JP4714956B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関および電動機を駆動力源として備えた車両の制御装置に関し、特にいずれか一方の駆動力源を駆動できないことにより他方の駆動力源を駆動して走行する際の変速比や直結クラッチを制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
駆動力源としてガソリンエンジンなどの内燃機関と、電動機(モータ)とを備えたハイブリッド車が知られている。このハイブリッド車は、内燃機関を可及的に効率のよい状態で運転することにより、排ガスの量を低減し、かつ燃費を向上することを目的とした車両であり、したがって内燃機関で走行する運転領域および電動機で走行する運転領域ならびに内燃機関と電動機とで走行する運転領域とが予め定められている。例えば発進時などの低車速時には電動機を駆動して走行し、ある程度車速が高くなった状態では内燃機関を駆動して走行し、その状態で更に大きい駆動力が要求されている場合には、内燃機関と電動機との両方を駆動して走行するように制御される。また、停車時には内燃機関を停止して燃料を無駄に消費し、あるいは排ガスが発生することが防止される。
【0003】
ハイブリッド車の内燃機関および電動機は、基本的には上記のように燃費の向上もしくは排ガス量の低減を主目的として制御されるが、これらは共に車両の駆動力源であるから、いずれか一方が正常に機能しない場合には、他方の駆動力源を代替的に駆動して走行を確保するようにしている。そのような制御をおこなう装置の一例が特開平9−117008号公報に記載されている。
【0004】
この公報に記載された装置は、内燃機関および電動機を変速機の入力側に連結した構成のハイブリッド車を対象とする装置であり、内燃機関が動作しなくなった場合に、電動機を動作させて走行を確保し、その際に電動機の出力領域を高負荷側に拡大するとともに、運転状態と変速比との関係を、内燃機関を動作させ得る場合とは変更するように構成されている。また、電動機を代替的に駆動する場合には、変速機の動力伝達効率あるいは電動機のエネルギ変換効率を考慮して変速比を設定するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したようにハイブリッド車における内燃機関と電動機との駆動領域は異なっており、そのため、電動機を内燃機関に代えて駆動する場合には、電動機を通常の場合とは異なって動作させる必要がある。上記の公報に記載された発明は、その一例を提案するものであるが、内燃機関と電動機との一方に対して他方を代替的に動作させた場合、それらの駆動力源の出力特性の相違をカバーして走行性能の変化を可及的に少なくするには、さらに細かい制御が必要であり、未だ改良の余地があった。
【0006】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、少なくとも二種類備えられている駆動力源の一方に対して他方の駆動力源を代替的に駆動して走行する場合の走行性能を向上させることのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関と電動機とを駆動力源として備えるとともにその駆動力源の出力側に変速機が連結され、その駆動力源と変速機との間に、車速が低いことにより前記変速機で低速側の変速比が設定される場合に解放側に制御されかつ車速が高いことにより前記変速機で高速側の変速比が設定される場合に係合させられる直結クラッチ付き流体伝動機構が連結され、いずれか一方の駆動力源を駆動できない場合に他方の駆動力源を駆動して走行するように構成された車両の制御装置において、前記いずれか一方の駆動力源を駆動できないことに伴って他方の駆動力源を駆動して走行する場合に、前記直結クラッチを係合側に制御し、かつ前記直結クラッチを係合側に制御する場合には、前記変速機の変速比を、前記直結クラッチを係合させる前記高速側の変速比のうちの低速側の変速比に設定するように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0012】
したがって請求項1の発明では、内燃機関と電動機とのいずれか一方に対して他方が代替的に駆動されて走行する場合に、直結クラッチが係合側に制御されてトルクの伝達容量が増大し、流体伝動機構でのトルク伝達効率の低下が抑制され、その結果、駆動力源の出力を充分駆動力に反映させて走行性能を向上させることができる。また、いずれか他方の駆動力源を代替的に駆動して走行する場合、直結クラッチを係合側に制御することに対する制限要因が解除されるので、直結クラッチを係合側に制御して、その動作させられる駆動力源の出力を車両の駆動力に充分反映させることができ、その結果、車両の走行性能を向上させることができる。
【0013】
そして、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記電動機は、走行用の電動機を含み、前記駆動できないいずれか一方の駆動力源は前記内燃機関であり、かつ前記他方の駆動力源は前記走行用の電動機であることを特徴とする車両の制御装置である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記電動機は、前記内燃機関にクラッチを介して連結された第一の電動機と、前記内燃機関と前記流体伝動機構との間に配置されるとともに入力クラッチによって前記内燃機関に連結されかつ前記流体伝動機構に連結された第二の電動機とを含み、前記内燃機関を駆動できないことにより前記第一の電動機を駆動する場合には前記入力クラッチを係合させ、かつ前記内燃機関を駆動できないことにより前記第二の電動機を駆動する場合には前記入力クラッチを解放させるように構成されていることを特徴とする車両の制御装置である。
【0014】
したがって請求項2あるいは3の発明では、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、電動機による走行が可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図に示す具体例に基づいて説明する。この発明で対象とする車両は、少なくとも二種類の駆動力源を備えた車両であり、この種の車両の一例はいわゆるハイブリッド車である。図4はそのハイブリッド車における駆動装置およびその制御系統の一例を示しており、内燃機関1の出力側に入力クラッチ2を介して電動機3が接続されている。さらにその電動機3の出力側にトルクコンバータ4を介して自動変速機5が連結されている。
