JPWO2002085785A1 - 無機多孔質材料の製造法 - Google Patents

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Abstract

シリカ源としての水ガラス、水溶性高分子および酸を含有する水性媒体溶液を調製し、その溶液から相分離とゲル化を同時に起して湿潤状態のゲルを作製し、該ゲルを洗浄した後、乾燥することを特徴とする無機多孔質材料の製造法。本発明によれば、シリカ源として入手容易な水ガラスを使用することにより微細な細孔を有する相互連続貫通孔を有する多孔質シリカを製造することが可能となった。また本発明によれば、細孔径を所望の大きさに制御することも可能となった。

Description

本発明は無機多孔質材料の製造法に関する。さらに詳しくは、例えばクロマトグラフィー用カラム、固体触媒および酵素担体のために好適に使用される多孔質シリカの工業的に有利な製造法に関する。
従来の技術
一般にシリカゲル等の無機多孔体は、液相反応であるゾル−ゲル法によって製造される。ゾル−ゲル法とは、重合可能な低分子化合物を生成し、最終的に凝集体や重合体を得る方法を一般的に言う。例えば、金属アルコキシドの加水分解のほか、金属塩化物の加水分解、カルボキシル基あるいはベータジケトンのような加水分解性の官能基を持つ金属塩あるいは配位化合物の加水分解、金属アミン類の加水分解が代表的な方法として挙げられる。
また、TEOS(テトラエトキシシラン)やTMOS(テトラメトキシシラン)の如きケイ素アルコキシドを用いてゾル−ゲル法によりシリカゲルを製造する際、ポリマーを添加することによりマイクロメートル領域の微細孔径を有する相互連続貫通孔(マクロ細孔)を形成させることが可能である。これは、スピノ−ダル分解による相分離がポリマーの添加により誘起され、絡み合い構造を形成し粗大化していく段階において、ケイ素アルコキシドの加水分解、重縮合反応によるゲル形成が並行して行われることにより構造の固定が可能となり、このような相互連続した貫通細孔を持つと考えられている。
さらに、シリカゲルは、ナノメーター領域の微細孔径を有する細孔(ナノ細孔)を持たせることができるため、上記連続貫通細孔により流動や拡散等の機能性が、ナノ細孔により高比表面積がそれぞれ期待できる二元細孔シリカが製造できることになり、触媒担体やカラム等の材料に応用できると考えられる。
発明が解決しようとする課題
しかし、ケイ素アルコキシドは非常に高価な化合物であり、該化合物を原料として得られる二元細孔シリカを触媒担体等の工業材料に用いるにはコスト的に大変困難をともなう。
課題を解決するための手段
本発明者らは、シリカ源として安価に入手し得る水ガラス(水溶性シリケート)を使用して、微細な細孔径を有する相互連続貫通孔を有する多孔質シリカが製造されることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、シリカ源として水ガラスを含む水溶液中で相分離とゲル化とを同時に起して湿潤状態のゲルを作成し、次いで該ゲルを洗浄した後乾燥することを特徴とする無機多孔質材料の製造法が提供される。
さらに本発明によれば、シリカ源としての水ガラス、水溶性高分子および酸を含有する水性媒体溶液を調製し、その溶液から湿潤状態のゲルを作成し、該ゲルを洗浄した後、乾燥することを特徴とする無機多孔質材料の製造法が提供される。
本発明において、水ガラスを含有する水溶液中で相分離とゲル化を同時に起こして湿潤状態のゲルを作成するには、水ガラスを含む水溶液中に水溶性高分子を存在させてゲル化を進める手段が有利に採用される。
ここで水溶性高分子とは、理論的には適当な濃度の水溶液を形成することができる水溶性有機高分子であって、水ガラスを含有する水溶液中において均一に溶解することができるものが好適である。
水溶性高分子の例としては具体的には、高分子金属塩であるポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩;高分子酸であって解離してポリアニオンとなるポリアクリル酸;高分子塩基であって水溶液中でポリカチオンを生ずるポリアリルアミンまたはポリエチレンイミン;中性高分子であって主鎖にエーテル結合を持つポリエチレンオキシド;側鎖にヒドロキシル基を有するポリビニルアルコール;もしくはカルボニル基を有するポリビニルピロリドン等である。
