JPS63156800A - 吸湿性の小さいα−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの製造法 - Google Patents

吸湿性の小さいα−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの製造法

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JPS63156800A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、吸湿性の小さい、保存安定性の優れたα−L
−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
の製造法に関する。
より詳しくは、製造プロセスを通して固液分離されたα
−L−アスパルチルーL−フェニルアラニンのケーキを
水分含有量30重量%以下の水と混和する有機溶媒で洗
浄するか、或いは水分含有量30重量%以下に調整され
た水と混和する有機溶媒中で撹拌処理した後、固液分離
したのち、60℃以下の温度で乾燥することを特徴とす
る吸湿性の小さいα−L−アスパルチル−L−フェニル
アラニンメチルエステルの製造法に関する。
本発明のα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン
メチルエステル(以下、α−APMと略記する)は甘味
剤として有用な物質である。しょ糖の200倍近い高甘
味を有し、かつ、しょ糖に類似の甘味質であることから
最近ダイエツト甘味剤として、その需要が伸長しつつあ
る。
(従来技術及び問題点) α−APMには吸湿性の異なる2種類の結晶型、即ち、
I型ならびに■型が存在することが知られている。特開
昭60−37949号によればI型結晶は吸湿性の平衡
水分量がおよそ10%にも達する吸湿性の大きい結晶型
であるのに対して、■型結晶はその吸湿の程度は小さく
、平衡水分量はおよそ3%程度である。
■準結晶のα−APMを製品とした場合には、その大き
な吸湿性のため、製品製造から出荷までの過程で、水分
含有量が増加し、規格外製品(日本食品添加物規格では
α−APMの水分規格は4.5%以下)に変化し易く、
その為に製品の保存には格段の注意を払う必要があるこ
と、また各種賦形剤とともに顆粒化または錠剤化して甘
味剤製品とした場合にも使用する賦形剤の種類によって
は褐変現象を起こしたり、保存時の顆粒の流動性の低下
、錠剤における水中投入時の崩壊性の低下を起こし易く
、さらには溶解性の低下にもつながることが知られてい
る。
これに対して■準結晶のα−APMを製品とした場合に
は、このようなトラブルが生じ難く、その為にα−AP
Mは、この■準結晶の形態での製造し製品とすることが
望まれている。
すでに、α−APMの製造法として、これまでに化学的
製造法を中心として色々な製造法が開示されている。N
−保護−L−アスパラギン酸無水物とL−フェニルアラ
ニンメチルエステルを縮合し、得られたN−保護−α−
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステ
ルを脱保護して製造する方法、或いはN−ホルミル−し
−アスパラギン酸無水物をL−フェニルアラニンと縮合
して得られるN−ホルミル−α−L−アスパルチルーL
−フェニルアラニンまたはその脱ホルミル化生成物であ
るα−L−アスパルチルーL−フェニルアラニンを塩酸
−メタノール媒体中でエステル化して製造する方法など
多岐に亘る製造法が公知である。いずれの方法において
もα−APMは再結晶等の精製操作を行って最終製品と
されるものである。しかし、この精製過程においては、
α−APMが有機溶媒に不溶乃至難溶である為、水また
はアルコールと水の混合溶媒からの再結晶操作など精製
操作を経たのち乾燥して製品とするのが一般的である。
しかしながら、このような精製操作で得られるα−AP
Mの結晶は通常■型の結晶であり、吸湿性の高い保存安
定性に乏しい結晶である。
従来、吸湿性の小さい■準結晶の製造に関しては、唯一
特開昭60−37949号の方法が知られているにすぎ
ない。この方法によれば、通常の方法で得られるI準結
晶を80℃以上の温度で乾燥することによって、I準結
晶から■準結晶に変換させるとされている。
しかしながら、α−APMはその構造からも明らかなよ
うに熱により分子内環化反応を起こし、無味のジケトピ