【0016】
その内燃機関1は、要は、燃料を燃焼させて動力を出力する装置であって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、液化石油ガスや天然ガスもしくは水素などのガス燃料を使用するエンジンなどを採用することができ、またその形式は、レシプロタイプのもの以外にタービン型のエンジンであってもよい。したがってエンジン1は、外力によって強制的に回転させ、その状態で燃料を供給することにより始動することができ、また所定のアイドリング回転数以上の回転数で自律回転を継続しておこない、さらに安定した燃焼(運転)をおこなうためにアイドリング回転数を高くする暖機運転をおこなうように構成されている。さらに、出力を電気的に制御できるようにするために、内燃機関1には電子スロットルバルブ7が設けられている。なお、以下の説明では、内燃機関1をエンジン1と記す。
【0017】
エンジン1の出力側に設けられている入力クラッチ2は、エンジン1の出力を電動機3もしくはトルクコンバータ4に選択的に伝達するためのものであり、言い換えれば、エンジン1を電動機3以降の駆動系統から選択的に遮断し、あるいは伝達するトルクを増減するためのものである。そして入力クラッチ2としては、乾式あるいは湿式のクラッチや単板もしくは多板のクラッチを採用することができ、さらにまた電磁クラッチなどの電気的に係合・解放を制御することのできるクラッチを採用することができる。なお、単板式あるいは多板式のクラッチであっても、電気的に制御できるアクチュエータ(図示せず)によって係合・解放の制御をおこなうように構成することができる。
【0018】
また、電動機3は、要は、電力が供給されてトルクを出力する動力装置であり、直流モータや交流モータを採用することができ、さらには固定永久磁石型同期モータなどの発電機能を兼ね備えたいわゆるモータ・ジェネレータを使用することができる。また、特には図示しないが、ロータの回転位相(回転角度)を検出するためのレゾルバーを備えているモータ・ジェネレータを使用してもよい。なお、以下の説明では、電動機3をモータ・ジェネレータ3と記す。
【0019】
このモータ・ジェネレータ3を入力クラッチ2およびトルクコンバータ4に連結する構造は、入力クラッチ2の出力側の部材にトルクコンバータ4の入力軸などの入力側の部材を連結し、そのトルクコンバータ4の入力側の部材に、モータ・ジェネレータ3のロータを一体に回転するように連結した構成とすればよい。入力クラッチ2を係合した状態でモータ・ジェネレータ3に電力が供給されていなければ、エンジン1の出力トルクによってモータ・ジェネレータ3を回転させることによるから、エンジン1の出力トルクの一部がこのモータ・ジェネレータ3によって吸収される。したがってモータ・ジェネレータ3がエンジン1の出力トルクの吸収手段もしくはリターダとして機能するように構成されている。
【0020】
自動変速機5の入力側に配置されているトルクコンバータ4は、流体を介してトルクの伝達をおこなう伝動機構であって、その入力側の部材と出力側の部材との速度比(回転数の比)に応じて入力トルクが増幅されて出力される。また、その入力側の部材と出力側の部材とを直接、機械的に連結する直結クラッチ(ロックアップクラッチ)8が内蔵されている。このロックアップクラッチ8は、いわゆる摩擦クラッチであり、滑りのない完全な係合状態と、滑りを伴ってトルクを伝達するいわゆる半係合状態とに制御(スリップ制御)することができる。そしてこのロックアップクラッチ8が半係合状態を含めて係合している状態では、流体を介したトルクの伝達が減じられるので、その分、トルクの増幅作用が少なくなる。
【0021】
自動変速機5は、要は、車両の走行状態に応じて変速比を自動的に設定する変速機であって、歯車式の有段変速機やベルト式もしくはトロイダル式の無段変速機などを採用することができる。図示の例は、歯車式の有段変速機の例であり、トルクの伝達経路を変更して変速比を所定の値に設定する歯車変速機部9と、その歯車変速機部9および前記トルクコンバータ4を制御する油圧制御部10とを備えている。その歯車変速機部9は、複数組の遊星歯車機構を主体として構成されているギヤトレーンにおけるトルクの伝達経路を変えて複数段の変速比を設定する構成のもの、常時噛み合っている複数対のギヤ対を選択的に入力軸と出力軸とに連結して所定の変速比を設定する構成のものなどを採用することができる。
【0022】
上記のようにエンジン1が出力した動力は、入力クラッチ2およびトルクコンバータ4を介して歯車変速機部9に伝達され、その変速比に応じて増大もしくは減少させられたトルクが歯車変速機部9から出力される。
【0023】
これらトルクコンバータ4および自動変速機5を駆動および制御するための油圧は、従来の自動変速機と同様に、主に、トルクコンバータ4と歯車変速機部9との間に配置された油圧ポンプ11を、トルクコンバータ4の入力側の部材と共に回転させることにより発生させるように構成されている。したがってこの油圧ポンプ11をエンジン1もしくはモータ・ジェネレータ3によって駆動することになるが、これらエンジン1およびモータ・ジェネレータ3が停止している場合であっても所定の油圧を発生させるために電動オイルポンプ12が設けられている。これは、例えばトルクコンバータ4の外周側で油圧制御部10に接近した位置に配置されている。
【0024】
エンジン1の前端側(前記入力クラッチ2とは反対側)に伝動機構13が設けられ、この伝動機構13によって動力を伝達されて回転する第2の電動機としてのモータ・ジェネレータ14が、エンジン1の先端側の側部に取り付けられている。その伝動機構13は、例えば一対のプーリーとこれらに巻き掛けたベルトとからなる巻き掛け伝動機構や互いに噛合した複数の歯車からなる歯車伝動機構などからなるものであって、その駆動側の部材がクラッチ15を介してエンジン1のクランクシャフト(図示せず)に連結されている。
【0025】
また、この第2のモータ・ジェネレータ14は、電流が供給されてトルクを出力する電動機としての機能と、エンジン1によって回転させられて起電力を生じる発電機としての機能とを備えたものであって、前述したモータ・ジェネレータ3と同様に、固定永久磁石型同期モータなどが採用されている。したがってこの第2のモータ・ジェネレータ14は、エンジン1をモータリングして始動するスタータとしての機能と、エアコンなどの補機類を駆動するための電動機としての機能とを備えている。
【0026】
