JP2004086175A - 光導波路およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高生産性、高性能を満足する光導波路およびその製造方法を提供する。
【解決手段】第1クラッド11と、第2クラッド12と、コア13とを備え、コア13は、第2クラッド12側に形成された第1クラッド11の一方の主面に露出するように埋め込まれており、第1クラッド11と第2クラッド12とは、コア13を挟むように形成されていて、コア13は、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料を、加熱および紫外線照射の少なくとも一方により反応させた生成物からなり、コア13の屈折率は、第1クラッド11および第2クラッド12の屈折率よりも高い。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は主として光通信などに用いられる光導波路およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信市場の進展に伴い、光学部品には高性能と低コストとの両立が求められている。特に、それ自身は動作しない受動光部品に対しては、低価格化の要望が高まっている。
【0003】
光導波路の作製においては、非常に微細で正確なパターンを必要とする。とりわけシングルモードの光導波路に関してはパターン精度スペックが厳しい。このようなパターンの形成には、一般には半導体プロセスに多用されているドライエッチングが用いられる。以下、光通信用のシングルモード光導波路の従来の製造プロセスについて図を参照しながら説明する。
【0004】
図12(a)および図12(b)は、一般的な石英系シングルモードの光導波路の構成を示す図である。図12(a)は、光導波路の平面図であり、図12(b)は、図12(a)に示す面A−Aに沿った断面図である。クラッド122よりも屈折率の高い、導波層となるコア121がクラッド122の内部に形成されている。一定の条件を満たす光は、矢印123に示す方向に沿って、コア121内に閉じこめられて伝達される。例えば、波長1.3μm以上1.55μm以下の導波光が伝達される場合においては、コア121は図12(b)に示すように、一般には一辺が8μm程度の正方形の断面を有する。また、コア121を図12(a)のように、例えば、Y分岐等の所望とする形にパターン化して作製することにより、様々な光回路を構成できる。なお、コア形状、およびコア表面荒さは光の伝搬性能に大きく影響する。
【0005】
図13(a)〜図13(c)は、従来の石英系光導波路の一般的な製造方法を示した工程図である。まず、下部クラッド層132を兼ねた石英基板上に火炎堆積法によりコア膜131を形成する(図13(a))。なお、火炎堆積法とは、大気中にHおよびOで形成した火炎の中に、SiClおよび少量のGeClを混入し、加水分解反応をさせてGeがドーピングされたSiO(コア膜131)を生成する方法である。生成されたSiOは、石英基板上に微粉末状に堆積されるので、1000℃以上に昇温して、ガラス化する。このガラス化されたSiOが、コア膜131である。なお、石英基板以外の材料の基板上に光導波路を用いる場合には、先にその基板上に、下部クラッド層132を火炎堆積法にて形成しておく。
【0006】
次に、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いることにより、図13(a)のコア膜131を所定のパターンにパターニングして、コア131aを形成する(図13(b))。
【0007】
さらに、下部クラッド層132およびコア131a上に、上部クラッド層133を火炎堆積法により形成する(図13(c))。このようにして、光導波路が作製される。このような方法で作製された光導波路は、低損失で良好な特性を示す。
【0008】
また、近年では、光導波路材料として、石英系材料に加えて樹脂も検討されている。現状では、樹脂材料は透過性能および信頼性において石英よりも劣る。しかし、樹脂材料は、石英に比べて成形が容易であるという利点がある。また波長650nm以上850nm以下付近の光の透過性能も優れており、非常に有望な光導波路材料である。具体的な樹脂材料としては、例えば、透明性に優れたポリメチルメタクリレート(PMMA)などが知られている。近年ではアクリル系、エポキシ系、あるいはポリイミド系樹脂材料などをベースとして、重水素化やフッ素化が行われている。それにより得られた樹脂材料は、1.3μm以上1.55μm以下の波長域の光に対して、低吸収化が図られている。したがって、これらの材料を用いて、低損失な光導波路を形成することができる。
【0009】
樹脂材料を用いた光導波路の製造方法は、主にスピンコートによってコア層およびクラッド層を形成し、ドライエッチングを用いてコア層のパターニングを行う方法が一般的である。
【0010】
以上のように、従来の光導波路の製造においては、石英系材料および樹脂材料のどちらを用いた場合でも、20μm以上の厚膜であるクラッド層を、複数回堆積することで形成する。次に、コア層を堆積してから、ドライエッチングを用いて凸状にコア層をパターニングする。しかし、ドライエッチングを行なうには、複雑で多くの設備が必要である。そのため、従来の光導波路の製造においては、コスト、生産性において課題を有している。この課題を解決するために、様々な光導波路の製造方法が提案されており、その典型的なものの一つとして溝充填による光導波路の製造方法がある(例えば、特許文献1、特許文献2または特許文献3参照)。
【0011】
図14(a)〜図14(d)を用いて、溝充填光導波路の製造工程について説明する。図14(a)〜図14(d)は、溝充填光導波路の製造方法を示した工程図である。
【0012】
まず、ガラスあるいは樹脂からなる基板である、クラッド141に、光導波路の所望のコアパターンに対応した溝142を形成する(図14(a))。この場合の溝142の形成方法としてはドライエッチングが一般的である。次に、光導波路溝142をコアとするために、クラッド141よりも高屈折率なコア材料143を溝142に埋め込む(図14(b))。溝からあふれた余剰材料143bは除去して、コア143aを基板141に形成する(図14(c))。最後に、コア143aおよび基板141の上に、クラッド144を形成して(図14(d))、溝充填光導波路が作製される。溝充填光導波路の製造方法は、図13(a)〜図13(c)で示した製造方法と同様にドライエッチングを用いてはいるが、図13(a)〜図13(c)で示した製造方法に比べて、効率がよく、高生産性が期待できる。
【0013】
【特許文献1】
特開昭63−139304号公報
【0014】
【特許文献2】
特開平8−320420号公報
【0015】
【特許文献3】
特開平11−305055号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、溝充填による光導波路の製造方法においても課題があり、コア材料として、石英系材料を用いた場合と、アクリル系、エポキシ系あるいはポリイミド系材料を代表とする樹脂材料を用いた場合と、それぞれに別々の課題を有する。
【0017】
まず、コア材料として、石英系のガラス材料を用いた場合の課題について説明する。光導波路に形成された溝にコア材料を充填する方法としては、火炎堆積法、CVD、真空蒸着およびスパッタなどが代表的である。シングルモード光導波路の場合は、コアとして8μm程度の厚膜が形成されている。また、マルチモード光導波路の場合は、コアとして数十μmもの厚膜が形成されている。しかし、このような厚膜を堆積するには工程時間が非常に長くなり、生産上不利である。
【0018】
次に、コア材料にアクリル系やエポキシ系、あるいはポリイミド系材料などの樹脂材料を用いた場合の課題について説明する。コア材料に、樹脂材料を用いた場合には、例えば、スピンコートを用いて堆積することで、厚膜堆積については容易に形成することができる。しかし、図14(c)に示す、余剰部分143bの除去において問題が生じる。樹脂材料は硬度が低く、研磨除去によりコア143a表面に細かい傷が発生する。そのため、この傷が導波光の散乱原因となり、大きな導波損失が生じる。他の除去方法として、ドライエッチングによる方法が考えられるが、これは、上述したように、コストの面で不利となる。
