JP2007070145A - 二元細孔シリカの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 珪酸アルカリ金属塩をシリカ源とし、マクロ細孔の形成に高価な水溶性高分子を使用すること無く、しかも、再現性よく二元細孔シリカを得ることが可能な、二元細孔シリカの製造方法を提供する。
【解決手段】 珪酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、極性有機溶媒及び酸触媒を含むゾル液を、ゲル化の進行による相分離の過渡状態でゲル化を完了させることを特徴とする二元細孔シリカの製造方法であり、得られた二元細孔シリカは、例えばクロマトグラフィー用カラム担体、固体触媒、触媒担体、吸着材、分離材などの用途において、その要求に合った任意の細孔径を有する二元細孔シリカを製造する際に好適に利用される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、二元細孔シリカの新規な製造方法に関する。詳しくは、珪酸アルカリ金属塩をシリカ源とし、マクロ細孔の形成に高価な水溶性高分子を使用すること無く、しかも、再現性よく二元細孔シリカを得ることが可能な、二元細孔シリカの製造方法を提供する。
二元細孔シリカは、マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔とナノメートル領域の細孔径を有するナノ細孔との二種類のタイプの細孔を有するシリカであり、前記マクロ細孔はシリカ骨格に三次元網目状に形成された連通構造をとり、また、前記ナノ細孔は上記シリカ骨格に形成されて上記マクロ細孔と連続した構造をとるものであり、従来から、触媒担体、カラムなどの用途に広く利用されている。
これらの用途において、二元細孔シリカのマクロ細孔は反応液或いは処理液の流路として作用し、また、上記マクロ細孔と連通するナノ細孔は、必要に応じて触媒等の機能物質を充填することによって反応領域或いは吸着領域として作用すると言われている。
上記二元細孔シリカの製造方法は公知であり、例えば、下記の方法が一般に知られている。即ち、珪酸アルカリ金属塩(水ガラス)をシリカ源とし、水溶性高分子及び酸触媒を含むゾル液を調製した後、温度、pH等を調整しながら該ゾル液のゲル化を進行せしめ、得られたシリカゲルを水洗し、水溶性高分子、硝酸ナトリウムなどの水溶性化合物を除去し、次いで、乾燥、焼成することにより、二元細孔シリカを得る方法である(特許文献1参照)。
上記方法によれば、安価な水ガラスをシリカ源として用いて該二元細孔シリカを製造することができ、しかも、高価なケイ素アルコキシドと全く同様の細孔構造を有する二元細孔シリカを得ることができる。
ところが、かかる方法では、相分離によるマクロ細孔形成のために加えられるポリアクリル酸等の水溶性高分子が高価であるため、製造コストの低減が困難である。
特開平3−8729号公報
従って、本発明の目的は、珪酸アルカリ金属塩をシリカ源とし、マクロ細孔の形成に高価な水溶性高分子を使用すること無く、二元細孔シリカを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、珪酸アルカリ金属塩、水溶性高分子及び酸触媒を含むゾル液のゲル化の進行による相分離の過渡状態でゲル化を完了せしめる方法において、該水溶性高分子に代えてアルキル硫酸塩及び極性有機溶媒を使用することにより、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、珪酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、極性有機溶媒及び酸触媒を含むゾル液を、ゲル化の進行による相分離の過渡状態でゲル化を完了させることを特徴とする二元細孔シリカの製造方法である。
