JP2022128391A - 光接続部品及び光部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、表面結合型で光ファイバの接続が可能であり、光ファイバの曲げ強度及び曲げ損失の制限の受けない光接続部品の提供を可能にすることを目的とする。【解決手段】本開示の光接続部品は、GRIN(Gradient Index)レンズの側面が前記GRINレンズと同等の屈折率を有するキャピラリーで保持されているレンズ部品と、前記GRINレンズの一方の端面に接続されている光ファイバと、を備え、前記GRINレンズの他方の端面は、前記光ファイバから前記GRINレンズに入射された光を、前記GRINレンズの側面に向けて反射する斜め端面を備え、前記GRINレンズを保持する前記キャピラリーの側面は、前記斜め端面で反射された前記光ファイバからの光を透過する平坦な出射面を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、光回路と光ファイバを接続するための光接続部品及び光接続部品が光回路と接続されている光部品に関する。
光送受信モジュールの低背化のために、光送受信モジュール内に搭載される光部品と光ファイバとの接続時の高さが低くなるような、光ファイバを光部品に接続する光接続部品が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の光接続部品は、光ファイバの曲げ半径を光ファイバにおいて曲げ損失が発生しない最小半径近くに設定することにより、光送受信モジュールの低背化を実現している。
シリコンフォトニクスの急速な進歩により、光送受信モジュールは一層の小型化が求められており、それに伴い、光ファイバを光部品に接続する光接続部品低背化の要求がさらに高まっている。
シリコンチップなどの光部品と光ファイバの接続において、エッジ結合型と表面結合型があり、それぞれ一長一短がある。表面結合型は、シリコンチップ表面に形成した回折格子により通常のシングルモード光ファイバと直接接続できること、回折格子を利用してシリコンウェハでのin situ検査が可能なことなど、実用上の利点を有しており、既に上市されている。
WO2018/109977A1
西沢紘一、レーザー研究、第8巻、第5号、pp748~758、(1980)
しかしながら、表面接続型では光ファイバを光部品に対して垂直方向にレイアウトするため、パッケージングが容易ではない。特許文献1の光接続部品は、表面接続型に適用可能であるが、光ファイバの曲げ強度および曲げ損失によって制限を受ける。このため、光部品と光ファイバとの接続時の高さの低背化が表面結合型の大きな課題となっている。
そこで、本開示は、表面結合型で光ファイバの接続が可能であり、光ファイバの曲げ強度及び曲げ損失の制限の受けない光接続部品の提供を可能にすることを目的とする。
本開示の光接続部品は、GRIN(Gradient Index)レンズを備え、光回路と光ファイバを接続する表面実装に適用する。
具体的には、本開示の光接続部品は、
GRIN(Gradient Index)レンズの周囲が前記GRINレンズと同等の屈折率を有するキャピラリーで保持されているレンズ部品を備え、
前記GRINレンズの少なくとも一方の端面は、前記GRINレンズの中心軸に垂直な面に対して傾斜している斜め端面を備え、
前記キャピラリーの側面に平坦面を備える。
本開示の光接続部品は、GRIN(Gradient Index)レンズ、ファイバアレイ、必要に応じてプリズムを備え、光回路と光ファイバを接続する表面実装に適用する。
具体的には、本開示の光接続部品は、
GRIN(Gradient Index)レンズの側面が前記GRINレンズと同等の屈折率を有するキャピラリーで保持されているレンズ部品と、
前記GRINレンズの一方の端面に接続されている光ファイバと、
を備え、
前記GRINレンズの他方の端面は、前記光ファイバから前記GRINレンズに入射された光を、前記GRINレンズの側面に向けて反射する斜め端面を備え、
前記GRINレンズを保持する前記キャピラリーの側面は、前記斜め端面で反射された前記光ファイバからの光を透過する平坦な出射面を備える。
本開示の光接続部品は、
GRINレンズの側面が前記GRINレンズと同等の屈折率を有するキャピラリーで保持されているレンズ部品と、
前記GRINレンズの一方の端面に接続されている透過部と、