これらのうち、ポリアクリル酸およびポリビニルアルコールが取扱いが容易であり好ましい。ポリアクリル酸は分子量は15,000〜300,000、好ましくは20,000〜150,000のものが適当である。
本発明に使用する水ガラスは、一般にはケイ酸アルカリ塩の濃厚水溶液である。本発明においては、水ガラスは試料調製時に適宜水で希釈して用いればよいため一定の種類のものに限定されない。シリカゲルを濃アルカリ水溶液で溶解して直接作製してもよく、あるいはJIS工業規格にのっとった市販の水ガラスでもよい。とりわけJIS規格の水ガラスである珪酸ナトリウムJIS3号またはそれと同等のものが原料として取り扱いやすい。
水ガラス中のSiO含有率は5〜40重量%程度であり、通常3〜25重量%に水で希釈して用いる。これは、水溶性高分子水溶液と混合させたとき粘度等の関係から不均一な溶液とならぬようにするためである。水溶性高分子水溶液と混合した後の最終的な溶液中のSiO含有率は2〜20重量%とするのが好ましく、特に11〜14重量%とするのが好ましい。
また水溶性高分子の最終的濃度は1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%の範囲が有利である。
水ガラスは、ケイ素アルコシドと異なりNa等のアルカリ金属元素を含むため、かなり強い塩基性の物質である。このため、水ガラスのpHをシリカのゲル化領域まで下げることが好ましい。pHを下げるには、例えば希釈した水ガラス水溶液に酸を加えることにより行う。pH領域は7以下、好ましくは0〜4の範囲である。
上記酸としては、通常硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸または有機酸が使用され、水ガラスを中和するのに十分の濃度を有するものが使用される。好ましくは0.1モル濃度以上の鉱酸、あるいは1モル濃度以上の酢酸、ギ酸等の有機酸が使用される。
水ガラス水溶液と水溶性高分子水溶液の混合手順は特に限定されず、水ガラス水溶液を水溶性高分子水溶液に加えても、逆に水溶性高分子水溶液を水ガラス水溶液に加えてもよい。また、酸との混合手順も特に限定されない。一般に、混合時の不均一なシリカ成分もしくは共存水溶性高分子の凝集を防ぐため、次の手順により行うことが好ましい。
▲1▼水溶性高分子を水に溶かし、水溶性高分子水溶液を調製する。
▲2▼水ガラスに水を加え、攪拌して均一な所定濃度の水ガラス水溶液とする。
▲3▼酸と、▲1▼の水溶性高分子水溶液とを必要に応じて水を加えて攪拌させながら水溶液を作る。
▲4▼▲3▼で得られた水溶液に▲2▼の水ガラス水溶液を加え、攪拌しながら均一な溶液とする。
この手順では、水溶性高分子を水溶液とすることで水溶性高分子を溶解させる手間を省き、さらに水溶性高分子を酸にさらす時間を減らすことにより、水溶性高分子の変質を最低限に抑えると同時に、溶液調製時のNOなどの酸性ガスの発生も最小限に食い止めることができる。
なお、この際水溶性高分子を水に溶かしたときの濃度は、通常1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%であるが、水溶性高分子の種類、重合度に依存してこの最適濃度は適宜変化させることができる。
最終的な酸の濃度は、最終溶液1リットル当り、0.1〜5モル、好ましくは1〜4モルの範囲が望ましい。前述した最終的溶液の調製における水ガラス、水溶性高分子および酸のそれぞれの濃度は、使用する水溶性高分子の種類や分子量により主として依存して変化する。溶解性、粘度および耐酸性などの観点よりポリアクリル酸(分子量約2万〜3万)が好ましく、また酸は強酸が好ましい。前述した各成分の最終濃度範囲により、マイクロメートルサイズの細孔が制御された多孔質シリカが得られる。
