JPH11343892A - 車両のエンジン自動停止制御装置 - Google Patents

車両のエンジン自動停止制御装置

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JPH11343892A
JPH11343892A JP10149186A JP14918698A JPH11343892A JP H11343892 A JPH11343892 A JP H11343892A JP 10149186 A JP10149186 A JP 10149186A JP 14918698 A JP14918698 A JP 14918698A JP H11343892 A JPH11343892 A JP H11343892A
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pポジションでエンジンが自動停止した場合
は、自動による再始動が行われないようにする。 【解決手段】 所定の停止条件が成立したときにエンジ
ンを自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立し
たときに該自動停止したエンジンを再始動する車両であ
って、前記所定の停止条件の中に、シフトポジションが
PまたはNポジションであるという条件が含まれている
車両のエンジン停止制御装置において、エンジンを自動
停止した後にシフトポジションがPポジションであるこ
とが検出(ステップ400)された場合は、再始動条件
の成立によるエンジンの再始動を禁止するフラグを立て
る(ステップ410)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の停止条件が
成立したときエンジンを自動停止するとともに、所定の
再始動条件が成立したとき該自動停止したエンジンを再
始動する車両のエンジン停止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行中において車両が停止し、且
つ所定の停止条件が成立した場合に、エンジンを自動的
に停止させ、燃料の節約、排気エミッションの低減、あ
るいは騒音の低減等を図るように構成した車両が、例え
ば特開平9−209790号公報において開示されてい
る。
【0003】同公報の技術では、エンジンの自動停止を
行う停止条件として、 (a)車両停止から所定時間を経過しており、エンジン
停止可であること (b)フットブレーキがON状態(踏み込まれている状
態)であること (c)バッテリの蓄電量が所定値以上であること の3つを上げており、これら3つの条件が全て成立した
ときに、エンジンを停止する指令を発する。
【0004】また、再始動条件の一つとして、 (d)フットブレーキが解除されたこと (e)バッテリの蓄電量が所定値を下回ったこと の2つを上げており、これら2つの条件のいずれかが成
立したときに、エンジンを再始動する指令を発する。
【0005】ここで、(e)の条件は、バッテリ上がり
を防止し、エンジン再始動が不可能な事態となることを
避けるために設けている。
【0006】停止条件の設定については、この公報のほ
かにもいくつか提案されており、例えば、フットブレー
キの代わりにサイドブレーキでもよしとするもの、ある
いは、シフトポジションがP(パーキング)ポジショ
ン、又は、N(ニュートラル)ポジションであること、
即ち非駆動ポジションであることを含ませるようにした
条件設定例も開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術においては、所定の条件が成立して自動停止制御で
エンジンが停止している場合、再始動条件が成立する
と、Pポジションであってもエンジンが再始動すること
になっていた。
【0008】しかしながら、長時間停車する意思をもっ
ているからPポジションを選択しているのに、例えばブ
レーキペダルを離しただけで止まっていたエンジンが再
び始動してしまうのは、燃料節約等の意向に反すること
になると考えられる。また、停止条件の中に例えばフッ
