JP2531060Y2 - 便器用ダンパ構造 - Google Patents

便器用ダンパ構造

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JP2531060Y2
JP2531060Y2 JP1991094411U JP9441191U JP2531060Y2 JP 2531060 Y2 JP2531060 Y2 JP 2531060Y2 JP 1991094411 U JP1991094411 U JP 1991094411U JP 9441191 U JP9441191 U JP 9441191U JP 2531060 Y2 JP2531060 Y2 JP 2531060Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、便器のヒンジ構造な
どに用いられる便器用ダンパ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】開平される便座や便蓋は、閉じ初期から
閉じ終期を経て閉じ位置に向けて回動されるとき、これ
に制動を加えてその回動速度を緩徐にすることが望まし
い。例えば、便座と便器本体との間のヒンジには、便器
用ダンパ構造としての回転ダンパユニットが設けられ
る。
【0003】その一例を図19に基づいて説明する。回
転ダンパユニット100は、取付部101で図示されな
い便器本体に固定される二重筒体からなる支持部102
と、この支持部の二重筒体の内部に間隙Gをおいて嵌挿
された二重筒体からなる可動体103と、この可動体1
03を支持部102に対して軸方向の移動を規制するキ
ャップ104と、間隙Gに封入されたグリス等の粘性流
体105と、可動体103に回転方向で一体となるよう
に挿通されていて、図示しない便座に一体化される支軸
106とからなっている。便座が閉じられるとき支軸1
06が回転すると、可動体103が回転するが、この可
動体103には、粘性流体105の剪断による制動力が
加えられ、結果的に便座の回動に制動力が加えられる。
従って、閉じるときの便座はその回動速度が緩徐なもの
となる。
【0004】閉じられている便座を開くときにも粘性流
体の剪断力が発生すると、便座の開き力が大きくなるの
で、支軸106と便座との間には、一方向クラッチが設
けられる。
【0005】また、回転ダンパユニットとしては、特開
昭64−30938号公報に記載されたものが知られて
いる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】図19に示すような構
造の回転ダンパユニットの制動力は、粘性流体105と
可動体103の接触面積に略比例するので極端な小型化
は困難である。そのために、所望の制動力を得ようとす
ると、大嵩にならざるを得ず、便器本体にダンパユニッ
トを露出させざるを得ないことになり、便器全体の外観
を損なうという問題がある。洗浄装置付きの便器におい
ては、ダンパユニットを洗浄装置内部に格納してしまう
こともできるが、便器全体が大型化してしまう。
【0007】また、支持部102と可動体104の僅か
な空間にグリスなどのような比較的粘性の高い流体を均
一に注入するのは困難であり、製品間の制動力にばらつ
きが発生し、ダンパとしての安定性に問題が残る。
【0008】上記公報に記載された技術は、小型という
点では問題がないが、ダンパケーシングがヒンジの一部
を構成しているために、便器等のように開閉する力が一
定でない回動体のダンパとして用いるときには、ケーシ
ングの破損によるオイル洩れの畏れがあり、ケーシング
として強固な構造を採用せざるを得ず、コスト高となる
問題が残っている。
【0009】そこで、本考案の目的は、便器の外観を損
なわずに低コストで小型化できて作動の安定性の良いダ
ンパ効果を奏する便器用ダンパ構造の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案の便器用ダンパ構