つぎに制御のためのシステムについて説明すると、前記エンジン1を制御するために電子制御装置(E/G−ECU)16が設けられている。この電子制御装置16は、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されており、エンジン回転数やアクセル開度、変速信号、エンジン水温、始動のための信号などの入力信号に基づいて演算をおこない、エンジン1の始動のための信号や電子スロットルバルブ7のスロットル開度信号、燃料噴射信号、点火時期信号、バルブタイミング信号などの制御信号を出力するように構成されている。
【0027】
また、前記入力クラッチ2の係合・解放を制御するための入力クラッチ用電子制御装置(CL−ECU)17が設けられている。この入力クラッチ用電子制御装置17は、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されたものであって、エンジン回転数信号や車速信号、アクセル開度信号などの適宜の入力信号に基づいて、入力クラッチ2を係合もしくは解放させる制御信号を出力するように構成されている。なお、その制御は、入力クラッチ2の完全解放と完全係合との制御以外に、トルクの伝達を制限した滑りを伴ういわゆる半係合状態での制御も含む。
【0028】
前記モータ・ジェネレータ3には、交流−直流の変換およびモータ・ジェネレータ3に供給する電流や周波数、モータ・ジェネレータ3で発生した電力の制御などをおこなうインバータ18が接続され、さらにこのインバータ18にバッテリ19が接続されている。そしてこれらのインバータ18やバッテリ19を制御するための電子制御装置(MG−ECU)20が設けられている。すなわちこの電子制御装置20は、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されたものであって、モータ・ジェネレータ3についての上記の制御に加え、バッテリ19の充電状態(SOC:State of Charge )を制御するように構成されている。
【0029】
さらに、前記自動変速機5を制御するために、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体とする自動変速機用電子制御装置(A/T−ECU)21が設けられている。この電子制御装置21は、車速やアクセル開度、エンジン回転数、油温などの入力信号に基づいて演算をおこない、走行状態に応じた変速比の設定やエンジンブレーキ状態の設定、ロックアップクラッチ8の係合・解放ならびにスリップ状態の制御などをおこなうように構成されている。
【0030】
前記電動オイルポンプ12には、インバータ22を介してバッテリ23が接続されており、これらのインバータ22およびバッテリ23を制御するためのマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体とした電子制御装置(O/P−ECU)24が設けられている。すなわち、エンジン1およびモータ・ジェネレータ3が停止している状態で前記歯車変速機部9での摩擦係合装置を係合させ、あるいはロックアップクラッチ8を解放させるなどのために必要とする油圧を、電動オイルポンプ12によって発生させるように構成されている。
【0031】
そして、前記第2のモータ・ジェネレータ14にインバータ25を介してバッテリ26が接続され、さらにこれらのインバータ25およびバッテリ26を制御するために、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体とした電子制御装置(MG2−ECU)27が設けられている。そしてこの電子制御装置27によって、第2のモータ・ジェネレータ14の出力トルクや回転数あるいは起電力やバッテリ25に対する充電電力などを制御するように構成されている。なお、この電子制御装置27によって前記伝動機構13におけるクラッチ15の係合・解放の制御を実行することができる。
【0032】
上述したエンジン1やモータ・ジェネレータ3および自動変速機5などを含む駆動系統は、全体として相互に関連させて制御され、そのために上記の各電子制御装置16,17,20,21,24,27が、総合制御装置(G−ECU)28に接続され、かつ相互にデータを送受信できるようになっている。この総合制御装置28はマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されたものであって、走行のための駆動力源の選択や減速時のエネルギの回生などのハイブリッド車としての制御に加えて、一時的な停車時におけるエンジン1の停止およびその後のエンジン1の始動などのいわゆる自動再始動制御と、二輪駆動および四輪駆動との切換制御をおこなうように構成されている。
【0033】
図5に上記の自動変速機5の具体的な構成を示し、またその各変速段を設定するための摩擦係合装置の係合・解放の作動表を図6に示してある。図5において、トルクコンバータ4は、入力クラッチ2における出力側の部材もしくはモータ・ジェネレータ3のロータに連結されたフロントカバー40と一体のポンプインペラ41を備えており、このポンプインペラ41とフロントカバー40との間にポンプインペラ41と対向してタービンランナ42が配置されている。これらポンプインペラ41とタービンランナ42との間でその回転中心側の部分には、一方向クラッチ43によって保持されたステータ44が配置されている。
【0034】
さらに、タービンランナ42とフロントカバー40との間には、フロントカバー40の内面に向けて押圧されてフロントカバー40に係合するロックアップクラッチ8が配置され、このロックアップクラッチ8は、タービンランナ42を取り付けてあるハブに一体化されている。そしてこのフロントカバー40およびポンプインペラ41によって形成される密閉容器の内部に、作動油としてオートマチック・トランスミッション・フルード(以下、ATFと略記する)が封入されている。
【0035】
したがってポンプインペラ41がフロントカバー40と共に回転してATFの螺旋流を生じさせ、これがタービンランナ42に作用してタービンランナ42を回転させ、このようにして両者の間でトルクを伝達するようになっている。すなわちポンプインペラ41が入力要素として機能し、またタービンランナ42が出力要素として機能する。さらに、ロックアップクラッチ8が係合することにより、ATFを介さずにタービンランナ42に対して直接動力を伝達するようになっている。なお、ロックアップクラッチ8を所定の係合圧で滑らせるスリップ制御をおこなうことも可能である。
【0036】
