JP4352944B2 - 光回路の製造方法 - Google Patents
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Description
ここでフィルタ素子とは、波長選択性フィルタ、波長選択性ミラー、光シャッターの他、全反射ミラー、更には電場によりそれらの間の光導波路の性質を変化させる2つの電極を含むものとする。また、軸状のコアは、いわゆる3次元構造の光導波路を言うものであって、基板上に平面的に形成されるものを言うものではない。またコアが分岐を含む場合の「光軸が一致」は、各フィルタ素子を挟む2つのコアの光軸を言い、分岐の光軸については問わないものである。
また、ここで「窓」とは、光回路容器の当該窓部分が「空いているか」少なくとも樹脂硬化光及び通信波長に対して透明であることを言う。光回路容器は、必要部分のみ通信波長等に対して透明であれば良い。また、光回路容器には、未硬化の光硬化性樹脂(液)を充填する必要があるので、光回路容器を「密閉」する必要は必ずしも無い。例えば静置した状態で上面が開放状態であっても良い。
コア120に、特定波長に大きな吸収特性のある材料を用いず、クラッド220に大きな吸収特性のある材料を用いても効果があることが、次のように示された。この実験では図1.Aのコア130を形成しない、図2.Cのような構成とした。尚、波長選択性ミラー6と全反射ミラー7の構成とした。樹脂硬化波長(λw=488nm)から通信波長(λ1=530±20nm、および、λ2=660±20nm)において透明なアクリレート系光硬化性樹脂(ロックタイト社製、型式358、硬化後の屈折率1.52)をコア材料119、129として用いた。波長488nm、ファイバ端光出力250mWを照射すると各部屋に3次元のコア110、120及びそれらの分岐51及び52が形成される。各部屋に残留している未反応の光硬化性樹脂119及び129を除去し、続いて、クラッド210の材料として上記二つの通信波長帯において透明な低屈折率メタクリル系熱硬化性樹脂(三菱レイヨン社製、商品名「アクリボンド」、硬化後の屈折率1.49)を充填した。更に、クラッド220の材料として同じ低屈折率メタクリル系熱硬化性樹脂に顔料(東洋インキ製、型式6YS)を5.4wt%加えたものを充填し、室温で3時間硬化させた。得られた光導波路の伝送損失を、光スペクトラムアナライザにより計測した。図3の点線のグラフに示すように赤色(波長650nm近傍)に対して強い吸収を示し、緑色(波長530nm近傍)に対して透明である。このように、コアでなく、クラッドに吸収特性の大きい材料を用いても、上記実施例と同様の効果を期待することができる。尚、コア120に上記顔料を濃度0.027wt%添加した場合(クラッドへの顔料添加は無し)の伝送損失スペクトルも図3に実線で示した。
これら図6.Aの光回路4000及び図6.Bの光回路5000の要部を、上記実施例1、2の要部と組み合わせることで、即ち実施例3のような多区画の光回路に実施例1、2、4の要部を実現することで、従来複数個の光回路を連結して構成する必要があった光モジュールを、1個の光回路容器に集積することが可能となる。且つ、光硬化性樹脂(液)を用いた自己形成によるコア形成により、各コアの光軸は自動的に一致するものであり、且つ小型化が極めて容易となる。
100、110、120、130、140、150:コア
119、129、139、149、159:コア部材
200、210、220、230、240、250:クラッド
3:光回路容器
4:光ファイバ
41:光ファイバのコア
43:接続部材
5、51、52、53、54:コアの分岐
6、60、61、62:波長選択性ミラー
63、64:透明電極
65:光シャッター
7:全反射ミラー
8、81、82:受光素子
9:発光素子
Claims (14)
- 光硬化性樹脂の硬化物から成る軸状のコアを有する光回路を製造する方法において、
光導波路のコア形成のための樹脂硬化光を導入する窓を有する光回路容器に1個以上のフィルタ素子を配置させ、且つ前記各フィルタ素子を含む隔壁にて前記光回路容器を2個以上の部屋に区分けし、
前記2個以上の部屋のうち前記樹脂硬化光を導入する窓を有する部屋を含む2個以上の部屋の各々に、未硬化の光硬化性樹脂を充填し、
前記窓から前記樹脂硬化光を導入することにより、各部屋の光硬化性樹脂を硬化させて、各前記フィルタ素子を挟む各前記コアの光軸が一致するように当該各コアを形成し、
各部屋における前記各コアの周囲に、クラッドを形成し、
前記フィルタ素子の少なくとも1個について、当該フィルタ素子を挟んで両側の部屋に充填される光硬化性樹脂の成分又はその光硬化性樹脂に対する添加物を異ならせることにより、当該フィルタ素子を挟んで両側に形成される2つのコアの組成又は添加物が異なるようにし、及び/又は、当該2つのコアをそれぞれ取り巻く2つのクラッドを構成する材料の組成又はその材料に対する添加物を異ならせることにより、その2つのクラッドの組成又は添加物が異なるようにした
ことを特徴とする光回路の製造方法。 - 前記フィルタ素子のうち、少なくとも1つは波長選択性ミラーであり、
当該波長選択性ミラーを分岐点とする分岐コアが形成されることを特徴とする請求項1に記載の光回路の製造方法。 - 前記波長選択性ミラーを挟む2つのコアのうち、
