JPS59136383A - 炭素繊維製造用ピツチの調製方法 - Google Patents

炭素繊維製造用ピツチの調製方法

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JPS59136383A
JPS59136383A JP1104883A JP1104883A JPS59136383A JP S59136383 A JPS59136383 A JP S59136383A JP 1104883 A JP1104883 A JP 1104883A JP 1104883 A JP1104883 A JP 1104883A JP S59136383 A JPS59136383 A JP S59136383A
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泰弘 山田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、炭素繊維製造用原料として好適なピッチの調
製方法、さらに詳しくいえば軽度に水素化処理した重質
歴青物(以下水素化重質歴青物という)に水素化処理し
ていない重質歴青物(以下非水素化重質歴青物という)
を加えて所定の条件下で熱処理し、炭素質メンフェース
を形成させることによシ、紡糸しやすい原料ピッチを調
製す4方法に関するものである。
従来、炭素繊維は、耐熱性、断熱性、耐薬品性、剛性、
導電性が優れている上に、軽量であるという特性をオリ
用して、断熱材、シール材、電機材料部品、構造部材、
摩擦材料、炭素電極などに広く使用されている。
炭素繊維は主としてアクリロニトリルやセルロースなど
の繊維を焼成することにより製造されているが、これら
の原料はコストが高い上に炭化収率が低いという欠点が
ある。他方石炭、石油工業の副産物として多量に入手し
得る各種ピッチを原料として炭素繊維を製造する方法が
提案されているが軟化点、粘度などの点で紡糸が困難な
一、ヒに、得られる炭素繊維の品質が低いという欠点が
あり、工業的に実施するには未だ解決すべき問題点が多
く残されているのが実状である。
これらの問題を解決するだめに、これまで特定の縮合多
環芳香族化合物を水素化処理又は熱処理して得たピッチ
状物質を用いる方法(特公昭45−28013号公報、
特公昭49−8634号公報)、石油系タールやピッチ
をルイス酸系触媒を除去して第2の熱処理を施して得た
ものを用いる方法←特公昭53−7533号公報)、減
圧下に所定のメンフェース含量をもつメソフェースピッ
チを形成させ、これを原料として炭素繊維を製造する方
法(特開昭54−11330号公報、特公昭54−18
10号公報)、特定の組成、特定の性質をもつメソフェ
ースピッチを用いる方法(特開昭54−55625号公
報、米国特許第3.787,541号明細書)々とが提
案されているが、これらの方法によってもアクリロニト
リルを原料としたものに匹敵する性質をもつ炭素繊維を
得ることができないだめ、現在に至るまで高性能グレー
ドの炭素繊維をピッチ状物質から得る実用可能な方法は
知られていなかった。
本発明者らは、メソフェースピッチから高品質のピッチ
系炭素繊維を製造するためには紡糸性の優れたピッチの
製造が不可欠であると考えている。
その理由は、ピッチではポリアクリロニトリルか3− らの炭素繊維と異カリ、紡糸時にピッチを構成する分子
を繊維軸方向に平行に配列させなければならず、それ以
降の不融化、炭化、あるいは黒鉛化処理時においての不
整な分子の配列きよう正はかなり困難で、分子の配列は
紡糸時にほとんど決定されるとの考えによるものである
。この考えのもとに、紡糸性の優れたピッチの製造方法
として、先に、プリメンフェース炭素質を原料としたピ
ッチ系炭素繊維の製造方法を提案した(特願昭56−1
17470 )。この中で、プリメソフェースというの
はメンフェースの前駆体であり、キノリンに可溶な成分
で光学的等方性であるが、これを紡糸して繊維状になし
た後、炭化処理によって初めて光学的異方性に変化する
ものを意味している。そして、このブリメソフェースの
製造方法として重質歴青物をナト2ヒドロキノリンと3
80〜500℃で処理するか、あるいは、ナフタリン等
の芳香族炭化水素と、水素加圧下で430℃以上で処理
する第1工程とその処理物を減圧下、又は不活性ガスを
吹込みつつ450℃以上で処理する第2工程よシな 4
− る方法を提案した(特願昭56−1.17470、同5
7−80670、同57−1.97450 )。これら
の方法において、第1工程は重質歴青物中の高分子量成
