JPS6327447B2 - - Google Patents

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JPS6327447B2
JPS6327447B2 JP57161431A JP16143182A JPS6327447B2 JP S6327447 B2 JPS6327447 B2 JP S6327447B2 JP 57161431 A JP57161431 A JP 57161431A JP 16143182 A JP16143182 A JP 16143182A JP S6327447 B2 JPS6327447 B2 JP S6327447B2
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JP
Japan
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pitch
temperature
spinning
fiber
raw material
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JP57161431A
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English (en)
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JPS5953717A (ja
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Yasuhiro Yamada
Takeshi Imamura
Hidemasa Pponda
Tooru Sawaki
Hideharu Sasaki
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Teijin Ltd
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Teijin Ltd
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Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology, Teijin Ltd filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
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Priority to FR8313618A priority patent/FR2532322B1/fr
Priority to US06/525,702 priority patent/US4590055A/en
Priority to DE19833330575 priority patent/DE3330575A1/de
Priority to GB08322788A priority patent/GB2129825B/en
Publication of JPS5953717A publication Critical patent/JPS5953717A/ja
Publication of JPS6327447B2 publication Critical patent/JPS6327447B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規なピツチ系炭素繊維の製造方法
に関するものである。さらに詳しくいえば、本発
明はピツチを原料とし、しかもポリアクリロニト
リル繊維から得られる炭素繊維に匹敵する特性を
示す新規な炭素繊維を、すぐれた生産性で工業的
に製造するための製造方法に関するものである。 炭素繊維は当初レーヨンを原料として製造され
ていたが、その後各種の原料,プロセスの研究,
開発が行われた結果、その特性,経済性の点で現
在ではほとんどがポリアクリロニトリルを原料と
するPAN系炭素繊維と石炭又は石油系のピツチ
類を原料とするピツチ系炭素繊維によつて占めら
れている。 ところで、ピツチ系炭素繊維は一般に強度やモ
ジユラスが低いため、通常はん用グレードの目的
に供せられ、特に高強度,高モジユラスを必要と
する高性能グレードの炭素繊維としては、これま
でPAN系炭素繊維が主流となつていたが、最近
に至り、経済性の点でピツチを原料として高性能
グレードの炭素繊維を製造する技術に対する関心
が高まり、例えばメソフエースピツチを溶融紡糸
したピツチ繊維を不融化焼成して高強度,高モジ
