JPWO2004013514A1 - ダンパー装置 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる従来のダンパー装置としては、日本国公開特許公報特開平5−296267号に開示された構造のものが知られている。
すなわち、従来のダンパー装置200は、図29に示すように、中空円筒状のシリンダー202の内部に円柱状の回転軸203を回転自在に挿入するとともに、シリンダー202と回転軸203との間に逆止弁204を形成している。
シリンダー202は、内周壁に左右一対の仕切壁202aを内側に向けて突設するとともに、同仕切壁202aの先端部で回転軸203を回転自在に支持しており、内部空間205にオイルを充填している。
回転軸203は、半径方向に放射状に翼部206を突設するとともに、同翼部206の先端部とシリンダー202の内周壁との間に逆止弁204を形成しており、これらの翼部206と逆止弁204とでシリンダー202の内部空間205を回転軸203の回転方向前方側に形成される加圧室205aと回転軸203の回転方向後側に形成される減圧室205bとに二分割している。
逆止弁204は、外側部がシリンダー202の内周面に接し、一方、内側部が回転軸203の翼部206を囲んでおり、内側部と翼部206との間に加圧室205aと減圧室205bとを連通する連通路207を形成するとともに、連通路207の減圧室205b側に制御口208を形成している。
なお、図中、209はOリング、210はシリンダー202の先端を封止するためのキャップである。
そして、ダンパー装置200は、回転軸203を前方側に向けて回転させた場合には、翼部206と逆止弁204との間隙が無くなり、逆止弁204によって加圧室205aから減圧室205bへと流れるオイルの量が制限され、これにより、回転軸203の回転速度が抑制され、一方、回転軸203を後方側に向けて回転させた場合には、翼部206と逆止弁204との間隙が開放された状態となり、オイルの流量が制限されることが無くなり、これにより、回転軸203が円滑に回転するようにしている。
このようにして、回転軸203が前方側に回転する場合には逆止弁204が作用することによって大きな制動力が回転軸203に作用する一方、回転軸203が後方側に回転する場合には逆止弁204が作用しないことによって小さな制動力が回転軸203に作用するように構成している。
上記構成のダンパー装置200は、図30に示すように、便器上に設置された洗浄装置本体212と便座213や便蓋214との間に介設されている。
そして、使用者が便座213や便蓋214を軽く下方に向けて押し下げるだけで、便座213や便蓋214がダンパー装置200の作用でゆっくりと下方に向けて回転し、これにより、便蓋213や便座214が便器に衝突して衝撃を受けるのを未然に緩和できるようにしている。
ところが、上記従来のダンパー装置200にあっては、シリンダー202と回転軸203との間に逆止弁204を形成していたため、シリンダー202と回転軸203とが製造上の寸法誤差に起因して、シリンダー202に回転軸203を組付ける際に回転軸203の組付け位置が軸線方向に容易にずれてしまい、シリンダー202の底壁と翼部206との間の間隙に個体差(ばらつき)が生じるおそれがあった。
このように生産時にシリンダー202の底壁と翼部206との間の間隙に個体差が生じると、その間隙を通して加圧室205aから減圧室205bへ流れ込むオイルの量が異なってしまい、ダンパー装置200による回転軸203の制動力がダンパー装置200ごとに異なり、ダンパー装置200の品質・特性を安定させることができなかった。
また、回転しないシリンダー202と回転する回転軸203との間に逆止弁204を形成していたため、逆止弁204が作動して制動力を発生する際に、逆止弁204がシリンダー202に強く押圧されることになり、逆止弁204が磨耗によって破損してしまうおそれがあり、ダンパー装置200の耐久性に問題があった。
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記選択連通路を形成する前記側壁は、前記回転軸に着脱可能に係止させた側壁部材で形成することにした(実施例1〜実施例5を参照)。
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記逆止弁は、前記選択連通路の中途部の前記翼部及び/又は前記側壁部材に形成した弁体収容室に前記選択連通路を開閉する弁体を移動可能に配設することにした(実施例1、実施例2を参照)。
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項3に係る本発明において、前記側壁部材を前記回転軸の軸線方向に移動可能に配設するとともに、前記弁体が閉止動作時に接する閉止部を形成する前記弁体又は前記側壁部材の少なくとも一方に、前記弁体の移動方向及び前記回転軸の軸線方向に対して傾斜した傾斜面を形成することにした(実施例1、実施例2を参照)。
また、請求項5に係る本発明では、前記請求項4に係る本発明において、前記弁体は、略円柱状に形成することにした(実施例1、実施例2を参照)。
また、請求項6に係る本発明では、前記請求項1〜請求項5のいずれかに係る本発明において、前記前側オイル室と前記後側オイル室との間に前記粘性流体の内圧が上昇した場合に流路断面積を増加させるように弾性変形する弾性流路部材を設けたバイパス流路を形成するとともに、前記弾性流路部材として前記側壁部材と前記シリンダーとの間を封止する封止部材を用いることにした(実施例1、実施例2を参照)。
また、請求項7に係る本発明では、前記請求項6に係る本発明において、前記弾性流路部材として、Oリングを用いることにした(実施例1、実施例2を参照)。
また、請求項8に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記逆止弁は、前記翼部と接離する弁体を前記回転軸の円周方向に移動可能に配設することにした(実施例3〜実施例5を参照)。
また、請求項9に係る本発明では、前記請求項8に係る本発明において、前記弁体が閉止動作時に接する閉止部を形成する前記弁体又は前記翼部の少なくとも一方に、前記弁体の移動方向及び前記回転軸の軸線方向に対して傾斜した傾斜面を形成することにした(実施例3〜実施例5を参照)。
また、請求項10に係る本発明では、前記請求項8又は請求項9に係る本発明において、前記弁体は、前記回転軸に遊嵌した略円環状のリング部に前記翼部と接離する弁体部を形成することにした(実施例3〜実施例5を参照)。
また、請求項11に係る本発明では、前記請求項8〜請求項10のいずれかに係る本発明において、前記前側オイル室と前記後側オイル室との間に前記粘性流体の圧力が上昇した場合に流路断面積を増加させるように弾性変形する弾性流路部材を設けたバイパス流路を形成するとともに、前記弾性流路部材として前記弁体を用いることにした(実施例3〜実施例5を参照)。
また、請求項12に係る本発明では、前記請求項1〜請求項11のいずれかに係る本発明において、前記前側オイル室と前記後側オイル室との間で移動する前記粘性流体の流量を前記回転軸の回転角度に応じて調節するための速度調節流路を前記側壁と前記翼部との間に形成し、前記速度調節流路は、前記回転軸の回転角度の増加に伴って流路断面積が減少するように構成することにした(実施例2〜実施例5を参照)。
また、請求項13に係る本発明では、前記請求項12に係る本発明において、前記速度調節流路は、前記回転軸の回転終端側の流路断面積が複数段階に減少するように構成することにした(実施例3〜実施例5を参照)。
