JP3671692B2 - 車両のエンジン自動停止及び再始動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、シフトポジションが非駆動ポジションに選択され、且つ、所定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動する車両のエンジン自動停止及び再始動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行中において車両が停止し、且つ所定の停止条件が成立した場合に、エンジンを自動的に停止させ、燃料の節約、排気エミッションの低減、あるいは騒音の低減等を図るように構成した車両が提案され、すでに実用化されている(例えば特開平8−14076号公報)。
【0003】
具体的には、車速零、アクセルオフ、ブレーキオン、などといった所定の停止条件を満足したことが検出されたときにエンジンを自動停止するようにしている。
【0004】
この場合、前進走行ポジションの「D」または、後進走行ポジションの「R」のように、シフトレバーのポジションが駆動ポジションにある場合でも所定の条件が成立すればエンジンが自動停止を行うものと、駆動ポジションでは自動停止はされず、ドライバの意思によってシフトポジションが「N」や「P」等の非駆動ポジションとされたときにのみ自動停止を行うものが知れられている。
【0005】
また、エンジンを再始動させる条件が成立したとき、例えば、ドライバがアクセルペダルを踏むなどの走行意思を表したとき、車速が零ではなくなったとき、ブレーキオフが解除されたときには直ちにエンジンを再始動させるようにしている。又、バッテリの充電容量が不足したときなどもエンジンを再始動させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シフトポジションが非駆動ポジションでエンジンの自動停止制御を行う場合には次のような問題があった。
【0007】
車両が、坂道にて停止し、シフトポジションが非駆動ポジションにあり、且つ、所定の停止条件が成立した場合にはエンジンの自動停止制御を行う。
【0008】
このような坂道でのエンジン自動停止制御中において、シフトポジションはそのままに(非駆動ポジション)、ドライバがブレーキを緩めたために車両が前進又は後退して車速が零ではなくなると(車速が発生すると)エンジンが再始動する。
【0009】
これは、制御通りの動作であるが、通常は、非駆動ポジション(「N」ポジション)の状態でエンジンが再始動した場合はドライバには「発進の意思」がないことが多い。そのため、ドライバは、ブレーキを作動させ再度、車両を静止させようとする。
【0010】
車両が静止後、所定のエンジン停止条件が成立すると、再びエンジンの自動停止が行われる。同様にエンジン自動停止中に、再度、ドライバがブレーキを緩めたために車速が零ではなくなると前述したことが再度繰り返される。即ち、
(1)坂道にて所定のエンジンの自動停止条件成立(シフトポジションは非駆動ポジション)
(2)エンジン自動停止制御実施
(3)ブレーキを緩めたため、車速が発生
(4)ブレーキを作動
(5)再度、車速が零
(6)所定のエンジンの自動停止条件成立
(7)エンジン自動停止制御実施
なる過程を経て、再度(3)の状態へ戻った場合には、エンジンが自動停止と再始動を繰り返すいわゆる「ハンチング」が発生してしまう。
【0011】
このハンチングは、ドライバが故意にエンジンの再始動と自動停止を実施させようと行っているものではないため、ドライバにとって不快なものとなる可能性があった。また、その一方でエンジンの自動停止はある一定時間以上実施することで所定の燃料節約等の効果を発揮するもので、このように(ハンチングによって)頻繁にエンジンの自動停止と再始動を繰り返すとこうした効果が得られないだけでなく、スタータ等の始動系部品の消耗を早めてしまう恐れもある。
