JP2005162504A - 二元細孔シリカ粒子 - Google Patents

二元細孔シリカ粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP2005162504A
JP2005162504A JP2003400202A JP2003400202A JP2005162504A JP 2005162504 A JP2005162504 A JP 2005162504A JP 2003400202 A JP2003400202 A JP 2003400202A JP 2003400202 A JP2003400202 A JP 2003400202A JP 2005162504 A JP2005162504 A JP 2005162504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica particles
pore
binary
silica
nanopores
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003400202A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoji Takahashi
亮治 高橋
Tomoji Sato
智司 佐藤
Katsuhiro Matsutani
勝博 松谷
Naoki Mikami
直樹 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP2003400202A priority Critical patent/JP2005162504A/ja
Publication of JP2005162504A publication Critical patent/JP2005162504A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】マクロ細孔が存在しない従来のシリカ粒子は、物質輸送能に乏しく圧力損失が高いためカラム充填材や触媒担体に用いるときに十分な特性が得られず、またマクロ細孔とナノ細孔を合わせ持つシリカは、塊状のためカラム充填材や触媒担体に好適に用いることができないという課題を解決した、物質輸送能に優れるマクロ細孔および高い比表面積を持つナノ細孔の両者を合わせ持ち、例えば触媒担体やカラム充填材などの各用途に適した平均粒子径を有する二元細孔シリカ粒子を提供する。
【解決手段】マクロ細孔の細孔径が0.1〜30μm、ナノ細孔の平均細孔径が1〜50nmであって、平均粒子径が5μm〜10mmである二元細孔シリカ粒子
【選択図】なし

Description

本発明は二元細孔シリカ粒子に関する。本発明の二元細孔シリカ粒子は、例えばクロマトグラフィー用カラム、固体触媒、触媒担体、吸着材、分離材などの材料として好適に利用される。
従来知られているシリカ粒子は、乾燥剤、触媒担体、カラム担体等に広く用いられている。
その製法は、非特許文献1に記載のように基本的に以下に示すプロセスからなる。
1)可溶性珪酸を水酸化ナトリウム等で溶解して、珪酸アルカリを調製する。
2)珪酸アルカリの水溶液と硫酸のような鉱酸とでシリカゾルを調製する。
3)温度、pH等を調整しながら何らかの方法でゲル化させる。
4)得られたシリカゲルを水洗し、硫酸ナトリウムなどの水溶性の塩類を除去する。
5)シリカゲルを加熱処理により脱水し、シリカを得る。
6)粉砕、分級等により粒度を調整してシリカ粒子を得る。
ただ前述の原料、方法では純度に限界があるため、原料として有機珪素化合物、珪酸カルシウム、四塩化珪素を用いる方法や、高純度珪素エステルを加水分解し何らかの方法で溶媒を除いてシリカ粒子とする方法が知られている。
シリカ粒子の物理性状の代表的なものに、比表面積、細孔構造(細孔分布等)、シラノール基密度、粒度分布がある。これら物性は製造条件により大きく変化させることができる。
しかしながら、従来のシリカ粒子の細孔構造はナノメートル領域の平均細孔径を有するナノ細孔のみであり、該シリカ粒子内部への物質輸送が遅いために外表面のみが寄与し、材料の持つ特性を十分に発揮できないという欠点があった。
一方、特許文献1に記載のように、テトラエトキシシランの如きケイ素アルコキシドを用いてゾルゲル法によりシリカを製造する際に、有機高分子を添加することによりマイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔を形成させたシリカを得ることが可能である。該シリカのマクロ細孔の構造は、相分離の過渡構造がゲル化で凍結されることにより決定される。さらに該シリカは、ナノメートル領域の平均細孔径のナノ細孔も有する。
しかし、上記の相分離を利用して得られるマクロ細孔及びナノ細孔を有するシリカは塊状のものに限られ粒子状のシリカは従来知られていなかった。