【0019】
したがって、石英系材料や、アクリル系、エポキシ系、あるいはポリイミド系材料などの樹脂材料を用いて溝充填により光導波路を製造しても、高生産性と高い性能を両立することができなかった。
【0020】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであって、高生産性、高性能を満足する光導波路およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の光導波路は、第1クラッドと、第2クラッドと、コアとを備え、前記コアは、前記第2クラッド側に形成された前記第1クラッドの一方の主面に露出するように埋め込まれており、前記第1クラッドと前記第2クラッドとは、前記コアを挟むように設置されていて、前記コアは、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料を、加熱および紫外線照射の少なくとも一方により反応させた生成物からなり、前記コアの屈折率は、前記第1クラッドおよび前記第2クラッドの屈折率よりも高いことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の光導波路の製造方法は、熱で軟化させた第1クラッドに、コアとなる溝を形成するための金型を押し付けて溝を形成し、前記溝に、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料を含むコア材料を充填し、前記コア材料を加熱することで、前記コア材料の屈折率が変化するよう前記コア材料を反応させ、前記第1クラッドの前記溝側の面に、第2クラッドを接合することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
本実施の形態の光導波路は、損失が少なく、高性能である。
【0024】
また、前記第2クラッドの屈折率は、前記第1クラッドの屈折率と略等しい構成としてもよい。
【0025】
また、前記第1クラッドおよび前記第2クラッドは、ガラスとしてもよい。
【0026】
また、好ましくは、前記第1クラッドおよび前記コアと、前記第2クラッドとの間には、接着層が形成されている。そのため、第1クラッドと、第2クラッドを加熱しなくても接合することができる。それにより、各部材の特性が変化することがない。
【0027】
また、前記接着層は、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料を含むこととしてもよい。
【0028】
また、好ましくは、前記接着層の屈折率は、前記第2クラッドの屈折率と略等しいか、または、前記第2クラッドの屈折率よりも高い。それにより、コアに導波光を閉じ込めて伝搬することができる。
【0029】
また、本実施の形態の光導波路の製造方法によれば、生産効率よく、コア表面に傷のない高性能の光導波路を製造することができる。
【0030】
また、前記第1クラッドおよび前記第2クラッドは、ガラスとしてもよい。
【0031】
また、前記第2クラッドの屈折率は、前記第1クラッドの屈折率と略等しくしてもよい。
【0032】
また、好ましくは、前記コア材料は、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料と溶剤とを含む樹脂溶液であって、前記樹脂溶液であるコア材料を前記第1クラッドの前記溝が形成された面に塗布することで、前記コア材料を前記溝に充填し、さらに、屈折率を変化させるために、前記コア材料を加熱した後に、前記溝以外に形成された前記コア材料を、研磨により除去し、前記研磨後に、前記第1クラッドの前記溝側に、第2クラッドを直接接合によって接合する。それにより、低損失であり、高性能の光導波路を、容易に製造することができる。また、コアの屈折率の制御も容易にできる。
【0033】
また、好ましくは、前記溝以外に形成された前記コア材料を、研磨除去した後に、前記第1クラッドの前記溝が形成された面および前記第2クラッドの前記第1クラッドと接合される面の少なくとも一方に、前記第2クラッドの屈折率と略等しい屈折率を有する接着剤を塗布し、前記接着剤を介して、前記第1クラッドと前記第2クラッドを接合する。それにより、前記第1クラッドと前記第2クラッドを、加熱することなく容易に接合することができ、性能低下がなく、生産性が高い。
【0034】
また、好ましくは、前記コア材料は、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料と溶剤とを含む樹脂溶液であって、前記第1クラッドの前記溝が形成された面および前記第2クラッドの前記第1クラッドと接合される面の少なくとも一方に、前記樹脂溶液であるコア材料を塗布し、前記第1クラッドおよび前記第2クラッドで、前記塗布された樹脂溶液であるコア材料を挟んで加圧し、かつ前記樹脂溶液であるコア材料を加熱することで、前記コア材料の屈折率を変化させ、前記溝に前記コア材料を充填し、前記コア材料を介して、前記第1クラッドと前記第2クラッドを接合する。それにより、前記コア材料の屈折率の制御と、前記第1クラッドと前記第2クラッドの接合を同時に行なうことができる。そのため、製造工程数を削減することができる。
【0035】
また、好ましくは、前記コア材料は、少なくとも分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料と溶剤とを含む樹脂溶液であって、前記第1クラッドの前記溝が形成された面および前記第2クラッドの前記第1クラッドと接合される面の少なくとも一方に、前記樹脂溶液であるコア材料を塗布した後、前記溶剤を蒸発させるために加熱し、当該加熱においては、前記溶剤の沸点以下の温度を開始温度とし、昇温する。温度の上限は、前記コア材料の屈折率の変化する反応が開始される温度未満とする。それにより、塗布されたコア材料の表面にむらができるのを防ぎ、第1クラッドと第2クラッドとの接合における不良を防ぐことができる。
【0036】
また、好ましくは、前記コア材料は、少なくとも分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料からなるフィルムであって、前記第1クラッドの前記溝が形成された面および前記第2クラッドの前記第1クラッドと接合される面の少なくとも一方に、前記フィルムであるコア材料を設置し、前記第1クラッドおよび前記第2クラッドで、前記設置されたフィルムであるコア材料を挟んで加圧し、かつ前記フィルムであるコア材料を加熱することで、前記コア材料の屈折率を変化させ、前記溝に前記コア材料を充填し、前記コア材料を介して、前記第1クラッドと前記第2クラッドを接合する。それにより、前記コア材料の屈折率の制御と、前記第1クラッドと前記第2クラッドの接合を同時に行なうことができる。そのため、製造工程数を削減することができる。
【0037】
また、好ましくは、前記コア材料は、少なくとも分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む液状高分子材料であって、前記第1クラッドの前記溝が形成された面および第2クラッドの前記第1クラッドと接合される面の少なくとも一方に、前記液状高分子であるコア材料を滴下し、前記第1クラッドおよび前記第2クラッドで、前記滴下された液状高分子であるコア材料を挟んで加圧し、かつ前記液状高分子であるコア材料を加熱することで、前記コア材料の屈折率を変化させ、前記溝に前記コア材料を充填し、前記コア材料を介して、前記第1クラッドと前記第2クラッドを接合する。それにより、前記コア材料の屈折率の制御と、前記第1クラッドと前記第2クラッドの接合を同時に行なうことができる。そのため、製造工程数を削減することができる。
【0038】
以下、本発明のさらに具体的な実施形態について説明する。