本発明の二元細孔シリカの製造方法によれば、アルキル硫酸塩と共に極性有機溶媒を使用することにより、従来の水溶性高分子に代えて、安価なアルキル硫酸塩を安定して使用することができるようになったため、二元細孔シリカを安価に且つ再現性良く製造することができ、工業的な生産において有利なプロセスを実現することが可能となる。
また、ゾル液へ添加する極性有機溶媒の添加量を調整することによりマクロ細孔の細孔径を幅広い範囲で安定して制御することも可能となる。
上記アルキル硫酸塩と共に極性有機溶媒を使用することによる効果の発現機構は明確ではないが、本発明者らは、次のように推定している。即ち、ゾル液のゲル化が進行する過程で、アルキル硫酸塩は相分離を進行させる機能をある程度有するもののその作用が不安定であるが、これに極性有機溶媒を併用することによって、アルキル硫酸塩のゾル液への親和性(溶解性)を向上させ、アルキル硫酸塩の会合状態を分断することができ、安定して相分離の進行を行うことが可能となる。
また、上記のように機能を調整できる結果、極性有機溶媒の存在量を変化させることによって、相分離速度が調整され、ゲル化速度とのタイミングによって、マクロ細孔を任意に調整することができる。
本発明によって得られた二元細孔シリカは、例えばクロマトグラフィー用カラム担体、固体触媒、触媒担体、吸着材、分離材などの用途において、その要求に合った任意の細孔径を有する二元細孔シリカを製造する際に好適に利用される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の二元細孔シリカの製造方法は、珪酸アルカリ金属塩をシリカ源とするものであるが、水溶性高分子により相分離を行う従来の製造方法に対し、アルキル硫酸塩及び極性有機溶媒により相分離を行う点で、その構成が従来技術と大きく異なる。
(原料の説明)
本発明において、珪酸アルカリ金属塩は特に限定されず、その種類や濃度は特に限定されないが、JIS規格の水ガラスである珪酸ナトリウムJIS3号に相当するモル比、珪酸濃度を有するものがシリカ源として取扱い易く好ましい。具体的には、SiO/NaOモル比が2.5〜3.5、珪酸濃度がSiOとして25〜35g/100ccのものが好適である。
また、アルキル硫酸塩は、水を溶媒としたとき相分離を誘起するために適当な濃度の溶液を形成することができるものであって、珪酸アルカリ金属塩を含有する溶液中において均一に溶解することができるものが使用される。
本発明で好適に用いることのできるアルキル硫酸塩を例示すれば、
一般式 R−OSO
(式中、Rは直鎖状アルキル基、Mはアルカリ金属を示す。)で表されるものが挙げられる。
上記Rとしては、炭素数12〜18の直鎖状アルキル基が好適に用いられるが、これらに限定されるものではない。また、該アルキル硫酸塩は代表的にはナトリウム塩が用いられるが、他のアルカリ金属塩のものを用いることもできる。これらアルキル硫酸塩のうちRが炭素数12のドデシル硫酸ナトリウムが入手の容易さ、価格等の観点から特に好適に用いられる。
また、アルキル硫酸塩は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上のものを混合して用いることもできる。
本発明において、酸触媒は、シリカ源である珪酸アルカリ金属塩の加水分解反応の触媒として働き、ゲル化を促進するために添加されるものであり、通常硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸または有機酸が使用される。
さらに、本発明において、極性有機溶媒は、前記ゾル液に溶解するものであれば特に制限されるものではないが、水溶性アルコール、ケトン等が好ましい。かかる水溶性アルコールを具体的に例示すれば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等があげられる。また、ケトンを具体的に例示すれば、アセトン、ピナコリン、アセトフェノン等があげられる。