加賀美敏郎、林瑛 監修、「高純度シリカの製造と応用」、株式会社シーエムシー、1999年9月13日発行、229頁 特開平3−8729号公報
マクロ細孔が存在しない従来のシリカ粒子は、物質輸送能に乏しく圧力損失が高いためカラム充填材や触媒担体に用いるときに十分な特性が得られず、またマクロ細孔とナノ細孔を合わせ持つシリカは、塊状のためカラム充填材や触媒担体に好適に用いることができないという課題があった。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、物質輸送能に優れるマクロ細孔および高い比表面積を持つナノ細孔の両者を合わせ持ち、例えば触媒担体やカラム充填材などの各用途に適した平均粒子径の二元細孔シリカ粒子を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、マクロ細孔の細孔径が0.1〜30μm、ナノ細孔の平均細孔径が1〜50nmであって、平均粒子径が5μm〜10mmである二元細孔シリカ粒子である。
本発明の二元細孔シリカ粒子は、マクロ細孔及びナノ細孔を合わせ持つため、優れた物質輸送能を持ち、かつ高い比表面積を有する。このためカラム、反応容器等に充填する場合、触媒担体に用いる際には高活性発現に寄与し、カラム充填材に用いる際には圧力損失が低いため高速分離が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の二元細孔シリカ粒子のマクロ細孔の細孔径は0.1〜30μmの範囲であり、この範囲内であれば使用目的に応じて任意のサイズにすればよい。マクロ細孔の細孔径が0.1μm未満の場合、圧力損失が高くなり触媒反応等に用いる場合には装置上あるいは反応上の不都合を来たす。また、マクロ細孔の細孔径が30μm超の場合、二元細孔シリカ粒子の機械的強度が著しく低下するため触媒担体やカラム充填材等に用いるのは好ましくない。マクロ細孔の細孔径が大きいものほど物質輸送能に優れるため化学反応上好ましいが、強度上の観点からマクロ細孔の細孔径は制限され、マクロ細孔の細孔径は1〜20μmの範囲が好ましい。
本発明の二元細孔シリカ粒子のナノ細孔の平均細孔径は1〜50nmの範囲であり、この範囲内であれば使用目的に応じて任意のサイズにすればよい。ナノ細孔の平均細孔径が1nm未満の場合、二元細孔シリカ粒子のナノ細孔への触媒成分の担持等の表面修飾が困難である。また、ナノ細孔の平均細孔径が50nm超の場合、ナノ細孔への表面修飾は容易となるが触媒活性や分離性能の低下をもたらす。該二元細孔シリカ粒子を触媒担体、カラム充填材として用いる場合に、高活性、高効率を発現するためには、従来のシリカ粒子と同様にナノ細孔の平均細孔径は5nm〜20nmの範囲が好ましい。
本発明の二元細孔シリカ粒子の平均粒子径は、5μm〜10mmである。平均粒子径が5μm未満の場合、二元細孔シリカ粒子の充填が密となるため圧力損失が高くなり触媒反応等に用いる場合には装置上あるいは反応上の不都合を来たす。また、平均粒子径が10mm超の場合、二元細孔シリカ粒子の充填が疎となり、該二元細孔シリカ粒子間隙が大きくなる。そのためカラム充填材等に用いる場合には、該二元細孔シリカ粒子間隙を流体が通過し分離性能が著しく低下する。カラム充填材、触媒担体等に用いる場合には、触媒活性、分離性能およびハンドリング性等の観点から、二元細孔シリカ粒子の平均粒子径は5μm〜5mmが望ましい。
本発明の二元細孔シリカ粒子の形状は特に限定されるものではないが、用途によって好ましい形状が存在する。例えば、カラム等に充填する際の均一性の観点から球状のものが好ましく、また移動相の流れの均一性においても不定形破砕粒子よりも優れている。該球状二元細孔シリカ粒子の円形度は、0.7以上のものが好ましい。
球状の二元細孔シリカ粒子の球形度を表す形状係数としては、電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡等の撮影像を画像解析することにより得られる円形度などの数値を参考にすることができる。代表的な円形度の算出式としては、下記式を挙げることができる。
円形度=(4・π・S)1/2/L
S:画像処理で得られた粒子の面積
L:粒子の周囲長
本発明の二元細孔シリカ粒子の細孔容積は、グラム当り0.3〜2cmの範囲で制御可能であり、通常1cmのものが作製しやすい。
本発明の二元細孔シリカ粒子の製造方法は特に限定されないが、代表的には次の方法で製造することができる。
まず、相分離を利用した手法により非晶質の多孔質シリカを作製する。この多孔質シリカの作製方法は、公知の方法、例えば前述の特許文献1記載の方法で作製できる。
シリカ源としては、メトキシシラン、エトキシシラン等のケイ素アルコキシドや、水ガラスが特に制限なく用いられる。