ユラスの炭素繊維を得る方法などいくつかの技術
が既に提案されている。 しかしながら、これらの方法によつて得られる
ピツチ系炭素繊維は、いずれもある程度の引張強
度,モジユラスの向上は認められるとはいつて
も、PAN系炭素繊維に比べれば、まだかなり劣
つており、その用途が制限されるのを免れない。 本発明者らは、強度,モジユラスなどの性能に
おいて、PAN系炭素繊維に匹敵するか、若しく
はより優れたピツチ系炭素繊維を開発するために
鋭意研究を行つた結果、紡糸用ピツチ原料を溶融
紡糸する際の条件に、特定の工夫を加えることに
より、意外にも従来のピツチ系炭素繊維とは全く
異なつた微細構造を有し、しかもPAN系炭素繊
維に匹敵する性能を示す新規なピツチ系炭素繊維
が得られることを見出し、この知見に基づいて本
発明をなすに至つた。 すなわち、本発明は、X線回折より求めた配向
角OAが30〜50゜,結晶サイズLcが12〜80Å,層
間隔doo2が3.4〜3.6Åのミクロ構造を有し、かつ
引張強度少なくとも200Kg/mm2,モジユラスが少
なくとも10t/mm2を示すことによつて特徴づけら
れるピツチ系炭素繊維を提供するものである。 従来のメソフエースピツチから得られる高性能
グレードの炭素繊維は、配向角OAが30゜より小さ
く繊維軸方向に高度に配向した、サイズLcが80
Åよりも大きい結晶から成る多結晶黒鉛の三次元
構造を有している。そして、このものは、物性の
面で、黒鉛化特性としての高い熱伝導性及び電気
伝導性を示すが、繊維としての機械的特性、特に
強伸度がPAN系炭素繊維に比較して劣つている。
これは、黒鉛化構造を重要視して高配向化を行わ
せたため、繊維内部にミクロ的構造の不均一化を
生じ、また繊維内部がラジアル構造となつてクラ
ツクを生じやすくなり、マクロ的な物性低下をも
たらすことに起因するものと考えられる。 これに対し、本発明方法により得られる炭素繊
維は、X線回折により求められる配向角OAが30
〜50゜、好ましくは35〜45゜であまり高度に配向さ
れていない上に、結晶サイズLcが12〜80Å、好
ましくは20〜75Å、層間隔doo2が3.4〜3.6Åの範
囲でち密な結晶構造を有しており、またメソフエ
ースピツチからの炭素繊維にみられるような繊維
長方向に伸びた巨大な葉状ドメインを含まず、比
較的均質な構造であるため、強度及びモジユラス
が高くなつている。 一般に、結晶サイズLcと層間隔doo2は、前記
の配向角OAと相関性を有し、配向角が小さいと
結晶サイズは大きくなり、層間隔は小さくなる傾
向がある。そして、結晶サイズが大きくなりす
ぎ、層間隔が小さくなりすぎると高い強度は得ら
れないし、また結晶サイズが小さくなりすぎ、層
間隔が大きくなりすぎるとモジユラスの低下を招
く。 本発明方法により得られる炭素繊維は、前記の
構造に関する3つのパラメータすなわち配向角,
結晶サイズ及び層間隔が適当にバランスしてお
り、これにより従来のピツチ系炭素繊維とは全く
異なつた優れた機械的強度を示すものである。 本発明方法により得られる炭素繊維は、前記し
た特定の微細構造を有するものであるが、特に繊
維横断面において、繊維表層部の結晶が円周方向
に配列していると、クラツクの発生がなく、より
高強度の繊維となるので有利である。 このような繊維の断面構造は、走査型電子顕微
鏡によつて観察することができる。添付図面の第
1図A,Bは、このような断面構造の例を示す模
式図であり、図中の1は結晶が円周方向に配列し
ている表層部であり、ここでは、板状炭素層面が
繊維表面に対して平行配列をとつている。2は結
晶が放射状又はモザイク状に配列している中心部
である。この際、表層部1の厚さがきわめて小さ
いとクラツク発生防止の効果が少なく、表層部1
の厚さが繊維半径の10%以上、特に10〜60%が好
ましい。中心部2はち密な構造であればいかなる
構造でもよく、表層部1と同様の同心円状構造で
もよいが、中心部2が表層部1と相異なる構造、
とりわけ、第1図Aに示すような放射状構造又は
第1図Bに示すようなモザイク状構造を有するも
のがモジユラスが高くなるので好ましい。 繊維の直径は、5〜50μの範囲にするのが好ま
しく、繊維長は任意に選択できる。 前記のような特殊な構造を有する本発明の炭素
繊維は、少なくとも200Kg/mm2の強度と、少なく
とも10t/mm2のモジユラスとを兼ね備えており、
250Kg/mm2以上の強度,15t/mm2以上のモジユラス
とを有するものは、樹脂の補強材として特に有用
なものである。 このような優れた諸性能を有する炭素繊維は、
プリメソフエースピツチを含む紡糸用ピツチ原料
を溶融させたのち特定の温度条件で加熱溶融紡糸
