JP4481043B2 - Ni/SiO2触媒およびその製造方法 - Google Patents

Ni/SiO2触媒およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4481043B2
JP4481043B2 JP2004067121A JP2004067121A JP4481043B2 JP 4481043 B2 JP4481043 B2 JP 4481043B2 JP 2004067121 A JP2004067121 A JP 2004067121A JP 2004067121 A JP2004067121 A JP 2004067121A JP 4481043 B2 JP4481043 B2 JP 4481043B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
sio
surface area
pore
specific surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004067121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005254091A (ja
Inventor
亮治 高橋
智司 佐藤
勝博 松谷
直樹 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP2004067121A priority Critical patent/JP4481043B2/ja
Publication of JP2005254091A publication Critical patent/JP2005254091A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4481043B2 publication Critical patent/JP4481043B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、Ni/SiO触媒に関する。詳しくは、マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカにNiを担持したNi/SiO触媒に関するもので、該Ni/SiO触媒は例えばメタンリフォーミングなどの触媒として好適に利用される。
近年大気中に排出される炭酸ガスが主要因である地球温暖化問題がクローズアップされ、その対策技術の開発が要望されている。炭酸ガスとメタンとの転換反応により水素を生成するメタンリフォーミングは地球温暖化問題の解決といった環境面においてのみならずエネルギー資源としての水素を製造する重要な反応である。
従来知られているメタンリフォーミング用触媒としては、例えば非特許文献1においてはRh/Al触媒やRu/Al触媒が、また非特許文献2においては超微粒子単結晶MgOに担持したNi、Rh、Ru、Pt触媒が報告されている。しかしながら、上記の触媒に用いられるRh、Ru、Ptといった貴金属は非常に高価であり、また超微粒子単結晶MgOも同様に高価で広く実用に用いるのはコスト的に不都合であった。
比較的廉価な触媒担体にNiを担持した触媒の報告もなされており、例えば非特許文献3に記載のNi/θ―Alや、非特許文献4に記載のようにテトラエトキシシラン等の金属アルコキシドおよびNi塩を原料に用いゾルゲル法により作製したNi/SiOも知られている。
しかしながら、従来の触媒担体は細孔構造の特性上、担体の有する表面全体を反応場として有効に活用しているものではなかった。すなわち、高い比表面積を有する担体を用いる場合でも触媒反応に寄与するのは最外表面近傍に限定され、担体内部は反応に寄与しない。このため、材料の持つ特性を十分に発揮できないという欠点があった。
一方、非特許文献5に記載のように、テトラエトキシシラン、ポリエチレンオキサイド、硝酸ニッケルを原料に用いゾルゲル法により作製したNi/SiOは、マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔およびナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔を有し、該Ni/SiOを触媒に用いる場合、物質輸送能に優れるマクロ細孔と高い比表面積を有し反応場となるメソ細孔を併せ持つことにより高い活性を発現することが期待できる。しかしながら、高い活性を得ようとしてNi担持量を増やすと、Ni粒子同士の凝集によってNi比表面積が減少するため、高い活性を達成するのが困難であった。
以上述べたように、従来の技術では反応活性を支配するNi比表面積の増大と、触媒担体の有する高い比表面積を有効に利用することを両立させることは不可能であった。