トブレーキの代わりにサイドブレーキでもよしとしてい
るシステムにあっては、自動停止中にそのまま運転者が
車を離れるようなことも考えられ、この場合、例えばバ
ッテリ蓄電量の低下によって再始動条件が成立すると、
(蓄電量が回復するまで)エンジンが作動したままの状
態となってしまう。
【0009】本発明は、上記事情を考慮し、Pポジショ
ンでエンジンの自動停止を行っても、上述したような不
具合が発生しないようにした車両のエンジン自動停止制
御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、所定
の停止条件が成立したときにエンジンを自動停止すると
ともに、所定の再始動条件が成立したときに該自動停止
したエンジンを再始動する車両のエンジン自動停止制御
装置において、前記シフトポジションがパーキングポジ
ションであるか否かを検出する手段を備え、前記エンジ
ンを自動停止した後、現在のシフトポジションがパーキ
ングポジションであることが検出された場合は、前記エ
ンジンの再始動を禁止することにより、上記課題を解決
したものである。
【0011】本発明では、Pポジションでエンジンが自
動停止しているときには、たとえ再始動条件が成立して
も、自動によるエンジンの再始動が行われない。従っ
て、例えばエンジン自動停止しているときフットブレー
キをオフとしてもPポジションである限りはエンジンが
再始動してしまうことはなく、燃料節約等の意向にも沿
うことになる。
【0012】なお、この請求項1に記載の発明は、『再
始動条件の中に、「シフトポジションがPポジションで
ない」という条件が含まれている』というように捉える
こともできる。
【0013】また、エンジンの再始動を禁止したままで
あると、もし、ヘッドライトやデフォッガ等の補機負荷
を使用していた場合、バッテリの蓄電量が減ってくる。
【0014】そこで、請求項2の発明では、さらに車両
に搭載したバッテリの蓄電量を検出する手段を備え、前
記エンジンの再始動が禁止された状態で、バッテリの蓄
電量が所定値を下回ったことが検出された場合は、バッ
テリに接続される負荷への電気エネルギの供給を制限す
る(完全禁止を含む)ようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を詳細に説明する。
【0016】この実施形態では、図3に示されるような
車両の駆動システムにおいて、所定の停止条件が成立し
たときにエンジンを自動停止させるとともに、所定の再
始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再
始動させるようにし、さらにPポジションで自動停止し
ているときには、自動による再始動を禁止するようにし
ている。
【0017】図3において、1は車両に搭載されるエン
ジン、2は自動変速機である。このエンジン1には該エ
ンジン1を再始動させるためのモータ及び発電機として
機能するモータジェネレータ3が、該エンジン1のクラ
ンク軸1aに、クラッチ26、28及び減速機構Rを介
して連結されている。なお、エンジンスタータをモータ
ジェネレータ3と別に設け、エンジン始動時に、スター
タとモータジェネレータ3を併用したり、極低温時には
スタータを専用に使用してもよい。
【0018】減速機構Rは、遊星歯車式で、サンギア3
3、キャリア34、リングギア35を含み、ブレーキ3
1、ワンウェイクラッチ32を介してモータジェネレー
タ3及びクラッチ28の間に組込まれている。
【0019】自動変速機用2のオイルポンプ19は、エ
ンジン1のクランク軸1aにクラッチ26を介して直結
されている。なお、想像線Pで囲まれた構成のように、
オイルポンプ19′をクラッチ27を介してモニタジェ
ネレータ3と連結して設け、独自の入口配管24、出口
配管25により、オイルを自動変速機2の油圧制御装置
20内に供給するような構成としてもよい。自動変速機
2内には前進走行時に係合される公知の前進クラッチC
1が設けられている。
【0020】符号4はモータジェネレータ3に電気的に
接続されるインバータである。このインバータ4は、ス
