JPH0613550B2 - α―L―アスパルチル―L―フェニルアラニン―低級アルキルエステルの製造法 - Google Patents
α―L―アスパルチル―L―フェニルアラニン―低級アルキルエステルの製造法Info
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- JPH0613550B2 JPH0613550B2 JP58099038A JP9903883A JPH0613550B2 JP H0613550 B2 JPH0613550 B2 JP H0613550B2 JP 58099038 A JP58099038 A JP 58099038A JP 9903883 A JP9903883 A JP 9903883A JP H0613550 B2 JPH0613550 B2 JP H0613550B2
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ン−β−低級アルキルエステル(ジペプチドα−L−ア
スパルチル−L−フェニルアラニンのL−アスパラギン
酸残基がβ−カルボキシル基において低級アルキルエス
テル化されたもの。以下、α−AP−β−Aと略記す
る。)を合成し、α−L−アスパルチル−L−フェニル
アラニン−低級アルキルエステルに交換せしめる方法に
関するものである。
ン−β−低級アルキルエステル(ジペプチドα−L−ア
スパルチル−L−フェニルアラニンのL−アスパラギン
酸残基がβ−カルボキシル基において低級アルキルエス
テル化されたもの。以下、α−AP−β−Aと略記す
る。)を合成し、α−L−アスパルチル−L−フェニル
アラニン−低級アルキルエステルに交換せしめる方法に
関するものである。
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンアルキルエス
テルには、L−アスパラギン酸(L−Asp)のα−カル
ボキシル基がL−フェニルアラニン(L−Phe)とペプ
チド結合をつくるか、β−カルボキシル基がペプチド結
合をつくるかによって2つの異性体:即ちα−結合体
(α−APA)とβ−結合体(β−APA)とが存在する。
テルには、L−アスパラギン酸(L−Asp)のα−カル
ボキシル基がL−フェニルアラニン(L−Phe)とペプ
チド結合をつくるか、β−カルボキシル基がペプチド結
合をつくるかによって2つの異性体:即ちα−結合体
(α−APA)とβ−結合体(β−APA)とが存在する。
このうちのα−結合体(α−APA)は、甘味料として有
用で、しかも、アルキル基がメチルであるとき(以下、
α−APMと略記する。)に甘味が最も強い。この場合β
−結合体であると苦味を呈することが知られている。
用で、しかも、アルキル基がメチルであるとき(以下、
α−APMと略記する。)に甘味が最も強い。この場合β
−結合体であると苦味を呈することが知られている。
甘味料として有用なα−APA、就中、α−APMの製法は現
在までに数多く発表されているが、そのうち工業的に実
施可能と考えられる方法の大部分は、まず、L−Asp・
アミノ基を一定の方法で保護しておいたものを無水物化
し、ついでL−フェニルアラニンメチルエステル(P
M)と縮合することでペプチド結合を形成し、最終的に
L−Aspのアミノ基から脱保護基し、α−APMとβ−APM
(β−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチル
エステル)の混合物を得、この混合物からα−APMをそ
のものとしてまたは塩酸塩などの適当な形で晶析分離し
ている。
在までに数多く発表されているが、そのうち工業的に実
施可能と考えられる方法の大部分は、まず、L−Asp・
アミノ基を一定の方法で保護しておいたものを無水物化
し、ついでL−フェニルアラニンメチルエステル(P
M)と縮合することでペプチド結合を形成し、最終的に
L−Aspのアミノ基から脱保護基し、α−APMとβ−APM
(β−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチル
エステル)の混合物を得、この混合物からα−APMをそ