水ガラスは、一般にはケイ酸アルカリ塩の濃厚水溶液であり、その種類や濃度は特に限定されないが、JIS規格の水ガラスである珪酸ナトリウムJIS3号またはそれと同等のものがシリカ源として取扱いやすい。
相分離とゲル化を同時に起こして湿潤状態のゲルを作製するためには、シリカ源を含む溶液にポリマーおよび酸を存在させてゲル化を進める手段が有効に利用される。
ここでポリマーとは、理論的には適当な濃度の溶液を形成することができる有機高分子であって、シリカ源を含有する溶液中において均一に溶解することができるものが好適である。具体的には、高分子金属塩であるポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、高分子酸であって解離してポリアニオンとなるポリアクリル酸、高分子塩基であってポリカチオンを生ずるポリアクリルアミンまたはポリエチレンイミン、中性高分子であって主鎖にエーテル結合を持つポリエチレンオキシド、側鎖にヒドロキシル基を有するポリビニルアルコール、もしくはカルボニル基を有するポリビニルピロリドン等である。
これらのうち、ポリアクリル酸およびポリビニルアルコールが、取扱いが容易であり好ましい。ポリアクリル酸は分子量15,000〜300,000、好ましくは20,000〜150,000のものが好適である。
加水分解反応の触媒として働きゲル化を促進するために添加される酸として、通常硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸または有機酸が使用される。最終的な酸の濃度は、最終溶液1リットルあたり、0.1〜5モル、好ましくは1〜4モルの範囲が好ましい。
湿潤状態のゲルを得るためのゲル化の代表的方法は、シリカ源、ポリマー、酸等からなる混合溶液(以下、ゾル液と呼ぶ)を密閉容器などに入れ、0〜80℃で、好ましくは10〜30℃で10分〜1週間、さらに好ましくは1時間〜24時間放置することにより行う。
シリカ源に水ガラスを用いる場合は、作製された湿潤ゲルを乾燥する前に洗浄する必要がある。これは、水ガラスからの湿潤ゲルをそのまま乾燥させると乾燥が進むにつれてゲルの崩壊が進むからである。従って、乾燥の前に湿潤ゲル内のナトリウム等のアルカリ金属を除去するために洗浄を行い、アルカリ金属塩として取り除くことが必要である。
洗浄は、ゲルを水に漬け、厚さが1cm程度あるゲルでは室温で12時間以上放置することにより行うが、ゲルの厚さがこれより薄ければより短時間で洗浄可能である。
本発明の二元細孔シリカ粒子のナノ細孔の平均細孔径は、水洗後のゲルを塩基性水溶液中で熟成させることにより制御できる。熟成は、0.01〜10規定のアルカリ溶液中で0〜80℃の温度で行うのが好ましい。これら熟成条件は、希望とするナノ細孔の平均細孔径を適宜選択することにより決定できる。
熟成後のゲルは、30〜80℃で数時間〜数十時間放置して乾燥を行う。乾燥後、有機物を除去し、なおかつマクロ細孔構造を維持するために焼成する。焼成温度は、500〜1100℃が好ましい。
本発明の二元細孔シリカ粒子は、上記工程により得られた二元細孔シリカを破砕することにより得られるが、その破砕方法は特に限定されるものではなく、一般的に知られている破砕方法、例えばボールミル、アトリッションミル、ジェットミル、らいかい機等が用いられる。
また、ゾル液を液滴化することにより、二元細孔シリカ球状粒子を製造することもできる。球状とする方法は特に限定されず公知の方法を用いることができる。
二元細孔シリカ球状粒子を製造する方法の例として、ゾル液と相溶性および反応性の無い液体中で該ゾル液の表面張力を利用して球状とし、かつゲル化に至るまで該液体中に保持する方法が挙げられる。
該ゾル液と相溶性および反応性の無い液体は、特に限定されるものではないが、例えば流動パラフィン、デカリン等の炭化水素、シリコーンオイル等の有機シリコーン、塩化プロパン等のハロゲン化炭化水素等が好適に用いられる。
該ゾル液の液滴製造法は、特に限定されず、スポイトを用いて液滴を製造してもよいし、あるいは連続吐出液を何らかの手段で分断し液滴とすることもできる。
二元細孔シリカ球状粒子の粒子径は、該ゾル液滴の体積を変えることにより調整することができる。
尚、二元細孔シリカ粒子のマクロ細孔の細孔径は水銀圧入法あるいは電子顕微鏡による直接観察により、またナノ細孔の平均細孔径は水銀圧入法あるいは窒素吸着法により確認することができる。
また、二元細孔シリカ粒子の細孔容積は水銀圧入法あるいは窒素吸着法を用いて求めることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
(円形度)
電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡を用いて得た球状の二元細孔シリカ粒子の撮影像を画像解析し、下記式に基づいて円形度を算出した。