し、これを不融化焼成することによつて容易に製
造することができる。 すなわち、本発明に従えば、少なくとも一部と
してプリメソフエースピツチを含有する紡糸用ピ
ツチ原料を溶融紡糸し、得られたピツチ繊維を不
融化処理し、さらに焼成処理して炭素繊維を製造
するに際し、溶融したピツチ原料を、いつたんそ
のピツチ原料の粘性変化温度よりも高い温度まで
昇温させたのち、温度が40℃ないし80℃低くなる
まで急速に降温させて適正粘性温度に到達させ、
この温度で紡糸することにより、高強度、高モジ
ユラスピツチ系炭素繊維を得ることができる。 本発明方法における原料としては、少なくとも
一部がプリメソフエースピツチである紡糸用ピツ
チ原料が用いられる。このプリメソフエースピツ
チは、光学的に等方性であるが600℃以上に加熱
すると光学的に異方性のメソフエースピツチに変
化する点で、外力を加えると光学的に異方性のも
のになるいわゆるドーマントメソフエースピツチ
とは明らかに異なつている。 本発明方法における原料としては、このような
プリメソフエースを含む紡糸用ピツチ原料の中で
も、キノリン可溶性成分を30重量%以上、好まし
くは30〜70重量%の範囲で含み、かつキノリン可
溶性成分の蒸気浸透圧法により求められる数平均
分子量が700〜1700、ピツチの20℃における比重
が1.29〜1.35、かつ芳香族化度が0.45〜0.8の範囲
にあるものが特に好適である。 そして前記キノリン可溶性成分はプロトン
NMRにおいて溶媒を除く全検出水素に対するテ
トラメチルシラン(TMS)基準のケミカルシフ
ト5〜7ppmの水素HAの割合が4.5〜10%、同ケ
ミカルシフト3〜4ppmの水素HBの割合が2.5〜
7.5%であるような、核が部分水添された多環縮
合化合物を主体とするものが好ましい。このもの
のH/Cの値は0.5〜0.65の極めて限られた範囲
内にある。 このような紡糸用ピツチ原料は、核に部分水添
した環数2〜6の多環縮合化合物から成る構造単
位が側鎖を介して2〜10個程度結合した成分を相
当量含有し、該成分は核部分水添により分子の平
面性がゆがめられているため、紡糸ピツチの流動
性が良好であり、またメソフエースピツチとの相
溶性にもすぐれており溶融紡糸性が良好である。 このような紡糸用ピツチ原料は、例えばユール
タール,コールタールピツチ,石炭液化物のよう
な石炭系重質油や、石油の常圧残留油,減圧蒸留
及びこれらの残油の熱処理によつて副生するター
ルやピツチ,オイルサンド,ビーチユーメンのよ
うな石油系重質油を精製したのち、特定の水素化
溶媒の存在下で加熱する第一段処理と、その溶媒
を除去後又は除去しながら高温に加熱する第二段
処理とに付することによつて製造することができ
る。 この際の原料ピツチとしては、処理が容易で好
適な紡糸用ピツチ原料が得られるという点でコー
ルタールピツチが特に有利である。 第一段処理で使用する水素化溶媒としては、テ
トラヒドロキノリン(以下「THQ」と略称する)
が最適であるが、キノリンとTHQとの混合物を
使用してもよく、また触媒(コバルト―モリブデ
ン系,酸化鉄系等)の存在下で水素とともにキノ
リンを使用することもでき、ナフタレン油,アン
トラセン油,クレオソート油,ピツチ油,吸収油
等を水素ガスと共に使用することも可能である。 水素化溶媒としてTHQを用いる場合は、原料
ピツチ100重量部当りTHQ30〜1000重量部を加え
300〜500℃、好ましくは340〜450℃の温度に10〜
60分間加熱する。このように処理した生成物は、
次の第二段処理に付される。 第二段処理では、THQ処理ピツチを減圧下、
例えば圧力50mmHg・abs以下で、450℃以上、
好ましくは450〜550℃の温度に5〜60分間保持す
る。この場合、前述のような減圧処理の代りに、
THQを除去したのち常圧下で450〜550℃の温度
に5〜60分間保持してもよく、また、THQを除
去したのち常圧下でいつたん450℃より高い温度
まで昇温後400〜430℃まで低下させ、この温度に
15〜180分間保持してもよい。 このような二段処理において、原料ピツチの組
成や性質に応じて処理条件を前記範囲内で適宜選
択することによつて、好ましい紡糸用ピツチ原料
を得ることができる。 このようにして得られた紡糸用ピツチ原料、す
なわちプリメソフエース含有ピツチは、温度に対
する粘度の挙動に特異点を有する。 ピツチの粘度は、粘度と温度との関係式として
知られているアンドレード(Andrade)の式で整
理することができる。この式は、 ηa=Aexp(B/T) =Aexp(△Ha/RT) で表わされる。(ここでηaは粘度、Aは定数、B
=△Ha/RT、△Haは流動の見掛けの活性化エ