【0012】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであって、頻繁にエンジンの自動停止・再始動を行うハンチングを防ぐことができ、ドライバに不快感を与えないようにすると共に、始動系の耐久性を向上させることができる車両のエンジン自動停止・自動復帰制御装置を提供することをその課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、シフトポジションが非駆動ポジションに選択され、且つ、所定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動する車両のエンジン自動停止及び再始動制御装置において、シフトポジションが非駆動ポジションか駆動ポジションかを検出する手段と、該シフトポジションが非駆動ポジションとされ且つエンジンが自動停止している状態から前記所定の再始動条件が成立することによりエンジンが再始動した場合、選択されているシフトポジションが非駆動ポジションから駆動ポジションへ移動されたことが検出されない限り、所定のエンジンの自動停止を行う条件が成立してもエンジンの自動停止制御を中止する制御手段と、を備えたことにより、上記課題を解決したものである。
【0014】
このようにすることで、頻繁にエンジンの自動停止・自動復帰を繰り返すハンチングを発生するすることを無くすことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
本実施形態では、図2に示されるような車両の駆動システムにおいて、所定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動させるようにしている。
【0017】
先ず、本実施形態の駆動システム構成を図2を用いて説明する。
【0018】
図2において、1は車両に搭載されるエンジン、2は自動変速機である。このエンジン1には該エンジン1を再始動させるためのモータ及び発電機として機能するモータジェネレータ3が、該エンジン1のクランク軸1aに、クラッチ26、チェーン27及び減速機構Rを介して連結されている。なお、エンジンスタータをモータジェネレータ3と別に設け、エンジン始動時に、スタータとモータジェネレータ3を併用したり、極低温時にはスタータを専用に使用してもよい。
【0019】
減速機構Rは、遊星歯車式で、サンギア33、キャリア34、リングギア35を含み、ブレーキ31、ワンウェイクラッチ32を介してモータジェネレータ3及びクラッチ28の間に組込まれている。
【0020】
自動変速機用2のオイルポンプ19は、エンジン1のクランク軸1aにクラッチ26、28を介して直結されている。自動変速機2内には前進走行時に係合される公知の前進クラッチC1が設けられている。
【0021】
符号4はモータジェネレータ3に電気的に接続されるインバータである。このインバータ4は、スイッチングにより電力源であるバッテリ5からモータジェネレータ3への電気エネルギの供給を可変にしてモータジェネレータ3の回転速度を可変にする。また、モータジェネレータ3からバッテリ5への電気エネルギの充電を行うように切り換える。
【0022】
符号7はクラッチ26、27、28の断続の制御、及びインバータ4のスイッチング制御、エアコン(等の補機)41の制御等を行うためのコントローラである。コントローラ7へは、自動停止走行モード(エコランモード)のスイッチ40の信号やシフトレバー44(後述)のシフトポジションセンサ信号が入力される。図中の矢印線は各信号線を示している。また、このコントロール7は、エンジン及び自動変速機等をコントロールするECU(電子制御装置)80とリンクしている。
【0023】
なお、図7はECU80の入出力される要素の具体例を示している。
【0024】
図3は、自動変速機2のスケルトン図である。
【0025】
この自動変速機2は、トルクコンバータ111、副変速部112及び主変速部113を備える。
【0026】
前記トルクコンバータ111は、ロックアップクラッチ124を備える。このロックアップクラッチ124は、ポンプインペラ126に一体化させてあるフロントカバー127とタービンランナ128を一体に取付けた部材(ハブ)129との間に設けられている。
【0027】
エンジン1のクランク軸1aは、フロントカバー127に連結されている。タービンランナ128に連結された入力軸130は、副変速部112を構成するオーバードライブ用遊星歯車機構131のキャリヤ132に連結されている。
【0028】
この遊星歯車機構131におけるキャリヤ132とサンギヤ133との間には、クラッチC0と一方向クラッチF0とが設けられている。この一方向クラッチF0はサンギヤ133がキャリヤ132に対して相対的に正回転(入力軸130の回転方向の回転)する場合に係合するようになっている。
