JPWO2005007499A1 - 鞍乗型車両用エンジン及びそれを備えた鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

エンジンは、プライマリーシーブ(55)とセカンダリーシーブ(56)とを有するVベルト式無段変速装置(16)を備えている。Vベルト式無段変速装置(16)は、変速装置ケース(45)によって覆われている。始動用キック軸(150)は、車幅方向に関して、変速装置ケース(45)と同じ側に設けられている。始動用キック軸(150)は、側面視において変速装置ケース(45)の輪郭線の外側に配置されている。

Description

本発明は、鞍乗型車両用エンジン及びそれを備えた鞍乗型車両に関する。
鞍乗型車両は、例えば自動二輪車等として広く用いられている。通常、自動二輪車等は、後輪を支持するリヤアームと、このリヤアームを車両本体に支持するためのリヤアームブラケットとを備えている。リヤアームブラケットにはリヤアームを支持するピポット軸が設けられており、リヤアームはピポット軸を中心として上下方向に揺動自在に支持されている。
自動二輪車等にはエンジンの変速機構が設けられる。そのような変速機構として、Vベルト式自動変速機が知られている。Vベルト式自動変速機は、エンジンのクランク軸の回転に従って回転するプライマリーシーブ(駆動プーリ)と、セカンダリーシーブ(従動プーリ)と、プライマリーシーブとセカンダリーシーブとに巻き掛けられたVベルトとから構成される。通常、プライマリーシーブとセカンダリーシーブとVベルトとは、変速機ケースによって区画されたベルト室に収容されている。
セカンダリーシーブに嵌め込まれたセカンダリーシーブ軸と回転駆動力を出力するドライブ軸との間には、クラッチ及び減速機構が設けられることが多い。例えば、セカンダリーシーブ軸とドライブ軸とが、クランクケース内に配設された遠心クラッチと減速機構のアイドル軸とを介して連結されたエンジンが知られている。この種のエンジンを搭載した自動二輪車等では、ドライブ軸上に設けられたスプロケットと後輪の従動スプロケットとにチェーン等が巻き掛けられ、ドライブ軸の回転駆動力は当該チェーン等を介して後輪に伝達される。
また、自動二輪車等のエンジンには、始動用キック軸を備えたものがよく用いられている。
始動用キック軸とVベルト式自動変速機との位置関係に関して、特開平5−213262号公報(以下、特許文献1という)には、以下のようなレイアウトが開示されている。すなわち、特許文献1に開示されたエンジンでは、始動用キック軸は、Vベルトと干渉しないように、車両本体においてVベルトが設けられている側と反対の側に配置されている。具体的には、Vベルト式自動変速機は車両本体の右側に設けられているのに対して、始動用キック軸は車両本体の左側に配置されている。
特開平6−48363号公報(以下、特許文献2という)には、始動用キック軸とVベルト式自動変速機とが車両本体の同一の側に設置されたエンジンが開示されている。このエンジンでは、プライマリーシーブとセカンダリーシーブとの間にある程度の間隔が設けられており、始動用キック軸は、プライマリーシーブとセカンダリーシーブとの間に設置されている。また、始動用キック軸は、Vベルトと干渉しないように、側面視においてVベルトの輪郭線の内側に配置されている。
特開平5−213262号公報 特開平6−48363号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたエンジンにおいては、始動用キック軸が変速機ケースと反対の側に設けられているため、自動二輪車等の車幅が大きくなってしまうという問題があった。
一方、特許文献2に開示されたエンジンでは、ドライブ軸や減速機構等のレイアウトに関して制約が多いという問題があった。なぜなら、ドライブ軸や減速機構等は始動用キック軸と干渉しないように配置されなければならないが、上記エンジンでは、始動用キック軸は側面視におけるVベルトの輪郭線の内側に配置されているため、ドライブ軸や減速機構等を当該輪郭線の内側又はその近傍に自由に配置できないからである。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鞍乗型車両用エンジンにおいて、始動用キック軸及び変速機のレイアウトに工夫を施すことにより、エンジン又は鞍乗型車両全体のレイアウトの自由度を高めることにある。また、本発明の他の目的は、鞍乗型車両におけるドライブ軸周りのレイアウトの自由度を増大させることである。また、本発明の他の目的は、その鞍乗型車両用エンジンを搭載した好適な鞍乗型車両を提供することである。
本発明に係る鞍乗型車両用エンジンは、左右方向に延びるクランク軸を有するエンジン本体と、前記クランク軸の回転に従って回転するプライマリーシーブと、左右方向に延びるセカンダリーシーブ軸を有するセカンダリーシーブと、前記プライマリーシーブと前記セカンダリーシーブとに巻き掛けられた伝動ベルトと、を有する変速機と、前記プライマリーシーブと前記セカンダリーシーブと前記伝動ベルトとを収容する変速機ケースと、前記エンジン本体の左右いずれか一方の側に設けられた始動用キック軸と、を備えた鞍乗型車両用エンジンであって、前記変速機ケースは、前記エンジン本体の左右両側のうち前記始動用キック軸が設けられている側に配置され、前記始動用キック軸は、側面視において前記変速機ケースの輪郭線の外側に配置されているものである。