自動変速機5における歯車変速機部は、副変速部46および主変速部47から構成されている。副変速部46は、オーバドライブ用の遊星歯車機構48を備えており、前記トルクコンバータ4におけるタービンランナ42と一体となって回転する入力軸50が、遊星歯車機構48のキャリヤ49に連結されている。この遊星歯車機構48を構成するキャリヤ49とサンギヤ51との間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 とが設けられている。
【0037】
この一方向クラッチF0 は、サンギヤ51がキャリヤ49に対して相対的に正回転、つまり、入力軸50の回転方向に回転した場合に係合するようになっている。そして、副変速部46の出力要素であるリングギヤ52が、主変速部47の入力要素である中間軸53に接続されている。また、サンギヤ51の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
【0038】
したがって、副変速部46は、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態で遊星歯車機構48の全体が一体となって回転する。このため、中間軸53が入力軸50と同速度で回転し、低速段となる。また、ブレーキB0 を係合させてサンギヤ51の回転を止めた状態では、リングギヤ52が入力軸50に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0039】
他方、主変速部47は、三組の遊星歯車機構54,55,56を備えており、三組の遊星歯車機構54,55,56を構成しているそれぞれの回転要素が、以下のように連結されている。すなわち、第1遊星歯車機構54のサンギヤ57と、第2遊星歯車機構55のサンギヤ58とが互いに一体的に連結されている。また、第1遊星歯車機構54のリングギヤ59と、第2遊星歯車機構55のキャリヤ60と、第3遊星歯車機構56のキャリヤ61とが連結されている。さらに、キャリヤ61に出力軸62が連結されている。さらにまた、第2遊星歯車機構55のリングギヤ63が、第3遊星歯車機構56のサンギヤ64に連結されている。
【0040】
この主変速部47の歯車列においては、後進側の1つの変速段と、前進側の4つの変速段とを設定することができる。このような変速段を設定するための摩擦係合装置、つまりクラッチおよびブレーキが、以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、リングギヤ63およびサンギヤ64と、中間軸53との間に第1クラッチC1 が設けられている。また、互いに連結されたサンギヤ57およびサンギヤ58と、中間軸53との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0041】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構54のサンギヤ57、および第2遊星歯車機構55のサンギヤ58の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ57,38とケーシング65との間には、第1一方向クラッチF1 と、多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されている。第1一方向クラッチF1 はサンギヤ57,38が逆回転、つまり入力軸50の回転方向とは反対方向に回転しようとする際に係合するようになっている。
【0042】
また、第1遊星歯車機構54のキャリヤ69とケーシング65との間に、多板ブレーキである第3ブレーキB3 が設けられている。そして第3遊星歯車機構56はリングギヤ66を備えており、リングギヤ66の回転を止めるブレーキとして、多板ブレーキである第4ブレーキB4 と、第2一方向クラッチF2 とが設けられている。第4ブレーキB4 および第2一方向クラッチF2 は、ケーシング65とリングギヤ66との間に相互に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ66が逆回転しようとする際に係合するように構成されている。さらに、歯車変速機部9の入力回転数を検出する入力回転数センサ(タービン回転数センサ)67と、出力軸62の回転数を検出する出力回転数センサ(車速センサ)68とが設けられている。
【0043】
上記のように構成された自動変速機5においては、各クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を、図6の係合作動表に示すように係合・解放することにより、前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図6おいて○印は摩擦係合装置が係合することを示し、◎印は、エンジンブレーキ時に摩擦係合装置が係合することを示し、△印は摩擦係合装置が係合・解放のいずれでもよいこと、言い換えれば、摩擦係合装置が係合されてもトルクの伝達には無関係であることを示し、空欄は摩擦係合装置が解放されることを示している。
【0044】
図6に示すP(パーキング)、R(リバース:後進段)、N(ニュートラル)ならびに第1速(1st)ないし第5速(5th)の各シフト状態は、図示しないシフト装置のレバーをマニュアル操作することにより設定される。そのシフトレバーによって設定される各シフトポジションの配列は、図7に示すとおりであり、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジションが、ここに挙げた順序で車両の前後方向に沿って配列され、そのDポジションに対して車両の幅方向に隣接する位置に“4”ポジションが配置され、その“4”ポジションに対して車両後方側に隣接して“3”ポジションが配置され、さらにこの“3”ポジションの位置から車両の斜め後方に“2”ポジションおよびLポジションが順に配列されている。
【0045】
ここで、Dポジションは車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基づいて前進第1速ないし第5速を設定するためのポジションであり、また“4”ポジションは、第1速ないし第4速、“3”ポジションは第1速ないし第3速、“2”ポジションは第1速および第2速、Lポジションは第1速をそれぞれ設定するためのポジションである。なお、“3”ポジションないしLポジションは、エンジンブレーキレンジを設定するポジションであり、それぞれのポジションで設定可能な変速段のうち最も高速側の変速段でエンジンブレーキを効かせるように構成されている。
【0046】
