JP3921850B2 - オイルポンプの駆動制御装置 - Google Patents

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    • F16H61/0025Supply of control fluid; Pumps therefore
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    • F16H61/0031Supply of control fluid; Pumps therefore using auxiliary pumps, e.g. pump driven by a different power source than the engine

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、走行のための動力を伝達する駆動系統に連結された第1のオイルポンプとその駆動系統とは独立している電動機によって駆動される第2のオイルポンプとから係合装置あるいは変速機構に対して油圧を供給するように構成したオイルポンプの駆動制御装置に関し、特に走行のための動力源として内燃機関と電動機とを備え、これらの内燃機関と電動機とによって第1のオイルポンプを駆動できるように構成された車両におけるオイルポンプの駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用の変速機として、車両の走行状態に基づいて制御される自動変速機が知られている。この自動変速機には、有段式の変速機や変速比が連続的に変化する無段変速機が含まれるが、これらいずれの自動変速機であっても変速比の制御のために油圧が広く使用されている。例えば有段式の自動変速機であれば、エンジンの出力を変速機構に伝達するための入力クラッチや、変速段を設定するためのクラッチあるいはブレーキを油圧サーボ機構によって係合および解放するように構成している。また、無段変速機であれば、その変速機構に対して動力を入力する入力クラッチを油圧によって係合する構成とし、また変速機構を油圧によって動作させるように構成している。
【0003】
一方、車両に搭載されている内燃機関(エンジン)は、走行のための動力源であると同時に、発電のための動力源であり、さらには前記油圧のための動力源とされている。したがって内燃機関が駆動されている間は、オイルポンプが内燃機関によって駆動され、所定の油圧が発生するので、自動変速機を適宜に制御することができ、変速機構に対して動力を伝達し、あるいは所定の変速比を設定して出力軸にトルクを伝達することができる。
【0004】
ところで、最近では、排ガスの削減や燃費の向上のために、車両の停止時に所定の条件が成立した場合に、内燃機関を自動的に停止するいわゆるエコランシステムが開発されている。この種のシステムを採用している車両では、内燃機関の停止と同時にオイルポンプが停止し、油圧が発生しなくなるので、変速機に対する油圧の供給が停止する。その結果、走行途中での一時的な停車時に内燃機関が自動停止すると同時に、変速機がいわゆるニュートラル状態になってしまい、再発進時に入力クラッチが解放状態から係合状態に切り替わったり、またニュートラル状態から所定の変速比の設定状態に急激に変化することにより、出力トルクが急激に増大し、ショックが生じるなどの可能性がある。
【0005】
従来、このような不都合を解消するための装置が特開平8−14076号公報に記載されている。この公報に記載された装置は、内燃機関の出力によって駆動されるオイルポンプのほかに、電動機によって駆動することのできるオイルポンプを備え、車両が一時的に停止して内燃機関が自動停止された場合に、電動機によってオイルポンプを駆動することにより、変速機に対して必要な油圧を供給するように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載された装置によれば、内燃機関の自動停止時にも、変速機が所定の変速比を設定した状態を維持でき、したがって始動した内燃機関から変速機に対して次第にトルクを伝達することにより、円滑な発進をおこなうことができる。しかしながら、内燃機関の自動停止状態で電動機を常時動作させてオイルポンプを駆動すれば、その間に電力を消費するから、排ガスを生じないものの、エネルギを消費し、損失が増加する。また、電動機によってオイルポンプを駆動した結果、バッテリのSOC(state of charge:充電状態)が低下して内燃機関によって発電機を駆動し、充電するとすれば、結局は、燃料の消費量が多くなって、排ガスの削減や燃費の向上などの本来の目的に反することになる。
【0007】
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、車両の停止時におけるオイルポンプの駆動を的確に制御することにより燃費を向上させることのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、この発明は、走行のための動力系統に連結されたオイルポンプを駆動できないことが予想される駆動モードの場合に、そのオイルポンプとは独立して設けられている他の電動オイルポンプを駆動するように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