を備え、
前記レンズ部品の前記斜め端面は、
前記透過部から前記GRINレンズに入射された光を、前記平坦面に向けて反射する、或いは、
前記平坦面から前記GRINレンズに入射された光を、前記透過部に向けて反射する、
態様を採用しうる。
本開示の光接続部品は、
GRINレンズの側面が前記GRINレンズと同等の屈折率を有するキャピラリーで保持されている2つのレンズ部品と、
両端が平坦な透過部と、
を備え、
前記レンズ部品は、それぞれ、前記GRINレンズの一方の端面が前記透過部に接続され、
前記透過部の一方の端面に接続されている第1のレンズ部品に備わる第1斜め端面は、前記平坦面から入射された光を、前記透過部の他方の端面に接続されている第2のレンズ部品に向けて反射し、
前記透過部の他方の端面に接続されている第2のレンズ部品に備わる第2斜め端面は、前記第1斜め端面で反射された光を、前記平坦面に向けて反射する、
態様を採用しうる。
本開示の光接続部品は、
GRINレンズの側面が前記GRINレンズと同等の屈折率を有するキャピラリーで保持されているレンズ部品を備え、
前記GRINレンズの両方の端面は、前記GRINレンズの中心軸に垂直な面に対して傾斜している斜め端面を備え、
前記GRINレンズの一方の端面に備わる第1斜め端面は、前記平坦面から入射された光を、前記GRINレンズの他方の端面に向けて反射し、
前記GRINレンズの他方の端面に備わる第2の斜め端面は、前記第1斜め端面から入射された光を、前記平坦面に向けて反射する、
態様を採用しうる。
本開示によれば、表面結合型で光ファイバの接続が可能であり、光ファイバの曲げ強度及び曲げ損失の制限の受けない光接続部品の提供を可能にすることができる。
本開示に係る光接続部品の構成例を示す。 本開示に係る光接続部品の断面構造の一例を示す。 GRINレンズの側面から出射されるビーム形状の模式図であり、(A)はGRINレンズの側面からの出射例を示し、(B)はGRINレンズの側面を平坦にした場合の出射例を示し、(C)はGRINレンズがキャピラリーに包含されている場合の出射例を示す。 本開示のGRINレンズの側面から出射されるビーム形状の模式図を示す。 本開示に係る光接続部品の構成例を示す。 本開示に係る光接続部品の断面構造の一例を示す。 本開示に係る光接続部品の断面構造の一例を示す。 本開示に係る光接続部品における光線軌跡の一例を示す。 本開示に係る光接続部品における焦点付近のビーム径のシミュレーション結果を示す。 第2の実施形態に係る光接続部品の構成例を示す。 第2の実施形態に係るビーム径測定結果を示す。 本開示に係る光接続部品の構成例を示す。 本開示に係る光接続部品の構成例を示す。 本開示に係る光接続部品の構成例を示す。 本開示に係る光接続部品の断面における構成例を示す。 本開示に係る光接続部品の上面から見た場合の構成例を示す。 本開示に係る光接続部品の構成例を示す。 本開示に係る光接続部品の上面から見た場合の構成例を示す。 本開示に係る光接続部品の構成例を示す。 本開示に係る光接続部品の上面から見た場合の構成例を示す。 GRINレンズから透過部に斜めに入射するための構造の一例であり、(a)は側面から見た場合の光路を示し、(b)は上面から見た場合の光路を示し、(c)は斜め端面から見た場合の光路を示す。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
図12に、本開示に係る光接続部品の構成例を示す。本開示に係る光接続部品は、GRIN(Gradient Index)レンズ10の周囲がGRINレンズ10と同等の屈折率を有するキャピラリー11で保持されているレンズ部品を備える。GRINレンズ10は、GRINレンズ10の中心軸に垂直な端面31と、端面31に対して傾斜している斜め端面30を備える。GRINレンズ10の中心軸に垂直な面に対する斜め端面30の角度θ30は、90度を除く任意の角度である。
またGRINレンズ10は、キャピラリー11の側面のうちの斜め端面30の配置されている位置に、平坦面41を備える。斜め端面30は、平坦面41に対して傾斜している。平坦面41に対する斜め端面30の角度θ41は、90度を除く任意の角度である。
端面31及び平坦面41には、光ファイバ、透過部、光回路など、GRINレンズ10の伝搬光を導波可能な任意の光部品が配置される。ここで、接続は、端面31や平坦面41での反射を防ぐため、接着又は融着によって接合されている。以下、図面においては、理解が容易になるよう、間隙を設けてあるが、図中の間隙は接合されている。