上記鞍乗型車両用エンジンにおいては、始動用キック軸と変速機ケースとがエンジン本体に対して同一の側に設けられているので、鞍乗型車両の車幅方向の増大を抑制することができる。加えて、始動用キック軸が側面視において変速機ケースの輪郭線の外側に配置されているので、ドライブ軸等のレイアウトに関して、始動用キック軸の影響は受けにくい。そのため、限られたスペース内において始動用キック軸及び変速機を効率的に配置しつつ、ドライブ軸等のレイアウトの自由度を増大させることができる。
前記セカンダリーシーブは、前記プライマリーシーブよりも上方に配置され、前記始動用キック軸は、側面視において前記セカンダリーシーブの下方に配置されていることが好ましい。
上記鞍乗型車両用エンジンでは、セカンダリーシーブがプライマリーシーブよりも上方に配置されていることにより、セカンダリーシーブの下方に比較的大きなスペースが確保される。そして、始動用キック軸が当該スペースに配置されることにより、エンジン全体におけるスペースの有効利用が図られ、効率的なレイアウトが実現される。
前記鞍乗型車両用エンジンは、前記セカンダリーシーブ軸と別軸に構成され、前記セカンダリーシーブ軸に直接又は間接的に連結されたドライブ軸を更に備えていることが好ましい。
なお、ここで、ドライブ軸はセカンダリーシーブ軸と間接的に連結されていてもよいので、セカンダリーシーブ軸とドライブ軸との間に減速機構等が介在していてもよいことは勿論である。
上記鞍乗型車両用エンジンでは、ドライブ軸がセカンダリーシーブ軸と別軸であるため、セカンダリーシーブ軸の制約を受けることなく、ドライブ軸を比較的自由に配置することができる。そのため、ドライブ軸周りのレイアウトの自由度が増大する。その結果、例えば、ドライブ軸をピポット軸に近づけることができる。
前記鞍乗型車両用エンジンは、左右方向に延びるアイドル軸を有し、前記セカンダリーシーブ軸と前記ドライブ軸とに連結された減速機構を更に備え、前記セカンダリーシーブ軸は、前記ドライブ軸よりも上方に配置され、前記アイドル軸は、側面視において前記ドライブ軸の軸心と前記セカンダリーシーブ軸の軸心とを結んだ仮想線よりも前記プライマリーシーブ側に配置され、前記ドライブ軸は、側面視において前記変速機ケースの輪郭線の内側に配置されていることが好ましい。
上記鞍乗型車両用エンジンでは、側面視において、ドライブ軸の軸心とセカンダリーシーブ軸の軸心とを結んだ仮想線よりもプライマリーシーブ側にアイドル軸を配置することとしたので、エンジンにおけるプライマリーシーブ側と反対の側を小型化することができる。例えば、プライマリーシーブをエンジンの前側に配置した場合、エンジンの後側部分を小型化することができる。そのため、鞍乗型車両において、エンジンの後方に大きなスペースを確保することが可能となる。さらに、側面視においてドライブ軸を変速機ケースの輪郭線の内側に配置することとしたので、エンジン内においてドライブ軸と変速機とを高密度に配置することができる。すなわち、ドライブ軸と変速機とを、限られた容積内に効率的に配置することができる。
本発明に係る鞍乗型車両は、前記鞍乗型車両用エンジンを備えたものである。
前記鞍乗型車両は、前記ドライブ軸が前記クランク軸よりも後方に位置するような姿勢で前記鞍乗型車両用エンジンを支持する車両本体と、前記車両本体に揺動自在に支持され、後輪を支持するリヤアームと、前記ドライブ軸から前記後輪に駆動力を伝達する伝動部材と、を備え、前記車両本体における前記リヤアームの支持点は、側面視において前記鞍乗型車両用エンジンの後方に位置していることが好ましい。
前記車両本体における前記リヤアームの支持点は、前記セカンダリーシーブ軸の軸心よりも下方に位置していることが好ましい。
また、前記車両本体における前記リヤアームの支持点は、前記ドライブ軸の後方近傍に位置していることが好ましい。
このことにより、ドライブ軸とリヤアームの支持点との間の距離が短いため、リヤアーム長を長くすることによって車両の操縦安定性を高めることができる。また、リヤアームが支持点を中心として揺動した際に、伝動部材の駆動力の伝達効率が低下することを抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、エンジン内において始動用キック軸及び変速機を効果的に配置したことにより、ドライブ軸や減速機構等のレイアウトの自由度を増大させることができる。したがって、例えばドライブ軸をリヤアームの支持点に近い位置に配置することにより、車両の操縦安定性を向上させることができる。また、伝動部材の駆動力伝達不良等を防止することができる。
本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 図4のII−II線に沿ったエンジンユニットの断面図である。 エンジンユニットの部分断面図である。 エンジンの各回転軸の配置を示す右側面図である。 前方斜め左上から見たエンジンの主要部の斜視図である。 背面側から見たエンジンの断面図である。 始動用キック軸とクランク軸との間の連結機構を示す断面図である。
符号の説明