分の熱分解反応と、それによって生じるラジカルの水添
による安定化を行い、実質的に低分子量化させることで
ある。そのためには重質歴青物に対して良溶媒を使い、
かつ、水素供与反応が生じることが必要である。第2工
程においては重質歴青物中に含有するか、第1工程で生
成した低分子量物の除去と重質歴青物の重質化を行わせ
てブリメソフェース及びメソフェースを含むプリメソフ
ェースピッチとする。第1工程と第2工程を組み合わせ
ることによって、初めて紡糸性に優れ、かつ高強度、高
弾性な炭素繊維を与えるピッチが得られる。
上述の如く、第1工程と第2工程の組合せによって得ら
れる炭素繊維製造用ピッチは優れたものであるが、この
ピッチの収率は必然的に低下する。
例えば、市販の中ピツチと呼ばれるコールタールピッチ
を原料とした場合、得られる炭素繊維製造用ピッチの収
率は約30〜40重量%程度となる。
原料重質歴青物中の60〜70重量%は無駄となる。換
言すれば、中ピツチを第1工程によって水素化処理した
ものの60〜70重量%は本来水素化処理を必要とし々
い成分であるといえる。仮に、あらかじめこれらの成分
を原料重質歴青物の段階で除去することが可能ならば、
水素化処理量、および水素消費量の低減を図ることがで
きる。しかしながら、炭素繊維製造用ピッチにならない
、除去されるべき成分の大部分は第2工程のような厳し
い条件で初めて除去し得る程度の高沸点成分であるので
、その方法は限られたものとなる。その方法で容易に考
えられるのは次の2方法である。
すなわち、第1の方法は原料重質歴青物を熱処理するこ
とである。この場合、熱処理方法々す、条件設定が重要
となるが、通常の熱処理方法、例えば3℃/分の昇温速
度で400〜430℃で中ピツチを熱処理しても、除去
できる成分量は約20重量%程度である。保持時間を長
くしても、その量は多くならず、むしろ、重質層青物全
体を重質化し、場合によってはメソフェースが生成する
。この生成したメソフェースは第1工程の水素化処理で
は全てを可溶化することはできないので、未溶解メソフ
ェースは固形物として存在し可紡性を阻害するであろう
。したがって、可能性を有するのは前述の第2工程の方
法を適用することである。この方法であれば約50重量
%は除去可能である。ただ高温であるため厳密な条件設
定を必要とする。
第2の方法は溶剤処理を行うことである。重質歴青物に
対して適当な溶解力を持つ溶剤で処理して、溶剤可溶分
として低分子量成分を除去し、不溶分を用いる。しかし
、この方法は溶剤の選択、溶剤の回収など多くの問題が
ある。
上記のいずれも可能性はあるが、前述の第1及び第2工
程以外に更に1つの工程を加えることになシ、製造コス
トの低減に必ずしも寄与するとはいえない。
本発明者らは上記の点を考慮し、製造工程を増加させる
ことなく、第1工程の水素化処理量と水素消費量の低減
を図るべく研究を重ねた結果、第1工程によって水素化
処理した重質歴青物に水素 7− 化処理していない重質歴青物を混合し、第2工程で45
0℃以上の高温で短時間処理することによって、第1工
程の水素化処理した重質歴青物のみを用いて製造した炭
素繊維用ピッチと同等の紡糸性を有するピッチが製造さ
れ得ることを見い出し、本発明をなすに至った。
以下本発明の詳細について記す。
水素化重質歴青物、非水素化重質歴青物の原料として、
コールタールピッチ、ナフサタールピッチ、流動接触分
解ピッチが用いることができるが、コールタールピッチ
が最もよい。この重質歴青物の水素化処理(第1工程)
の方法には制限はないが、特に水素供与性溶剤を用いる
方法がよい。水素供与性溶剤としては、原料の重質歴青
物を溶解し、かつ水素化しうるものであれば差しつかえ
なく、例えばキノリン、ナフタレン、アントラセン、ア
ントラセン油、クレオソート油、ウォッシュオイルなど
を水素化したものが用いられる。また、触媒(コバルト
−モリブデン系、酸化鉄系)の存在下で水素とともにキ
ノリンを使用することもで 8− きナフタレン油、アントラセン油、クレオソート油、吸
収油を水素ガスと共に使用することも可能である。水素
化溶媒としてテトラヒドロキノリンを用いる場合は、原
料重質歴青物ioo重量部当りテトラヒドロキノリン3
0〜100重量部を加えて、400〜500℃、好まし
くは400〜450℃で10〜60分間加熱する。次い
でろ過や遠心分離法などによってフリーカーボンなどの
固形物を除去し、さらに溶剤を蒸留などで除くことによ
って行われる。また水素化処理後の歴青物を加熱溶融し
、フリーカーボン等の固形物を除去してもよい。この水
素化反応時の水素消費量は原料重質歴青物に対して0.