例えば、端面31には、光ファイバ、光源、受光器、光回路の導波路端面が、直接又は透過部を介して接続される。ここで、透過部は、端面31に接続される光ファイバなどの接続対象にGRINレンズ10の焦点を結ばせる機能を有する。例えば、平坦面41には、光ファイバ、光源、受光器、光回路の導波路が、直接又は透過部を介して接続される。ここで、透過部は、平坦面41に接続される光ファイバなどの接続対象にGRINレンズ10の焦点を結ばせる機能を有する。
図12では、GRINレンズ10の一方の端面のみが斜め端面30である例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、図13に示すように、GRINレンズ10の両方の端面が、斜め端面30A及び30Bであってもよい。GRINレンズ10の中心軸に垂直な面に対する斜め端面30A及び30Bの角度θ30A及びθ30Bは、90度を除く任意の角度であり、同一であってもよいし、異なっていてもよい。平坦面41に対する斜め端面30A及び30Bの角度θ41A及びθ41Bは、90度を除く任意の角度であり、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以下、本開示に係る光接続部品について、詳細に説明する。
(光接続部品の基本構成)
図1、図2に、本開示に係る光接続部品の構成例を示す。本開示に係る光接続部品は、GRIN(Gradient Index)レンズ10の側面がGRINレンズ10と同等の屈折率を有するキャピラリー11で保持されているレンズ部品と、GRINレンズ10の一方の端面12に接続されている光ファイバ20と、光ファイバ20を実装するファイバ接続部品21と、を備える。
キャピラリー11は、GRINレンズ10を保持する。キャピラリー11は、光ファイバ20から出射され、シリコンチップ50に入射される光を透過する任意の部材を用いることができ、例えば無機ガラス製キャピラリーを用いることができる。またキャピラリー11は、GRINレンズ10と同等の屈折率を有することが好ましい。
光ファイバ20からの出射光がGRINレンズ10に入射され、GRINレンズ10の斜め端面30で反射され、キャピラリーの出射面40から出射される。キャピラリーの出射面40から出射された光は、シリコンチップ50に入射され、回折格子51からシリコンチップ50の導波路に導波される。シリコンチップ50の回折格子51から出射された光についても同様にして光ファイバ20に入射される。
ここで、図2に示すように、本開示の光接続部品は、キャピラリーの出射面40が平坦である。図3(A)のように、通常GRINレンズ111を用いて斜め端面の反射を利用してGRINレンズ側面から出射すると、GRINレンズ111の径方向の屈折率分布の影響とGRINレンズ外周の曲率により大きく影響され、出射ビーム形状は大きくひずむ。この歪みは単なる照明などでは問題とならないが、円形や矩形で中心対称を有する光源や光検出器と接続する場合は形状のひずみは損失増加につながるため、ビーム形状の対称性は重要である。
これを解決するため、図3(B)のGRINレンズ112のように、GRINレンズ自身の出射面を平らにすることが考えられるが、ドープ材を高濃度に含有するGRINレンズ自身を平らに加工することは非常に困難である。また、図3(c)のようにGRINレンズ111をキャピラリー113に包含した場合も、キャピラリー113の外周の曲率の影響を受けて図3(A)と同様のビーム形状のひずみが発生する。
図4に本開示の構造を示す。GRINレンズ10を包含するキャピラリー11の側面からの出射面40が平坦であることにより、上述したGRINレンズ10の外周やキャピラリー11の外周の曲率によるレンズ効果によるビーム形状の変形を除去することができる。ビームの出射方向に対する出射面40の角度は、例えば垂直である。
本開示では、シリコンチップ50に接続される光ファイバ20の高さは、図1、図2に示すようにGRINレンズを包含するキャピラリー11の高さH11及び光ファイバ20を実装する光ファイバ接続部品21の高さのいずれかで規定される。一般的に光接続部品として多用されているV溝型部品では高さは1.5mm程度であり、さらに低背化は可能である。GRINレンズ10を包含するキャピラリー11はGRINレンズ径にも依存するが、GRINレンズ10のレンズ径φ10が0.5mm以下であれば1mmの高さで実用上問題ない。従って、本開示の光接続部品の高さは最大でも1.5mm以下となり、これまで実用化されている表面接続型の光接続部品より1/2以下の低背化が可能である。