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
2 エンジンユニット
7 後輪
8 リヤアーム
15 エンジン本体
16 Vベルト式無段変速装置(変速機)
17 遠心クラッチ
18 減速機構
28 クランク軸
45 変速装置ケース(変速機ケース)
47 セカンダリーシーブ軸
48 ドライブ軸
50 チェーン(伝動部材)
55 プライマリーシーブ
56 セカンダリーシーブ
57 Vベルト(伝動ベルト)
100 ピポット軸(支持点)
150 始動用キック軸
C ドライブ軸の軸心とセカンダリーシーブ軸の軸心とを結んだ仮想線
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るエンジンを備えた自動二輪車1を示している。詳細は後述するが、本実施形態に係るエンジンは、無段変速装置内蔵エンジンである。車体フレーム1aの前端には、ヘッドパイプ3が固定されている。ヘッドパイプ3には、フロントフォーク5が左右方向に回動自在に支持されている。フロントフォーク5の下端部には、前輪4が回転自在に支持されている。
車体の前後方向中央部には、リヤアームブラケット6が配置されている。リヤアームブラケット6には、ピポット軸(支持点)100を介してリヤアーム8が支持されている。リヤアーム8は、ピポット軸100に回動自在に支持されている。したがって、リヤアーム8は、ピポット軸100を中心として上下方向に揺動自在に設けられている。リヤアーム8の後端部には、後輪7が回転自在に支持されている。車体フレーム1aの上部には、シート9が配置されている。シート9は、運転者用シート部9aと後部乗員用シート部9bとから構成されている。詳細は後述するが、エンジンユニット2は、回転駆動力を出力するドライブ軸48(図4参照)がクランク軸28よりも後方に位置するような姿勢で、車体フレーム1aに取り付けられている。また、本エンジンユニット2では、リヤアーム8のピポット軸100は、エンジンユニット2の後方に位置しており、ドライブ軸48の後方近傍に配置されている。
図1に示すように、車体フレーム1aは、ヘッドパイプ3から後方斜め下向きに延びるダウンチューブ1bと、ダウンチューブ1bの後端に続いて斜め上方に延びるアッパーチューブ1cと、ダウンチューブ1bとアッパーチューブ1cとに接合され、これらダウンチューブ1bとアッパーチューブ1cとの間に前後方向に架け渡されたシートレール1dとから構成されている。なお、ダウンチューブ1bとアッパーチューブ1cとシートレール1dとは、車体の左右両側にそれぞれ設けられている。
この車体フレーム1aは、樹脂製のカバー10によって覆われている。カバー10は、フロントカバー10a、レッグシールド10b、及びサイドカバー10c等からなっている。フロントフォーク5の上端には、ハンドルカバー11aに覆われた操向ハンドル11が固定されている。リヤアーム8とリヤアームブラケット6との間には、リヤクッション(ショックアブソーバ)12が配設されている。
車体フレーム1aのダウンチューブ1bには、エンジンユニット2が吊り下げられた状態で支持されている。エンジンユニット2は、エンジン本体15(図2参照)として空冷式4サイクル単気筒エンジンを備えており、エンジン本体15の気筒軸線Aは、水平軸から約45度傾斜している。
次に、図2〜図4を参照しながら、エンジンユニット2の構成を詳細に説明する。なお、図2は図4のII−II線断面図である。図3は図2の詳細拡大図であり、クランクケース付近を示している。図4はエンジンユニット2における各軸のレイアウトを示す図であり、車体を右側面方向から(つまり、クランク軸方向から)見たレイアウトを示している。
図2に示すように、エンジンユニット2は、エンジン本体15と、Vベルト式無段変速装置16と、湿式多板遠心クラッチ17と、減速機構18とを備えている。
エンジン本体15は、シリンダブロック19と、シリンダヘッド20と、クランクケース22とを備えている。シリンダヘッド20は、シリンダブロック19の上合面に接続されている。シリンダヘッド20の上側には、ヘッドカバー21が設けられている。クランクケース22は、シリンダブロック19の下合面に接続されている。クランクケース22は、クランク軸28及びセカンダリーシーブ軸(変速軸)47を支持している。
シリンダヘッド20の後面には、燃焼凹部20aに連通する図示しない吸気ポートが開口している。この吸気ポートには、吸気管23a(図1参照)を介してキャブレタ23が接続されている。一方、シリンダヘッド20の前面には、燃焼凹部20aに連通する図示しない排気ポートが開口している。この排気ポートには、排気管24(図1参照)が接続されている。図1に示すように、排気管24は後方斜め下向きに延びた後、エンジン本体15の右側方を通って後方斜め上向きに延び、マフラ25に接続されている。なお、マフラ25は、後輪7の右側方に配設されている。図2に示すように、燃焼凹部20aの内部には、点火プラグ30が挿入されている。
シリンダブロック19の左側部には、クランクケース22の内部とシリンダヘッド20の内部とをつなぐチェーン室19aが形成されている。このチェーン室19aには、タイミングチェーン34が配設されている。タイミングチェーン34は、クランク軸28とカム軸31とに巻き掛けられている。カム軸31は、クランク軸28の回転に従って回転し、図示しない吸気バルブ及び排気バルブを開閉させる。