より具体的には、請求項1の発明は、走行のための動力を出力する内燃機関および第1の電動機と、これら内燃機関および電動機のいずれによっても駆動可能な第1のオイルポンプと、第2の電動機によって単独で駆動可能な第2のオイルポンプと、これら第1および第2のオイルポンプから出力される油圧によって制御される係合装置とを備えた車両におけるオイルポンプの駆動制御装置において、前記第1のオイルポンプが駆動されないことが予想される駆動モードを検出するモード検出手段と、前記第1のオイルポンプが駆動されないことが予想される駆動モードが前記モード検出手段で検出された場合に前記第2の電動機によって第2のオイルポンプを駆動する第2オイルポンプ駆動手段とを備え、前記第1のオイルポンプは、前記内燃機関が停止している状態で前記第1の電動機で駆動できるように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記内燃機関と前記第1の電動機とは、トルクコンバータの入力部材を介して前記第1のオイルポンプに連結されていることを特徴とするオイルポンプの駆動制御装置である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、油圧によって押圧されるボールと、該ボールが押し付けられることにより選択的に封止される二つの入力ポートと、出力ポートとを有するバルブ機構を更に備え、一方の入力ポートに前記第1のオイルポンプが連通され、かつ他方の入力ポートに前記第2のオイルポンプが連通されていることを特徴とするオイルポンプの駆動制御装置である。
【0010】
したがって、請求項1ないし3の発明においては、車両の停止状態で、内燃機関および第1の電動機のいずれによっても第1のオイルポンプが駆動されないことが予想される駆動モードが検出されると、第2の電動機によって第2のオイルポンプが駆動され、その結果生じる油圧が係合装置に供給される。これとは反対に、内燃機関および第1の電動機のいずれかによって第1のオイルポンプが駆動される場合には、第2の電動機および第2のオイルポンプを駆動しないので、これらを駆動するための動力の消費が回避され、燃費が向上する。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記第2のオイルポンプを駆動することのできない状態を検出する第2オイルポンプ駆動不可検出手段と、前記第2のオイルポンプを駆動することのできない状態が前記第2オイルポンプ駆動不可検出手段によって検出された場合に、前記第1のオイルポンプが駆動されないことが予想される駆動モードの設定を禁止するモード禁止手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0012】
したがって請求項4の発明では、第2の電動機によって第2のオイルポンプを駆動することのできない状態が検出されると、第1のオイルポンプが駆動されないことが予想される駆動モードが禁止される。すなわち、第2のオイルポンプを無理に駆動することやそれに起因する耐久性の低下が未然に回避される。
その第2のオイルポンプを駆動することができない状態は、請求項5に記載されているように、フェールが生じていることが検出された場合であり、あるいは請求項6に記載されているように、第2のオイルポンプを駆動する第2の電動機に接続されているバッテリの充電状態が低下した場合である。
さらに、請求項7の発明は、請求項2ないし6の構成において、前記トルクコンバータは、前記入力部材と出力側の部材とを連結するロックアップクラッチを備え、前記車両が停止し続けることが判断されかつ前記第2のオイルポンプを駆動できる場合には、前記ロックアップクラッチを係合させることにより前記第1のオイルポンプの回転を阻止するように構成されていることを特徴とするオイルポンプの駆動制御装置である。したがって、車両が停止し続ける場合、第2のオイルポンプで油圧を供給できる状態であれば、第1のオイルポンプはロックアップクラッチが係合することにより、その回転が阻止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図に示す具体例に基づいて説明する。図4はこの発明で対象とする車両の動力系統の一例を示しており、内燃機関1の出力側に電動機(MG)2が接続されている。その内燃機関1は、要は、燃料を燃焼させて動力を出力する装置であって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、ガスエンジンなどを採用することができ、またその形式は、レシプロタイプのもの以外にタービン型のエンジンであってもよい。なお、以下の説明では、内燃機関1をエンジン1と記す。また、電動機2は、要は、電力が供給されてトルクを出力する装置であり、直流モータや交流モータを採用することができ、さらには固定永久磁石型同期モータなどの発電機能を兼ね備えたいわゆるモータ・ジェネレータを使用することができる。なお、以下の説明では、電動機2をモータ・ジェネレータ2と記す。
【0014】
そのモータ・ジェネレータ2の出力側に自動変速機3が接続されている。この自動変速機3は、車両の走行状態に基づいて変速比を設定するように構成された装置であって、油圧式のトルクコンバータ(T/C)4を介して変速機構5に対してトルクを入力するように構成されている。また、これらトルクコンバータ4と変速機構5との間には、トルクコンバータ4の入力要素に連結されているオイルポンプ6が配置されている。
【0015】
さらに、前記変速機構5は、クラッチやブレーキなどの係合装置を油圧によって制御するように構成されており、その制御をおこなう油圧制御部7が設けられている。この油圧制御部7は、従来知られているものと同様に構成されており、電気的に制御される電磁弁やその電磁弁から供給される油圧によって切換動作するシフト弁(それぞれ図示せず)などを備えている。なお、自動変速機3の詳細については後述する。
【0016】
前記オイルポンプ6は、油圧制御部7に油圧を供給するように構成されている。また、油圧制御部7に対して油圧を供給する電動オイルポンプ8が、前記オイルポンプ6とは独立して設けられている。この電動オイルポンプ8は、ギヤポンプやベーンポンプなどのポンプとモータとを一体化した構成のものであって、油圧制御部7に接近した位置(例えばトルクコンバータ4の外周側)に配置されている。
