、36……フォトマスク、36a……紫外線に対して透明な領域、36b……紫外線に対して不透明な領域、37……実施例5の高分子光導波路、38……第1積層、39……第2積層、40……第3積層、51……光導波路(コア層)、52……光出射端、53……光導波路から漏れ出した(ノイズ)光、54……クラッド層、60……特開平4−67103号公報に記載の光導波路、61……クラッド、62……コア、63……クラッド被覆部、64……SIR−114(添加剤)、70……実施例6の高分子光導波路、71……基板、72……下部クラッド層、74……コア層、76……上部クラッド層、78A〜C……光入射コア層、80……合流部、82……光出射コア層、84……第1湾曲部、86……第2湾曲部、88……LED、90……実施例7の高分子光導波路、92……下部クラッド層、94……コア層、96……上部クラッド層、98……LED、100……実施例8の高分子光導波路、102……下部クラッド層、104……コア層、106……LED。

Claims (19)

  1. それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層、前記下部クラッド層上に形成された帯状のコア層、及び前記コア層を囲んで前記下部クラッド層上に成膜された上部クラッド層を備え、黒色有機物色素が、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層中に一様に添加、分散され、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層が黒色を呈している平面型高分子光導波路であって、
    前記黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色 有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である
    ことを特徴とする平面型高分子光導波路。
    Figure 0004200436
  2. 前記特定黒色色素が、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層中に0.01重量%以上10重量%以下の添加率で添加されている請求項に記載の平面型高分子光導波路。
  3. 前記コア層が、前記下部クラッド層上に相互に平行に形成された複数本のコア層である請求項1又は2に記載の平面型高分子光導波路。
  4. 三次元配列で延在する複数本のコア層と、前記コア層に沿って前記コア層の周りに延在するクラッド層とを有し、黒色有機物色素が、前記クラッド層中に一様に添加、分散され、前記クラッド層が黒色を呈している三次元高分子光導波路であって、
    前記黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色 有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である
    ことを特徴とする三次元高分子光導波路
    Figure 0004200436
  5. 前記特定黒色色素が、前記クラッド層中に0.01重量%以上10重量%以下の添加率で添加されている請求項に記載の三次元高分子光導波路。
  6. それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層、前記下部クラッド層上に成膜された中間クラッド層、前記中間クラッド層内に帯状に形成されているコア層、前記中間クラッド層及び前記コア層上に成膜された上部クラッド層を備え、前記中間クラッド層が、前記コア層と同じ組成の高分子有機化合物であって紫外線照射により前記コア層の屈折率より小さな屈折率を有するように変性させた高分子有機化合物で成膜され、黒色有機物色素が、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層中に一様に添加、分散され、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層が黒色を呈している平面型高分子光導波路であって、
    前記黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色 有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である
    ことを特徴とする平面型高分子光導波路
    Figure 0004200436
  7. 前記特定黒色色素が、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層中に0.01重量%以上10重量%以下の添加率で添加されている請求項に記載の平面型高分子光導波路。
  8. 下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に成膜された第1の中間クラッド層と、前 記第1の中間クラッド層内に相互に平行に形成された複数本の帯状の第1のコア層と、 前記第1の中間クラッド層及び前記第1のコア層上に成膜された第1の上部クラッド層 とを有する1段目の平面型光導波路と、
    下段の平面型光導波路の上部クラッド層上に成膜された第2の中間クラッド層と、前 記第2の中間クラッド層内に相互に平行に形成された複数本の帯状の第2のコア層と、 前記第2の中間クラッド層及び前記第2のコア層上に成膜された第2の上部クラッド層 とを有する上段平面型光導波路を1段目の平面型光導波路上に少なくとも一段備え、
    前記下部クラッド層、前記第1の中間クラッド層、前記第2の中間クラッド層、前記 第1のコア層、前記第2のコア層、前記第1の上部クラッド層、及び前記第2の上部ク ラッド層が、それぞれ高分子有機化合物からなり、
    前記第1の中間クラッド層及び前記第2の中間クラッド層が、前記第1のコア層及び 前記第2のコア層と同じ組成の高分子有機化合物であって、紫外線照射により前記第1 のコア層及び前記第2のコア層の屈折率より小さな屈折率を有するように変性させた高 分子有機化合物で成膜され、