T. Richardson, et. al., Appl. Catal., 61, (1992)293. I. Matsuura., et. al., Proc. Intl., Symp., on Chem. Fixation of CO2 (ISCF-CO2-Nagaya), (1991).247 Roh. H-S., et. al., Bull. Korean Chem. Soc., 23, (2002)116 S. Tomiyama., et. al., Applied Catalysis A: General 241(2003)349 N. Nakamura., et. al., Phys. Chem. Chem. Phys., 2, (2000) 4983
従来のNi/SiO触媒は、触媒担体の有する高い比表面積を有効に利用し、且つNiを高分散化することが困難なため十分な触媒活性が得られないという課題があった。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、物質輸送能に優れるマクロ細孔および高い比表面積を持つメソ細孔の二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカを担体に用い、該二元細孔シリカにカルボン酸化合物の存在下でNiを担持することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカに、カルボン酸化合物の存在下でNiを担持したNi/SiO触媒であって、Ni/(Ni+SiO)の重量比が0.2〜0.6且つNi比表面積が20〜50m/gであることを特徴とする、マクロ細孔が貫通孔であって3次元網目状に絡み合った構造で存在しているメタンリフォーミング用Ni/SiO触媒である。


また他の発明は、マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカに、カルボン酸化合物の存在下でNiを担持することを特徴とするNi/SiO触媒の製造方法である。
本発明によれば、マクロ細孔及びメソ細孔の両者が存在するため優れた物質輸送能および高いNi比表面積を有するNi/SiO触媒が得られる。本発明のNi/SiO触媒は高い触媒活性を発現し、例えばメタンリフォーミングなどの触媒として好適に利用される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のNi/SiO触媒は、マイクロメートル領域のマクロ細孔を有し、該マクロ細孔の細孔径の範囲は特に限定されるものではないが0.1〜30μmの範囲が好適に用いられる。マクロ細孔の細孔径が0.1μm未満の場合、圧力損失が高くなり触媒反応等に用いる場合には装置上あるいは反応上の不都合を来たす。また、マクロ細孔の細孔径が30μm超の場合、機械的強度が著しく低下するため好ましくない。マクロ細孔の細孔径が大きいものほど物質輸送能に優れるため化学反応上好ましいが、強度上の観点からマクロ細孔の細孔径は制限され、マクロ細孔の細孔径は1〜20μmの範囲が好ましい。
また、本発明のNi/SiO触媒はナノメートル領域のメソ細孔を有し、該メソ細孔の細孔径の範囲は特に限定されるものではないが1〜50nmの範囲が好適に用いられる。該Ni/SiO触媒は、二元細孔シリカにNiをメソ細孔およびマクロ細孔の外表面に担持することにより調製されるが、該二元細孔シリカのメソ細孔の細孔径が1nm未満の場合、メソ細孔への触媒成分の担持が困難となり好ましくない。また、該二元細孔シリカのメソ細孔の細孔径が50nm超の場合、メソ細孔への触媒成分の担持は容易となるが比表面積が減少し触媒活性の低下をもたらす。
本発明のNi/SiO触媒の形状は、特に限定されるものではなく目的に応じて定めることができるが、例えば球状粒状、不定形顆粒状、円柱形ペレット状、リング形状、ハニカム状のものが挙げられる。
また本発明のNi/SiO触媒のサイズは、反応器の形式や大きさなどプラントの制約、操作条件、経済性などを考慮して決定される。
球状粒状、不定形顆粒状等の粒子状の触媒を用いる場合、触媒反応速度は境膜拡散や細孔内拡散などの物質移動の影響が大きいため該触媒粒子の外表面積が大きくなるほど活性が向上する。触媒活性の面だけからいえば、該触媒粒子のサイズは小さいものが好ましいが、実際の工業プロセスにおいては、触媒粒子は反応器に充填されて使用され反応流体がこの触媒層を通過する。触媒粒子径が小さいときは触媒層を通過する流体抵抗が大きくなるため、触媒活性と触媒層の圧力損失との兼合いで触媒粒子径が決定されている。一般に工業的な触媒プロセスでは3〜20mm程度のサイズのものが用いられているが、活性向上を図るためには、より微小サイズの触媒が望ましい。