シリンダブロック19のシリンダボア内には、ピストン26が摺動可能に挿入されている。このピストン26には、コンロッド27の小端部27bが連結されている。クランク軸28の左側クランクアーム28aと右側クランクアーム28bとの間には、クランクピン29が設けられている。コンロッド27の大端部27aは、クランクピン29に連結されている。なお、符号32はシリンダスリーブである。
クランクケース22は、分割された2つのケース、すなわち左側の第1ケース40と右側の第2ケース41とを備えている。第1ケース40と第2ケース41との合面、つまりクランクケース22の割り面Dは、シリンダブロック19の軸線Lに対して平行に延びている。しかしながら、割り面Dは軸線Lと一致しておらず、軸線Lの左側にオフセットされている。
第2ケース41の右側には、ケースカバー71が取り付けられている。第2ケース41の右側には開口が形成され、ケースカバー71は当該開口を覆っている。ケースカバー71は、ボルト72により、第2ケース41に対して着脱可能に固定されている。したがって、ケースカバー71は取り付け及び取り外しが容易である。ケースカバー71を第2ケース41から取り外すことにより、遠心クラッチ17とセカンダリーシーブ軸47とを容易に取り外すことができる。
第1ケース40の前方左側には、発電機42を収容する発電機ケース44が着脱自在に取り付けられている。第2ケース41の右側には、Vベルト式無段変速装置16を収容する変速装置ケース45が取り付けられている。Vベルト式無段変速装置16は、変速装置ケース45によって区画された変速機室に収容されている。
変速装置ケース45は、クランクケース22から独立して形成されており、ケース本体45aと蓋体45bとから構成されている。ケース本体45aは、第2ケース41の右側に配置されており、右側に開口している。蓋体45bは、ケース本体45aの右側に配置され、ケース本体45aの右側の開口を密閉している。ケース本体45aと蓋体45bと第2ケース41とは、ボルト70によって一体的に固定されている。ケース本体45aの底壁45cと第2ケース41との間には、隙間aが設けられている。このように、ケース本体45aと第2ケース41とが隔てられていることにより、エンジン本体15からの熱が変速装置ケース45に伝わることが抑制されている。なお、変速装置ケース45の右側は、化粧カバー60によって覆われている。
クランクケース22の前側(図2における上側)には、クランク軸28が左右方向に延びるように配置されている。クランク軸28の中央部分におけるシリンダブロック19の軸線Lよりも左側は、軸受35を介して第1ケース40に回転自在に支持されている。一方、クランク軸28の中央部分における上記軸線Lよりも右側は、軸受36を介して第2ケース41に回転自在に支持されている。
クランク軸28の右側端部は、第2ケース41を超えて、変速装置ケース45内に延びている。クランク軸28の右側端部には、ベルト式無段変速装置16のプライマリーシーブ(駆動プーリ)55が同軸状に嵌め込まれている。したがって、プライマリーシーブ55は、クランク軸28の回転に従って回転する。なお、このクランク軸28の右側端部は、プライマリーシーブ軸55dを形成している。ただし、プライマリーシーブ55とクランク軸28との連結の態様は、上記態様に限定される訳ではない。プライマリーシーブ軸55dとクランク軸28とは、別体に形成されていてもよい。プライマリーシーブ軸55dは、必ずしもクランク軸28と同軸状に配置されていなくてもよく、例えば、クランク軸28に対して平行に配置されていてもよい。また、本明細書で言う「連結」とは、広い意味での連結を意味し、特に明記されていない限り、直接的に接続されている場合だけでなく間接的に接続されている場合も含む意味である。
一方、クランク軸28の左側端部は、第1ケース40を超えて、発電機ケース44内に延びている。そして、クランク軸28の左側端部には、発電機42が取り付けられている。第2ケース41の右側端面のクランク軸28が延出する部分と、変速装置ケース45の底壁45cとの間には、シール部材37が設けられている。これにより、第2ケース41は変速装置ケース45に対して密閉されている。したがって、第2ケース41内に収容されるクラッチとして、湿式のものを使用することができる。前述したように、本実施形態では、上記クラッチとして湿式多板式の遠心クラッチ17が使用されている。
発電機42は、ステータ42bと、ステータ42bに対向するロータ42aとを備えている。ロータ42aは、クランク軸28と共に回転するスリーブ43に固定されている。なお、スリーブ43には、クランク軸28のテーパ部分が嵌め込まれている。ステータ42bは、発電機ケース44に固定されている。
クランクケース22の後側(図2における下側)には、クランク軸28と平行なセカンダリーシーブ軸47が配置されている。セカンダリーシーブ軸47の中央部の右側部分は、軸受38を介してケースカバー71に支持されている。セカンダリーシーブ軸47の中央部の左側部分は、軸受39を介して第2ケース41の左端部に支持されている。セカンダリーシーブ軸47の右側端部は、第2ケース41を超えて変速装置ケース45内に延びている。このセカンダリーシーブ軸47の右側端部には、Vベルト式無段変速装置16のセカンダリーシーブ(従動プーリ)56が連結されている。ここでは、セカンダリーシーブ56は、セカンダリーシーブ軸47に同軸状に連結されている。
