JPH05125095A - α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの晶析方法 - Google Patents
α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの晶析方法Info
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- JPH05125095A JPH05125095A JP4102917A JP10291792A JPH05125095A JP H05125095 A JPH05125095 A JP H05125095A JP 4102917 A JP4102917 A JP 4102917A JP 10291792 A JP10291792 A JP 10291792A JP H05125095 A JPH05125095 A JP H05125095A
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K5/00—Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- C07K5/04—Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
- C07K5/06—Dipeptides
- C07K5/06104—Dipeptides with the first amino acid being acidic
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- C07K5/06121—Asp- or Asn-amino acid the second amino acid being aromatic or cycloaliphatic
- C07K5/0613—Aspartame
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 α−APM結晶スラリーの固液分離性を改善
する。 【構成】 α−APMをその水性溶媒から析出せしめる
際、晶析器内を大気圧以下の圧力に保ち、攪拌下にα−
APMの水−メタノール混合溶液をフィードして溶媒を
蒸発せしめ、その蒸発潜熱によって晶析液を冷却して晶
析を行うか、または、晶析液の過冷却を防ぐために加温
する。
する。 【構成】 α−APMをその水性溶媒から析出せしめる
際、晶析器内を大気圧以下の圧力に保ち、攪拌下にα−
APMの水−メタノール混合溶液をフィードして溶媒を
蒸発せしめ、その蒸発潜熱によって晶析液を冷却して晶
析を行うか、または、晶析液の過冷却を防ぐために加温
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は甘味剤として有用なα−
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステ
ル(以下α−APMと略記する)の製造方法に関し、α
−APMの溶液からα−APMを晶析する方法における
著しく改良された方法に関するものである。
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステ
ル(以下α−APMと略記する)の製造方法に関し、α
−APMの溶液からα−APMを晶析する方法における
著しく改良された方法に関するものである。
【0002】本発明のα−APMは、蔗糖の約200倍
の甘味を呈するペプチド系の甘味料であり、その極めて
良質な甘味と低カロリーであることによって、近年ダイ
エット甘味料として重用され、その全世界における需要
は1995年までに1万トンを越えるであろうと予測さ
れている。
の甘味を呈するペプチド系の甘味料であり、その極めて
良質な甘味と低カロリーであることによって、近年ダイ