8重量%以上であり、水素化処理温度上昇とともに増加
する。非水素化重質歴青物としては、前記の原料ピッチ
類の外に、これらのピッチを350〜500℃で熱処理
したものを用いることもできる。この場合、あらかじめ
熱処理することによって低沸点成分を除くことができ、
かつピッチ中の固形物を容易に除去できる利点がある。
これらの原料ピッチ中に含まれるフリーカーボンや夾雑
物のような固形物は除去しておく必要がある。この除去
は原料ピッチ類を加熱溶融し、遠心分離、。
ろ過するか、粘度が高い場合にはキノリン、アントラセ
ン油等で溶解させた後、遠心分離、ろ過してもよい。さ
らに、第1工程での水素化処理後のものに、非水素化原
料ピッチを所定量加えた後、溶解し遠心分離ろ過しても
よい。
次に水素化重質歴青物と非水素化重質歴青物を混合する
が加える非水素化重質歴青物の量は第2工程、すなわち
、450℃以上で処理して得られる炭素繊維製造用ピッ
チ中に占める非水素化重質歴青物の量が80重量%以下
、好ましくは60重量%以下になるようにする。この比
率は水素化重質歴青物と非水素化重質歴青物を混合する
段階では決められるものではない。それは第2工程での
収率が異たるだめである。炭素繊維製造用ピッチ中に占
めるこれらの量は水素化重質歴青物、あるいは非水素化
重質歴青物を単独で第2工程の処理を行い炭素繊維製造
用ピッチを製造したときのそれぞれの収率をもとにして
既略決めることができる。
これは水素化重質歴青物と非水素化重質歴青物を混合し
たものに第2工程の処理を行ったときの収率の実測値が
、それぞれ単独に第2工程の処理を行ったときの収率と
構成比率から求めた収率の計算値にほぼ一致するからで
ある。非水素化重質歴青物の比率が80重量%を超える
と得られる炭素繊維製造用ピッチの紡糸性は急激に悪く
なるので好捷しくない。
水素化重質歴青物に所定量の非水素化重質歴青物を加え
た混合物は以下に記載する第2工程で炭素繊維製造用ピ
ッチとする。この第2工程は減圧下、例えば50 ta
n Hg以下、又は常圧下窒素ガスなどの不活性ガスを
吹きこんだ実質的減圧状態で450℃以上、好ましくは
450〜550℃の温度で60分間以内保持する。この
場合、上記の温度に到達させる時間はできるだけ短い方
がよい。それは本発明の炭素繊維製造用ピッチはメソフ
ェースを含むもの、すなわち、メンフェースピッチであ
るが、メンフェースの生成速度は非水素化重質歴青物の
方が水素化重質歴青物より速いため、450=11− ℃以上に到達する時間が長い場合には、その間に非水素
化重質歴青物からメソフェースが先に生成し、水素化重
質歴青物からのメソフェースの生成が遅れることが考え
られ、見かけ上の加熱時間が異なシ、均質に加熱溶融す
る炭素繊維製造用ピッチが得られなくなるおそれがある
ためである。また、450℃以上の温度と保持時間の選
択が重要となる。この温度と保持時間の選択は水素化重
質歴青物、非水素化重質歴青物の性状、及びそれらの混
合比率で異なるので実験的に求める必要がある。
一般的には非水素化重質歴青物の量が多くなるに従って
、温度を高くシ、かつ、短時間で処理した方がよい。温
度が低く、保持時間を長くすることは紡糸性を低下させ
る。この最低の温度は、450℃であり、かつ保持時間
は60分間以内である。
以上のようにして得られた炭素繊維製造用ピッチは軟化
点が200〜350℃、好ましくは240〜300℃、
ベンゼン不溶分量83〜96重量%、固定炭素量80〜
92重量%のものである。ベンゼン不溶分量が80重量
%以下となると、紡糸時に12− 均質に溶融せず、2層分離する。
本発明における炭素繊維製造用ピッチの紡糸は溶融紡糸
(押出し紡糸や吹出し紡糸)が用いられる。押出し紡糸
を行うときは0.1〜0.71++++1のノズル口径
をもつ紡糸器にピッチを入れピッチの軟化点よりも30
〜150℃程度高い温度に加熱し、ピッチ上部よシ圧力
を加えて押出す。この際、紡糸可能な温度範囲は非水素