【0017】
エンジン1およびモータ・ジェネレータ2は、走行のための動力を出力する動力源であり、その動力系統は図5に示すように構成されている。エンジン1のクランクシャフト9にダンパ10を介して中間軸11が連結されている。この中間軸11は自動変速機3に対して動力を伝達するための軸であって、モータ・ジェネレータ2におけるロータ(図示せず)の回転方向での位置(回転角度)を検出するレゾルバ12と、モータ・ジェネレータ2のロータとがこの中間軸11に連結されている。したがってエンジン1からモータ・ジェネレータ2にトルクを伝達し、またモータ・ジェネレータ2が出力するトルクでエンジン1を回転させ、さらにはエンジン1およびモータ・ジェネレータ2の出力を自動変速機3に入力できるように構成されている。
【0018】
トルクコンバータ4は、ポンプインペラ13とタービンランナ14とを対向させて配置し、これらの間に、一方向クラッチ15で支持したステータ16を配置した公知の構成の流体式トルクコンバータであり、そのポンプインペラ13と一体のフロントカバー17に前記中間軸11が連結されている。トルクコンバータ4における出力側の部材であるタービンランナ14とフロントカバー17との間にロックアップクラッチ18が設けられている。このロックアップクラッチ18は、従来知られているものと同様に油圧によって係合・解放の制御がおこなわれる摩擦クラッチであり、係合状態となることにより、タービンランナ14をフロントカバー17に直接連結し、流体を介することなく機械的手段でトルクを伝達するように構成されている。そしてそのタービンランナ14に自動変速機3における入力軸19、すなわち変速機構5に対してトルクを入力する入力軸19が連結されている。
【0019】
さらに、トルクコンバータ4の入力部材がオイルポンプ6に連結されている。したがってエンジン1およびモータ・ジェネレータ2がトルクコンバータ4の入力部材を介してオイルポンプ6に連結され、これらエンジン1およびモータ・ジェネレータ2のいずれによってもオイルポンプ6を駆動できるように構成されている。このオイルポンプ6がこの発明における第1のオイルポンプに相当し、以下の説明では、このオイルポンプ6を機械式オイルポンプ6と記すことがある。
【0020】
上記の図5に示す動力系統では、互いに直結状態のエンジン1およびモータ・ジェネレータ2ならびに機械式オイルポンプ6が、ロックアップクラッチ18を係合させることにより、入力軸19に一体化される。したがって車両の停止状態でロックアップクラッチ18を係合させれば、入力軸19が固定されていることにより、トルクコンバータ4の回転が阻止され、機械式オイルポンプ6に対してトルクが伝達されなくなる。したがってモータ・ジェネレータ2に通電しても機械式オイルポンプ6を駆動することはできない。
【0021】
図5に示す例ではモータ・ジェネレータ2として固定永久磁石型同期モータが採用され、その制御のためにインバータ20を介してバッテリ21が接続されている。そして、そのインバータ20およびバッテリ21を制御するための電子制御装置(コントローラ:MG−ECU)22が設けられている。このモータ・ジェネレータ用電子制御装置22は、マイクロコンピュータを主体に構成され、入力されるデータに基づいて演算をおこなって、モータ・ジェネレータ2に供給する電流や周波数、モータ・ジェネレータ2からバッテリ21に充電する電力などを制御するように構成されている。
【0022】
前記電動オイルポンプ8については、図6に示すように、その駆動状態を制御するためのコントローラ23が設けられており、このコントローラ23を介してバッテリ24が電動オイルポンプ8に接続されている。なお、そのバッテリ24としては、車両に通常搭載されている12V(ボルト)バッテリを使用することができる。このコントローラ23は、例えばマイクロコンピュータを主体してものであって、入力されたデータに基づいて演算をおこない、電動オイルポンプ8をオン・オフ制御し、またはその吐出量を制御するように構成されている。したがって電動オイルポンプ8がこの発明の第2のオイルポンプに相当している。なお、この電動オイルポンプ用のコントローラ23および前記モータ・ジェネレータ用電子制御装置22ならびに図示しないエンジン用電子制御装置、自動変速機用電子制御装置は、相互にデータ通信可能に接続されている。
【0023】
上記の機械式オイルポンプ6と電動オイルポンプ8とは、共に、自動変速機3に対する油圧源となっており、そのための油圧回路が図7に示すように構成されている。すなわち2つの入力ポート25,26と1つの出力ポート27とを備えるチェックボール機構28が設けられており、その一方の入力ポート25に機械式オイルポンプ6の吐出口が連通され、また他方の入力ポート26に電動オイルポンプ8の吐出口が連通されている。さらに油圧制御部7には、ライン圧をスロットル開度あるいはアクセル開度に応じた圧力に調圧するプライマリレギュレータバルブ29が設けられており、このプライマリーレギュレータバルブ29に前記チェックボール機構28の出力ポート27が連通されている。
【0024】
このチェックボール機構28は、各ポート25,26,27によって囲われている空間部分に、入力ポート25,26の内側に押し付けられることによりその入力ポート25,26を封止するボール30を移動自在に配置したバルブ機構である。したがっていずれか一方のポンプ6,8の吐出圧が高い場合に、吐出圧の低いポンプ6,8が接続されている入力ポート25,26の内側にボール30が押し付けられ、その結果、吐出圧の高いポンプ6,8から出力ポート27を介してプライマリレギュレータバルブ29に油圧を供給するように構成されている。
【0025】