図6及び図7は、図1および図2で示した基本的な構成例をさらに低背化した構造を示している。GRINレンズ10の中心軸から出射面40までの高さH41は、GRINレンズ10の半径以上の任意の値を採用することができる。例えば、高さH41は、図7に示すように、GRINレンズ10の半径と等しい形態も採用することができる。GRINレンズ10を低く配置することにより、光接続部品全体の高さをさらに低背化することができる。また、いずれの場合も反射光が透過する出射面40は平坦であり、ビームの変形は起こりにくい。なお、GRINレンズ10の中心軸から上面13までの高さH42についても高さH41と同様である。
次に、GRINレンズのレンズ長について、詳細に述べる。
GRINレンズの光線マトリックスは、非特許文献1で次のように示されている。
Figure 2022128391000002
ここで、パラメータは以下のとおりである。
:入射光のレンズ中心からの距離
:出射光のレンズ中心からの距離
θ:入射光角度
θ:出射光角度
z:レンズ長
:レンズ中心の屈折率
g:屈折率分布定数
従って、GRINレンズ内を導波する光線軌跡は式(2)で示される。
Figure 2022128391000003
式(2)に既知のn、g値を代入すると、レンズ入射端から位置zをパラメータにして光線位置(レンズ中心軸からレンズ径方向の距離)rが得られ、光線軌跡が求められる。
図8に示すように、光ファイバ20から入射した光はGRINレンズ10を導波しながら収束して、GRINレンズ10の斜め端面30で反射して、GRINレンズ10の径方向に方向を変え、GRINレンズ側面の出射面40から出射し、ある一定の距離で焦点を結ぶ。
ここで、GRINレンズ10内を導波するときはレンズ軸に対してビーム形状は対称であるが、GRINレンズ10の斜め端面30ではレンズ軸に対して一定の角度がついているため、紙面上で上部の光線軌跡70と下部の光線軌跡71は明らかに長さが異なり、式2より光線軌跡の長さgzが異なるため、レンズ軸からの距離は異なる。つまり、斜め端面30でのビーム形状は対称とはならない。
さらに、GRINレンズ10の斜め端面30を反射後、光線軌跡72および73のごとく、GRINレンズ10のレンズ軸に対して径方向に導波するため、同心円状の屈折率分布の影響を受け、ビーム形状はGRINレンズ10のレンズ軸に対して直角方向のビーム幅が狭くなる。
これら2つの要因によるビーム形状の非対称化を補正し、限りなく円形に近くすることにより、接続損失の向上を図るため、GRINレンズ長の最適化を検討した。
図8に示すような出射面40に対する斜め端面30が45°反射面を有するGRINレンズ10で、焦点付近でのビーム径をシミュレーションした。シミュレーション結果を図9に示す。GRINレンズ10のレンズ軸に平行なZ方向のビーム径の極小を示すレンズ長は、GRINレンズ10のレンズ軸に直角なX方向のビーム径の極小を示すGRINレンズ長より長い。これは、上述したように反射面での非対称と反射後のGRINレンズ径方向の屈折率分布の影響によると考えられ、図8に示す構造においては、必ずみられる現象である。
上記、シミュレーションの結果、X方向とZ方向のビーム径の極小値の間に交点があることより、双方のビーム径が一致して円形をなすレンズ長が存在することが明らかになった。
通常円形もしくは矩形の点対称の形状を有する光源、光検出器に入手する場合、入射光のビーム形状が円形であるほうが接続損失は小さくなる。従って、X方向およびZ方向のビーム径の極小値の間の双方のビーム径が一致するGRINレンズ長とすることにより、ビーム形状を円形とすることができ、出射光の接続損失を小さくできる。
(第1の実施形態)
GRINレンズ10の入力側、すなわち、光ファイバ接続面12と、GRINレンズ10の斜め端面30で反射した導波光がGRINレンズ10の側面から出射してビーム形状を大きく崩さないで焦点を結ぶためには、GRINレンズ10を包含するキャピラリー11の出射面40が平坦であることが重要である。