また、請求項14に係る本発明では、前記請求項1〜請求項13のいずれかに係る本発明において、前記オイル室に前記粘性流体を充填するときに前記オイル室に残存する気体を外部に逃がすためのエア抜き溝を前記シリンダーに形成することにした(実施例1〜実施例5を参照)。
図2は、第1実施例に係るダンパー装置を示す断面図である。
図3は、第1実施例に係るダンパー装置のシリンダー及び回転軸を示す側面図である。
図4は、第1実施例に係るダンパー装置の逆止弁(閉弁状態)を示す説明図である。
図5は、第1実施例に係るダンパー装置の逆止弁(開弁状態)を示す説明図である。
図6は、第1実施例に係るダンパー装置の回転体を示す拡大斜視図である。
図7は、第1実施例に係るダンパー装置のシリンダーを示す拡大斜視図である。
図8は、第2実施例に係るダンパー装置を示す断面図である。
図9は、第2実施例に係るダンパー装置のシリンダー及び回転軸を示す側面図である。
図10は、第2実施例に係るダンパー装置のオイル流路を示す模式図である。
図11は、第2実施例に係るダンパー装置を便座に取付けた状態を示す側面図である。
図12は、便座の回転角度と角速度との関係を示すグラフである。
図13は、第3実施例に係るダンパー装置を示す分解斜視図である。
図14は、第3実施例に係るダンパー装置を示す断面図である。
図15は、第3実施例に係るダンパー装置のシリンダー及び回転軸を示す側面図である。
図16は、第3実施例に係るダンパー装置の逆止弁(閉弁状態)を示す側面図である。
図17は、第3実施例に係るダンパー装置の逆止弁(閉弁状態)を示す斜視図である。
図18は、第3実施例に係るダンパー装置の逆止弁(閉弁状態)を示す拡大図である。
図19は、第3実施例に係るダンパー装置の逆止弁(開弁状態)を示す側面図である。
図20は、第3実施例に係るダンパー装置の逆止弁(開弁状態)を示す斜視図である。
図21は、第3実施例に係るダンパー装置の逆止弁(開弁状態)を示す拡大図である。
図22は、第3実施例に係るダンパー装置の回転軸を示す斜視図である。
図23は、便座の回転角度と角速度との関係を示すグラフである。
図24は、第3実施例に係るダンパー装置の回転軸と弁体を示す断面図である。
図25は、第3実施例に係るダンパー装置の回転軸と弁体を示す断面図である。
図26は、第4実施例に係るダンパー装置を示す分解斜視図である。
図27は、第5実施例に係るダンパー装置を示す分解斜視図である。
図28は、ダンパー装置のオイル流路を示す模式図である。
図29は、従来のダンパー装置を示す側面図(a)、A−A断面図(b)である。
図30は、従来のダンパー装置を便器に組み込んだ状態を示す斜視図である。
しかも、本発明では、移動制限流路をシリンダー内壁と翼部との間に形成するとともに、選択連通路を翼部と前記2つの側壁のうちの一方の側壁との間に形成し、側壁と逆止弁とが翼部の回転に伴って回転するようにしたものである。
特に、選択連通路を形成する側壁は、回転軸に着脱可能に係止させた側壁部材で形成したものである。
具体的には、ダンパー装置は、内部に中空状のオイル室を形成する略円筒状のシリンダーの内部に円柱状の回転軸を回転自在に配設し、同回転軸にシリンダーのオイル室の内周壁に沿って摺動する翼部を回転軸の半径方向に向けて突設して、同翼部によってシリンダーのオイル室を回転方向前方側に形成される前側オイル室と回転方向後側に形成される後側オイル室とに二分するとともに、回転軸の軸線方向へ向けて移動可能で、かつ、回転軸と一体的に回転する側壁部材としての回転体を回転軸に連設し、シリンダー内壁と翼部との間に移動制限流路を形成するとともに、回転軸の翼部と回転体との間に前側オイル室と後側オイル室とを連通する選択連通路を形成し、同選択連通路に逆止弁を形成し、さらには、シリンダーのオイル室に粘性流体としてのオイルを充填するとともに、シリンダーのオイル室を蓋で密封している。
このように、シリンダーのオイル室側壁と回転軸の翼部との間に形成された選択連通路に逆止弁を形成しているため、シリンダーに回転軸や逆止弁を順に組み付けていくことでダンパー装置を製造することができ、ダンパー装置の製造が容易なものとなり、製造コストを低減することができる。
特に、オイル室の側壁を回転軸と一体的に回転する回転体で形成した場合には、一体的に回転する回転軸と回転体との間に逆止弁が形成されることになり、逆止弁がシリンダーの内周壁に接しておらず、ダンパー装置を長期間にわたって使用しても逆止弁が磨耗して逆止弁とシリンダーの内周壁との間に間隙が形成されることが無く、ダンパー装置の長寿命化を図ることができる。
以下に、本発明に係るダンパー装置の実施例について図面を参照しながら説明する。
(第1実施例)
第1実施例としてのダンパー装置1は、図1に示すように、シリンダー20、回転軸30、逆止弁40、回転体50、蓋60を有している。図中、29,59はシリンダー20の内部にオイルを密封するための封止部材としてのOリングであり、また、70は永久磁石であり、かかる永久磁石70は、ダンパー装置1の近傍位置に配設されたホールICによって回転軸30の回転位置(回転角度)を検出するためのものであり、回転位置を検出する必要がない場合には省略されることがある。
シリンダー20は、オイル室を形成する中空部を有する有底円筒状に形成されており、底部には、図2に示すように、回転軸30を回転自在に支持するための貫通孔21を形成している。また、シリンダー20は、図3に示すように、内壁の底部側に一対の仕切壁22,22を対向させた状態で形成するとともに、図2に示すように、内壁の開放端側に雌ネジ部23を形成している。さらに、シリンダー20は、図7に示すように、内壁の中途部にオイル充填時のエアー抜き溝25を形成している。
回転軸30は、シリンダー20の内部に回転自在に配設されている。
この回転軸30は、略円柱状に形成されており、基端側(図1及び図2中の左端側)に略円柱状の出力軸31を形成し、外周に一対の翼部35,35を対向させた状態で半径方向に向けて突設し、先端側(図1及び図2中の右端側)に断面略矩形状の連結軸34を形成している。
ここで、出力軸31は、便座や便蓋などの開閉軸に連結するための連結孔32を中心部に形成している。また、出力軸31は、外周にOリング29を嵌入するためのOリング溝36を形成している。
また、翼部35は、シリンダー20の内部で回転軸30が回転する際に、シリンダー20の中空部の内周壁に沿って摺動する。この翼部35は、シリンダー20の中空部を回転軸30の回転方向前方側に形成される前側オイル室(加圧室A1,B1)と回転軸30の回転方向後側に形成される後側オイル室(減圧室A2、B2)とに二分している。そして、この翼部35とシリンダー20の内壁との間には、所定の間隙を設けて前側オイル室と後側オイル室との間のオイルの移動を制限して、回転軸30が回動する際に、所定の制動力が働くようにするための移動制限流路が形成されている。さらに、翼部35は、逆止弁40を構成する弁体40’を収容するための弁収容凹部33を後端部(図1及び図2中の右端部)に形成している。
回転体50は、回転軸30に着脱可能に係止されており、しかも、回転軸30の連結軸34に軸線方向へ向けて移動可能に連設されている。また、回転体50は、回転軸30と一体的に回転する。この回転体50の内側端面は、シリンダー20の内部のオイル室の一方の側壁を形成している。なお、オイル室のもう一方の側壁は、シリンダー20の底壁によって形成されている。
この回転体50は、シリンダー20の内径よりもわずかに小さい外径の略円柱状に形成されており、前端側(図1及び図2中の左端側)の中央部に連結軸34と連結する連結孔51を形成するとともに、前端側の周辺部に逆止弁40を構成する弁体40’を収容するための弁収容凹部52を形成している。また、回転体50は、外周にOリング59を嵌入するためのOリング溝53と同Oリング溝53に通じる一対のバイパス溝55,55を形成している(図6参照)。