また、DポジションないしLポジションのいずれかをシフトレバーによって選択することにより、そのポジションに応じた変速段を設定することができるようになっている。すなわち、マニュアル操作によって変速段を設定する変速モードであって、これがスポーツモードである。このスポーツモードを選択するスポーツモードスイッチ70がインストルメントパネルもしくはセンターコンソール(それぞれ図示せず)などに設けられている。このスイッチ70をオン操作した状態で、シフトレバーをDポジションに設定すると前進第5速となり、また“4”ポジションに設定すると前進第4速、“3”ポジションに設定すると前進第3速、“2”ポジションに設定すると前進第2速、Lポジションに設定すると前進第1速の各変速段が設定される。
【0047】
また、前述したようにエンジン1をモータ・ジェネレータ3もしくはトルクコンバータ4に選択的に連結する入力クラッチ2が設けられており、この入力クラッチ2が油圧を介して電気的に制御されるようになっている。そのための油圧回路の一例を図8に示してある。オイルパン80からオイルを吸引かつ加圧するオイルポンプ11の吐出側にプライマリーレギュレータバルブ81が接続されている。このプライマリーレギュレータバルブ81は、従来の自動変速機におけるプライマリーレギュレータバルブと同様であって、エンジン出力あるいはモータ・ジェネレータ3の出力に応じたライン圧を発生させるように構成されている。
【0048】
このプライマリーレギュレータバルブ81から吐出されたライン圧がマニュアルバルブ82に入力されている。このマニュアルバルブ82は、シフトレバー83によって切り換えられるバルブであって、シフトレバー83を前述した各シフトポジションに設定することにより、各シフトポジションに応じたポートからライン圧を出力させるように構成されている。そのライン圧の供給箇所の一例が前述した歯車変速機部9における第1クラッチC1 および第2クラッチC2 であり、シフトレバー83がRポジションに設定されている場合には、第1クラッチC1 にはライン圧が供給されず、PポジションとNポジションとの非走行ポジションでは、いずれのクラッチC1 ,C2 にもライン圧が供給されず、さらにDポジションなどの走行のためのためのポジションに設定されている場合には、変速段に応じて第1クラッチC1 と第2クラッチC2 とにライン圧が供給されるようになっている。
【0049】
一方、入力クラッチ2を制御するためのソレノイドバルブ84が設けられており、前記プライマリーレギュレータバルブ81から吐出したライン圧をこのソレノイドバルブ84を介して入力クラッチ2に供給するようになっている。そのソレノイドバルブ84は、オン/オフの二位置に切り換えられる単純な切換バルブであってもよいが、好ましくは、出力圧を連続的に変化させることのできるリニアソレノイドバルブあるいはデューティソレノイドバルブである。この種の出力圧を連続的に変化させることのできるソレノイドバルブを使用することにより、入力クラッチ2の係合圧すなわち伝達トルクを連続的に変化させ、入力クラッチ2をいわゆるスリップ制御することができる。
【0050】
なお、入力クラッチ2に供給する係合油圧を調圧する調圧弁を設け、前記ソレノイドバルブ84の出力圧をその調圧弁のパイロット圧とすることにより、入力クラッチ2の係合圧を制御するように構成してもよい。また、ソレノイドバルブ84と入力クラッチ2との間にアキュームレータ(図示せず)を介在させ、そのアキュームレータによって入力クラッチ2の係合油圧を滑らかに変化させるようにしてもよい。さらに、前記プライマリーレギュレータバルブ81には、前述した電動オイルポンプ12が接続されており、オイルポンプ11が停止しかつライン圧を必要とする場合に、電動オイルポンプ12で発生させた油圧をプライマリーレギュレータバルブ81に供給するようになっている。
【0051】
上述した車両におけるハイブリッド走行、あるいは停車時にエンジン1を一時的に停止するなどの燃費を可及的に低減させるエコラン走行の各制御は、それぞれの電子制御装置16,17,20,21,24,27の間で前記総合制御装置(G−ECU)28を介してデータ送信しつつ実行される。またその総合制御装置28が所定の電子制御装置16,17,20,21,24,27に制御信号を出力する。
【0052】
そこで、この総合制御装置28に入出力される信号を例示すれば、図9のとおりである。先ず、入力信号の例を挙げれば、ミリ波レーダからの信号、ABS(アンチロックブレーキ)コンピュータからの信号、車両安定化制御(VSC:商標)コンピュータからの信号、エンジン回転数NE 、エンジン水温、イグニッションスイッチからの信号、バッテリSOC(State of Charge:充電状態)、ヘッドライトのオン・オフ信号、デフォッガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速信号、自動変速機(AT)油温、シフトポジション、サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキのオン・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度、アクセル開度、カム角センサからの信号、スポーツシフト信号、車両加速度センサからの信号、駆動力源ブレーキ力スイッチからの信号、タービン回転数NT センサからの信号、レゾルバ信号などである。なお、第1番目に挙げたミリ波レーダとは、ミリ波によって前方の車両を検出し、その前方の車両に追従して走行する制御をおこなうためのレーダである。いわゆるレーダクルーズ制御のためのシステムである。
【0053】
また、出力信号の例を挙げると、点火信号、噴射(燃料の噴射)信号、入力クラッチ用ソレノイドバルブに対する信号、モータ・ジェネレータ3(MG3)の電子制御装置(コントローラ)20に対する信号、モータ・ジェネレータ14(MG14)の電子制御装置(コントローラ)27に対する信号、減速装置に対する信号、ATソレノイドへの信号、ATライン圧コントロールソレノイドへの信号、ABSアクチュエータへの信号、スポーツモードインジケータへの信号、VSCアクチュエータへの信号、ATロックアップコントロールソレノイドバルブへの信号、AT電動オイルポンプへの信号などである。
【0054】