エット甘味料として重用され、その全世界における需要
は1995年までに1万トンを越えるであろうと予測さ
れている。
【0003】
【従来の技術】α−APMを工業的に製造する方法とし
ては、例えば次のようなものが知られている。(1)N
−置換アスパラギン酸無水物とフェニルアラニンメチル
エステルを有機溶媒中で結合させ、常法により置換基を
脱離し(USP3,786,039)、生成した不純物
を含むα−APMをハロゲン化水素酸と接触させ、α−
APMの塩酸塩を取得した後、これを中和して、α−A
PMを得る方法(2)α−L−アスパルチル−L−フェ
ニルアラニンを水、メタノール、塩酸からなる混合溶媒
中でメチルエステル化せしめ、α−APMの塩酸塩とし
て取得した後、これを中和して、α−APMを得る方法
(特開昭53−82752)、及び(3)N−置換アス
パラギン酸とフェニルアラニンメチルエステルを酵素の
存在下に縮合させ、次いで置換基を脱離する方法(特開
昭53−135595)等である。
ては、例えば次のようなものが知られている。(1)N
−置換アスパラギン酸無水物とフェニルアラニンメチル
エステルを有機溶媒中で結合させ、常法により置換基を
脱離し(USP3,786,039)、生成した不純物
を含むα−APMをハロゲン化水素酸と接触させ、α−
APMの塩酸塩を取得した後、これを中和して、α−A
PMを得る方法(2)α−L−アスパルチル−L−フェ
ニルアラニンを水、メタノール、塩酸からなる混合溶媒
中でメチルエステル化せしめ、α−APMの塩酸塩とし
て取得した後、これを中和して、α−APMを得る方法
(特開昭53−82752)、及び(3)N−置換アス
パラギン酸とフェニルアラニンメチルエステルを酵素の
存在下に縮合させ、次いで置換基を脱離する方法(特開
昭53−135595)等である。
【0004】上記(1)〜(3)いずれの方法を用いた
場合でも、α−APMは、最終的に比較的高温の水性溶
液から冷却によって晶析され、その結晶は遠心分離器の
ような固液分離装置によって分離、脱水された後に乾燥
される。このような冷却による晶析は、通常冷却のため
の伝熱面を有する攪拌晶析器か、又は外部熱交換器とポ
ンプ等の溶液循環システムを備えた晶析器で実施され
る。
場合でも、α−APMは、最終的に比較的高温の水性溶
液から冷却によって晶析され、その結晶は遠心分離器の
ような固液分離装置によって分離、脱水された後に乾燥
される。このような冷却による晶析は、通常冷却のため
の伝熱面を有する攪拌晶析器か、又は外部熱交換器とポ
ンプ等の溶液循環システムを備えた晶析器で実施され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常の攪拌もしくは外
部循環のような強制流動を含む晶析器を用いて冷却によ
り晶析をしようとすると、α−APMは漉過性や脱水性
の悪い微細な針状結晶を与えるのが常である。更に、こ
のような方式ではおびただしい結晶が冷却のための伝熱
面に析出固着して、熱交換効率が著しく低下し、そこで
この固着結晶(スケール)を除去するために晶析装置の
運転を頻繁に停止する必要がしばしば生ずる。
部循環のような強制流動を含む晶析器を用いて冷却によ
り晶析をしようとすると、α−APMは漉過性や脱水性
の悪い微細な針状結晶を与えるのが常である。更に、こ
のような方式ではおびただしい結晶が冷却のための伝熱
面に析出固着して、熱交換効率が著しく低下し、そこで
この固着結晶(スケール)を除去するために晶析装置の
運転を頻繁に停止する必要がしばしば生ずる。
【0006】このような問題を回避するために、α−A
PMの水溶液を、疑似固相を形成するように、機械的攪
拌のような強制流動を伴うことなく伝導伝熱によって冷
却し、必要により更に冷却する方法(特開昭58−17
7952)が知られている。この方式によれば、結晶層
(シャーベット状の疑似固相)の排出時における固液分