のものとしてまたは塩酸塩などの適当な形で晶析分離し
ている。
しかしながら、この様な方法によるかぎり、次の様な難
点は避けられない。(1)これらの方法では基本的にβ−
結合体の副成を伴うから、製造過程の途中でβ−APMあ
るいはそのN−保護された化合物を分別晶析又は抽出等
で分離除去しなければならない。(2)β−APMの副成を伴
うかぎり、L−Asp或いはL−Pheからのα−APMの収率
は明らかに限度がある。(3)従って、工業的に安価にα
−APMを得るためには分離除去したβ−APM或いはその関
連化合物を加水分解してL−Asp及びL−Pheとして回収
し、再反応させるという複雑な工程を伴うことになる。
(4)又は、L−Aspのアミノ基は高価なカルボベンゾキシ
基(Z)或いはホルミル基等で保護しなければならない
上、それらの脱保護基操作は工業的には大がかりな還元
や塩酸などによらなければならない。(5)L−Aspに比較
して高価なL−Pheはメチルエステル化してL−Phe−OC
H3の形で縮合反応に用いる為、そのエステル化収率がα
−APMの合成収率に影響をもつ。
点は避けられない。(1)これらの方法では基本的にβ−
結合体の副成を伴うから、製造過程の途中でβ−APMあ
るいはそのN−保護された化合物を分別晶析又は抽出等
で分離除去しなければならない。(2)β−APMの副成を伴
うかぎり、L−Asp或いはL−Pheからのα−APMの収率
は明らかに限度がある。(3)従って、工業的に安価にα
−APMを得るためには分離除去したβ−APM或いはその関
連化合物を加水分解してL−Asp及びL−Pheとして回収
し、再反応させるという複雑な工程を伴うことになる。
(4)又は、L−Aspのアミノ基は高価なカルボベンゾキシ
基(Z)或いはホルミル基等で保護しなければならない
上、それらの脱保護基操作は工業的には大がかりな還元
や塩酸などによらなければならない。(5)L−Aspに比較
して高価なL−Pheはメチルエステル化してL−Phe−OC
H3の形で縮合反応に用いる為、そのエステル化収率がα
−APMの合成収率に影響をもつ。
本発明者らは、この様なα−APM合成の現状に鑑み、従
来発表されている方法では基本的に達成できなかったα
−APMの絶対的合成法の中で重要な位置を占める中間体
α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン−β−メ
チルエステル(α−AP−β−M)の合成方法を完成し
た。
来発表されている方法では基本的に達成できなかったα
−APMの絶対的合成法の中で重要な位置を占める中間体
α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン−β−メ
チルエステル(α−AP−β−M)の合成方法を完成し
た。
この中間体の合成方法とこれを用いてα−APMを合成す
る方法の大要を次に述べる。
る方法の大要を次に述べる。
L−アルパラギン酸のβ−メチルエステルのN−カルボ
キシ酸無水物は、例えば、L−AspをSOCl2或いはHClな
どの酸触媒存在下にメタノール(MeOH)と反応させてβ
−エステル化し、L−Aspのβ−メチルエステルのHCl塩
を合成し、このものとホスゲン或いはボスゲンダイマー
とを反応させて製造することができる。L−Aspのβ−
メチルエステルは、このN−カルボキシ酸無水物の形と
することにより、アミノ基が保護されると同様にα−カ
ルボキシル基が活性化される。
キシ酸無水物は、例えば、L−AspをSOCl2或いはHClな
どの酸触媒存在下にメタノール(MeOH)と反応させてβ
−エステル化し、L−Aspのβ−メチルエステルのHCl塩
を合成し、このものとホスゲン或いはボスゲンダイマー
とを反応させて製造することができる。L−Aspのβ−
メチルエステルは、このN−カルボキシ酸無水物の形と
することにより、アミノ基が保護されると同様にα−カ
ルボキシル基が活性化される。
上記のN−カルボキシ酸無水物とL−Pheとの縮合は、
次のようにして行なう。
次のようにして行なう。
反応溶媒としては、水単独もしくは水溶性有機溶剤と水