【0029】
一方、サンギヤ133の回転を選択的に止めるブレーキB0が設けられている。又、この副変速部112の出力要素であるリングギヤ134が、主変速部113の入力要素である中間軸135に接続されている。
【0030】
副変速部112は、クラッチC0もしくは一方向クラッチF0が係合した状態では遊星歯車機構131の全体が一体となって回転するため、中間軸135が入力軸130と同速度で回転する。又ブレーキB0を係合させてサンギヤ133の回転を止めた状態では、リングギヤ134が入力軸130に対して増速されて正回転する。即ち、副変速部112はハイ・ローの2段の切換えを設定することができる。
【0031】
前記主変速部113は三組の遊星歯車機構140、150、160を備えており、これらの歯車機構140、150、160が以下のように連結されている。
【0032】
即ち、第1遊星歯車機構140のサンギヤ141と第2遊星歯車機構150のサンギヤ151とが互いに一体的に連結され、第1遊星歯車機構140のリングギヤ143と第2遊星歯車機構150のキャリヤ152と第3遊星歯車機構160のキャリヤ162との三者が連結されている。又、第3遊星歯車機構160のキャリヤ162に出力軸170が連結されている。更に第2遊星歯車機構150のリングギヤ153が第3遊星歯車機構160のサンギヤ161に連結されている。
【0033】
この主変速部113の歯車列では後進1段と前進4段とを設定することができ、そのためのクラッチ及びブレーキが以下のように設けられている。
【0034】
即ち、第2遊星歯車機構150のリングギヤ153及び第3遊星歯車機構160のサンギヤ161と中間軸135との間に前進クラッチC1が設けられ、又第1遊星歯車機構140のサンギヤ141及び第2遊星歯車機構150のサンギヤ151と中間軸135との間にクラッチC2が設けられている。
【0035】
第1遊星歯車機構140及び第2遊星歯車機構150のサンギヤ141、151の回転を止めるブレーキB1が配置されている。又、これらのサンギヤ141、151とケーシング171との間には、一方向クラッチF1とブレーキB2とが直列に配列されている。一方向クラッチF1はサンギヤ141、151が逆回転(入力軸135の回転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合するようになっている。
【0036】
第1遊星歯車機構140のキャリヤ142とケーシング171との間にはブレーキB3が設けられている。又、第3遊星歯車機構160のリングギヤ163の回転をとめる要素としてブレーキB4と、一方向クラッチF2とがケーシング171との間に並列に配置されている。なお、この一方向クラッチF2はリングギヤ163が逆回転しようとする際に係合するようになっている。
【0037】
上記の自動変速機2では、結局後進1段と前進5段の変速を行うことができる。この5つの変速段を設定するための各クラッチ及びブレーキ(摩擦係合装置)の係合作動表を図4に示す。
【0038】
図4において、○印は係合状態、◎印はエンジンブレーキを確保すべきときにのみ係合状態、△印は係合するが動力伝達に関係なし、空欄は解放状態をそれぞれ示している。
【0039】
図5はシフトレバー44で切り換えるシフトポジションの配列を示している。上(先側)から順に「P(パーキング)」、「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」、「D(ドライブ)」が配され、「D」の右にマニュアルの「4」が配され、そこから下(手前側)に順にマニュアルの「3」、「2」、そして「L(ロー)」が並んでいる。マニュアルの「4」、「3」、「2」にシフトレバーを動かすと、自動変速機は4速段(4th)、3速段(3rd)、2速段(2nd)にそれぞれ固定される。
【0040】
通常、自動変速機のシフトポジションが「D」の状態であるときには、自動的に「1st」からスタートする。また、マニュアルの2nd、3rd、4thからの発進も(発進性は悪くなるが)可能である。
【0041】