離工程において著しく改善された漉過性と脱水性を有す
る結晶を得ることが可能である。しかし、既存又は汎用
の晶析設備を使用する場合、通常のタンク型の晶析槽で
この方法を用いるのは、冷却に長時間を要し効率が悪い
ことがあるし、しばしば排出も問題となる。
PMの水溶液を、疑似固相を形成するように、機械的攪
拌のような強制流動を伴うことなく伝導伝熱によって冷
却し、必要により更に冷却する方法(特開昭58−17
7952)が知られている。この方式によれば、結晶層
(シャーベット状の疑似固相)の排出時における固液分
離工程において著しく改善された漉過性と脱水性を有す
る結晶を得ることが可能である。しかし、既存又は汎用
の晶析設備を使用する場合、通常のタンク型の晶析槽で
この方法を用いるのは、冷却に長時間を要し効率が悪い
ことがあるし、しばしば排出も問題となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述のよう
なα−APMの晶析工程における問題点を克服すべく、
伝熱面におけるスケーリンク防止、既存又は汎用晶析缶
の転用による投資額の削減、結晶スラリーの固液分離性
改善について鋭意検討を行った。
なα−APMの晶析工程における問題点を克服すべく、
伝熱面におけるスケーリンク防止、既存又は汎用晶析缶
の転用による投資額の削減、結晶スラリーの固液分離性
改善について鋭意検討を行った。
【0008】その結果、α−APMを水溶液から析出せ
しめる際、晶析器内を大気圧以下に減圧し、溶媒を蒸発
させて、その蒸発潜熱により液を冷却して晶析を行う
と、冷却面へのスケーリングという操作上の問題点を克
服し得ることを見い出した。しかしながら、α−APM
以外の通常の物質の晶析であれば、単位時間当たり、晶
析液(またはスラリー)蒸発面積当たりの溶媒(水)蒸
発量を1,000kg/m2・hr程度で操作するが、α−AP
Mに限っては、蒸発に伴うスラリーの発泡現象が著し
く、ことに装置内での液深を一定として、原料液を連続
的にフィードする操作方式においては、しばしば操業継
続が困難であった。そこで、この点に着目して、更に検
討を重ねたところ、水の蒸発速度を40kg/m2・hr以下、
より好ましくは20kg/m2・hr以下に制御することによっ
て、長時間にわたる安定した操業が可能となることが明
かとなった。
しめる際、晶析器内を大気圧以下に減圧し、溶媒を蒸発
させて、その蒸発潜熱により液を冷却して晶析を行う
と、冷却面へのスケーリングという操作上の問題点を克
服し得ることを見い出した。しかしながら、α−APM
以外の通常の物質の晶析であれば、単位時間当たり、晶
析液(またはスラリー)蒸発面積当たりの溶媒(水)蒸
発量を1,000kg/m2・hr程度で操作するが、α−AP
Mに限っては、蒸発に伴うスラリーの発泡現象が著し
く、ことに装置内での液深を一定として、原料液を連続
的にフィードする操作方式においては、しばしば操業継
続が困難であった。そこで、この点に着目して、更に検
討を重ねたところ、水の蒸発速度を40kg/m2・hr以下、
より好ましくは20kg/m2・hr以下に制御することによっ
て、長時間にわたる安定した操業が可能となることが明
かとなった。
【0009】更に、溶媒として水とメタノール、あるい
はエタノールなどの低級アルコールとの混合溶媒を使用
すると、蒸発速度の上限を水単独の場合に比べて、より
高くすることが可能であり、また特に40℃以上で混合
溶媒に対するα−APMの溶解度が高いし、溶媒蒸発に
よる冷却と同時に濃縮をも併用することができるので装
置生産性は向上し、しかも得られる結晶も固液分離性に
優れた大粒径のものが得られることを見いだした。
はエタノールなどの低級アルコールとの混合溶媒を使用
すると、蒸発速度の上限を水単独の場合に比べて、より
高くすることが可能であり、また特に40℃以上で混合
溶媒に対するα−APMの溶解度が高いし、溶媒蒸発に