【0039】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る光導波路について、図を用いて説明する。図1は実施の形態1に係る光導波路1の構成を示す断面図である。図1に示しているように、実施の形態1の光導波路1は、導波光が閉じ込められて伝搬するコア13と、コア13の周りに形成されたクラッドであるガラス基板11、12とを備えている。
【0040】
コア13は、ガラス基板12側に形成されたガラス基板11の主面に、露出するように埋め込まれ、ガラス基板11とガラス基板12とは、コア13を挟むように設置されている。ガラス基板11とガラス基板12とは、例えば、同じ材料から構成されている。
【0041】
コア13には、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料の加熱等の反応による生成物を用いている。コア13の断面の寸法は、例えば8μm角とする。コア13とクラッドであるガラス基板11、12との比屈折率差は、0.25%とすることが好ましい。非屈折率差とは、コアの屈折率の二乗の二倍に対する、コアの屈折率の二乗とクラッドの屈折率の二乗との差の百分率である。具体的には、比屈折率差Δは、コアの屈折率nとクラッドの屈折率nとを用いて、以下の式で表わすことができる。
【0042】
Δ=(n −n )/2n ×100(%)
なお、シングルモード導波路のように、コアとクラッドとの屈折率差が小さい場合には、コアの屈折率に対する、コアとクラッドとの屈折率差の百分率に近似することができる。つまり、以下の式のように表わすことができる。
【0043】
Δ≒(n−n)/n×100(%)
なお、コア13の屈折率は、ガラス基板11、12の屈折率よりも高い。このような構成の光導波路1は、波長1.3μmおよび1.55μmの導波光を、シングルモードで伝搬させることができる。なお、波長1.3μmおよび1.55μmの導波光は、光通信においてよく用いられる。
【0044】
コア13は、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を、加熱または紫外線照射により、無機化反応を起こした生成物である。無機化反応とは、有機成分であるC、H等が反応が進むにつれて脱離し、分岐型ポリシランの
Si−Si結合が、−O−Si−O−の結合に変わる反応である。分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、この無機化反応によって、屈折率が低下するという特性を持つ。また、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、ガラス材料ともよく密着する。
【0045】
分岐型ポリシランとポリシロキサンとの混合比や加熱条件や紫外線照射条件を変えることで、無機化反応を制御し、コア13の屈折率を制御することができる。それにより、コア13とガラス基板11、12との比屈折率差を所望の値に正確に調整することができる。例えば、コア13とガラス基板11、12との比屈折率差を0.25%にすることで、上述したように、光通信としてよく用いられる、波長1.3μmおよび1.55μmの導波光をシングルモードで導波させる光導波路1を形成することができる。
【0046】
また、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を、加熱して反応させたものに、部分的に紫外線を照射すると、照射された部分だけさらに屈折率が低下する。この効果を用いて光導波路1のコア13内に所定の屈折率分布を設けることができる。それにより、特定波長を透過、あるいは反射させるフィルタ機能を光導波路1に付加することもできる。
【0047】
以下、実施の形態1の光導波路1の製造方法について図を用いて説明する。図2(a)〜図2(d)は、実施の形態1に係る光導波路1の製造方法を説明する工程図である。図3は、実施の形態1に係る光導波路1を製造する際に用いるプレス成形装置30の構成を示す図である。
【0048】
まず図2(a)に示すように、ガラス基板11に、ガラス成形工法を用いて溝11aを形成する。溝11aを形成する方法の一例について説明する。溝11aを形成するには、例えば、図3に示すプレス成形装置30を用いる。プレス成形装置30は、チャンバー36を備えている。チャンバー36の中に、上下1対の上部ヒーターブロック31および下部ヒーターブロック32を備えている。上部ヒーターブロック31は上下方向に可動であり、下部ヒーターブロック32は固定されている。上部ヒーターブロック31には、20mm角サイズの上型33が設置されている。上型33の成形面33bには、凸部33aが形成されている。凸部33aは、ドライエッチングによって微細加工された凸状の光導波路形成用パターンである。上型33の成形面33bの表面には、ガラス等との離型および耐食性のために貴金属系の保護膜が形成されている。凸部33aの断面サイズは8μm角である。
【0049】
下部ヒーターブロック32上には、平面状の下型35が設置されている。図2(a)のように、ガラス基板11に溝11aを形成するには、まず、下型35上に、例えば、8mm角のガラス基板11(例えば、屈折率1.581、軟化点520℃の光学ガラス)を設置する。
【0050】
窒素をチャンバー36内に充填し、上部ヒーターブロック31を下方へ動かし、例えば、50kg/cm以下の低荷重で上型33の凸部33aをガラス基板11に接するようにする。この状態で、上部および下部ヒーターブロック31、32に通電して発熱させる。上部および下部ヒーターブロック31、32が発熱することで、ガラス基板11は加熱される。ガラス基板11を例えば、軟化点520℃まで加熱して軟化させ、上部ヒーターブロック31の下方への荷重を、400kg/cmまで増加する。ガラス基板11が、例えば0.2mm変形したところで荷重をかけることを止め、上部および下部ヒーターブロック31、32への通電を止めて冷却を開始する。なお、ガラス基板11の厚みは、上記のように、0.2mm減少したが、その分、ガラス基板の主面の面積は増えている。このようにして作製した溝11aが形成された、成形ガラス基板11の表面及び断面を光学顕微鏡および電子顕微鏡にて観察したところ、ガラス基板11に、微細パターンの光導波路溝11aが確認できた。この溝11aは、金型の凸パターンである凸部33aが正確に転写されていることが確認できた。
【0051】
次に、溝11aを形成したガラス基板11(図2(a))にスピンコーティング法により、図2(b)に示すように溝11aを満たしている樹脂層13aを形成する。樹脂層13aは、溝11aが形成されたガラス基板11の面に、コア材料を塗布することで形成される。ここで、コア材料は、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料と、溶剤とを含む樹脂溶液である。樹脂層13aの形成においては、スピンコーティング法以外に、例えば、ディッピング法、スプレー法およびブレード法などの、均一な塗膜を得られる一般的な塗布方法を用いることができる。また、容易に、十分の厚さの樹脂層13aを形成することができるので、生産効率が高い。
【0052】
ここで、コア材料である、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料について説明する。分岐型ポリシランの分岐度は、5%以上25%以下とする。最も好ましい分岐度は20%である。分岐度が5%よりも小さくなると、分岐の効果がなくなり、コア材料が複屈折特性を有する等の問題が生じる。また、分岐度が25%よりも大きくなると、コア材料が溝11aに充填されにくくなる。
【0053】
分岐型のポリシランとポリシロキサンとを、より適当な特性を示すような混合比率となるように混合しておく。すなわち、溝11aに充填しやすい程度の軟らかさを持ち、充填後にコア13を形成する際には、溝11aの内壁と高い接着力を有し、溝11a内を満たしてコア13を形成するようなコア材料を用いる。そのための混合比率は、例えば、分岐型ポリシラン100に対して、ポリシロキサンが25以上100以下になるようにすればよい。なお、好ましくは、分岐型ポリシラン100に対して、ポリシロキサンが50以上75以下になるような混合比率である。なお、以下の実施の形態の説明においては、分岐型ポリシラン100に対して、ポリシロキサンを50とした比率で混合されたコア材料を用いている。
