JPH1194071A - 車両用無段変速機の変速制御方法 - Google Patents
車両用無段変速機の変速制御方法Info
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- JPH1194071A JPH1194071A JP10197424A JP19742498A JPH1194071A JP H1194071 A JPH1194071 A JP H1194071A JP 10197424 A JP10197424 A JP 10197424A JP 19742498 A JP19742498 A JP 19742498A JP H1194071 A JPH1194071 A JP H1194071A
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- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
Abstract
停車して、再発進不能になるのを防止する無段変速機の
変速制御方法を提案する。 【解決手段】 発進操作後ホイールスピンが検出される
瞬時tspinより高速側変速比を制限する設定変速比ip
* を定める。従って、本来ならスピンによる駆動輪速V
W の急上昇に呼応して変速比ipがβで示すように大き
く高速側の値になって、足放しによる停車時に変速比i
pがδに固定されるところながら、変速比ipは設定変
速比ip* よりも高速側になることがなく、停車時にδ
よりも大きな(低速側の)γに固定される。これがため
駆動力不足による再発進不能を防止することができ、再
発進操作時t4 以後における車体速VB の経時変化から
明らかなように再発進を可能ならしめる。
Description
無段変速機の変速制御方法、特に駆動輪がホイールスピ
ンを生じた時において、再発進を可能にする車両用無段
変速機の変速制御方法に関するものである。
平8-178042号公報に開示されたものがある。この無段変
速機は、エンジン回転を入力されるプライマリプーリ
と、駆動輪に結合されたセカンダリプーリと、これらプ
ーリ間に掛け渡したVベルトとを主たる構成要素とし、
プライマリプーリからVベルトを経てセカンダリプーリ
へ動力を伝達している間に、プライマリプーリおよびセ
カンダリプーリのV溝幅を変更してこれら両プーリに対
するVベルトの巻き掛け円弧径を変化させることにより
変速比を無段階に変更することができるようにしたもの
である。
すもので、スロットル開度TVOごとに目標とすべき、
車速VSPに対するプライマリプーリの回転数Npri の
関係を表す。ここで、スロットル開度TVOおよび車速
VSPの組み合わせに対応したプライマリプーリ回転数
Npri の到達すべき値(到達Npri )は、ハードウエア
限界を考慮して定められた最も低速側の変速線(最Low
変速線)と最も高速側の変速線(最High変速線)とをそ
れぞれ表す折れ線で囲まれた領域内の値を取り、プライ
マリプーリ回転数Npri がこの到達Npri になるよう無
段変速機は変速制御される。その結果、到達Npri とセ
カンダリプーリの回転数Nsec との比で表される、変速
比ipの到達すべき値(到達ip)は、到達ip=到達
Npri /Nsec により規定され、無段変速機はこの到達
ipの値を取るよう変速制御される。
速制御においては、車両が路面摩擦係数μの低い積雪時
の登坂路を発進する場合等において以下の問題を生ず
る。つまり、当該登坂低μ路面での発進に際して図6に
示すように、スロットル開度TVOを開く発進操作瞬時
t1 の直後に、駆動輪速VW が急上昇したにもかかわら
ず車体速VB がほとんど上昇しない現象(駆動輪のホイ
ールスピン)を生ずると、従来の変速制御は駆動輪速V
W の急上昇に呼応して変速比ipを急速に高速側(High
側)にアップシフトさせる。
て図6の瞬時t2 に見られるようにアクセルペダルから
足を放す足放しを行うこととなる。これによりスロット
ル開度TVOが全閉にされることから駆動輪速VW も急
速に低下して車体速VB と共に0となり、瞬時t3 にお
いて車両は停止するに到る。しかして、車体速VB がそ
れ程上がっていないので、変速機の変速比ipが低速側
(Low 側)に充分戻る前に車両が停止することになり、
変速比ipが停車瞬時t3 の時の高速側に固定されてし
まう。
