JP2680434B2 - オキサゾリンポリマー/シリカ複合成形体の製造方法 - Google Patents

オキサゾリンポリマー/シリカ複合成形体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、オキサゾリンポリマー/シリカ複合成形体
の製造方法に関し、さらに詳しくは、繊維状,膜状の如
き各種形態のシリカ成形体を円滑有利に製造することが
できる特定のゾル−ゲル法を用いた新規な方法に関す
る。
[従来の技術] 従来より、多孔質シリカの製造方法としては種々の方
法が提案されている。その一つは、シリカ粉体を仮焼し
熱分解せしめて粒子または粒子間に気孔を形成させた
後、燒結する方法である。この方法では、孔径の揃った
多孔質シリカを製造することが困難であり、また繊維
状,膜状の如き各種用途に応じた形態に成形することが
難しい。他の方法として、アルコキシシランを原料とし
たゾル−ゲル法が多孔質シリカの製造方法として提案さ
れている。このゾル−ゲル法による場合には、得られる
多孔質シリカの細孔径は通常極めて小さく、またこの細
孔径を大きくしようとすると、細孔径分布が広くなると
いう難点が認められる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上記従来技術の難点を解消し、細孔
径及びその分布のコントロールが容易にできるととも
に、各種用途に応じた適宜の形態にすることができる多
孔質シリカの製造技術を新規に提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者の研究によれば、ゾル−ゲル法の場合には、
例えば有機ポリマーを用いて上記の目的が達成される
が、用いる有機ポリマーによっては特に均一分散性不良
に基く次のような難点が残ってしまう。例えば、有機ポ
リマー溶液中でアルコキシシランの加水分解重合反応を
行ない、反応溶液系をゲル化せしめた後、生成した多孔
質ゲル中の有機ポリマーを除去し、その後に焼成するな
どの方法により、細孔径及びその分布を容易にコントロ
ールし得るのであるが、ゲル化工程で相分離を伴うた
め、均一分散性が損なわれるとともに、適宜形態への賦
形性にも難点が残る。
上記の如き問題点の認識に基いて更に研究を重ねた結
果、次のような興味深い知見を得るに至ったものであ
る。すなわち、ポリオキサゾリン末端へトリエトキシシ
リル基などを導入することにより、これとアルコキシシ
ランとの共加水分解重合が可能となり、生成ゲルはシリ
カとポリオキサゾリンとが化学結合によって強固に連結
されているので、ゲル化工程での相分離が解消される。
また、ポリオキサゾリン自体はシランあるいはシリカと
極めて親和性が良いので、ゲル化の前でも後でも両者が
均一に分散されており、これらいずれの段階においても
適宜形態への賦形性が優れている。従って、上記特性の
ポリオキサゾリンとアルコキシシランを用いたゾル−ゲ
ル法によれば、各種用途に応じた適宜形態のポリマー/
シリカ複合成形体が均一分散状態を保持して円滑有利に
製造され得る。而して、本発明により製造される成形体
を高温で熱処理すれば、ゲル体中のポリオキサゾリン部
分が消失することによって、各種形態で且つ細孔径及び
その分布がコントロールされた多孔質シリカを得ること
ができる。
かくして本発明は、上記知見に基いて完成されたもの
であり、加水分解重合性シリル基含有オキサゾリンポリ
マーと加水分解重合性シランとを共加水分解重合反応さ
せてゲル化せしめ、該ゲル化の前の混合物乃至該ゲル化
の後のゲル化物を賦形して成形体を得ることを特徴とす
る複合成形体の製造方法を新規に提供する。
本発明によれば、シリカの三次元ネットワーク中にオ
キサゾリンポリマーが化学結合により組み込まれた複合
成形体が円滑有利に製造され得る。また、本発明によれ
ば、繊維状,膜状の如き各種用途に応じた形態のポリマ
ー/シリカ複合成形体が自由に製造され得る。しかも、
本発明の複合成形体は、特定シランと特定ポリマーとの
親和性及び共加水分解重合による化学結合の両者が相俟