との混合溶媒(両者をあわせて水性溶媒と称する)を使
用する。有機溶剤のみではL−Phe−ONaの溶解度が低い
から縮合収率は低い。水性溶媒を使用すれば、前記のN
−カルボキシ酸無水物の溶解度が高まり、反応が円滑に
進行する。水溶性有機溶剤としては、例えば、アセトニ
トリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトンを
挙げることができるが、これらのなかでもアセトニトリ
ルが収率の観点から好ましい。
との混合溶媒(両者をあわせて水性溶媒と称する)を使
用する。有機溶剤のみではL−Phe−ONaの溶解度が低い
から縮合収率は低い。水性溶媒を使用すれば、前記のN
−カルボキシ酸無水物の溶解度が高まり、反応が円滑に
進行する。水溶性有機溶剤としては、例えば、アセトニ
トリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトンを
挙げることができるが、これらのなかでもアセトニトリ
ルが収率の観点から好ましい。
本発明の縮合反応は、弱アルカリ性下に行なう。酸性で
は、L−Pheのアミノ基の反応性が低く、反応が起らな
い。一方、アルカリ性でも、強アルカリ性下では、N−
カルボキシ酸無水物の重合、エステル結合の加水分解な
どの副反応が生ずるので好ましくない。結局、pH9.5〜
11近辺で行なう。pH調節剤としては、反応原料と反応
しない塩基性物質であればよいが、炭酸塩、重炭酸塩の
ような弱アルカリが好ましい。
は、L−Pheのアミノ基の反応性が低く、反応が起らな
い。一方、アルカリ性でも、強アルカリ性下では、N−
カルボキシ酸無水物の重合、エステル結合の加水分解な
どの副反応が生ずるので好ましくない。結局、pH9.5〜
11近辺で行なう。pH調節剤としては、反応原料と反応
しない塩基性物質であればよいが、炭酸塩、重炭酸塩の
ような弱アルカリが好ましい。
反応温度、反応原料の使用量(モル比)などその他の反
応条件については、後述する。
応条件については、後述する。
縮合反応の生成物N−カルボキシ−α−L−アスパルチ
ル−L−フェニルアラニン−β−メチルエステルの脱炭
酸は、この生成物は極めて不安定であって、単に縮合反
応液を塩酸、硫酸などの適当な鉱酸を使用して酸性にす
るだけで脱炭酸するので、縮合反応液から一旦分離した
後に脱炭酸処理に付する必要はない。
ル−L−フェニルアラニン−β−メチルエステルの脱炭
酸は、この生成物は極めて不安定であって、単に縮合反
応液を塩酸、硫酸などの適当な鉱酸を使用して酸性にす
るだけで脱炭酸するので、縮合反応液から一旦分離した
後に脱炭酸処理に付する必要はない。
次の反応(例えば、分子内エステル交換反応)に付する
ためにはα−AP−β−Mの生成した反応液から、このも
のを分離しても、しなくてもよいが、分離するには、例
えば、次のようにするとよい。L−Aspのβ−メチルエ
ステルのNCAとL−Phe−ONaとを反応させた反応終了後
の溶液を酸性にして脱炭酸する前に未反応のNCAを除く
意味でアセトニトリルで洗浄したのち水層を例えばH2SO
4のような鉱酸で酸性にして脱炭酸してα−AP−β−M
にしたのちメタノールを加え無機塩を析出させ、これを
除去し、濃縮すれば目的のα−AP−β−Mの白色結晶が
析出するからこれを取すればよい。
ためにはα−AP−β−Mの生成した反応液から、このも
のを分離しても、しなくてもよいが、分離するには、例
えば、次のようにするとよい。L−Aspのβ−メチルエ
ステルのNCAとL−Phe−ONaとを反応させた反応終了後
の溶液を酸性にして脱炭酸する前に未反応のNCAを除く
意味でアセトニトリルで洗浄したのち水層を例えばH2SO
4のような鉱酸で酸性にして脱炭酸してα−AP−β−M
にしたのちメタノールを加え無機塩を析出させ、これを
除去し、濃縮すれば目的のα−AP−β−Mの白色結晶が
析出するからこれを取すればよい。
α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン−β−メ
チルエステル(α−AP−β−M)からα−APMを得るに
は、例えば、このものを特定の割合のMeOH〜塩酸混合溶