造は、内部に粘性流体を封入した流体室を有するケーシ
ングと、便座等の回動体の枢軸に設けられ上記流体室の
内壁面に沿って上記ケーシングに対して相対的往復回動
自在の、上記流体室内に設けられたベーンと、上記流体
室をベーンとにより少なくとも2つ以上に仕切る、上記
流体圧室に設けられた仕切り部材と、上記仕切り部材に
上記回動体の回動力を伝達するための上記ケーシング、
又は、上記ベーンに上記回動体の回動力を伝達するため
の上記枢軸からなる伝達部材とを備え、上記流体室の上
記内壁面を、上記回動体の閉じ終期には上記ベーン先端
部が対向する円形壁部と、上記内壁面と上記ベーン先端
部との隙間を上記円形壁部より大きく形成した、上記回
動体の閉じ初期には上記ベーン先端部が対向する非円形
壁部とにより構成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】便座等の回動体が回動させられると、該回動体
のヒンジを構成するケーシングと枢軸とが相対回転し、
ケーシングに封入されている粘性流体が相隣る流体室に
流入するときの抵抗により、回動体の回動速度に制動が
かかる。
【0012】
【実施例】以下、図示の実施例に基づいて本考案を詳細
に説明する。
【0013】はじめに、図16乃至図18において本考
案を適用する便器の構成を簡単に説明しておく。図示さ
れない便器本体に載置され固定される基板1には、一対
の支持部2,2Aが設けられていて、便座3と便蓋4を
それぞれ独立して開閉自在に支持している。支持部2,
2Aには、支軸5,5A(詳細は後述する)の一端部5
a,5Aaが回り止め状態で挿通されて支持されてい
る。
【0014】支軸5Aの一部は、便蓋4のヒンジアーム
4aに格納されていて、便蓋の回転を緩衝する回転ダン
パユニット6Aに用いられており、その他端部5Abに
は便座3の一方のヒンジアーム3aが回転自在に挿通さ
れている。支軸5の一部は、便座3のヒンジアーム3b
に格納されていて、便座の回転を緩衝する回転ダンパユ
ニット6に用いられており、その基端部5aとダンパユ
ニットとの間には便蓋4の他方のヒンジアーム4bが回
転自在に挿通されている。
【0015】便蓋4は、これを開くときには軽い力で開
くことができ、閉じるときには回転ダンパユニット6A
の作用でその速度を制御されてゆっくりと閉じられる。
便座3は、開くときには小さい力で開くことができ、閉
じるときには回転ダンパユニット6の作用でゆっくりと
閉じるようになっている。
【0016】回転ダンパユニット6を代表させてヒンジ
構造を詳細に説明する。図1において、回転ダンパユニ
ット6は、便座3の回転中心となる支軸としての枢軸1
0と、この枢軸に設けられた固定ベーン11と、この固
定ベーンを囲繞していて粘性流体A,Bを封入された流
体室13,14を形成されたケーシング12と、ケーシ
ングを二組の流体室13,14に仕切る可動ベーン1
5,16を有する仕切部材17とからなっている。この
例の場合、回動体としての便座3の回転力を可動ベーン
15,16に伝達する伝達部材は、ケーシング12がそ
の機能を与えられている。
【0017】枢軸10は、図にも示すように、支軸5
の一端部5aに相当する基端部10aを切除されてい
て、支持部2に回り止めの状態で挿通されている。枢軸
10には、固定ベーン11を嵌合させる長孔10cと、
固定ベーン11の半径方向の位置を保持するためのピン
18が圧入されるピン孔10d,10dと、後述する仕
切り部材17の支持孔17bとの間を油密に保つシール
リング19を嵌合させる周溝10eと、後述するベーン
ホルダ20の端面に当接してケーシング12と枢軸10
との軸方向の相対位置が変化するのを阻止する止め輪
(Eリング)21が係合される周溝10fとを形成され
ている。
【0018】ケーシング12は、図8にも示すように、
断面が非円形(詳細は後述する)の有底の筒状体であっ
て、その底部の支持凹部12aに枢軸10の先端部10
bが嵌入される。ケーシング12の底部には、固定ねじ