つぎに自動変速機3における変速機構5について図8を参照して説明する。ここに示す例では、前進5段・後進1段の変速段を設定するように構成されている。すなわち、トルクコンバータ4に続けて副変速部61と、主変速部62とが設けられている。その副変速部61は、いわゆるオーバードライブ部であって1組のシングルピニオン型遊星歯車機構63によって構成され、キャリヤ64が前記入力軸19に連結され、またこのキャリヤ64とサンギヤ65との間に一方向クラッチF0 と一体化クラッチC0 とが並列に配置されている。なお、この一方向クラッチF0 はサンギヤ65がキャリヤ64に対して相対的に正回転(入力軸19の回転方向の回転)する場合に係合するようになっている。またサンギヤ65の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。そしてこの副変速部61の出力要素であるリングギヤ66が、主変速部62の入力要素である中間軸67に接続されている。
【0026】
したがって副変速部61は、一体化クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車機構63の全体が一体となって回転するため、中間軸67が入力軸19と同速度で回転し、低速段となる。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ65の回転を止めた状態では、リングギヤ66が入力軸19に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0027】
他方、主変速部62は三組の遊星歯車機構70,80,90を備えており、それらの回転要素が以下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構70のサンギヤ71と第2遊星歯車機構80のサンギヤ81とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機構70のリングギヤ73と第2遊星歯車機構80のキャリヤ82と第3遊星歯車機構90のキャリヤ92との三者が連結され、かつそのキャリヤ92に出力軸57が連結されている。さらに第2遊星歯車機構80のリングギヤ83が第3遊星歯車機構90のサンギヤ91に連結されている。
【0028】
この主変速部62の歯車列では後進段と前進側の四つの変速段とを設定することができ、そのためのクラッチおよびブレーキが以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されている第2遊星歯車機構80のリングギヤ83および第3遊星歯車機構90のサンギヤ91と中間軸67との間に第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第1遊星歯車機構70のサンギヤ71および第2遊星歯車機構80のサンギヤ81と中間軸67との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0029】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構70および第2遊星歯車機構80のサンギヤ71,81の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ71,81(すなわち共通サンギヤ軸)とトランスミッションハウジングHu との間には、第1一方向クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ71,81が逆回転(入力軸19の回転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合するようになっている。多板ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構70のキャリヤ72とトランスミッションハウジングHu との間に設けられている。そして第3遊星歯車機構90のリングギヤ93の回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがトランスミッションハウジングHu との間に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ93が逆回転しようとする際に係合するようになっている。
【0030】
上述した各変速部61,62の回転部材のうち副変速部61のクラッチC0 の回転数を検出するタービン回転数センサ68と、出力軸57の回転数を検出する出力軸回転数センサ69とが設けられている。
【0031】
上記の自動変速機6では、各クラッチやブレーキを図9の作動表に示すように係合・解放することにより前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図9において○印は係合状態、空欄は解放状態、◎印はエンジンブレーキ時の係合状態、△印は係合するものの動力伝達に関係しないことをそれぞれ示す。
【0032】
図9に示すP(パーキング)、R(リバース:後進段)、N(ニュートラル)ならびに第1速(1st)ないし第5速(5th)の各シフト状態は、図示しないシフト装置のレバーをマニュアル操作することにより設定される。そのシフトレバーによって設定される各シフトポジションの配列は、図10に示すとおりであり、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジションが、ここに挙げた順序で車両の前後方向に沿って配列され、そのDポジションに対して車両の幅方向に隣接する位置に“4”ポジションが配置され、その“4”ポジションに対して車両後方側に隣接して“3”ポジションが配置され、さらにこの“3”ポジションの位置から車両の斜め後方に“2”ポジションおよびLポジションが順に配列されている。
【0033】