【0054】
また、コア材料である樹脂溶液に含まれる溶剤としては、トルエン、アニソールおよび有機溶剤等の一般的に用いられる溶剤を用い、塗布した際の膜厚等により、樹脂溶液が適当な濃度になるように添加する。例えば、溶剤の濃度は、30%以上60%以下が適当である。その他にも、コア材料は、一般的な添加剤を含んでいる。例えば、塗膜の状態をよくするための界面活性剤等を含んでいる。
【0055】
樹脂層13aを形成した後、ガラス基板11をホットプレート上に載せ、例えば、120℃を開始温度とし、200℃まで昇温して予備加熱を行い、溶剤成分を除去する。この場合の開始温度は、樹脂溶液の溶剤の沸点以下の温度とすることが望ましい。その後は、加熱して、連続的に昇温させることが望ましい。また、温度の上限は、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料の屈折率が変化し始める温度(反応開始温度)未満とする。樹脂溶液の溶剤の沸点以上の温度で、予備加熱を開始した場合には、樹脂層13aの表面にムラが発生する。
【0056】
分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、加熱によって反応し、屈折率が変化するという性質を有している。そこで、あらかじめ、実測により作成した、屈折率と加熱温度との関係を示す検量線に基づき、所望の屈折率になる加熱温度を求める。例えば、シングルモードの条件となるコア13の屈折率(例えば1.583以上1.584以下)となる温度(例えば350℃)を、検量線より求め、その温度まで昇温、加熱する。このようにして、光導波路1のコア13の屈折率を所望の値とする。
【0057】
次に、図2(c)に示すように、図2(b)に示す樹脂層13aのうち、コア13以外の余分な部分を研磨により除去する。樹脂層13aである分岐型ポリシランとポリシロキサンを含む高分子材料の加熱等の反応による生成物は、有機物と無機物との中間的な材料である。そのため、研磨によって通常の樹脂では生じる、細かい傷は発生せず、非常に平滑な研磨面が得られる。そのため、高性能な光導波路を作成することができる。
【0058】
有機物である分岐型ポリシランおよびポリシロキサンは、加熱あるいは紫外線反応により、空気中の酸素を取り込み、有機成分を脱離しながら、SiOに近づいていく。つまり、有機物と無機物との中間的な材料となる。ただし、完全にSiOになることはなく、有機成分が残っている。
【0059】
なお、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、加熱すると体積収縮を起こすという性質を有する。そのため、樹脂層13aの厚みが薄い場合には、屈折率を変化させるための加熱により、樹脂層13aが溝11aを満たさなくなる現象が生じる。そうなると、コア13の寸法が所定の大きさよりも小さくなる。そこで、あらかじめ溝11aを、最終的な完成品である光導波路1のコア13よりも深く形成しておく。すなわち、図3の、上型33の凸部33aの高さを8μmよりも高くする。このようにすることで、樹脂層13aが十分な厚みを持って溝11a内に存在する状態で加熱を行うことができ、コア13の所定寸法以上の厚みを確保することができる。さらに、ガラス基板11およびコア13の研磨量を調整することによって所望とするコア寸法を得ることができる。例えば、コア13の厚みを8μmとすることができる。
【0060】
最後に、図2(d)に示すように、コア13が形成されたガラス基板11に、平滑なガラス基板12を、コア13を挟むように、接着剤等を用いずに、直接接合によって接合して、光導波路1が作製される。具体的には、コア13が形成されたガラス基板11の面と、ガラス基板11に接合されるガラス基板12の面とをそれぞれ十分に酸や溶剤で洗浄してから、例えば350℃まで加熱して、両ガラス基板11、12を直接接合する。なお、直接接合による加熱は、300℃以上400℃以下程度であればよい。
【0061】
このようにして作製した光導波路1のサンプルを用いて、その表面及び断面を光学顕微鏡および電子顕微鏡にて観察したところ、コア13には、溝11aへの充填不十分や接合不良による気泡や異物の生成は観察されなかった。
【0062】
また、このようにして作製したシングルモード光導波路1と、シングルモードの石英系光ファイバとを接続して、波長1.55μmの光を伝搬させて、伝搬ロスを測定した。その結果、伝搬ロスの測定値は約0.07dB/cmであり、実用上問題ないことが確認された。また、−40℃以上80℃以下の環境温度下で測定した場合でも、伝搬ロスの変動は全く見られなかった。すなわち、コア材料として用いた、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料の加熱等の反応による生成物と、クラッド材料として用いた光学ガラスとは、それぞれの屈折率の温度依存性が同等である。そのため、光導波路を構成する組み合わせとしては、非常に優れている。
【0063】
なお、実施の形態1では、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を、まず加熱により反応させて屈折率を変化させた。しかし、加熱により反応させる前に、紫外線照射をすることで、屈折率を変化させてもよい。それにより、その後、加熱により、所望の屈折率になるまで反応させる場合でも、加熱温度が低くてすむという効果を奏する。
【0064】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る光導波路について図を用いて説明する。図4は実施の形態2に係る光導波路の構成を示す断面図である。図4に示しているように、実施の形態2の光導波路4は、導波光が閉じ込められて伝搬するコア43と、コア43の周りに形成されたクラッドであるガラス基板41、42と、接着層44とを備えている。
【0065】
コア43は、ガラス基板42側に形成されたガラス基板41の主面に、露出するように埋め込まれており、ガラス基板41とガラス基板42とは、接着層44を介して、コア43を挟むように形成されている。ガラス基板41とガラス基板42とは、例えば、同じ材料から構成されている。また、接着層44は、例えば、ガラス基板41、42と同等の屈折率を有する
コア43には、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンとを含む高分子材料の加熱等の反応による生成物を用いている。なお、コア43の断面の寸法は、例えば8μm角とする。コア43とクラッドであるガラス基板41、42との比屈折率差は、0.25%とすることが好ましい。なお、コア43の屈折率は、ガラス基板41、42の屈折率よりも高い。このような構成の光導波路4は、波長1.3μmおよび1.55μmの導波光を、シングルモードで伝搬させることができる。なお、波長1.3μmおよび1.55μmの導波光は、光通信においてよく用いられる。
【0066】
コア43は、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を、加熱または紫外線照射により、無機化反応を起こした生成物である。分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、この無機化反応によって、屈折率が低下するという特性を持つ。また、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、ガラス材料ともよく密着する。
【0067】
また、分岐型ポリシランとポリシロキサンの混合比や加熱条件や紫外線照射条件を変えることで、無機化反応を制御し、コア43の屈折率を制御することができる。それにより、コア43とガラス基板41、42との比屈折率差を所望の値に正確に調整することができる。上述したように、光通信としてよく用いられる、波長1.3μmおよび1.55μmの導波光をシングルモードで導波させるための比屈折率差は、0.25%なので、例えばこの値に調整すればよい。