円形度=(4・π・S)1/2/L
S:画像処理で得られた粒子の面積
L:粒子の周囲長
(圧力損失評価)
シリカ粒子の圧力損失評価は、内径4mmのガラス管中に測定試料を充填し、ガラス管に空気(流量 100ml/min)を流したときの試料充填部の圧力損失を測定することにより行った。測定試料充填層の厚みは約10mmとし、圧力損失の測定には水あるいは水銀マノメータを用いた。尚、圧力損失は、充填層厚み及び流速を規格化した値、ΔP/uL(単位;Pa s m-2)で表した。ΔPは試料充填部の圧力損失(単位;Pa)、uは充填層のガス流速(単位;m/s)、Lは充填層厚み(単位;m)である。
(触媒活性評価)
シリカ粒子にアルミナを担持した触媒を用いて、2−プロパノールの脱水反応を行わせた。反応容器(ガラス製、内径18mm、高さ300mm)に、シリカ粒子にアルミナを担持した触媒0.15gを入れ(アルミナ担持量は、シリカ粒子に対し10重量%)、反応温度220℃に保持した。ヘリウムガスをキャリアーガス(流量 30ml/min)として原料である2−プロパノール(流量 8ml/h)を該反応容器に導入した。該反応容器中で2−プロパノールの脱水反応を行わせ、反応器出口ガス中の成分をガスクロマトグラフィーにより測定した。反応生成物であるプロピレンの生成量、原料2−プロパノールの供給量から転化率を決定した。転化率は2−プロパノールのプロピレンへの反応の程度を示し下式で表される。
転化率(%)=(反応生成プロピレン)/(供給した2−プロパノール)×100
(マクロ細孔の細孔径の測定)
予め120℃、12時間乾燥させた測定用試料を、水銀圧入法(カンタクローム社製、POREMASTER−60)によりマクロ細孔の細孔径を測定した。測定で得られた細孔径分布において、マイクロメートル領域に現れる最大ピークの孔径をマクロ細孔の細孔径とした。
(ナノ細孔の平均細孔径の測定)
予め120℃、12時間乾燥させた測定用試料を、窒素吸着法(ベックマンコールター社製、OMNISORP 100CX)によりナノ細孔の平均細孔径を測定した。−196℃で窒素の吸着−脱離等温線を測定し、吸着等温線(脱離側)を用いて細孔径分布を求めた。該吸着等温線からナノ細孔の平均細孔径を算出した。
(平均粒子径の測定)
1mm以下のシリカ粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法粒度分布計(コールター社製LS−230)により測定した。測定用の分散液の調製は「粒子計測技術」(粉体工学会編、1994年日刊工業社出版、23頁)に準じた。重量積算分布の50%となる粒子径を平均粒子径とした。
一方、1mmを超えるシリカ粒子の平均径は篩により分級し、重量積算分布の50%となる粒子径を平均粒子径とした。
実施例1
平均分子量25,000のポリアクリル酸(以下HPAAという)共存下、水ガラス(3号珪曹)より、マクロ細孔の細孔径1μm、ナノ細孔の平均細孔径15nmの二元細孔シリカ粒子を作製した。仕込組成は、重量比で水:濃硝酸:HPAA:水ガラス=97:37:6.5:52とし、室温で攪拌し均一溶液とした後、25℃で静置しゲル化させた。ナトリウム除去のために該ゲルを水洗した後、0.1規定のアンモニア水溶液中で、50℃で72時間熟成を行った後に、50℃で乾燥、600℃で焼成を行った。焼成後の試料を、乳鉢を用いて粉砕後、篩で分級して平均粒子径5μm、10μm、50μm、100μmの合計4種類の二元細孔シリカ粒子を作製した。該二元細孔シリカ粒子には、細孔径1μmの揃った貫通孔が三次元網目状に絡み合った構造で存在していることを電子顕微鏡(図1)で確認し、水銀圧入法によりマクロ細孔とナノ細孔の存在を確認した(図2)。また、窒素吸着法によりナノ細孔の平均細孔径が15nmであることを確認した。
各々の二元細孔シリカ粒子を内径4mmのガラス管中に充填し、ガラス管に空気(流量 100ml/min)を流したときの充填部の圧力損失を測定した。表1に結果を示す。
実施例2
平均分子量25,000のポリアクリル酸(以下HPAAという)共存下、水ガラス(3号珪曹)より、マクロ細孔の細孔径1μm、ナノ細孔の平均細孔径15nmの二元細孔シリカ球状粒子を作製した。該二元細孔シリカ球状粒子作製時の仕込組成は、重量比で水:濃硝酸:HPAA:水ガラス=97:37:6.5:52とし、室温で攪拌し均一溶液とした後、該溶液を間欠式定量吐出装置を用いて1ショットあたり50μlを1,2−ジクロロプロパンを張った容器中に滴下した。該溶液は1,2−ジクロロプロパン中で球状となり40分後にゲル化した。該ゲルを取出した後、水洗、0.1規定のアンモニア水溶液中で、50℃で72時間熟成、50℃で乾燥、600℃で焼成を行い直径2mmで円形度が0.98の二元細孔シリカ球状粒子を得た。