ネルギー、Rは気体常数、Tは絶対温度である) この式の両辺を対数でとると、 logηa=logA+B/T・1/2.303 となり、logηaと1/Tとは直線となる。このと
き本発明に好ましく使用できる紡糸用ピツチ原料
のηaは1/Tに対して2本の直線で示されるの
である。このことは、これら2本の直線の交点温
度を境にしてピツチの流動状態が変化することを
意味する。第2図はこの状況の1例を示すもので
logηaと1/Tの関係は高温側では直線,低温
側では直線で示され、Tsが前記両直線の交点
温度である。 ホツトプレートを備えた反射偏光顕微鏡の観察
によると、直線,の交点温度Tsを境にして
ピツチの光学的特性が変化することが認められ
る。つまり、メソフエースを含有するピツチにお
いて交点温度Tsより高温側では光学異方性が消
失することが認められる。本発明では、前記交点
温度Tsを「粘性変化温度」と称する。 本発明方法においては、紡糸に先立つて、紡糸
用ピツチ原料を、いつたんこの粘性変化温度Ts
より少なくとも30℃高い温度まで昇温させること
が必要である。紡糸時にピツチをこの温度より高
温に加熱することなく紡糸すると、繊維結晶は必
ず放射状構造となつてしまい、クラツクの発生し
やすいものとなる。一方、この温度より高温に加
熱すると、繊維表面部から板状炭素層面が繊維表
面に対して平行配列をとり、中心付近は放射状又
はモザイク状となる。この加熱温度を高めれば高
めるほど繊維表面に対して平行配列をとる板状層
面は内部にまで拡がり、ついには繊維全体が繊維
表面に平行配列した同心円状構造(いわゆるオニ
オン構造)となることが確認された。 そして、この現象は、ピツチをいつたん粘性変
化温度Tsより高い温度TAに昇温したのち、急速
に降温せしめて紡糸した場合にも認められる。通
常、粘性変化温度より高温に加熱したピツチは粘
度が低く円滑な紡糸を行うことが困難なので、本
発明方法においては、上記のように高温に加熱し
たピツチを急速に適正粘性温度TBまで降温した
のち、紡糸することが必要である。 したがつて、紡糸温度は、上記の昇温温度より
も40℃低い温度から昇温温度よりも80℃低い温度
の間の適正粘性温度範囲内で選ばれる。また、紡
糸口金から吐出された繊維は、できるだけ急速に
冷却固化せしめるのが良く、このため紡糸時のド
ラフト率を30以上にして繊維を急冷させるように
するのが好適である。 これは、おそらく、粘性変化温度以上の高温域
では、分子熱運動によりメソフエースの積層がく
ずされ、メソフエース構成分子がバラバラの状態
で動きうるようになり、この状態を保つたまま紡
糸口金から吐出すると、口金部でのシエアにより
メソフエースラメラが繊維横断面の半径方向に配
列することが妨げられ、このような状態で吐出さ
れた繊維を急冷すると、繊維の表層部が同心円状
になつた構造が形成されるものと考えられる。 また、粘性変化温度より高温に加熱したピツチ
は、これを急速に冷却しても、前記状態を維持し
ており、したがつて、溶融部と紡糸口金部とを独
立に温度制御できる紡糸装置を用い、いつたん粘
性変化温度Tsより高い温度TAまで加熱したの
ち、急速に(好ましくは約数分以内に)適正粘性
温度TBまで降温させた後紡糸することが可能と
なり、円滑に紡糸を実施することができる。 ピツチの粘度と温度との関係は、ピツチの種類
やピツチの調製条件によつて異なるが、その粘性
変化温度TSは実験的に容易に求めることができ
る。一般に、該温度Tsはピツチの軟化点に関与
し、大部分のピツチの粘性変化温度TSは軟化点
より70〜90℃高い温度である。そして、本発明に
おいては、この粘性変化温度より少なくとも30℃
高い温度TA、好ましくは30〜40℃高い温度まで、
いつたんピツチ原料を昇温させることが必要で、
これによつて少なくとも繊維表層部が同心円状に
配列した構造の繊維を形成させることができる。
紡糸用ピツチの加熱温度TAはピツチの軟化点よ
り100〜130℃程度高くすることができるが、あま
り高温にしすぎると、溶融ピツチ中にさらに高温
に加熱しても消失しない球状のメソフエースが発
生するので好ましくない。 いつたん所定の温度TAまで昇温させたピツチ
は、次いで急速に適正粘性温度TSまで降温させ
て紡糸するが、この適正粘性温度TSは、通常、
上記の温度TAよりも40℃低い温度と温度TAより
も80℃低い温度との間にあるので、紡糸温度もこ
の範囲内に選ばれる。また、紡糸口金から吐出す
る時の温度TBは、ピツチによつて異なるが、通
常、軟化点より30〜80℃高い温度に設定するのが
好ましい。 紡糸口金から吐出された繊維は、ドラフト率30
以上、好ましくは50以上で引き取ることが好適で
ある。ここでドラフト率とは、次式で定義される