セカンダリーシーブ軸47の左側部分には、遠心クラッチ17が取り付けられている。この遠心クラッチ17は、Vベルト式無段変速装置16のセカンダリーシーブ56よりも左側、すなわちシリンダブロック19側に配置されている。このような配置は、第2ケース41の内部スペースが大きいことによって達成されている。すなわち、本エンジンユニット2では、クランクケース22の分割面Dがシリンダブロック19の軸線Lよりも左側に位置しており、第2ケース41の内部には広いスペースが確保されている。そのため、遠心クラッチ17をセカンダリーシーブ56よりも左側に配置することが可能となっている。
遠心クラッチ17は、湿式多板式の遠心クラッチであり、インナクラッチ84と碗状のアウタクラッチ83とを備えている。アウタクラッチ83は、セカンダリーシーブ軸47にスプライン嵌合されており、セカンダリーシーブ軸47と共に回転する一方、セカンダリーシーブ軸47の軸方向への移動が自在である。インナクラッチ84は、アウタクラッチ83の内側に同軸状に配置されている。インナクラッチ84は、一次側の減速小ギヤ74にスプライン嵌合され、減速小ギヤ74はインナクラッチ84と共に回転する。なお、減速小ギヤ74は、セカンダリーシーブ軸47に回転自在に支持されている。
図3に示すように、アウタクラッチ83の内部には、複数枚のアウタクラッチ板85が配置されている。これらアウタクラッチ板85の左右両端には、押圧プレート86がそれぞれ配置されている。アウタクラッチ板85及び押圧プレート86は、アウタクラッチ83と共に回転するよう、アウタクラッチ83に係止されている。アウタクラッチ板85と押圧プレート86との間には、インナクラッチ板87が配設されている。インナクラッチ板87は、インナクラッチ84と共に回転するよう、インナクラッチ84の外周部に係止されている。
アウタクラッチ83の内側には、左側に突出するカム面83aが形成されている。そして、カム面83aと右側の押圧プレート86との間には、ウエイト88が配設されている。アウタクラッチ83の回転速度が所定速度以上になると、ウエイト88は遠心力を受けて半径方向外側に移動する。アウタクラッチ83の内側にはカム面83aが形成されているので、ウエイト88が半径方向外側に移動すると、右側の押圧プレート86はウエイト88によって左方向に押され、左側に移動する。その結果、アウタクラッチ板85とインナクラッチ板87とが接続される。すなわち、クラッチが接続された状態となる。なお、図2及び図3において、遠心クラッチ17における前側(図2及び図3における上側)の部分は遮断状態を表し、後側(図2及び図3における下側)の部分は接続状態を表している。
Vベルト式無段変速装置16は、プライマリーシーブ55と、セカンダリーシーブ56と、これらプライマリーシーブ55とセカンダリーシーブ56とに巻き掛けられたVベルト57とを備えている。前述したように、プライマリーシーブ55はクランク軸28の右側端部に取り付けられている。したがって、このプライマリーシーブ55には、クランク軸28の駆動力が伝達される。セカンダリーシーブ56は、セカンダリーシーブ軸47の右側端部に連結されている。
プライマリーシーブ55は、固定プーリ半体55aと、固定プーリ半体55aに対向する可動プーリ半体55bとを備えている。固定プーリ半体55aは、クランク軸28の右端に固定されており、クランク軸28と共に回転する。可動プーリ半体55bは、固定プーリ半体55aの左側に配置されている。クランク軸28には、クランク軸28に対してスライド可能なスライドカラー59が取り付けられている。可動プーリ半体55bは、このスライドカラー59を介してクランク軸28に取り付けられている。したがって、可動プーリ半体55bは、クランク軸28と共に回転し、かつ、クランク軸28の軸方向に移動自在である。可動プーリ半体55bの左側には、カムプレート58が配設されている。カムプレート58と可動プーリ半体55bとの間には、円筒形のウエイト61が配設されている。
セカンダリーシーブ56は、固定プーリ半体56aと、固定プーリ半体56aに対向する可動プーリ半体56bとを備えている。可動プーリ半体56bは、セカンダリーシーブ軸47の右端に取り付けられている。可動プーリ半体56bは、セカンダリーシーブ軸47と共に回転し、かつ、セカンダリーシーブ軸47の軸方向に移動自在である。セカンダリーシーブ軸47の右端にはコイルスプリング67が設けられており、可動プーリ半体56bはコイルスプリング67から左向きの付勢力を受けている。固定プーリ半体56aは、可動プーリ半体56bの左側に設置されている。固定プーリ半体56aの軸心部には、円筒状のスライドカラー62が固定されている。スライドカラー62は、セカンダリーシーブ軸47にスプライン嵌合されている。