同様の方法を用いて、平均粒子径5μm、10μm、50μmの二元細孔シリカ球状粒子を作製した。該二元細孔シリカ球状粒子には、細孔径1μmの揃った貫通孔が三次元網目状に絡み合った構造で存在していることを電子顕微鏡で確認し、水銀圧入法によりマクロ細孔とナノ細孔の存在を確認した。また、窒素吸着法によりナノ細孔の平均細孔径が15nmであることを確認した。
各々の二元細孔シリカ球状粒子を内径4mmのガラス管中に充填し、実施例1と同様に圧力損失の測定を行った。表1に結果を示す。
比較例1
比較のために市販のシリカ粒子(和光純薬株式会社、試薬)の、平均粒子径が5μm、10μm、50μm、100μmの合計4種類について、実施例1と同様に圧力損失の測定を行った。表1に結果を示す。マクロ細孔が存在しないことを電子顕微鏡および水銀圧入法により確認した。また、窒素吸着法によるナノ細孔の平均細孔径は15nmであった。
表1より明らかなように、二元細孔シリカ粒子は市販のシリカ粒子よりも低い圧力損失を示した。両者の差異はマクロ細孔の有無のみであり、マクロ孔を有するものは低圧損となることが判明した。
Figure 2005162504
実施例3
平均分子量10万のポリエチレンオキシド(以下PEOという)共存下にテトラエトキシシラン(以下TEOSという)を用いて、マクロ細孔の細孔径0.9μm、ナノ細孔の平均細孔径2.5nmの二元細孔シリカ粒子を作製した。仕込組成は重量比で水:濃硝酸:PEO:TEOS=11.5:1.1:1.6:9.3とし、室温で攪拌し均一溶液とした後、50℃で静置しゲル化後、50℃で乾燥、600℃で焼成を行った。焼成後の試料を、乳鉢を用いて粉砕後、篩で分級して平均粒子径0.1mm、2.0mm、5.0mmの合計3種類の二元細孔シリカ粒子を作製した。これらの二元細孔シリカ粒子はいずれも、細孔径0.9μmの貫通孔が三次元網目状に絡み合った構造で存在していることを電子顕微鏡で確認し、水銀圧入法によりマクロ細孔とナノ細孔の存在を確認した。また、窒素吸着法によりナノ細孔の平均細孔径が2.5nmであることを確認した。
上記平均粒子径が0.1mm、2.0mm、5.0mmの合計3種類の二元細孔シリカ粒子に、それぞれ硝酸アルミニウム水溶液を含浸させた後に500℃で焼成し、アルミナを担持した二元細孔シリカ粒子を作製した。アルミナ担持量はシリカに対し、10重量%とした。
該アルミナを担持した二元細孔シリカ粒子を触媒に用いて、2−プロパノールの脱水反応(反応温度220℃)を行い、プロピレンへの転化率を測定した。表2に結果を示す。
実施例4
PEOの量を1.15とする以外は実施例3と同様に行い、マクロ細孔の細孔径2.7μm、ナノ細孔の平均細孔径2.5nmで、平均粒子径0.1mm、2.0mm、5.0mmの合計3種類の二元細孔シリカ粒子を作製した。これらの二元細孔シリカ粒子はいずれも、細孔径2.7μmの貫通孔が三次元網目状に絡み合った構造で存在していることを電子顕微鏡で確認し、水銀圧入法によりマクロ細孔とナノ細孔の存在を確認した。また、窒素吸着法によりナノ細孔の平均細孔径が2.5nmであることを確認した
上記の平均粒子径が0.1mm、2.0mm、5.0mmの合計3種類の二元細孔シリカ粒子を用いて、実施例3と同様にしてアルミナをシリカに対し10重量%担持した二元細孔シリカ粒子を作製し、2−プロパノールの脱水反応を行い、プロピレンへの転化率を測定した。表2に結果を示す。
比較例2
比較のために市販のシリカ粒子(和光純薬株式会社、試薬)、平均粒子径0.1mm、2.0mm、5.0mmの合計3種類を用いて実施例3と同様にアルミナを担持させた後、2−プロパノールの脱水反応を行い、プロピレンへの転化率を測定した。表2に結果を示す。
市販のシリカ粒子には、マクロ細孔が存在しないことを電子顕微鏡および水銀圧入法により確認した。また、窒素吸着法によりナノ細孔の平均細孔径は2.5nmであった。
表2より明らかなように、全ての平均粒子径においてマクロ孔を有する二元細孔シリカ粒子は、マクロ孔の存在しない市販のシリカ粒子よりも高い触媒活性を有することがわかった。
Figure 2005162504
二元細孔シリカ粒子の電子顕微鏡写真 水銀圧入法による二元細孔シリカ粒子の細孔分布を示す図

Claims (1)

  1. マクロ細孔の細孔径が0.1〜30μm、ナノ細孔の平均細孔径が1〜50nmであって、平均粒子径が5μm〜10mmである二元細孔シリカ粒子。

JP2003400202A 2003-11-28 2003-11-28 二元細孔シリカ粒子 Pending JP2005162504A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003400202A JP2005162504A (ja) 2003-11-28 2003-11-28 二元細孔シリカ粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003400202A JP2005162504A (ja) 2003-11-28 2003-11-28 二元細孔シリカ粒子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005162504A true JP2005162504A (ja) 2005-06-23