値であり、この値が大きいことは紡糸時の変形速
度が大きく、他の条件が同一の場合はドラフト率
が大きい程、急冷効果が大となる。 ドラフト率=紡糸引取速度/紡糸口金からの吐出線速
度 ドラフト率30以上、特に50以上で引き取ると、
紡糸されたピツチが急速に冷却固化し、配向角が
大きく、かつ結晶の生長が抑制されたピツチ繊維
が形成される。 紡糸巻取速度は、前述の紡糸条件では1000m/
分以上の高速でも、きわめて円滑に紡糸すること
ができるが、通常300〜1500m/分の範囲が好ま
しく用いられる。 前記のような特殊な紡糸条件を採用して得られ
たピツチ繊維は、次いで、酸素の存在下に0.5〜
5℃/分の昇温速度で250〜350℃まで加熱し、そ
のまま5〜30分間維持することによつて不融化処
理される。すでに述べたように、芳香核が部分水
添された多環縮合化合物を主体とする紡糸用ピツ
チ原料を用いた繊維は、不融化処理が迅速に行わ
れ、従来のピツチ繊維よりも処理時間を短縮する
ことが可能である。これは芳香核に部分水添され
た多環縮合化合物は水添されたところに酸素が入
りやすいためと考えられる。 このように不融化処理した繊維は、次に不活性
ガス中において2〜15℃/分の昇温速度で、通常
1000〜1500℃の温度に加熱し、この温度に10〜30
分間維持して焼成することにより、本発明の炭素
繊維を得ることができる。 このようにして製造される炭素繊維において、
その結晶サイズLcは、製造過程での焼成温度に
より変化し、焼成温度が高いほど結晶サイズLc
の値も大きくなる傾向を有する。従つて1500℃を
超えた温度で焼成すれば大きな結晶サイズが得ら
れるが、そのサイズが80Å以下であればそのよう
な焼成温度を採用することもできる。 本発明方法により得られる炭素繊維は、その
まゝ使用してもよいが、さらに約3000℃程度まで
加熱して黒鉛化させてから使用することもでき
る。 次に、本発明における繊維及びピツチの特性を
表わす各指標について説明する。 (1) X線構造パラメーター 配向角OA,結晶サイズLc及び層間隔doo2は、
広角X線回折により求められる繊維の微細構造を
表わすパラメーターである。配向角OAは結晶の
繊維軸方向に対する配向の程度を示すもので、こ
の角度が小さい程配向が進んでいることを意味す
る。結晶サイズLcは炭素微結晶の見掛け積層高
さを表わし、層間隔doo2は微結晶の層間隔を表
わす。 X線回折は、繊維を一束にし、X線ビームに垂
直に装着し、方位角2θを0〜90゜スキヤンし、
(002)帯(約26゜近傍)の強度分布の最大値の1/2
の位置における全幅(半価幅)B、及び方位角2θ
より下記の式でLc,doo2が算出される。 Lc=Kλ/(B−b)cosθ (ここでK=0.9,b=0.0017rad.,λ=1.5418
Å) doo2=λ/2sinθ また、(002)帯の強度分布の最大値を示す方位
角の位置において繊維束をX線ビームの垂直面内
において180゜回転することにより、(002)帯の強
度分布をとり、強度最大値の1/2の点における半
価幅を配向角OAとする。 (2) ピツチの特性を示すパラメーター a 数平均分子量 ピリジンを溶媒とし、蒸気圧オスモメーター
(VPO)を使用して測定。VPOとしては、クナ
ウナー,ダンプドルツク,オスモメータ
(Knauner,Dampfdruck,Osmo―meter)を用
い、溶媒としてピリジン、標準物質としてベンジ
ルを使用。 b 芳香族化度 KBr錠剤法で測定したIRより、下記式により
算出。 芳香化族度=3050cm-1強度/(3050cm-1強度+2925cm
-1強度) なお、IR測定装置は、島津製作所製IR―27G
型を使用。 c プロトンNMR 測定装置として日本電子製PS―100スペクトロ
メーターを用い、ケミカルシフトはテトラメチル
シラン(TMS)を内標準としてr型で表示。
NMRスペクトルは溶媒に重ピリジンを使用。 d H/C JIS M―8813に従つて測定した元素分析より次
式に従つて算出。 H/C=H分析値/1/C分析値/12 e 粘 度 岩本製作所製の二重円筒式回転粘度計を用いて
測定。 f 軟化点 パーキンエルマー社製DSC―1D型を用い、ア
ルミニウム製セル(内径5mm)に100メツシユ以
下に粉砕したピツチ微粉末10mgを入れ、上から軽
く押え、昇温速度10℃/分で400℃近くまで昇温
しつつ測定し、DSCのチヤートにおける融点を
示す吸熱ピークへの変曲点の温度をもつて軟化点
とする。 (3) 炭素繊維の物性 炭素繊維の繊維径(単糸径),引張強度,伸度,
モジユラスはJIS R―7601「炭素繊維試験方法」
に従つて測定。なお、繊維径の測定はレーザーに
