JP4618143B2 - ハイブリッド車両の駆動制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両 - Google Patents

ハイブリッド車両の駆動制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両 Download PDF

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Description

この発明は、ハイブリッド車両の駆動制御装置に関し、より特定的には、電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される構成を有するハイブリッド車両の駆動制御装置に関する。
内燃機関(エンジン)および電動機を車両駆動力源として備えるハイブリッド車両の一種として、電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達されるとともに、油圧制御式変速機に供給される油圧を発生するための電動オイルポンプを有する構成が、たとえば特開2005−207304号公報(特許文献1)に開示されている。このような構成では、電動機の駆動力が変速機を介して駆動輪に伝達されるので、変速機を高低2段に変速することにより、またその変速比を“1”より大きく設定することにより、車両駆動力発生用の電動機を小型化しても十分な駆動アシストや回生制動を行なうことが可能となる。
ハイブリッド自動車では、エンジンを高効率領域に限定して運転させることにより燃費向上を図るため、エンジンが低効率運転となる運転領域では、電動機のみによる車両走行(以下、EV走行と称する)が志向される。したがって、特開2005−207304号公報(特許文献1)には、エンジン停止時にも油圧を供給できるように、電動オイルポンプおよび、エンジンの運転によって動作する機械式オイルポンプの両方を備えた構成についても開示されている。
特開2005−207304号公報
一般に、ハイブリッド自動車では、エンジン出力により走行するエンジン走行時には、
機械式オイルポンプによって油圧式装置へ供給する油圧を発生する一方で電動オイルポンプを停止することにより、燃費の向上が図られる。また、エンジン走行時には、エンジン出力を電動機出力によってアシストして車両駆動力を得ることにより、加速運転等の高負荷運転に対応可能としている。
しかしながら、エンジン走行時に急ブレーキ等で車輪がロックした場合には、エンジン回転数が低下してしまう。このような状況では、機械式オイルポンプによる油圧供給力が低下するため、油圧式装置での油圧が確保できなくなる可能性がある。
特に、電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される構成のハイブリッド車両では、上記の状況において、油圧制御式変速機でクラッチ滑りが発生してしまう可能性がある。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される構成を有するハイブリッド車両において、エンジン走行時にエンジン回転数が低下しても油圧制御式変速機でのクラッチ滑りを防止して、当該クラッチの摩擦材の保護による変速機の機器保護と変速ショックの悪化による車両運転性の悪化防止を図ることである。
この発明によるハイブリッド車両の駆動制御装置およびハイブリッド車両では、ハイブリッド車両は、内燃機関と、内燃機関により駆動される機械式オイルポンプとを備え、かつ、機械式オイルポンプから供給される油圧を供給される油圧制御式変速機を介して電動機からの駆動力が駆動輪に伝達される構成を有する。駆動制御装置は、回転数検知手段と、出力制限手段とを備える。回転数検知手段は、内燃機関の回転数を検知する。出力制限手段は、内燃機関が作動時に回転数検知手段により検知された内燃機関の回転数に応じて、電動機の出力トルク制限値を設定する。
上記ハイブリッド車両の駆動制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両によれば、内燃機関の回転数に応じて電動機の出力トルクを制限できる。したがって、油圧低下により油圧制御式変速機のトルク容量が低下することに対応させて、内燃機関の回転数低下により機械式オイルポンプから油圧制御式変速機への供給油圧の低下が懸念される場合には、電動機の出力トルクを制限して油圧制御式変速機でのクラッチ滑り発生を防止することができる。これにより、内燃機関による走行中に内燃機関の回転数が低下しても、クラッチ摩擦材の保護による油圧制御式変速機の機器保護を図るとともに、変速ショックの悪化による車両運転性の悪化を防止できる。
好ましくは、この発明によるハイブリッド車両の駆動制御装置およびハイブリッド車両では、出力制限手段は、内燃機関の回転数が所定の限界回転数以下に低下した場合には、電動機の出力トルクを実質的に零に制御する。
上記ハイブリッド車両の駆動制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両によれば、内燃機関の回転数が限界を超えて低下することにより油圧制御式変速機への供給油圧の低下が懸念される場合に、即座に電動機の出力トルクを実質的に零とすることによって油圧制御式変速機でのクラッチ滑り発生を防止することができる。
また好ましくは、この発明によるハイブリッド車両の駆動制御装置およびハイブリッド車両では、出力制限手段は、内燃機関の回転数が所定回転数以下に低下した時間に応じて、電動機の出力トルク制限値を設定する。