このベルト式無段変速装置16では、ウエイト61が駆動側の可動プーリ半体55bを右側に押し出す力と、コイルスプリング67が従動側の可動プーリ半体56bを左側に押し戻す力との大小関係によって、減速比が決定される。すなわち、クランク軸28の回転数が上昇すると、ウエイト61が遠心力を受けて径方向外側(図3における上側)に移動し、駆動側の可動プーリ半体55bを右側に移動させる。すると、これに伴って従動側の可動プーリ半体56bも、コイルスプリング67の付勢力に対抗して右側に移動する。この結果、駆動プーリ55におけるベルト57の巻き掛け径は大きくなり、従動プーリ56における巻き掛け径は小さくなる。したがって、減速比は小さくなる。一方、クランク軸28の回転数が低下すると、ウエイト61の遠心力が小さくなるので、ウエイト61は径方向内側に移動する。そのため、駆動側の可動プーリ半体55bは、左側に移動しやすくなる。すると、従動側の可動プーリ半体56bがコイルスプリング67の付勢力を受けて左側に移動し、それに応じて駆動側の可動プーリ半体55bも左側に移動する。その結果、駆動プーリ55におけるVベルト57の巻き掛け径は小さくなり、従動プーリ56における巻き掛け径は大きくなる。したがって、減速比は大きくなる。
セカンダリーシーブ軸47の先端にはロックナット66がねじ込まれ、セカンダリーシーブ56は、このロックナット66を介してセカンダリーシーブ軸47に固定されている。ロックナット66は、スライドカラー62の右側端部62aに没入している。スライドカラー62の内径は、軸方向に沿って段階的に大きくなっている。一方、セカンダリーシーブ軸47の右側先端47aは、段階的に小さくなっている。つまり、セカンダリーシーブ軸47は、先端側に行くほど段付状に小径化されている。
本エンジンユニット2では、このような構成を採用したことにより、ロックナット66をスライドカラー62の右側端部62aの内側に支障なく配置することができる。したがって、ロックナット66をコイルスプリング67のばね受け部材65よりも左側に位置づけることが可能となっている。これにより、コイルスプリング67自体を短くすることなく、外側(右側)の出っ張りを小さく抑制することができる。すなわち、簡単な構造により、エンジンユニット2の小型化(幅方向の小型化)を達成している。
図2に示すように、減速機構18は、セカンダリーシーブ軸47と平行なアイドル軸(減速軸)52を備えている。アイドル軸52には、一次側の減速小ギヤ74と噛み合う減速大ギヤ75が結合されている。なお、減速小ギヤ74は、セカンダリーシーブ軸47に回転可能に取り付けられている。アイドル軸52にはさらに、二次側の減速小ギヤ76が一体形成されている。ドライブ軸48には、減速小ギヤ76と噛み合う減速大ギヤ77が一体形成されている。
アイドル軸52の右側端部は、軸受91を介して第2ケース41の左側部分に支持されている。アイドル軸52の左側端部は、第1ケース40の左側部分に回転自在に支持されている。
ドライブ軸48は、アイドル軸52と平行に配設されている。ドライブ軸48の右側端部は、軸受92を介して第2ケース41の左側部分に支持されている。ドライブ軸48の左側部分は、軸受93を介して第1ケース40の左側部分に支持されている。また、ドライブ軸48の左側端部には、スプロケット49が連結されている。スプロケット49は、チェーン50を介して後輪7の従動スプロケット51(図1参照)に連結されている。
次に、図4を参照しながら、エンジンユニット2における各回転軸のレイアウトについて説明する。図4は、車体を右側面から見たときの各回転軸の配置を示す側面図である。セカンダリーシーブ軸47とドライブ軸48とは、別軸として構成されている。セカンダリーシーブ軸47は、ドライブ軸48よりも上方に配置されており、ドライブ軸48よりもやや前側に配置されている。アイドル軸52は、ドライブ軸48の軸心とセカンダリーシーブ軸47の軸心とを結んだ仮想線Cよりも前方斜め下側、つまりプライマリーシーブ55側に配置されている。セカンダリーシーブ軸47はプライマリーシーブ軸55dよりも上方に配置されており、セカンダリーシーブ56は全体として、プライマリーシーブ55よりも上側に設けられている。
また、ドライブ軸48は、車体の側面から見て、変速装置ケース45の輪郭線(外形線)の内側に位置している。言い換えると、ドライブ軸48は、変速装置ケース45のプロフィール内に収まるように配置されている。ただし、ドライブ軸48の大部分(例えば、ドライブ軸48の半分以上の部分)が上記輪郭線の内側に位置していればよく、必ずしもドライブ軸48の全体が上記輪郭線の内側に位置していなくてもよい。
図5は、エンジンユニット2の主要部(以下、エンジン主要部という)300や変速装置ケース45等を前方斜め上から見たときの斜視図である。なお、図5においては便宜上、エンジン本体15のシリンダブロック19等(図2参照)や後述の吸気系部品154(図4参照)の図示は省略している。
図5に示すように、変速装置ケース45は、エンジン主要部300の右側に設けられている。前述したように、セカンダリーシーブ56はプライマリーシーブ55の後方かつ上方に配置されているので、変速装置ケース45は後方斜め上向きに傾斜している。