蓋60は、有底円筒状に形成されており、シリンダー20の雌ネジ部23に螺着するための雄ネジ部61を外周に形成している。また、蓋60は、シリンダー20の内部に配設した回転軸30や回転体50がシリンダー20から抜け出るのを防止するとともに、中空部で回転体50を回転自在に支持している。さらに、蓋60は、組立用専用治具(回転工具)を装着するための装着溝62を後端(図1及び図2中の右端)に形成している。
ダンパー装置1は、回転軸30の翼部35と回転体50との間に前側オイル室と後側オイル室とを連通する連通路52aを形成しており、この連通路52aに逆止弁40を形成している。かかる連通路52aは、オイルが前側オイル室から後側オイル室へ移動する際に回転軸30の回転方向に応じてオイルの移動を選択的に制限する逆止弁40を備えた選択連通路として機能する。
そして、逆止弁40は、図4〜図6に示すように、翼部35に形成した弁収容凹部33と回転体50に形成した弁収容凹部52とで構成した弁体収容室に円柱状の弁体40’を回転軸30の接線方向に移動可能に収容して構成している。この弁体収容室の間隙は、中央部では弁体40’の外径よりもわずかに広くして弁体40’が移動できるようにしており、両端部では弁体40’の外径よりも狭くし、かつ、弁体40’の円柱半径よりわずかに大きな曲率半径の湾曲状として、弁体40’の移動を規制するようにしている。また、弁収容凹部52の中央部には、一端を弁収容凹部33の一端と対向する位置に、また、他端を弁収容凹部33の端部よりも外方にずらした位置に断面視で湾曲状に連通路52aを形成している。このように、弁体収容室の端部及び弁体40’の外形(円柱面)は、弁体40’の移動方向及び回転軸30の軸線方向に対して傾斜した傾斜面を形成している。なお、本実施例では、弁体収容室(弁収容凹部33,52)と弁体40’の双方に傾斜面を形成しているが、これに限られず、どちらか一方を傾斜面としてもよい。
そして、逆止弁40は、図4に示すように、弁体40’が減圧室側の端部に位置する場合には、連通路52aが弁体40’によって閉止され、加圧室A1から減圧室A2に向けて連通路52aを通してオイルが流動できず、一方、図5に示すように、弁体40’が加圧室側の端部に位置する場合には、連通路52aが弁体40’によって完全には閉止されず、加圧室A1から減圧室A2に向けて連通路52aを通してオイルが流動する。
したがって、回転軸30を前方(図1及び図3中に矢印Rで示す方向)に向けて回動すると、翼部35によって加圧室A1,B1のオイルが加圧され、オイルが加圧室A1,B1から減圧室A2,B2へと連通路52aを通じて流れ込もうとし、それに伴って、弁体40’も弁体収容室の減圧室側の端部に移動し、図4に示すように、弁体40’によって連通路52aが閉塞される。その際に、弁体40’は、オイルから受ける押圧力によって弁体収容室の端部の壁面に押し付けられるが、接触面は移動方向に対して前述したような傾斜面となっているため、押圧力の分力によって弁体40’が回転軸30と回転体50とを回転軸30の軸線方向に向けて互いを離反させるように作用する。これにより、シリンダー20、回転軸30及び回転体50の関連する部位の寸法の製作ばらつきによって、これらを組付けた後に軸線方向の多少のがたがあっても、回転軸30とシリンダー20の底部との間隙は無くなる。そのため、加圧室A1,B1の内部のオイルは、翼部35とシリンダー20との間に形成された移動制限流路からのみ減圧室A2,B2へと流れ込み、その際の抵抗によって回転軸30に所定の制動力が作用することになる。
一方、回転軸30を後方(図1及び図3中に矢印Rで示す方向とは反対方向)に向けて回動すると、先程とは逆に、オイルが減圧室A2,B2から加圧室A1,B1へと連通路52aを通じて流れ込もうとし、それに伴って、弁体40’も加圧室側の端部に移動するが、図5に示すように、連通路52aは閉塞されずに開放状態となる。そのため、オイルが減圧室A2,B2から加圧室A1,B1へと連通路52aを通じて円滑に流れ込み、その際の抵抗が小さいことから回転軸30にほとんど制動力が作用しないことになる。
このようにして、ダンパー装置1は、回転軸30が一方側に回転する場合には逆止弁40が作用することによって適度な制動力が回転軸30に作用し、一方、回転軸30が他方側に回転する場合には逆止弁40が作用しないことによってほとんど制動力が回転軸30に作用しないようにするワンウェイ機能を有している。
このように、本実施例に係るダンパー装置1では、一体的に回転する回転軸30と回転体50との間に前述したワンウェイ機能を持たせるための連通路52aと逆止弁40とを配設しているため、弁体40’は、回転軸30の回転に伴って連通路52aの壁面に接離するだけで、他部材に押圧された状態で摺動することがない。そのため、弁体40’は、磨耗することなく常に一定の接触状態で流路を封止することができ、これにより、ダンパー装置1の耐久性を向上させることができる。しかも、本実施例に係るダンパー装置1では、弁体収容室に弁体40’を投入するだけで弁体40’の設置が完了するため、逆止弁40の構成を簡略化することができ、ダンパー装置1の製造作業を容易なものとすることができるとともに、ダンパー装置1の製造コストを低減することができる。
次に、回転体50に設けたバイパス流路の機能について説明する。図6に示すようにバイパス流路は、回転体50に浅く形成されたバイパス溝55,55とオイルを封止してオイル室を形成するためのOリング59を収容したOリング溝53とで構成しており、このバイパス溝55,55は、Oリング溝53に連通している。そして、Oリング溝53には、Oリング59が装着されており、通常動作時においては、Oリング溝53はOリング59によって閉塞されているが、前側オイル室(加圧室A1,B1)の内圧が通常動作時よりも上昇した場合においては、内圧によってOリング59がさらに変形して、バイパス溝55,55同士がOリング溝53を介して連通することによって、翼部35の近傍に前側オイル室から後側オイル室へ向けてオイルを流すためのバイパス流路が形成される。このように、バイパス流路には、オイルの内圧が上昇した場合に流路断面積を増加させるように弾性変形する弾性流路部材を設けている。
そのため、強制的に便蓋を閉じた場合などのように回転軸30の急激な回転にともなって前側オイル室の内圧が急激に上昇した場合には、前述した移動制限流路だけでなくバイパス流路からも前側オイル室から後側オイル室へとその内圧に応じてオイルの一部が流れ込んで上昇した内圧を低下させる。これにより、前側オイル室の内圧の上昇に起因してオイルの漏洩などのダンパー装置の破損を未然に防止することができるようになっている。
特に、オイル室を密閉するOリング59の弾性変形によってバイパス流路を形成するようにしているため、バイパス流路を形成するための専用部材を設ける必要がなくなり、ダンパー装置1を構成する部品点数を削減することができ、ダンパー装置1の製造を容易なものとすることができるとともに、ダンパー装置1の製造コストを低減することができる。
次に、シリンダー20に設けたエアー抜き溝25の機能について説明する。ダンパー装置1は、シリンダー20に回転軸30を装着した後に、内部空間にオイルを充填し、その後、シリンダー20に回転体50を装着することによって組み立てる。このとき、回転体50とオイル面との間にエアーが混入して残存することがあるが、この残存エアーをエアー抜き溝25を通して円滑に抜き出せるようにしている。これにより、ダンパー装置1の組立時にオイル室に残存したエアーを抜き出すことができ、動作時にオイルに前記残存エアーが混入することに起因してダンパー装置1の制動力にばらつきが生じるのを防止することができ、ダンパー装置1の品質・特性を安定させることができる。