上記ハイブリッド車両の駆動制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両によれば、内燃機関の回転数の継続的な低下によって油圧制御式変速機への供給油圧の低下が懸念される場合に、電動機の出力トルク制限によって油圧制御式変速機でのクラッチ滑りの発生を防止することができる。
あるいは好ましくは、この発明によるハイブリッド車両の駆動制御装置およびハイブリッド車両では、出力制限手段は、内燃機関の回転数が判定回転数よりも低下したときに電動機の出力トルク制限を実行する。特に、判定回転数は、油圧制御式変速機の油温が上昇するに従って高く設定される。
上記ハイブリッド車両の駆動制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両によれば、電動機の出力トルク制限開始のしきい値となる判定回転数が、油温の上昇に従って高く設定される。したがって、オイル粘性の低下に伴い油圧の確保が困難となる高油温領域においても、油圧制御式変速機でのクラッチ滑り発生をより確実に防止することができる。
好ましくは、この発明によるハイブリッド車両の駆動制御装置およびハイブリッド車両では、ハイブリッド車両は、油圧制御式変速機に油圧を供給可能に構成された電動オイルポンプをさらに備える。そして、駆動制御装置は、回転数検知手段により検知された内燃機関の回転数に応じて、電動オイルポンプの駆動指令を生成する駆動指令生成手段をさらに備える。
上記ハイブリッド車両の駆動制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両によれば、内燃機関の回転数低下に応じて電動オイルポンプを駆動して油圧の確保を図ることができるので、電動機のトルク制限値を相対的に高く設定することが可能となる。
さらに好ましくは、この発明によるハイブリッド車両の駆動制御装置およびハイブリッド車両では、駆動制御装置は、駆動指令生成手段により電動オイルポンプの駆動指令が生成されても電動オイルポンプが油圧を発生しない場合に、ハイブリッド車両の走行を禁止する。
上記ハイブリッド車両の駆動制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両によれば、内燃機関の回転数が低下し、かつ電動オイルポンプによっても油圧が発生できず油圧の確保が困難となった場合に、ハイブリッド車両の走行を禁止することができる。したがって、油圧制御式変速機における油圧が確保しない状況での車両運転を禁止して、機器保護を図ることが可能となる。
あるいは、さらに好ましくは、この発明によるハイブリッド車両の駆動制御装置およびハイブリッド車両では、ハイブリッド車両は、パーキングポジション選択時に車両制動力を発生するパーキングロック機構をさらに備える。そして、駆動制御装置は、駆動指令生成手段により電動オイルポンプの駆動指令が生成されても電動オイルポンプが油圧を発生しない場合に、パーキングポジションを選択する操作を促す。
上記ハイブリッド車両の駆動制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両によれば、油圧の確保が困難となった場合でもエンジン起動に伴って車両が動き出すことを防止可能な状況を作り出すように運転者を促すことができる。したがって、内燃機関の回転数が低下し、かつ電動オイルポンプによっても油圧が発生できず油圧の確保が困難となった場合に、円滑かつ安全にエンジンを起動して車両走行を再開するのに適した状況を作り出すためのガイダンスを実行できる。また、エンジン始動時(クランキング時)にパーキングギアにて反力を取って、エンジン始動が可能となる。
この発明によるハイブリッド車両の駆動制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両によれば、電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される構成を有するハイブリッド車両において、エンジン走行時にエンジン回転数が低下しても油圧制御式変速機でのクラッチ滑りを防止して、クラッチ摩擦材の保護による当該変速機の機器保護および、変速ショックの悪化による車両運転性の悪化の防止を図ることができる。
以下において、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態の一例として示されるハイブリッド車両の駆動装置の構成を説明するブロック図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態によるハイブリッド車両5は、内燃機関110および遊星歯車機構112を含んで構成される主動力源10と、出力軸20と、デファレンシャルギヤ30と、駆動輪40と、アシスト動力源50と、油圧制御式変速機60とを備える。電子制御ユニットで構成されるハイブリッドECU(HV−ECU)100は、ハイブリッド車両5が運転者の操作に適応して走行するように、図1に示した駆動装置の全体動作を制御する。すなわち、HV−ECU100は、本発明による駆動制御装置に対応する。
主動力源10の出力トルクは出力軸20に伝達され、その出力軸20からデファレンシャルギヤ30を介して駆動輪40にトルクが伝達されるように構成されている。一方、走行のための駆動力を出力する力行制御あるいはエネルギを回収する回生制御の可能な電動機で構成されるアシスト動力源50が設けられる。アシスト動力源50からの駆動力は、油圧制御式変速機60(以下、単に変速機60とも称する)を介して出力軸20および駆動輪40へ伝達される。これにより、アシスト動力源50と出力軸20との間で伝達するトルクが、変速機60で設定する変速比に応じて増減可能なように構成される。