上述の水溶性アルコールあるいはケトンを単独で用いてもよいし、あるいは両者を適宜混合して用いることもできる。
(ゾル液調製法)
本発明の二元細孔シリカの製造方法において、ゾル液の調製は、水を溶媒とし、これに珪酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、極性有機溶媒及び酸触媒を含有せしめることによって調製される。
本発明においては、上記した珪酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、極性有機溶媒及び酸触媒を混合して、これらからなるゾル液とする。ゾル液調製時の手順は特に限定されないが最後に珪酸アルカリ金属塩を含む溶液と酸触媒とを混合するようにすることが二元細孔シリカを得る上で好ましい。
例えば、アルキル硫酸塩、極性有機溶媒及び酸触媒を混合した後、該混合液と珪酸アルカリ金属塩とを混合する方法、珪酸アルカリ金属塩、極性有機溶媒及びアルキル硫酸塩を混合した後、該混合液と酸触媒とを混合する方法、アルキル硫酸塩、酸触媒を混合した後、珪酸アルカリ金属塩と極性有機溶媒の混合液とを混合する方法等が挙げられる。
一般に、混合時の不均一なシリカ成分もしくは共存するアルキル硫酸塩の凝集を防ぐため、次の手順により行うことが最も好ましい。
(1) アルキル硫酸塩を水に溶かし、アルキル硫酸塩水溶液を調製する。
(2) 酸触媒と、(1)のアルキル硫酸塩水溶液を混合する。
(3) (2)で得られた水溶液に、極性有機溶媒を加え混合する。
(4) 珪酸アルカリ金属塩に水を加え、珪酸アルカリ金属塩水溶液とする。
(5) (3)で得られた水溶液に(4)の珪酸アルカリ金属塩水溶液を加え、攪拌混合し均一なゾル液とする。
(原料の組成)
本発明において、ゾル液中のSiO含有率は2〜20重量%とするのが好ましく、特に6〜9重量%とするのが好ましい。また、アルキル硫酸塩の濃度は0.5〜5重量%とするのが好ましく、特に1〜2重量%とするのが好ましい。更に、極性有機溶媒の濃度は1〜5%が好ましく、さらに好ましい範囲は2〜4%である。また、酸の濃度は、ゾル液1リットルあたり、0.1〜5モル、好ましくは1〜4モルの範囲である。
また、該ゾル液のpHは、4以下とすることが好ましく、特に1以下とするのが好ましい。該ゾル液のpHが4を超えた中性領域あるいはアルカリ性領域では、シリカ粒子の析出が起こり均質なゾル液を作製することが困難である。従って、一旦均質ゾル液を調製した後、該ゾル液の相分離の過程において過渡状態でゲル化させマクロ細孔及びシリカ骨格が三次元網目状に相互に絡み合った構造を有する二元細孔シリカを得るためには、ゾル液を強酸性とすることが特に重要である。
上記pHの調整には、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸または有機酸が使用される。
(ゲル化)
本発明において、上記ゾル液をゲル化の進行による相分離の過渡状態でゲル化させる方法は、該ゾル液を密閉容器などに入れ、0〜80℃で、好ましくは10〜60℃で10分〜1週間、さらに好ましくは1時間〜24時間放置することにより行うことができる。
ここで、相分離は、前記組成のゾル液を放置することによって徐々に進行し、放置温度を調整してゲル化時間を制御することによって、相分離が完全に起こる前の状態、即ち、相分離の過渡状態でゲル化を完了させることによりその構造を固定させることができる。
かかる過渡状態においては、シリカ重合体のボディーに溶媒相が三次元網目状に相分離した状態で混在しており、この状態でゲル化を完了させることにより、該溶媒相によってマクロ細孔がシリカ骨格中に三次元網目状に形成された構造を有するゲル体が形成される。
この時、極性有機溶媒の作用により、得られるゲル体のマクロ細孔の細孔径は幅広い範囲で制御することが可能になり、また再現性良く二元細孔シリカを製造することができる。