以上に説明したように、本実施例に係るダンパー装置1では、シリンダー20のオイル室側壁と回転軸30の翼部35との間に形成された連通路52aに逆止弁40を形成しているため、シリンダー20に回転軸30や逆止弁40を順に組み付けていくことでダンパー装置1を製造することができ、ダンパー装置1の製造が容易なものとなり、製造コストを低減することができる。
特に、オイル室の側壁を回転軸30と一体的に回転する回転体50で形成しているため、一体的に回転する回転軸30と回転体50との間に逆止弁40が形成されることになり、逆止弁40がシリンダー20の内周壁に接しておらず、ダンパー装置1を長期間にわたって使用しても逆止弁40が磨耗して逆止弁40とシリンダー1の内周壁との間に間隙が形成されることが無く、ダンパー装置1の長寿命化を図ることができる。
また、回転軸30に回転体50を軸線方向へ向けて移動可能に配設し、かつ、逆止弁40の接離部を軸線方向に対して傾斜面となるように構成しているため、ダンパー装置1の作動時に回転体50と回転軸30とを互いに軸線方向に離反させることによって不要なオイル流路の形成を防止することができ、これにより、回転軸30の製造誤差(寸法ばらつき)を吸収することができ、ダンパー装置1の品質・特性を安定させることができる。
また、連通路52aの中途部に形成した弁体収容室(弁収容凹部33,52)に弁体40’を移動可能に配設して、この弁体40’の移動によって連通路52aを開閉するように逆止弁40を構成しているため、弁体40’を弁体収容室に安定して保持することができ、ダンパー装置1の品質・特性を安定させることができるとともに、逆止弁40の構成を簡略化することができて、ダンパー装置1の製造作業を容易なものとすることができ、ダンパー装置1の製造コストを低減することができる。
さらに、弁体40’を円柱形状として形状の対称性を高めているため、組付け時に組込み方向に気を配る必要がなく、ダンパー装置1の製造コストを低減することができる。
(第2実施例)
第2実施例としてのダンパー装置2は、図7及び図8に示すように、概ね第1実施例に係るダンパー装置1と同様の構成となっているが、シリンダー20の側壁と翼部35との間に速度調節流路24を形成している点が異なっている。なお、説明を簡略化するために、第1実施例と同様の機能を有する部材には同一の符号を付しており、既に第1実施例において説明した部分については具体的な説明を省略している。
この速度調節流路24は、前側オイル室(加圧室A1,B1)及び後側オイル室(減圧室A2、B2)と翼部35との間で前側オイル室と後側オイル室とを連通させるものであり、前側オイル室と後側オイル室との間で移動するオイルの流量を回転軸30の回転角度に応じて変化させて回転軸30に作用する制動力を調節することによって所定の速度に設定するものである。本実施例では、回転軸30の回転角度の増加に伴って流路断面積が減少するように形成しているが、用途に応じて任意の流路断面積にすることによって、種々の動作速度とすることが可能である。
このように、連通路52aとは別個に速度調節流路24を形成することで、ダンパー装置2の回転軸30が回動する際に、連通路52aが逆止弁40によって閉塞された場合でも、オイルは前述した移動制限流路と速度調節流路24の2つのオイル流路を通じて前側オイル室から後側オイル室へと流れ込むことになり、これにより、回転軸30に作用する制動力は、この2つのオイル流路の流路抵抗を合わせた流路抵抗に比例し、概ね両者の断面積に応じた大きさとなる。
この速度調節流路24は、回転軸30の回転角度が小さい範囲では速度調節流路24を比較的深く形成するとともに、回転軸30の回転角度が大きい範囲では速度調節流路24を比較的浅く形成しており、これにより、回転軸30の回転角度が小さい範囲内では回転軸30への制動力を小さくして、回転軸30が比較的早く回転するようにする一方、回転軸30の回転角度が大きい範囲内では回転軸30への制動力を大きくして、回転軸30が比較的遅く回転するようにしている。
具体的には、速度調節流路24は、図10に模式的に示したように、仕切壁22の基部から40度の範囲(回転軸30の回転角度が0〜40度の範囲)では移動制限流路の断面積に比較して充分大きい断面積となるような一定の深さで深く形成し、40度から90度の範囲では徐々に浅くなるように形成し、90度から120度の範囲では形成しないようにしている。なお、本実施例では、2個の仕切壁22の間を120度として回転軸30が120度だけ回転するようにしている。
これにより、回転軸30の回転角度が0〜40度の範囲では、大部分のオイルが移動制限流路より流動抵抗が格段に小さい速度調節流路24を通じて前側オイル室から後側オイル室へと流れ込むことになり、移動制限流路によってオイルの流動を抑制する力が相対的に弱まって回転軸30に作用する制動力はほとんど無くなり、回転軸30が比較的早く回転する。なお、回転軸30が比較的早く回転する領域(回転軸30の回転角度が0〜40度の範囲)をクイックスタート領域と呼ぶ。
また、回転軸30の回転角度が40〜90度の範囲では、速度調節流路24を通じて前側オイル室から後側オイル室へと流れ込むオイルの量が徐々に少なくなり、移動制限流路による制動力の寄与割合が増加することによって回転軸30に作用する制動力が徐々に大きくなって、回転軸30の回転速度が徐々に遅くなる。
さらに、回転軸30の回転角度が90〜120度の範囲では、速度調節流路24を通じて前側オイル室から後側オイル室へと流れ込むオイルの量が殆どなくなり、移動制限流路によってオイルの流動を抑制する力が相対的に強まって回転軸30に作用する制動力が大きくなって、回転軸30が比較的遅く回転する。なお、回転軸30が比較的遅く回転する領域(回転軸30の回転角度が90〜120度の範囲)をスローエンド領域と呼ぶ。
このように、本実施例に係るダンパー装置2では、回転軸30の回転角度が小さい範囲では速度調節流路24を深く形成するとともに、回転軸30の回転角度が大きい範囲では速度調節流路24を浅く形成しているため、回転軸30の回転角度が小さい始動時では回転軸30が早く回転し、回転軸30の回転角度が大きい終動時では回転軸30が遅く回転することになり、回転に要する時間を短縮させつつ終動時の衝撃を緩和させることができる。
このダンパー装置2を図11に示すように便器の便座80の開閉部に組み込んだ場合、便座80の開放角θと便座80の角速度ωとの関係は、図12に示すように、ダンパー装置2のクイック領域(便座80の開放角θが120〜80度の範囲)では、便座80の角速度ωが徐々に早くなり、その後(便座80の開放角θが80〜30度の範囲では)、徐々に便座80の角速度ωが徐々に遅くなり、ダンパー装置2のスローエンド領域(便座80の開放角θが30〜0度の範囲)では、便座80の角速度ωが徐々に遅くなる。ここで、便座80の開放角θは、図11に示すように、便座80が閉止した状態を始点として、その状態からの便座80の回転角度を示している。
なお、クイックスタート領域やスローエンド領域の範囲は、ダンパー装置2を組み込む装置に応じて適宜設定すればよい。
以上に説明したように、本実施例では、速度調節流路24をシリンダー20の底壁に形成しているため、速度調節流路24を形成するための専用部材を設ける必要がなくなり、ダンパー装置2を構成する部品点数を削減することができ、ダンパー装置2の製造を容易なものとすることができるとともに、ダンパー装置2の製造コストを低減することができる。
(第3実施例)