そこで、本実施形態の光接続部品は、図1および図2に示すように、GRINレンズ10がキャピラリー11に包含され、光ファイバ20から入射した信号光がGRINレンズ10を導波して、GRINレンズ10の斜め端面30で下方に反射され、キャピラリー11の側面に位置する出射面40から出射され、近傍に設けられた回折格子51に入射し、シリコンチップ50を導波する。
回折格子51に入射する場合は、入射角とビーム形状が重要となってくる。本開示では、GRINレンズ10の出射面40に対する斜め端面30の角度を任意に調整できるため、GRINレンズ10及び光ファイバ20の高さを変えることなく、容易に入射角を最適化できる。
(第2の実施形態)
図10では、GRINレンズ10の両サイドで光路長を対称にするためのスペーサ25を設けた構造を示す。光ファイバ20から出射された光がGRINレンズ10に入射されるまでの光路長と、GRINレンズ10に入射された光がGRINレンズ10の斜め端面30で反射され、出射面40に到達する光路長と、を対称とすることにより、入出力部が同じ条件の場合、双方向の光導波がより効率的に接続される。なお、GRINレンズ10に入射された光がGRINレンズ10の斜め端面30で反射され、出射面40に到達する光路長は、GRINレンズ10に入射された光がGRINレンズ10の斜め端面30で反射され、回折格子51に入射するまでの光路長であってもよい。
(実施例)
図6に示すような断面を有し、キャピラリー11に包含された直径0.5mm、g値0.1mm-1のGRINレンズでGRINレンズ10の中心軸が出射面40から0.3mmの高さH41にある構造をもつ光接続部品を用いて、レンズ長の異なる試料を用いて出射ビーム形状をビームプロファイラーで測定した。
図11に測定結果を示す。各GRINレンズ長でのビーム形状をもとに、X方向、Z方向のビーム径を測定し、レンズ長に対するビーム径をプロットした。その結果、シミュレーションと同様に、X方向のビーム径はZ方向のビーム径より短いレンズ長で極小値を有し、2つの極小値を示すレンズ長の間でプロットが交差することが判った。
本実験の結果では、レンズ長5.01mm(0.41ピッチ相当)でビーム径がほぼ円形となることが判った。この値は、シミュレーション結果ともほぼ一致する。上記結果より、実用上は構造を基にレンズ長をパラメータにビーム径のシミュレーションを行い、ビーム径が円形と最適なレンズ長を計算で求めればよい。これにより、本開示は、光送受信モジュールの更なる低背化が可能であり、良好なビーム形状を有する光接続部品を提供することができる。
以上説明したように、本開示の光接続部品は、
GRINレンズ10がGRINレンズ10と同等の屈折率を有する無機ガラス製のキャピラリー11に包含され、
前記キャピラリー11に包含されたGRINレンズ10の片端に光ファイバ20が接続され、
前記キャピラリー11に包含されたGRINレンズ10の他方の端部が前記GRINレンズ10を導波した光を反射するように一定の角度を有することにより、
光ファイバ20から水平方向(シリコンチップ50に対して平行)に入射した光をGRINレンズ10の斜めに反射させることにより光の進行方向を曲げ、
シリコンチップ基板50に対して垂直方向で入射する。
これにより、本開示は、光ファイバ20を曲げることなく、シリコンチップ50に対して垂直方向で接続できるため、非常に高さの低いパッケージングを有する光接続部品を実現できる。なお、本実施形態では、光接続部品と接続される光部品がシリコンチップ50である例を示すが、本開示はこれに限定されるものではなく、表面接続型の任意の光部品でありうる。
また、上述の実施形態における出射面40は本開示における「平坦面」として機能し、光接続部品の基本構成において述べたように、GRINレンズ10からの光を出射する機能に限らず、出射面40からGRINレンズ10へ光を入射する機能を備えていてもよい。以下、出射面40を平坦面41と称する。
(第3の実施形態)
図14に、本実施形態に係る光部品の一例を示す。本実施形態に係る光部品は、本実施形態に係る光接続部品がシリコンチップ50と接続されている。シリコンチップ50は、導波路52、回折格子51、受光器53を備える。回折格子51は、導波路52上に配置され、導波路52からの光を光接続部品に向けて出射し、光接続部品からの光を導波路52に入射する。受光器53は、光接続部品から出射された光を受光する。
