JPS6328013Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラクタの前後進切替レバー装置に
関する。

農用トラクタにおいて、ハンドルポストに主変
速レバー、前後進切替レバー等に設けたものがあ
る。これら操作レバーは、ハンドルポストから左
右方向いずれかに突出している。ところが、農用
トラクタにあつては、乗降口が狭いため、乗降の
際、身体の一部が操作レバーに接触し、中立位置
にあつたレバーが、不慮に入の位置に移動するお
それがあり、安全上問題があつた。

そこで、中立位置から前進または後進に入れる
場合、切替レバーを一旦上下方向いずれかに移動
させないと、切替レバーを前後方向に操作できな
いようにしたものが既に提案されている（実公昭
28−5010号公報）。

しかし、この従来のものは、中立位置において
操作軸が摺動筒にキー結合して回動しないが、変
速装置に連結される揺動アームは操作軸に対して
自由状態となり、振動等により、不慮に変速され
るおそれがあつた。

そこで、本考案は、切替レバーと揺動アームと
を常に連結状態を保ち、かつ、中立位置において
両者が不慮に移動しないようにした切替レバー装
置を提供することを目的とする。

従つて、本考案の特徴とする処は、ハンドルポ
ストの側面に上下一対の摺動筒が固定され、該摺
動筒に操作軸が回動かつ摺動自在に挿通され、前
記上部摺動筒に操作軸心回りに回動自在でかつ軸
方向移動不能なブラケツトが支持され、該ブラケ
ツトに切替レバーの中途部が上下方向回動自在に
枢支され、該切替レバーの基部は操作軸の上部に
上下方向回動自在に枢支され、かつ、切替レバー
の先端はハンドルポストの左右方向一側に突出
し、前記操作軸の下部が前後進切替装置に連動連
結されたものにおいて、 前記操作軸の下部に伝動アームが固定され、該
アームに係合ピンが操作軸と平行に突設され、前
記下部摺動筒に、前後進切替装置に連動連結され
た揺動アームが回動自在にかつ軸方向移動不能に
枢支され、該揺動アームには前記係合ピンが挿入
される係合孔が貫設され、前記下部摺動筒には固
定アームが設けられ、該固定アームには、前記係
合ピンとは反対側から係合孔に挿脱自在に挿入さ
れるストツプピンが操作軸と平行に移動自在に設
けられ、該ストツプピンはスプリングにより係合
孔に係合する方向に付勢され、かつ、ストツプピ
ンは揺動アームが切替装置の中立位置にあるとき
係合孔と係合する位置に設けられ、かつ、前記係
合ピンと係合孔は常時関係にある点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳述す
る。

第１図において、１はトラクタ車体、２は前
輪、３は後輪、４はボンネツト、５はハンドル装
置、６は運転席である。

トラクタ車体１はミツシヨンケース７等から成
り、そのミツシヨンケース７内には、第２図に示
すように走行用の主変速装置８、前後進切換装置
９等が内蔵されている。主変速装置８は、エンジ
ンＥにメインクラツチＣを介して接続された主軸
１０上のギヤー１１〜１４、変速軸１５上に遊転
自在に套嵌されかつギヤー１１〜１４に常時咬合
する遊転ギヤー１６〜１９、及び遊転ギヤー１
６，１７，１８，１９を変速軸１５に選択結合す
るシフター２０，２１等から成り、そのシフター
２０，２１にはフオーク軸上のシフトフオークが
係合する。前後進切換装置９は遊転ギヤー２２と
伝動軸２３とを変速軸１５に選択結合するシフタ
ー２４を有し、遊転ギヤー２２はバツクギヤー２
５、ギヤー２６を介して、また伝動軸２３はギヤ
ー２７，５８を介して夫々駆動軸２９に連動連結
されている。勿論、駆動軸２９はデフ装置等を介
して前輪２、後輪３を駆動するように構成されて
いる。

前記主変速装置８及び前後進切換装置９の切替
操作は、第３図に示すように、ハンドル装置５の
ハンドルポスト３０に設けられた主変速切替レバ
ー３１及び前後進切替レバー３２により行なわれ
る。前後進切替レバー３２は、トラクタの乗降口
３３に突出するよう設けられている。３４はハン
ドルアクセルレバーである。

第４図に示すように、前記前後進切替レバー３
２は、ハンドルポスト３０と略平行に設けられた
操作軸３５の上端部にピン３６を介して上下回動
自在に枢結されている。操作軸３５は、ハンドル
ポスト３０に固定された上下一対の摺動筒３７，
３８に、上下摺動自在にかつ回動自在に挿通され
ている。上部の摺動筒３７にはコ字形の支持部材
３９が上下方向移動不能に、かつ回動自在に嵌合
されている。この支持部材３９は操作軸３５に回
動自在に挿通されている。支持部材３９には操作
軸３５と平行に上方突出する支持片４０が固定さ
れている。この支持片４０の上端部に前記前後進
切替レバー３２がピン４１を介して上下方向回動
自在に枢結されている。

従つて、切替レバー３２は、支持片４０のピン
４１を中心として上下揺動し、かつ操作軸３５を
中心として前後揺動する。この切替レバー３２の
揺動により操作軸３５は上下動及び回動する。