化重質歴青物の配合比で異なり、50重量%以下では6
0〜80℃と水素化重質層青物単独のものより調製した
炭素繊維製造用ピッチの温度範囲と大差ないが、80重
量%と多くなると約30℃位に狭くなる。
また生産性の点から高速紡糸が好ましく、さらに炭素繊
維の強度を確保するためにピッチ゛繊維の径を細くする
必要がある。本発明の炭素繊維製造用ピッチにおいては
紡糸速度、すなわち巻取速度は300〜xooom/分
が可能であり、またピッチ繊維径は10μm以下にする
ことができる。
このように紡糸した繊維状ピッチは、例えば空気中にお
いて0.5〜b 400℃に昇温して酸化、不融化処理した後、不活性ガ
ス中において3〜b 1000〜1500℃1で加熱して炭化し、所望に応じ
さらに不活性ガス雰囲気で2000〜3000 ℃に加
熱して黒鉛化する。
本発明方法により得られる炭素繊維製造用ピッチから得
られる炭素繊維は、このような炭化処理によって繊維全
体が光学的異方性となる。そして引張強度200Kg/
−以上、弾性率xot/−以上の高強度、高弾性品であ
り、水素化重質層青物単独から得られた炭素繊維製造用
ピッチを原料とした炭素繊維の物性と同等である。
このように本発明の方法によると、水素化重質歴青物の
使用量を大巾に少なくすることができ、製造工程を増加
させることなく原料である重質歴青物の水素化処理量及
び水素消費量を実質的に低減させることができる。
以下、実施例を挙げて本嬢2発明の方法を更に詳細に説
明する。
参考例1 原料としてコールタールピッチ2種類(A、 、 B 
)を使用した。その性状は第1表に示すものである。
第1表 原料ピッチの水素化処理(第一工程) 2を容のオートクレーブに原料ピッチ約5002とテト
ラヒドロキノリン(THQ)とキノリンの混合物(TH
Q濃度34.8wt%)200rを入れ、触媒としてF
e2O312fを加えた。これを75Ky/cr;1G
の水素加圧下、平均昇温速度10℃/分で410℃また
は450℃迄加熱し、10分間保持した。所定時間経過
後直ちにオートクレーブを炉から取り出し室温迄冷却し
た。内容物はキノリンで洗い出し、約90℃に加熱後遠
心分離機にかけ固形物を沈降15− させた。上澄は定性涙紙で沖過しだ。固形物はキノリン
で数回洗浄をくり返し、次いでアセトンで洗浄後乾燥し
て秤量した。この固形物量から触媒量を控除した値をキ
ノリンネ溶分量としだ。上澄は全量をまとめ2を容の丸
底フラスコで減圧下(10wn Hg )内容物が29
0℃(常圧換算沸点450℃)まで蒸留し、キノリン及
び低沸点成分を回収した。このようにして得られた蒸留
残留分を水素化処理ピッチとした。これの収率、水素消
費量、及びその性状を第2表に示した。なお、水素消費
量は水素化処理前後の水素ガス量とTHQ量の差から求
めたものである。
−16= 参考例2 非水素化ピッチの調製 第1表の原料ピッチAIKgにキノリン2tを加え、約
90℃で加熱溶解させた。これを扁4ガラスフィルター
で減圧沖過し、p液は減圧蒸留してキノリンを除いた。
この残留ピッチを非水素化ピッチとした。これの軟化点
は76℃、ベンゼン不溶分量は36.4wt%であった
実施例1 原料ピッチAを用い参考例1に準じて450℃で10分
間処理した水素化処理ピッチ72.1 と非水素化ピッ
チ33.Ofを一3007!の円筒状ガラス容器に入れ
3ツロカバーを取り付けた。中央口はガラス管を底部に
達する迄挿入し、これを流量計を介して窒素ガスボンベ
に接続した。側管の一方は測温用熱電対を取り付け、他
管は留出油トラップに接続した。このようにした容器を
あらかじめ500℃に加熱した塩浴上部に置いてピッチ
を加熱し300℃に達したのち窒素ガスを5t/分流し
ながら容器を塩浴中に投入した。ピッチの温度が470
℃に達したら15分間保持し、ただちに容器を取り出し
て冷却した。なお300℃から470℃に達する迄の時
間は3.5分間であった。このように処理して得だピッ
チを炭素繊維製造用ピッチとしだ。これの収率は43.