イッチングにより電力源であるバッテリ5からモータジ
ェネレータ3への電気エネルギの供給を可変にしてモー
タジェネレータ3の回転速度を可変にする。また、モー
タジェネレータ3からバッテリ5への電気エネルギの充
電を行うように切り換える。
【0021】符号7はクラッチ26、27、28の断続
の制御、及びインバータ4のスイッチング制御、エアコ
ン41の制御、あるいはその他の補機(ヘッドライト、
デフォッガ等)42の制御等を行うためのコントローラ
である。又、コントローラ7へは、自動停止走行モード
(エコランモード)のスイッチ40の信号が入力され
る。図中の矢印線は各信号線を示している。また、この
コントロール7は、エンジン及び自動変速機等をコント
ロールするECU(電子制御装置)80とリンクしてい
る。
【0022】次に、上記自動変速機2における自動変速
システムの具体例を説明する。図4は、自動変速機2の
スケルトン図である。
【0023】この自動変速機2は、トルクコンバータ1
11、副変速部112及び主変速部113を備えてい
る。
【0024】前記トルクコンバータ111は、ロックア
ップクラッチ124を備えている。このロックアップク
ラッチ124は、ポンプインペラ126に一体化させて
あるフロントカバー127とタービンランナ128を一
体に取付けた部材(ハブ)129との間に設けられてい
る。
【0025】エンジン1のクランク軸1aは、フロント
カバー127に連結されている。タービンランナ128
に連結された入力軸130は、副変速部112を構成す
るオーバードライブ用遊星歯車機構131のキャリヤ1
32に連結されている。
【0026】この遊星歯車機構131におけるキャリヤ
132とサンギヤ133との間には、クラッチC0と一
方向クラッチF0とが設けられている。この一方向クラ
ッチF0はサンギヤ133がキャリヤ132に対して相
対的に正回転(入力軸130の回転方向の回転)する場
合に係合するようになっている。
【0027】一方、サンギヤ133の回転を選択的に止
めるブレーキB0が設けられている。また、この副変速
部112の出力要素であるリングギヤ134が、主変速
部113の入力要素である中間軸135に接続されてい
る。
【0028】副変速部112は、クラッチC0もしくは
一方向クラッチF0が係合した状態では遊星歯車機構1
31の全体が一体となって回転するため、中間軸135
が入力軸130と同速度で回転する。また、ブレーキB
0を係合させてサンギヤ133の回転を止めた状態で
は、リングギヤ134が入力軸130に対して増速され
て正回転する。即ち、副変速部112はハイ・ローの2
段の切換えを設定することができる。
【0029】前記主変速部113は三組の遊星歯車機構
140、150、160を備えており、これらの歯車機
構140、150、160が以下のように連結されてい
る。
【0030】即ち、第1遊星歯車機構140のサンギヤ
141と第2遊星歯車機構150のサンギヤ151とが
互いに一体的に連結され、第1遊星歯車機構140のリ
ングギヤ143と第2遊星歯車機構150のキャリヤ1
52と第3遊星歯車機構160のキャリヤ162との三
者が連結されている。また、第3遊星歯車機構160の
キャリヤ162に出力軸170が連結されている。更に
第2遊星歯車機構150のリングギヤ153が第3遊星
歯車機構160のサンギヤ161に連結されている。
【0031】この主変速部113の歯車列では後進1段
と前進4段とを設定することができ、そのためのクラッ
チ及びブレーキが以下のように設けられている。
【0032】即ち、第2遊星歯車機構150のリングギ
ヤ153及び第3遊星歯車機構160のサンギヤ161
と中間紬135との間に前進クラッチC1が設けられ、
また第1遊星歯車機構140のサンギヤ141及び第2
遊星歯車機構150のサンギヤ151と中間軸135と
の間に後進段にて係合するクラッチC2が設けられてい
る。
【0033】第1遊星歯車機構140及び第2遊星歯車
機構150のサンギヤ141、151の回転を止めるブ
レーキB1が配置されている。また、これらのサンギヤ