ここで、Dポジションは車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基づいて前進第1速ないし第5速を設定するためのポジションであり、また“4”ポジションは、第1速ないし第4速、“3”ポジションは第1速ないし第3速、“2”ポジションは第1速および第2速、Lポジションは第1速をそれぞれ設定するためのポジションである。なお、“3”ポジションないしLポジションは、エンジンブレーキレンジを設定するポジションであり、それぞれのポジションで設定可能な変速段のうち最も高速側の変速段でエンジンブレーキを効かせるように構成されている。
【0034】
また、DポジションないしLポジションのいずれかをシフトレバーによって選択することにより、そのポジションに応じた変速段を設定することができるようになっている。すなわち、マニュアル操作によって変速段を設定する変速モードであって、これが前記のスポーツモードである。このスポーツモードを選択するスポーツモードスイッチ100がインストルメントパネルもしくはセンターコンソール(それぞれ図示せず)などに設けられている。このスイッチ100をオン操作した状態で、シフトレバーをDポジションに設定すると前進第5速となり、また“4”ポジションに設定すると前進第4速、“3”ポジションに設定すると前進第3速、“2”ポジションに設定すると前進第2速、Lポジションに設定すると前進第1速の各変速段が設定される。
【0035】
上記のエンジン1やモータ・ジェネレータ2ならびに自動変速機3さらには電動オイルポンプ8などの各装置は、車両の状態を示す各種のデータに基づいて制御される。例えば図11に示すように、マイクロコンピュータを主体とする総合制御装置(ECU)60に各種の信号を入力し、その入力された信号に基づく演算結果を制御信号として出力するようになっている。この入力信号の例を挙げれば、ABS(アンチロックブレーキ)コンピュータからの信号、車両安定化制御(VSC:商標)コンピュータからの信号、エンジン回転数NE 、エンジン水温、イグニッションスイッチからの信号、バッテリSOC(State of Charge:充電状態)、ヘッドライトのオン・オフ信号、デフォッガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速信号、自動変速機(AT)油温、シフトポジション、サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキのオン・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度、アクセル開度、カム角センサからの信号、スポーツシフト信号、車両加速度センサからの信号、駆動力源ブレーキ力スイッチからの信号、タービン回転数NT センサからの信号、レゾルバ信号などである。
【0036】
また、出力信号の例を挙げると、点火信号、噴射(燃料の噴射)信号、スタータへの信号、前記コントローラ22への信号、減速装置への信号、ATソレノイドへの信号、ATライン圧コントロールソレノイドへの信号、ABSアクチュエータへの信号、自動停止制御実施インジケータへの信号、自動停止制御未実施インジケータへの信号、スポーツモードインジケータへの信号、VSCアクチュエータへの信号、ATロックアップコントロールソレノイドバルブへの信号、AT電動オイルポンプへの信号などである。なおここで、自動停止制御とは、車両が停止した場合に、所定の条件の成立によってエンジン1を自動停止する制御であり、燃費および排ガスの削減のための制御である。
【0037】
上述した駆動系統を備えている車両では、走行している場合にエンジン1もしくはモータ・ジェネレータ2の少なくともいずれか一方が回転しているので、これらとトルクコンバータ4を介して一体化されている機械式オイルポンプ6が駆動され、自動変速機3に油圧が供給され、シフトポジションや走行状態に応じて所定の摩擦係合装置が係合させられる。これに対して車両が停止している状態では、モータ・ジェネレータ2によって発進することが可能であると同時に、モータ・ジェネレータ2によってエンジン1を回転させて始動することができるので、燃費を向上させるために、所定の条件が成立することにより、エンジン1が自動停止させられる。その場合、モータ・ジェネレータ2が回転すれば、機械式オイルポンプ6が駆動させられるが、モータ・ジェネレータ2の回転が止まれば、機械式オイルポンプ6が停止してしまう。このようなエンジン1およびモータ・ジェネレータ2の駆動・停止のモードは、車両の状況によって決まり、またそれに伴って機械式オイルポンプ6が駆動・停止させられるので、第2のオイルポンプである電動オイルポンプ8は、第1のオイルポンプである機械式オイルポンプ6の駆動もしくは停止が予測される車両の駆動モードに応じて以下のように制御される。
【0038】
図1はその制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、データの読み込みなどの入力信号の処理(ステップS1)をおこない、ついで車両が停止状態か否かが判断される(ステップS2)。このステップS2は、検出された車速が予め定めた基準車速より低車速か否かを判断することにより実行できる。このステップS2で肯定判断されれば、車両が走行していてエンジン1もしくはモータ・ジェネレータ2の少なくともいずれか一方が回転しているので、それに伴って機械式オイルポンプ6が回転して油圧を出力していることになる。したがってこの場合は、ステップS3に進んで電動オイルポンプ8を停止させる。不必要に油圧を発生させる動力の消費を防止するためである。
【0039】