1wt%であった。
上記と同様にして非水素化ピッチの量、水素化処理ピッ
チの種類、製造条件を変え第3表に示すいくつかの炭素
繊維製造用ピッチを調製した。なお、この調製ピッチ中
の非水素化ピッチの占める比率を求めるために水素化処
理ピッチ、非水素化ピッチを単独で同一条件で第2工程
に準じた処理を行った結果も併せて示した。
この第3表の結果から、炭素繊維製造用ピッチの収率(
実測値は水素化ピッチと非水素化ピッチの収率から計算
で求めだ値(計算値)とよく一致することがわかる。し
たがって計算で求めた炭素繊維製造用ピッチ中の水素化
ピッチと非水素化ピッチの割合が実際に得られた炭素繊
維製造用ピッチ中の割合とみなせる。
上記のようにして調製した炭素繊維製造用ピッチの性状
をまとめて第3表に示した。
次に第3表炭素繊維製造用ピッチの紡糸は内径20調、
長さ150叫の真ちゅう製容器に0.5擺の口径をもつ
ノズルをつけた紡糸器で行った。加熱は容器外部を囲む
ヒーターで行い炭素繊維製造用ピッチの軟化点よシ約7
0℃以上高い温度(ピッチの温度)になるようにした。
次いで容器の上部より窒素ガスで加圧し、ノズルよシ押
出された繊維状ピッチをドラムに巻取った。このときの
巻取速度は300m/分以上とした。そして、少なくと
も3oo m/分でほとんど系切れすることなく巻き取
ることが可能な炭素繊維製造用ピッチの温度範囲を求め
た。
このようにして巻き取ったピッチ繊維を空気中、室温か
ら3℃/分の昇温速度で300℃寸で加熱し30分間保
持して不融化した。次いで窒素ガス気流中1000℃に
30分間加熱して炭素繊維とした。
得られた炭素繊維は、TIS  R−7601「炭素繊
維試験方法」の規定に従って単繊維の強度を測定した。
さらに炭素繊維をタンマン炉によりアルゴン気流中、2
500℃まで加熱し、黒鉛化処理した。黒鉛化処理した
繊維は走査型電子顕微鏡によりその破断面を観察し、炭
素層面の配列を調べた。得られた結果を壕とめて第4表
及び第1図、第2図に示した。
第1図は第3表中、実験番号6の炭素繊維製造゛用ピッ
チの偏光顕微鏡写真である。このピッチは明るく輝いて
いる部分(メソフェース)と暗い部分(光学的等方性)
よりなりたっており、光学的等方性部分のかなシ多いも
のであることがわかる。
このような組織をもつピッチを408℃で紡糸し250
0℃で黒鉛化処理した繊維は、その破断面の走査型電子
顕微鏡写真(第2図)かられかるように、炭素層面が顕
著に発達している。
比較例1 第3表中、実験番号9の水素化処理ピッチのみから調製
した炭素繊維製造用ピッチを実施例1と同様にして紡糸
した。このピッチの紡糸可能温度範囲は330〜410
℃であり、300m/分以上で連続的に巻取シ可能な温
度は350〜410℃であった。
得られたピッチ繊維の径は8〜11μmであり、これを
不融化後1000℃で炭素処理して得た炭素繊維の引張
強度は254にり/−1伸び率1.5%、弾性率15t
/−であった。
また第3表中、実験番号14の非水素化ピッチのみから
調製した炭素繊維製造用ピッチについても同様にして紡
糸した。紡糸可能な温度範囲は410〜435℃であっ
たが巻取シが困難で、糸切れが多く、巻取速度’30m
/分で420〜435℃において巻き取ることができた
が、300m/分で連続的に巻き取ることはできなかっ
た。得られたピッチ繊維を3℃/分で空気中300 ”
Cマで加熱し、30分間保持して不融化処理した。次い
で窒素ガス中1000℃に30分間保持して炭素繊維を
得だ。この繊維は径25μm1引張強度185にり/−
1伸び率1.5%、弾性率12t/−であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は炭素繊維製造用ピッチの偏光顕微鏡写真であり
、第2図はこのピッチから製造した炭素繊維破断面の走
査型電子顕微鏡写真である。 特許出願人  工業技術院長 石板域−ほか1名 復代理人 阿 形   明 第1図 第2図 手続補正書 1、事件の表示 昭和58年特許願第11048号 2、発明の名称 炭素繊維製造用ピッチの調製方法 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 東京都千代田区霞が関1丁目3番1号 (114)工業技術院長 石板域−(ほか1名)4、指