図3に戻り、各クラッチ及びブレーキ(摩擦係合装置)の係合あるいは解放には、油圧制御装置75内のソレノイドバルブS1、S2、S3、S4、SLN、SLT、SLUが、ECU(電子制御装置)80からの指令に基づいて駆動制御されることによって実行される。
【0042】
ここで、S1、S2、S3はシフト用ソレノイドバルブ、S4はエンジンブレーキ作動用ソレノイドバルブ、SLNはアキュムレータ背圧制御用のソレノイドバルブ、SLTはライン圧制御用のソレノイドバルブ、SLUはロックアップ用ソレノイドバルブを示す。
【0043】
ECU80は、前述したモータジェネレータ3用のコントローラ7とリンクしており、各種センサ群90からの信号が入力されて、ソレノイドバルブ等を制御し、各クラッチ及びブレーキ(摩擦係合装置)の係合あるいは解放が行えるようにしている。
【0044】
次に、上記自動変速機2において前進クラッチC1を係合させる構成について説明する。図6は自動変速機の油圧制御装置において前進クラッチC1を係合させる構成の要部を示す油圧回路図である。
【0045】
プライマリレギュレータバルブ50は、ライン圧コントロールソレノイド52によって制御され、オイルポンプ19によって発生された元圧をライン圧PLに調圧する。このライン圧PLは、マニュアルバルブ54に導かれる。マニュアルバルブ54は、シフトレバー44と機械的に接続され、ここでは、前進ポジション、例えば、Dポジション、あるいはマニュアルポジションの1st、2nd等が選択されたときにライン圧PLを前進クラッチC1側に連通させる。
【0046】
マニュアルバルブ54と前進クラッチC1との間には大オリフィス56と切換弁58が介在されている。切換弁58はソレノイド60によって制御され、大オリフィス56を通過してきたオイルを選択的に前進クラッチC1に導いたり遮断したりする。
【0047】
切換弁58をバイパスするようにしてチェックボール62と小オリフィス64が並列に組み込まれており、切換弁58がソレノイド60によって遮断されたときには大オリフィス56を通過してきたオイルは更に小オリフィス64を介して前進クラッチC1に到達するようになっている。なお、チェックボール62は前進クラッチC1の油圧がドレンされるときに該ドレンが円滑に行われるように機能する。
【0048】
切換弁58と前進クラッチC1との間の油路66には、オリフィス68を介してアキュムレータ70が配置されている。このアキュムレータ70はピストン72及びスプリング74を備え、前進クラッチC1にオイルが供給されるときに、スプリング74によって決定される所定の油圧にしばらく維持されるように機能し、前進クラッチC1の係合終了付近で発生するショックを低減する。
【0049】
次にこの実施形態の作用を説明する。
【0050】
図2を参照して、エンジン始動時には電磁クラッチ26、28が接続状態とされ、モータジェネレータ3を駆動してエンジン1を始動する(スタータ併用あるいは単独の場合もあるが、ここでは説明しない)。このときブレーキ31をオンにし、クラッチ32をオフにすることでモータジェネレータ3の回転は減速機構Rのサンギア33側からキャリア34側に減速して伝達される。これにより、モータジェネレータ3とインバータ4の容量を小さくしてもエンジン1をクランキングするのに必要な駆動力を確保できる。エンジン1の始動後はモータジェネレータ3は発電機として機能し、例えば車両の制動時においてバッテリ5に電気エネルギを蓄える。
【0051】
エンジン始動時にはモータジェネレータ3の回転速度をコントローラ7が検出し、インバータ4に対し、モータジェネレータ3の回転がエンジン1を始動するのに必要なトルクと回転速度となるようにスイッチング信号を出力する。例えばエンジン始動時にエアコンスイッチ41の信号がオンとなっていれば、エアコンオフ時に比べてより大きなトルクが必要であるから、コントローラ7は大きなトルク及び回転速度でモータジェネレータ3が回転できるようにスイッチング信号を出力する。
【0052】
エコランモード信号がオンとなった状態で、所定のエンジン停止条件が成立すると、コントローラ7は、エンジン1に燃料の供給をカットする信号を出力し、エンジンを自動停止させる。エコランモード信号は、車室内に設けられたエコランスイッチ40をドライバが押すことによってコントローラ7に入力される。
【0053】
本実施形態では、エンジン1の停止条件が成立するとエンジン1を停止させるようにしている。