141、151とケーシング171との間には、一方向
クラッチF1とブレーキB2とが直列に配列されてい
る。一方向クラッチF1はサンギヤ141、151が逆
回転(入力軸135の回転方向とは反対方向の回転)し
ようとする際に係合するようになっている。
【0034】第1遊星歯車機構140のキャリヤ142
とケーシング171との間にはブレーキB3が設けられ
ている。また、第3遊星歯車機構160のリングギヤ1
63の回転を止める要素としてブレーキB4と、一方向
クラッチF2とがケーシング171との間に並列に配置
されている。なお、この一方向クラッチF2はリングギ
ヤ163が逆回転しようとする際に係合するようになっ
ている。
【0035】上記の自動変速機2では、結局、後進1段
と前進5段の変速を行うことができる。
【0036】これらの変速段を設定するための各クラッ
チ及びブレーキ(摩擦係合装置)の係合作動表を図5に
示す。図5において、○印は係合状態、◎印はエンジン
ブレーキを確保すべきときにのみ係合状態、△印は係合
するが動力伝達に関係なし、空欄は解放状態をそれぞれ
示している。
【0037】図6はシフトレバーで切り換えるシフトポ
ジションの配列を示している。上(先側)から順に「P
(パーキング)」、「R(リバース)」、「N(ニュー
トラル)」、「D(ドライブ)」が配され、「D」の右
にマニュアルの「4」が配され、そこから下(手前側)
に順にマニュアルの「3」、「2」、そして「L(ロ
ー)」が並んでいる。マニュアルの「4」、「3」、
「2」にシフトレバーを動かすと、自動変速機は4速段
(4th)、3速段(3rd)、2速段(2nd)にそ
れぞれ固定される。
【0038】通常、自動変速機のシフトポジションが
「D」の状態であるときには、自動的に「1st」から
スタートする。また、マニュアルの2nd、3rd、4
thからの発進も(発進性は悪くなるが)可能である。
【0039】図4に戻り、各クラッチ及びブレーキ(摩
擦係合装置)の係合あるいは解放には、油圧制御装置2
0内のソレノイドバルブS1、S2、S3、S4、SL
N、SLT、SLUが、ECU(電子制御装置)80か
らの指令に基づいて駆動制御されることによって実行さ
れる。
【0040】ここで、S1、S2、S3はシフト用ソレ
ノイドバルブ、S4はエンジンブレーキ作動用ソレノイ
ドバルブ、SLNはアキュムレータ背圧制御用のソレノ
イドバルブ、SLTはライン圧制御用のソレノイドバル
ブ、SLUはロックアップ用ソレノイドバルブを示す。
【0041】ECU80は、前述したモータジェネレー
タ3用のコントローラ7とリンクしており、各種センサ
群90からの信号が入力されて、ソレノイドバルブ等を
制御し、各クラッチ及びブレーキ(摩擦係合装置)の係
合あるいは解放が行えるようにしている。
【0042】次に、上記自動変速機2において前進クラ
ッチC1を係合させる構成について説明する。図7は自
動変速機の油圧制御装置において前進クラッチC1を係
合させる構成の要部を示す油圧回路図である。
【0043】プライマリレギュレータバルブ50は、ラ
イン圧コントロールソレノイド52によって制御され、
オイルポンプ19によって発生された元圧をライン圧P
Lに調圧する。このライン圧PLは、マニュアルバルブ
54に導かれる。マニュアルバルブ54は、シフトレバ
ー44と機械的に接続され、ここでは、前進ポジショ
ン、例えば、Dポジション、あるいはマニュアルの1s
t(L)、2nd等が選択されたときにライン圧PLを
前進クラッチC1側に連通させる。
【0044】マニュアルバルブ54と前進クラッチC1
との間には大オリフィス56と切換弁58が介在されて
いる。切換弁58はソレノイド60によって制御され、
大オリフィス56を通過してきたオイルを選択的に前進
クラッチC1に導いたり遮断したりする。
【0045】切換弁58をバイパスするようにしてチェ
ックボール62と小オリフィス64が並列に組み込まれ
ており、切換弁58がソレノイド60によって遮断され
たときには大オリフィス56を通過してきたオイルは更
に小オリフィス64を介して前進クラッチC1に到達す