本発明のNi/SiO触媒は、既に述べたように物質輸送に有利なマクロ細孔と、高い比表面積を有し触媒反応場となるメソ細孔を併せもつため、圧力損失が低く、かつ触媒活性も高い触媒の担体となりうる特徴を有している。
本発明のNi/SiO触媒の細孔容積は、グラム当り0.3〜2cmの範囲で制御可能であり、通常1cmのものが好適に用いられる。
本発明のNi/SiO触媒の比表面積は、グラム当たり10〜1,000mの範囲で制御可能である。ただし、高温下ではメソ細孔が消滅し比表面積が低下するといった熱耐性の問題を含み、反応活性および熱耐性の観点からグラム当たり200〜800mの範囲のものが好適に用いられる。
本発明のNi/SiO触媒のNi担持量は、Ni/(Ni+SiO)の重量比で0.2〜0.6の範囲にある。Ni担持量が0.2よりも小さい場合は、活性を発現させるNi量が少ないため触媒活性が低く、またNi担持量が0.6超の場合はNi粒子同士が凝集するため触媒活性が低くなるので好ましくない。
本発明のNi/SiO触媒は、高いNi比表面積を有することが特徴であり、20〜50m/gの範囲にある。Ni比表面積の増大は、Ni粒子が微小で分散性が良いことを表し、高い触媒活性発現の要因となっている。触媒活性の観点からは、Ni比表面積は高いことが好ましいが50m/gを超えるものは、Ni担持工程においてNi粒子同士が凝集するため製造が困難である。また、Ni比表面積が20m/gよりも小さい場合は、Ni粒子同士の凝集は回避できるが触媒活性が低くなるため好ましくない。触媒活性、製造上の容易さの観点から、Ni比表面積は20〜40m/gの範囲が好適である。
本発明のNi/SiO触媒の製造方法は特に限定されないが、代表的には次の方法で製造することができる。
本発明においては、担体としてマイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカを用いる。
該二元細孔シリカのマクロ細孔の細孔径の範囲は0.1〜30μm、メソ細孔の細孔径の範囲は1〜50nmのものが好適である。
該二元細孔シリカは相分離を利用した手法により、例えばシリカ源としてケイ素アルコキシドを用いる前述の非特許文献5に記載の方法や水ガラスを用いる高橋らの方法(R. Takahashi., et. al., J. Ceram. Soc. Japan, 109(2001)577-579)により作製できる。
シリカ源としては、メトキシシラン、エトキシシラン等のケイ素アルコキシドや、水ガラスが特に制限なく用いられる。
水ガラスは、一般にはケイ酸アルカリ塩の濃厚水溶液であり、その種類や濃度は特に限定されないが、JIS規格の水ガラスである珪酸ナトリウムJIS3号またはそれと同等のものがシリカ源として取扱いやすい。
相分離とゲル化を同時に起こして湿潤状態のゲルを作製するためには、シリカ源を含む溶液にポリマーおよび酸を存在させてゲル化を進める手段が有効に利用される。
ここでポリマーとは、適当な濃度の溶液を形成することができる有機高分子であって、シリカ源を含有する溶液中において均一に溶解することができるものが好適である。具体的には、高分子金属塩であるポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、高分子酸であって解離してポリアニオンとなるポリアクリル酸、高分子塩基であってポリカチオンを生ずるポリアクリルアミンまたはポリエチレンイミン、中性高分子であって主鎖にエーテル結合を持つポリエチレンオキシド、側鎖にヒドロキシル基を有するポリビニルアルコール、もしくはカルボニル基を有するポリビニルピロリドン等である。
これらのうち、ポリアクリル酸またはポリビニルアルコールが、取扱いが容易であり好ましい。ポリアクリル酸は分子量15,000〜300,000、好ましくは20,000〜150,000のものが好適である。
加水分解反応の触媒として働きゲル化を促進するために添加される酸として、通常硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸または有機酸が使用される。最終的な酸の濃度は、最終溶液1リットルあたり、0.01〜5モル、好ましくは1〜4モルの範囲が好ましい。
湿潤状態のゲルを得るためのゲル化の代表的方法は、シリカ源、ポリマー、酸等からなる混合溶液(以下、ゾル液と呼ぶ)を密閉容器などに入れ、0〜80℃で、好ましくは10〜30℃で10分〜1週間、さらに好ましくは1時間〜24時間放置することにより行う。
マクロ細孔の細孔径や容積はゲル化条件によって制御することができる。
シリカ源に水ガラスを用いる場合は、作製された湿潤ゲルを乾燥する前に洗浄する必要がある。これは、水ガラスにナトリウム等のアルカリ金属が含まれており、湿潤ゲルをそのまま乾燥させると乾燥が進むにつれてゲルの崩壊が進むからである。洗浄は、ゲルを水に漬け、厚さが1cm程度あるゲルでは室温で12時間以上放置することにより行うが、ゲルの厚さがこれより薄ければより短時間で洗浄可能である。