本実施形態に係る光接続部品は、透過部26の両端に第1のレンズ部品及び第2のレンズ部品が接続されている。第1のレンズ部品は、GRINレンズ10Aの側面がGRINレンズ10Aと同等の屈折率を有するキャピラリー11Aで保持されている。第2のレンズ部品は、GRINレンズ10Bの側面がGRINレンズ10Bと同等の屈折率を有するキャピラリー11Bで保持されている。透過部26は、両端面が平坦である。図14では、透過部26の一例として、第1のレンズ部品及び第2のレンズ部品との接続面が平坦面41に対して直角である例を示す。
GRINレンズ10Aは、平坦面41から出射された光を平行光にして透過部26に入射する。レンズ部品10Bは、第2のレンズ部品として機能し、透過部26から入射された平行光を集光して平坦面41に出射する。平坦面41から出射された光は、回折格子51で導波路52に入射される。
回折格子51から出射された光は、平坦面41に入射される。平坦面41に入射された光は、GRINレンズ10Aに備わる第1斜め端面30Aで、透過部26に向けて反射される。GRINレンズ10Aは、第1斜め端面30Aで反射された光を平行光に変換し、透過部26に出射する。
透過部26を透過した平行光は、第2のレンズ部品10Bに入射される。第2のレンズ部品10Bは、透過部26から入射された平行光を集光し、第2斜め端面30Bで平坦面41に反射する。平坦面41から出射された光は、受光器53で受光される。
図14では、透過部26の両端に第1のレンズ部品及び第2のレンズ部品が接続されている例を示したが、いずれか一方であっても、本開示の作用及び効果が得られる。また、第1のレンズ部品及び第2のレンズ部品との接続面は、平行であってもよいが、これに限定されない。
また、本開示におけるシリコンチップ50の構成は任意である。例えば、回折格子51に代えて、発光素子が配置されていてもよい。また、受光器53に代えて、回折格子51が配置されていてもよい。他の実施形態においても同様である。
(第4の実施形態)
図15及び図16に、本実施形態に係る光接続部品の一例を示す。本実施形態では、第3の実施形態で説明した第1のレンズ部品及び第2のレンズ部品の対が4つ備わる。具体的には、図15に示すように、本実施形態のレンズ部品は、複数のGRINレンズ10の側面が共通のキャピラリー11で保持されている。
図15に示すように、複数のGRINレンズ10Aの中心軸は仮想面P10A上に平行に配置されている。キャピラリー11Aにおける平坦面41Aは、仮想面P10Aと平行である。キャピラリー11B及び複数のGRINレンズ10Bについても同様である。
図16に、光接続部品を上から見た構成の一例を示す。各GRINレンズ10Aで平行光に変換された光は、透過部26を直進し、GRINレンズ10Aに対応するGRINレンズ10Bに入射される。これにより、複数の導波路52を伝搬する光をそれぞれ受光器53で受光することができる。
(第5の実施形態)
図17及び図18に、本実施形態に係る光部品の一例を示す。本実施形態に係る光部品は、本実施形態に係る光接続部品がシリコンチップ50と接続されている。本実施形態では、第3の実施形態で説明したGRINレンズ10A、透過部26及びGRINレンズ10Bが、1本のGRINレンズ10Cで構成されている。
GRINレンズ10Cの両端には平坦面41に対して傾斜している斜め端面30A及び30Bが備わる。第1斜め端面30Aは、平坦面41から入射された光を、GRINレンズ10Cの第1斜め端面30Bに向けて反射する。第2の斜め端面30Bは、第1斜め端面30Aから入射された光を、平坦面41に向けて反射する。
GRINレンズ10Cのレンズ長は、平坦面41から入射された光を受光器53に集光可能な任意の値を採用することができる。これにより、複数の導波路52を伝搬する光をそれぞれ受光器53で効率よく受光することができる。
(第6の実施形態)
図19及び図20に、本実施形態に係る光部品の一例を示す。本実施形態に係る光部品は、本実施形態に係る光接続部品がシリコンチップ50と接続されている。本実施形態では、図20に示すように、1本のGRINレンズ10A、4本のGRINレンズ10B、波長フィルタ261-1、261-2、261-3、261-4及び反射膜262を備え、4チャネルを合分波する。