るようになっている。なお、チェックボール62は前進
クラッチC1の油圧がドレンされるときに該ドレンが円
滑に行われるように機能する。
【0046】切換弁58と前進クラッチC1との間の油
路66には、オリフィス68を介してアキュムレータ7
0が配置されている。このアキュムレータ70はピスト
ン72及びスプリング74を備え、前進クラッチC1に
オイルが供給されるときに、スプリング74によって決
定される所定の油圧にしばらく維持されるように機能
し、前進クラッチC1の係合終了付近で発生するショッ
クを低減する。
【0047】図8はECU80に対する信号の入出力関
係を示す。
【0048】ECU80には、図の左側に示す各種信号
(エンジン回転速度NE、エンジン水温、イグニッショ
ンスイッチの状態に関する信号、バッテリの蓄電量SO
C、ヘッドライトの状態に関する信号、デフォッガのO
N/OFF信号、エアコンのON/OFF信号、車速、
AT油温、シフトポジション信号、サイドブレーキのO
N/OFF信号、トルクコンバータのタービン回転速度
センサの信号、触媒温度、アクセル開度信号、クランク
位置の信号、フットブレーキ踏力センサの信号等)が入
力される。また、ECU80は、図の右側の各種信号
(点火信号、噴射信号、スタータへの信号、モータジェ
ネレータ用コントローラ7への信号、減速装置への信
号、ATソレノイドへの信号、ATライン圧コントロー
ルソレノイドへの信号、ABSアクチュエータへの信
号、自動停止制御実施インジケータ81への信号、自動
停止制御不実施インジケータ82への信号)を出力す
る。
【0049】次に、上記のハード構成の動作を説明す
る。
【0050】エンジン始動時にはクラッチ26、28が
接続状態とされ、モータジェネレータ3を駆動してエン
ジン1を始動する(スタータ併用あるいは単独の場合も
あるが、ここでは説明しない)。このときブレーキ31
をオンにすることで、モータジェネレータ3の回転は減
速機構Rのサンギア33側からキャリア34側に減速し
て伝達される。これにより、モータジェネレータ3とイ
ンバータ4の容量を小さくしても、エンジン1をクラン
キングするのに必要な駆動力を確保できる。エンジン1
の始動後は、モータジェネレータ3は発電機として機能
し、例えば車両の制動時においてバッテリ5に電気エネ
ルギを蓄える。
【0051】エンジン始動時にはモータジェネレータ3
の回転速度をコントローラ7が検出し、インバータ4に
対し、モータジェネレータ3の回転がエンジン1を始動
するのに必要なトルクと回転速度となるようにスイッチ
ング信号を出力する。例えばエンジン始動時にエアコン
41の作動信号がオンとなっていれば、エアコンオフ時
に比べてより大きなトルクが必要であるから、コントロ
ーラ7は大きなトルク及び回転速度でモータジェネレー
タ3が回転できるようにスイッチング信号を出力する。
【0052】車室内に設けられたエコランスイッチ40
を運転者が押すことによってエコランモード信号がオン
となった状態で、所定のエンジン停止条件が成立する
と、コントローラ7は、エンジン1に燃料の供給をカッ
トする信号を出力し、エンジンを自動停止させる。
【0053】このときの自動停止の状態に応じて次の制
御の仕方を切り換える点に本発明が適用されており、そ
の内容の詳細について次述する。
【0054】この実施形態でのエコランモードでのエン
ジンの自動停止条件は、 (a)シフトポジションが非駆動ポジション(Pまたは
N)であること (b)車速が零であること (c)バッテリの蓄電量SOCが所定値以上であること の3つであり、これらが全部成立するとき自動停止が許
可される。
【0055】次に本実施形態のソフト構成について説明
する。
【0056】図1は自動停止するまでのサブルーチン処
理の内容を示すフローチャートであり、これを用いて説
明する。なお、このサブルーチンは、メインルーチンの
中の一つのサブルーチンとして定義されたものである。
【0057】この自動停止のサブルーチンに入ると、最
初に各種入力信号処理を行う(ステップ320)。次
に、エンジン自動停止制御が実行可能なシフトポジショ