次いで、マクロ細孔の他にメソ細孔を有する二元細孔シリカを得るために、水洗後のゲルを塩基性水溶液中で熟成させる。該二元細孔シリカのメソ細孔の細孔径は、熟成条件によって制御できる。熟成は、0.01〜10規定のアルカリ溶液中で0〜80℃の温度で行うのが好ましい。これら熟成条件は、希望とするメソ細孔の細孔径を適宜選択することにより決定できる。
熟成後のゲルは、30〜80℃で数時間〜数十時間放置して乾燥を行う。乾燥後、マクロ細孔作製の目的で加えられた水溶性高分子化合物等の有機物を除去するため、および強度を向上しマクロ細孔構造を維持するために焼成する。焼成温度は、500〜1100℃が好ましいが、500℃以下で焼成しても良い。
本発明においては、前述の方法に基づいて調製した二元細孔シリカにカルボン酸化合物の存在下でNiを担持してNi/SiO触媒を得る。該カルボン酸化合物を存在させずにNiを担持して得たNi/SiO触媒は、Ni粒子同士が凝集を起こしNi比表面積が減少するため、高い触媒活性が発現されない。
本発明のNi/SiO触媒の製造においてカルボン酸化合物の存在下でNiを二元細孔シリカに担持する方法は特に限定されるものではなく、既に知られている種々の担持方法を用いることができるが、カルボン酸化合物が存在していることが必要であり、含浸法が特に好適に用いられる。含浸法に用いる溶液は、Ni化合物、カルボン酸化合物および溶媒からなる。本発明で用いるカルボン酸化合物は特に限定されるものではないが、クエン酸、乳酸が好適に用いられる。特に乳酸を用いて製造されるNi/SiO触媒は、Ni担持量を増やしても高いNi比表面積を有し高い活性を示す。この理由は、明らかではないが、Ni/SiO触媒を製造する際の乾燥工程においてNi種の塩の結晶化による凝集の抑止、あるいは焼成時に有機物分解の急激な反応がないためNiの凝集が抑制されることによるものと考えられる。Ni化合物の代表的なものを例示すると、硝酸ニッケル、塩化ニッケル等が挙げられる。また、溶媒は例えば水、アルコール等の極性溶媒が用いられるが、特に水が好適である。
該含浸法に用いる溶液におけるNi化合物、カルボン酸化合物、溶媒の配合割合は特に限定されず所望のNi担持量となるように適宜決定することができるが、沈殿物等を生じない均一な溶液を得る観点からNi化合物/カルボン酸化合物の量比はモル比で0.1〜5の範囲が好ましい。
二元細孔シリカに含浸法によりNiを担持するには、前述の溶液を二元細孔シリカに含浸させればよいが、担持効率を上げるために減圧下で脱気することもできる。また、低いNi濃度を有する溶液を用いて、含浸と乾燥を複数回繰り返すこともできる。
含浸後の二元細孔シリカは、Ni化合物、カルボン酸化合物、溶媒を細孔中に含むため、熱処理により溶媒揮発、有機物を分解させる必要がある。
熱処理は、通常500〜1,000℃の範囲であり、二元細孔シリカの比表面積を低減しない600〜800℃の範囲が好ましい。熱処理時の雰囲気は、有機物分解を促進するため酸素ガス中あるいは空気中が好ましい。該熱処理により、Ni化合物は酸化されNiOとなり、NiO/SiOが得られる。
本発明のNi/SiO触媒は、該NiO/SiOを水素気流下で熱処理してNiOをNiに還元することにより得られる。該水素気流下での熱処理における水素流量、熱処理温度は特に限定されず、該NiO/SiOの処理量等を勘案して適宜決定される。
該水素気流下での熱処理条件を例示すれば、試料2gに対し水素流量30cm/min、600℃で2時間熱処理を行うがよい。
尚、本発明のNi/SiO触媒のマクロ細孔の細孔径は、水銀圧入法あるいは電子顕微鏡による直接観察により、またメソ細孔の細孔径は水銀圧入法あるいは窒素吸着法により確認することができる。
また、本発明のNi/SiO触媒の細孔容積は、水銀圧入法あるいは窒素吸着法を用いて求めることができる。
また、本発明のNi/SiO触媒のNi比表面積は水素吸着法により求めることができる。
一般に、触媒の活性に活性成分粒子の分散性や存在形態が大きく影響を与えると言われており、本発明のカルボン酸化合物を用いて製造されるNi/SiO触媒は、活性成分粒子であるNiが二元細孔シリカの細孔の外表面に高分散化されたが故高活性を発現するものと考えられる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
(TG−DTA測定)
二元細孔シリカにNiを担持した熱処理する前の試料(重量10mg)を用いて、室温〜600℃の範囲でTG−DTA装置(リガク製TG8120)により重量変化および示差熱変化を測定した。尚、測定条件は、昇温速度5℃/min、空気雰囲気下である。
(窒素吸着法による比表面積測定)