GRINレンズ10B-1~10B-4は、GRINレンズ10B-1~10B-4の中心軸と直角な端面を有し、当該端面が透過部26に固定されている。波長フィルタ261-2~261-5は、それぞれ異なる波長を透過する。例えば、波長フィルタ261-1は波長λ1を透過し、波長フィルタ261-2は波長λ2を透過し、波長フィルタ261-3は波長λ3を透過し、波長フィルタ261-4は波長λ4を透過する。透過部26は、波長λ1~λ4に対して透明なガラスである。
波長λ1~λ4の光がGRINレンズ10Aに入射される。このとき、GRINレンズ10Aの中心軸からずらして入射される。これにより、GRINレンズ10Aから透過部26に斜めに入射される。
図21を参照しながら、GRINレンズ10Aから透過部26に斜めに入射するための構造について説明する。GRINレンズ10Aの中心軸からずれた位置に光を入射すると、その光はGRINレンズ10Aの中心軸に向かって曲がる。そこで、図21(b)及び図21(c)に示すように、平坦面41から入射された光が斜め端面30Aで反射される際に、GRINレンズ10Aの中心軸からずれた位置で反射させる。斜め端面30Aに入射した光は、斜め端面30Aで水平方向に反射し、図21(b)に示すように、GRINレンズ10Aの中心軸を通り、水平方向に斜めに透過部26に入射する。
ここで、平坦面41から入射された光は、図21(a)に示すように、GRINレンズ10Aの径方向を横断する。GRINレンズ10Aの径方向は屈折率が異なるため、屈折率の違いに応じて若干の曲率を持ちつつ斜め端面30Aに到達する。
GRINレンズ10Aから透過部26に入射された波長λ1~λ4の光は、透過部26の側面に到達する。この側面に、波長λ1を透過し、波長λ2~λ4を反射する波長フィルタ261-1が配置されている。波長フィルタ261-1を透過した波長λ1の光はGRINレンズ10B-1に入射される。GRINレンズ10B-1に入射された波長λ1の光は平坦面41から出射され、回折格子51Bを介して導波路52B-1に入射される。
同様にして、GRINレンズ10B-2に入射された波長λ2の光は導波路52B-2に入射され、GRINレンズ10B-3に入射された波長λ3の光は導波路52B-3に入射され、GRINレンズ10B-4に入射された波長λ4の光は導波路52B-4に入射される。なお、導波路52B-1~52B-4への入射の際に、受光器で受光してもよい。
本実施形態では、波長フィルタ261-1~26-4がそれぞれ異なる波長である例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、波長フィルタ261-1~26-4は、任意の波長の光を予め定められた透過率で透過してもよい。例えば、波長フィルタ261-1~26-4の透過率は、それぞれ、25%、33.3%、50%、100%とする。これにより、導波路52Aから出射された光を4分岐して導波路52B-1~52B-4に出力することができる。一方、導波路52B-1~52B-4からの光を合波して導波路52Aに出力することができる。
本開示は情報通信産業に適用することができる。
10、10A、10B、10C、111、112:GRINレンズ
11、11A、11B、11C、113:キャピラリー
12:接続面
13:キャピラリーの上面
20:光ファイバ
21:ファイバ接続部品
26:透過部
30:斜め端面
40:出射面
41:平坦面
50:シリコンチップ
51、51A、51B、52A、52B-1、52B-2、52B-3、52B-4:回折格子
261-1、261-2、261-3、261-4:波長フィルタ
262:反射膜

Claims (12)

  1. GRIN(Gradient Index)レンズの周囲が前記GRINレンズと同等の屈折率を有するキャピラリーで保持されているレンズ部品を備え、
    前記GRINレンズの少なくとも一方の端面は、前記GRINレンズの中心軸に垂直な面に対して傾斜している斜め端面を備え、
    前記キャピラリーの側面に平坦面を備える、
    光接続部品。
  2. 前記レンズ部品と、
    前記GRINレンズの一方の端面に接続されている光ファイバと、
    を備え、
    前記GRINレンズの前記斜め端面は、
    前記光ファイバから前記GRINレンズに入射された光を、前記平坦面に向けて反射する、或いは、
    前記平坦面から前記GRINレンズに入射された光を、前記光ファイバに向けて反射する、
    請求項1に記載の光接続部品。
  3. 前記レンズ部品と、