定代理人 佐賀県鳥栖市宿町字野々下807番地1工業技術院九州
工業技術試験所長 林 禎−5、復代理人 東京都中央区銀座6丁目4番5号土屋ピル5階自   
   発 7、補正によシ増加する発明の数 0 8、補正の対象 明細書の特許請求の範囲0α特許請求
の範囲 ■ 水素化重質歴青物に非水素化重質歴青物を、調製後
のピッチ中の非水素化重質歴青物が80重量%以下にな
るような割合で加え、次いで減圧下、もしくは実質的減
圧下、450〜550℃で60分以内熱処理することを
特徴とする炭素繊維製造用ピッチの調製方法。 2 水素化重質歴青物が、コールタールピッチ、ナフサ
分解ピッチ又は流動接触分解ピッチを、水素化した二環
以上の縮合多環芳香族化合物又はその混合物あるいはテ
トラヒドロキノリンを用い自生圧下で、あるいは触媒と
共に50〜200にν’crl Gの水素圧下、400
・〜500℃で水素化処理したものである特許請求の範
囲第1項記載の調製方法。 3 水素化歴青物が、コールタールピッチ、ナフサ分解
ピッチ又は流動接触分解ピッチを、二環以上の縮合多環
芳香族化合物又はその混合物又はそれらに少なくとも1
重量係のキノリン音訓えたもの、あるいはキノリンの存
在のもとで、触媒と共に50〜200に9/l、a (
)の水素圧下、400〜500℃で水素化処理したもの
である特許請求の範囲第1項記載の調製方法。 4 非水素化重質歴青物がコールタールピッチ、ナフサ
分解ピッチ又は流動接触分解ピッチあるいはこれらのピ
ッチをあらかじめ350〜500’Cで熱処理したもの
から固形物全除去したものである特許請求の範囲第1項
記載の調製方法。 手続補正書 昭和58年5月24日 昭和58年特許願第11048号 2、発明の名称 炭素繊維製造用ピッチの調製方法 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 東京都千代田区霞が関1丁目3番1号 (114)工業技術院長 用田裕部(ほか1名)4、指
定代理人 佐賀県鳥栖市宿町字野々下807番地1工業技術院 九
州工業技術試験所長 林     禎  − 5、復代理人 東京都中央区銀座6丁目4番5号土屋ビル5階6、補正
命令の日付 9、補正の内容 明細書第26ページ第8行の1製造用ピツチの」の次に
「組織金示す」全加入しま−j。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水素化重質歴青物に非水素化重質歴青物を、調製後
    のピッチ中の非水素化重質歴青物が80重量%以下にな
    るような割合で加え、次いで減圧下、450〜550℃
    で60分以内熱処理することを特徴とする炭素繊維製造
    用ピッチの調製方法。 2 水素化重質歴青物が、コールタールピッチ、ナフサ
    分解ピッチ又は流動接触分解ピッチを、水素化した二環
    以上の縮合多環芳香族化合物又はその混合物あるいはテ
    トラヒドロキノリンを用い自生圧下で、あるいは触媒と
    共に50〜200に9/dGの水素圧下、400〜50
    0℃で水素化処理したものである特許請求の範囲第1項
    記載の調製方法。  1− 3 水素化歴青物が、コールタールピッチ、ナフサ分解
    ピッチ又は流動接触分解ピッチを、二環以上の縮合多環
    芳香族化合物又はその混合物又はそれらに少なくとも1
    重量%のキノリンを加えたもの、あるいはキノリンの存
    在のもとで、触媒と共に50〜200 Kf/i Gの
    水素圧下、400〜500℃で水素化処理したものであ
    る特許請求の範囲第1項記載の調製方法。 4 非水素化重質歴青物がコールタールピッチ、ナフサ
    分解ピッチ又は流動接触分解ピッチあるいはこれらのピ
    ッチをあらかじめ350〜500℃で熱処理したものか
    ら固形物を除去したものである特許請求の範囲第1項記
    載の調製方法。
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