って、相分離のない非常に均一なものとなり、賦径性が
良好なだけでなく、透明性に優れたものである。更に、
本発明の複合成形体は、これを高温熱処理することによ
り、その形態を保持した状態で細孔径及びその分布がコ
ントロールされた多孔質シリカ体に容易に変換すること
ができる。
本発明において、加水分解重合性シリル基含有オキサ
ゾリンポリマーとしては、種々のものが広範囲にわたっ
て例示され得る。まず、加水分解重合性シリル基として
は、通常はトリメトリキシシリル基,トリエトキシシリ
ル基の如きトリアルコキシシリル基が好適なものとして
例示されるが、その他のトリクロロシリル基,ヒドロキ
シシリル基なども採用され得る。また、該加水分解重合
性シリル基は、オキサゾリンポリマーの片末端に導入さ
れていても良く、両末端に導入されていても良い。オキ
サゾリンポリマーへの加水分解重合性シリル基の導入方
法についても特に限定はなく、例えばオキサゾリンの開
環重合における生長末端のオキサゾリニウム塩の反応性
を利用する方法などが挙げられる。求核剤としてのアミ
ノプロピルトリエトキシシランを上記の生長末端オキサ
ゾリニウム塩に反応させてアンモニウム塩の形とし、こ
れを塩基性イオン交換樹脂で処理することにより、末端
にトリエトキシシリル基を有するポリオキサゾリンを得
ることができる。また、末端に二重結合を有するオキサ
ゾリンポリマーとトリアルコキシシランとのヒドロシリ
ル化反応などによっても、末端にトリエトキシシリル基
を有するポリオキサゾリンを得ることができる。
次に、オキサゾリンポリマー部分についても、その種
類,分子量など種々の変更が可能である。例えば、種類
についてはオキサゾリン,メチルオキサゾリン,エチル
オキサゾリン,ブチルオキサゾリン,オクチルオキサゾ
リンなどのポリマーが例示され、分子量についても重合
度1〜200程度のものなどが特に限定されることなく例
示され得る。これらの分子量,種類、あるいは上記片末
端か両末端か、さらには後述の特定オキサゾリンポリマ
ーの仕込比などによって、目的成形体の吸水性,親水
性,溶媒親和性などを変えることができるとともに、本
発明成形体からの多孔質シリカの細孔形や細孔分布をコ
ントロールすることもできる。
本発明における加水分解重合性シランについても、特
に限定されることなく、広範囲にわたって種々のものが
例示され得る。例えば、テトラメトキシシラン,テトラ
エトキシシランの如きテトラアルコキシシランなどが好
適なものとして例示され、その他ゾル−ゲル法において
通常用いられる各種シラン類あるいは部分的に重合させ
たシラン類なども挙げられる。
本発明において、特定オキサゾリンポリマーと特定シ
ランの反応割合(仕込比)は、目的とする成形体の用
途,性能など、あるいはその先の多孔質シリカ用途,性
能などに応じて適宜選定され得る。更に、該反応割合
は、使用する特定オキサゾリンポリマーの種類,分子量
などに応じても、その好適な範囲を適宜変更することが
可能である。例えば、特定オキサゾリンポリマー/特定
シランの重量比で1/0.01〜1/100程度の広い範囲から選
定され得るものであり、通常は1/0.1〜1/10程度が好ま
しく採用され得る。
本発明における共加水分解重合反応は、従来のゾル−
ゲル法におけると同様の操作,条件のもとに適宜実施可
能であり、特に限定される理由はないが、具体的に説明
すれば次の通りである。例えば、特定オキサゾリンポリ
マーと特定シランをアルコール溶媒に溶かして均一溶液
とし、そこへ塩酸などを滴下して撹拌することにより反
応を行なう。反応は通常溶媒中で行なうのが望ましく、
この場合の溶媒としては、メタノール,エタノールの如
きアルコール類、エーテル類などが採用され得る。反応
温度は室温でも良く、0〜50℃程度の範囲から適宜選定
され得る。また、反応時間についても特に限定はなく、
例えば24時間程度でも反応させることができ、反応温度
などに応じて更に長時間や短時間を適宜採用することも
できる。その他、窒素気流下での反応や0.5〜1気圧程
度の減圧下での反応などが適宜採用可能である。