本発明によって得られる多孔質シリカのマクロ細孔の径や連続性は、ゲル作製時の溶液濃度やゲル化温度を変えることにより、すなわちゲル化により固定される。分相の過度構造の成長段階を変化させることにより制御可能である。
使用される水は特に限定されないが、水からの汚染を防ぐために蒸留水やイオン交換水の使用が好ましい。
湿潤状態のゲルを得るためのゲル化の代表的方法は、上記方法で得られた▲4▼溶液を密閉容器などに入れ、0〜80℃で、好ましくは10〜30℃で10分〜1週間、好ましくは1時間〜24時間放置することにより行う。ゲル化に要する時間は一般的には10分〜10時間程度であり、ゲル化後の静置を含めた時間は1日でもまた1週間でも生成物の構造にほとんど影響を与えない。前述したゲル化の時間はゲルがある程度の強度を持つために要する時間を意味する。
作製された湿潤状態のゲルは、乾燥させる前に洗浄する。これは、水ガラスからの湿潤ゲルをそのまま乾燥させると乾燥が進むにつれてゲルの崩壊が進むからである。ゲル形成段階において、Na等のアルカリ金属元素がゲル骨格内に入り込み、ゲルの強度を下げていることに基因していると考えられる。従って、乾燥の前に湿潤ゲル内のNa等のアルカリ金属の除去のために洗浄を行って、アルカリ金属塩として取り除くことが必要である。
洗浄は、ゲルを水に浸け、厚さが1cm程度あるゲルでは室温で12時間以上放置することにより行うが、ゲル厚さがこれより薄ければより短時間で洗浄可能である。
洗浄は、アルカリ金属としての残存量がSiO当り金属として1重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下となるまで実施することが望ましい。洗浄は0〜80℃、好ましくは20〜30℃で1時間〜1週間、好ましくは1日〜3日が有利である。
洗浄において、アルカリ残量が多いと、クラックが入り易く、焼成時にクリストバライトの結晶化が起り易くなりまたカーボンが残り易くなる。洗浄時間はゲル(試料)の厚さに依存して変化するが、時間が長い方がアルカリの除去のために好ましいが、その上限は経済的理由から決められる。前記好ましい洗浄条件は、厚さ5mm〜1cm程度の試料を用いて所望のアルカリ残量になるまでの条件である。
本発明により得られる多孔質シリカのナノ細孔径は、前述した洗浄後乾燥を行う前に、ゲルを水中で熟成させることにより主として制御できる。この熟成は水中あるいは濃度0.01〜10モルのアルカリ水溶液(例えばアンモニア水溶液)中で0〜200℃、好ましくは20〜80℃の温度で1時間〜1週間、好ましくは2日〜4日実施される。その際のpHは1〜10、好ましくは4〜10の範囲が適当である。
前述した方法に従って洗浄、さらに必要により熟成されたゲルは、空気中または窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下において水などの溶媒を除去する乾燥を行う。通常乾燥は20〜80℃、好ましくは30〜50℃で1日〜1週間、好ましくは2〜5日間実施されるが、特にこの条件に限定されるわけではない。
乾燥後得られた多孔質シリカはマクロ細孔構造を保持するに充分な強度を有している。しかし使用目的によって、さらに有機物を除去しかつ強度を増大させるために焼成することができる。この焼成は500℃〜1,100℃、好ましくは500℃〜800℃の温度が適当である。焼成雰囲気は空気中でもよく、不活性雰囲気いずれでもよい。
実施例
実施例1
次の手順でゲルを作製した。
▲1▼HPAA(ポリアクリル酸、和光純薬工業製;平均重量分子量25,000)を水に溶かしHPAA 25wt%水溶液22gを調製した。
▲2▼水ガラス(J珪酸ソーダ3号:日本化学工業製)50gに水60gを加えガラス棒で攪拌し、均一な水ガラス水溶液とした。
▲3▼濃硝酸36.6gに、▲1▼のHPPA水溶液と水7.1gを加えた。
▲4▼▲3▼の溶液に▲2▼の水ガラス水溶液を加えスターラーで攪拌し、均一な溶液とした。
▲5▼▲4▼の溶液をプラスチックケースに移し、ビニルテープで密閉した後、25℃恒温槽内に24時間放置した(ゲル化)。
▲6▼生成したゲルを1〜2cmの立方体に近い形に切り出し、それを約250mlの水に浸し3日間洗浄した(水は24時間おきに入れ替える)。