液体窒素温度における窒素の吸着量を絶対平衡吸着圧力0.35以下で3点測定し、BET法により比表面積計算を行った。測定試料は、予め110℃で一晩乾燥し、秤量後300℃で一時間減圧処理した後、窒素吸着装置(ベックマンコールター社製、OMNISORP 100CX)を用いて測定を行った。
(XRD測定)
Ni/SiO触媒の結晶構造および結晶子サイズをX線回折装置(マック・サイエンス社製M18XHF−SRA)を用いて評価を行った。X線源はCu−Kα(λ=0.154nm)を用いた。結晶相の同定はJCPDSに基づいて行った。また、NiOおよびNiのピークの半値幅から結晶子サイズを推定した。
(マクロ細孔の細孔径の測定)
予め120℃、12時間乾燥させた測定用試料を、水銀圧入法(カンタクローム社製、POREMASTER−60)によりマクロ細孔の細孔径を測定した。測定で得られた細孔径分布において、マイクロメートル領域に現れる最大ピークの孔径をマクロ細孔の細孔径とした。
(メソ細孔の細孔径の測定)
予め120℃、12時間乾燥させた測定用試料を、窒素吸着法(ベックマンコールター社製、OMNISORP 100CX)によりメソ細孔の細孔径を測定した。−196℃で窒素の吸着−脱離等温線を測定し、吸着等温線(脱離側)を用いて細孔径分布を求めた。該吸着等温線からメソ細孔の細孔径を算出した。
(Ni比表面積の測定)
Ni/SiO触媒のNiの比表面積は、0℃における水素吸着量を測定し、ラングミュアー式に基づいて算出したNiの表面積とNi/SiO触媒の質量より求めた。
(Ni担持量の測定)
Ni/SiO触媒のNiの担持量は、水素還元処理前のNiO/SiO触媒を用いてTPR測定(Temperature―Programmed Reduction)により決定した。試料にHとNの混合ガス(H:N=1:9)、流量10cm/minを流通し、昇温速度5℃/minとし、室温から900℃まで昇温した際のHの消費量をTCD(Thermal Conductivity Detector)により検出した。また、予めNiOのみの試料から検量線を作成し、Ni/SiO触媒の担持量を求めた。
(触媒活性評価)
Ni/SiO触媒を用い下式に示すメタンのCOリフォーミングを行った。
CH + CO → 2CO + 2H
縦型石英製固定床反応器(内径20mm、高さ300mm)の内部に試料200mgを入れ、上下部を石英ウールで固定した。所定の温度(600℃)で二時間水素流通した後、反応温度700℃としてメタンおよびCOを反応器に投入した。流量はそれぞれ、90cm/minとした。反応器出口ガスの成分をガスクロマトグラフィーにより測定した。供給メタンが反応により消費された量から転化率を決定した。転化率はメタンのCOへの反応の程度を示し下式で表される。
転化率(%)=(消費メタン)/(供給メタン)×100

実施例1
平均分子量25,000のポリアクリル酸(以下HPAAという)共存下、水ガラス(3号珪曹)より、マクロ細孔の細孔径1μm、メソ細孔の細孔径6nm、比表面積460m/gの二元細孔シリカを作製した。仕込組成は、重量比で水:濃硝酸:HPAA:水ガラス=97:37:6.5:60とし、室温で攪拌し均一溶液とした後、25℃で静置しゲル化させた。ナトリウム除去のために該ゲルを水洗した後、0.01規定のアンモニア水溶液中で、20℃で三日間熟成を行った後に、50℃で乾燥し、乳鉢で粉砕した後600℃で二時間焼成を行った。
予め調製した、Ni(NO・6HO 3.34g、HO 21.27g、Ni(NO・6HOと等モル量の乳酸1.04gからなる含浸溶液を焼成後の試料2.0gに、赤外線ランプ下で加熱しながら該含浸溶液をゆっくりと滴下することによりNiを担持した。その後600℃で二時間焼成した。こうして得られる試料はNiO/SiOであり、メタンリフォーミングに好適な触媒とするために引き続き、水素還元処理を行った。該水素還元処理は、水素流量30cm/min、600℃、2時間とした。
図1に水素還元処理後の試料の断面SEM写真を、図2に水素還元処理後の試料の水銀圧入法測定結果を示す。図1に示すように、水素還元により得たNi/SiO触媒は、細孔径1μmの揃った貫通孔が三次元網目状に絡み合った構造で存在している。また図2より、マクロ細孔とメソ細孔が共に存在することを確認した。さらに、窒素吸着法によりメソ細孔の細孔径が6nmであることを確認した。TPR測定により、該Ni/SiO触媒のNiの担持量はNi/(Ni+SiO)の重量比で0.220であった。また、Ni/SiO触媒のNi比表面積はグラム当たり24.1mで、メタンリフォーミング反応における200分後のメタン転化率は45%であった(図3)。該Ni/SiO触媒のXRD測定の結果(図4)、Niピークは非常にブロードでNi粒子が微小であることがわかり、ピークの半値幅から算出した結晶子サイズは5nmであった。
実施例2