た状態では、停車後の瞬時t4 にアクセルペダルを踏み
込んで(スロットル開度TVOを開いて)再発進操作を
行っても、高速側変速比故に駆動力不足で再発進が困難
になる可能性がある。
しては従来、スノーモードを手動スイッチ、若しくは自
動的に選択可能とし、当該モードでは例えば図5のハッ
チングを付して示す低速側の領域での到達Npri を取る
ような変速動作、すなわち当該領域に属する低速側到達
ipとなるような変速動作を、たとえ発進時と雖も禁止
して駆動力の低下によりホイールスピンが発生し難くす
る対策がある。しかしながらこのスノーモードによって
も、一旦駆動輪がホイールスピンを生じた後は上述した
問題を払拭することができず、上記の再発進不能防止対
策にはなり得ない。
イールスピンを生じた後における再発進を、変速の制限
により可能にして上記の問題解決を実現した車両用無段
変速機の変速制御方法を提案することを目的とする。
よる変速の制限が本当に必要な時にのみ行われるように
して、この制限が無駄に行われる弊害を回避することを
目的とする。
よる変速の制限が必要最小限だけ行われるようにして、
この制限が必要以上に行われる弊害を回避することを目
的とする。
よる変速の制限を解除する時にこれを徐々に行うように
して、変速比が急変する違和感を解消することを目的と
する。
ように変速の制限を徐々に解除する場合においても、停
車後の再発進ができなくなることのないようにすること
を目的とする。
ように変速の制限を徐々に解除している過程で駆動輪が
ホイールスピンした時の再発進不能防止を可能にする車
両用無段変速機の変速制御方法を提案することを目的と
する。
第6発明の各発明において特にアンチロックブレーキ装
置の性能が犠牲になることのないようにすることを目的
とする。
ず第1発明による車両用無段変速機の変速制御方法は、
車両に搭載した無段変速機の変速制御に際し、車両の駆
動輪加速度が設定加速度以上になった時、無段変速機の
変速比が設定変速比未満の高速側変速比へ移行する変速
動作を禁止することを特徴とするものである。
速制御方法は、上記第1発明において、前記設定加速度
を車両ごとの実現不能な大加速度域の下限値としたこと
を特徴とするものである。
速制御方法は、第1発明または第2発明において、前記
設定変速比を予定の路面摩擦係数および路面勾配の基で
発進可能な駆動力が得られる限界変速比としたことを特
徴とするものである。
御方法は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、
前記設定変速比を所定の時間変化勾配で最高速変速比に
向け低下復帰させて、前記変速動作の禁止を漸次緩和す
ることを特徴とするものである。
御方法は、第4発明において、車速が停車判定車速以下
の間は前記設定変速比の低下を禁止することを特徴とす
るものである。
御方法は、第4発明または第5発明において、前記設定
変速比が最高速変速比への復帰を完了する前に駆動輪加
速度が再び前記設定加速度以上になる時、前記設定変速
比を低下開始前の初期値にリセットすることを特徴とす
るものである。
御方法は、第1発明乃至第6発明のいずれかにおいて、
車輪の制動ロックを防止するアンチロックブレーキ装置
の作動時には、前記駆動輪加速度に応じた変速動作の禁
止を解除することを特徴とするものである。
度が設定加速度以上になった時、無段変速機の変速比が
設定変速比未満の高速側変速比へ移行する変速動作を禁
止する。ここで駆動輪加速度が設定加速度以上になる場
合には、駆動輪のホイールスピンが予測され、車体速は
それほど高くならないのに駆動輪速が急上昇し、駆動輪
速の急上昇に呼応して無段変速機は変速比を急速に高速
側にアップシフトされる傾向にある。
段変速機の変速比を設定変速比未満の高速側変速比にす
ることがないから、上記のアップシフトが制限される。
これがため、運転者がホイールスピンを感知してアクセ
ルペダルから足を放した時に、車体速がそれほど高くな
いことから車両が直ちに停止して変速比がこの時の変速
比に固定されると雖も、変速比が従来の変速制御におけ
るよりも低速側変速比に固定されることとなる。従っ
て、停車後の再発進操作がなされた時に当該低速側変速
比での再発進となり、駆動力不足故の再発進不能を回避
することができる。
車両ごとの実現不能な大加速度域の下限値としたから、
駆動輪加速度から判断するホイールスピンの予測が一層
正確となり、上記アップシフトの制限を本当に必要な時