上述したハイブリッド車では、エンジン1を駆動力源として走行する運転領域とモータ・ジェネレータ3を駆動力源として走行する運転領域とが、加速性などの走行性能を損なわない範囲で燃費を向上し、あるいは排ガス量を低減するように設定されている。その一例を図10および図11に示してある。すなわち図10の(A)はドライブポジションが選択されている場合のエンジン1による運転領域とモータ・ジェネレータ3による運転領域とを、車速およびアクセル開度によって、変速段領域と併せて示す図であって、第1速が設定される運転領域のうち、アクセル開度が比較的低開度の領域でモータ・ジェネレータ3が駆動力源として動作させられ、それより高車速および高スロットル開度の領域では、エンジン1が駆動力源として動作させられるように設定されている。また、図11の(A)は後進走行するためのリバースポジションが選択されている場合のエンジン1による運転領域とモータ・ジェネレータ3による運転領域とを示しており、モータ・ジェネレータ3の出力特性が、回転数がある程度増大すると、回転数の増大に伴って出力トルクが低下する特性であるため、可及的に高車速までモータ・ジェネレータ3を駆動力源として使用し、それ以上に高車速でアクセル開度が大きい状態では、エンジン1を駆動力源として使用するようにそれぞれの運転領域が設定されている。
【0055】
しかしながら、車速およびアクセル開度によって定まる運転領域がエンジン1を駆動力源とする運転領域であっても、何らかの理由でエンジン1を動作させることができない場合には、走行を可能にするために、モータ・ジェネレータ3,14をエンジン1に代えて動作させ、走行を確保する。その場合、エンジン1とモータ・ジェネレータ3とでは出力特性が異なっているので、その相違に基づく駆動力の変化を可及的に補うように自動変速機5が制御される。
【0056】
図1はその制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、入力信号の読み込みなどの処理(ステップS1)をおこない、ついでアクセル開度などの車両の状態に基づいてエンジン駆動モードか否か、すなわちエンジン1を駆動して走行するべき状態か否かが判断される(ステップS2)。エンジン1を駆動する状態ではないことによりステップS2で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンから抜ける。また反対にエンジン駆動モードであることにより肯定的に判断された場合には、エンジン1の始動が完了したか否かが判断される(ステップS3)。
【0057】
エンジン1が所期どおりに始動されてステップS3で肯定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを抜け、また反対にエンジン1が始動しないことによりステップS3で否定的に判断された場合には、脱出モードが演算される(ステップS4)。前述したように図4に示すハイブリッド車は、第1のモータ・ジェネレータ3および第2のモータ・ジェネレータ14が出力するトルクを自動変速機5を介して駆動輪(図示せず)に出力することができるので、エンジン1を始動できない場合には、これらのモータ・ジェネレータ3,14を駆動力源として使用することが可能である。したがってエンジン1を始動できないことによる臨時的な脱出モードは、第1のモータ・ジェネレータ3のみを駆動力源として走行するモード、第1および第2の二つのモータ・ジェネレータ3,14を駆動力源として走行するモード、第2のモータ・ジェネレータ14のみを駆動力源として走行するモードとの三つのモードを選択することができる。
【0058】
これらのモードのうち第1のモータ・ジェネレータ4のみを駆動力源として動作させる場合には、入力クラッチ2を解放してエンジン1が連れ回りすることを防止でき、これに対して二つのモータ・ジェネレータ3,14を駆動力源として動作させれば、総トルクが大きくなり、かつエンジン1が連れ回りするとともに電力の消費量が増大する。さらに、第2のモータ・ジェネレータ14のみを駆動力源として動作させる場合には、エンジン1が連れ回りするうえに出力トルクが小さくなるが、消費電力が少なくてよい。このように各モードごとに出力トルクや電力負荷が相違しているので、バッテリ19,26のSOCや必要とする駆動トルクなどに基づいて、脱出用のモードが演算される。
【0059】
その演算結果に基づいて、前記第2のモータ・ジェネレータ14を使用した方が良いか否かが判断される(ステップS5)。第2のモータ・ジェネレータ14を駆動しない方が有利であることによりステップ5で否定的に判断された場合には、第1のモータ・ジェネレータ3を使用するか否かが判断される(ステップS6)。この場合、例えばバッテリ19,25のSOCが低ければ、このステップS6で否定的に判断され、いずれのモータ・ジェネレータ3,14も駆動されないことになる。この場合は、特に制御をおこなうことなくこのルーチンから抜ける。
【0060】
これに対して第1のモータ・ジェネレータ3を使用することが可能であってステップS6で肯定的に判断された場合には、第1のモータ・ジェネレータ3を単独で駆動する(ステップS7)。そして、エンジン1を連れ回して(引き摺って)動力損失が生じることを防止するために、入力クラッチ2を解放(ステップSS8)し、その出力側の動力伝達系統からエンジン1を切り離す。
【0061】
エンジン1を始動できないことに伴って第1のモータ・ジェネレータ3のみを代替的に駆動する場合、駆動力源の出力トルクが相対的に低下するので、自動変速機5の変速比制御として非常時変速比制御が実行される。この非常時変速比制御の一例は、変速比を最低速側の変速比、例えば第1速に固定する制御である。言い換えれば、アップシフトを禁止する制御である。このような制御をおこなうことにより、変速比の低下に伴う駆動力低下を回避できるので、車両の全体としての走行性能を向上させることができ、あるいは走行性能の低下を防止できる。
【0062】
非常時変速比制御の他の例は、低速側の変速比領域を高車速側に拡大する制御である。その例を図10の(B)に示してある。ここに示す例は、第1速の変速段領域を、通常時の第2速段領域程度まで高車速側に拡大し、それに伴って第2速の変速段領域を、通常時の第4速段領域程度まで移動かつ拡大し、それ以外の領域を第3速の変速段領域としたものである。このように変速段領域を設定することにより、大きい駆動力を維持しつつ、出力軸回転数を増大させることができるので、ある程度の高速走行が可能になる。また、他の例を図11の(B)に示してある。ここに示す例は、後進段を設定するためのリバースポジションが選択されている場合の例であり、この場合は、すべての運転領域がモータ・ジェネレータ3による運転領域となる。
【0063】