(細孔径制御)
本発明において、上記方法によって得られるゲル体は、乾燥後のナノ細孔の平均細孔径が1〜50nm、マクロ細孔の細孔径が0.1〜100μmの二元細孔構造を形成するように、その製造時の条件を公知の方法に準じて制御すればよい。
例えば、マクロ細孔の細孔径は、ゾル液の組成(珪酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、極性有機溶媒)、ゾル液調製温度、ゲル化温度等の影響を大きく受けるため、所望のマクロ細孔の細孔径を得るためには、予め実験により、これらの条件を精密に決定すればよい。
また、二元細孔シリカの用途によっては、圧力損失あるいは機械的強度の観点から、好適なマクロ細孔の細孔径は異なり、一概に制限することはできないが、一般に、1〜50μmの範囲とすることが好ましい。
一方、ナノ細孔径の平均細孔径は、前記方法によって得られたゲル体を、後述する、塩基性溶媒に含浸漬させて行う熟成、水熱処理、焼成等の後処理によって調整することが可能である。
本発明において、二元細孔シリカのナノ細孔の細孔径及びマクロ細孔の細孔径は各々独立に調整することが可能である。これは、両者の細孔径の生成機構が異なることによるものである。即ち、相分離の過程において過渡状態でゲル化させたときの溶媒相サイズがマクロ細孔の細孔径を反映していること、またナノ細孔の平均細孔径は塩基性溶媒下での熟成や、水熱処理、焼成等の処理条件によって適宜調整され、この際に、マクロ細孔の細孔径も影響を受けるものの、マクロ細孔の細孔径はナノ細孔の平均細孔径に対し、およそ100倍も大きくなっているため、その変化量は僅少であることによる。
(ゲル体の後処理:水洗、洗浄、熟成、乾燥、焼成)
本発明において、ゲル化を完了させて得られたゲル体は、これを乾燥する前に、湿潤状態で洗浄することが好ましい。これは、珪酸アルカリ金属塩を含む湿潤ゲルのまま乾燥させると乾燥が進むにつれてゲルの崩壊が進む恐れがあるからである。従って、乾燥の前に湿潤ゲル内のナトリウム等のアルカリ金属を除去するために洗浄を行い、アルカリ金属塩として取り除く。
上記洗浄は、ゲルを水に漬け、厚さが1cm程度あるゲルでは室温で12時間以上放置することにより行うが、ゲルの厚さがこれより薄ければより短時間で洗浄可能である。
また、前記ナノ細孔の細孔径を主として調整するため、水洗後或いは水洗前のゲル体に塩基性溶媒を含浸させて放置する「熟成」は、0.01〜10規定のアルカリ溶液中で0〜80℃の温度で行うのが好ましい。これら熟成条件は、希望とするナノ細孔の平均細孔径が得られる時間を予め実験によって求め、適宜選択して実施すればよい。
更に、前記ナノ細孔の細孔径を主として調整するための水熱処理は、ゲル体の重量に対して、20〜40重量%のイオン交換水を存在させて、オートクレーブ内で100〜150℃の温度で実施することが適当である。即ち、前記水熱処理の温度が100℃未満では、十分にシリカを溶解できず、ナノ細孔を大きくすることが困難である。また、150℃を超える場合は、シリカを激しく溶解させるため、ナノ細孔の制御を行うことが困難となる。
また、水熱処理時間は、目的のナノ細孔が得られるまでの時間を予め実験によって決定することが好ましい。一般には、1時間〜24時間の範囲より決定することが望ましい。
以上の水熱処理は、前記水洗後のゲル体、乾燥後のゲル体、焼成後のゲル体のいずれの段階のものに対して実行しても良いが、焼成後のゲルに対して行うことが最も効果的である。
本発明において、前記水洗後のゲルは、30〜80℃で数時間〜数十時間放置して乾燥を行う。また、上記乾燥後、有機物を除去し、なおかつマクロ細孔構造を維持するために焼成することが推奨される。かかる焼成温度は、500〜1100℃が好ましい。
(形状)