が貫通される貫通孔12c,12cと、流体注入孔を兼
ねた貫通孔12d,12dが形成されている。ケーシン
グ12には、可動ベーン15,16で該ケーシングを二
組の流体室13,14に仕切る仕切部材17が嵌合され
ている。
【0019】仕切部材17は、図9にも示すように、ケ
ーシング12の開口形状に合わせた非円形に形成されて
いて、ケーシングの開口端12bに密に嵌合する嵌合部
17aと、この嵌合部17aから延びる一対の可動ベー
ン15,16と、枢軸10の段付部10hを回転自在に
挿通される支持孔17bと、ケーシングとの間を油密に
保つためのシールリング22を嵌合される周溝17c
と、ベーンホルダ20と共にケーシング12に固定され
るねじ孔17d,17dと、ケーシング12の開口端面
に衝合させられるフランジ17eを形成されている。ね
じ孔17dは、可動ベーン15,16の端面に形成され
ている。可動ベーン15,16は、狭角の扇形断面を有
し、図1及び図2に示すように、ケーシング12をその
半径方向に二分する長さに形成されている。ケーシング
12が合成樹脂で形成されるのに対して、固定ベーン1
1は、金属板で形成される。
【0020】ベーンホルダ20は、図12に示すよう
に、ケーシング12の断面形状に合わせた非円形の板状
に形成されていて、可動ベーン15,16の先端部15
a、16aをそれぞれ係合させて位置決めする突部20
a,20bと、固定ねじ23,23(図1()参照)
が挿通される貫通孔20c,20dと、流体を注入した
のち、ねじ25で閉塞されるねじ孔20eを形成されて
いる。図12において、ベーンホルダ20の中央部に形
成された孔20fは、枢軸10の先端部10bが貫通す
るものである。
【0021】図1(c)に示すように、ケーシング12
の底部の外方には取付板24が重合され、内方にはベー
ンホルダ20が重合されている。これらは、取付板24
側から挿通された固定ねじ23,23をねじ孔17d,
17dに捩じ込むことにより互いに一体化される。
【0022】ベーンホルダ20は、ケーシング12及び
仕切部材17とで、流体室13,14の一方の壁面を構
成している。流体室13,14には、温度特性の変化が
小さい流体としてのシリコンオイルや粘度が高いトルク
グリス等の粘性流体A,Bが封入されている。ねじ2
5,25を螺合させる前のねじ孔20e,20eは、ケ
ーシング12の貫通孔12d,12dを介して、流体室
13,14を外部と連通しているので、この状態で前記
した流体を注入したのちねじ25,25を螺合してこれ
を封入する。
【0023】取付板24は、図17に示すように、回転
ダンパユニット6を便座3のヒンジアーム3bに取付け
るための部材であるが、ケーシング12をヒンジアーム
3bの非円形断面の筒部3baに嵌合させて取り付けた
とき、軸方向の移動が規制されるならば、省いても構わ
ない部材である。 図1(a)において、符号24a
は、便座3への取付用ねじ孔を示している。
【0024】固定ベーン11は、図11に示すように、
ピン18を挿通される孔11a,11aと、一方向バル
ブ26(図10参照)をスナップフィット(ぱっちん止
め)で係合されるバルブ孔11b,11cを形成されて
いる。 この固定ベーン11は、流体室13内に位置し
て該室を第1流体室13Aと第2流体室13Bに二分す
るベーン部11Aと、流体室14内に位置して該室を第
1流体室14Aと第2流体室14Bに二分するベーン部
11Bとからなっている(図2参照)。固定ベーン11
とケーシング12との相対位置については後述する。
【0025】一方向バルブ26は、図10に示すよう
に、バルブ孔11b,11cを閉塞するに充分な面積を
有するバルブ本体26aと、この本体の一方の面から延
びていて、その先端に係合部26bを有し、バルブ孔に
挿通される一対の脚部26c,26cからなっている。
脚部26cは、バルブ孔に押し通されたとき、該孔を閉
塞しない程度の断面積を有している。一方向バルブ26
は、弾性を有する材料で形成されていて、その脚部26