Family

ID=34724539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003400202A Pending JP2005162504A (ja) 2003-11-28 2003-11-28 二元細孔シリカ粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005162504A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070144A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Chiba Univ 樹脂−シリカ複合構造体およびその製造方法
JP2007070145A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Chiba Univ 二元細孔シリカの製造方法
JP2007238420A (ja) * 2006-03-13 2007-09-20 Tokuyama Corp 球状シリカ粉末の製造方法
JP2007269588A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Tokuyama Corp 二元細孔シリカの製造方法
JP2008280208A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Kawamura Inst Of Chem Res 多孔質体
WO2010089803A1 (ja) * 2009-02-06 2010-08-12 アーベル・システムズ株式会社 廃棄塩と砂漠の砂から太陽電池を製造する方法
JP2010228961A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 繊維状多孔質シリカ粒子の製造方法
JP6076477B2 (ja) * 2013-06-07 2017-02-08 三井化学株式会社 オレフィンの製造方法、およびこれに用いられる脱水触媒
JPWO2017026425A1 (ja) * 2015-08-10 2018-07-12 国立大学法人京都大学 シリカゲル製多孔性粒子およびその製造方法
JP2020075215A (ja) * 2018-11-07 2020-05-21 川崎重工業株式会社 酸性ガス吸収材及びその製造方法
US10858491B2 (en) 2015-08-10 2020-12-08 Kyoto University Porous particle made of organic polymer, method for producing porous particle made of organic polymer, and block copolymer
JPWO2022075399A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14
US11628381B2 (en) 2012-09-17 2023-04-18 W.R. Grace & Co. Conn. Chromatography media and devices

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58208125A (ja) * 1982-05-11 1983-12-03 スタミカ−ボン・ビ−・ベ− 純粋な二酸化ケイ素の製造方法
JPH02311310A (ja) * 1989-05-26 1990-12-26 Kawatetsu Mining Co Ltd 高純度シリカ微粉末の製造方法
JPH1058822A (ja) * 1996-08-27 1998-03-03 Tokuyama Corp インクジェット記録用紙用填料
JPH11157827A (ja) * 1997-11-21 1999-06-15 Shionogi & Co Ltd 新規二酸化ケイ素
WO2002085785A1 (fr) * 2001-04-17 2002-10-31 Tokuyama Corporation Procede permettant de produire un materiau poreux anorganique

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58208125A (ja) * 1982-05-11 1983-12-03 スタミカ−ボン・ビ−・ベ− 純粋な二酸化ケイ素の製造方法