これに対して車両が停止していてステップS2で肯定判断された場合には、モータ・ジェネレータ2の駆動のための制御が実行されているか否かが判断される(ステップS4)。車両が停止しかつエンジン1が停止している状態であっても、クリープ力を発生させる必要がある場合やエンジン1を介して補機を駆動する場合などには、モータ・ジェネレータ2を駆動するべくモータ・ジェネレータ2に対して通電される。また反対に、バッテリ21のSOCが低下している場合や長期に亘って停車する場合などにはモータ・ジェネレータ2が停止制御される。
【0040】
ステップS4ではこれらの駆動制御あるいは停止制御のいずれが実行されているかを判断し、駆動制御が実行されていることにより肯定判断された場合には、トルクコンバータ4の油温(T/C油温)が所定の基準温度TEMP1 以上か否かが判断される(ステップS5)。トルクコンバータ4の油温は、トルクコンバータ4を動作させるか否かに関係し、またそのトルクコンバータ4の動作によって機械式オイルポンプ6の駆動・非駆動が影響されるから、ステップS5の判断をおこなう。また、トルクコンバータ4の油温を直接検出することが困難な場合には、自動変速機3における油温を検出してトルクコンバータ4の油温の代用とすることができる。
【0041】
トルクコンバータ4の油温が基準温度TEMP1 より低温であることにより、ステップS5で肯定判断されれば、トルクコンバータ4を駆動できる状態であり、その場合、車両の制動がおこなわれているか否か、すなわちブレーキオンか否かが判断される(ステップS6)。このステップS6は、運転者の発進あるいは停止の意図を判断するためのステップであり、ブレーキオンであれば停車状態が継続すると判断され、反対にブレーキオンでなければ、すなわちブレーキオフであれば、発進の意図があると判断される。
【0042】
制動操作されていることによりステップS6で肯定判断された場合には、電動オイルポンプ8の駆動の可否が判断される(ステップS7)。前述したように電動オイルポンプ8は、バッテリ24の電力によって駆動され、またコントローラ23によって制御されるから、バッテリ24のSOCの低下や何らかのフェールが生じているなどの場合には、電動オイルポンプ8を駆動することができない。このような場合、電動オイルポンプ8の駆動不可状態であるから、ステップS7で肯定判断され、また反対に電動オイルポンプ8を異常なく駆動できる場合には、ステップS7で否定判断される。
【0043】
ステップS7で否定判断された場合、すなわち電動オイルポンプ8を異常なく駆動できる場合、モータ・ジェネレータ2のトルクカット制御をおこなう(ステップS8)。すなわち、モータ・ジェネレータ2のトルクと回転数との関係は、図2の特性線図に示すようになっており、停車の意図があることによりエンジン1やトルクコンバータ4の連れ回しによる動力の損失を防止するために後述するようにロックアップクラッチ18を係合(オン)させると、モータ・ジェネレータ2の回転が止められて(回転数がゼロ)、トルクがA点で示されるTAとなる。ステップS8では、これに見合ったモータ・ジェネレータ2のトルク制御を実行する。
【0044】
ついで、ロックアップクラッチ18のオン制御(ロックアップ オン)を実行する(ステップS9)。前述したように、このステップS9に到る場合は、車両が停止し続けることが判断されている場合であり、したがってクリープ力を発生させる必要がなく、またエンジン1およびトルクコンバータ4を連れ回す必要がないので、ロックアップクラッチ18を係合させる。すなわち停止させられている入力軸19にトルクコンバータ18の入力側の部材を連結してこれを固定し、それに伴って機械式オイルポンプ6の回転が阻止される。
【0045】
この場合、機械式オイルポンプ6によっては油圧を得られないので、電動オイルポンプ8を駆動する(ステップS10)。したがって自動変速機3には電動オイルポンプ8から油圧が供給され、シフトポジションに応じて所定のクラッチやブレーキなどの摩擦係合装置が係合させられる。
【0046】
他方、トルクコンバータ4の油温が基準温度TEMP1 以上の高温であることによりステップS5で肯定判断された場合には、後述するようにトルクコンバータ4を駆動させるので、それに応じたモータ・ジェネレータ2のトルク制御を実行する(ステップS11)。前述したように停車状態でロックアップクラッチ18を係合させれば、トルクコンバータ4の入力部材に連結されているモータ・ジェネレータ2がロックされるので、モータ・ジェネレータ2に通電しても回転しないが、ロックアップクラッチ18を解放してあれば、トルクコンバータ4におけるポンプインペラ13とタービンランナ14との相対回転が生じるので、モータ・ジェネレータ2を回転させることができる。したがって図2に示すように、モータのトルクが負荷と釣り合うB点のトルクTBとなるので、モータ・ジェネレータ2のトルクがこの値となるように制御する。その回転数は400〜500rpmである。
【0047】
そして、ロックアップクラッチ18を解放制御(ロックアップ オフ)する(ステップS12)。その結果、ポンプインペラ13とタービンランナ14との相対回転によるトルクコンバータ4の内部でオイルの流動が生じるので、オイルの冷却を促進してオイルの劣化が防止される。なお、エンジン1およびトルクコンバータ4を連れ回す場合、その分の動力の消費が生じるが、エンジン1が回転させられていることにより、発進などの大きい駆動力を必要とする状態が検出されると同時にエンジン1に対して燃料を供給し、かつ点火することにより、直ちにエンジン1を始動することができる。
【0048】
このようにロックアップクラッチ18を解放してトルクコンバータ4の入力側部材であるポンプインペラ13を回転させることにより、これと一体の機械式オイルポンプ6が駆動されて油圧を発生するので、電動オイルポンプ8を停止する(ステップS13)。すなわち不必要に電動オイルポンプ8を駆動したり、油圧を発生させたりすることが回避され、燃料の消費が抑制される。
【0049】