非常時変速比制御の更に他の例は、その時点の変速比に固定する制御、すなわちアップシフトおよびダウンシフトの両方を禁止する制御である。この制御によれば、車速が増大した場合であってもアップシフトが生じないので、駆動トルクの低下を防止でき、また第2速以上の変速段で走行している際に非常時変速制御が開始されてもダウンシフトが生じることがないので、ショックや違和感が生じることがない。
【0064】
そしてまた、非常時変速比制御の他の例は、第1のモータ・ジェネレータ3によって出力することの可能なトルク(最大トルク)に応じて変速段の許可範囲(アップシフトの許可範囲)もしくは変速比を設定する制御である。具体的には、モータ・ジェネレータ3によって出力できるトルクが大きい場合には、設定する変速比(変速段)を高車速側のものとし、これとは反対にモータ・ジェネレータ3によって出力できるトルクが小さい場合には、相対的に大きい変速比(低速側の変速比)を設定するように制御する。このような制御によれば、モータ・ジェネレータ3の出力するトルクの大小に大きく影響されずに車両の駆動トルクを所定のトルクに維持でき、その結果、走行性能を向上させ、もしくは走行性能の低下を防止できる。なお、モータ・ジェネレータ3の出力できるトルクは、バッテリ19のSOCや温度などによって決まり、また、バッテリに代えて燃料電池を使用する場合には、その燃料電池の残容量によって決まり、したがってこれらのパラメータによってモータ・ジェネレータ3の出力可能なトルクを判断できる。
【0065】
モータ・ジェネレータ3を駆動すれば、そのトルクが機械式オイルポンプ11に伝達されてこのオイルポンプ11によって油圧が発生するが、モータ・ジェネレータ3が動作を開始するまでは、オイルポンプ11が停止していてこのオイルポンプ11によっては油圧を得られない。そこで、自動変速機5で所定の変速比(変速段)を設定するに要する油圧を得るために、電動オイルポンプ12の作動を継続的におこなわせる(ステップS10)。したがってモータ・ジェネレータ3を駆動すると、直ちにその出力トルクが自動変速機5の出力軸に現れ、走行をおこなうことができる。
【0066】
一方、第2のモータ・ジェネレータ14を使用することにより駆動トルクが増大していわゆる脱出性能が向上することに伴い前記のステップS5で肯定的に判断された場合には、第1のモータ・ジェネレータ3を使用するか否かが判断される(ステップS11)。この第1のモータ・ジェネレータ3が接続されているバッテリ19のSOCが低下している場合や、そのバッテリ19の温度が異常に高い場合には、モータ・ジェネレータ3がバッテリ19から電力を得ることができないので、ステップS11ではこのような事態が生じているか否かが判断される。
【0067】
モータ・ジェネレータ3がバッテリ19から電力を受けて駆動可能であることによりステップS11で肯定的に判断された場合には、二つのモータ・ジェネレータ3,14を駆動する(ステップS12)。これに対して第1のモータ・ジェネレータ3がバッテリ19から給電されないなどのことによりステップS11で否定的に判断された場合には、第2のモータ・ジェネレータ3を単独で駆動する(ステップS13)。これらステップS12およびステップS13のいずれを実行した場合であっても、第2のモータ・ジェネレータ14のトルクがエンジン1を介して出力されるので、これを自動変速機5に伝達するために入力クラッチ2を係合させる(ステップS14)。そして前述したステップS9に進んで非常時変速比制御が実行され、さらに電動オイルポンプ12が継続的に動作させられる(ステップS10)。
【0068】
したがって上記の制御装置によれば、モータ・ジェネレータ3,14をエンジン1に代えて駆動する場合、そのモータ・ジェネレータ3,14が出力できるトルクに応じて変速比を設定し、特に出力トルクが大きければ、変速比を小さくするようにしたので、モータ・ジェネレータ3,14の回転数を不必要に高回転にすることなくその動力を有効に使用して走行することができ、またある程度の高速走行も可能になり、車両全体としての動力性能が向上し、もしくはエンジン1を駆動する場合と比較して、動力性能が大きく低下することを防止することができる。
【0069】
上述した図4に示すハイブリッド車は、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ4をモータ・ジェネレータ3の出力側に備えている。そのトルクコンバータ4は、入力回転数と出力回転数との比すなわち速度比が小さいほど(入力回転数と出力回転数との差が大きいほど)、トルクの増幅率が大きくなり、駆動力源が回転している状態での発進や走行中の加速には有利である。しかしながら、上述したようにモータ・ジェネレータ3,14によって発進する場合、モータ・ジェネレータ3,14は停止状態から回転し始めるので、発進時におけるトルクコンバータ4での入力回転数と出力回転数との回転数差が殆どなく、トルクの増幅作用を得ることができない。そこでこの発明に係る制御装置は、エンジン1を駆動すべきところをモータ・ジェネレータ3,14を駆動して発進する場合には、ロックアップクラッチ8を係合させてモータ・ジェネレータ3,14の出力するトルクをそのまま歯車変速機部9に入力する。
【0070】
図2はその制御例を示しており、入力信号の処理(ステップS1)から入力クラッチ2のオフ(解放)制御(ステップS8)もしくはオン(係合)制御(ステップS14)までの各制御は、図1に示す制御例と同様である。そして図2に示す制御例では、入力クラッチ2を解放もしくは係合した後に、変速比を第3速に固定する(ステップS15)。この制御は、例えば図3に示すように、車速およびアクセル開度によって決まる運転領域の全体をモータ・ジェネレータ3,14を駆動する運転領域とし、かつその全体の変速段領域を第3速の領域としたマップを、制御マップとして採用することにより実行できる。
【0071】
第3速の変速比は、最低速側の変速比である第1速の変速比に対して小さく、そのため出力軸トルクを大きくする点では、第1速を設定するよりも不利である。しかしながら、ロックアップクラッチ8は、係合することにより駆動力源のトルク変動に伴う振動をも伝達するうえに係合・解放状態の切り替えに伴ってトルクの変化を招来するので、車速がある程度高い状態すなわち高速段が設定されている場合に係合させるのが一般的である。したがって低速段を設定するための油圧回路などの機構とロックアップクラッチ8を係合させるための油圧回路などの機構とが同時に動作することがなく、そのためそれらの機構の一部を共用させるとができる。言い換えれば、低速段が設定されている状態ではロックアップクラッチ8を係合させることが機構上、不可能な場合がある。そこで、図2に示す制御例では、高速側の変速段であってロックアップクラッチ8を係合可能な可及的に低速側の変速段である第3速を設定する。