第3実施例としてのダンパー装置3は、図13に示すように、シリンダー120、回転軸130、逆止弁150、回転体160、ナット170を有している。図中、129,169,179はシリンダー120の内部を密封するためのOリングである。
シリンダー120は、中空部を有する円筒状に形成されており、図14に示すように、内周面の中途部には、回転軸130を回転自在に支持するために両端部よりわずかに径小な円筒面とした縮径部124を形成し、外周底部には、取付座部122を形成している。また、シリンダー120は、図15に示すように、内壁の底部側に一対の仕切壁123,123を対向させた状態で縮径部124の範囲に形成している。
回転軸130は、基端側(図13及び図14中の左端側)には便座や便蓋などの開閉軸に連結するための連結孔141を中心部に有した出力軸131を形成し、中途部外周にはオイル室の側壁を構成する円柱部134を形成するとともに、同円柱部134の外周にOリング129を嵌入するためのOリング溝133を形成している。また、回転軸130は、図22に示すように、中途部外周に一対の翼部135,135を対向させた状態で半径方向に向けて突設しており、各翼部135の先端部(図13及び図14中の右端部)には、傾斜状の翼端部136を形成している。この翼部135は、シリンダー120の中空部を回転軸130の回転方向前方側に形成される前側オイル室(加圧室A101,B101)と回転軸130の回転方向後側に形成される後側オイル室(減圧室A102、B102)とに二分している。また、回転軸130は、先端側(図13及び図14中の右端側)に略円柱状の連結軸137を形成し、同連結軸137の外周にナット170を螺着するための雄ネジ部140と回転体160を回動不能に係合するための係合部142とを形成している。さらに、回転軸130は、翼部135,135と連結軸137との間に逆止弁150を構成する弁体150’を装着するための弁体装着軸138を形成し、同弁体装着軸138に凹部139を軸線方向に向けて形成している。
また、図15に示すように、翼部135の外径は、シリンダー120の縮径部124の内径よりわずかに小さく形成されており、シリンダー120の内部で回転軸130が回転する際に、シリンダー120の中空部の内周壁と所定の微小な間隙を保った状態で摺動する。そして、この所定の微小な間隙が前側オイル室と後側オイル室との間でオイルの移動を制限して、回動軸130に所定の制動力を作用させる移動制限流路として機能する。
回転体160は、回転軸130の連結軸137を挿通するための貫通孔163を形成するとともに、外周にOリング169を嵌入するためのOリング溝161を形成する一方、貫通孔163の内周にOリング179を装着するためのOリング溝162と、連結軸137に設けた係止部142と係合する係合部とを形成している。そして、回転体160は、シリンダー120の中空部を密封するための蓋として機能しており、シリンダー120の中空部に充填したオイルがシリンダー120から漏れ出るのを防止している。この回転体160の内側端面は、シリンダー120の内部のオイル室の一方の側壁を形成している。なお、オイル室のもう一方の側壁は、回転軸130の円柱部134の先端側(図13及び図14中の右端側)で形成されている。
ナット170は、中心部に回転軸130の連結軸137に設けた雄ネジ部140に螺着するための雌ネジ部171を形成している。そして、回転体160は、連結軸137の雄ネジ部140にナット170を螺着することによって、回転軸130と一体的に回転可能に固定される。
ダンパー装置3は、シリンダー120の縮径部124を回転軸130の円柱部134と回転体160とで挟み込んだ状態で組付けることによって、回転軸130と回転体160とをシリンダー120の内部に回転自在に配設させている。また、回転軸130の翼部135の翼端部136と回転体160との間に前側オイル室と後側オイル室とを連通する間隙が形成されるが、この間隙に弁体150’を回転軸130の円周方向及び軸線方向に向けて移動可能に配設することによって逆止弁150を形成している。したがって、この間隙は、オイルが前側オイル室から後側オイル室へ移動する際のオイル流路となる連通路152aを形成するが、逆止弁150によって回転軸130の回転方向に応じてオイルの移動を選択的に制限する選択連通路として機能する。
この弁体150’は、適度な弾性変形可能なリング部152と、このリング部152に対向させた状態で突設した一対の弁部151,151とで構成している。この弁部151は、端部に回転軸130の回転方向に対して斜め方向に傾斜させたシール面157を有している。これにより、翼部135と弁体150’との閉止部に、弁体150’の移動方向及び回転軸130の軸線方向に対して傾斜した傾斜面が形成されることになる。なお、本実施例では、翼部135の翼端部136と弁体150’の弁部151の両方に傾斜面を形成しているが、これに限られず、翼端部136又は弁部151のいずれか一方だけに形成してもよい。
また、図16に示すように、弁体150’のリング部152の内周部には、弁体装着軸138に形成した凹部139に係入する凸部153を形成している。そして、弁体150’は、凸部153が凹部139に当接する範囲で回転軸130の円周方向に回転するようにしている。これにより、弁体150’は、連通路152aを開放する場合でも適度な位置までしか移動しないため、開放状態から閉塞動作に移る場合に速やかに閉止位置に戻ることができ、制動力が迅速に作用するようになっている。
そして、逆止弁150は、図16〜図17に示すように、弁体150’の弁部151と回転軸130の翼部135の翼端部136とが接触している場合には、連通路152aが弁部151によって閉止され、加圧室A101から減圧室A102に向けて連通路152aを通してオイルが流動できず、一方、図19〜図20に示すように、弁体150’の弁部151と回転軸130の翼部135の翼端部136とが離反している場合には、加圧室A101から減圧室A102に向けて連通路152aを通してオイルが流動する。
以上のように構成されたダンパー装置3の回転軸130を前方(図16中に矢印Rで示す方向)に向けて回動すると、翼部135によって加圧室A101,B101のオイルが加圧され、そのオイルが加圧室A101,B101から減圧室A102,B102へと連通路152aを通じて流れ込もうとし、それに伴って、弁体150’の弁部151が翼部135の翼端部136に近接する方向に移動を開始し、やがて、図17に示すように、両者は接触する。このとき、弁部151は、図18に示すように、オイルから符号155で示す方向の力を受けて、翼部135に形成された傾斜した翼端部136に沿って回転体160の方向に近づきながら更に回転方向にも移動を続け、最終的に符号156で示す方向の力によって翼端部136と回転体160とに押し付けられた状態で停止する。そして、弁体150’によって連通路152aが完全に閉塞される。したがって、オイルは、前述した移動制限流路と速度調節流路132を通じて加圧室A101,B101から減圧室A102,B102へと移動し、所定の大きさの制動力が回転軸130に作用することとなる。
一方、回転軸130を後方(図17中に矢印Rで示す方向)に向けて回動すると、先程とは逆に、オイルが減圧室A102,B102から加圧室A101,B101へと連通路152aを通じて流れ込もうとし、それに伴って、弁体150’が翼部135から離反する方向に移動し、これにより、図20及び図21に示すように、連通路152aが所定の間隔で開放される。そのため、オイルが減圧室A102,B102から加圧室A101,B101へと連通路152aを通じて円滑に流れ込むようになる。その際、連通路152aの流路断面積は、前述した移動制限流路や速度調節流路132などの他のオイル流路の流路断面積よりも大きく設定されているため、回転軸130にほとんど制動力が作用しないことになる。