一方には、励起光により伝送光の強度を増幅させるための添加物が添加され、
他方には前記添加物が添加されないことを特徴とする請求項2に記載の光回路の製造方法。 - 前記フィルタ素子のうち、少なくとも隣接する2個は通信波長に対して透明な電極であり、当該2個のフィルタ素子の間に形成された光導波路が光の強度を電場により変調させる非線形性物質により形成されることを特徴とする請求項1に記載の光回路の製造方法。
- 前記フィルタ素子のうち、少なくとも1つは電極であって、光シャッター機能により光導波路を伝送する光の透過及び遮断を切り替えるものであることを特徴とする請求項1に記載の光回路の製造方法。
- 前記フィルタ素子により分離されているコア及びクラッドの組み合わせのうち少なくとも1組は、当該コア又はクラッドが、特定の波長に対して光吸収性を有する材料から成る、又は、特定の波長に対して光吸収性を有する添加物が添加されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の光回路の製造方法。
- 少なくとも1つの前記部屋について、
前記コアを形成した後、未硬化の光硬化性樹脂を前記光回路容器から除去し、
クラッド材料を充填することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光回路の製造方法。 - 前記クラッド材料は光硬化性樹脂であって、充填後に光硬化させることを特徴とする請求項7に記載の光回路の製造方法。
- 前記クラッド材料は熱硬化性樹脂であって、充填後に熱硬化させることを特徴とする請求項7に記載の光回路の製造方法。
- 少なくとも1つの前記部屋について、
前記未硬化の光硬化性樹脂は、より長波長の光で硬化する高屈折率の第1の光硬化性樹脂液と、より短波長の光で硬化する、又は熱硬化する低屈折率の第2の光硬化性樹脂液との混合物であって、
前記第1の光硬化性樹脂液を硬化させるが前記第2の光硬化性樹脂液を硬化させない波長の前記樹脂硬化光を導入することで、高屈折率の第1の光硬化性樹脂液の硬化物の含有率の高いコアを形成した後、
残余の未硬化の光硬化性樹脂を硬化させることで低屈折率のクラッド部分を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光回路の製造方法。 - 少なくとも1つの前記部屋について、
前記未硬化の光硬化性樹脂は、より長波長の光で硬化する低屈折率の第1の光硬化性樹脂液と、より短波長の光で硬化する、又は熱硬化する高屈折率の第2の光硬化性樹脂液の混合物であって、
前記第1の光硬化性樹脂液を硬化させるが前記第2の光硬化性樹脂液を硬化させない波長の前記樹脂硬化光を導入することで、低屈折率の第1の光硬化性樹脂液の硬化物に未硬化の前記第1及び第2の光硬化性樹脂液が取り込まれた状態を形成した後、残余の未硬化の光硬化性樹脂を硬化させることで、高屈折率のコアと、その外周部の第1の光硬化性樹脂液の硬化物の含有率が高い低屈折率のクラッド部分と、その残余の外側の高屈折率部分を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光回路の製造方法。 - 少なくとも1つの前記部屋について、
前記未硬化の光硬化性樹脂は、より長波長の光で硬化する高屈折率の光硬化性樹脂液と、低屈折率の熱硬化性樹脂液との混合物であって、
前記光硬化性樹脂液を硬化させるが前記熱硬化性樹脂液を硬化させない波長の前記樹脂硬化光を導入することで、高屈折率の光硬化性樹脂液の硬化物の含有率の高いコアを形成した後、
残余の未硬化の光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂を硬化させることで低屈折率のクラッド部分を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光回路の製造方法。 - 少なくとも1つの前記部屋について、
前記未硬化の光硬化性樹脂は、より長波長の光で硬化する低屈折率の光硬化性樹脂液と、高屈折率の熱硬化性樹脂液との混合物であって、
前記光硬化性樹脂液を硬化させるが前記熱硬化性樹脂液を硬化させない波長の前記樹脂硬化光を導入することで、低屈折率の光硬化性樹脂液の硬化物に未硬化の前記光硬化性樹脂液及び熱硬化性樹脂液が取り込まれた状態を形成した後、残余の未硬化の光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂液を硬化させることで、高屈折率のコアと、その外周部の光硬化性樹脂液の硬化物の含有率が高い低屈折率のクラッド部分と、その残余の外側の高屈折率部分を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光回路の製造方法。 - 前記樹脂硬化光を導入する窓から、光ファイバを部屋に導入し、
当該光ファイバ端面が、前記窓を有する部屋に充填された未硬化の光硬化性樹脂中に浸漬された状態で前記樹脂硬化光を前記光ファイバを介して導入することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の光回路の製造方法。
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