符号302は、遠心クラッチ17を収容するクラッチ室を表している。ドライブ軸48が嵌め込まれたスプロケット49は、クラッチ室302の左側方に位置している。変速装置ケース45及びクラッチ室302は、エンジン主要部300に比べて幅(つまり、左右方向の長さ)が短い。そのため、変速装置ケース45及びクラッチ室302の左側方には、比較的広い余裕空間304が生じている。そこで、本実施形態では、この余裕空間304を吸気系部品154の設置スペースとして有効活用することとした。すなわち、吸気系部品154を、変速装置ケース45やクラッチ室302と接触しないように余裕空間304に配置することとした。逆に言うと、吸気系部品154を余裕空間304に配置することによって、吸気系部品154と変速装置ケース45との干渉を防止することができ、変速装置ケース45をエンジン主要部300の上方に配置することができる。
図4に示すように、シリンダヘッド20には、吸気管23aが接続されている。この吸気管23aは、前述の余裕空間304(図5参照)を通って後方に延びている。吸気管23aの中途部には、キャブレタ23が配設されている。吸気管23aの後端部には、エアクリーナ154Cが接続されている。
エアクリーナ154Cは、吸気管23aよりも大きな箱状のケーシングを備えている。そのため、エアクリーナ154Cの設置に際しては、比較的大きなスペースが必要となる。そこで、本実施形態では図6に示すように、エアクリーナ154Cは、エンジンユニット2の上方においてセカンダリーシーブ56と反対の側、つまり左側に配置されている。このようにエアクリーナ154Cがセカンダリーシーブ56と反対の側に設置されることにより、エアクリーナ154Cと変速装置ケース45との接触が防止されている。また、エアクリーナ154Cの一部は、側面から見てセカンダリーシーブ56と重なっている。その結果、エアクリーナ154Cは側面視において変速装置ケース45と一部重なっており、エアクリーナ154Cの一部は、側面視において変速装置ケース45の輪郭線の内側に位置している。これにより、エアクリーナ154C及びエンジンユニット2の全体の高さが低く抑えられている。
また、本エンジンユニット2では、セカンダリーシーブ56をプライマリーシーブ55やドライブ軸48よりも上方に配置したので、ドライブ軸48の周りに空間的な余裕が生じている。そのため、ドライブ軸48の周りのレイアウトを比較的自由に決定することができる。そこで、本実施形態に係る自動二輪車1では、ドライブ軸48をピポット軸100(図1参照)に近い位置に設けることとした。
本自動二輪車1によれば、例えば、リヤアーム8を長くすることができるので、操縦安定性を向上させることができる。また、ピポット軸100をセカンダリーシーブ軸47の軸心より下方に位置づけることができる。また、ドライブ軸48とピポット軸100とを近づけることができる。そのため、リヤアーム8がピポット軸100を中心として揺動する際に、ドライブ軸48に巻き掛けられているチェーン50の弛みを低減することができる。したがって、後輪7に対する駆動力の伝達効率を向上させることができ、また、チェーン50の弛みに起因する騒音の発生を抑制すること等が可能となる。
なお、上記実施形態では、ドライブ軸48の駆動力を伝達する伝動部材は、チェーン50であった。しかし、伝動部材はチェーン50に限定されず、伝動ベルトやドライブシャフト等であってもよい。伝動部材としてドライブシャフト等を用いた場合であっても、ドライブ軸48とピポット軸100との間の距離が短いことによって、ほぼ同様の効果を得ることができる。すなわち、リヤアーム8がピポット軸100を中心として揺動する際に、駆動力の伝達効率の低下を抑制することができる。
このように、ピポット軸100はドライブ軸48の後方近傍に設けられていることが好ましい。なお、ここで言う「近傍」の程度は特に限定されるものではないが、例えば、セカンダリーシーブ56の直径以内であることが望ましく、セカンダリーシーブ56の半径以内であることが特に望ましい。
図4に示すように、アイドル軸52は、ドライブ軸48の軸心とセカンダリーシーブ軸47の軸心とを結んだ仮想線Cよりも前方に配置されている。そのため、アイドル軸52の減速歯車(減速大ギヤ)75をプライマリーシーブ55に近づけることにより、側面視において減速歯車75をプライマリーシーブ55に一部重ねるように配置することができる。これにより、エンジンユニット2の後側部分をより小型化することが可能となる。なお、符号156はバランスウエイトである。
図4において、符号150は始動用キック軸(キックスタータ軸とも言う)を示している。この始動用キック軸150は、左右方向に延びており、ドライブ軸48の下方に配置されている(図6も参照)。また、始動用キック軸150は、側面視において変速装置ケース45の輪郭線の外側に位置している。すなわち、始動用キック軸150は、側面視において変速装置ケース45と重ならない位置に配置されている。
図7に示すように、始動用キック軸150は、クランクケース22に回転自在に支持されている。前述した通り、セカンダリーシーブ軸47はドライブ軸48と別々に構成され、セカンダリーシーブ軸47はエンジンユニット2の上側に配置されている。そのため、エンジンユニット2の下側には、比較的大きなスペースが形成されている。そこで、本実施形態では、始動用キック軸150を当該スペースに配置することとした。始動用キック軸150は、変速装置ケース45の下方に配置され(図4参照)、エンジンユニット2の側方から略水平方向に突出している。