    前記GRINレンズの一方の端面に接続されている透過部と、
    を備え、
    前記レンズ部品の前記斜め端面は、
    前記透過部から前記GRINレンズに入射された光を、前記平坦面に向けて反射する、或いは、
    前記平坦面から前記GRINレンズに入射された光を、前記透過部に向けて反射する、
    請求項1に記載の光接続部品。
  4. 2つの前記レンズ部品と、
    両端が平坦な透過部と、
    を備え、
    前記レンズ部品は、それぞれ、前記GRINレンズの一方の端面が前記透過部に接続され、
    前記透過部の一方の端面に接続されている第1のレンズ部品に備わる第1斜め端面は、前記平坦面から入射された光を、前記透過部の他方の端面に接続されている第2のレンズ部品に向けて反射し、
    前記透過部の他方の端面に接続されている第2のレンズ部品に備わる第2斜め端面は、前記第1斜め端面で反射された光を、前記平坦面に向けて反射する、
    請求項1に記載の光接続部品。
  5. 前記透過部の他方の端面に、複数の前記第2のレンズ部品が配置され、
    前記第1のレンズ部品は、前記平坦面から入射された光を、前記第一レンズ部品に備わるGRINレンズの中心軸から斜めに前記透過部に入射し、
    前記透過部の他方の端面とそれぞれの前記第2のレンズ部品との間に、特定の光を透過させ、前記特定の光以外の光を反射するフィルタが配置され、
    前記透過部の一方の端面のうちの前記第1のレンズ部品の配置されていない領域に、前記フィルタで反射された光を反射する反射膜が配置されている、
    請求項4に記載の光接続部品。
  6. 前記GRINレンズのレンズ長は、
    前記GRINレンズの端面のうちの前記斜め端面の配置されていない端面から前記GRINレンズに入射された光が前記斜め端面で反射され、前記平坦面に到達したときの、前記GRINレンズの中心軸に平行なZ方向でのビーム径が極小となるレンズ長よりも小さく、かつ、
    前記GRINレンズの端面のうちの前記斜め端面の配置されていない端面から前記GRINレンズに入射された光が前記斜め端面で反射され、前記平坦面に到達したときの、前記Z方向に垂直なX方向でのビーム径が極小となるレンズ長よりも大きい、
    請求項1から5のいずれかに記載の光接続部品。
  7. 前記GRINレンズの端面のうちの前記斜め端面の配置されていない端面に入射されるまでの光路長と、前記GRINレンズの端面のうちの前記斜め端面の配置されていない端面から前記GRINレンズに入射された光が前記斜め端面で反射され、前記平坦面に到達するまでの光路長と、を等しくするスペーサが、前記GRINレンズの端面のうちの前記斜め端面の配置されていない端面に接続されている、
    請求項1から6のいずれかに記載の光接続部品。
  8. 前記レンズ部品を備え、
    前記GRINレンズの両方の端面は、前記GRINレンズの中心軸に垂直な面に対して傾斜している斜め端面を備え、
    前記GRINレンズの一方の端面に備わる第1斜め端面は、前記平坦面から入射された光を、前記GRINレンズの他方の端面に向けて反射し、
    前記GRINレンズの他方の端面に備わる第2の斜め端面は、前記第1斜め端面から入射された光を、前記平坦面に向けて反射する、
    請求項1に記載の光接続部品。
  9. 前記斜め端面は、前記平坦面に対して一定の角度を有する、
    請求項1から8のいずれかに記載の光接続部品。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の光接続部品と、
    導波路と、
    前記導波路上に配置され、前記導波路からの光を前記平坦面に向けて出射し、前記平坦面からの光を前記導波路に入射する、回折格子と、
    を備える光部品。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載の光接続部品と、
    導波路と、
    前記導波路上に配置され、前記平坦面からの光を受光する受光器と、
    を備える光部品。
  12. 請求項1から9のいずれかに記載の光接続部品と、
    導波路と、
    前記導波路上に配置され、前記平坦面に向けて光を出射する光源と、
    を備える光部品。
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