本発明の製造方法で製造する二元細孔シリカは、その用途によって、バルク、破砕粒子、球状粒子等好ましい形状とすればよい。例えばカラムや触媒充填塔等に用いる場合、均一性の観点から球状のものが好ましく、また移動相の流れの均一性においても不定形破砕粒子よりも優れている。球状粒子とする場合は、油中成形造粒法を用いて球状の湿潤ゲルを得ればよい。
(細孔のキャラクタリゼーション)
本発明の二元細孔シリカの細孔容積は、湿潤ゲル作製条件、熟成条件、乾燥条件、焼成条件等を適宜調整することによって、グラム当り0.3〜4cmの範囲で制御可能であり、通常1〜3cmのものが作製しやすい。
尚、二元細孔シリカのマクロ細孔の細孔径は水銀圧入法あるいは電子顕微鏡による直接観察により、またナノ細孔の平均細孔径は水銀圧入法あるいは窒素吸着法により確認することができる。
また、二元細孔シリカの細孔容積は水銀圧入法あるいは窒素吸着法を用いて求めることができる。
更に、本発明の二元細孔シリカのマクロ細孔及びシリカ骨格は、例えば、試料破断面の電子顕微鏡により観察することが可能であり、該試料のどの破断面を観察しても一様にシリカ骨格とマクロ細孔が絡み合い連続した様相を為していることから、シリカ骨格及びマクロ細孔は三次元網目状に相互に絡み合った構造を有していることを確認できる。
更にまた、該二元細孔シリカにガス流体を通過させたときに発生する圧力損失は、その特性が直管と同等であることからマクロ細孔は閉鎖孔ではなく貫通孔であることも確認できる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
(ナノ細孔の平均直径及び細孔容積の測定)
予め120℃、12時間乾燥させた測定用試料を、窒素吸着法(ベックマンコールター社製、OMNISORP 100CX)によりナノ細孔の平均細孔径を測定した。−196℃で窒素の吸着−脱離等温線を測定し、吸着等温線(脱離側)を用いて細孔径分布を求めた。該吸着等温線からナノ細孔の平均細孔径を算出した。
(マクロ細孔の細孔直径の測定)
予め120℃、12時間乾燥させた測定用試料を、細孔径分布測定装置(カンタクローム社製、POREMASTER−60)を用いて、水銀圧入法によりマクロ細孔の細孔径及び細孔容積を測定した。測定で得られた細孔径分布において、マイクロメートル領域に現れる最大ピークの細孔径をマクロ細孔の細孔径とした。
実施例1
珪酸アルカリ金属塩として水ガラス(3号珪曹)、アルキル硫酸塩としてドデシル硫酸ナトリウム(以下、SDSという)、極性有機溶媒としてエタノール、酸触媒として硝酸を用いて、マクロ細孔の細孔径1μm、メソ細孔の細孔径6nmの二元細孔シリカを作製した。
仕込組成は、重量比で水:濃硝酸(60wt%):SDS:エタノール:水ガラス=97:37:3.0:6.1:45とした。SDS3.0gを水37gに溶解させた水溶液に、濃硝酸37gを加え混合した。次いで該混合溶液に、水ガラス45g、水60gからなる水溶液を添加し、室温下で攪拌してpH0.1以下の均一溶液とし、さらにエタノール6.1gを加えて攪拌混合した後、50℃で静置しゲル化させた。ナトリウム除去のために該ゲルを水洗した後、0.1規定のアンモニア水溶液中で、50℃で72時間熟成を行った後に、50℃で乾燥、600℃で焼成を行い、二元細孔シリカを得た。
該二元細孔シリカは、細孔径1μmの揃ったマクロ細孔とシリカ骨格が三次元網目状に互いに絡み合った構造(以下、三次元網目構造と呼ぶ)で存在していることを電子顕微鏡(図1)で確認し、また、水銀圧入法によりマクロ細孔とナノ細孔の存在を確認した(図2)。また、窒素吸着法によりナノ細孔の平均細孔径が6nmであることを確認した。
さらに詳細にゾル液の原料組成と二元細孔シリカの構造の関係を調べる目的で、SDS及びエタノールを表1に示す種々の組成で二元細孔シリカを作製した。ここで、SDSの仕込量、エタノールの仕込量を表1に示すように変化させた。