ペラジン化合物(5−ベンジル−3,6−シオキソピペ
ラジンー2−酢酸)に変化し易く、その為に製品規格上
もこの化合物の許容量が規定されている(日本の食品添
加物基準によればα−APM中の該化合物の許容量は最
大1.5%)。前記の特開昭に記載の方法では80℃以
上という高い温度で乾燥するので、望ましくない化合物
である上記のジケトピペラジン化合物の副生を起し易い
。その結果、この副生の程度によってはこの化合物の含
有量を製品の規格値以下とするために、再処理しなけれ
ばならない場合も生じる。
因みに、本発明者らが、前記の特開昭に記載の製造例1
の追試、すなわち、α−APMの塩酸塩を水中10%炭
酸ナトリウム水溶液で中和後、濾過、水洗して得たα−
APMの結晶を90℃で減圧乾燥した結果、得られたα
−APMはそのX線回折スペクトルから確かに■型の結
晶型を有していたが、ジケトピペラジン化合物含有量を
分析したところ、2.3%も検出され、明らかに規格値
を超える数値であった。
このように80℃以上の温度条件下で乾燥する方法は、
望ましくない化合物の副生を起し易く、工業的見地より
好ましい方法とは言い難い。
ジケトピペラジン化合物の副生を抑制するには本質的に
乾燥温度を下げる必要があり、比較的低い温度で乾燥し
て■準結晶の得られる方法の開発が望まれている。
(問題点を解決するための手段) このような吸湿性の小さいα−APMII型結晶を製造
する技術の水準に鑑み、乾燥時のジケトピペラジン化合
物副生を抑制する為に、より温和な温度条件下で乾燥し
ても、吸湿性の小さいα−APMII型結晶を製造しう
る方法を鋭意検討した結果、驚くべきことに製造プロセ
スを通して得られたα−APMの湿ケーキを、例えばメ
タノールで洗浄する操作を行なうと、80℃以上の高い
温度下での乾燥を必要とすることなく、60℃以下の温
和な条件で乾燥しても十分に吸湿性の小さい■型結晶が
製造できることがわかった。例えば、α−APMの塩酸
塩を水中炭酸ナトリウム水溶液で等電点中和し、固液分
離して得られたα−APMの湿ケーキ及びこの温ケーキ
をケーキ中のα−APMに対して1倍量のメタノールで
4回洗浄して得られた湿ケーキを減圧下40〜45℃で
乾燥した。そしてこれらの乾燥品について食品添加物基
準の乾燥減量(105℃/4時間)を測定したところ、
前者の水含有量は5.3%、後者は1.9%であった。
またX線回折スペクトル測定の結果、前者はI型結晶、
後者は■型結晶であった。
さらにこの方法を詳細に検討した結果、洗浄メタノール
は必ずしも無水である必要はなく、30重量%程度まで
の水を含有することが許容されること、また洗浄操作に
代わり湿ケーキを溶媒中で撹拌処理する方法であっても
良いこと、さらにはメタノールの他に水と混和する極性
溶媒でも良いことなどがわかり、本発明の方法に到達し
た。
すなわち、本発明は製造プロセスを通して得られるα−
APMの湿ケーキを水分含有量30重量%以下の水と混
和する有機溶媒で洗浄するか、或いは該ケーキをケーキ
中の水分も考慮して水分量30重量%以下に調整された
水と混和する有機溶媒中で撹拌処理し固液分離したのち
、60℃以下の温度で乾燥することを特徴とする吸湿性
の小さいα−APMn型結晶の製造法である。
また本発明の方法は、単に吸湿性の小さいα−APM製
造法としてだけではなく、α−APM製造工程を通して
、例えば精製工程等において前記したジケトピペラジン
化合物が副生じ、最終的に精製分離されたα−APMの
湿ケーキ中にもこのジケトピペラジン化合物が混入して
きた場合、その除去方法としても有効であることも見出
した。
本発明の方法において、α−APMの製造法としては、
特に限定されるものではな(、各種の方法で得られるα
−APMにも適用できる。例えば、α−L−アスパルチ
ル−し一フェニルアラニンを塩酸−メタノール媒体中で
エステル化し、ついでα−APM塩酸塩を水中塩基で中
和して得られるα−APM結晶、さらにはその結晶を水
中または水とアルコールの混合溶媒から再結晶精製して
得たα−APMの結晶、あるいはN−ベンジルオキシカ
ルボニル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ンメチルエステルをアルコールと水の媒体中接触還元し
触媒分離後、晶析して得られるα−APM結晶など種々
の方法で得られるα−APMの結晶に適用できる。
本発明の方法においてその具体的実施態様として、つぎ
のような2通りの方法が挙げられる。
第1の方法は、各種の製造法で得られたα−APMの湿