予め調製した、Ni(NO・6HO 6.68g、HO 21.27g、Ni(NO・6HOと等モル量の乳酸2.08gからなる含浸溶液を用いる以外は、実施例1と全く同様にしてNi/SiO触媒を作製した。
Ni/SiO触媒は、細孔径1μmの揃った貫通孔が三次元網目状に絡み合った構造で存在していることをSEM写真で確認し、水銀圧入法によりマクロ細孔とメソ細孔の存在を確認した。また、窒素吸着法によりメソ細孔の細孔径が6nmであることを確認した。TPR測定により、該Ni/SiO触媒のNiの担持量はNi/(Ni+SiO)の重量比で0.432であった。また、Ni/SiO触媒のNi比表面積はグラム当たり45.0mで、メタンリフォーミング反応における200分後のメタン転化率は60%であった(図3)。
実施例3
予め調製した、Ni(NO・6HO 2.61g、HO 21.27g、Ni(NO・6HOと等モル量のクエン酸19.89gからなる含浸溶液を用いる以外は、実施例1と全く同様にしてNi/SiO触媒を作製した。
Ni/SiO触媒は、細孔径1μmの揃った貫通孔が三次元網目状に絡み合った構造で存在していることをSEM写真で確認し、水銀圧入法によりマクロ細孔とメソ細孔の存在を確認した。また、窒素吸着法によりメソ細孔の細孔径が6nmであることを確認した。TPR測定により、該Ni/SiO触媒のNiの担持量はNi/(Ni+SiO)の重量比で0.229であった。また、Ni/SiO触媒のNi比表面積はグラム当たり20.4mで、メタンリフォーミング反応における200分後のメタン転化率は40%であった。
実施例4
原料にテトラエトキシシラン(以下TEOSという)および平均分子量10万のポリエチレンオキシド(以下PEOという)を用いてマクロ細孔の細孔径0.9μm、メソ細孔の細孔径6nm、比表面積460m/gの二元細孔シリカを作製する以外は実施例1と全く同様にしてNi/SiO触媒を作製した。仕込組成は重量比で水:濃硝酸:PEO:TEOS=11.5:1.1:1.6:9.3とし、室温で攪拌し均一溶液とした後、50℃で静置しゲル化後、50℃で乾燥したものを担体に用いた。
Ni/SiO触媒は、細孔径0.9μmの揃った貫通孔が三次元網目状に絡み合った構造で存在していることをSEM写真で確認し、水銀圧入法によりマクロ細孔とメソ細孔の存在を確認した。また、窒素吸着法によりメソ細孔の細孔径が6nmであることを確認した。TPR測定により、該Ni/SiO触媒のNiの担持量はNi/(Ni+SiO)の重量比で0.212であった。また、Ni/SiO触媒のNi比表面積はグラム当たり23mで、メタンリフォーミング反応におけるメタン転化率は42%であった。
比較例1
予め調製した、Ni(NO・6HO 10.02g、HO 21.27gからなる含浸溶液を用いる以外は、実施例1と全く同様にしてNi/SiO触媒を作製した。表1に、Ni比表面積、メタン転化率を示す。該Ni/SiO触媒のXRD測定(図4)によるピークの半値幅から算出した結晶子サイズは9nmであった。
比較例2
二元細孔シリカの代わりに市販のシリカゲル(CARiACT Q10 、富士シリシア、比表面積295m/g、メソ細孔の細孔径10nm、マクロ細孔は存在しない)を、また含浸溶液として予め調製した、Ni(NO・6HO 10.02g、HO 21.27gを用いる以外は、実施例1と全く同様にしてNi/SiO触媒を作製した。表1に、Ni比表面積、メタン転化率を示す。
比較例3
二元細孔シリカの代わりに市販のシリカゲル(CARiACT Q10 、富士シリシア、比表面積295m/g、メソ細孔の細孔径10nm、マクロ細孔は存在しない)を用いる以外は、実施例1と全く同様にしてNi/SiO触媒を作製した。表1に、Ni比表面積、メタン転化率を示す。
比較例4
二元細孔シリカの代わりに市販のシリカゲル(CARiACT Q10 、富士シリシア、比表面積295m/g、メソ細孔の細孔径10nm、マクロ細孔は存在しない)を用いる以外は、実施例3と全く同様にしてNi/SiO触媒を作製した。表1に、Ni比表面積、メタン転化率を示す。
表1より明らかなように、二元細孔シリカを担体に用い、クエン酸あるいは乳酸が存在する含浸溶液を用いてNiを担持したNi/SiO触媒は、高いNi比表面積を有し、メタン転化率も高く好適なメタンリフォーミング触媒であることがわかる。また、Ni担持量を増やしても高いNi比表面積を有している。
Figure 0004481043
Ni/SiO触媒のSEM写真 水銀圧入法によるNi/SiO触媒の細孔分布を示す図 乳酸含有含浸溶液を用いて作製したNi/SiO触媒のメタンリフォーミング反応におけるメタン転化率 Ni/SiO触媒のXRDパターン

Claims (3)