このようにして、ダンパー装置3は、回転軸130が一方側に回転する場合には、逆止弁150によって連通路152aが閉塞されることにより、前述した移動制限流路や速度調節流路132による適度な制動力が回転軸130に作用し、一方、回転軸130が他方側に回転する場合には、逆止弁150によって連通路152aが開放されることにより、ほとんど制動力が回転軸130に作用しないようにしている。
しかも、本実施例では、回転軸130に遊嵌したリング部152とこのリング部152に突設した一対の弁部151とで弁体150’を構成しているため、弁体150’のリング部152を回転軸130に装着するだけで回転軸130に逆止弁150の弁部151を組付けることができ、ダンパー装置3の製造作業をより一層容易なものとすることができる。
さらに、ダンパー装置3は、前記第2実施例に係るダンパー装置2と同様に、前側オイル室(加圧室A101,B101)及び後側オイル室(減圧室A102、B102)と翼部135との間で前側オイル室と後側オイル室とを連通させるための速度調節流路132を有している。
この速度調節流路132は、前側オイル室(加圧室A101,B101)及び後側オイル室(減圧室A102、B102)と翼部135との間で前側オイル室と後側オイル室とを連通させるためにオイル室の側壁と翼部135との間に形成しものでありオイルの流量を回転軸130の回転角度に応じて変化させて回転軸130の回動する速度を調節するためのオイル流路であり、本実施例では、回転軸130の回転角度の増加に伴って流路断面積が減少するように形成するとともに、回転軸130の回転終端側の流路断面積が段階的に減少するようにしているが、用途に応じて任意の流路断面積にすることによって種々の動作速度とすることが可能である。
このように、連通路152aとは別個にオイルが流動するためのオイル流路を形成することで、ダンパー装置3の回転軸130が回動する際に、連通路152aが逆止弁150によって閉塞された場合でも、オイルは、前述した移動制限流路と速度調節流路132の2つのオイル流路を通じて前側オイル室から後側オイル室へと流れ込むことになり、これにより、回転軸130に作用する制動力は、この2つのオイル流路の流動抵抗を加えた物になり、ほぼ断面積に応じた大きさとなる。
この速度調節流路132は、図28に模式的に示すように、回転軸130の回転角度が小さい範囲では速度調節流路132を比較的深く形成するとともに、回転軸130の回転角度が大きい範囲では速度調節流路132を比較的浅く形成している。
これにより、回転軸130の回転角度が小さい範囲内では回転軸130への制動力を小さくして、回転軸130が比較的早く回転するようにする一方、回転軸130の回転角度が大きい範囲内では回転軸130への制動力を大きくして、回転軸130が比較的遅く回転するようにしている。
しかも、回転軸130の回転角度が大きい範囲では速度調節流路132を2段階の深さで形成することによって、回転軸130の回動角度に応じて回転軸130の回動速度が漸次小さくなるようにしている。
ここで、本実施例では、図22に示すように、速度調節流路132を回転軸130の円柱部134の先端側(図13及び図14中の右端側)に形成しているが、この速度調節流路132は、回転体160のオイル室側に形成してもよい。このように、速度調節流路132を回転軸130や回転体160に形成することによって、速度調節流路132を形成するための専用部材を設ける必要がなくなり、ダンパー装置を3構成する部品点数を削減することができ、ダンパー装置3の製造を容易なものとすることができるとともに、ダンパー装置3の製造コストを低減することができる。
このダンパー装置3を図11に示すように便器の便座80の開閉部に組み込んだ場合、便座80の開放角θと便座80の角速度ωとの関係は、図23に示すように、ダンパー装置3のクイック領域(便座80の開放角θが比較的大きい範囲)では、便座80の角速度ωが徐々に早くなり、その後、徐々に便座80の角速度ωが徐々に遅くなり、ダンパー装置3のスローエンド領域(便座80の開放角θが比較的小さい範囲)では、便座80の角速度ωが徐々に遅くなる。
図23では、回転軸130の回転角度が大きい範囲で速度調節流路132を2段階の深さに形成した場合を実線で示し、回転軸130の回転角度が大きい範囲で速度調節流路132を1段階の深さに形成した場合を点線で示している。図23からわかるように、速度調節流路132を1段階の深さに形成した場合には、便座80が閉止する直前で角速度ωが速くなっているのに対し、速度調節流路132を2段階の深さに形成した場合には、便座80の閉止直前での角速度ωの上昇を防止することができ、終動時の衝撃を確実に緩和させることができる。
なお、本実施例では、回転軸130の回転角度が大きい範囲で速度調節流路132を2段階の深さで形成しているが、2段階の深さにする場合に限られず、回転軸130の回動角度に応じて回転軸130の回動速度が漸次小さくなるように適宜複数段階或いは連続的に浅くなるような深さに形成してもよい。
また、本実施例では、図24及び図25に示すように、弁体150’のリング部152の内周を真円状に形成する一方、回転軸130の弁体装着軸138の外周を楕円状に形成して、弁体150’のリング部152の内周面と回転軸130の弁体装着軸138の外周面との間に間隙を形成している。
このように、弁体150’のリング部152の内周面と回転軸130の弁体装着軸138の外周面との間に間隙を形成することによって、図25に示すように、強制的に便蓋を閉じた場合などのように回転軸130の急激な回転にともなってオイル室の内圧が急激に上昇した場合には、その圧力によってリング部152が内周側に変形し、これにより、弁部151の先端とシリンダー120の内周面との間の間隙が増加する。この間隙の増加分だけ移動制限流路の流路断面積が増加することによって前側オイル室から後側オイル室へと流れ込むオイル量が増加するため、前側オイル室の内圧は急速に低下する。このように、オイル圧力の上昇によって増加した間隙は、オイル流路の流路断面積を増加させて圧力を逃がすバイパス流路を形成し、弁体150’は流路断面積を増加させる弾性流路部材として作用する。そのため、前側オイル室の内圧の上昇に起因してオイルの漏洩などのダンパー装置3の破損を未然に防止することができるようになっている。
以上に説明したように、本実施例に係るダンパー装置3では、連通路152aに弁体150’を回転軸130の円周方向に向けて移動可能に配設して、この弁体150’の移動によって連通路152aを開閉するようにしているため、逆止弁150の構成を簡略化することができて、ダンパー装置3の製造作業を容易なものとすることができ、ダンパー装置3の製造コストを低減することができる。
また、回転軸130と回転体160との間に弁体150’を軸線方向へ向けて移動可能に配設し、かつ、翼部135との接離部を傾斜面で構成しているため、ダンパー装置3の作動時に弁体150’が回転軸130の軸線方向に移動することによって回転軸130の製造誤差(寸法ばらつき)を吸収することができ、かつ、弁体150’と翼部136との閉弁時の接触面積が大きくなり、接離の繰返しによる接離部の損耗も少なくなるため、逆止弁150を確実に閉弁状態とすることができ、ダンパー装置3の品質・特性を安定させることができる。
また、回転軸130に遊嵌したリング部152とこのリング部152に形成した弁部151とから弁体150’を構成しているため、弁体150’のリング部152を回転軸130に装着するだけで逆止弁150の比較的細かな形状をした弁部151を回転軸130に組付けることができ、ダンパー装置3の製造作業を容易なものとすることができる。