ンであるかどうかを判断する。具体的には、Pポジショ
ンかNポジションになっていれば判断はYESとなる。
ここで判断がNOの場合、つまり走行ポジション(D、
R、4、3、2、L)である場合は、この実施形態では
自動停止制御を行わないので、ステップ420に進ん
で、自動停止制御不実行のインジケータ82を点灯し、
メインルーチンに戻る。
【0058】PまたはNポジションの場合は、ステップ
340に進み、エンジン自動停止制御の前提条件の成立
判断を行う。ここでの前提条件は、車速零であること、
バッテリの蓄電量SOCが充分(所定値以上)であるこ
と等である。
【0059】これらの前提条件が全部成立しない場合
は、エンジンの自動停止制御を行わずに(ステップ35
0)、前記ステップ420に進む。
【0060】前提条件が全て成立する場合はステップ3
60に進んで、シフト履歴をチェックする。そして、シ
フト履歴に応じて、エンジンの停止指令を発するまでの
待機時間(自動停止の開始タイミング)を定めるタイマ
ーの値Twaitを決定し(以下、このタイマーも「Twai
t」で表現する)、待機時間(タイマー)Twaitをカウ
ントダウンスタートする。次いで、ステップ370で自
動停止開始条件の成立判断として、前記の待機時間Twa
itが経過したかどうかを監視する。
【0061】待機時間(Twait)が経過したら、ステッ
プ380に進み、ここでエンジンの自動停止制御を開始
する(エンジン停止指令を発する)。つまり、自動停止
条件の成立が待機時間Twaitだけ継続した段階で、初め
て実際にエンジン停止指令を発生するのである。そし
て、その後のステップ390で、自動停止制御実行のイ
ンジケータ81を点灯した後、さらに停止状態でのシフ
トポジションがPポジションかどうかを確認し、Pポジ
ションである場合にはステップ410に進んで、自動復
帰制御つまり自動的にエンジンを再始動する制御を禁止
するフラグを立てて、メインルーチンに戻る。Nポジシ
ョンの場合は、ステップ410を経ずにつまり自動再始
動の禁止フラグを立てることなく、メインルーチンに戻
る。
【0062】なお、シフト履歴に応じて、停止指令を発
するまでの待機時間Twaitを変更するやり方の例として
は次のようなものがある。
【0063】(1)シフトポジションが「R」→「N」
と移行したときには、「D」→「N」と移行したときよ
りも、待機時間Twaitを長くする。 (2)シフトポジションが、例えば直前に「D」→
「R」の動きがあったときには、待機時間Twaitを長く
する。 (3)同様に、例えば所定時間内のシフトポジションの
「D」、「N」、あるいは、「R」が頻繁に入れ変わっ
ていたときは、やはり待機時間Twaitを長くする。
【0064】このようなときには、ガレージシフト(車
庫入れ時のシフト操作)の可能性が高いと判断すること
ができ、運転者は一般に自動停止を欲していない可能性
が高い。従って、待機時間Twaitを長くして、停止指令
を発するタイミングを遅らせることにより、燃費向上は
望めなくなるが、ガレージシフト時にエンジンが止まっ
てしまいシフトの応答性が悪化することが避けられる。
【0065】なお、他のシフト履歴の要素として、各シ
フトポジションでの継続時間を考慮してもよい。この場
合は、例えばタイマーで直前のシフト位置での継続時間
を計測し、これが短いときほど待機時間Twaitを長く変
更する。具体的には、D(R)→Nに移行した場合のD
(R)の継続時間が短い時は、Twaitを長くする。この
場合、他の前進ポジション(4、3、2、L)からDへ
の変更はこれを同一ポジションと見なすようにする。
【0066】また、現在のシフトポジションがPポジシ
ョンかNポジションかで待機時間をTwaitを変えてもよ
い。その場合、Pポジションはガレージシフトの確率が
小さく、すぐに停止しても弊害が少ないため、Pポジシ
ョンのときはNポジションのときより待機時間Twaitを
短くする。
【0067】なお、このようにエコランモードでエンジ
ン1が自動停止した状態では、コントローラ7はクラッ
チ26に切断の制御信号を出力している。一方、エンジ