【0054】
具体的には、エンジン1の所定の停止条件は、「車速が零」、「アクセルオフ」、「ブレーキオン」、「バッテリの充電容量SOCが所定値SOClow 以上」、「シフトポジションが非駆動ポジションである」が全て満たされたときである。
【0055】
なお、本実施形態では、更にこれらの条件が整い「所定時間Tz経過したとき」が実際の条件成立としている。
【0056】
このように、所定条件成立後すぐにエンジン1を自動停止させずに、所定時間Tzが経過してから実施するようにさせているのは、例えば「D」ポジションから「R」ポジションへシフトポジションを変更した場合、シフトゲージの構造上非駆動ポジションの「N」ポジションを経由することとなるため、その都度エンジンが自動停止をすると運転に支障が生じてしまうため、それを防止するためである。
【0057】
一方で、エンジン自動停止中に所定の再始動条件が成立したときに、エンジン1は再始動をする(エンジンの自動復帰)。
【0058】
所定の再始動条件は、その一例として、停止条件である「車速が零」、「アクセルオフ」、「ブレーキオン」、「バッテリ充電容量SOCが所定値SOClow 以上」、「シフトポジションが非駆動ポジションである」のうちいずれかが未成立のとき、が採用し得る。
【0059】
この場合のバッテリ充電容量SOCの所定値SOClow とは、自動停止制御中に電気負荷(例えばエアコン、ラジオ等)を使用し、バッテリの充電容量SOCが低下してきて、そのまま継続してエンジンの自動停止を行うとバッテリ上がりを起こしてしまう可能性があるため、エンジンが再始動するために余裕を持った値である。
【0060】
このような自動停止・再始動条件にてエンジンが自動停止・再始動を行う車両において、本実施形態では、シフトポジションが「N(ニュートラル)」ポジションで、車両が坂道にて自動停止を行っている状態を想定する。
【0061】
つまり、車両が、坂道にて「車速が零」、「アクセルオフ」、「ブレーキオン」、「バッテリ充電容量SOCが所定値SOClow 以上」、「シフトポジションが非駆動(ここでは「N」)ポジションである」の条件をすべて満たされた状態でエンジンの自動停止制御を行っていると想定する。
【0062】
このような状況下において、ドライバが何らかの原因でブレーキペダルを緩めてしまった場合(故意に緩めた場合も含む)、あるいはブレーキペダルを離してしまった場合(故意に離した場合を含む)には、車両は重力の斜面方向分力によって動き出すことになる。そのため、車速が発生する(「車速零」ではなくなる)ことによって、エンジンの再始動条件が成立しエンジン1は再始動する。
【0063】
このエンジンの再始動が、例えばドライバの不注意(発進の意思のない)によってブレーキが緩んでしまった場合のときは、あるいは意図的であってもその結果前あるいは後の車両との間隔が詰まって目的が達成されたときは、通常ドライバはブレーキを踏み増しして車両を止める行為を行うのが一般的である。
【0064】
このように、車両が再度、停止状態となったときにおいて、従来では、再度、所定のエンジン停止条件が成立すればさえすれば、エンジン1は自動停止を実行していた。
【0065】
そのため、その自動停止行うことになった車両は、前述したことと同様なこと(ドライバがブレーキペダルを緩めてしまった場合)がなされた場合には、エンジン1は再始動を実行する。
【0066】
このようにしてエンジンの自動停止と再始動が繰り返されると、「発明が解決しようとする課題」の欄にて説明したように、いわゆるハンチングが生じてしまう。
【0067】
このハンチングは、ドライバにとって不快なものとなってしまう。また、エンジンの自動停止制御はある程度の時間を実施して効果が表れるのであって、短時間にてエンジンの自動停止・再始動を行うようなこと(ハンチング)をすると、却ってスタータの寿命を縮める原因となってしまっていた。
【0068】
本実施形態では、このようなことに鑑みて、シフトポジションが非駆動ポジションである「N」ポジションか駆動ポジションである例えば「D」ポジションかを検出する手段を備え、該シフトポジションが「N」ポジションとされた状態でエンジンが自動停止をしている状態から、所定の再始動条件が成立しエンジンが再始動した場合には、選択されているシフトポジションが「N」ポジションから駆動ポジションの例えば「D」ポジションへシフトポジションが移動されたことが検出されるまで、所定のエンジンの自動停止を行う条件が成立した場合でも、エンジンの自動停止制御を行うことを中止するようにする。