(第4実施例)
第4実施例としてのダンパー装置4は、図26に示すように、概ね第3実施例に係るダンパー装置3と同様の構成となっているが、逆止弁150の構成が異なっており、弁体を回転体に遊動可能に組み付けている。なお、説明を簡略化するために、第3実施例と同様の機能を有する部材には同一の符号を付しており、既に第3実施例において説明した部分については具体的な説明を省略している。
弁体250’は、略円弧状の座部254に弁部251を配設して略T字状に形成されている。回転体260は、オイル室側(図26では左側)の外周の回転軸に対して対向した位置に略T字状の一対の弁体収容溝264が形成され、この弁体収容溝264に弁体250’を遊嵌させている。この弁体収容溝264のオイル室に面した側壁(図26では左側)の開口部は、弁体250’が回転体260に対して回動可能とするため、弁部251の幅に回転方向に所定量だけ幅広に形成されている。
ダンパー装置4では、この弁体250’を弁体収容溝264に遊嵌させて組み付けた回転体260を回転軸130に挿入してナット270で固定している。
したがって、回転軸130の回動に伴ってこの弁体250’が、オイル室のオイルから受ける圧力の作用によって実施例3の弁体150’と同様に弁体収容溝264内で円周方向に摺動して翼部135の翼端部136と接離することとなり、連通路252aを開閉する逆止弁として機能する。
そのため、逆止弁150の構成を簡略化することができ、ダンパー装置4の製造作業を容易なものとすることができるとともに、ダンパー装置4の製造コストを低減することができる。
(第5実施例)
第5実施例としてのダンパー装置5は、図27に示すように、概ね第3実施例に係るダンパー装置3と同様の構成となっているが、逆止弁150の構成が異なっており、回転体に逆止弁の弁部を一体的に形成して弁体としての機能を併せ持たせている。なお、説明を簡略化するために、第3実施例と同様の機能を有する部材には同一の符号を付しており、既に第3実施例において説明した部分については具体的な説明を省略している。
回転軸330には、実施例3における回転軸130の係合部141のような回転体160を回動不能に係合固定させるための手段は形成されていない。それに代えて、一対の凸部391が回転軸130に対して対向した位置に設けられている。
回転体360のオイル室に面した側壁(図26の左側)には、前記の凸部391に対応する位置に、凸部391の回転方向の幅に対して所定寸法の移動代だけ幅広に形成された一対の凹部を設けている。また、この側壁には、実施例3における弁体150’の弁部151と同様な傾斜面を有する弁部351が一体に形成されている。
ダンパー装置5では、回転体360の前記の一対の凹部に回転軸330の凸部391が遊嵌するように両者を組み付けている。
したがって、回転軸330が前方側(図28中に符号Rで示す方向)に回動すると、弁部351がオイル室のオイルから受ける圧力の作用によって弁部351と一体となった回転体360も回転して流通路252aを閉塞し、その状態を保持したまま回転軸330とともにさらに回動する。
また、回転軸330が後方側(図28中に符号Rで示す方向と反対の方向)に回動すると、弁部351がオイル室のオイルから受ける圧力の作用によって弁部351と一体となった回転体360は前記の所定の移動代だけ回転軸330に対して移動する。そのため、連通路252aが開放された状態となり、その状態を保持したまま回転軸330とともにさらに回動する。このように、回転体360に一体として設けられた弁部351が回転軸330の翼部135の翼端部136と接離することによって、連通路252aを開閉する逆止弁として機能する。
これにより、本実施例では、回転軸130に回転体160を装着するだけで回転軸130に逆止弁150を組付けることができ、ダンパー装置5の製造作業をより一層容易なものとすることができる。
また、請求項2に係る本発明では、選択連通路を形成する側壁を回転軸に着脱可能に係止させた側壁部材で形成しているため、側壁部材と翼部との間に逆止弁を容易に組み込むことができ、ダンパー装置の組立作業性を向上させることができる。
また、請求項3に係る本発明では、選択連通路の中途部の翼部及び/又は側壁部材に形成した弁体収容室に選択連通路を開閉する弁体を移動可能に配設しているため、弁体を弁体収容室に安定して保持することができ、ダンパー装置の品質・特性を安定させることができるとともに、逆止弁の構成を簡略化することができて、ダンパー装置の製造作業を容易なものとすることができ、ダンパー装置の製造コストを低減することができる。
また、請求項4に係る本発明では、側壁部材を回転軸の軸線方向に移動可能に配設するとともに、弁体が閉止動作時に接する閉止部を形成する弁体又は側壁部材の少なくとも一方に、弁体の移動方向及び回転軸の軸線方向に対して傾斜した傾斜面を形成しているため、弁体の閉止動作時に弁体が受ける圧力の作用で回転軸や側壁部材を回転軸の軸線方向に移動させることができ、これによって各部品に製造誤差(寸法ばらつき)があっても選択連通路を弁体で確実に閉止することができ、ダンパー装置の品質・特性を安定させることができる。
また、請求項5に係る本発明では、弁体を略円柱状に形成しているため、弁体の製造を容易なものとすることができるとともに、形状の対称性によって組付け時に弁体の組付け方向を考慮せずに組み付けられるため、製造コストを低減することができる。
また、請求項6に係る本発明では、前側オイル室と後側オイル室との間に粘性流体の内圧が上昇した場合に流路断面積を増加させるように弾性変形する弾性流路部材を設けたバイパス流路を形成するとともに、弾性流路部材として側壁部材とシリンダーとの間を封止する封止部材を用いているため、弾性流路部材と封止部材とを兼用させることができ、構成部品点数の増大を防止することができる。
また、請求項7に係る本発明では、弾性流路部材として、Oリングを用いているため、弾性流路部材の部品コストを安価なものとすることができる。
また、請求項8に係る本発明では、翼部と接離する弁体を回転軸の円周方向に移動可能に配設しているため、弁体の移動方向と粘性流体の流動圧力の作用方向とが一致することになり、弁体を円滑に移動させることができ、弁体の動作を安定させることができる。
また、請求項9に係る本発明では、弁体が閉止動作時に接する閉止部を形成する弁体又は翼部の少なくとも一方に、弁体の移動方向及び回転軸の軸線方向に対して傾斜した傾斜面を形成しているため、逆止弁の閉止動作時に弁体がオイルから受ける圧力の反作用によって弁体自身が適切な閉止位置となるまで回転軸の軸線方向に移動する。これによって、各部品に製造誤差(寸法ばらつき)があっても選択連通路を弁体で確実に閉止することができ、ダンパー装置の品質・特性を安定させることができる。
また、請求項10に係る本発明では、回転軸に遊嵌した略円環状のリング部に翼部と接離する弁体部を形成しているため、リング部を回転軸に装着するだけで回転軸に弁部を組付けることができ、弁部の組付け作業を容易なものとすることができる。
また、請求項11に係る本発明では、前側オイル室と後側オイル室との間に粘性流体の圧力が上昇した場合に流路断面積を増加させるように弾性変形する弾性流路部材を設けたバイパス流路を形成するとともに、弾性流路部材として弁体を用いているため、弾性流路部材と弁体とを兼用させることができ、構成部品点数の増大を防止することができる。