▲7▼洗浄したゲルを50℃恒温槽に移し3日間乾燥した。
実施例2
洗浄の効果を確かめるため、洗浄時間以外は実施例1と同じ方法でゲルを作製したときのNa残存量を測定した結果を図1に示す。なお、Na残存量は原子吸光法を用いて分析した。図1より3日間の洗浄でNaは約0.1wt%まで除去できることが判明した。
また、洗浄時間、焼成温度と生じる結晶相の関係をX線回折(XRD)により解析した結果を表1に示す。
Figure 2002085785
表1より、未洗浄ゲルにおいては、乾燥させた段階でNaNOの析出が確認されゲルが崩壊したことが、700℃で焼成するとシリカがクリストバライト相として存在していることが分かり、しかも炭素分の残留が目視により確認された。シリカは共存するNa分の濃度が高いほど低温でクリストバライト相に変わることが知られており、また、Na分が存在することにより、焼成時炭素分の除去が阻害されていると推察されることから、未洗浄のゲル中にはNa分が相当量残存していることが分かり、図1の結果と一致する。
[12h・24h洗浄]のゲルにおいては乾燥時ひび割れが生じたもののNaNOの結晶化は起こらなかった。しかし、700℃焼成後はクリストバライト相が生成し、炭素分の残留も確認されたことから、Na除去が不充分であったと考えられる。
[3d洗浄]を行ったものは、乾燥時ひび割れも起こらず、焼成温度を1100℃まで上げても結晶化せずアモルファスを保ち、炭素分の残留も認められなかったことから十分なNa分除去が行われたと考えることができる。
実施例3
実施例1の方法を用いて、様々な初期組成のゲルを作製した。各ゲルの初期組成は次のとおりである。
(1)水ガラス:50.0g 水:97.6g 濃硝酸:36.5g HPAA:6.5g
(2)水ガラス:54.9g 水:96.3g 濃硝酸:37.1g HPAA:6.5g
(3)水ガラス:59.9g 水:96.7g 濃硝酸:36.6g HPAA:6.5g
作製された乾燥ゲルのマクロ構造をSEMを用いて観察し、各ゲルの初期組成とマクロ構造を三角図上に表わしたものが図2である。図2より各構造ごとに系統性をもった領域の分布が確認された。図2中数字はwt%を示す(以下同じ)。
また、相互連続貫通孔をもつゲルのマクロ細孔径は、上記初期組成の変化に対し、図3のような変化を見せた。図3(1)は細孔径約1μm、同(2)は細孔径約3μm、同(3)は細孔径約10μmである。
したがって、初期組成を変えることによりマクロ細孔径の制御が可能なことが立証された。
実施例4
さらに、実施例1のHPAA(平均重量分子量:25,000)に替えて異なる平均重量分子量のHPAAを用いて様々な初期組成のゲルを作製した。作製された乾燥ゲルのマクロ構造をSEMを用いて観察し、各ゲルの初期組成とシリカゲルのマクロ構造を三角図上に表わしたものが図4および図5である。図4は平均重量分子量90,000のHPAAを使用した場合、図5は平均重量分子量250,000のHPAAを使用した場合である。
実施例5
ナノ細孔径の制御を行うため、実施例1の洗浄してNa分を除去した後のゲルを、0.1モル濃度のアンモニア水溶液中で50℃ないし80℃で48時間熟成を行った後に、乾燥、700℃で焼成を行った。窒素吸着を用いて、相互連続貫通孔をもつシリカゲルのナノ細孔径分布を調べたところ、塩基溶液中で熟成を行わなかった試料では細孔径3nm以下の小さな細孔しか存在しなかったが、0.1モル濃度アンモニア水溶液中50℃で熟成した試料で細孔径12nmに、80℃で熟成した試料では、細孔径18nmに細孔径分布のピークが認められた。細孔径は塩基溶液の濃度、熟成温度の増加とともに大きくなった。
したがって、熟成条件によりマクロ細孔径とは独立にナノ細孔径の制御が可能なことがわかる。
実施例6
HPAAに変えて次のポリビニールアルコール(PVA)を使用して多孔質シリカを作製した。
PVA−I:(ポリビニルアルコール、和光純薬工業製;平均重合度500 完全けん化型)
PVA−II:(ポリビニルアルコール、和光純薬工業製;平均重合度500部分けん化型)
ゲルの作製法は、次の手順で行った。