始動用キック軸150は、変速装置ケース45と同様に、エンジン本体15の右側に設けられている。すなわち、始動用キック軸150と変速装置ケース45とは、エンジン本体15に対して同一の側に設けられている。
始動用キック軸150の先端には、始動用キック軸150に対して折りたたみ可能なキックペダル200が設けられている。また、始動用キック軸150の根元側には、スプリング202が設けられている。スプリング202は、キック時の回転方向とは逆方向に始動用キック軸150を付勢している。始動用キック軸150の根元側には、ギヤ204が同心状に固定されている。始動時には、このスプリング202の付勢力に抗して始動用キック軸150をキックする。すると、始動用キック軸150の回転は、ギヤ204を介して第1アイドル軸ギヤ208に伝達される。なお、符号206は、第1アイドル軸ギヤ208に嵌め込まれた第1アイドル軸である。
第1アイドル軸ギヤ208の回転は、第2アイドル軸210のギヤ212に伝達される。その結果、第2アイドル軸210が回転する。第2アイドル軸210の先端には、クランク軸28のギヤ220と噛み合うギヤ214が設けられている。そのため、第2アイドル軸210が回転すると、第2アイドル軸210の回転トルクがギヤ214及びギヤ220を介してクランク軸28に伝達され、クランク軸28が回転する。したがって、キックペダル200をキックすることによってクランク軸28を強制的に回転させることができ、エンジンを始動させることができる。
第1アイドル軸206及び第2アイドル軸210は、クランクケース22に回転自在に支持されている。図4に示すように、第1アイドル軸206及び第2アイドル軸210は、側面視において変速装置ケース45の下側において、変速装置ケース45と重なった位置に設けられている。ただし、第1アイドル軸206及び第2アイドル軸210は、側面視においてプライマリーシーブ軸55d及びセカンダリーシーブ軸47と重ならない位置に設けられている。このような配置により、始動用キック軸150を変速装置ケース45の下方に配置したにも拘わらず、プライマリーシーブ55及びセカンダリーシーブ56のレイアウトに影響を与えることなく、始動用キック軸150の回転をクランク軸28まで伝達することができる。
以上のように、本発明は、自動二輪車等の鞍乗型車両用のエンジン及び鞍乗型車両について有用である。

Claims (8)

  1. 左右方向に延びるクランク軸を有するエンジン本体と、
    前記クランク軸の回転に従って回転するプライマリーシーブと、左右方向に延びるセカンダリーシーブ軸を有するセカンダリーシーブと、前記プライマリーシーブと前記セカンダリーシーブとに巻き掛けられた伝動ベルトと、を有する変速機と、
    前記プライマリーシーブと前記セカンダリーシーブと前記伝動ベルトとを収容する変速機ケースと、
    前記エンジン本体の左右いずれか一方の側に設けられた始動用キック軸と、
    を備えた鞍乗型車両用エンジンであって、
    前記変速機ケースは、前記エンジン本体の左右両側のうち前記始動用キック軸が設けられている側に配置され、
    前記始動用キック軸は、側面視において前記変速機ケースの輪郭線の外側に配置されている鞍乗型車両用エンジン。
  2. 前記セカンダリーシーブは、前記プライマリーシーブよりも上方に配置され、
    前記始動用キック軸は、側面視において前記セカンダリーシーブの下方に配置されている請求項1記載の鞍乗型車両用エンジン。
  3. 前記セカンダリーシーブ軸と別軸に構成され、前記セカンダリーシーブ軸に直接又は間接的に連結されたドライブ軸を更に備えた請求項2記載の鞍乗型車両用エンジン。
  4. 左右方向に延びるアイドル軸を有し、前記セカンダリーシーブ軸と前記ドライブ軸とに連結された減速機構を更に備え、
    前記セカンダリーシーブ軸は、前記ドライブ軸よりも上方に配置され、
    前記アイドル軸は、側面視において前記ドライブ軸の軸心と前記セカンダリーシーブ軸の軸心とを結んだ仮想線よりも前記プライマリーシーブ側に配置され、
    前記ドライブ軸は、側面視において前記変速機ケースの輪郭線の内側に配置されている請求項3記載の鞍乗型車両用エンジン。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の鞍乗型車両用エンジンを備えた鞍乗型車両。
  6. 前記ドライブ軸が前記クランク軸よりも後方に位置するような姿勢で前記鞍乗型車両用エンジンを支持する車両本体と、
    前記車両本体に揺動自在に支持され、後輪を支持するリヤアームと、
    前記ドライブ軸から前記後輪に駆動力を伝達する伝動部材と、を備え、
    前記車両本体における前記リヤアームの支持点は、側面視において前記鞍乗型車両用エンジンの後方に位置している請求項5記載の鞍乗型車両。
  7. 前記車両本体における前記リヤアームの支持点は、前記セカンダリーシーブ軸の軸心よりも下方に位置している請求項6記載の鞍乗型車両。
  8. 前記車両本体における前記リヤアームの支持点は、前記ドライブ軸の後方近傍に位置している請求項6記載の鞍乗型車両。
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