c,26cを撓ませてバルブ孔11b,11cに挿入す
る。係合部26bは、バルブ孔11b,11cの縁部に
係合して抜け止めする。この一方向バルブ26は、便座
3の回動方向すなわちケーシング12の回動方向に応じ
てバルブ孔11b,11cを選択的に連通したり閉塞す
るようにバルブ孔11b,11cに移動自在に装着され
ている。
【0026】ケーシング12と一体の可動ベーン15,
16と固定ベーンの相対関係を図2において説明する。
符号Oは、ケーシング12と枢軸10の共通の回転中心
を示している。ケーシング12は、可動ベーン15,1
6で流体室13,14に二分されていて、断面形状が長
円形であって、流体室13,14の内壁面の、角度θ1
部分、すなわち便座3の閉じ初期に固定ベーン11の先
端部が対向する非円形壁部に対応する部分は中心O1か
ら半径R1であって、角度θ2部分、すなわち便座3の
閉じ終期に固定ベーン11の先端部が対向する円形壁部
に対応する部分は中心から半径R2(<R1)であ
る。θ1+θ2=120度であって、これは便座3の開
閉角度である。固定ベーン11の半径、すなわち回転中
心Oから先端部までの長さは半径R2より僅かに短く設
定されている。従って、固定ベーン11A,11Bは、
ケーシング12が回動するとき、破線で示す半径R2の
軌跡を持ってケーシング12に相対移動することにな
る。換言すると、図2において、ケーシング12が反時
計方向(便座の閉じ方向)に回動すると、固定ベーン1
1の先端部とケーシング内周壁との間隔は、その回転方
向において次第に小さくなることになる。
【0027】便座3が閉じるときにケーシング12が反
時計方向に回転すると、第1流体室13Aには、固定ベ
ーン11Aとケーシング12の内周壁面12Aとの間隙
を介して第2流体室13Bから粘性流体Aが流入し、第
1流体室14Aには、固定ベーン11Bとケーシング1
2の内周壁面12Bとの間隙を介して第2流体室14B
から粘性流体Bが流入する。
【0028】このときの流体の流入量は、ケーシング1
2の回転が進むに連れて次第に制限されるので、ケーシ
ング(便座3)の閉じ角度θとその速度Vとの間には、
図3(a)に示すような関係が生じる。すなわち、便座
3が閉じ始めるときには、間隙が大きいので、粘性流体
の移動量が多く、閉じ速度は大きく変化するが、角度θ
1以降の角度θ2の領域になると、ケーシング内周面と
固定ベーン11先端との間隙が微小になるから、便座の
閉じ速度は略一定になる。また、このときの便座3の閉
じ角度θとその閉じトルクTを見てみると、図3(b)
に示すように、閉じるに連れて次第に大きくなる。この
トルクの変化に対応してケーシング内周面12A,12
Bと固定ベーン11先端との間隙、すなわちケーシング
内周面の形状を選択すれば、図3(a)に示すような閉
じ速度Vが得られるのである。なお、便座3は閉じ始め
からその速度を制限する必要はなく、便器本体に軟着す
れば足りるものである。
【0029】以上は便座3を制動するヒンジ構造の説明
であるが、便蓋4を制動するヒンジ6Aも同様の構造で
ある。
【0030】図示の例では、ベーンホルダ20とケーシ
ング12が別体であるが、これらは油圧に耐えられるよ
うな厚さで一体に成形されても良い。また、ケーシング
12の開放端面と仕切部材17のフランジ17eの接触
部は、溶着や接着等により固定される。 以上のように
構成されたヒンジ構造の作用を、便座の開き角度とヒン
ジ(ケーシング)の位置を対比させながら、図13乃至
図15に基づいて説明する。図13(b)は、同(a)
に示すように、便座3が120度まで開かれたときのヒ
ンジ6の状態を示している。この状態において、ケーシ
ング12は、その可動ベーン15,16の一側面15
a,16aを固定ベーン11A,11Bの一方向バルブ
26,26の脚部に当接させて、バルブ孔11b,11
cを開放している。この状態になるときの作用は後述す
る。
【0031】開いている便座3を閉じる向きに回動させ