また、制動操作されていないことによりステップS6で否定判断された場合には、車両が発進する直前の状態であると考えられので、すなわち発進の意図があると判断されるので、ステップS11ないしステップS13に進む。すなわちモータ・ジェネレータ2によって機械式オイルポンプ6を駆動するとともに電動オイルポンプ8を停止させる。
【0050】
さらに、電動オイルポンプ8を駆動することに関して異常があり、その結果、ステップS7で肯定判断された場合には、ステップS11ないしステップS13に進んで、モータ・ジェネレータ2によって機械式オイルポンプ6を駆動する。自動変速機3に対して油圧を供給するオイルポンプの選択の余地がないからである。
【0051】
また一方、前述したステップ4で否定判断された場合、すなわちモータ・ジェネレータ2を駆動する制御が実行されていない場合、エンジン1が駆動されているか否かが判断される(ステップS14)。停車中であっても発電などのためにエンジン1が駆動されている場合に、このステップS14で肯定判断される。その場合は、エンジン1によって機械式オイルポンプ6が駆動されて油圧が発生するので、電動オイルポンプ8を停止する(ステップS3)。また反対にエンジン1が停止されている場合には、機械式オイルポンプ6が停止して油圧を発生していないので、ステップS10に進んで電動オイルポンプ8を駆動する。
【0052】
停車中にモータ・ジェネレータ2を駆動する制御を実行し、かつ電動オイルポンプ8を駆動する場合のタイムチャートを図3に示す。すなわち停車中にエンジン1を停止する条件が成立してその停止制御が実行される場合、エンジン停止指令の出力が予想されるt1 時点より所定時間(TL秒)前のt0 時点に電動オイルポンプ8のオン制御を実行する。これは、エンジン1が停止して機械式オイルポンプ6による油圧が低下する場合に、電動オイルポンプ8の油圧のいわゆる立ち上がりの遅れを回避するためである。
【0053】
エンジン1の停止指令の出力とほぼ同時にモータ・ジェネレータ2のトルクを増大させる制御を実行し、その過程のt2 時点にエンジン回転数がほぼゼロとなり、これとほぼ同時にロックアップクラッチ18を係合(オン)させる制御が開始される。そして、t3 時点にモータ・ジェネレータ2のトルクが所定のトルクに達し、その後にロックアップクラッチ18が完全に係合した状態になる。
【0054】
一方、発進や発電などのためにエンジン1を始動する場合には、そのエンジン1の始動指令の出力が予想されるt5 時点より前のt4 時点に、モータ・ジェネレータ2のトルクを低下させる制御が開始される。そしてエンジン回転数が所定の回転数に達したt6 時点に電動オイルポンプ8の停止制御が実行される。
【0055】
したがって上述した制御では、車両が停止している状態で、モータ・ジェネレータ2およびエンジン1が停止している駆動状態(第1の駆動モード)、および車両が停止した状態でモータ・ジェネレータ2のみが駆動され、かつトルクコンバータ4の油温で基準温度TEMP1 より低く、さらに制動がおこなわれ、かつ電動オイルポンプ8の駆動に異常がない状態(第2の駆動モード)において、機械式オイルポンプ6が停止することが予測されるので、これらの駆動モードにおいて電動オイルポンプ8が駆動される。これに対して、車両が停車している状態でエンジン1が駆動されている状態(第3の駆動モード)、車両が停止している状態でモータ・ジェネレータ2のみが駆動され、かつトルクコンバータ4の油温が基準温度TEMP1 より高い状態(第4の駆動モード)、トルクコンバータ4の油温が低いものの制動がおこなわれていない状態(第5の駆動モード)、トルクコンバータ4の油温が低くかつ制動がおこなわれているものの、電動オイルポンプ8の駆動に異常がある状態(第6の駆動モード)においては、機械式オイルポンプ6が駆動されることが予測され、したがってこれらの駆動モードでは、電動オイルポンプ8が停止制御される。
【0056】
また、上述した制御では、モータ・ジェネレータ2を駆動する制御が実行されている状態で電動オイルポンプ8の駆動に異常がある場合、すなわちステップS7で肯定判断された場合、ロックアップクラッチ18が解放制御(オフ)される(ステップS12)。このロックアップクラッチ18のオフ制御をおこなった場合、モータ・ジェネレータ2によって機械式オイルポンプ6が駆動され、その状態すなわち駆動モードでは電動オイルポンプ8の停止制御を実行することになるので、結局、電動オイルポンプ8の駆動に異常がある場合には、電動オイルポンプ8を駆動する駆動モードを禁止することになる。
【0057】
したがって上記のステップS4,S5,S6,S7,S14の機能が請求項1におけるモード検出手段に相当し、さらにステップS10の機能が請求項1における第2オイルポンプ駆動手段に相当する。また、ステップS7の機能が請求項2における第2オイルポンプ駆動不可検出手段に相当し、ステップS12の機能が請求項2におけるモード禁止手段に相当する。
【0058】
なお、上記の具体例では、エンジン1およびモータ・ジェネレータ2を機械式オイルポンプ6にいわゆる直結した構成の車両を対象にして説明したが、この発明はエンジンと電動機とを適宜の歯車機構を介して連結し、その歯車機構を機械式オイルポンプに連結した構成の車両にも適用することができる。また、この発明で対象とする車両は、上述した前進5段の自動変速機以外の変速機を搭載した車両であってもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし3の発明によれば、内燃機関および第1の電動機によって駆動される第1のオイルポンプがこれら内燃機関および第1の電動機のいずれによっても駆動されないことが予想される駆動モードが検出されると、第2の電動機によって第2のオイルポンプが駆動され、その結果生じる油圧が係合装置に供給され、これとは反対に、第1のオイルポンプが内燃機関および第1の電動機のいずれかによって駆動される場合には、第2の電動機および第2のオイルポンプを駆動しないので、これらを駆動するための動力の消費が回避され、燃費が向上する。また、駆動モードに基づいて第2の電動機およびそれにより第2のオイルポンプの駆動を制御するので、応答性のよい制御あるいは油圧の一時的な低下のない制御をおこなうことができる。