【0068】
また、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を、加熱して反応させたものに、部分的に紫外線を照射すると、照射された部分だけさらに屈折率が低下する。この効果を用いて光導波路4のコア43内に所定の屈折率分布を設けることができる。それにより、特定波長を透過、あるいは反射させるフィルタ機能を光導波路4に付加することもできる。
【0069】
また、接着層44は、ガラス基板41およびコア43と、ガラス基板42との間に形成されている。接着層44は、光導波路4に伝搬させる光の波長において、透明であることが必要である。そのため、接着層44としては、例えば、フッ素化したエポキシ系紫外線硬化樹脂や熱硬化接着剤が用いられる。なお、接着層44の屈折率は、ガラス基板41、42の屈折率以上であればよい。
【0070】
また、コア43の材料として用いる分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料も、ガラスを接着する効果を有するため、接着層44として適用することができる。特に、ガラス基板42を設置せずとも、接着層44として、例えば、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を20μm以上の厚さで形成すれば、クラッドとして用いることができ、光導波路として十分に機能する。
【0071】
以下、実施の形態2の光導波路4の製造方法について図を用いて説明する。図5(a)〜図5(e)は、実施の形態2に係る光導波路4の製造方法を説明する工程図である。まず、図5(a)に示すように、ガラス基板41に、ガラス成形工法を用いて、溝41aを形成する。溝41aをガラス基板41に形成する方法は、図3に示すプレス成形装置を用いて、実施の形態1のガラス基板11に溝11aを形成する方法と同様なので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0072】
次に、光導波路溝41aを作製したガラス基板41(図5(a))にスピンコーティング法により、図5(b)に示すように溝41aを満たしている樹脂層43aを形成する。樹脂層43aは、溝41aが形成されたガラス基板41の面に、コア材料を塗布することで形成される。ここで、コア材料は、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料と、溶剤とを含む樹脂溶液である。樹脂層43aの形成においては、スピンコーティング法以外に、例えば、ディッピング法、スプレー法およびブレード法などの、均一な塗膜を得られる一般的な塗布方法を用いることができる。また、容易に、十分の厚さの樹脂層43aを形成することができるので、生産効率が高い。なお、コア材料である樹脂溶液の詳細説明については、実施の形態1で説明したので省略する。
【0073】
樹脂層43aを形成した後、ガラス基板41をホットプレート上に載せ、例えば、120℃を開始温度とし、200℃まで昇温して予備加熱を行い、溶剤成分を除去する。
【0074】
分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、加熱によって反応し、屈折率が変化するという性質を有している。そこで、あらかじめ、実測により作成した、屈折率と加熱温度の関係を示す検量線に基づき、所望の屈折率になる加熱温度を求める。例えば、シングルモードの条件となるコア43の屈折率(例えば1.583以上1.584以下)となる温度(例えば350℃)を、検量線より求め、その温度まで昇温、加熱する。このようにして、光導波路4のコア43の屈折率を所望の値とする。
【0075】
次に、図5(c)に示すように、図5(b)に示す樹脂層43aのうち、コア43以外の余分な部分を研磨により除去する。樹脂層43aである分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料の加熱等の反応による生成物は、有機物と無機物との中間的な材料である。そのため、研磨によって通常の樹脂では生じる、細かい傷が発生せず、非常に平滑な研磨面が得られる。
【0076】
なお、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、加熱すると体積収縮を起こすという性質を有する。そのため、樹脂層43aの厚みが薄い場合には、屈折率を変化させるための加熱により、樹脂層43aが、溝41aを満たさなくなる現象が生じる。そうなると、コア43の寸法が所定の大きさよりも小さくなる。そこで、あらかじめ光導波路溝41aを、最終的な完成品である光導波路4のコア43よりも深く形成しておく。すなわち、図3の、上型33の凸部33aの高さを8μmよりも高くする。このようにすることで、樹脂層43aが十分な厚みを持って溝41a内に存在する状態で加熱を行うことができ、コア43の所定寸法以上の厚みを確保することができる。さらに、ガラス基板41およびコア43の研磨量を調整することによって所望とするコア寸法を得ることができる。例えば、コア43の厚みを8μmとすることができる。
【0077】
次に、図5(c)に示すように、露呈したガラス基板41およびコア43の研磨面に、例えば、スピンコーティング法により紫外線硬化接着剤を塗布することで、図5(d)に示すように接着層44を形成する。なお、接着層44を形成するには、他にも、ディッピング法、スプレー法およびブレード法などの均一な塗膜を得られる一般的な方法を用いればよい。
【0078】
最後に、図5(e)に示すように、平滑なガラス基板42を接着層44に貼り付け、紫外線を照射する。それにより、接着層44である紫外線硬化接着剤が硬化して、光導波路4が完成する。このように、加熱処理が不要なので、加熱による部材の変化が生じない。なお、接着層44の屈折率は、光導波路4のクラッドとして適した屈折率になればよく、ガラス基板42の屈折率以上であればよい。
【0079】
このようにして作製した光導波路4のサンプルの表面及び断面を光学顕微鏡および電子顕微鏡にて観察したところ、コア43には、溝41aへの充填不十分や接合不良による気泡や異物の生成は観察されなかった。
【0080】
また、このようにして作製したシングルモード光導波路4と、シングルモードの石英系光ファイバとを接続して、波長1.55μmの光を伝搬させて、伝搬ロスを測定した。その結果、伝搬ロスの測定値は約0.10dB/cmであり、実用上問題ないことが確認された。
【0081】
次に、実施の形態2の光導波路4の他の製造方法について説明する。図6(a)〜図6(e)は、実施の形態2に係る光導波路4の他の製造方法を説明する工程図である。なお、図6(a)〜図6(e)に示す製造工程は、接着層44として、コア材料を用いている点が、図5(a)〜図5(e)に示す製造工程と異なっている。つまり、図6(a)〜図6(e)に示す製造工程では、接着層44として、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料と、溶剤を含む樹脂溶液を用いている。
【0082】
まず、図6(a)〜図6(c)の製造工程は、図5(a)〜図5(c)の製造工程と同様であるので、説明を省略する。
【0083】
図6(d)に示しているように、平滑なガラス基板42の、ガラス基板41と接合する側の表面に、スピンコーティング法により、例えば、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料と、溶剤とを含む樹脂溶液を塗布し、接着層44を形成する。次いで、接着層44を形成したガラス基板42をホットプレート上に載せ、120℃を開始温度とし、200℃まで昇温して予備加熱を行い、溶剤成分を除去する。さらに、あらかじめ作成しておいた屈折率と加熱温度との関係を示す検量線に基づき、所望の屈折率になるように、例えば、355℃まで昇温、加熱する。接着層44の屈折率は、光導波路4のクラッドとして適した屈折率になればよく、ガラス基板42の屈折率以上であればよい。
【0084】