ると、その閉じ始めの初期における一方向バルブ26
は、図5に示すようにその位置が変動する。ケーシング
12が反時計方向に回動すると、一方向バルブの脚部を
押動していた可動ベーン15,16が一方向バルブ26
から逃げると共に、ベーン部11A,11Bで二分され
ている第1流体室13A,14Aが負圧となり、第2流
体室13B,14Bが正圧となる。そのために、一方向
バルブ26は、図5に示すように、第1・第2流体室の
圧力の差と可動ベーンの回動に連れて移動し、バルブ孔
11b,11cを閉塞する。
【0032】こののち、ケーシング12は、第2流体室
13B,14Bの粘性流体A,Bを第1流体室13A,
14Aに流入させながら回動する。
【0033】図14(a)は、 便座3が約45度の閉
じ位置まで回動した状態を示していて、同(b)はその
時のケーシング12の回動位置を示している。このとき
のベーン部11A,11Bは、各先端部を半径R2(図
2参照)のケーシング内周壁面に極く近接させている。
図13(b)に示す位置から図14(b)に示す回動位
置までケーシング12が回動するとき、ベーン部11
A,11Bとケーシング内周壁面12A,12Bとの間
隙は、次第に小さくなる(図2参照)。従って、第2流
体室13B,14Bから第1流体室13A,14Aに流
入する粘性流体の移動量が漸次少なくなり、ケーシング
12の回動速度、すなわち便座3の閉じ速度Vの変化が
急激に低下する。
【0034】こののち、ケーシング12とベーン部11
A,11Bとの間隙は、微小であるから、第2流体室1
3B,14Bから第1流体室13A,14Aに流入する
粘性流体A,Bの量は極く僅かとなり、便座3は、図3
(a)に示すような略一定の閉じ速度で閉じることにな
る。
【0035】そして、図15(a)に示すように、便座
3が便器本体30の上面に当接する閉じ位置まで回動し
たとき、ケーシング12は、同(b)に示すように、可
動ベーン15,16の他方の面15b,16bを一方向
バルブ26,26に当接させるか近接させた位置まで回
動している。回動速度を制限されてゆっくり回動する便
座3は、便器本体に対して大きな衝撃なく軟着する。ま
た、このとき、第2流体室13B,14Bの粘性流体
A,Bのほとんどは第1流体室13A,14Aに移動し
ている。
【0036】以上のように、開き位置(図13)から閉
じ位置(図15)まで回動する便座3は、初めはベーン
部とケーシングとの間隙が大きくて流体の移動量が多い
ので速く回動するも、両者の間隙が微少になると、流体
の移動が規制されてゆっくりと回動する。
【0037】粘性流体A,Bが相隣る流体室に流出する
とき、当該流体室には比較的大きな圧力が生じる。この
油圧は、ケーシング12の周壁、仕切部材17の端板部
分、ベーンホルダ20にかかる。ケーシング12にかか
る圧力は、これを収納しているヒンジアーム3bの筒部
3baでバックアップされ、仕切部材のそれは枢軸10
の段付部で受けられる。ベーンホルダ20にかかる油圧
は、枢軸10に係合された止め輪21によって受けられ
る。従って、相隣る流体室に移動する粘性流体A,B
は、ケーシングの内周壁面12A,12Bとベーン部1
1A,11Bとの隙間で形成されるオリフィスから流出
せざるを得なくなるのである。
【0038】さて、図15に示すように、閉じていた便
座3を開くときの作用を説明する。このとき、一方向バ
ルブ26は、可動ベーン15,16に押されてバルブ孔
を閉じている。便座3を開き方向に回動させると、ケー
シング12は、図4に矢印で示す向きに回転する。
【0039】ケーシング12が回転を開始する初期状態
において、これと一体の可動ベーン15,16が回動し
て、第2流体室13B,14Bの容積を大きくするた
め、該流体室が負圧となって一方向バルブ26,26を
移動させ、バルブ孔11b,11cを開放する。
【0040】図15(b)に示す回動位置においては、
ケーシング12の内周壁面とベーン部11A,11Bの
先端部とは近接していて、ケーシング12を開き方向に