ン1が停止中でもエアコン41や各種補機42は作動さ
せておきたいため、パワーステアリング用ポンプ、エア
コン用コンプレッサの負荷等が考慮されたトルクでモー
タジェネレータ3が回転するように、コントローラ7は
インバータ4に対して相応のスイッチング信号を出力す
る。クラッチ26が切断されているため、この場合でも
エンジン1が連れ廻るのが防止される。
【0068】次に、エンジン1が自動停止された状態か
ら再始動するまでの制御の内容を説明する。図2はその
制御の内容の概略を示すフローチャートである。
【0069】このサブルーチンがスタートすると、まず
最初のステップ510で、前述した自動再始動禁止フラ
グがセットされているかどうかをチェックする。セット
されている場合は自動再始動は禁止となり、ステップ5
20でバッテリ蓄電量SOCが所定値を下回ったかどう
かをチェックする。この判断ステップは、エンジン停止
状態で負荷に電気エネルギを供給し続けていると、バッ
テリ上がりが心配されるので、これを防止するために設
けている。
【0070】バッテリ蓄電量SOCが所定値を下回らな
いうちはそのままメインルーチンに戻るが、バッテリ蓄
電量SOCが所定値を下回ると、ステップ530に進ん
でイグニッションOFF操作を行い、バッテリ5からの
電源供給を遮断する。具体的には、ヘッドライトOF
F、カーステレオOFF、エアコンOFFとして、バッ
テリ5の消費を極力制限する。
【0071】Nポジションでエンジンが自動停止した場
合のように、自動再始動禁止フラグがセットされていな
い場合は、ステップ510の判断がNOとなってステッ
プ550に進み、ここで再始動条件をチェックし、再始
動条件が成立したら、ステップ560でエンジンを再始
動する。ここでの再始動条件は、(1)アクセルオン、
(2)フットブレーキオフ、(3)シフトポジションが
駆動ポジションに移動、(4)バッテリ蓄電量SOCが
所定値未満、のいずれかが成立である。
【0072】このように、Pポジションでエンジンが自
動停止した場合は、たとえ再始動条件が成立するような
状況でも、自動によるエンジンの再始動が禁止されるの
で、例えばフットブレーキをOFFとしてもエンジンの
再始動がないことにより、動力を無駄にすることがな
い。また、バッテリの蓄電量が減ってくると自動的にイ
グニッションキーOFFの操作をECU80がとるの
で、バッテリ上がりの心配もない。
【0073】なお、Pポジションで自動停止した状態で
エンジンを再始動する場合は、手動でイグニッションキ
ーをONすればよい。
【0074】次に、自動再始動する場合の制御の仕方に
ついて述べる。
【0075】自動変速機が油圧式である場合には、(前
述したような専用のオイルポンプ19′を備えていない
限り)エンジンが停止すると該エンジンと連結されてい
るオイルポンプも停止してしまうため、例えば自動変速
機の前進クラッチC1に供給されているオイルも油路か
ら抜け、油圧が低下してしまう。そのため、エンジンが
再始動されるときには、当該前進走行時に係合されるべ
き前進クラッチC1もその係合状態が解かれてしまった
状態となる。
【0076】この場合、エンジンが再始動された時に、
この前進クラッチが速やかに係合されないと、いわばニ
ュートラルの状態のままアクセルペダルが組み込まれる
ことになり、エンジンが吹き上がった状態で前進クラッ
チが係合して係合ショックが発生する可能性がある。
【0077】そのため、この再始動制御では、所定の再
始動条件が成立したとき、エンジンを再始動するのであ
るが、そのとき前進クラッチをできるだけ速く係合させ
るために、前進クラッチC1のオイルの供給初期に急速
増圧制御を実施する。
【0078】図7において、エンジンが再始動すると、
オイルポンプ19が回転を開始し、プライマリレギュレ
ータバルブ50側にオイルが供給される。プライマリレ
ギュレータバルブ50で調圧されたライン圧は、マニュ
アルバルブ54を介して最終的には前進クラッチC1に
供給される。
【0079】ここで、コントローラ7から急速増圧制御
の指令を受けてソレノイド60が切換弁58を開に制御
しているときは、マニュアルバルブ54を通過したライ