尚、水、濃硝酸、水ガラスの仕込重量は一定とした。二元細孔シリカの構造は、SDS及びエタノールの添加量によって変化するが、その構造を孤立したマクロ細孔(孤立孔)、三次元網目構造、粒子凝集状、マクロ細孔無し、に分類し、マクロ孔の大きさと共に表1にまとめて示した。
表1において、No.1〜12は実施例であり、所期の二元細孔シリカを再現性良く得ることができた。一方、No.13は、極性有機溶媒を使用しない比較例であり、SDSによる相分離が制御できずに、三次元網目構造が得られなかった。
また、これらの結果は、三次元網目構造を有する二元細孔シリカのマクロ細孔の細孔径は、エタノール添加量が増大に連れ小さくなる傾向を示している。
更に、エタノール添加量増大に連れてゲル化時間は長くなる傾向を有することがわかる。このように、ゲル化時間が長くなることは、エタノール添加により珪酸の重合反応の進行が抑制されていることが推定される。
Figure 2007070145
実施例2
実施例1ではゾル液に添加する極性有機溶媒としてエタノールを使用したが、代わりにメタノールを用いた。仕込組成を重量比で水:濃硝酸(60wt%):SDS:メタノール:水ガラス=97:37:3.0:6.0:45とする以外は、実施例1と全く同様にして二元細孔シリカを作製した。ゾル液のpHは0.1以下であった。該二元細孔シリカは、マクロ細孔の細孔径7μm、メソ細孔の細孔径6nmの二元細孔シリカであった。得られた二元細孔シリカは、マクロ細孔径7μmの三次元網目構造を有することを電子顕微鏡(図3)で確認した。
実施例3
実施例1ではゾル液に添加する極性有機溶媒としてエタノールを使用したが、代わりにイソプロピルアルコールを用いた。仕込組成を重量比で水:濃硝酸(60wt%):SDS:イソプロピルアルコール:水ガラス=97:37:3.0:4.0:45とする以外は、実施例1と全く同様にして二元細孔シリカを作製した。ゾル液のpHは0.1以下であった。該二元細孔シリカは、マクロ細孔の細孔径7μm、メソ細孔の細孔径6nmの二元細孔シリカであった。得られた二元細孔シリカは、マクロ細孔径7μmの三次元網目構造を有することを電子顕微鏡(図4)で確認した。
実施例4
実施例1〜3では酸触媒に濃硝酸を使用したが、代わりに硫酸を用いた。仕込組成を重量比で水:硫酸(47wt%):SDS:エタノール:水ガラス=97:40:3.0:6.0:45とする以外は、実施例1と全く同様にして二元細孔シリカを作製した。ゾル液のpHは0.1以下であった。該二元細孔シリカは、マクロ細孔の細孔径2.5μm、メソ細孔の細孔径6nmの二元細孔シリカであった。得られた二元細孔シリカは、マクロ細孔径2.5μmの三次元網目構造を有することを電子顕微鏡(図5)で確認した。
実施例5
実施例1ではゾル液に添加する極性有機溶媒としてエタノールを使用したが、代わりにアセトンを用いた。仕込組成を重量比で水:濃硝酸(60wt%):SDS:アセトン:水ガラス=97:37:3.0:5.0:45とする以外は、実施例1と全く同様にして二元細孔シリカを作製した。ゾル液のpHは0.1以下であった。該二元細孔シリカは、マクロ細孔の細孔径1μm、メソ細孔の細孔径6nmの二元細孔シリカであった。得られた二元細孔シリカは、マクロ細孔径1μmの三次元網目構造を有することを電子顕微鏡で確認した。
エタノール添加系二元細孔シリカの電子顕微鏡写真 水銀圧入法による二元細孔シリカの細孔分布を示す図 メタノール添加系二元細孔シリカの電子顕微鏡写真 イソプルピルアルコール添加系二元細孔シリカの電子顕微鏡写真 酸触媒に硫酸を用いて得られた二元細孔シリカの電子顕微鏡写真

Claims (1)

  1. 珪酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、極性有機溶媒及び酸触媒を含むゾル液を、ゲル化の進行による相分離の過渡状態でゲル化を完了させることを特徴とする二元細孔シリカの製造方法。
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