本発明においては、特定オキサゾリンポリマーが特定
シランと相溶性良好であり、また上記加水分解重合反応
による生成ゲルはシリカとオキサゾリンポリマーとが化
学結合で強固に連結されて一体ネットワークを形成して
いるので、ゲル化の前でも後でも相分離は生起せず、均
一透明状態を保持している。而して、本発明において
は、上記ゲル化の前乃至後に維持状,膜状など適宜形態
に賦形されるが、得られる成形体は均一透明のものとし
て得られる。ゲル化反応において溶媒が用いられた場合
には、この溶媒を適宜の段階で除去することができる。
例えば、賦形後に溶媒の除去が可能であり、あるいはゲ
ル化反応過程で溶媒の除去を行なうこともできる。さら
には、ゲル化後に溶媒の除去を行なって、その後に賦形
を行なうこともできる。賦形態様がコーティングなどの
場合には、ゲル化前に基材へのコーティングを行ない、
基材上でゲル化反応せしめてシリカ/ポリマー複合体被
膜を形成するなどが有利である。
また、本発明における賦形形態は、広範囲にわたって
採用可能であり、例えば上記コーティングを初めとして
繊維状,球状,管状,膜状,板状,棒状などが挙げられ
る。これらの成形体は、その形態を保持したままで多孔
質シリカ体への変換が可能である。勿論、シリカ/ポリ
マー複合成形体のままでも、該複合成形体の親水性,親
和性,透明性などの各種性能を生かした用途に適用する
ことができる。賦形方法としても、目的とする成形体の
形態に応じて好適な方法が適宜選択され得るものであ
り、溶液を用いた流延法や塗布法,繊維状や管状などへ
の押出成形法,膜状や板状などへのプレス成形法,管状
や複雑形状などへの遠心成形法,その他各種形状への注
型成形法などが採用され得る。
本発明のシリカ/ポリマー複合成形体を多孔質シリカ
本へ変換する場合、通常はオキサゾリンポリマーの分解
温度以上の高温で熱処理すれば良いが、例えば300〜800
℃程度の温度で3〜24時間程度の加熱処理が採用され
る。高温熱処理によって、オキサゾリンポリマー部分が
消失するとともに、シリカ部分が燒結されて多孔質シリ
カ体へ変換される。得られる多孔質シリカ体は、その細
孔径及び孔径分布が良好にコントロールされている。例
えば、細孔径は5〜100Å程度の広範囲にわたって自由
にコントロールすることができ、また、孔径分布につい
ても揃ったものとすることができる。
而して、上記のようにして得られる多孔質シリカ体
は、本発明の複合成形体の形態が保持されているので、
その形態を生かした広範囲の用途に適用され得る。例え
ば、繊維状体はマット状フィルター,織物状フィルタ
ー,触媒担体,酵素担体などとして、膜状体や管状体は
分離フィルター,散気板,噴気管,散液板・管などとし
て、球状体は吸着材,触媒担体,充填材などとして、ま
たコーティング体は液体クロマトグラフィー用担体,酵
素担体などとして、それぞれ採用され得るものである。
[実施例] 以下、本発明の実施例についてさらに具体的に説明す
るが、かかる説明によって本発明が何ら限定されないも
のであることは勿論である。
<特定オキサゾリンポリマーの合成> 合成例1〜4. メチルトシレート(CH3OTs)を開始剤とした2−メチ
ル−2−オキサゾリンの開環重合、その重合反応で生成
するリビング的重合生長末端オキサゾリニウム塩と求核
剤として3−アミノプロピルトリエトキシシランとの反
応(アミノ基がオキサゾリニウム末端と反応してアンモ
ニウム塩の形となる)、及び該アンモニウム塩の塩基性
イオン交換樹脂による処理(→末端にトリエトキシシリ
ル基を有するポリオキサゾリンの生成)からなる工程に
したがって、下記第1表に示すような各種の加水分解重
合性シリル基含有オキサゾリンポリマーを合成した。
また、上記のメチルトシレートの代わりに、ビスオキ
サゾリンとメチルトシレートの反応で得られる二官能性
開始剤(TsO‥OTs)を用いる他は、上記と同様の工程に
従って、下記第1表に示すような両末端にトリエトキシ
シリル基を有するオキサゾリンポリマーを合成した。
なお、上記第1表において、時間は上記工程における