ン圧PLは、大オリフィス56を通過した後、そのまま
前進クラッチC1に供給される。なお、この急速増圧制
御が実行されている段階では、スプリング74のばね定
数の設定によりアキュムレータ70は機能しない。
【0080】やがて、コントローラ7より急速増圧制御
の終了指令を受けてソレノイド60が切換弁58を遮断
制御すると、大オリフィス56を通過したライン圧PL
は小オリフィス64を介して比較的ゆっくりと前進クラ
ッチC1に供給される。またこの段階では、前進クラッ
チC1に供給される油圧はかなり高まっているため、ア
キュムレータ70につながっている油路66の油圧がス
プリング74に抗してピストン72を図の上方に移動さ
せる。その結果、このピストン72が移動している間、
前進クラッチC1に供給される油圧の上昇が一時中止さ
れ、前進クラッチC1は非常に円滑に係合を完了でき
る。
【0081】なお、上記実施形態においては、再始動が
禁止されたときでも、バッテリの蓄電量が所定値以上の
うちは、補機類をそのまま作動させ、所定値未満となっ
たところで全て停止させるようにしていたが、閾値とし
ての所定値を複数設け、補機負荷を順次停止させてゆく
構成としてもよい。
【0082】又、逆に、再始動が禁止されたときは、バ
ッテリ蓄電量の大小に拘らず補機類を全て停止し、いわ
ゆるイグニッションOFFと同様な状態に即、移行する
ようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、Pポジションでエンジ
ンの自動停止を行っているときには、再始動条件が成立
しても再始動をしないようにしたので、動力を無駄にす
る心配がなく、燃料節約等の意向に沿うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のエンジン停止制御の実施形
態の制御内容の一例を示すフローチャート
【図2】図1の後に続く制御の内容を示すフローチャー
【図3】本発明が適用された車両のエンジン駆動装置の
システム構成図
【図4】同車両の自動変速機の概略を示すスケルトン図
【図5】同自動変速機における各摩擦係合装置のシフト
ポジションごとの係合状態を示す図
【図6】同自動変速機におけるシフトポジションのゲー
ト配置図
【図7】実施形態の制御の中の急速増圧制御を行うため
の油圧制御装置の要部を示す油圧回路図
【図8】実施形態のECU(電子制御装置)に対する入
出力信号の関係を示す図
【符号の説明】
1…エンジン 2…自動変速機 3…モータジェネレータ 4…インバータ 5…バッテリ 19…オイルポンプ 42…エコランスイッチ 44…シフトレバー 47…エンジン冷却水温センサ 49…エンジン回転速度センサ R…減速機構 Twait…停止制御開始までの待機時間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の停止条件が成立したときにエンジン
    を自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立した
    ときに該自動停止したエンジンを再始動する車両のエン
    ジン自動停止制御装置において、 前記シフトポジションがパーキングポジションであるか
    否かを検出する手段を備え、前記エンジンを自動停止し
    た後、現在シフトポジションがパーキングポジションで
    あることが検出された場合は、前記エンジンの再始動を
    禁止することを特徴とする車両のエンジン自動停止制御
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、さらに車両に搭載した
    バッテリの蓄電量を検出する手段を備え、 前記エンジンの再始動が禁止された状態で、前記バッテ
    リの蓄電量が所定値を下回ったことが検出された場合
    は、バッテリに接続される負荷への電気エネルギの供給
    を制限することを特徴とする車両の自動停止制御装置。
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