回動させるには、比較的大きな力を必要とするが、ケー
シング12が僅かに回動させられると、図4に示すよう
に、 一方向バルブ26,26が開いてバルブ孔を開放
して、第1流体室13A,14Aから第2流体室13
B,14Bへの粘性流体A,Bの流入を許す。従って、
ケーシング12の内周壁面とベーン先端との隙間が小さ
くてもケーシング12すなわち便座3は、軽い力で開き
方向に回動させることができる。
【0041】図15に示す閉じ位置に置かれた便座3が
回動されて、図13(b)に示す開き位置に置かれたと
き、ケーシング12はその可動ベーン15,16を一方
向バルブ26,26の脚部に当接させる。なお、開き位
置に置かれた便座3の開き位置は、ダンパユニット6の
回動制限で規制することなく、支持部2(図16乃至図
18参照)で規制されても良い。
【0042】以上説明した実施例は、枢軸10を支持部
2に固定し、ケーシング12をヒンジアーム3bに嵌挿
して固定したが、ケーシングを支持部2に固定して、枢
軸10をヒンジアーム3bに固定しても同様の作用効果
が得られる。この場合、固定ベーン11が可動ベーンと
して固定され、可動ベーン15,16が固定ベーンとし
て固定される。また、この場合、枢軸は伝達部材として
機能し、回動体としての便座の回転力を可動ベーンに伝
達する。
【0043】また、回動体の支軸の一部をなすケーシン
グ12には、便座(回動体)の閉じ回動時に油圧がかか
るも、該ケーシングは、比較的硬質の樹脂からなるヒン
ジアーム3bの筒部3ba(図17参照)に収納されて
いるので、安価な合成樹脂で形成しても油圧に充分耐え
られる。このことは、ダンパユニットを構成するヒンジ
構造を低コストで提案できることを意味している。
【0044】回転ダンパユニット6(図17参照)が故
障した場合、取付け板24をヒンジアーム3bから外す
と、該ユニットはヒンジアーム3b,4b及び支持部2
から抜き取ることができ、簡単に新品のユニットと交換
することができる。
【0045】図示の実施例によれば、一方向バルブをス
ナップフィット方式にしたことにより、組立が容易であ
る。粘性流体の種類や注入量を変えると、ダンパスピー
ドやダンパ作動開始時機を変えることが可能である。ね
じ25を挿入するための孔12d,20eを粘性流体注
入孔として兼用することにより、流体の注入が容易且つ
確実に行なえる。
【0046】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、ダッシ
ュポット式のダンパユニットを採用すると、少嵩ながら
安定して作動する構造が得られ、ヒンジ構成が小嵩にな
り、便器全体を大嵩化することがない。回転ダンパユニ
ットをヒンジの支軸として兼用することにより便器全体
の外観を見苦しくすることがない。回動体の閉じ終期に
のみ制動を加えるので、回動体の回動が途中で止まるこ
とがなく、かつ、閉じ終わるまでの時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本考案の一実施例を示す便器等のヒン
ジ構造の断面図、 (b)は(a)中のb−b線断面
図、(c)は(a)中のc−c線断面図、 (d)は
(a)中のd−d線断面図である。
【図2】回転ダンパユニットのケーシングの構造及びケ
ーシングと固定ベーンとの相対位置を説明するための断
面図である。
【図3】(a)は回動体の閉じ角度と閉じ速度の関係を
示す線図、(b)は回動体の閉じ速度と閉じトルクの関
係を示す線図である。
【図4】回動体が開き始めたときの回転ダンパユニット
の態様を示す断面図である。
【図5】回動体が閉じ始めたときの回転ダンパユニット
の態様を示す断面図である。
【図6】(a)は一方向バルブが閉じ位置に置かれた状
態を示す断面図、(b)は一方向バルブが開き位置に置
かれた状態を示す断面図である。
【図7】(a)は回転ダンパユニットの枢軸の拡大正面
図、(b)は同側面図である。
【図8】(a)は回転ダンパユニットのケーシングの正