開環重合反応の時間を、収率は同開環重合反応での収率
を、それぞれ示している。また、▲▼は特定オキサ
ゾリンポリマーの分子量を示し、CH3CN中80℃の試料に
ついて1H−NMRから計算したものである。
<オキサゾリンポリマー/シリカ複合体の調製> 調製例1〜6. 上記合成例と同様の方法で合成した下記第2表に示す
特定オキサゾリンポリマーを用いて、テトラエトキシシ
ランとの共加水分解重合反応を行なった。特定オキサゾ
リンポリマーとテトラエトキシシランを下記第2表に示
す仕込比でエタノールに溶かし、均一溶液としたところ
へ塩酸を滴下し、数分間撹拌後に数日間放置することに
より反応させた。得られたガラス状の固体を乳鉢で粉砕
しクロロホルムによるソックスレー抽出で精製した。得
られたポリマー/シリカ複合体について、元素分析から
計算したポリオキサゾリンの導入率(POZO%)及び900
℃まで加熱した時の熱重量分析TGA(窒素気流下、10℃/
min.)による重量損失(Wt−Loss%)を下記第2表に示
した。
下記第2表において、POZO−A,POZO−Bは合成例1〜
3に準じた方法で合成された片末端にトリエトキシシリ
ル基を有するポリオキサゾリンであり、POZO−Cは合成
例4に準じた方法で合成された両末端にトリエトキシシ
リル基を有するポリオキサゾリンである。また、D.P.は
原料の特定オキサゾリンポリマー(原料POZO)の重合度
を示す。さらに、仕込比は、原料POZO/テトラエトキシ
シランの重量比にて示している。
<ポリオキサゾリンの導入の効果> 参考例1〜10. 調製例1〜6に準じた方法で得られる下記第3表に示
すオキサゾリンポリマー/シリカ複合体について、ポリ
オキサゾリン導入の効果をみるために、次に示す方法に
よって吸水倍率の測定を行なった。
[吸水倍率の測定方法] 試料としてのオキサゾリンポリマー/シリカ複合体の
100mgを水中で10時間膨潤させ、次いでガラスフィルタ
ーで20mmHgの減圧下に5分間濾過する。このように処理
された試料から、複合体に膨潤吸収された水の重量を算
出し、その水の重量をもとの乾燥複合体の重量で割って
吸水倍率を求める。
得られる結果(H2O含量)及び上記第2表におけると
同様のPOZO%を下記第3表に示す。また、第3表には、
テトラエトキシシランのみから合成したゲル(シリカ単
体)についても、同様の結果を参考例10として示してあ
る。
また、下記第3表において、POZO−A,POZO−Bは合成
例1〜3に準じた方法で合成された片末端にトリエトキ
シシリル基を有するポリオキサゾリンを示しており、PO
ZO−Cは合成例4に準じた方法で合成された両末端にト
リエトキシシリル基を有するポリオキサゾリンを示して
いる。また、D.P.は原料の特定オキサゾリンポリマー
(原料POZO)の重合度を示すものである。
実施例1. 上記合成例1に準じて合成された重合度9.0の特定オ
キサゾリンポリマー0.394gとテトラエトキシシラン1.97
gを、3mlのエタノールに溶かした均一溶液としたところ
へ、1規定の塩酸を0.2ml滴下し数分間撹拌した溶液
を、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)製基材
の表面に流延塗布した。この状態で数日間放置すること
により、共加水分解重合反応を進行せしめた。その結
果、基材表面にガラス状固体からなる厚み100ミクロン
の透明塗膜を形成することができた。クロロホルムによ
る抽出操作でエタノール溶媒及び未反応原料を溶出する
とにより(あるいは50℃で加熱乾燥することにより)該
塗膜を精製して、オキサゾリンポリマー/シリカ複合体
からなる透明な塗膜を得た。
該オキサゾリンポリマー/シリカ複合体塗膜は、フッ
素樹脂製基材の表面から剥がすことにより、複合体薄膜
とすることもできる。
実施例2〜5. 実施例1において、使用する特定オキサゾリンポリマ
ーの種類と量及びテトラエトキシシランの使用量を下記
第4表に示すように変え、その他は同様の条件,手順に
より、オキサゾリンポリマー/シリカ複合体からなる透