よる測定方法を採用。 以下、実験例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。なお、「参考例」は紡糸用ピツチ原料の
調製方法及び得られたピツチの性状を示すもので
あり、「比較例」は、本発明で特定した構造・物
性を有しない炭素繊維の製造例である。 なお、例中の%は特にことわらない限り、全て
重量%を表わす。 参考例 プリメソフエース又はそれとメソフエースを含
む紡糸用ピツチ原料を調製した。 原料ピツチとして石炭系ピツチ5種類、石油系
ピツチ(ナフサタールピツチ)1種類を用いた。
各ピツチの性状は第1表に示す通りであつた。 これらのピツチ約400gを2のオートクレー
ブに入れ、これにテトラヒドロキノリン(以下、
THQと称する)を80.3%含有するキノリンとの
混合物約200g、触媒として赤泥を約20g入れ、
水素加圧下(初圧力75Kg/cm2)でかきまぜながら
平均昇温速度2.5℃/分で410〜470℃の所定温度
まで加熱し、10〜60分間保持した。時間経過後、
ただちにオートクレーブを炉から取出し、室温ま
で冷却した。内容物はキノリンを用いて洗い出
し、ついで遠心分離機にかけ、上澄は定性ろ紙に
よる減圧ろ過を行つた。沈殿物は新しいキノリン
を加えて除去して乾燥し、秤量した。この沈殿物
の量から触媒として用いた赤泥の量を差し引いた
値をキノリン不溶分量とした。ろ過した上澄液
は、10mmHg・absの減圧下、内容物が290℃の
温度に達するまで減圧蒸留し、THQ,キノリン
及びピツチの軽質油を除去した。蒸留残渣をキノ
リン可溶分量とし、原料ピツチ量からキノリン不
溶分量及びキノリン可溶分量を差し引いた値を
(油+ガス)量とした。これらをまとめて第2表
に示した。
【表】
【表】
【表】 第2表のキノリン可溶分を用いてそれぞれの紡
糸用ピツチ原料を調製した。すなわち可溶分約
100gを3ツ口を付けたガラス製円筒容器に入れ、
あらかじめ約490℃に加熱した炉の上部に置き、
約300℃まで予熱した。これにガラス管を差し込
み高純度窒素ガスを吹き込んだ。次いで、炉中に
投入し、内温が470℃に達した後、8〜22分の所
定時間保持した。なお、470℃に達するまでの時
間は約4分であつた。さらに、この処理中生成す
る軽質油分の還流をできるだけ防ぎ、かつ留出を
容易にするため窒素ガスの吹き込み量を1〜3
/分の範囲で調節した。時間経過後ただちに容
器を炉から取り出し、室温まで冷却した。このよ
うにして得られた残留物を紡糸用ピツチとした。
この紡糸用ピツチの収率および性状をまとめて第
3表に示した。 なお、これらのピツチは20℃における比重が
1.29〜1.35の範囲内にあり、芳香族化度0.45〜
0.8、H/C0.5〜0.65であつた。また、キノリン可
溶分の数平均分子量は700〜1700の範囲内であつ
た。
【表】 実施例 1 参考例で調製した紡糸用ピツチ原料の粘度を、
二重円筒式粘度計を用いて測定しピツチの粘性変
化温度を求めた。この際、ピツチを容器に入れ、
約400℃まで加熱し、徐々に降温させながら所定
温度で粘度を測定した。 測定した粘度と温度との関係はアンドレードの
式で整理することができ、その1例を第2図に示
した。この例は第3表中の実験番号4の紡糸用ピ
ツチ原料に関するものである。 いずれの紡糸用ピツチ原料でも、同様に、温度
の逆数に対して粘度の対数値は2本の直線で示さ
れる。これは、低温側の直線と高温側の直線
との交点温度Tsで粘性挙動が変化することを意
味しており、この交点温度Tsが粘性変化温度で
ある。また直線の傾斜を示すアンドレードの式
中Bの値はピツチによつて異なるが、直線では
いずれのピツチでもほぼ同じ値を示し、温度によ
る粘性挙動はいずれのピツチも実質的に同じであ
ると言える。第4表に紡糸用ピツチのTsとその
温度での粘度及びB×10-3の値を示した。
【表】 差である。
紡糸用ピツチの紡糸は0.3又は0.5mmのノズル口
径を付けた真ちゆう製紡糸器を用いて行つた。紡
糸器の中にピツチを入れ、外部ヒータより加熱し
た。溶融したピツチ中に熱電対を入れ、この温度
を溶融温度とした。所定温度に達したら、ピツチ
上部より窒素ガスにより加圧し、ピツチをノズル
から押出すと共に、ドラムにより繊維状ピツチの
直径が約10μmになるように500〜1000m/分の巻
取速度で巻取つた。この繊維状ピツチを不融化炉
に入れ、空気中200℃までは5℃/分の昇温速度
で加熱し、次いで2℃/分の昇温速度で300℃ま
で加熱し、この温度に30分間保持した。この不融
化処理した繊維状ピツチを窒素気流中、25℃/分
の昇温速度で1000℃まで加熱し、15分間保持して
炭素繊維とした。 この炭素繊維のうち、代表的なサンプルについ