  1. マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカにNiを担持したNi/SiO触媒であって、Ni/(Ni+SiO)の重量比が0.2〜0.6且つNi比表面積が20〜50m/gであることを特徴とする、マクロ細孔が貫通孔であって3次元網目状に絡み合った構造で存在しているメタンリフォーミング用Ni/SiO触媒。
  2. マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカに、カルボン酸化合物の存在下でNiを担持することを特徴とする請求項1記載のメタンリフォーミング用Ni/SiO触媒の製造方法。
  3. カルボン酸化合物がクエン酸、乳酸のいずれかである請求項2記載のメタンリフォーミング用Ni/SiO触媒の製造方法。
JP2004067121A 2004-03-10 2004-03-10 Ni/SiO2触媒およびその製造方法 Expired - Lifetime JP4481043B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004067121A JP4481043B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 Ni/SiO2触媒およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004067121A JP4481043B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 Ni/SiO2触媒およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005254091A JP2005254091A (ja) 2005-09-22
JP4481043B2 true JP4481043B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=35080351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004067121A Expired - Lifetime JP4481043B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 Ni/SiO2触媒およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4481043B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103055868A (zh) * 2011-10-24 2013-04-24 中国石油化工股份有限公司 镍基催化剂及其制备方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100441348C (zh) * 2006-05-12 2008-12-10 天津大学 金属纳米镍管及制备方法
KR100819927B1 (ko) 2007-01-08 2008-04-08 한국에너지기술연구원 중형기공실리카에 담지된 나노미터크기의 금속니켈입자를이용한 경유의 고심도 탈황
JP5569734B2 (ja) * 2009-08-10 2014-08-13 佐賀県 エタノール水蒸気改質用水素製造触媒の製造方法およびエタノール水蒸気改質用水素製造触媒
US11951457B2 (en) * 2021-01-04 2024-04-09 Qatar University Metal-silica nanocomposites prepared through a single step solution combustion synthesis (SCS)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103055868A (zh) * 2011-10-24 2013-04-24 中国石油化工股份有限公司 镍基催化剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005254091A (ja) 2005-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chen et al. Ce-modified mesoporous γ-Al2O3 supported Pd-Pt nanoparticle catalysts and their structure-function relationship in complete benzene oxidation
Lu et al. Facile one-pot synthesis of Ni@ HSS as a novel yolk-shell structure catalyst for dry reforming of methane