明な塗膜及び薄膜を得ることができた。
以上の実施例1〜5のようにして得られる塗膜及び薄
膜は、後述の製造例と同様の方法によって、その形状を
保持した状態で容易に多孔質シリカ体へ変換することが
できる。
実施例6. 上記の合成例4に準じて合成されたところの重合度1
6.1の両末端にトリエトキシシリル基を有するポリオキ
サゾリン3.92gとテトラエトキシシラン19.6gを、40mlの
エタノールに溶かし均一溶液としたところへ、1規定の
塩酸を0.9ml滴下し数分間撹拌した溶液を原料液として
用いた。この原料液40gを、内径が2cm,長さが10cmの一
端を封じたフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)
製パイプ状鋳型内に注入し、温度27℃に2日間、さらに
温度50℃に1日間保持することにより、共加水分解重合
反応を進行せしめた。その結果、長さ8.5cm,直径18cmの
透明丸棒体を得ることができた。該丸棒体を50℃で加熱
乾燥することにより、オキサゾリンポリマー/シリカ複
合体からなる透明な丸棒体を得た。
実施例7. 上記の合成例1〜3に準じて合成された重合度が9.0
の片末端にトリエトキシシリル基を有するポリオキサゾ
リン2.86gとテトラエトキシシラン28.6gを、40mlのエタ
ノールに溶かし均一溶液としたところへ、1規定の塩酸
を0.8ml滴下し数分間撹拌した溶液を原料液として用い
た。
一端を封じた薄肉のシリコーンゴム製チューブ内に水
を張って膨らませた外径1.5cmの棒状内型及び内径4cmの
フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)製円筒容器
外型を用い、該外型内に該内型を同軸状に挿入し、該外
型の内壁と該内型の外壁との間の空間に上記の原料液を
注入し、温度27℃に2日間、さらに温度50℃に1日間保
持することにより、共加水分解重合反応を進行せしめ
た。原料液がゲル化して固化したので、棒状内型内の水
を抜き出し、シリコーンゴム製チューブを抜き取ること
により、内径0.7cm,外径3.6cmの透明パイプ状体を得る
ことができた。該パイプ状体を50℃で加熱乾燥すること
により、オキサゾリンポリマー/シリカ複合体からなる
透明なパイプ状体を得た。
実施例8. 上記の合成例4に準じて合成された重合度が16.1の両
末端にトリエトキシシリル基を有するポリオキサゾリン
3.92gとテトラエトキシシラン19.6gを、40mlのエタノー
ルに溶かし均一溶液としたところへ、1規定の塩酸を0.
9ml滴下し数分間撹拌した溶液を原料液として用いた。
該原料液を撹拌下に温度27℃で共加水分解重合せしめ、
粘度が70ポアズになったものを紡糸液とした。
紡糸装置には、孔径0.12mmの孔を200個有するノズル
口金(最外周径120mmの円板に孔配置密度1.6個/cm2にな
るように孔が配列されている)が組み込まれている。上
記の紡糸液を15kg/cm2の圧力で該ノズル口金から押し出
し、下方に設置した巻取ドラムによって120m/分の速度
で巻き取ったところ、吐出不良やフィラメント切れがお
こることなく、長時間にわたって連続的にゲル状繊維を
得ることができた。該ゲル状繊維はオキサゾリンポリマ
ー/シリカ複合体からなる透明な繊維状体であり、直径
が10ミクロン、延伸比が12であった。
実施例9. 上記実施例8におけると同様の原料液を用いて共加水
分解重合せしめ、粘度が60ポアズになったものを紡糸液
とした。孔径0.10mmの孔を100個有するノズル口金から
該紡糸液を押し出し、巻取ドラムによって100m/分の速
度で巻き取ることにより、オキサゾリンポリマー/シリ
カ複合体からなる直径20ミクロンの透明なゲル状繊維が
得られた。
実施例10. 上記の合成例4に準じて合成された重合度が16.1の両
末端にトリエトキシシリル基を有するポリオキサゾリン
3.92gとテトラエトキシシラン19.6gを、40mlのエタノー
ルに溶かし均一溶液としたところへ、1規定の塩酸を0.