最後に、図6(e)に示すように、コア43が形成されたガラス基板41と、ガラス基板42に形成された接着層44とが、コア43を挟むように、コア43およびガラス基板41と、接着層44とを直接接合によって接合する。具体的には、ガラス基板41のコア43が形成された面と、ガラス基板41と接合される接着層44の面とを、それぞれ十分に酸や溶剤で洗浄してから、350℃まで加熱して、それらの面を合わせて加圧する。このようにして、光導波路4を作製する。
【0085】
このように、実施の形態2の他の製造方法で作製した光導波路4のサンプルの表面及び断面を光学顕微鏡および電子顕微鏡にて観察したところ、コア43には、溝41aへの充填不十分や接合不良による気泡や異物の生成は観察されなかった。
【0086】
また、このようにして作製したシングルモード光導波路4と、シングルモードの石英系光ファイバとを接続して、波長1.55μmの光を伝搬させて、伝搬ロスを測定した。その結果、伝搬ロスの測定値は約0.09dB/cmであり、実用上問題ないことが確認された。
【0087】
なお、実施の形態2では、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を、まず加熱により反応させて屈折率を変化させた。しかし、加熱により反応させる前に、紫外線照射をすることで、屈折率を変化させてもよい。それにより、その後、加熱により、所望の屈折率になるまで反応させる場合でも、加熱温度が低くてすむという効果を奏する。
【0088】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る光導波路について図を用いて説明する。図7は実施の形態3に係る光導波路7の構成を示す断面図である。図7に示しているように、実施の形態3の光導波路7は、導波光が閉じ込められるコア73と、コア73の周りに形成されたクラッドであるガラス基板71、72と、ガラス基板71とガラス基板72との間に形成され、コア73と一体である接着層73aとを備えている。
【0089】
コア73は、ガラス基板72側に形成されたガラス基板71の主面に、露出するように埋め込まれており、ガラス基板71とガラス基板72とは、接着層73aを介して、コア73を挟むように形成されている。ガラス基板71とガラス基板72とは、例えば、同じ材料から構成されている。また、接着層73aとコア73とは、一体形成されている。
【0090】
コア73および接着層73aには、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料の加熱等の反応による生成物を用いている。なお、コア73の断面の寸法は、例えば8μm角とする。コア73および接着層73aと、クラッドであるガラス基板71、72との比屈折率差は、0.25%とすることが好ましい。なお、コア73および接着層73aの屈折率は、ガラス基板71、72の屈折率よりも高い。このような構成の光導波路7は、波長1.3μmおよび1.55μmの導波光を、シングルモードで伝搬させることができる。なお、波長1.3μmおよび1.55μmの導波光は、光通信においてよく用いられる。
【0091】
コア73は、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を、加熱または紫外線照射により、無機化反応を起こした生成物である。上述したように、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、この無機化反応によって、屈折率が低下するという特性を持つ。そのため、コア73の屈折率を制御することができる。また、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、ガラス材料ともよく密着する。
【0092】
また、分岐型ポリシランとポリシロキサンの混合比や加熱条件や紫外線照射条件を変えることで、無機化反応を制御し、コア73の屈折率を制御することができる。それにより、コア73とガラス基板71、72との比屈折率差を所望の値に正確に調整することができる。上述したように、光通信としてよく用いられる、波長1.3μmおよび1.55μmの導波光をシングルモードで導波させるための比屈折率差は、0.25%なので、例えばこの値に調整すればよい。
【0093】
また、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を、加熱して反応させたものに、部分的に紫外線を照射すると、照射された部分だけさらに屈折率が低下する。この効果を用いて光導波路7のコア73内に所定の屈折率分布を設ければ特定波長を透過、あるいは反射させるフィルタ機能を光導波路7に付加することもできる。
【0094】
以下、実施の形態3の光導波路7の製造方法について図を用いて説明する。図8(a)〜図8(c)は、実施の形態3に係る光導波路7の製造方法を説明する工程図である。図8(a)は、ガラス基板71に溝71aを形成する工程を示し、図2(a)に示したガラス基板11に溝11aを形成する工程と同様なので、詳細な説明は省略する。また、図8(b)は、溝71aが形成されたガラス基板71の面に、コア材料を塗布することで、樹脂層73bを形成する工程である。ここで、コア材料は、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料と、溶剤とを含む樹脂溶液である。さらに、樹脂層73bを形成した後に、予備加熱によって溶剤成分を除去する。この図8(b)の工程は、図2(b)に示した、ガラス基板11に樹脂層13aを形成してから予備加熱によって、溶剤成分を除去する工程と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0095】
次に、平滑なガラス基板72を、ガラス基板71に形成された樹脂層73bに貼り合わせる。図8(c)に示すように、この工程により、樹脂層73b(図8(b))の一部は、溝71aに充填されてコア73を形成し、残りは、ガラス基板71とガラス基板72とを接合する接着層73aを形成して、光導波路7が完成する。この工程には、図3で示したプレス成形装置30を用いる。まず、プレス成形装置30の上型33と下型35とを取り除いた、プレス成形装置30を用意する。図9に示すように、プレス成形装置30の下部ヒーターブロック32の上に、樹脂層73bが形成されたガラス基板71を設置し、その上にガラス基板72を設置する。上部ヒーターブロック31が、ガラス基板72を上方から下方に押さえつける。チャンバー36内は、空気が満たされている。空気雰囲気中で、ガラス基板71、72に、例えば、100kg/cmまで荷重をかける。同時に、上部および下部ヒーターブロック31、32は通電され発熱している。
【0096】
なお、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料は、加熱によって屈折率が変化するという性質を有している。そこで、あらかじめ、実測により作成した、屈折率と加熱温度との関係を示す検量線に基づき、所望の屈折率になる加熱温度を求める。例えば、シングルモードの条件となるコア73の屈折率(例えば1.583以上1.584以下)となる温度(例えば350℃)を、検量線より求め、その温度まで昇温、加熱する。このようにして、光導波路7のコア73の屈折率を所望の値とする。
【0097】
このようにすることで、図8(c)に示すように、ガラス基板71とガラス基板72とを接着層73aを介して貼り合わせると同時に、コア73の屈折率を所望の値とすることができる。そのため、光導波路7の製作工程数を削減することができる。
【0098】
このようにして作製した光導波路7のサンプルの表面及び断面を光学顕微鏡、電子顕微鏡にて観察したところ、コア73には、溝71aへの充填不十分や接着不良による気泡や異物の生成は観察されなかった。また、溝71aには、コア材料の無機化反応による生成物が充填され、コア73を形成していた。
【0099】