媒の中に溶解放置すればよい。溶液中で自然に分子内エ
ステル交換が起り、α−APMが生成し、このものは難溶
性のα−APM塩酸塩の形で反応液から晶析分離してくる
のである。このα−APM塩酸塩からは、必要に応じて、
従来知られている方法で中和してα−APMを容易に得る
ことができる。
チルエステル(α−AP−β−M)からα−APMを得るに
は、例えば、このものを特定の割合のMeOH〜塩酸混合溶
媒の中に溶解放置すればよい。溶液中で自然に分子内エ
ステル交換が起り、α−APMが生成し、このものは難溶
性のα−APM塩酸塩の形で反応液から晶析分離してくる
のである。このα−APM塩酸塩からは、必要に応じて、
従来知られている方法で中和してα−APMを容易に得る
ことができる。
この中間体α−AP−β−Mを経てα−APMを合成する方
法は、従来の方法と比較して、次の様な画期的な工業的
に優れた特徴を有する。(1)この中間体を合成する際に
はL−AspとL−Pheのβ−結合体の副成を理論的にとも
なわず、α−結合体のみ生ずるから従来法では避けられ
なかったβ−結合体(β−APM或いはN−保護−β−APM
など)との分離操作は不要となる。従って、α−APMの
製造工程は大巾に単純化され、収率は向上する。当然β
−結合体の加水分解による大がかりなL−Asp、L−Phe
の回収工程は不要になる。(2)L−Aspのβ−メチルエス
テルのアミノ基の保護はCO2(カルバミン酸の形)で行
なうから、L−Pheとの縮合物からは実質的にL−Asp部
分の脱保護操作なしで、中間体α−AP−β−Mを得るこ
とができる。(3)従来の方法はL−Pheをメチルエステル
化してからL−Asp部分と縮合させるため、メチルエス
テル化反応の収率がα−APMの収率に影響したが、本発
明ではこのエステル化が不要であるため、L−Aspと比
較して高価なL−Pheからのα−APMの合成収率を高める
ことができる。(4)1分子内のエステル交換であるからM
eOHを効率よくつかえる。(5)ラセミ化の心配がない。
(6)合成収率(綜合収率)がよく、かつ安価な試薬を用
いるので工業的に安価にα−APM製造できる。
法は、従来の方法と比較して、次の様な画期的な工業的
に優れた特徴を有する。(1)この中間体を合成する際に
はL−AspとL−Pheのβ−結合体の副成を理論的にとも
なわず、α−結合体のみ生ずるから従来法では避けられ
なかったβ−結合体(β−APM或いはN−保護−β−APM
など)との分離操作は不要となる。従って、α−APMの
製造工程は大巾に単純化され、収率は向上する。当然β
−結合体の加水分解による大がかりなL−Asp、L−Phe
の回収工程は不要になる。(2)L−Aspのβ−メチルエス
テルのアミノ基の保護はCO2(カルバミン酸の形)で行
なうから、L−Pheとの縮合物からは実質的にL−Asp部
分の脱保護操作なしで、中間体α−AP−β−Mを得るこ
とができる。(3)従来の方法はL−Pheをメチルエステル
化してからL−Asp部分と縮合させるため、メチルエス
テル化反応の収率がα−APMの収率に影響したが、本発
明ではこのエステル化が不要であるため、L−Aspと比
較して高価なL−Pheからのα−APMの合成収率を高める
ことができる。(4)1分子内のエステル交換であるからM
eOHを効率よくつかえる。(5)ラセミ化の心配がない。
(6)合成収率(綜合収率)がよく、かつ安価な試薬を用
いるので工業的に安価にα−APM製造できる。
以下に、この合成中間体α−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニン−β−メチルエステル(α−AP−β−
M)の合成方法について更に詳しく例示、説明する。
ェニルアラニン−β−メチルエステル(α−AP−β−
M)の合成方法について更に詳しく例示、説明する。
L−アスパラギン酸−β−メチルエステルの合成法
は公知である(Karoly Jakusら、Hung. 149, 544, Aug.
31, 1962, Appl. Dec. 22, 1960)。
は公知である(Karoly Jakusら、Hung. 149, 544, Aug.