て広角X線回折を用い、配向角OA,結晶サイズ
Lc,層間隔doo2を測定した。 さらに、得られた炭素繊維を、タンマン炉でア
ルゴン気流中、2800℃まで加熱し、30分間保持し
て黒鉛化処理した。この黒鉛化繊維の横断面を走
査型電子顕微鏡により観察し、炭素層面の配列を
調べた。 第3図〜第7図は、黒鉛化繊維中の炭素層面の
代表的な配列をした走査型電子顕微鏡写真であ
る。第3図は放射状配列ではあるがクラツクのあ
るもの、第4図は放射状配列ではあるがクラツク
のないもの、第5図は繊維表層部は同心円状で中
心付近は放射状のもの、第6図はランダム配列の
もの、第7図は完全に同心円状配列のものであ
る。実験番号1〜10のいずれの紡糸用ピツチを用
いても、紡糸時の溶融温度を変えることによつて
第3図〜第7図のいずれかの配列を示す。 第5表に、代表的なサンプルの溶融温度,粘度
及び1000℃で焼成した炭素繊維の物性、横断面の
炭素層面の配列状態を示した。また、第6表に、
第4表に記載の紡糸ピツチから得た黒鉛化繊維の
横断面を観察した結果をまとめて示した。
【表】
【表】
【表】
【表】 *は本発明方法の条件範囲外
実施例 2 市販のコールタール中ピツチ402gとTHQ1206
gを電磁誘導回転かきまぜ装置を備えたSUS316
製オートクレーブに仕込み、窒素で充分に置換し
た後、内圧を0Kg/cm2Gとし、密閉後かきまぜな
がら450℃まで昇温し450℃に達した後、さらにそ
の温度に15分間維持した。次いで室温まで冷却し
内容物をG4ガラスフイルターを用いて過し不
溶物を除去した。 ろ液を最終290℃,10mmHg・absまで減圧蒸
留し、未反応のTHQ及び反応して生じたキノリ
ンを主とする揮発成分を留去し、キノリン可溶性
の光学等方性ピツチを得た。 このピツチを分析すると、構造単位体平均分子
量は200〜400の範囲内にあり、該ピツチの20℃に
おける比重は1.25〜1.31の範囲内にあつた。また
核磁気共鳴分析等の結果から、このピツチは縮合
環数2〜6の多環芳香族縮合体で、かつ核が部分
水添された化合物から主として構成されているこ
とが判つた。 次に、このピツチを465℃、10mmHg・absで
15分間、窒素雰囲気中にて熱処理し、紡糸用ピツ
チを調製した。このピツチの20℃での比重は
1.330,キノリン不溶分は45.0%,トルエン不溶
分は85%であり、キノリン可溶分の数平均分子量
やピツチのH/C等も本発明の好ましい範囲を満
足するものであつた。 また、このピツチの粘性変化温度TSを測定す
ると、TS=330℃であつた。 該紡糸用ピツチを1600メツシユのフイルター及
びL/D=0.1/0.1(mm/mm),ホール数1の口金
をそなえた押し出し型シリンダー(該シリンダー
は溶融ピツチのホルダー部と口金部とが独立に温
度制御し得る構造となつている)を用いて、一た
ん445℃まで加熱後、口金直前で370℃に調整し、
吐出線速度8.4m/分で室温空気中に紡出し、形
成した繊維を800m/分の速度でボビンに巻取つ
て、炭素繊維前駆体ピツチ繊維を得た。 このピツチ繊維の配向角OAは37.2゜,結晶サイ
ズLcは34.4Å,層間隔は3.47Åであつた。 同じピツチ繊維を不融化炉中に入れ空気雰囲気
中無緊張状態で200℃から300℃までは2℃/分で
昇温し、ついで300℃で30分間熱処理を行つた。
次に、焼成炉中に入れ、窒素雰囲気中で200℃か
ら1500℃まで昇温速度15℃/分で昇温させ、続い
て1500℃に15分間保つて炭素繊維を得た。 得られた炭素繊維の配向角OAは36.5゜,結晶サ
イズLcは28.3Å,層間隔doo2は3.50Åであつた。
また、繊維物性は、単糸径10.2μ,引張強度282
Kg/mm2,伸度1.40%,モジユラス20t/mm2であり、
従来のピツチ系炭素繊維に比べ格段にすぐれた性
能を示した。 また、得られた炭素繊維の破断面を走査型電子
顕微鏡で観察した。第8図はその顕微鏡写真であ
る。第8図より明らかなように、この炭素繊維
は、繊維の表層部では、結晶が円周方向に配列し
ており、中心部では結晶が放射状に配列したスキ
ンオニオン構造を呈している。なお、該繊維の表
層部の厚さは繊維半径の48.7%であつた。 実施例 3 市販のコールタール中ピツチ351gとTHQ1053
gを実施例2と同様のオートクレーブに仕込み、
窒素で充分に置換した後、内圧を0Kg/cm2Gと
し、密閉後かきまぜながら410℃まで昇温して、
410℃に達した後60分間維持した。しかる後室温
まで冷却し内容物をG4ガラスフイルターを用い
てろ過し不溶物を除去した。ろ液を実施例2と同
様に処理してキノリン可溶性の光学等方性ピツチ