Chen et al. One-pot synthesis of thermally stable gold@ mesoporous silica core-shell nanospheres with catalytic activity
Tomiyama et al. Preparation of Ni/SiO2 catalyst with high thermal stability for CO2-reforming of CH4
Ismail et al. Mesostructure Au/TiO2 nanocomposites for highly efficient catalytic reduction of p-nitrophenol
Wu et al. A general approach towards multi-faceted hollow oxide composites using zeolitic imidazolate frameworks
Su et al. Influence of the pore structure of CeO 2 supports on the surface texture and catalytic activity for CO oxidation
TW200922692A (en) Catalyst and production process thereof, and chlorine production using the catalyst
CN107824172B (zh) 一种表面富含缺陷位的纳米氧化铝载体的制备方法
WO2014070116A1 (en) Encapsulated Nanoparticles
CN108554432A (zh) 一种磷氮共掺杂石墨烯负载钯基催化剂及制备方法与应用
Zhang et al. MOF-derived CeO 2/Au@ SiO 2 hollow nanotubes and their catalytic activity toward 4-nitrophenol reduction
Cao et al. Adsorption of NO on ordered mesoporous carbon and its improvement by cerium
Mikheeva et al. Toluene abatement on Ag-CeO2/SBA-15 catalysts: synergistic effect of silver and ceria
Zhang et al. Porous and hollow metal-layer@ SiO 2 nanocomposites as stable nanoreactors for hydrocarbon selective oxidation
CN108067263B (zh) 一种具有壳核结构的催化剂及其制备方法和应用
JP4481043B2 (ja) Ni/SiO2触媒およびその製造方法
Azmia et al. Rapid one pot synthesis of mesoporous ceria nanoparticles by sol-gel method for enhanced CO2 capture
JP7203755B2 (ja) TiO2を含有している細孔性モノリスおよびその製造方法
JP2005162504A (ja) 二元細孔シリカ粒子
Zhang et al. CO catalytic combustion over Co/Al2O3: Influence of diverse textural properties of alumina supports on the related oxidation activities
Wei et al. Hydrogenation of pentenal over supported Pt nanoparticles: Influence of Lewis-acid sites in the conversion pathway
CN102784654A (zh) 一种负载型中空纳米合金球催化剂及其制备方法和用途
JP5828478B2 (ja) 排ガス浄化用触媒担体及び排ガス浄化用触媒
JP5989306B2 (ja) 一酸化炭素メタン化触媒

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100223

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100317

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150