にのみ行ってこれが無駄に行われる弊害、例えば燃費の
悪化や、高エンジン回転数域の使用による騒音に関した
弊害を回避することができる。
定の路面摩擦係数および路面勾配の基で発進可能な駆動
力が得られる限界変速比としたから、当該予定の路面摩
擦係数および路面勾配の道路上で再発進が確実に可能と
なり、そのための前記アップシフトの制限を必要最小限
して、この変速制限が必要以上に行われる弊害、例えば
燃費の悪化や、高エンジン回転数域の使用による騒音に
関した弊害を回避することができる。
定の時間変化勾配で最高速変速比に向け低下復帰させ
て、前記変速動作の禁止を漸次緩和するために、前記ア
ップシフト(変速)の制限を解除する時にこれが徐々に
行われることとなり、変速比が急変する違和感を解消す
ることができる。
以下の間は第4発明における上記設定変速比の低下を禁
止することから、第4発明のように変速の制限を徐々に
解除する場合においても、停車後の再発進時に発進不能
な高速側変速比まで戻ってしまうことがなくなり、これ
が原因で再発進不能になるのを防止することができる。
高速変速比への復帰を完了する前に駆動輪加速度が再び
前記設定加速度以上になる時、前記設定変速比を低下開
始前の初期値にリセットするから、第4発明のように変
速の制限を徐々に解除している過程で駆動輪がホイール
スピンした時にも、再発進の不能を防止するという作用
効果を達成することができる。
防止するアンチロックブレーキ装置の作動時には、前記
駆動輪加速度に応じた高速側変速比への変速動作の禁止
を解除するため、アンチロックブレーキ装置の作動時に
高速側変速比への変速動作が許可されることとなり、か
かる高速側変速比への変速は駆動輪の回転イナーシャを
小さくして、アンチロックブレーキ装置が駆動輪の制動
ロック時にブレーキ液圧を低下させた時における駆動輪
の回転回復(スピンナップ)を容易にし、アンチロック
ブレーキ装置の性能が犠牲になるのを防止することがで
きる。
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の変速制御方
法を実施するに際して用いる無段変速機の変速制御装置
を具えた車両のパワートレーンと、その電子制御系を示
し、該パワートレーンをエンジン1と無段変速機2とで
構成する。エンジン1は、運転者によるアクセルペダル
操作で開度を決定されるスロットルバルブ3を具え、こ
れを経由した吸入空気と噴射燃料とで運転される周知の
ものとする。
機とし、トルクコンバータ6を介してエンジン1の出力
軸に駆動結合されたプライマリプーリ7と、これに同一
軸直角面内に整列配置したセカンダリプーリ8と、これ
ら両プーリ間に掛け渡したVベルト9とを具える。そし
て、セカンダリプーリ8にファイナルドライブギヤ組1
0を介してディファレンシャルギヤ装置11を駆動結合
し、これらにより図示せざる駆動輪を回転するものとす
る。
プーリ7およびセカンダリプーリ8のそれぞれのV溝を
形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の
固定フランジに対して相対的に接近してV溝幅を狭めた
り、離反してV溝幅を広め得るようにし、両可動フラン
ジを、到達変速比(到達ip)指令に応動する油圧アク
チュエータ12からのプライマリプーリ圧Ppri および
セカンダリプーリ圧Psec に応じた位置に変位させるこ
とで、無段変速機2を実変速比が到達ipに一致するよ
う無段変速させ得るものとする。
を演算して求めることとする。これがためコントローラ
13には、エンジン1のスロットル開度TVOを検出す
るスロットル開度センサ16からの信号と、変速機出力
回転数であるセカンダリプーリ8の回転数Nsec を検出
するセカンダリプーリ回転センサ18からの信号と、車
速VSPを検出する車速センサ19からの信号と、無段
変速機2の現在選択中のレンジを検出するインヒビタス
イッチ20からの信号と、駆動輪の周速である駆動輪速
VW を検出する駆動輪速センサ21からの信号と、車輪
の制動時におけるロックを防止するためにブレーキ液圧
を適宜減圧するアンチロックブレーキ装置(ABS)2
2からの作動、非作動信号とをそれぞれ入力する。
に、図2に示す制御プログラムにより本発明が狙いとす
る無段変速機2の変速制御を実行するものとする。先ず
ステップ31において、変速機の選択レンジがDレンジ
(前進走行レンジ)であるか否かを判断し、Dレンジ以