ケーキを水含有量が30重量%以下の水と混和する有機
溶媒で洗浄する方法である。この場合、固液分離された
α−APMは分離器(濾過器)に堆積しているので、こ
のケーキ中に所定の有機溶媒を流してα−APM湿ケー
キを洗浄するような操作だけであっても足りる。
第2の方法は、各種の方法で製造され最終的に固液分離
されて得られるα−APMの湿ケーキを水と混和する有
機溶媒中で撹拌処理して再び固液分離する方法である。
この場合、使用する有機溶媒は必ずしも無水である必要
はなく、α−APM湿ケーキ中の水を加味して30重量
%まで許容される。
上記第1ならびに第2の方法において使用される有機溶
媒は水と混和するものであれば特に限定はないが、その
後の乾燥を考慮して常圧下で沸点がおよそ120℃程度
までの溶媒が選択される。
具体的にはメタノール、エタノール、1−プロパツール
、2−プロパツール、1−ブタノール、2−ブタノール
、イソブタノールまたはtert−ブタノールなどのア
ルコール系溶媒、アセトンまたはメチルエチルケトンな
どのケトン系溶媒、ギ酸または酢酸などのカルボン酸系
溶媒、ギ酸メチル、ギ酸エチルまたは酢酸メチルなどの
エステル系溶媒、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン
などのエーテル系溶媒、2−メトキシエタノールあるい
はアセトニトリル等である。この中でも、とくにアルコ
ール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒またはアセ
トニトリルが多用される。これらの有機溶媒は実質的に
無水である必要はなくある程度までの水の含有を許容で
きる。水の許容量は前記第1の方法においては30重量
%以下、好ましくは20重量%以下であり、また第2の
方法においてはα−APMケーキ中の水分を加味して3
0重量%以下、好ましくは20重量%以下である。勿論
実質的に無水の有機溶媒も使用できる。水の含有量が上
記の上限を越えると、溶媒の使用量に関係なく得られた
α−APMのケーキを、60℃以下の穏和な条件下で乾
燥しても本発明の目的は達成されない。
また、有機溶媒の使用量が少なすぎると、その後の温和
な乾燥だけでは、同じ(本発明の目的は達成されず、ま
た著しく過剰に用いることは溶媒の回収を考慮すると経
済的ではない。通常、有機溶媒の使用量は第1の洗浄法
ではα−APMのケーキに対して1〜10重量倍であり
、また第2の方法ではα−APMのケーキを撹拌処理す
るに可能な量であればよ(、通常2〜20重量倍で使用
される。
上記の処理はいずれの方法であっても、とくに高い温度
で行う必要はない。
一般に各種の製造法では最終的にα−APMは周囲の環
境温度乃至はそれより低い温度で単離されてくる。従っ
て、処理温度も通常周囲環境温度またはそれより低い温
度で行われ、具体的には0〜40℃で良い。、この範囲
外の温度で行っても問題はないがα−APMの回収率や
エネルギー効率の点で不利となるだけで、とりわけ利点
のあるものではない。
以上のようにして、製造プロセスを通して固液分離され
たα−APMのケーキを水分含有量30重量%以下の水
と混和する有機溶媒で洗浄するか、またはこのケーキを
水分含有量30重量%以下の水      ・と混和す
る有機溶媒中にて撹拌処理した後、固液分離して得られ
たα−APMのケーキは次いで乾燥する。
この乾燥はとりわけ高い温度で乾燥する必要はなく、6
0℃以下の穏和な温度条件下の乾燥だけで吸湿性の小さ
いα−APMの結晶を得ることができる。
乾燥は、常圧下、減圧下或いは通気条件下いずれの方法
も可能である。
(作用と効果) 本発明の方法によれば有機溶媒または含水有機溶媒によ
る洗浄或いはそれらの溶媒中での撹拌処理という簡単な
操作で、その後の乾燥温度60℃以下という温和な乾燥
条件下に吸湿性の小さいα−APM結晶が得られる。乾
燥温度を下げられることはα−APMの熱的安定性を考
えた場合乾燥時のジケトピペラジン化合物等の不純物副
生を抑制でき、安定した品質のα−APMの製造が可能
となる。工業的にも意義の大きいものがある。
(実施例) 以下、実施例により本発明の詳細な説明する。
実施例1 α−APM塩酸塩の2水和物36.7g(0,1モル)
を300m1の水に懸濁させた。室温で撹拌しながら1
0%炭酸ナトリウム水溶液をpHが5.2になるまで徐
々に滴下した。室温で1時間かきまぜたのち5℃に冷却
した。析出しているα−APMの結晶を濾別し、冷水で