よる冷却と同時に濃縮をも併用することができるので装
置生産性は向上し、しかも得られる結晶も固液分離性に
優れた大粒径のものが得られることを見いだした。
【0010】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の晶析装置としては、一般的な攪拌槽、DTB晶析装
置、クリスタルーオスロ晶析装置あるいはこれらの改良
型等、減圧に耐えられる密閉構造であれば、通常の工業
操作における既製又は汎用品を用いることが出来る。装
置内圧力は100torr、より好ましくは50torr以下に
保つ。冷却は溶媒の蒸発によって生じるので、晶析装置
に(冷却のための)伝熱面はなくてもよいが、液温があ
まり低温になりすぎると蒸発速度が低下するので、場合
によっては、かえって熱媒で加温した方が良いこともあ
る。従って、その場合には装置内にコイルまたはジャケ
ット等の伝熱面を備えるか、外部に熱交換器を設けて、
溶液の一部をこれに循環して、加温すると好都合であ
る。ただし、α−APMの収率、及び高温下での安定性
を考慮すると、液温は操作圧や溶媒組成にもよるが25
℃以下とするのが適当である。原料液の供給は、バッチ
方式で行ってもよいが、装置生産性の観点からは液深を
ほぼ一定に保ちつつ連続的にフィードするのが良い。こ
の際、同時に晶析液(スラリー)を引抜く、所謂連続晶
析操作を行うと、装置容積当たりの生産速度を高めるこ
とが出来る。ただし、その際、上述したように発泡が著
しいので、特に溶媒が水である場合には、液温や、真空
度、フィード速度等の運転条件を適宜調整して、蒸発速
度を40kg/m2・hr以下、より好ましくは20kg/m2・hr以
下に制御する必要がある。もしくは、溶媒として、低級
アルコールを含む水性混合溶媒を用いる。低級アルコー
ルとしては、メタノール、エタノール等が挙げられる
が、α−APMとのエステル交換の可能性を考慮する
と、メタノールが最も望ましい。アルコール濃度は高す
ぎても、かえって結晶の固液分離性が劣化するので、通
常溶媒中10乃至60容量%の範囲から選択することが
好ましい。原料溶液中のα−APM濃度は、薄すぎると
濃縮のために蒸発負荷の増大を招くので、使用する溶媒
で30℃以上の飽和溶液とするのが良い。一方、高温域
では溶解度も上昇するが、同時にα−APMの分解も生
じるので、例えば80℃の溶解度をもって原料液濃度の
上限とすべきである。
明の晶析装置としては、一般的な攪拌槽、DTB晶析装
置、クリスタルーオスロ晶析装置あるいはこれらの改良
型等、減圧に耐えられる密閉構造であれば、通常の工業
操作における既製又は汎用品を用いることが出来る。装
置内圧力は100torr、より好ましくは50torr以下に
保つ。冷却は溶媒の蒸発によって生じるので、晶析装置
に(冷却のための)伝熱面はなくてもよいが、液温があ
まり低温になりすぎると蒸発速度が低下するので、場合
によっては、かえって熱媒で加温した方が良いこともあ
る。従って、その場合には装置内にコイルまたはジャケ
ット等の伝熱面を備えるか、外部に熱交換器を設けて、
溶液の一部をこれに循環して、加温すると好都合であ
る。ただし、α−APMの収率、及び高温下での安定性
を考慮すると、液温は操作圧や溶媒組成にもよるが25
℃以下とするのが適当である。原料液の供給は、バッチ
方式で行ってもよいが、装置生産性の観点からは液深を
ほぼ一定に保ちつつ連続的にフィードするのが良い。こ
の際、同時に晶析液(スラリー)を引抜く、所謂連続晶
析操作を行うと、装置容積当たりの生産速度を高めるこ
とが出来る。ただし、その際、上述したように発泡が著
しいので、特に溶媒が水である場合には、液温や、真空
度、フィード速度等の運転条件を適宜調整して、蒸発速
度を40kg/m2・hr以下、より好ましくは20kg/m2・hr以
下に制御する必要がある。もしくは、溶媒として、低級
アルコールを含む水性混合溶媒を用いる。低級アルコー