外であれば、本発明が狙いとする無段変速機2の変速制
御が不要であるから、ステップ39で当該Dレンジ以外
用の通常の変速制御を行って、図1のアクチュエータ1
2に対する到達ipを決定する。
駆動輪速VW から求めた駆動輪加速度αが設定加速度α
spin以上であるか否かを判定する。ここで設定加速度α
spinは、駆動輪タイヤが路面をグリップしている場合に
おいて車両が実現可能な最大加速度よりも若干大きな
値、換言すれば、車両が実現不能な大加速度域の下限値
に定め、駆動輪がホイールスピンするか否かを判定する
ためのスピン判定加速度値とする。従って、駆動輪加速
度αが設定加速度αspin以上であるということは、スピ
ンの可能性があることを意味する。
は、つまり駆動輪がホイールスピンを生ずる可能性のな
い場合は、本発明が狙いとする無段変速機2の変速制御
が不要であるから、ステップ39においてDレンジ用の
通常の変速制御を以下のごとに行う。つまり先ず車速V
SPおよびスロットル開度TVOから、図3に例示する
予定の変速マップを基に、現在の運転状態で最終的に目
標とすべきプライマリプーリ回転数Npri の目標値(到
達Npri )を、最も低速側の変速線(最Low 変速線)と
最も高速側の変速線(最High変速線)とで囲まれた領域
内より検索により求める。次いで、上記の到達Npri を
変速機出力回転数であるセカンダリプーリ回転数Nsec
で除算することにより、到達Npri を実現するための変
速比ipの目標値(到達ip)を演算し、これをもって
図2のアクチュエータ12に対する変速指令とする。
は、つまり駆動輪がホイールスピンを生ずる可能性のあ
る場合は、本発明が狙いとする無段変速機2の変速制御
を以下のごとに行う。即ち、先ずステップ33で、当該
ホイールスピン発生時の再発進不能を防止するために行
う変速(アップシフト)制限のための設定変速比ip*
として、例えば図3に示すような変速比ipi * を設定
する。次いでステップ34において、到達ipが設定変
速比ip* 以上の範囲内で変化する変速(低車速側変速
比)のみを許可し、到達ipが設定変速比ip* 未満と
なるような高車速側変速比への変速を禁止する。
が図3に例示する変速比ipi * にされた直後の場合、
図3における変速比ipi * の線と、最High変速線との
間に挟まれたハッチングを付して示す領域が、ホイール
スピン発生時の再発進不能を防止するための変速禁止領
域である。ここで図3における変速比ipi * は、予定
の路面摩擦係数および路面勾配の基で発進可能な駆動力
が得られる限界変速比とするのが良く、車両ごとに任意
に定め得ること勿論である。
ジがDレンジか否かをチェックし、Dレンジ以外なら勿
論制御をステップ39に進めて、対応レンジ用の通常の
変速制御を行わせる。依然としてDレンジなら、ステッ
プ36でアンチロックブレーキ装置(ABS)22(図
1参照)が非作動か作動中かを判定し、作動中なら制御
をステップ39に進めてDレンジ用の通常の変速制御に
切り換え、ホイールスピン発生時の前記変速(アップシ
フト)制限を行わないこととする。かようにアンチロッ
クブレーキ装置の作動中にアップシフトの制限を行わな
いことにより、高速側変速比への変速動作が許可される
こととなり、かかる高速側変速比への変速は駆動輪の回
転イナーシャを小さくして、アンチロックブレーキ装置
が駆動輪の制動ロック時にブレーキ液圧を低下させた時
における駆動輪の回転回復(スピンナップ)を容易に
し、アンチロックブレーキ装置の性能が犠牲になるのを
防止することができる。
動中なら、ステップ37において駆動輪速VW が停車判
定車速VLOW 以下になったか否かにより、停車に到った
か否かを判定する。停車前なら、ステップ38で前記の
設定変速比ip* が復帰判定ip以下か否かにより、最
High変速線に戻ったか否かを判定し、最High変速線に戻
るまでは、ステップ40で駆動輪加速度αがスピン判定
加速度αspin以上でない(駆動輪がスピンしない)と判
定していることを条件に、ステップ41で設定変速比i
p*をΔipずつ、つまり所定の時間変化勾配で最High
変速線に向け低下復帰させ、これをステップ34でのア
ップシフト制限値とする。従って設定変速比ip* は、
当初の図3における変速比ipi * の線から最High変速
線へと所定の時間変化勾配で低下復帰することとなり、
これら両線の間に挟まれたハッチングを付して示す変速