    黒色有機物色素が、前記下部クラッド層、前記第1の上部クラッド層、及び前記第2 の上部クラッド層中に一様に添加、分散され、前記下部クラッド層、前記第1の上部ク ラッド層、及び前記第2の上部クラッド層が黒色を呈している
    三次元高分子光導波路であって、
    前記黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色 有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である
    ことを特徴とする三次元高分子光導波路
    Figure 0004200436
  9. 前記特定黒色色素が、前記第1の下部クラッド層、前記第2の下部クラッド層、前記第1の上部クラッド層、及び前記第2の上部クラッド層中に0.01重量%以上10重量%以下の添加率で添加されている請求項に記載の三次元高分子光導波路。
  10. それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層、前記下部クラッド層上に形成された帯状のコア層、及び前記コア層を囲んで前記下部クラッド層上に成膜された上部クラッド層を備え、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層は、黒色有機物色素が層内に一様に添加、分散されて黒色を呈し、前記コア層は、複数本の光入射コア層が導波光の入射端部から相互に離隔して導波光の進行方向に合流部に向かって直線状で又は曲線状で延在しつつ集束し、次いで合流部で1本の光出射コア層に集合して出射端部まで延在する高分子光導波路であって、
    前記黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色 有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である
    ことを特徴とする平面型高分子光導波路
    Figure 0004200436
  11. 前記特定黒色色素が、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層中に0.01重量%以上、10重量%以下の添加率で添加されている、請求項10に記載の高分子光導波路。
  12. 複数本の光入射コア層が、直線状に延在する第1の光入射コア層と、第1の光入射コア層の両側にそれぞれ延在する第2及び第3の光入射コア層との3本の光入射コア層で構成され、第2及び第3の光入射コア層は、それぞれ、第1の光入射コア層の外方に凸の第1の湾曲部と第1の湾曲部に連続して第1の光入射コア層に向かって凸の第2の湾曲部とを備えた略S字状カーブの形状を有する請求項10に記載の高分子光導波路。
  13. 第1の光入射コア層、第2の光入射コア層、及び第3の光入射コア層に、導波光として、それぞれ、赤色光、緑色光、及び青色光を入射させ、光出射コア層から赤色光、緑色光、及び青色光の合波光を出射させるようにした請求項12に記載の高分子光導波路。
  14. それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層、前記下部クラッド層上に形成された帯状のコア層、及び前記コア層を囲んで前記下部クラッド層上に成膜された上部クラッド層を備え、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層は、黒色有機物色素が層内に一様に添加、分散されて黒色を呈し、前記コア層は、帯状の層幅が導波光の入射端部から出射端部まで導波光の進行方向に連続的に縮小している高分子光導波路であって、
    前記黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色 有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である
    ことを特徴とする高分子光導波路
    Figure 0004200436
  15. 前記特定黒色色素が、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層中に0.01重量%以上、10重量%以下の添加率で添加されている、請求項14に記載の高分子光導波路。
  16. 前記コア層の前記入射端部の層幅方向に相互に離隔した位置から、導波光として、それぞれ、赤色光、緑色光、及び青色光を入射させ、前記コア層の出射端部から赤色光、緑色光、及び青色光の合波光を出射させるようにした請求項14に記載の高分子光導波路。
  17. それぞれ、高分子有機化合物からなる、下部クラッド層、及び前記下部クラッド層上に形成され、外気に露出している帯状のコア層を備え、前記下部クラッド層は、黒色有機物色素が層内に一様に添加、分散されて黒色を呈し、前記コア層は、帯状の層幅が導波光の入射端部から出射端部まで導波光の進行方向に連続的に縮小している高分子光導波路であって、
    前記黒色有機物色素が、スルホン酸基を有する下記化学式[化1]で規定される黒色 有機物色素(以下、特定黒色色素と言う)である
    ことを特徴とする平面型高分子光導波路
    Figure 0004200436
  18. 前記特定黒色色素が、前記下部クラッド層中に0.01重量%以上、10重量%以下の添加率で添加されている、請求項17に記載の高分子光導波路。
  19. 前記コア層の前記入射端部の層幅方向に相互に離隔した位置から、導波光として、それぞれ、赤色光、緑色光、及び青色光を入射させ、前記コア層の出射端部から赤色光、緑色光、及び青色光の合波光を出射させるようにした請求項17に記載の高分子光導波路。
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