変速機60は、設定する変速比が“1”以上となるように構成することができ、このように構成することにより、アシスト動力源50でトルクを出力する力行時に、アシスト動力源50で出力したトルクを増大させて出力軸20に伝達できるので、アシスト動力源50を低容量もしくは小型のものとすることができる。しかしながら、アシスト動力源50の運転効率を良好な状態に維持することが好ましいので、たとえば車速に応じて出力軸20の回転数が増大した場合には、変速比を低下させてアシスト動力源50の回転数を低下させる。また、出力軸20の回転数が低下した場合には、変速比を増大させることがある。
出力軸20に対しては、シフト選択レバー240によるパーキングポジション(Pポジション)選択時に出力軸20の回転をロックするためのパーキングロック機構230が設けられている。詳細な図示は省略するが、パーキングロック機構230は、Pポジション選択時に、出力軸20または出力軸20に連動する歯車の回転を機械的にロック可能な機構により構成することができる。
なお、シフト選択レバー240に加えて、Pポジションを選択するための押しボタンスイッチ(Pポジションスイッチ)を設けることも可能である。いずれにしても、パーキングロック機構230は、Pポジション選択時に、出力軸20の回転を固定することによりハイブリッド車両5の制動力を強制的に発生させることができる。
ハイブリッド車両5の駆動装置構成をさらに詳細に説明する。主動力源10は、内燃機関110と、モータジェネレータ111(以下、第1モータジェネレータ111もしくはMG1と記載する)と、これら内燃機関110および第1モータジェネレータ111の間でトルクを合成もしくは分配する遊星歯車機構112とを主体として構成されている。内燃機関(以下、エンジンと記載する)110は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置であって、スロットル開度(吸気量)や燃料供給量、点火時期などの運転状態を電気的に制御できるように構成されている。その制御は、たとえばマイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(E−ECU)113によって行なうように構成されている。エンジン回転数は、図示しないエンジン回転数センサによって検出され、E−ECU113を介して、HV−ECU100へ送出される。
機械式オイルポンプ32は、エンジン110の回転に伴って、すなわちエンジンから機械的動力を受けて回転することによって油圧を発生可能に構成されている。たとえば、機械式オイルポンプ32は、ダンパ120の出力軸に同軸上に配置され、エンジン110からトルクを受けて動作して油圧を発生する。
第1モータジェネレータ111は、たとえば永久磁石式同期電動機で構成され、電動機としての機能および発電機としての機能の両方を生じ得るように構成されて、インバータ114を介してバッテリなどの蓄電装置115に接続されている。そして、インバータ114を制御することにより、第1モータジェネレータ111の出力トルク(力行トルクあるいは回生トルク)を適宜に設定するようになっている。その設定を行なうために、マイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(MG1−ECU)116が設けられている。
遊星歯車機構112は、外歯歯車であるサンギヤ117と、そのサンギヤ117に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ118と、これらサンギヤ117およびリングギヤ118に噛合っているピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持しているキャリア119とを3つの回転要素として作動作用を生じる公知の歯車機構である。内燃機関110の出力がダンパ120を介してそのキャリア119に連結されている。すなわちキャリア119は、遊星歯車機構112の入力要素となっている。
これに対して、サンギヤ117に第1モータジェネレータ111のロータ(図示せず)が連結されている。したがってサンギヤ117がいわゆる反力要素となっており、また、リングギヤ118が出力要素となっている。そして、リングギヤ118が出力部材としての出力軸20に連結されている。
変速機60は、図1に示す構成例では、1組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。すなわち、変速機60には、それぞれ外歯歯車である第1サンギヤ121および第2サンギヤ122が設けられており、その第1サンギヤ121に第1のピニオン123が噛合するとともに、その第1のピニオン123が第2のピニオン124に噛合している。第2のピニオン124は、各サンギヤ121,122と同心円上に配置されたリングギヤ125に噛合している。なお、各ピニオン123,124は、キャリア126によって自転かつ公転自在に保持されている。また、第2サンギヤ122は、第2のピニオン124に噛合している。したがって、第1サンギヤ121およびリングギヤ125は、各ピニオン123,124とともにダブルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成し、また、第2サンギヤ122およびリングギヤ125は、第2のピニオン124とともにシングルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成している。