31, 1962, Appl. Dec. 22, 1960)。
L−Aspのβ−メチルエステルのN−カルボキシ酸
無水物の合成法も公知である(特公昭43−20181)。
無水物の合成法も公知である(特公昭43−20181)。
α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン、β
−メチルエステルの合成は、次のようにして行なうこと
ができる。
−メチルエステルの合成は、次のようにして行なうこと
ができる。
L−Phe、L−Asp−β−メチルエステルのN−カルボキ
シ酸無水物は、ともに、それぞれの溶液の形で反応させ
るのが好ましい。
シ酸無水物は、ともに、それぞれの溶液の形で反応させ
るのが好ましい。
例えば、L−Phe 1.7モルに対して1モルから10モ
ル、普通は1.7モルのNa2CO3、K2CO3、(NH4)2CO3などの
炭酸塩、或いは1モルから20モル、普通は3.4モルのN
aHCO3、KHCO3などの重炭酸塩を加え、これに水を1か
ら20、普通は7を加え、更に1NNaOHを普通は1.
7加える。これにアセトニトリル、プロピオニトリ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、 CH3COOHなどの水溶性有機溶剤2から10、普通は
9を加え、−25℃から0℃、普通は−10℃前後に
冷却する。高温に過ぎると収率が低下し、低温に過ぎる
と凍結して攪拌が困難である。一方、0.85モルから3.4
モル、普通は当量或いはやや過剰の精製した前記N−カ
ルボキシ酸無水物をアセトニトリルその他の前記水溶性
溶剤1から10、普通は3にとかし、できた溶液
を凍結しない範囲、例えば−25℃から0℃、普通は−
15℃から10℃に冷却する。この溶液を前記L−Phe
の溶液に添加する。添加後−25℃〜0℃、普通は−1
0℃前後に保ちながらゆるやかに攪拌する。
ル、普通は1.7モルのNa2CO3、K2CO3、(NH4)2CO3などの
炭酸塩、或いは1モルから20モル、普通は3.4モルのN
aHCO3、KHCO3などの重炭酸塩を加え、これに水を1か
ら20、普通は7を加え、更に1NNaOHを普通は1.
7加える。これにアセトニトリル、プロピオニトリ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、 CH3COOHなどの水溶性有機溶剤2から10、普通は
9を加え、−25℃から0℃、普通は−10℃前後に
冷却する。高温に過ぎると収率が低下し、低温に過ぎる
と凍結して攪拌が困難である。一方、0.85モルから3.4
モル、普通は当量或いはやや過剰の精製した前記N−カ
ルボキシ酸無水物をアセトニトリルその他の前記水溶性
溶剤1から10、普通は3にとかし、できた溶液
を凍結しない範囲、例えば−25℃から0℃、普通は−
15℃から10℃に冷却する。この溶液を前記L−Phe
の溶液に添加する。添加後−25℃〜0℃、普通は−1
0℃前後に保ちながらゆるやかに攪拌する。
約2時間後、攪拌を停止すれば分層するから、水層部を
とり、アセトニトリルで洗じょうし、H2SO4或いはHClな
どの鉱酸で中和脱炭酸する。MeOH5から20を加え
ればNa2SO4が析出するから過除去する。液を濃縮す
ればα−AP−β−Mの結晶が析出する。収率85%。
とり、アセトニトリルで洗じょうし、H2SO4或いはHClな
どの鉱酸で中和脱炭酸する。MeOH5から20を加え
ればNa2SO4が析出するから過除去する。液を濃縮す
ればα−AP−β−Mの結晶が析出する。収率85%。
α−APMの製造は、次のようにして行なうことがで
きる。
きる。
α−APMを得るにはα−AP−β−Mを、例えば、MeOH0
〜20%(容量)、濃塩酸8〜55%、残りは水の比率
の混合溶液に溶解し、室温に放置すればよい。析出した
α−APM塩酸塩を分離する。
〜20%(容量)、濃塩酸8〜55%、残りは水の比率
の混合溶液に溶解し、室温に放置すればよい。析出した
α−APM塩酸塩を分離する。
更に、母液に対して新たにα−AP−β−Mを添加し、Me
OH:濃塩酸が上記の比率になる様に再調整すればα−AP
Mへの変換率はほぼ定量的になる。
OH:濃塩酸が上記の比率になる様に再調整すればα−AP
Mへの変換率はほぼ定量的になる。
さて、甘味料として有用なα−L−アスパルチル−L−
フェニルアラニンアルキルエステルは、低級アルキルエ
ステルであるが、これには、メチルエステルであるα−
APMの他に、エチルエステル、プロピルエステル等があ
る。これらのエステルの合成中間体となる対応するa−
AP−β−Aは、前述したα−AP−β−Mに準じて製造す
ることができる。次に参考例および実施例を示すが、こ