また、光導波路7のサンプルを数カ所、ダイシングで切り出し、断面を電子顕微鏡で観察したところ、接着層73aの厚みは、約1μmであった。この程度の厚みであれば、十分にコア73での光閉じ込め効果が得られる。なお、シングルモード伝搬を可能とするためには、接着層73aの厚みは、3μm以下であればよい。また、特に伝搬ロスを小さくするためには、接着層73aの厚みを1μm以下とすることが望ましい。
【0100】
また、このようにして作製したシングルモード光導波路7と、シングルモードの石英系光ファイバとを接続して、波長1.55μmの光を伝搬させて、伝搬ロスを測定した。その結果、伝搬ロスの測定値は約0.08dB/cmであり、実用上問題ないことが確認された。
【0101】
なお、実施の形態3では、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を、まず加熱により反応させて屈折率を変化させた。しかし、加熱により反応させる前に、紫外線照射をすることで、屈折率を変化させてもよい。それにより、その後、加熱により、所望の屈折率になるまで反応させる場合でも、加熱温度が低くてすむという効果を奏する。
【0102】
なお、上述の実施の形態3の光導波路7の製造方法においては、コア材料として、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料と、溶剤とを含む樹脂溶液を用いていた。しかし、その代わりに、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を含む固体をコア材料として用いてもよい。その場合の製造方法について、図10を用いて以下に説明する。なお、コア材料は、薄膜形状のフィルム75を用いている。
【0103】
図10に示すように、溝71aを形成したガラス基板71を、プレス成形装置30の下部ヒーターブロック32の上に設置する。その上に、フィルム75を設置し、さらにその上に平滑なガラス基板72を設置する。なお、フィルム75は、溶剤を含んでいないので、予備加熱は不要である。
【0104】
フィルム75は、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む高分子材料を含む固体であり、例えば厚さが10μmとする。なお、フィルム75における分岐型ポリシランとポリシロキサンとの混合比は、上述した樹脂溶液の場合と同様である。上部ヒーターブロック31が、ガラス基板72を上方から下方に押さえつける。チャンバー36内は、空気が満たされている。空気雰囲気中で、ガラス基板71、72に、例えば、150kg/cmまで、荷重をかける。同時に、上部および下部ヒーターブロック31、32は通電され発熱している。
【0105】
なお、あらかじめ、実測により作成した、屈折率と加熱温度との関係を示す検量線に基づき、所望の屈折率になる加熱温度を求める。例えば、シングルモードの条件となるコア13の屈折率(例えば1.583以上1.584以下)となる温度(例えば350℃)を、検量線より求め、その温度まで昇温、加熱する。このようにして、光導波路7のコア73の屈折率を所望の値とする。
【0106】
このように、荷重をかけながら加熱することで、フィルム75は、溝71aに入り込み、図8(c)に示すようにコア73を形成し、かつ、ガラス基板71とガラス基板72に接着され接着層73aを形成する。また、コア材料は、加熱によって反応するので、コア73を所望の屈折率とすることができる。また、ガラス基板71とガラス基板72とは、接着層73aを介して、貼り合わせられる。これらの工程を、同時に行なうことができるため、製作工程数を削減することができる。
【0107】
このようにして作製した光導波路7のサンプルの表面及び断面を光学顕微鏡、電子顕微鏡にて観察したところ、コア73には、溝71aへの充填不十分や接着不良による気泡や異物の生成は観察されなかった。また、溝71aには、コア材料の無機化反応による生成物が充填され、コア73を形成していた。
【0108】
また、光導波路7のサンプルを数カ所、ダイシングで切り出し、断面を電子顕微鏡で観察したところ、接着層73aの厚みは、約1μmであった。この程度の厚みであれば、十分にコア73での光閉じ込め効果が得られる。
【0109】
また、このようにして作製したシングルモード光導波路7と、シングルモードの石英系光ファイバとを接続して、波長1.55μmの光を伝搬させて、伝搬ロスを測定した。その結果、伝搬ロスの測定値は約0.1dB/cmであり、実用上問題ないことが確認された。
【0110】
さらに、コア材料として、分岐型ポリシランとポリシロキサンとを含む液状高分子材料76を用いて、光導波路を製造する方法について図11を用いて説明する。
【0111】
図11に示すように、溝71aを形成したガラス基板71を、プレス成形装置30の下部ヒーターブロック32の上に設置する。その上に、分岐型ポリシランとポリシロキサンを含む液状高分子材料76を滴下する。なお、液状高分子材料76における分岐型ポリシランとポリシロキサンとの混合比は、樹脂溶液の場合と同様である。さらに、その上から、平滑なガラス基板72を設置する。なお、ガラス基板71、72は、例えば、屈折率が1.595、軟化点が540℃の光学ガラスを用いる。また、液状高分子材料76は溶剤を含んでいないので、予備加熱は不要である。
【0112】
次に、真空ポンプで減圧されたチャンバー36内で、上部ヒーターブロック31が、ガラス基板72を上方から下方に押さえつけ、ガラス基板71、72に、例えば、1kg/cmの荷重をかける。その後、チャンバー36内に空気を導入し、50kg/cmまで昇圧しながら、液状高分子材料76が、所望の屈折率となる温度300℃になるまで、昇温、加熱する。それにより、液状高分子材料76が溝71aに入り込み、図8(c)に示すようにコア73を形成する。また、ガラス基板71とガラス基板72は、接着層73aを介して貼り合わせることができる。また、コア73の屈折率を所望の値とすることができる。さらに、これらの工程を、同時に行なうことができるため、光導波路7の製作工程数を削減することができる。
【0113】
このようにして作製した光導波路7のサンプルの表面及び断面を光学顕微鏡、電子顕微鏡にて観察したところ、コア73には、溝71aへの充填不十分や接着不良による気泡や異物の生成は観察されなかった。また、溝71aには、コア材料の無機化反応による生成物が充填され、コア73を形成していた。
【0114】
また、光導波路7のサンプルを数カ所、ダイシングで切り出し、断面を電子顕微鏡で観察したところ、接着層73aの厚みは、約0.8μmであった。この程度の厚みであれば、十分にコア73での光閉じ込め効果が得られる。
【0115】
また、このようにして作製したシングルモード光導波路7と、シングルモードの石英系光ファイバとを接続して、波長1.55μmの光を伝搬させて、伝搬ロスを測定した。その結果、伝搬ロスの測定値は約0.13dB/cmであり、実用上問題ないことが確認された。
【0116】
なお、実施の形態1〜3は、シングルモード光導波路について説明したが、マルチモード光導波路においても同様に適用できる。また、以上説明した、構成および材料は、これらに限定されるわけではない。例えば、クラッドは、ガラス基板を用いたが、これらの代りに、耐熱性樹脂等を用いてもよいし、屈折率も適当な値とすればよい。
【0117】
【発明の効果】
本発明は、高生産性、高性能を満足する光導波路およびその製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る光導波路の構成を示す断面図
【図2】実施の形態1に係る光導波路の製造方法を説明する工程図であって図2(a)〜図2(d)は各工程を示す図
【図3】実施の形態1に係る光導波路を製造する際に用いるプレス成形装置の構成を示す図
【図4】実施の形態2に係る光導波路の構成を示す断面図
【図5】実施の形態2に係る光導波路の製造方法を説明する工程図であって、図5(a)〜図5(e)は各工程を示す図
【図6】実施の形態2に係る光導波路の他の製造方法を説明する工程図であって、図6(a)〜図6(e)は各工程を示す図
【図7】実施の形態3に係る光導波路の構成を示す断面図
【図8】実施の形態3に係る光導波路の製造方法を説明する工程図であって、図8(a)〜図8(c)は各工程を示す図