洗浄した。その後この湿ケーキをさらに冷却された20
m1のメタノールで4回洗浄した。得られたケーキを2
等分し、一方は40〜45℃での減圧乾燥、他方は40
〜45℃での常圧乾燥を行った。
乾燥後の重量はそれぞれ12.9g、13.1gであっ
た・ 得られた乾燥品のそれぞれについて1.0gを精秤し、
常圧下105℃4時間の条件下に乾燥減量を測定した所
、乾燥減量はそれぞれ1.8%、2.0%であった。ま
たそれぞれのX線回折スペクトルは■型結晶を示した。
また得られた再結晶を温度30℃1相対湿度80χの条
件下に放置し、経時的にサンプリングし、105℃4時
間の条件下での乾燥減量を追跡し、その吸湿性を調べた
結果、両サンプルとも乾燥減量は3.2%を超えること
はなく、3゜0〜3.2χで恒量となった。
実施例2〜8、比較例1 α−APM塩酸塩の2水和物36.7g(0,1モル)
を実施例1と同様にして水中、10χ炭酸ナトリウム水
溶液で中和し、濾過、冷水洗浄することによりα−AP
M結晶を得た。この結晶を50%(体積%)メタノール
250m1から再結晶精製した。5℃に冷却後、濾過し
たケーキを溶媒の種類ならびに溶媒中の水分含有量を変
えて洗浄し、得られたケーキを減圧下、40〜45℃で
乾燥した。各乾燥品について乾燥減量(105℃/4時
間)ならびに温度30℃2相対湿度80χの条件下での
2日間放置後の吸湿性の程度を乾燥減量の値で調べた。
結果を表−1に示す。
表−1 b)温度30℃1相対湿度80χの条件下に2日間放置
した後105℃/4時間加熱処理して乾燥減量を測定。
吸湿性はその減量率で示した。
実施例9 α−APM塩酸塩の2水和物36.7g(0,1モル)
を実施例1と同様にして水中10χ水酸化ナトリウム水
溶液で中和し、濾過、冷水洗浄することによりα−AP
M結晶を得た。湿ケーキの量59.8g(α−APM含
有量26.1g)。この湿ケーキを330m1のメタノ
ール中で室温、1時間撹拌処理し、濾過した。50〜6
0℃で減圧乾燥したのち24.Ogのα−APMを得た
。このものの乾燥減量を実施例1と同様にして測定した
結果2.0%であった。また3o″C相対湿度80χの
条件下に2日間放置したサンプルの乾燥減量値は3.1
%であった。
比較例2 実施例9においてα−APM塩酸塩を中和して得たα−
APMの湿ケーキを65重量%メタノール水330m1
中で室温1時間撹拌処理し、濾過した。
50〜60℃で減圧乾燥後23.8gのα−APMを得
た。
このものの乾燥減量及びこのものを30℃1相対湿度8
0χの条件下に2日間放置した後のサンプルの乾燥減量
はそれぞれ4.8%、9.3%であった。
実施例10 実施例1と同様にしてα−APM塩酸塩の2水和物36
.7g (0,1モル)を、水中10χ炭酸ナトリウム
水溶液で中和し、析出した結晶を濾別し、冷水で洗浄す
ることによりα−APMの湿ケーキを得た。
得られた湿ケーキをメタノール150m1と水150m
1の混合溶媒から再結晶精製した。晶析分離されたα−
APMの湿ケーキを30m1 のメタノールで4回洗浄
した。得られたケーキを40〜45℃で減圧乾燥し23
.8gの精製されたα−APMを得た。
このものの乾燥減量値を測定の結果1.7%であった。
またX線回折スペクトルは■型結晶を示し、また30℃
1相対湿度80χの条件下に2日間放置後のサンプルの
乾燥減量の値は2.9%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1)製造プロセスを通して固液分離されたα−L−アス
    パルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルのケー
    キを、水分含有量30重量%以下の水と混和する有機溶
    媒で洗浄するか、或いは水分含有量30重量%以下に調
    整された水と混和する有機溶媒中で撹拌処理した後、固
    液分離しその後60℃以下の温度で乾燥することを特徴
    とする吸湿性の小さいα−L−アスパルチル−L−フェ
    ニルアラニンメチルエステルの製造法。
JP61301469A 1986-12-19 1986-12-19 吸湿性の小さいα−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの製造法 Expired - Lifetime JPH0832719B2 (ja)

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