ルとしては、メタノール、エタノール等が挙げられる
が、α−APMとのエステル交換の可能性を考慮する
と、メタノールが最も望ましい。アルコール濃度は高す
ぎても、かえって結晶の固液分離性が劣化するので、通
常溶媒中10乃至60容量%の範囲から選択することが
好ましい。原料溶液中のα−APM濃度は、薄すぎると
濃縮のために蒸発負荷の増大を招くので、使用する溶媒
で30℃以上の飽和溶液とするのが良い。一方、高温域
では溶解度も上昇するが、同時にα−APMの分解も生
じるので、例えば80℃の溶解度をもって原料液濃度の
上限とすべきである。
【0011】
【発明の効果】本発明の方法によれば、α−APMを晶
析する方法において、晶析時のスケーリングなどの操作
性も著しく改善され、更に低級アルコールを含む水性溶
媒を使用すると得られるα−APM結晶の固液分離性や
収率が大幅に向上し、工程が簡略化されるので、実用上
価値の高い方法である。
析する方法において、晶析時のスケーリングなどの操作
性も著しく改善され、更に低級アルコールを含む水性溶
媒を使用すると得られるα−APM結晶の固液分離性や
収率が大幅に向上し、工程が簡略化されるので、実用上
価値の高い方法である。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、実施例中のα−APM結晶の漉過性評価試
験は以下の方法によった。
する。なお、実施例中のα−APM結晶の漉過性評価試
験は以下の方法によった。
【0013】漉過比抵抗の測定法 対象となるスラリー1Lをサンプリングし、トップフィ
ード方式の吸引漉過器(リーフテスター)で漉過を行っ
た。漉過の差圧は70mmHgで、漉過期間中一定となるよ
う調整した。漉過の開始から一定時間毎に漉液量V[m
l]を測定し、漉液量を横軸に、漉過の経過時間θ[se
c]を漉液量で割った値θ/Vを縦軸にとり直線の傾きK
[sec/ml2]を最少2乗法で求めた。スラリー中の結晶
総量[g]をスラリー中の全液体総量[ml]で割った値
をC′とし、以下の式に代入した。なお漉過面積Aは9
3[ml]、漉液の粘度μは0.0135[g/cm・sec]で
あった。このようにして算出されたケーキ比抵抗α[m/
kg]は漉過しやすさの目安さとなり、その値が小さいほ
ど漉過は容易である。
ード方式の吸引漉過器(リーフテスター)で漉過を行っ
た。漉過の差圧は70mmHgで、漉過期間中一定となるよ
う調整した。漉過の開始から一定時間毎に漉液量V[m
l]を測定し、漉液量を横軸に、漉過の経過時間θ[se
c]を漉液量で割った値θ/Vを縦軸にとり直線の傾きK
[sec/ml2]を最少2乗法で求めた。スラリー中の結晶
総量[g]をスラリー中の全液体総量[ml]で割った値
をC′とし、以下の式に代入した。なお漉過面積Aは9
3[ml]、漉液の粘度μは0.0135[g/cm・sec]で
あった。このようにして算出されたケーキ比抵抗α[m/
kg]は漉過しやすさの目安さとなり、その値が小さいほ
ど漉過は容易である。
【0014】〈比抵抗の計算式〉 α=20・K・A2・PT/μ・C′[m/kg] ここにおいて、 α=漉過ケークの比抵抗[m/kg] μ=漉液の粘度[g/cm・sec] PT=漉過ケークと漉過器具による差圧[dyne/cm2]=Δ
Ρ[mmHg]×1333.22 Α=漉過面積[cm2] C′=スラリー中の液体成分単位体積当たりの結晶重量
[g/ml] =乾燥ケーキ重量[g]/(湿ケーキ重量[g]−乾燥ケーキ
重量[g]+最終漉液量[ml]) とする。
Ρ[mmHg]×1333.22 Α=漉過面積[cm2] C′=スラリー中の液体成分単位体積当たりの結晶重量
[g/ml] =乾燥ケーキ重量[g]/(湿ケーキ重量[g]−乾燥ケーキ
重量[g]+最終漉液量[ml]) とする。
【0015】実施例で用いた装置の概略を図1に示す。
【0016】実施例1 図1に示されたパイロットプラントの実験系において、