JPH02311310A (ja) * 1989-05-26 1990-12-26 Kawatetsu Mining Co Ltd 高純度シリカ微粉末の製造方法
JPH1058822A (ja) * 1996-08-27 1998-03-03 Tokuyama Corp インクジェット記録用紙用填料
JPH11157827A (ja) * 1997-11-21 1999-06-15 Shionogi & Co Ltd 新規二酸化ケイ素
WO2002085785A1 (fr) * 2001-04-17 2002-10-31 Tokuyama Corporation Procede permettant de produire un materiau poreux anorganique

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
河端真司他: "Pd−シリカ触媒による液相水素化反応", 日本化学会講演予稿集, vol. 83, no. 1, JPN6009019128, 3 March 2003 (2003-03-03), JP, pages 153, ISSN: 0001305933 *
高橋亮治他: "水ガラスからの二元細孔シリカの作製とその結晶化", 触媒, vol. 45, no. 6, JPN6009019127, 10 September 2003 (2003-09-10), JP, pages 451 - 453, ISSN: 0001305934 *

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070145A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Chiba Univ 二元細孔シリカの製造方法
JP4684813B2 (ja) * 2005-09-05 2011-05-18 国立大学法人 千葉大学 二元細孔シリカの製造方法
JP2007070144A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Chiba Univ 樹脂−シリカ複合構造体およびその製造方法
JP2007238420A (ja) * 2006-03-13 2007-09-20 Tokuyama Corp 球状シリカ粉末の製造方法
JP4617267B2 (ja) * 2006-03-13 2011-01-19 株式会社トクヤマ 球状シリカ粉末の製造方法
JP2007269588A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Tokuyama Corp 二元細孔シリカの製造方法
JP2008280208A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Kawamura Inst Of Chem Res 多孔質体
WO2010089803A1 (ja) * 2009-02-06 2010-08-12 アーベル・システムズ株式会社 廃棄塩と砂漠の砂から太陽電池を製造する方法
WO2010089812A1 (ja) * 2009-02-06 2010-08-12 アーベル・システムズ株式会社 廃棄塩と砂漠の砂から太陽電池を製造する方法
JP2010228961A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 繊維状多孔質シリカ粒子の製造方法
US11628381B2 (en) 2012-09-17 2023-04-18 W.R. Grace & Co. Conn. Chromatography media and devices
JP6076477B2 (ja) * 2013-06-07 2017-02-08 三井化学株式会社 オレフィンの製造方法、およびこれに用いられる脱水触媒
US10858491B2 (en) 2015-08-10 2020-12-08 Kyoto University Porous particle made of organic polymer, method for producing porous particle made of organic polymer, and block copolymer
JPWO2017026425A1 (ja) * 2015-08-10 2018-07-12 国立大学法人京都大学 シリカゲル製多孔性粒子およびその製造方法
JP2020075215A (ja) * 2018-11-07 2020-05-21 川崎重工業株式会社 酸性ガス吸収材及びその製造方法