れらの例は単なる例示であって、本発明の技術的範囲を
何ら制限するものではない。
フェニルアラニンアルキルエステルは、低級アルキルエ
ステルであるが、これには、メチルエステルであるα−
APMの他に、エチルエステル、プロピルエステル等があ
る。これらのエステルの合成中間体となる対応するa−
AP−β−Aは、前述したα−AP−β−Mに準じて製造す
ることができる。次に参考例および実施例を示すが、こ
れらの例は単なる例示であって、本発明の技術的範囲を
何ら制限するものではない。
参考例1. L−Aspのβ−メチルエステルの合成 メタノール830mを−30℃に保ち、これにSOCl2
124mを攪拌下にゆっくり滴下した。これにL−As
p160gをゆっくり投入し攪拌すれば透明になった。
ゆっくり室温にまで上げEt2O2,400mを滴下してゆけ
ば目的とするL−Aspのβ−メチルエステルの塩酸塩が
析出した。
124mを攪拌下にゆっくり滴下した。これにL−As
p160gをゆっくり投入し攪拌すれば透明になった。
ゆっくり室温にまで上げEt2O2,400mを滴下してゆけ
ば目的とするL−Aspのβ−メチルエステルの塩酸塩が
析出した。
取してEt2O洗いし、177g(収率75%)の目的物
を得た。
を得た。
参考例2. L−Aspのβ−メチルエステルのN−カル
ボキシ酸無水物の合成 乾燥テトラヒドロフラン(THF)808mに0.1モルの
L−Aspのβ−メチルエステル塩酸塩をけんだくし、こ
のものにホスゲンダイマー20.2mを加え、20〜30
℃(室温)で攪拌した。約5時間後透明な反応液になっ
たら減圧下、30℃以下で濃縮すると標記N−カルボキ
シ酸無水物の結晶が析出した。収量16.4g、収率95
%。
ボキシ酸無水物の合成 乾燥テトラヒドロフラン(THF)808mに0.1モルの
L−Aspのβ−メチルエステル塩酸塩をけんだくし、こ
のものにホスゲンダイマー20.2mを加え、20〜30
℃(室温)で攪拌した。約5時間後透明な反応液になっ
たら減圧下、30℃以下で濃縮すると標記N−カルボキ
シ酸無水物の結晶が析出した。収量16.4g、収率95
%。
因みに、結晶化しない時はM−ヘキサン等N−カルボキ
シ酸無水物を溶解せず、かつ、分解しない有機溶媒で残
存するTHF、ホスゲンダイマー、ホスゲン、HClを洗浄し
て除くことで次の工程に用いることができる。
シ酸無水物を溶解せず、かつ、分解しない有機溶媒で残
存するTHF、ホスゲンダイマー、ホスゲン、HClを洗浄し
て除くことで次の工程に用いることができる。
実施例1. L−Phe28g(0.17モル)及びNa2CO317g(0.16モ
ル)を水680mに溶解し、更に1NNAOH水170m
を加え溶解した。この水溶液にアセトニトリルを85
0m加え、−10℃に冷却した。攪拌しつつ、L−As
pのβメチルエステルの酸カルボキシ無水物(0.13モ
ル)のアセトニトリル(272m)溶液を−10℃に
冷却してから添加した。添加終了後−10℃に更に2時
間攪拌をつづけた。ついでアセトニトリル層を分層して
除去し、水層をアセトニトリル1で洗浄した。水層を
H2SO4でpH5.0にした。MeOH1,700mを加えると無機塩
が析出し、これは過除去した。液を40℃で濃縮す
ると目的のα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ン−β−メチルエステルの結晶が析出した。
ル)を水680mに溶解し、更に1NNAOH水170m
を加え溶解した。この水溶液にアセトニトリルを85
0m加え、−10℃に冷却した。攪拌しつつ、L−As
pのβメチルエステルの酸カルボキシ無水物(0.13モ
ル)のアセトニトリル(272m)溶液を−10℃に
冷却してから添加した。添加終了後−10℃に更に2時
間攪拌をつづけた。ついでアセトニトリル層を分層して
除去し、水層をアセトニトリル1で洗浄した。水層を
H2SO4でpH5.0にした。MeOH1,700mを加えると無機塩
が析出し、これは過除去した。液を40℃で濃縮す
ると目的のα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ン−β−メチルエステルの結晶が析出した。
これを取した。収量29.8g、収率74.5%であった。
因みに、MeOH 1.0、濃塩酸3.4m、水5.1を混合し、こ
のものから7mとり、上で得たα−L−アスパルチル
−L−フェニルアラニン−β−メチルエステル4.2gを
これに溶解し、25℃に保った。
のものから7mとり、上で得たα−L−アスパルチル
−L−フェニルアラニン−β−メチルエステル4.2gを
これに溶解し、25℃に保った。
経済的にα−APM塩酸塩が析出しはじめ、14日後にα
−APM塩酸塩4.16g(収率88%)を取した。