そして、第1サンギヤ121を選択的に固定する第1ブレーキB1と、リングギヤ125を選択的に固定する第2ブレーキB2とが設けられている。これらのブレーキB1,B2は摩擦力によって係合力を生じるいわゆる摩擦係合装置であり、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置を採用することができる。そして、これらのブレーキB1,B2は、油圧による係合力に応じて、そのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。さらに、第2サンギヤ122に前述したアシスト動力源50が連結され、またキャリア126が出力軸20に連結されている。
したがって、変速機60では、第2サンギヤ122がいわゆる入力要素であり、キャリア126が出力要素となっている。第1ブレーキB1を係合させることにより、変速比が“1”より大きい高速段(H)が設定され、第1ブレーキB1に代えて第2ブレーキB2を係合させることにより、高速段より変速比の大きい低速段(L)が設定されるように構成されている。
各変速段間での変速は、車速や要求駆動力(もしくはアクセル開度)などの走行状態に基づいて実行される。より具体的には、変速段領域を予めマップ(変速線図)として定めておき、検出された運動状態に応じていずれかの変速段を設定するように制御される。その制御を行なうためのマイクロコンピュータを主体とした電子制御装置(T−ECU)127が設けられている。
なお、図1に示す構成例では、アシスト動力源50として、トルクを出力する力行およびエネルギを回収する回生の可能なモータジェネレータ(以下、第2モータジェネレータ50もしくはMG2と記載する)が採用されている。この第2モータジェネレータ50は、一例として永久磁石式同期電動機であって、そのロータ(図示せず)は、第2サンギヤ122に接続されている。さらに、第2モータジェネレータ50は、インバータ128を介して蓄電装置(バッテリ)129に接続されている。そして、マイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(MG2−ECU)130によってインバータ128を制御することにより、力行および回生ならびにそれぞれの場合における出力トルクを制御するように構成されている。
なお、蓄電装置(バッテリ)129および電子制御装置130は、前述した第1モータジェネレータ111に対応する、バッテリ(蓄電装置)115および電子制御装置116と統合することも可能である。
また、HV−ECU100および各電子制御装置113,116,127,130のそれぞれが相互にデータを通信できるように接続されている。HV−ECU100は、E−ECU113、MG1−ECU116、MG2ECU130、T−ECU127に対して動作指令を発する。
ハイブリッド車両5には、さらにHV−ECU100の指示に応答して、所定メッセージの表示が可能な表示装置210および、所定警報音・メッセージ等を発生可能な警報装置220が備えられる。表示装置210としては、たとえば運転席から視認可能なモニタ画面を用いることができる。また、警報装置220は、HV−ECU100からの指令に応答して、所定の電子音メッセージやメロディ等を発生可能に構成されている。
図2には、主動力源の出力分配機構としてのシングルピニオン型遊星歯車機構112についての共線図が示される。
図2を参照して、キャリア119に入力されるエンジン110の出力トルクに対して、第1モータジェネレータ111による反力トルクをサンギヤ117に入力すると、これらのトルクを加減算した大きさのトルクが出力要素となっているリングギヤ118に現れる。その場合、第1モータジェネレータ111のロータがそのトルクによって回転し、第1モータジェネレータ111は発電機として機能する。
また、リングギヤ118の回転数(出力回転数)を一定とした場合、第1モータジェネレータ111の回転数を大小に変化させることにより、エンジン110の回転数を連続的に(無段階)に変化させることができる。すなわち、エンジン110の回転数をたとえば燃費が最もよい回転数に設定する制御を、第1モータジェネレータ111を制御することによって行なうことができる。
また、走行中にエンジン110を停止させていれば、第1モータジェネレータ111が逆回転しており、その状態から第1モータジェネレータ111を電動機として動作させて正回転方向にトルクを出力させると、キャリア119が連結されているエンジン110にこれを正回転させる方向のトルクが作用し、したがって、第1モータジェネレータ111によりエンジン110を起動(モータリングもしくはクランキング)することができる。その場合、出力軸20には、その回転を止める方向のトルクが作用する。したがって、走行のための駆動トルクは、第2モータジェネレータ50の出力する反力トルクを制御することによって維持でき、同時にエンジンの起動を円滑に行なうことができる。なお一般に、この種のハイブリッド形式は機械分配式あるいはスプリットタイプと称されている。
図3には、変速機60に含まれるラビニオ型遊星歯車機構についての共線図が示される。
図3を参照して、第2ブレーキB2によってリングギヤ125を固定することによって、低速段Lが設定される。低速段Lの設定時には、第2モータジェネレータ50の出力したトルクは、変速比に応じて増幅されて出力軸20に付加される。
これに対して、第1ブレーキB1によって第1サンギヤ121を固定した場合には、低速段Lより変速比の小さい高速段Hが設定される。この高速段Hにおける変速比も“1”より大きいので、第2モータジェネレータ50の出力したトルクは、その変速比に応じて増大されて出力軸20に付加される。