容量200Lのジャケット付晶析槽(1)にα−APM
濃度4.5重量%の液温65℃であるα−APM水溶液
をフィードし、晶析槽の内圧を外部減圧装置(2)によ
り8ないし10Torrに保ち、冷却または加熱することな
しに蒸発潜熱のみで晶析槽内の液温を10℃に保った。
なお、フィ−ド速度は平均110リッタ-/Hrで、水の蒸発
速度は40kg/m2・Hr、またこの条件下で装置内液面高さ
がほぼ50%で一定となるように、スラリ−の引抜きを
行った。この操作を24時間連続的に行ったが、この間
急激な発泡もなく、スラリーは良好な流動性を保った。
得られたスラリーの比抵抗値は7×1010[m/kg]であ
った。小型遠心漉過機によって漉過後15分脱水した結
晶の水分は65%であった。
容量200Lのジャケット付晶析槽(1)にα−APM
濃度4.5重量%の液温65℃であるα−APM水溶液
をフィードし、晶析槽の内圧を外部減圧装置(2)によ
り8ないし10Torrに保ち、冷却または加熱することな
しに蒸発潜熱のみで晶析槽内の液温を10℃に保った。
なお、フィ−ド速度は平均110リッタ-/Hrで、水の蒸発
速度は40kg/m2・Hr、またこの条件下で装置内液面高さ
がほぼ50%で一定となるように、スラリ−の引抜きを
行った。この操作を24時間連続的に行ったが、この間
急激な発泡もなく、スラリーは良好な流動性を保った。
得られたスラリーの比抵抗値は7×1010[m/kg]であ
った。小型遠心漉過機によって漉過後15分脱水した結
晶の水分は65%であった。
【0017】実施例2 水の蒸発速度を20kg/m2・Hrとした他は実施例1と同様
の条件で実験を行った。この操作を24時間連続的に行
ったが、この間急激な発泡もなく、スラリーは良好な流
動性を保った。得られたスラリーの比抵抗値は5.0×
1010m/kgであった。15分脱水後の結晶水分は62.
1%であった。
の条件で実験を行った。この操作を24時間連続的に行
ったが、この間急激な発泡もなく、スラリーは良好な流
動性を保った。得られたスラリーの比抵抗値は5.0×
1010m/kgであった。15分脱水後の結晶水分は62.
1%であった。
【0018】比較例1 蒸発速度を100kg/m2・hrとした以外は実施例1と同様
の操作を行った。運転開始直後から著しい発泡により液
面は1m近く上昇し、運転をすることが困難であったた
め、5時間で中止した。
の操作を行った。運転開始直後から著しい発泡により液
面は1m近く上昇し、運転をすることが困難であったた
め、5時間で中止した。
【0019】実施例3 実施例1と同様の実験装置を用い、晶析槽(1)にα−
APM濃度4.3重量%の液温50℃であるα−APM
の30容量%メタノール水溶液を平均188リットル/Hrで
フィードし、晶析槽の内圧を外部減圧装置(2)により
約30Torrに保ち、晶析槽内の液温を20℃に保った。
なお、溶媒の蒸発速度は53kg/m2・Hr、.またスラリ−
を平均176リットル/Hrで引抜いて、装置内液面の高さを
ほぼ一定とした。この操作を24時間連続的に行った
が、この間急激な発泡もなく、スラリーは良好な流動性
を保った。得られたスラリーの比抵抗値は8.6×10
9m/kgであった。遠心漉過機で15分脱水後の結晶水分
(乾燥減量)は44%であった。
APM濃度4.3重量%の液温50℃であるα−APM
の30容量%メタノール水溶液を平均188リットル/Hrで
フィードし、晶析槽の内圧を外部減圧装置(2)により
約30Torrに保ち、晶析槽内の液温を20℃に保った。
なお、溶媒の蒸発速度は53kg/m2・Hr、.またスラリ−
を平均176リットル/Hrで引抜いて、装置内液面の高さを
ほぼ一定とした。この操作を24時間連続的に行った
が、この間急激な発泡もなく、スラリーは良好な流動性
を保った。得られたスラリーの比抵抗値は8.6×10
9m/kgであった。遠心漉過機で15分脱水後の結晶水分