9ml滴下し、27℃で2日間共加水分解重合せしめた液を
原料液とした。
ガラス製の二流体ノズル(内管径0.5mm,外管径2.5m
m)の内管より上記の原料液の40mlを2ml/分の速度で、
また乾燥N2を上記二流体ノズルの外管より5リットル/
分の速度で送り込み、別に設けた液体N2リザーバー中に
噴霧した。噴霧終了後に上記リザーバーを減圧にし、液
分を昇華せしめた。得られた微小球体を50℃で乾燥する
ことにより、オキサゾリンポリマー/シリカ複合体から
なる平均粒径0.1mlの透明球状粒子を得た。
実施例11. 上記合成例1に準じて合成された重合度9.0の片末端
にトリエトキシシリル基を有するポリオキサゾリン2.86
gとテトラエトキシシラン28.6gを、40mlのエタノールに
溶かし均一溶液としたところへ、1規定の塩酸を0.8ml
を滴下し、更に27℃で2日間共加水分解重合せしめた液
を原料液とした。
この原料液を、回転装置にその長軸が水平になるよう
に設置された内径5cm,長さ20cmのポリテトラフルオロエ
チレン製パイプ状鋳型内に注入し、1000r.p.m.で30分間
回転させた。更に、その後50℃で1日間保持することに
より、共加水分解重合反応を進行せしめた。その結果、
外径4.5cm,肉厚0.5mm,長さ18cmのオキサゾリンポリマー
/シリカ複合体からなる透明なパイプ状体が得られた。
以上の実施例6〜11のようにして得られる各種成形体
についても、後述の製造例と同様の方法によって、その
形状を保持した状態で容易に多孔質シリカ体へ変換する
ことができる。
<多孔質シリカ体の製造> 製造例1〜6. 下記第5表に示す原料POZO(特定オキサゾリンポリマ
ー)を用いて上記調製例1〜6に準じて調製されたオキ
サゾリンポリマー/シリカ複合体を、高温熱処理せしめ
ることにより多孔質シリカ体を製造した。高温熱処理
は、上記オキサゾリンポリマー/シリカ複合体を580〜6
00℃で24時間加熱することにより行なった。得られた多
孔質シリカ体の表面積及び細孔溶液を窒素吸着法によっ
て測定した結果を下記第5表に示す。
上記第5表において、POZO−A,POZO−Bは合成例1〜
3に準じた方法で合成された片末端にトリエトキシシリ
ル基を有するポリオキサゾリンであり、POZO−Cは合成
例4に準じた方法で合成された両末端にトリエトキシシ
リル基を有するポリオキサゾリンである。また、D.P.は
原料の特定オキサゾリンポリマー(原料POZO)の重合度
を示す。さらに、仕込比は、オキサゾリンポリマー/シ
リカ複合体調製時の原料POZO/テトラエトキシシランの
重量比にて示している。
[発明の効果] 本発明の製造方法は、均一透明のオキサゾリンポリマ
ー/シリカ複合体成形体を円滑有利に与え得るという効
果を達成しているとともに、繊維状,膜状の如き各種用
途に応じた形態の成形体を自由に製造できるという効果
をも有する。これらの効果に基いて、本発明で製造され
る種々の形態の複合成形体から、高温熱処理によりその
形態を保持したまま多孔質シリカ体が円滑有利に得られ
るという効果も達成される。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加水分解重合性シリル基含有オキサゾリン
    ポリマーと加水分解重合性シランとを共加水分解重合反
    応させてゲル化せしめ、該ゲル化の前の混合物乃至該ゲ
    ル化の後のゲル化物を賦形してして成形体を得ることを
    特徴とする複合成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】加水分解重合性シリル基含有オキサゾリン
    ポリマーにおける加水分解重合性シリル基がトリアルコ
    キシシリル基である請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】加水分解重合性シランがテトラアルコキシ
    シランである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】賦形がコーティングである請求項1、2又
    は3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】成形体が繊維状体、球状体、管状体、また
    は膜状体である請求項1、2又は3に記載の製造方法。
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