【図9】実施の形態3に係る光導波路の製造におけるプレス工程を示す図
【図10】実施の形態3に係る他の光導波路の製造におけるプレス工程を示す図
【図11】実施の形態3に係るさらに他の光導波路の製造におけるプレス工程を示す図
【図12】一般的な石英系シングルモードの光導波路の構成を示す図であって、図12(a)は光導波路の構成を示す平面図であり、図12(b)は光導波路の構成を示す断面図
【図13】従来の石英系光導波路の一般的な製造方法を示した工程図であって、図13(a)〜図13(c)は各工程を示す図
【図14】溝充填光導波路の製造方法を示した工程図であって、図14(a)〜図14(d)は各工程を示す図
【符号の説明】
1、4、7             光導波路
11、12、41、42、71、72 ガラス基板
11a、41a、71a       溝
13、43、73          コア
13a、43a、73b       樹脂層
30                プレス成形装置
31                上部ヒーターブロック
32                下部ヒーターブロック
33                上型
33a               凸部
33b               成形面
35                下型
36                チャンバー
44、73a            接着層
75                フィルム
76                液状高分子材料
121、131a、143a     コア
122、141、144       クラッド
123               矢印
131               コア膜
132               下部クラッド層
133               上部クラッド層
142               溝
143               コア材料
143b              余剰材料

Claims (15)

  1. 第1クラッドと、第2クラッドと、コアとを備え、
    前記コアは、前記第2クラッド側に形成された前記第1クラッドの一方の主面に露出するように埋め込まれており、
    前記第1クラッドと前記第2クラッドとは、前記コアを挟むように設置されていて、
    前記コアは、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料を、加熱および紫外線照射の少なくとも一方により反応させた生成物からなり、前記コアの屈折率は、前記第1クラッドおよび前記第2クラッドの屈折率よりも高い光導波路。
  2. 前記第2クラッドの屈折率は、前記第1クラッドの屈折率と略等しい、請求項1に記載の光導波路。
  3. 前記第1クラッドおよび前記第2クラッドは、ガラスである、請求項1に記載の光導波路。
  4. 前記第1クラッドおよび前記コアと、前記第2クラッドとの間には、接着層が形成されている、請求項1に記載の光導波路。
  5. 前記接着層は、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料を含む、請求項4に記載の光導波路。
  6. 前記接着層の屈折率は、前記第2クラッドの屈折率と略等しいか、または、前記第2クラッドの屈折率よりも高い、請求項4に記載の光導波路。
  7. 熱で軟化させた第1クラッドに、コアとなる溝を形成するための金型を押し付けて溝を形成し、
    前記溝に、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料を含むコア材料を充填し、
    前記コア材料を加熱することで、前記コア材料の屈折率が変化するよう前記コア材料を反応させ、
    前記第1クラッドの前記溝側の面に、第2クラッドを接合する光導波路の製造方法。
  8. 前記第1クラッドおよび前記第2クラッドは、ガラスである、請求項7に記載の光導波路の製造方法。
  9. 前記第2クラッドの屈折率は、前記第1クラッドの屈折率と略等しい、請求項7に記載の光導波路の製造方法。
  10. 前記コア材料は、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料と溶剤とを含む樹脂溶液であって、
    前記樹脂溶液であるコア材料を前記第1クラッドの前記溝が形成された面に塗布することで、前記コア材料を前記溝に充填し、
    さらに、屈折率を変化させるために、前記コア材料を加熱した後に、前記溝以外に形成された前記コア材料を、研磨により除去し、
    前記研磨後に、前記第1クラッドの前記溝側に、第2クラッドを直接接合によって接合する、請求項7に記載の光導波路の製造方法。
  11. 前記溝以外に形成された前記コア材料を、研磨除去した後に、
    前記第1クラッドの前記溝が形成された面および前記第2クラッドの前記第1クラッドと接合される面の少なくとも一方に、前記第2クラッドの屈折率と略等しい屈折率を有する接着剤を塗布し、
    前記接着剤を介して、前記第1クラッドと前記第2クラッドを接合する、請求項10に記載の光導波路の製造方法。
  12. 前記コア材料は、分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料と溶剤とを含む樹脂溶液であって、
    前記第1クラッドの前記溝が形成された面および前記第2クラッドの前記第1クラッドと接合される面の少なくとも一方に、前記樹脂溶液であるコア材料を塗布し、
    前記第1クラッドおよび前記第2クラッドで、前記塗布された樹脂溶液であるコア材料を挟んで加圧し、かつ前記樹脂溶液であるコア材料を加熱することで、前記コア材料の屈折率を変化させ、前記溝に前記コア材料を充填し、前記コア材料を介して、前記第1クラッドと前記第2クラッドを接合する、請求項7に記載の光導波路の製造方法。
  13. 前記コア材料は、少なくとも分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料と溶剤とを含む樹脂溶液であって、
    前記第1クラッドの前記溝が形成された面および前記第2クラッドの前記第1クラッドと接合される面の少なくとも一方に、前記樹脂溶液であるコア材料を塗布した後、前記溶剤を蒸発させるために加熱し、
    当該加熱においては、前記溶剤の沸点以下の温度を開始温度として昇温し、温度の上限は、前記コア材料の屈折率の変化する反応が開始される温度未満とする、請求項7に記載の光導波路の製造方法。
  14. 前記コア材料は、少なくとも分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む高分子材料からなるフィルムであって、
    前記第1クラッドの前記溝が形成された面および前記第2クラッドの前記第1クラッドと接合される面の少なくとも一方に、前記フィルムであるコア材料を設置し、
    前記第1クラッドおよび前記第2クラッドで、前記設置されたフィルムであるコア材料を挟んで加圧し、かつ前記フィルムであるコア材料を加熱することで、前記コア材料の屈折率を変化させ、前記溝に前記コア材料を充填し、前記コア材料を介して、前記第1クラッドと前記第2クラッドを接合する、請求項7に記載の光導波路の製造方法。
  15. 前記コア材料は、少なくとも分岐型ポリシランおよびポリシロキサンを含む液状高分子材料であって、
    前記第1クラッドの前記溝が形成された面および第2クラッドの前記第1クラッドと接合される面の少なくとも一方に、前記液状高分子であるコア材料を滴下し、
    前記第1クラッドおよび前記第2クラッドで、前記滴下された液状高分子であるコア材料を挟んで加圧し、かつ前記液状高分子であるコア材料を加熱することで、前記コア材料の屈折率を変化させ、前記溝に前記コア材料を充填し、前記コア材料を介して、前記第1クラッドと前記第2クラッドを接合する、請求項7に記載の光導波路の製造方法。
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