【0072】
ステップS15で変速比をこのように設定した後、電動オイルポンプ12の作動を継続的におこなわせる(ステップS16)。そして、ロックアップクラッチ8を強制的に作動させる(ステップS17)。このステップS17の制御は、要は、ロックアップクラッチ8を係合側に制御すればよいのであって、ロックアップクラッチ8を完全に係合させてもよく、あるいはスリップを伴ってトルクを伝達するいわゆる半係合状態としてもよい。
【0073】
したがって上記のステップS15およびステップS17の制御を実行する装置が請求項1の制御装置に相当する。
【0074】
上述した図2に示す制御を実行する装置によれば、エンジン1を始動できないことに伴ってモータ・ジェネレータ3,14を使用して発進する場合、その出力トルクは、ロックアップクラッチ8を介して自動変速機5に入力され、ここから出力軸にトルクが出力されるので、トルクコンバータ4での滑りによる動力の伝達効率の低下が回避もしくは抑制され、それに伴って車両の駆動トルクの低下が防止される。その結果、モータ・ジェネレータ3,14をエンジン1の代替手段として駆動して発進する場合であっても、駆動トルクを大きくして走行性能を向上させることができ、あるいはエンジン1を使用する場合に比較して走行性能が大きく低下することを防止できる。
【0075】
なお、この発明の制御装置による制御は、車両の発進時および走行時のいずれでも実行することができる。また、この発明は、上述した第1のモータ・ジェネレータ3もしくは第2のモータ・ジェネレータ14のいずれか一方のみを電動機として備えた車両を対象とする制御装置にも適用することができる。また、変速比を固定する制御やその変速比領域を変更する制御は、マップを切り替えることによりおこなう以外に、制御データを補正するなどの他の手段によっておこなってもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、内燃機関と電動機とのいずれか一方に対して他方が代替的に駆動されて走行する場合に、直結クラッチが係合側に制御されてトルクの伝達容量が増大し、流体伝動機構でのトルク伝達効率の低下が抑制されるので、駆動力源の出力を充分駆動力に反映させて走行性能を向上させることができる。
【0079】
そして、請求項1の発明によれば、いずれか他方の駆動力源を代替的に駆動して走行する場合、直結クラッチを係合側に制御することに対する制限要因が解除されるので、直結クラッチを係合側に制御して、その動作させられる駆動力源の出力を車両の駆動力に充分反映させることができ、その結果、車両の走行性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置で実行される制御例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 この発明の制御装置で実行される他の制御例を説明するためのフローチャートである。
【図3】 ロックアップクラッチを係合可能にするために変速段を第3速に固定する場合に使用するマップの一例を示す図である。
【図4】 この発明で対象とするパワートレーンおよび制御系統の一例を模式的に示すブロック図である。
【図5】 その自動変速機における歯車変速機部を主に示すスケルトン図である。
【図6】 その自動変速機の各変速段を設定するためのクラッチおよびブレーキの係合・解放を示す図表である。
【図7】 図5に示す自動変速機を制御するシフトレバーの操作により選択されるシフトポジションの配列およびスポーツモードスイッチを示す概念図である。
【図8】 入力クラッチと歯車変速機部における入力のためのクラッチとに対する油圧の供給経路を概略的に示すブロック図である。
【図9】 この発明の一例で使用される総合制御装置における入出力信号を示す図である。
【図10】 通常時のドライブポジションで使用されるマップ(A)とモータ・ジェネレータを代替的に駆動する際のドライブポジションで使用されるマップ(B)とを示す図である。
【図11】 通常時のリバースポジションで使用されるマップ(A)とモータ・ジェネレータを代替的に駆動する際のリバースポジションで使用されるマップ(B)とを示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 3,14…モータ・ジェネレータ、 4…トルクコンバータ、 8…ロックアップクラッチ、 16,17,20,21,24,27…電子制御装置、 28…総合制御装置。
Claims (3)
- 内燃機関と電動機とを駆動力源として備えるとともにその駆動力源の出力側に変速機が連結され、その駆動力源と変速機との間に、車速が低いことにより前記変速機で低速側の変速比が設定される場合に解放側に制御されかつ車速が高いことにより前記変速機で高速側の変速比が設定される場合に係合させられる直結クラッチ付き流体伝動機構が連結され、いずれか一方の駆動力源を駆動できない場合に他方の駆動力源を駆動して走行するように構成された車両の制御装置において、
前記いずれか一方の駆動力源を駆動できないことに伴って他方の駆動力源を駆動して走行する場合に、前記直結クラッチを係合側に制御し、かつ前記直結クラッチを係合側に制御する場合には、前記変速機の変速比を、前記直結クラッチを係合させる前記高速側の変速比のうちの低速側の変速比に設定するように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。 - 前記電動機は、走行用の電動機を含み、前記駆動できないいずれか一方の駆動力源は前記内燃機関であり、かつ前記他方の駆動力源は前記走行用の電動機であることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記電動機は、前記内燃機関にクラッチを介して連結された第一の電動機と、前記内燃機関と前記流体伝動機構との間に配置されるとともに入力クラッチによって前記内燃機関に連結されかつ前記流体伝動機構に連結された第二の電動機とを含み、前記内燃機関を駆動できないことにより前記第一の電動機を駆動する場合には前記入力クラッチを係合させ、かつ前記内燃機関を駆動できないことにより前記第二の電動機を駆動する場合には前記入力クラッチを解放させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制御装置。
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