なお、各変速段L,Hが定常的に設定されている状態では、出力軸20に付加されるトルクは、第2モータジェネレータ50の出力トルクを変速比に応じて増大させたトルクとなるが、変速過渡状態では、各ブレーキB1,B2でのトルク容量や回転数変化に伴う慣性トルクなどの影響を受けたトルクとなる。また、出力軸20に付加されるトルクは、第2モータジェネレータ50の駆動状態では正トルクとなり、被駆動状態では負トルクとなる。
上記の油圧制御式変速機60内のブレーキB1,B2に対して油圧を給排してその係合および開放の制御を行なうように、図4に示す油圧制御装置31が設けられている。
図4を参照して、油圧制御装置31は、機械式オイルポンプ32と、電動オイルポンプ33と、オイルパン34と、油圧回路38とを含む。油圧回路38は、オイルポンプ32,33で発生した油圧をライン圧に調整するとともに、そのライン圧を元圧として昇圧した油圧を各ブレーキB1,B2に対して給排し、かつ適宜の箇所に潤滑のためのオイルを供給する。
機械式オイルポンプ32は、図1にも示すように、エンジン110の運転に伴って駆動されることによって油圧を発生する。
電動オイルポンプ33は、モータ(図示せず)によって駆動されるポンプであって、ケーシング(図示せず)の外部などの適宜の箇所に取付けられ、バッテリなどの直流電源39から電力を受けて動作して油圧を発生するように構成されている。電動オイルポンプ33の実績回転数Neopは、回転数センサ39♯によって検知される。回転数センサ39♯の出力は、HV−ECU100へ送出される。
油圧制御装置31によって油圧が制御される油圧経路内には、油温センサ37が設けられる。油温センサ37は、測定対象となる油の温度に応じた電圧を出力する。油温Toilを示す油温センサ37の出力は、HV−ECU100へ送出される。
油圧回路38は、複数のソレノイドバルブや切換バルブあるいは調圧バルブ(それぞれ図示せず)を備え、調圧や油圧の給排を電気的に制御できるように構成されている。なお、各オイルポンプ32,33の吐出側には、それぞれのオイルポンプ32,33の吐出圧で開き、これとは反対方向には閉じる逆止弁35,36が設けられる。また、油圧回路38に対して、機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33は、互いに並列に接続されている。また、ライン圧を調圧するバルブ(図示せず)は、吐出量を増大させてライン圧を高くし、これとは反対に吐出量を減じてライン圧を低くする2つの状態にライン圧を制御するように構成されている。
上述したハイブリッド車両は、主動力源10とアシスト動力源(第2モータジェネレータ)50との2つの動力源を備えているので、これらを有効に利用して低燃費で排ガス量の少ない運転が行なわれる。またエンジン110を駆動する場合であっても、第1モータジェネレータ111によって最適燃費となるようにエンジン110の回転数が制御される。さらに、減速時あるいは制動時には車両の有する回生エネルギが電力として回生される。そして、第2モータジェネレータ50を駆動してトルクアシストする場合、車速が遅い状態では変速機60を変速段Lに設定して出力軸20に付加するトルクを大きくし、車速が増大した状態では変速機60を高速段Hに設定して第2モータジェネレータ50の回転数を相対的に低下させ損失を低下し、効率のよいトルクアシストが実行できる。
上述したハイブリッド車両は、エンジン110の動力による走行、エンジン110と第2モータジェネレータ50とを使用した走行、第2モータジェネレータ50のみを使用した走行(EV走行)のいずれもが可能であって、これらの走行形態は、アクセル開度などの駆動要求量や車速などに基づいてHV−ECU100によって判断され選択される。たとえば、バッテリの充電量が十分であって、駆動要求量が相対的に小さい場合、あるいは静粛な発進が手動選択された場合などでは、第2モータジェネレータ50を使用した電気自動車に類した走行の形態が選択されて、エンジン110は停止させられる。
その状態からアクセルペダルが大きく踏み込まれるなど駆動要求量が増大した場合、あるいはバッテリの充電量が低下した場合、もしくは静粛な発進から通常走行に手動切換された場合には、エンジン110が起動されてエンジン110を使用した走行(以下、エンジン走行とも称する)の形態に切換られる。
エンジン110の起動は、第1モータジェネレータ111をモータとして機能させるモータリング(クランキング)により行なわれる。その場合、図2に示すように第1モータジェネレータ111によってサンギヤ117にこれを正回転させる方向にトルクを加えると、リングギヤ118にはこれを逆転させる方向にトルクが作用する。このリングギヤ118は出力軸20に連結されているから、エンジン110の起動に伴うトルクが車両を減速させる方向のトルクとなる。そこで、エンジン110の起動時には、このようないわゆる反力トルクを相殺するように第2モータジェネレータ50によってトルクを出力させる。
次に、エンジン走行時におけるエンジン回転数低下に対応するための、HV−ECU100によるハイブリッド駆動制御について説明する。
図5には、ハイブリッド車両5のエンジン走行時におけるエンジン回転数低下時の第1の制御動作例が示される。
図5を参照して、時刻t0以前では、エンジン回転数Negは、判定回転数N1以上であるので、第2モータジェネレータ50(MG2)のトルク制限が不要である「領域I」と判定される。領域Iでは、MG2トルク制限値Tlmt=Tmaxに設定されて、第2モータジェネレータ50(MG2)のトルク制限は実行されない。この場合には、車両への要求駆動力および車両状況に応じて第2モータジェネレータ(MG2)50に本来要求される駆動力に対応する出力トルクが、そのままMG2トルク指令値とされる。また、機械式オイルポンプ32の回転数が確保されるため、電動オイルポンプ33の駆動指令は発生されない。