を得た。 該ピツチを470℃,10mmHg・absの条件で15
分間窒素雰囲気中で熱処理し、紡糸用ピツチを調
製した。この紡糸用ピツチのキノリン不溶物は、
43.5%であり、粘性変化温度Tsは331℃であつ
た。 このピツチもまた実施例1,2と同様に、比
重,H/Cの範囲が本発明の好ましい条件を満た
しており、キノリン可溶分の数平均分子量も、
700〜1700の範囲内であつた。 前記紡糸用ピツチを実施例2と同じシリンダー
を用いて、いつたん440℃まで加熱後、口金直前
で380℃まで急激に降温させ、吐出線速度8.4m/
分で室温空気中へ吐出させた。この際、巻取速度
を第7表のように変更して各種の前駆体ピツチ繊
維を得た。 それぞれのピツチ繊維を不融化炉に入れ、空気
雰囲気下、自重状態で200℃から300℃までは2
℃/分の速度で昇温させ、次いで300℃で30分間
熱処理を行つた。 次に、不融化処理した繊維を焼成炉中に入れ、
窒素雰囲気下で200℃から1500℃まで15℃/分で
昇温させ、続いて1500℃で15分間熱処理して炭素
繊維を得た。このものの破断面の構造は実施例2
の場合とほとんど同じであつた。 得られた炭素繊維のX線パラメーター及び機械
物性を測定したところ、第7表に示す結果を得
た。
【表】 比較例 1 市販のコールタール中ピツチ134gとTHQ402
gを電磁誘導撹拌装置を備えたSUS316製1オ
ートクレーブに仕込み、窒素で充分に置換した
後、内圧を0Kg/cm2Gとし、密閉後かきまぜなが
ら430℃まで昇温させ430℃に達した後、さらにそ
の温度に15分間維持した。しかる後室温まで冷却
し、内容物をG4ガラスフイルターを用いてろ過
し不溶物を除去した。 次に、液を、最終290℃,10Hg・absまで減
圧蒸留し、未反応のTHQ及び反応して生じたキ
ノリンを主とする揮発成分を留去し、キノリン可
溶性で光学等方性のピツチを得た。 このピツチを、465℃,10Hg・absの条件で、
窒素雰囲気中で15分間熱処理し、紡糸用ピツチを
調製した。この紡糸用ピツチはキノリン不溶分を
40.3%含み、粘性変化温度Tsは325℃であつた。 これを実施例2と同様のシリンダーを用いて、
シリンダーのホルダー部温度,紡糸口金温度とも
350℃となし、吐出線速度8.4m/分,巻取速度
500m/分で紡糸した。この際、口金直下に長さ
60cmの紡糸筒を取付け、筒内雰囲気温度を320℃
に保持し、紡出繊維をその中を通過せしめた後冷
却固化させた。 このようにして得られたピツチ繊維の配向角
OAは27゜であつた。このピツチ繊維に実施例2と
同じ条件で不融化・焼成処理を施し炭素繊維とし
た。 得られた炭素繊維の配向角OAは24.0゜,結晶サ
イズLcは70Å,層間隔doo2は3.45Åであり、引張
強度は83Kg/mm2、伸度は0.65%、モジユラスは
12.8t/mm2であつた。 この繊維の破断面を走査型電子顕微鏡で観察す
ると、第9図の顕微鏡写真に示されるように、結
晶配列はラジアルであり、かつ繊維中心部に達す
るような大きなクラツクが生じていることが認め
られた。
【図面の簡単な説明】
第1図A,Bはそれぞれ本発明の炭素繊維の横
断面の一例を示す模式図である。第2図は、紡糸
用ピツチの粘度と温度との関係を示すグラフで、
図中のTSがそのピツチの粘性変化温度である。
第3〜7図は、黒鉛化処理した繊維の破断面の走
査型電子顕微鏡写真の数例であり、第8〜9図は
炭素繊維の破断面の走査型電子顕微鏡写真であ
り、第8図は本発明に係る炭素繊維についてのも
の、第9図は本発明外の炭素繊維についてのもの
である。 第1図中の符号、1は炭素繊維の表層部、2は
中心部である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原料ピツチを水素化処理したのち、熱処理し
    て得たプリメソフエースピツチを含有する紡糸用
    ピツチ原料を溶融紡糸し、得られたピツチ繊維を
    不融化処理し、さらに炭化処理して炭素繊維を製
    造するに際し、溶融したピツチ原料を、いつたん
    そのピツチ原料の粘性変化温度TSより少なくと
    も30℃高い温度TAまで昇温させたのち、その温
    度より40〜80℃低い適正粘性温度TBまで急速に
    降温させて紡糸することを特徴とする高強度、高
    モジユラスピツチ系炭素繊維の製造方法。 2 ドラフト率30以上で紡糸する特許請求の範囲
    第1項記載の製造方法。 3 紡糸を引取り速度300〜1500m/分で行う特
    許請求の範囲第1項又は第2項記載の製造方法。
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