▲1▼ポリビーカーに水ガラス(J珪酸ソーダ3号、日本化学工業)、水を加えガラス棒で攪拌し、均一な水ガラス水溶液とした。
▲2▼別のポリビーカーに濃硝酸(60wt%、分子量63.01 和光純薬工業・特級)、水、所定のPVAを加え、スターラーで攪拌し均一溶液とした。
▲3▼▲2▼の溶液をスターラーで激しく攪拌しながら、▲1▼の水ガラス水溶液をゆっくりと加えた。
▲4▼▲3▼の溶液が均一になった後、プラスチック容器に移し、ビニルテープで密閉して、25℃恒温槽に24時間静置(ゲル化と相分離が同時に進行)した。
▲5▼静置後、ゲルは1−2cmの立方体に近い形に切り出し、それを約250mlの水に浸し三日間洗浄(Naを除去するため)。水は一日毎に入れ替えた。
▲6▼洗浄したゲルを50℃恒温槽に移し、三日間乾燥した。
PVA−Iを用いて、ゲルを作製した結果,相分離し、白濁ゲルができた。図6に示すように、同じ初期組成で、PVA量を増やすにつれて、ドメインサイズ(細孔径)が小さくなることがわかった。図6(a)はPVA5.0g(マクロ細孔径約2μm)、同(b)はPVA6.0g(マクロ細孔径約1.5μm)使用した際のSEM写真である。なお、PVA7.0g使用した時、得られたゲルのマクロ細孔径は約1μmであった。また、図7に作製したシリカゲルの代表的な初期組成とマクロ構造を三角図に示す。図中、◎は相互連続貫通孔を有する、△は粒子凝集体の、□はマクロ細孔なしの各シリカゲルを示す。広い組成範囲で、相分離し相互連続貫通孔(マクロ細孔)を持つゲルが作製可能であることがわかった。そのSEM写真の結果、マクロ細孔径は約1.5μmであった。
PVA−IIを用いて、図8に示すような初期組成で同様にゲルを作製した。その結果,相分離し、白濁ゲルができ、SEMでマクロ構造を観察したところ、PVA−Iと同じような傾向を示した。図中、◎印は相互連続貫通孔を有する、□印はマクロ細孔なしの各シリカゲルを示す。そのSEM写真の結果、マクロ細孔径は約2.0μmであった。
本発明によれば、水ガラスをケイ素アルコキシドの代替シリカ源として用いることにより安価に二元細孔を有する無機多孔質材料を製造できる。従って、様々な工業材料としての利用が可能となった。
【図面の簡単な説明】
図1は洗浄時間とNa残存量との関係図である。
図2は各ゲルの初期組成とマクロ構造を三角図上に表した図(HPAAの平均重量分子量25,000)である。
図3は相互連続貫通孔をもつゲルのSEM写真である。
図4は各ゲルの初期組成とマクロ構造を三角図上に表した図(HPAAの平均重量分子量90,000)である。
図5は各ゲルの初期組成とマクロ構造を三角図上に表した図(HPAAの平均重量分子量250,000)である。
図6は水ガラス−PVA−I系のマクロ構造の変化を示すSEM写真である。
図7は初期組成とマクロ構造を三角図上に表した図である。
図8は水ガラス−PVA−II系の初期組成とマクロ構造を三角図上に表した図である。

Claims (6)

  1. シリカ源として水ガラスを含む水溶液中で相分離とゲル化とを同時に起して湿潤状態のゲルを作製し、次いで該ゲルを洗浄した後乾燥することを特徴とする無機多孔質材料の製造法。
  2. シリカ源としての水ガラス、水溶性高分子および酸を含有する水性媒体溶液を調製し、その溶液から湿潤状態のゲルを作成し、該ゲルを洗浄した後、乾燥することを特徴とする無機多孔質材料の製造法。
  3. 乾燥後、焼成することを特徴とする請求項1または2記載の無機多孔質材料の製造法。
  4. 湿潤状態のゲルを洗浄した後、熟成せしめ、次いで乾燥することを特徴とする請求項1、2または3記載の無機多孔質材料の製造法。
  5. 該洗浄は、アルカリ金属の含有量が0.2重量%以下となるまで実施する請求項1〜4のいずれか記載の無機多孔質材料の製造法。
  6. 水ガラス、水溶性高分子および酸を含有する水性媒体溶液中のシリカ(SiO)含有量が2〜20重量%である請求項1〜5のいずれか記載の無機多孔質材料の製造法。
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