時刻t0において、エンジン回転数Negが判定回転数N1未満に低下すると、エンジン回転数が「領域II」に遷移したとの判定がなされる。領域IIでは、エンジン回転数の低下に伴い機械式オイルポンプ32の出力が低下して油圧制御式変速機60への供給油圧が低下する可能性が懸念される。このため、MG2トルク制限値Tlmt=T1に設定されて、第2モータジェネレータ50(MG2)のトルク制限が開始される。この場合には、第2モータジェネレータ(MG2)50に本来要求される出力トルクが出力トルク制限値Tlmt(T1)を超える場合には、MG2出力トルク指令値=T1に制限される。
さらに、油圧制御式変速機60への供給油圧を確保するために、電動オイルポンプ33に対するアシスト指令がオンされて、電動オイルポンプ33の駆動指令が生成される。
さらにエンジン回転数Negが低下して、時刻t1においてエンジン回転数Negが判定回転数N2(N2<N1)未満に低下すると、エンジン回転数が領域IIから「領域III」へ遷移したと判定される。領域IIIでは、MG2トルクの制限がさらに強化されて、MG2トルク制限値Tlmt=T0(T0<T1)に設定される。
これにより、供給油圧の低下に従って油圧制御式変速機60のトルク容量が低下するのに対応して、第2モータジェネレータ(MG2)50の出力トルクがさらに制限される。
なお、エンジン回転数Negの上昇により領域IIIから領域IIへの復帰が判定されるためには、エンジン回転数Negが復帰回転数N2♯を上回ることが条件となる。この復帰回転数N2♯は、判定回転数N2よりも高く設定される。同様に、領域IIから領域Iへの復帰についても、エンジン回転数Negが、判定回転数N1よりも高く設定された復帰回転数N1♯を上回ることが条件となる。
このように、MG2トルク制限の開始および強化に係る判定のための判定回転数N1,N2と、MG2トルク制限の緩和および解除に係る判定のための復帰回転数N1♯,N2♯との間にヒステリシスを設けることにより、MG2トルク制限状況が判定値を境に頻繁に切換わることにより車両運転性が悪化することを防止できる。
時刻t1以降でさらにエンジン回転数が低下して、時刻t0において、エンジン回転数Negが判定回転数N3(N3<N2)未満に低下すると、エンジン回転数が領域IIIから「領域IV」へ低下したと判定される。判定回転数N3は、機械式オイルポンプ32による油圧確保の観点から見たエンジン110の「限界回転数」に対応する。
したがって、領域IVでは、第2モータジェネレータ(MG2)50から油圧制御式変速機60へのトルク出力を禁止するMG2トルクゼロ要求がオンされる。これに伴い、第2モータジェネレータ(MG2)50の出力トルクが実質的に零に設定され、その出力が強制的に停止される。さらに、運転者に対してこの状況に適した操作を促すためのメッセージ出力要求がオンされる。この際に出力されるメッセージ等については、後程詳細に説明する。
図5に示した判定回転数N1〜N3および復帰回転数N1♯,N2♯については、図6に示すように、油温Toilに応じて設定することが好ましい。
図6を参照して、判定回転数N1〜N3および復帰回転数N1♯,N2♯は、油温に応じて、特に高油温領域において通常油温領域よりも相対的に高回転数に設定される。このような設定により、油温上昇時にはオイル粘性の低下に伴って油圧確保が相対的に困難となる現象を反映して、MG2トルク制限の開始および強化に実行できる。これにより、高油温領域における油圧制御式変速機60でのクラッチ滑りをより確実に防止できる。
図7には、ハイブリッド車両5のエンジン走行時におけるエンジン回転数低下時の第1の制御動作例が示される。
図7を参照して、時刻t0〜時刻t1にかけて、図6の動作例と同様にエンジン回転数Negが徐々に低下していく。この期間での制御動作については、図5で説明したのと同様であるので詳細な説明は繰返さない。
図7に示した動作例では、エンジン回転数Negは、時刻t1以降では、判定回転数N3以上の領域で、すなわち領域IIIの範囲内で継続的に推移する。
このように、エンジン回転数が限界回転数(判定回転数N3)まで低下しない場合にも、低回転数状態(領域II〜III)が長時間継続すると、機械式オイルポンプ32からのオイル流量の不足により、油圧制御式変速機60への供給油圧が困難となる。したがって、MG2トルク制限が開始されるようなエンジン回転数低下が開始されてからの経過時間(時刻t0からの経過時間)が、所定の判定時間Tjを超えた場合には、図5の制御動作例におけるエンジン回転数Neg<N3への低下時と同様に、領域IVへの遷移が判定される。
これにより、時刻t0から判定時間Tjが経過した時刻t3において、図5での時刻t2と同様の制御処理が実行される。すなわち、油圧制御式変速機60でのクラッチ滑り発生を防止するために、MG2トルクゼロ要求がオンされて第2モータジェネレータ(MG2)50の出力は強制的に停止される。さらに、運転者へのメッセージ出力要求がオンされる。
なお、判定時間Tjについても、判定回転数等(図6)と同様に油温に応じて可変設定してもよい。この場合には、判定時間Tjは、高油温領域において通常油温領域よりも相対的に短く設定される。
図8および図9には、図6および図7で説明した本発明の実施の形態によるエンジン走行時のハイブリッド駆動制御を実現するためのフローチャートが示される。