禁止領域を漸減させ、何時までもアップシフトの制限が
行われるのを防止し得ると共に、当該低下復帰が所定の
時間変化勾配でなされることから、この時に変速比が急
変する違和感も解消することができる。
の低下復帰により最High変速線に戻ったと判定する時、
制御はステップ39に進み、通常の変速制御が行われる
ことになる。
間はステップ41をスキップして制御をステップ34に
戻すことにより、設定変速比ip* の上記低下復帰を中
止して、設定変速比ip* を停車に到った瞬時の値に保
持する。
未だ最High変速線に戻っていないと判定する間に、ステ
ップ40で駆動輪加速度αがスピン判定加速度αspin以
上になった(新たなホイールスピンが発生する)と判定
した場合は、制御をステップ33に戻して設定変速比i
p* を図3の初期値ipi * にリセットする。
ると全く同じ走行条件のもとで同図と同じアクセルペダ
ル操作(スロットル開度TVOの操作)を行った図4の
タイムチャートにより更に付言する。駆動輪加速度αが
スピン判定加速度αspin以上となる(ステップ32)ホ
イールスピン判定瞬時tspinに、設定変速比ip* は図
3の初期値ipi * にされ(ステップ33)、設定変速
比ip* はその後、駆動輪速VW が停車判定車速VLOW
を超える(ステップ37)発進判定瞬時tS1までの間、
初期値ipi * に保持され、駆動輪速VW が停車判定車
速VLOW 以下となる(ステップ37)停車判定瞬時tS2
までの間、設定変速比ip* は所定の時間変化勾配Δi
pで低下され(ステップ41)、駆動輪速VW が再び停
車判定車速VLOW を超える(ステップ37)再発進判定
瞬時tS3までの間、停車判定瞬時tS2の値に保持され、
再発進判定瞬時tS3以後、設定変速比ip* は所定の時
間変化勾配Δipで低下され(ステップ41)、最終的
に最High変速線に復帰する。
速VW が急上昇したにもかかわらず車体速VB がほとん
ど上昇しない駆動輪のホイールスピンを生ずると、従来
の変速制御は駆動輪速VW の急上昇に呼応して、図6の
変速比ipの経時変化を移記したβに示すように変速比
ipを急速に高速側(High側)にアップシフトさせる。
この際運転者は、ホイールスピンを感知して瞬時t2 に
見られるようにアクセルペダルから足を放す足放しを行
うが、これによりスロットル開度TVOが全閉にされる
ことから駆動輪速VW も急速に低下して車体速VB と共
に0となり、瞬時t3 において車両は停止する。
ないので、変速機の変速比ipが低速側(Low 側)に充
分戻る前に車両が停止することになり、変速比ipがδ
で示すように停車瞬時t3 の時の高速側変速比に固定さ
れてしまう。このように高速側に変速比ipが固定され
た状態では、停車後の瞬時t4 にアクセルペダルを踏み
込んで(スロットル開度TVOを開いて)再発進操作を
行っても、高速側変速比故に駆動力不足で再発進が困難
になることがある。
プ34で変速比ipの目標値である到達ipが設定変速
比ip* 以上の範囲内で変化する変速(低車速側変速
比)のみを許可し、到達ipが設定変速比ip* 未満と
なるような高車速側変速比への変速を禁止することか
ら、変速比ipが図4に示すごとく、設定変速比ip*
未満の高車速側変速比になることがなく、アップシフト
の制限がなされる。従って、足放し後に車両が直ちに停
止して変速比ipがこの時の変速比γに固定されると雖
も、変速比が従来の変速制御におけるδよりも低速側変
速比に固定されるために、停車後の再発進操作がなされ
た時に当該低速側変速比からの再発進となり、駆動力不
足故の再発進不能を防止することができ、再発進操作瞬
時t 4 以後における車体速VB の上昇から明らかなよう
に再発進を保証し得る。
加速度αspinを車両ごとの実現不能な大加速度域の下限
値としたから、駆動輪加速度α≧αspinから判断するホ
イールスピンの予測(ステップ32)が一層正確とな
り、上記アップシフトの制限を、本当に再発進防止作用
が必要な時にのみ行って、これが無駄に行われる弊害、
例えば燃費の悪化や、高エンジン回転数域の使用による
騒音に関した弊害を回避することができる。
トの制限変速比である設定変速比ip* の初期値ipi
* を予定の路面摩擦係数および路面勾配の基で発進可能
な駆動力が得られる限界変速比としたから、当該予定の
路面摩擦係数および路面勾配の道路上で再発進が確実に