−APM塩酸塩4.16g(収率88%)を取した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹本 正 神奈川県川崎市中原区中丸子1155−2 (56)参考文献 特開 昭48−96557(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】L−アスパラギン酸のβ−アルキルエステ
ルのN−カルボキシ酸無水物を水性溶媒中で弱アルカリ
性下にL−フェニルアラニンと縮合させ、生成するN−
カルボキシ−α−L−アスパルチル−フェニルアラニン
−β−低級アルキルエステルを脱炭酸して得たα−L−
アスパルチル−L−フェニルアラニン−低級アルキルエ
ステルを分子内エステル交換によりα−L−アスパルチ
ル−L−フェニルアラニン−低級アルキルエステルに変
換することを特徴とするα−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニン−低級アルキルエステルの製造法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58099038A JPH0613550B2 (ja) | 1983-06-03 | 1983-06-03 | α―L―アスパルチル―L―フェニルアラニン―低級アルキルエステルの製造法 |
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IE1258/84A IE57518B1 (en) | 1983-06-02 | 1984-05-21 | Method of preparing alpha-l-aspartyl-l-phenylalanine methyl ester and its hydrochloride |
DE8484303418T DE3467352D1 (en) | 1983-06-02 | 1984-05-21 | Method of preparing alpha-l-aspartyl-l-phenylalanine methyl ester and its hydrochloride |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58099038A JPH0613550B2 (ja) | 1983-06-03 | 1983-06-03 | α―L―アスパルチル―L―フェニルアラニン―低級アルキルエステルの製造法 |
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---|---|
JPS59225153A JPS59225153A (ja) | 1984-12-18 |
JPH0613550B2 true JPH0613550B2 (ja) | 1994-02-23 |
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Family Applications (1)
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JP58099038A Expired - Lifetime JPH0613550B2 (ja) | 1983-06-02 | 1983-06-03 | α―L―アスパルチル―L―フェニルアラニン―低級アルキルエステルの製造法 |
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---|---|
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AU561384B2 (en) * | 1985-03-26 | 1987-05-07 | Mitsui Toatsu Chemicals Inc. | Preparation of -l-aspartyl-l-phenylalanine methyl ester or hydrochloride thereof |
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-
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- 1983-06-03 JP JP58099038A patent/JPH0613550B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59225153A (ja) | 1984-12-18 |
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