【0069】
このようにすることで、エンジンの自動停止・再始動を繰り返すハンチングを抑えることができ、ドライバに不快感を与えないようにすることができる。また、無用にエンジン自動停止・再始動を行わなくて済むため、スタータなどの部品の寿命を延ばすことができる。
【0070】
なお、本実施形態では、車両が坂道にある状態のときを例にあげて説明したが、特にこれに限定されるものではない。つまり、平坦路において、シフトポジションが「N」ポジションを選択されている状態で、単にブレーキペダルのオンオフを繰返したときや、また、ブレーキを踏込んだ状態でアクセルをオンオフ(空吹かし)したときになどでエンジンの再始動条件が成立した場合にはエンジンが再始動した場合にも本発明は適用できる。また、バッテリの充電容量不足によりエンジンが再始動された場合にも本発明は適用できる。この場合は、より早期にバッテリを回復させる効果が得られる。
【0071】
なお、シフトポジションに関しては、本実施形態では例として「N(ニュートラル)」ポジションとしたが、シフトポジションが「P」ポジションであった場合にも、前述した、ブレーキオフ、アクセルオン、バッテリの充電容量低下などの条件でエンジンが再始動する場合があるのでそのような場合にも本発明は適用することができる。
【0072】
自動停止の禁止は、シフトポジションが駆動ポジションに変更されたと検出されるまで継続される。なお、エンジンが再始動したときの操作は以下のようになる。
【0073】
図4において、エンジンが再始動すると、オイルポンプ19が回転を開始し、プライマリレギュレータバルブ50側にオイルが供給される。プライマリレギュレータバルブ50で調圧されたライン圧は、マニュアルバルブ54を介して最終的には前進クラッチC1に供給される。
【0074】
マニュアルバルブ54はシフトレバー44のシフトポジションと機械的に連動しており、シフトポジションが「N」や「P」の非駆動ポジションであったときは、ライン圧をここで遮断する。従って前進クラッチC1にオイルが供給されることはなく、前進クラッチC1は非係合を維持する。
【0075】
シフトポジションが「D」に移動されるとマニュアルバルブ54を介して前進クラッチC1側にオイルが供給される。
【0076】
このとき、コントローラ7は、前進クラッチC1を早期に係合させるために、油圧の供給開始から所定時間だけ油圧を急速に増圧する急速増圧制御の指令出力する。この指令を受けてソレノイド60が切換弁58を開に制御しているときは、マニュアルバルブ54を通過したライン圧PLは、大オリフィス56を通過した後、そのまま前進クラッチC1に供給される。なお、この急速増圧制御が実行されている段階では、パッククリアランスが詰るまではスプリング74のばね定数の設定によりアキュムレータ70は機能しない。
【0077】
やがて、コントローラ7より急速増圧制御の終了指令を受けてソレノイド60が切換弁58を遮断制御すると、大オリフィス56を通過したライン圧PLは小オリフィス64を介して比較的ゆっくりと前進クラッチC1に供給される(従来と略同等のルート)。また、この段階では、前進クラッチC1に供給される油圧はかなり高まっているため、アキュムレータ70につながっている油路66の油圧がスプリング74に抗してピストン72を図の上方に移動させる。その結果、このピストン72が移動している間、前進クラッチC1に供給される油圧の上昇が緩和され、前進クラッチC1は非常に円滑に係合を完了できる。
【0078】
次に、本実施形態の制御を図1のフローチャートに基づいて説明する。
【0079】
図1において、ステップ310では、コントローラ7により、各種センサからの入力信号が処理される。ステップ320にて、非駆動ポジションでエンジン1が再始動したか否かを判断する。なお、エンジン1が再始動する条件は前述した通りである。この実施形態では非駆動ポジションとして具体的には「N」ポジションが採用され、「N」ポジションにおいて本発明を適用している。但し、「P」ポジションでも本発明を適用できる。
【0080】