図8を参照して、HV−ECU100は、エンジン走行中においてステップS100によりエンジン回転数Negを取得する。そして、HV−ECU100は、ステップS110により、図5および図6で説明した判定回転数N1〜N3および復帰回転数N1♯,N2♯とエンジン回転数Negとの比較に基づき、現在のエンジン回転数が領域I〜IVのいずれであるかを判定する。上述のように、この判定により、第2モータジェネレータ(MG2)50でのトルク制限レベルが判定される。
HV−ECU100は、ステップS120により、MG2トルク制限が必要であるかどうかを判定する。トルク制限不要の場合(ステップS120におけるNO判定時)、すなわちエンジン回転数が領域Iである場合には、HV−ECU100は、ステップS130により、第2モータジェネレータ(MG2)50のトルク制限を実行することなく制御処理を終了して、正常なエンジン走行を継続する。
これに対して、MG2トルク制限要である場合(ステップS120のYES判定時)、すなわちエンジン回転数が領域II〜IVのいずれかである場合には、HV−ECU100は、ステップS140により、エンジン回転数Negに応じて電動オイルポンプ33の駆動が必要であるかどうかを判定する。図5および図6の制御動作例では、MG2トルク制限要の場合には、これに連動して電動オイルポンプアシスト指令を発生(ステップS140はYES判定)したが、トルク制限レベルをさらに細分化して、エンジン回転数の低下が軽微な領域では、電動オイルポンプ33を起動することなくMG2トルク制御のみを実行してもよい(S140はNO判定)。
HV−ECU100は、ステップS150では、ステップS140での電動オイルポンプアシスト要求に応答して、電動オイルポンプ33の駆動指令を生成する。
さらに、HV−ECU100は、ステップS160により、MG2トルクゼロ要求がオンされているか否かを判定する。ステップS160のNO判定時(すなわちエンジン回転数の領域II,III時)には、HV−ECU100は、ステップS170により、MG2トルク制限レベルに応じて、図5,6の例では、領域IIにおいてはMG2トルク制限値Tlmt=T1に設定し、領域IIIでは、Tlmt=T0(T0<T1)に設定する。
これに対して、ステップS160のYES判定時(すなわちエンジン回転数の領域IV時)には、HV−ECU100は、ステップS180により、第2モータジェネレータ(MG2)50の出力トルクが実質的に零に制御され、その出力が強制的に停止される。
さらに、HV−ECU100は、ステップS190により、所定の車両走行禁止処理および運転者へのメッセージ出力処理を実行する。
図9のフローチャートにはステップS190での制御処理が詳細に説明される。
図9を参照して、HV−ECU100は、ステップS200およびS210により、電動オイルポンプ33に対してアシスト要求が発生されているにもかかわらず油圧が確保されていない状況が発生していないかどうか判定する。
ステップS210における油圧確保の判定は、実際の油圧測定値に基づいて実行してもよく、電動オイルポンプ33の実績回転数Neopに基づいて電動オイルポンプ33が正常に起動されたかどうかを判定する構成としてもよい。
HV−ECU100は、ステップS200およびS210の判定により、油圧が確保されていない場合には、ステップS220により車両走行禁止処理を実行する。
さらに、HV−ECU100は、ステップS230により、運転者に対して「油圧確保不能のため車両走行禁止状態であること」を告知し、車両を一旦停止させるようにガイダンスする。さらに、ステップS230では、車両停止後のエンジン起動を円滑に行なうために「シフトポジション選択のPポジションへの切換えを促す」ガイダンスメッセージを出力する。これらのメッセージについては、マルチディスプレイに代表される表示装置210への視覚的メッセージであってもよく、警報装置220によって出力される音声メッセージ等であってもよい。
油圧が確保されていない状態では、クラッチ滑りにより油圧制御式変速機60のトルク容量が確保できず、第2モータジェネレータ(MG2)50からトルクを出力できないため、エンジン起動時に、図2で説明した反力トルクを発生することができない。したがって、Pポジションの選択に伴うパーキングロック機構230(図1)の作動によって出力軸20を固定してハイブリッド車両5の停止を強制的に維持することにより、油圧が確保できない場合においてもエンジンの起動を円滑に行なって車両走行を再開するための車両状況を確保することができる。なお、エンジン再起動後には、油圧が正常レベル確保されると正常走行が再開可能とされる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によるハイブリッド駆動制御によれば、ハイブリッド車両のエンジン走行中において、エンジン回転数の低下により油圧制御式変速機60への供給油圧が低下したときに、電動機(MG2)の出力トルク制限により油圧制御式変速機でのクラッチ滑り発生を防止できる。これにより、クラッチ摩擦材の保護による油圧制御式変速機60の機器保護を図るとともに、変速ショックの悪化による車両運転性の悪化を防止できる。
さらに、電動機(MG2)の出力トルク制限の実行とともに電動オイルポンプの駆動を指示することにより、トルク制限を最小限とすることができる。
また、上記のように、油圧が確保できなくなった場合には、運転者に車両の一旦停止およびエンジン再起動をガイダンスすることにより、油圧が確保されない状況での運転を回避させることができる。