【0060】
また、請求項4ないし6のいずれかの発明によれば、第2のオイルポンプの駆動に異常がある場合には、これを駆動するモードを禁止するので、第2のオイルポンプを無理に駆動することやそれに起因する耐久性の低下を防止することができる。さらに、請求項7の発明によれば、車両が停止し続ける場合、第2のオイルポンプで油圧を供給できる状態であれば、第1のオイルポンプはロックアップクラッチが係合することにより、その回転が阻止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置で実行される制御例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 モータ・ジェネレータの特性線図である。
【図3】 図1に示す制御で停車中にモータ・ジェネレータの駆動制御をおこないかつ電動オイルポンプを駆動する場合のタイムチャートである。
【図4】 この発明で対象とする駆動系統の一例を模式的に示すブロック図である。
【図5】 図4に示す構成のうちエンジンから機械式オイルポンプに到る動力伝達系統を模式的に示すブロック図である。
【図6】 図4に示す電動オイルポンプの制御系統を説明するためのブロック図である。
【図7】 機械式オイルポンプと電動オイルポンプとを切り換えてプライマリレギュレータバルブに接続するための機構の一例を示す模式図である。
【図8】 図4に示す自動変速機のギヤトレーンの一例を示すスケルトン図である。
【図9】 図4の自動変速機の各変速段を設定するためのクラッチおよびブレーキの係合・解放を示す図表である。
【図10】 図4の自動変速機におけるシフトポジションの一例を示す配置図である。
【図11】 この発明の一例における総合制御装置における入出力信号を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…モータ・ジェネレータ、 3…自動変速機、 6…オイルポンプ、 8…電動オイルポンプ、 22…モータ・ジェネレータ用電子制御装置、 23…コントローラ。

Claims (7)

  1. 走行のための動力を出力する内燃機関および第1の電動機と、これら内燃機関および電動機のいずれによっても駆動可能な第1のオイルポンプと、第2の電動機によって単独で駆動可能な第2のオイルポンプと、これら第1および第2のオイルポンプから出力される油圧によって制御される係合装置とを備えた車両におけるオイルポンプの駆動制御装置において、
    前記第1のオイルポンプが駆動されないことが予想される駆動モードを検出するモード検出手段と、
    前記第1のオイルポンプが駆動されないことが予想される駆動モードが前記モード検出手段で検出された場合に前記第2の電動機によって第2のオイルポンプを駆動する第2オイルポンプ駆動手段と
    を備え、
    前記第1のオイルポンプは、前記内燃機関が停止している状態で前記第1の電動機で駆動できるように構成されていること
    を特徴とするオイルポンプの駆動制御装置。
  2. 記内燃機関と前記第1の電動機とは、トルクコンバータの入力部材を介して前記第1のオイルポンプに連結されていることを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプの駆動制御装置。
  3. 油圧によって押圧されるボールと、該ボールが押し付けられることにより選択的に封止される二つの入力ポートと、出力ポートとを有するバルブ機構を更に備え、
    一方の入力ポートに前記第1のオイルポンプが連通され、かつ他方の入力ポートに前記第2のオイルポンプが連通されていることを特徴とする請求項1または2に記載のオイルポンプの駆動制御装置。
  4. 前記第2のオイルポンプを駆動することのできない状態を検出する第2オイルポンプ駆動不可検出手段と、
    前記第2のオイルポンプを駆動することのできない状態が前記第2オイルポンプ駆動不可検出手段によって検出された場合に、前記第1のオイルポンプが駆動されないことが予想される駆動モードの設定を禁止するモード禁止手段と
    を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のオイルポンプの駆動制御装置。
  5. 前記第2オイルポンプ駆動不可検出手段は、フェールが生じている場合に前記第2のオイルポンプを駆動することのできない状態を検出する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載のオイルポンプの駆動制御装置。
  6. 前記第2オイルポンプ駆動不可検出手段は、前記第2の電動機に接続されているバッテリの充電状態が低下している場合に前記第2のオイルポンプを駆動することのできない状態を検出する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載のオイルポンプの駆動制御装置。
  7. 前記トルクコンバータは、前記入力部材と出力側の部材とを連結するロックアップクラッチを備え、
    前記車両が停止し続けることが判断されかつ前記第2のオイルポンプを駆動できる場合には、前記ロックアップクラッチを係合させることにより前記第1のオイルポンプの回転を阻止するように構成されていることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載のオイルポンプの駆動制御装置。
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