ステップ330にて、シフトポジションが「N」ポジションから駆動ポジション(「D」ポジション等)へ変更されたか否かを判断する。つまり、非駆動ポジション→駆動ポジションのマニュアル操作があったかどうかを判断する。
【0081】
具体的には、シフトポジションセンサにより、シフトポジションを検出し、そのシフトポジションが現在に至るまでどのように移動されたか、という観点で、データとしてコントローラ7に記憶されたものを判断すればよい。
【0082】
ステップ330にて、シフトポジションが「N」ポジションから移動されたことが確認されない場合には、ステップ380へ進み、所定のエンジンの自動停止を行う条件が成立してもエンジンの自動停止を中止するようにし、エンジン1の作動を継続する(ステップ380,390)。ステップ400では、エンジン1の自動停止制御が未実施であることをドライバに知らせるインジケータ82を点灯させる。
【0083】
ステップ330にて、シフトポジションが非駆動ポジションから駆動ポジションへ変更されたことが確認された場合には、ステップ340へ進み、エンジン1が自動停止をする前提条件の入力を許可する。ステップ350では、エンジン1が自動停止を行う条件が成立したか否かを判断し、自動停止条件が成立しない場合には、ステップ390ヘ進みエンジンの作動を継続させる。
【0084】
エンジン1の自動停止条件が成立した場合には、ステップ360にてエンジン1の自動停止を実行し、エンジンの自動停止制御実施中であることを示すインジケータ81を点灯させる。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、シフトポジションが非駆動ポジションから駆動ポジションに移動されたか否かを検出する手段を備え、該シフトポジションが非駆動ポジションを選択された状態でエンジンが自動停止をしている状態から、前記所定の再始動条件が成立しエンジンが再始動した場合には、所定のエンジンの自動停止を行う条件が成立した場合でも、選択されているシフトポジションが非駆動ポジションから駆動ポジションへシフトポジションが移動されたことが検出されない限り、エンジンの自動停止制御を行うことを中止することによって、エンジンの再始動・自動停止を頻繁に行ういわゆるハンチングの発生を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のエンジン再始動時の制御の制御フローの例を示す流れ図
【図2】本発明が適用された車両のエンジン駆動装置のシステム構成図
【図3】自動変速システムの自動変速機の概略を示すブロック図
【図4】本発明に係る油圧制御装置の要部を示す油圧回路図
【図5】前記自動変速機における各摩擦係合装置の係合状態を示す線図
【図6】シフトポジションのゲート配置図
【図7】実施形態のECU(電子制御装置)に対する入出力信号の関係を示す図
【符号の説明】
1…エンジン
2…自動変速機
3…モータジェネレータ
4…インバータ
5…バッテリ
19…オイルポンプ
40…エコランスイッチ
44…シフトレバー
R…減速機構
Claims (1)
- シフトポジションが非駆動ポジションに選択され、且つ、所定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動する車両のエンジン自動停止及び再始動制御装置において、
シフトポジションが非駆動ポジションか駆動ポジションかを検出する手段と、
該シフトポジションが非駆動ポジションとされ且つエンジンが自動停止している状態から前記所定の再始動条件が成立することによりエンジンが再始動した場合、選択されているシフトポジションが非駆動ポジションから駆動ポジションへ移動されたことが検出されない限り、所定のエンジンの自動停止を行う条件が成立してもエンジンの自動停止制御を中止する制御手段と
を備えていることを特徴とする車両のエンジン自動停止及び再始動制御装置。
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JP25663198A JP3671692B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 車両のエンジン自動停止及び再始動制御装置 |
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