(乾燥減量)は44%であった。
【0020】実施例4 実施例1と同様の実験装置を用い、晶析槽(1)にα−
APM濃度3.7重量%の液温42℃であるα−APM
の30容量%メタノール水溶液を平均237リットル/Hrで
フィードし、晶析槽の内圧を外部減圧装置(2)により
約30Torrに保ち、晶析槽内α−APM溶液の一部を取
り出して外部熱交換器(3)で加熱を行い、濃縮比を
0.8として、晶析槽内の液温を20℃に保った。な
お、溶媒の蒸発速度は160kg/m2・Hr、溶液の循環速度
は0.4m3/Hrとした。槽内のメタノ−ル濃度は20容
量%であった。この操作を24時間連続的に行ったが、
この間急激な発泡もなく、スラリーは良好な流動性を保
った。得られたスラリ−の比抵抗値は2.8×109m/k
gであった。遠心漉過機で15分脱水後の結晶水分は
(乾燥減量)37.5%であった。
APM濃度3.7重量%の液温42℃であるα−APM
の30容量%メタノール水溶液を平均237リットル/Hrで
フィードし、晶析槽の内圧を外部減圧装置(2)により
約30Torrに保ち、晶析槽内α−APM溶液の一部を取
り出して外部熱交換器(3)で加熱を行い、濃縮比を
0.8として、晶析槽内の液温を20℃に保った。な
お、溶媒の蒸発速度は160kg/m2・Hr、溶液の循環速度
は0.4m3/Hrとした。槽内のメタノ−ル濃度は20容
量%であった。この操作を24時間連続的に行ったが、
この間急激な発泡もなく、スラリーは良好な流動性を保
った。得られたスラリ−の比抵抗値は2.8×109m/k
gであった。遠心漉過機で15分脱水後の結晶水分は
(乾燥減量)37.5%であった。
【図1】実施例1で用いた装置の概略図である。
1 晶析槽 2 減圧装置へ 3 熱交換器 4 遠心分離器(振り切り) 5 APM湿結晶 6 母液 7 フィ−ド槽 8 スラリ−保持槽 9 APM結晶 10 水、メタノ−ル
フロントページの続き (72)発明者 武田 英雄 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内
Claims (13)
- 【請求項1】 α−L−アスパルチル−L−フェニルア
ラニンメチルエステルをその水性溶液から結晶として析
出せしめる方法において、晶析装置内を減圧して溶媒を
蒸発し、その蒸発潜熱によって晶析液を冷却して晶析を
行うことを特徴とするα−L−アスパルチル−L−フェ
ニルアラニンメチルエステルの晶析方法。 - 【請求項2】 操作圧が100torr以下である請求項1
記載の方法。 - 【請求項3】 操作圧が50torr以下である請求項1記
載の方法。 - 【請求項4】 液温が20℃以下である請求項1乃至3
記載の方法。 - 【請求項5】 熱媒による間接加熱を併用する請求項4
記載の方法。 - 【請求項6】 装置内液深をほぼ一定とし、原料液の晶
析装置内への給液を連続的に行う請求項1乃至5記載の
方法。 - 【請求項7】 晶析スラリーの引抜きを連続的に行う請
求項6記載の方法。 - 【請求項8】 単位時間当たり、晶析液(またはスラリ
ー)蒸発面積当たりの溶媒蒸発量が40kg/m2・hr以下で
ある請求項6乃至7記載の方法。 - 【請求項9】 単位時間当たり、晶析液(またはスラリ
ー)蒸発面積当たりの溶媒蒸発量が20kg/m2・hr以下で
ある請求項6乃至7記載の方法。 - 【請求項10】 原料液の溶媒組成が水と低級アルコー
ルの混合溶媒である請求項1記載の方法。 - 【請求項11】 溶媒の蒸発による濃縮効果を併用する
請求項10記載の方法。 - 【請求項12】 低級アルコールがメタノールである請
求項10乃至11記載の方法。 - 【請求項13】 原料液の溶媒組成でメタノール濃度が
体積百分率で10ないし60%である請求項12の方
法。
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