面図、(b)は(a)中のb−b線断面図である。
【図9】(a)は回転ダンパユニットの可動ベーンを備
えた仕切部材の正面図、(b)は同部分側面図、(c)
は(a)中のc−c線断面図である。
【図10】(a)は固定ベーンに設けられる一方向バル
ブの拡大側面図、(b)は同背面図、(c)は(b)中
のc−c線断面図である。
【図11】(a)は回転ダンパユニットの固定ベーンの
平面図、(b)は(a)中のb−b線断面図である。
【図12】(a)はベーンホルダの正面図、(b)は
(a)中のb−b線断面図である。
【図13】(a)は便座が120度開かれた状態を示す
側面図、(b)はこのときの回転ダンパユニットの態様
を示す断面図である。
【図14】(a)は閉じ方向に回動する便座が45度ま
で閉じられた状態を示す側面図、(b)はこのときの回
転ダンパユニットの態様を示す断面図である。
【図15】(a)は便座が閉じられた状態を示す側面
図、(b)はこのときの回転ダンパユニットの態様を示
す断面図である。
【図16】回動体としての便座と便蓋を備えた便器の一
例を示す斜視図である。
【図17】便座と便蓋を備えた便器の平面図である。
【図18】便座と便蓋を備えた便器の側面図である。
【図19】回転ダンパユニットを備えた従来のヒンジ構
造を示す断面図である。
【符号の説明】
2・・・支持部 3・・・回動体としての便座 4・・・回動体としての便蓋 5・・・支軸 6・・・回転ダンパユニット 10・・・枢軸 11・・・固定ベーン 12・・・ケーシング 13・・・流体室 13A・・・第1流体室 13B・・・第2流体室 14・・・流体室 14A・・・第1流体室 14B・・・第2流体室 15・・・可動ベーン 16・・・可動ベーン 17・・・仕切部材 A,B・・・粘性流体

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に粘性流体を封入した流体室を有する
    ケーシングと、便座等の回動体の枢軸に設けられ上記流
    体室の内壁面に沿って上記ケーシングに対して相対的往
    復回動自在の、上記流体室内に設けられたベーンと、上
    記流体室をベーンとにより少なくとも2つ以上に仕切
    る、上記流体圧室に設けられた仕切り部材と、上記仕切
    り部材に上記回動体の回動力を伝達するための上記ケー
    シング、又は、上記ベーンに上記回動体の回動力を伝達
    するための上記枢軸からなる伝達部材とを備え、上記流
    体室の上記内壁面を、上記回動体の閉じ終期には上記ベ
    ーン先端部が対向する円形壁部と、上記内壁面と上記ベ
    ーン先端部との隙間を上記円形壁部より大きく形成し
    た、上記回動体の閉じ初期には上記ベーン先端部が対向
    する非円形壁部とにより構成したことを特徴とする便器
    用ダンパ構造。
  2. 【請求項2】支軸と、支持部と、上記支軸を嵌挿され上
    記回動体と共に回動するヒンジアームとからなってい
    て、上記支持部又は上記ヒンジアームの何れか一方に上
    支軸を、上記支持部又は上記ヒンジアームの他方に上
    記ケーシングをそれぞれ回り止め状態で収納する便器等
    のヒンジ構造に用いられる、 上記支軸を上記枢軸とする
    請求項1記載の便器用ダンパ構造。
  3. 【請求項3】上記ベーンが仕切っている流体室同士を、
    上記回動体が開く方向に回動するときには互いに連通さ
    せ、上記回動体が閉じる方向に回動するときには遮断さ
    せるスナップフィット式の一方向バルブを上記ベーンに
    設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の便器用ダ
    ンパ構造。
  4. 【請求項4】上記ケーシングが合成樹脂で形成されてい
    ることを特徴とする請求1又は2又は3記載の便器用ダ
    ンパ構造
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