なお、図8のフローチャートにおいて、ステップS100が本発明での「回転数検知手段」に対応し、ステップS110,S130,S170,S180により本発明の「出力制御手段」が実現される。また、ステップS140,S150により、本発明の「駆動指令生成手段」が実現される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態の一例として示されるハイブリッド車両の駆動装置の構成を説明するブロック図である。 主動力源の遊星歯車機構の共線図である。 変速機のラビニオ型遊星歯車機構の共線図である。 油圧制御式変速機へ油圧を供給する油圧制御装置の構成を示すブロック図である。 ハイブリッド車両のエンジン走行時におけるエンジン回転数低下時の第1の制御動作例を示す動作波形図である。 図5に示された判定回転数の設定を説明する概念図である。 ハイブリッド車両のエンジン走行時におけるエンジン回転数低下時の第2の制御動作例を示す動作波形図である。 この発明の実施の形態によるエンジン走行時のハイブリッド駆動制御を説明するフローチャートである。 電動オイルポンプの駆動指令発生時の制御動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
5 ハイブリッド車両、10 主動力源、20 出力軸、30 デファレンシャルギヤ、31 油圧制御装置、32 機械式オイルポンプ、33 電動オイルポンプ、34 油圧回路、35,36 逆止弁、37 油温センサ、38 油圧回路、39 直流電源、39♯ 回転数センサ、40 駆動輪、50 第2モータジェネレータ(MG2,アシスト動力源)、60 油圧制御式変速機、100 HV−ECU(駆動制御装置)、110 内燃機関(エンジン)、111 第1モータジェネレータ(MG1)、112 シングルピニオン型遊星歯車機構、113,116,127,130 電子制御装置(ECU)、114,128 インバータ、115 蓄電装置、117,121,122 サンギヤ、118,125 リングギヤ、119,126 キャリア、120 ダンパ、123,124 ピニオン、210 表示装置、220 警報装置、230 パーキングロック機構
、240 シフト選択レバー、B1,B2 ブレーキ、N1〜N3 判定回転数(MG2トルク制限開始・強化判定用)、N1♯,N2♯ 復帰回転数(MG2トルク制限緩和・解除判定用)、Neg エンジン回転数、Neop 電動オイルポンプ回転数、Tj 判定時間、Toil 油温。

Claims (8)

  1. 内燃機関と、前記内燃機関により駆動される機械式オイルポンプとを備え、かつ、前記機械式オイルポンプから油圧を供給される油圧制御式変速機を介して電動機からの駆動力が駆動輪に伝達される構成を有するハイブリッド車両の駆動制御装置であって、
    前記内燃機関の回転数を検知する回転数検知手段と、
    前記内燃機関の作動時に、前記回転数検知手段により検知された前記内燃機関の回転数に応じて、前記電動機の車両駆動力に対する出力トルク制限値を設定する出力制限手段とを備え、
    前記出力制限手段は、前記内燃機関の回転数の低下に従って前記電動機の出力トルク制限を強化するように、前記内燃機関の回転数に応じて前記出力トルク制限値を段階的に設定する、ハイブリッド車両の駆動制御装置。
  2. 前記出力制限手段は、前記内燃機関の回転数が所定の限界回転数以下に低下した場合には、前記電動機の出力トルクを零に制御する、請求項1記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  3. 前記出力制限手段は、前記内燃機関の回転数が所定回転数以下に低下した時間が所定時間を超えたときには、前記電動機の出力トルクを零に制御する、請求項1記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  4. 前記出力制限手段は、前記内燃機関の回転数が判定回転数よりも低下したときに前記電動機の出力トルク制限を実行し、
    前記判定回転数は、前記油圧制御式変速機の油温が上昇するに従って高く設定される、請求項1記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  5. 前記ハイブリッド車両は、前記油圧制御式変速機に前記油圧を供給可能に構成された電動オイルポンプをさらに備え、
    前記駆動制御装置は、
    前記回転数検知手段により検知された前記内燃機関の回転数に応じて、前記電動オイルポンプの駆動指令を生成する駆動指令生成手段をさらに備える、請求項1記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  6. 前記駆動指令生成手段により前記電動オイルポンプの駆動指令が生成されても前記電動オイルポンプが油圧を発生しない場合に、前記ハイブリッド車両の走行を禁止する手段をさらに備える、請求項5記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  7. 前記ハイブリッド車両は、パーキングポジション選択時に車両制動力を発生するパーキングロック機構をさらに備え、
    前記駆動制御装置は、
    駆動指令生成手段により前記電動オイルポンプの駆動指令が生成されても前記電動オイルポンプが油圧を発生しない場合に、前記パーキングポジションを選択する操作を促す手段をさらに備える、請求項5記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の駆動制御装置を搭載した、ハイブリッド車両。
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