JP7273483B2 (ja) 2018-11-07 2023-05-15 川崎重工業株式会社 酸性ガス吸収材及びその製造方法
JPWO2022075399A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14
WO2022075399A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14 Dic株式会社 2相共連続型シリカ構造体及びその製造方法
JP7173399B2 (ja) 2020-10-09 2022-11-16 Dic株式会社 2相共連続型シリカ構造体及びその製造方法
CN116323484A (zh) * 2020-10-09 2023-06-23 Dic株式会社 两相共连续型二氧化硅结构体及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sarawade et al. Production of low-density sodium silicate-based hydrophobic silica aerogel beads by a novel fast gelation process and ambient pressure drying process
JP4478766B2 (ja) 球状シリカ多孔質粒子及びその製造方法
Izutsu et al. Preparation and characterization of porous silica spheres by thesol–gel method in the presence of tartaric acid
US20060120941A1 (en) Silica support material, its application in a polyalkene catalyst, and its preparation process
JP2005162504A (ja) 二元細孔シリカ粒子
Essien et al. Sol-gel-derived porous silica: Economic synthesis and characterization.
Meléndez-Ortiz et al. Synthesis of spherical SBA-15 mesoporous silica. Influence of reaction conditions on the structural order and stability
Yang et al. Facile fabrication of hollow silica nanospheres and their hierarchical self-assemblies as drug delivery carriers through a new single-micelle-template approach
JP6035380B2 (ja) シリカゲル系触媒担体
Nishihara et al. Synthesis of silica-based porous monoliths with straight nanochannels using an ice-rod nanoarray as a template
JP4641813B2 (ja) 二元細孔シリカ及びその製造方法
WO2017141821A1 (ja) コアシェル型多孔質シリカ粒子の製造方法
CN105366682B (zh) 一种双介孔二氧化硅微球及制备方法
Van Bavel et al. Morphology variations of plugged hexagonal templated silica
JP7290289B2 (ja) コアシェル型多孔質シリカ粒子の製造方法
JP4481043B2 (ja) Ni/SiO2触媒およびその製造方法
JPH08198621A (ja) 球状アルミナ及びその製法
JP4559813B2 (ja) 二元細孔シリカビーズの製造方法
JP2008145190A (ja) マイクロカプセル、液体クロマトグラフ用充填剤及びそれを用いた液体クロマトグラフ用カラム
JP7320231B2 (ja) コアシェル型多孔質シリカ粒子の製造方法
JP4268548B2 (ja) 二元細孔シリカの製造方法
JP4693531B2 (ja) 二元細孔シリカの製造方法
JP4606340B2 (ja) 結晶性シリケート多孔質体
JP2007070145A (ja) 二元細孔シリカの製造方法
JP4606035B2 (ja) マクロ細孔を有する結晶性シリカ系多孔質材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090428

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090924