また、請求項12に係る本発明では、前側オイル室と後側オイル室との間で移動する粘性流体の流量を回転軸の回転角度に応じて調節するための速度調節流路を側壁と翼部との間に形成し、速度調節流路は、回転軸の回転角度の増加に伴って流路断面積が減少するように構成しているため、回転軸の回転角度が小さい始動時には回転軸を早く回転させることができるとともに、回転軸の回転角度が大きい終動時には回転軸に作用する制動力を大きくすることができるので、回転に要する時間を短縮させつつ終動時の衝撃を緩和させることができる。
また、請求項13に係る本発明では、回転軸の回転終端側の流路断面積が複数段階に減少するようにしているため、終動時の回転軸の回転速度を微調整することができ、ダンパー装置の動作フィーリングを向上させることができる。
また、請求項14に係る本発明では、オイル室に粘性流体を充填するときにオイル室に残存する気体を外部に逃がすためのエア抜き溝をシリンダーに形成しているために、ダンパー装置の組立時にオイル室に残存するエアーを抜き出すことができ、動作時に残存エアーがオイルに混入することに起因して回転軸に作用する制動力にばらつきが生じるのを防止することができ、ダンパー装置の品質・特性を安定させることができる。
限流路と、前記粘性流体の前記前側オイル室から前記後側オイル室への移動を前記回転軸の回転方向に応じて選択的に制限する逆止弁を備えた選択連通路とを有し、前記粘性流体が前記前側オイル室から前記後側オイル室へ移動するときの流動抵抗によって前記回転軸に方向性を有する回転抵抗力を発生させるダンパー装置において、前記移動制限流路を前記シリンダー内壁と前記翼部との間に形成するとともに、前記選択連通路を前記翼部と前記2つの側壁のうちの一方の側壁との間に形成し、前記側壁と前記逆止弁とが前記翼部の回転に伴って回転するようにした(実施例1〜実施例5を参照)。
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記選択連通路を形成する前記側壁は、前記回転軸に着脱可能に係止させた側壁部材で形成することにした(実施例1〜実施例5を参照)。
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記逆止弁は、前記選択連通路の中途部の前記翼部及び/又は前記側壁部材に形成した弁体収容室に前記選択連通路を開閉する弁体を移動可能に配設することにした(実施例1、実施例2を参照)。
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項3に係る本発明において、前記側壁部材を前記回転軸の軸線方向に移動可能に配設するとともに、前記弁体が閉止動作時に接する閉止部を形成する前記弁体又は前記側壁部材の少なくとも一方に、前記弁体の移動方向及び前記回転軸の軸線方向に対して傾斜した傾斜面を形成することにした(実施例1、実施例2を参照)。
また、請求項5に係る本発明では、前記請求項4に係る本発明において、前記弁体は、略円柱状に形成することにした(実施例1、実施例2を参照)。
また、請求項6に係る本発明では、前記請求項1〜請求項5のいずれかに係る本発明において、前記前側オイル室と前記後側オイル室との間に前記粘性流体の内圧が上昇した場合に流路断面積を増加させるように弾性変形する
Claims (14)
- 略円筒状のシリンダーと、前記シリンダーの内部に回転自在に配設するとともに、略円柱状の軸の外周部に前記シリンダーの内壁面の近傍まで延出させた翼部を突設した回転軸と、前記回転軸と前記シリンダーの内壁との間に間隔を開けて形成した2つの側壁と、前記2つの側壁と前記回転軸と前記シリンダーの内壁とによって形成され、粘性流体を充填したオイル室と、前記オイル室が前記翼部によって分割されて形成される前記回転軸の回転方向の前側の前側オイル室と前記回転軸の回転方向の後側の後側オイル室との間で前記粘性流体の移動を制限する移動制限流路と、前記粘性流体の前記前側オイル室から前記後側オイル室への移動を前記回転軸の回転方向に応じて選択的に制限する逆止弁を備えた選択連通路とを有し、前記粘性流体が前記前側オイル室から前記後側オイル室へ移動するときの流動抵抗によって前記回転軸に方向性を有する回転抵抗力を発生させるバンパー装置において、
前記移動制限流路を前記シリンダー内壁と前記翼部との間に形成するとともに、前記選択連通路を前記翼部と前記2つの側壁のうちの一方の側壁との間に形成し、前記側壁と前記逆止弁とが前記翼部の回転に伴って回転するようにしたことを特徴とするダンパー装置。 - 前記選択連通路を形成する前記側壁は、前記回転軸に着脱可能に係止させた側壁部材で形成したことを特徴とする請求項1に記載のダンパー装置。
- 前記逆止弁は、前記選択連通路の中途部の前記翼部及び/又は前記側壁部材に形成した弁体収容室に前記選択連通路を開閉する弁体を移動可能に配設したことを特徴とする請求項2に記載のダンパー装置。
- 前記側壁部材を前記回転軸の軸線方向に移動可能に配設するとともに、前記弁体が閉止動作時に接する閉止部を形成する前記弁体又は前記側壁部材の少なくとも一方に、前記弁体の移動方向及び前記回転軸の軸線方向に対して傾斜した傾斜面を形成したことを特徴とする請求項3に記載のダンパー装置。
- 前記弁体は、略円柱状に形成したことを特徴とする請求項4に記載のダンパー装置。
- 前記前側オイル室と前記後側オイル室との間に前記粘性流体の内圧が上昇した場合に流路断面積を増加させるように弾性変形する弾性流路部材を設けたバイパス流路を形成するとともに、前記弾性流路部材として前記側壁部材と前記シリンダーとの間を封止する封止部材を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のダンパー装置。
- 前記弾性流路部材として、Oリングを用いたことを特徴とする請求項6に記載のダンパー装置。
- 前記逆止弁は、前記翼部と接離する弁体を前記回転軸の円周方向に移動可能に配設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダンパー装置。
- 前記弁体が閉止動作時に接する閉止部を形成する前記弁体又は前記翼部の少なくとも一方に、前記弁体の移動方向及び前記回転軸の軸線方向に対して傾斜した傾斜面を形成したことを特徴とする請求項8に記載のダンパー装置。
- 前記弁体は、前記回転軸に遊嵌した略円環状のリング部に前記翼部と接離する弁体部を形成したことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のダンパー装置。
- 前記前側オイル室と前記後側オイル室との間に前記粘性流体の圧力が上昇した場合に流路断面積を増加させるように弾性変形する弾性流路部材を設けたバイパス流路を形成するとともに、前記弾性流路部材として前記弁体を用いたことを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載のダンパー装置。
- 前記前側オイル室と前記後側オイル室との間で移動する前記粘性流体の流量を前記回転軸の回転角度に応じて調節するための速度調節流路を前記側壁と前記翼部との間に形成し、前記速度調節流路は、前記回転軸の回転角度の増加に伴って流路断面積が減少するように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載のダンパー装置。
- 前記速度調節流路は、前記回転軸の回転終端側の流路断面積が複数段階に減少するように構成したことを特徴とする請求項12に記載のダンパー装置。
- 前記オイル室に前記粘性流体を充填するときに前記オイル室に残存する気体を外部に逃がすためのエア抜き溝を、前記シリンダーに形成したことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載のダンパー装置。
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