可能となり、そのための前記アップシフトの制限を必要
最小限して、このアップシフト制限が必要以上に行われ
る弊害、例えば燃費の悪化や、高エンジン回転数域の使
用による騒音に関した弊害を回避することができる。
〜ts2間、およびts3以後に見られるごとく、所定の時
間変化勾配Δipで最高速変速比に向け低下復帰させて
(ステップ41)、前記アップシフトの制限を漸次緩和
するために、当該アップシフトの制限が何時までも継続
される不都合を回避し得ると共に、当該アップシフトの
制限を解除する時にこれが徐々に行われることとなり、
変速比が急変する違和感を解消することができる。
の停車判定中は(ステップ37)、図4の瞬時ts2〜t
s3に示すように設定変速比ip* の低下復帰を禁止し
て、停車判定開始時ts2の値を保持することから、上記
のごとくアップシフトの制限を徐々に解除する場合にお
いても、停車後の再発進時に発進不能な高速側変速比ま
で戻ってしまうことがなくなり、これが原因で再発進不
能になるのを防止することができる。
比ip* が最高速変速比への復帰を完了する前に(ステ
ップ38)、駆動輪加速度αが再びスピン判定加速度α
spin以上になる時(ステップ40)、設定変速比ip*
を低下開始前の初期値ipi * にリセットするから、ア
ップシフトの制限を徐々に解除している過程で駆動輪が
再度ホイールスピンした時にも、再発進の不能を防止す
るという作用効果を確実に達成することができる。
変速機がVベルト式無段変速機である場合について説明
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、トロ
イダル型無段変速機など他の型式の無段変速機にも同様
の考え方により適用することができる。
用いる無段変速機の変速制御装置を具えた車両のパワー
トレーンを、その電子制御系と共に示す概略線図であ
る。
による変速制御を行うに際して実行する変速制御プログ
ラムを示すフローチャートである。
を、本発明によるホイールスピン時再発進不能防止用の
変速禁止領域と共に示す線図である。
ーモードで規定された一般的な変速禁止領域を、無段変
速機の変速パターン上に示す線図である。
再発進不能になった時の変速動作を示すタイムチャート
である。
Claims (7)
- 【請求項1】 車両に搭載した無段変速機の変速制御に
おいて、 車両の駆動輪加速度が設定加速度以上になった時、無段
変速機の変速比が設定変速比未満の高速側変速比へ移行
する変速動作を禁止することを特徴とする車両用無段変
速機の変速制御方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、前記設
定加速度を車両ごとの実現不能な大加速度域の下限値と
したことを特徴とする車両用無段変速機の変速制御方
法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法におい
て、前記設定変速比を予定の路面摩擦係数および路面勾
配の基で発進可能な駆動力が得られる限界変速比とした
ことを特徴とする車両用無段変速機の変速制御方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
方法において、前記設定変速比を所定の時間変化勾配で
最高速変速比に向け低下復帰させて、前記変速動作の禁
止を漸次緩和することを特徴とする車両用無段変速機の
変速制御方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の方法において、車速が
停車判定車速以下の間は前記設定変速比の低下を禁止す
ることを特徴とする車両用無段変速機の変速制御方法。 - 【請求項6】 請求項4または5に記載の方法におい
て、前記設定変速比が最高速変速比への復帰を完了する
前に駆動輪加速度が再び前記設定加速度以上になる時、
前記設定変速比を低下開始前の初期値にリセットするこ
とを特徴とする車両用無段変速機の変速制御方法。 - 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
方法において、車輪の制動ロックを防止するアンチロッ
クブレーキ装置の作動時には、前記駆動輪加速度に応じ
た変速動作の禁止を解除することを特徴とする車両用無
段変速機の変速制御方法。
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