操作軸３５の下端部には、伝動アーム４２が固
定され、該アーム４２と下部の摺動筒３８間に圧
縮スプリング４３が介在され、操作軸３５を下方
に付勢している。上記アーム４２に係合ピン４４
が突設されている。前記下部の摺動筒３８に揺動
アーム４５が回動自在に枢結され、該揺動アーム
４５に前記係合ピン４４が挿脱自在に係合する係
合孔４６が開設されている。

上記係合孔４６に、係合ピン４４と反対側から
挿脱自在に係合するストツプピン４７が設けられ
ている。このストツプピン４７は、下部の摺動筒
３８に固定されたアーム４８に摺動自在に設けら
れ、スプリング４９により係合孔４６に係合する
方向に付勢されている。

前記揺動アーム４５にはボーデンワイヤ５０が
連結され、該ワイヤ５０は、第１図に示す如く、
前後進切替装置９のシフタを操作するアーム５１
に連結されている。また揺動アーム４５には不安
定切替スプリング５２が設けられ、該スプリング
５２は、第５図に示す如く、揺動アーム４５の
前・後位置を維持する。この前後位置を決めるス
トツパー５３，５４が、ハンドルポスト３０側に
設けられている。

上記前後進切替レバー装置の操作につき説明す
れば、切替レバー３２は第６図に示す移動経路を
有する。第６図に示す符号Ｆが前進位置、Ｒが後
進位置であり、Ｎが中立位置である。

切替レバー３２が中立位置Ｎにあるときが第４
図に示す状態であり、切替レバー３２は前後の移
動範囲の略中間に位置し、操作軸３５はスプリン
グ４３により下方に付勢されているので、切替レ
バー３２の先端は上方位置にある。このとき、揺
動アーム４５の係合孔４６にストツプピン４７が
係合し、揺動アーム４５の回動を防止している。
従つて、上記第４図の状態において、切替レバー
３２を前後方向に操作しようとしても、揺動アー
ム４５がストツプピン４７で係止されているた
め、前後方向に操作することができない。従つ
て、乗降の際、過つて切替レバー３２に身体が触
れても、切替レバー３２は何ら操作されないの
で、中立位置から入の状態になることがない。

次に前後進のいずれかに切替る場合、切替レバ
ー３２を下方に移動させる。これにより、操作軸
３５はスプリング４３に抗して上方移動する。従
つて係合ピン４４が係合孔４６に進入し、ストツ
プピン４７と係合孔４６との係合を解除する。し
かして、切替レバー３２を前後いずれかに移動さ
せることにより、揺動アーム４５が回動し、ボー
デンワイヤ５０を介して前後進切替装置９のシフ
タ２４が操作される。

上記の如く、切替レバー３２が乗降口３３に突
出し、乗降の際、身体が切替レバー３２に接触す
るおそれがあつても、切替レバー３２は単なる接
触のみでは移動しないので、不慮に中立位置から
入の位置に移動することがなく、安全である。ま
た、ボーデンワイヤ５０を介して切替レバー装置
と切替装置９とを連結しているので、リンク機構
を採用するよりも構造が簡単である。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
ない。

本考案によれば、切替レバーが中立位置にある
とき、揺動アームの係合孔に係合ピンとストツプ
ピンの両者が同時に係合しているので、揺動アー
ムも切替レバーも揺動することができず、安全上
優れたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を採用したトラクタの側面図、
第２図は同トランスミツシヨンの歯車列を示す
図、第３図は第１図のＡ−Ａ矢視図、第４図は本
考案の要部拡大図、第５図は同平面図、第６図は
切替レバーの経路図である。 ３０……ハンドルポスト、３２……前後進切替
レバー、３３……乗降口、Ｎ……中立位置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ハンドルポストの側面に上下一対の摺動筒が固
   定され、該摺動筒に操作軸が回動かつ摺動自在に
   挿通され、前記上部摺動筒に操作軸心回りに回動
   自在でかつ軸方向移動不能なブラケツトが支持さ
   れ、該ブラケツトに切替レバーの中途部が上下方
   向回動自在に枢支され、該切替レバーの基部は操
   作軸の上部に上下方向回動自在に枢支され、か
   つ、切替レバーの先端はハンドルポストの左右方
   向一側に突出し、前記操作軸の下部が前後進切替
   装置に連動連結されたものにおいて、 前記操作軸の下部に伝動アームが固定され、該
   アームに係合ピンが操作軸と平行に突設され、前
   記下部摺動筒に、前後進切替装置に連動連結され
   た揺動アームが回動自在にかつ軸方向移動不能に
   枢支され、該揺動アームには前記係合ピンが挿入
   される係合孔が貫設され、前記下部摺動筒には固
   定アームが設けられ、該固定アームには、前記係
   合ピンとは反対側から係合孔に挿脱自在に挿入さ
   れるストツプピンが操作軸と平行に移動自在に設
   けられ、該ストツプピンはスプリングにより係合
   孔に係合する方向に付勢され、かつ、ストツプピ
   ンは揺動アームが切替装置の中立位置にあるとき
   係合孔と係合する位置に設けられ、かつ、前記係
   合ピンと係合孔は常時係合関係にあることを特徴
   とするトラクタの前後進切替レバー装置。