JP3991541B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、動力伝達装置を介して駆動力源を駆動輪に連結した車両の制御装置に関し、特に駆動力源によって制動力を発生させている状態での動力伝達装置の制御をおこなう装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関などの車両を走行させるための駆動力源は、燃料を燃焼させることにより機械的動力を出力するが、その内燃機関に燃料を供給せずに強制的に回転させるには、フリクションロスやポンピングロスなどのために大きい外力を必要とする。駆動力源のこのような作用を利用して、従来、減速時に駆動力源を駆動輪に対してトルク伝達可能に連結し、駆動力源を強制的に回転させるために必要とするトルクを制動トルクとして作用させることがおこなわれている。いわゆるエンジンブレーキである。
【0003】
また最近では、発電機やフライホイールなどの回生手段を設け、走行している車両が有する運動エネルギを減速時に回生し、発進時や加速時などにその回生エネルギを使用することにより、排ガス量を削減し、かつ燃費を向上させることがおこなわれるようになってきている。そのエネルギ回生時には、前記回生手段を車両の有する慣性力で強制的に回転させるのであるから、上記のエンジンブレーキと同様に、制動力が生じる。この種の回生機能を備えたハイブリッド車では、回生エネルギ量や回生の態様などによって制動力が大小に変化するので、減速時の制動力をその回生手段を制御することにより適宜に設定することがおこなわれている。
【0004】
例えば特開平11−164403号公報に記載された制御装置は、エンジンの出力軸を変速機の入力部材にクラッチを介して連結するとともに、発電機として機能するモータを変速機の入力部材に連結し、車両の減速時にクラッチを解放してエンジンと変速機およびモータとの連結を解除し、そのモータによってエンジンブレーキに相当する負荷を発生させるように構成されている。したがってこの公報に記載された制御装置では、減速時にエンジンを強制的に回転させることがないので、エネルギの損失が抑制され、またエンジンブレーキと同様な制動力を得ることができるので、違和感を防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載された装置は、車両の有する走行慣性力が、駆動輪から変速機などの動力伝達装置を介してモータに入力され、モータを強制的に回転させることによりエネルギの回生がおこなわれる。その場合、動力伝達装置を構成している変速機の変速比や直結クラッチ(ロックアップクラッチ)などの動作状態を変更することにより、動力伝達装置の動力伝達特性もしくは動力の伝達の態様が変化するので、エネルギ回生量や回生効率あるいは制動力などを制御できる。
【0006】
しかしながら、内燃機関に代えてモータによって制動力を発生させた場合やモータによる制動力を変化させた場合、減速時に動力伝達装置に作用する負荷の状態が、エンジンによって制動力を発生させる通常の状態とは相違することになるので、変速比や直結クラッチの係合状態などの動力伝達装置の動作状態を変更した際に、出力トルクが過渡的に大きく変化してしまい、ショックが発生する可能性があった。
【0007】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、動力伝達装置のいわゆる上流側で発生させる制動トルクを変更した場合であってもショックの発生を防止することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の課題を解決するために、動力伝達装置のいわゆる上流側で制動トルクを発生させ、その制動トルクを変更した場合に、それに併せて動力伝達装置でのトルクの伝達状態もしくはその制御内容を変更するように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、動力の伝達状態を制御できかつその制御内容を変更可能な動力伝達装置の動力の伝達方向での上流側に、発生させる制動力を変更可能な駆動力源が連結され、かつその動力伝達装置の動力の伝達方向での下流側に駆動輪が設けられた車両の制御装置において、前記動力伝達装置は、変速比を設定するために油圧によって係合・解放させられる摩擦係合装置を有する変速機を含み、前記駆動力源で発生させる制動力を変更した場合に前記摩擦係合装置の油圧を増大させる勾配を、前記駆動力源による制動力が大きい場合ほど小さくする制御に前記摩擦係合装置の油圧の制御内容を変更する手段を備えていることを特徴とする制御装置である。
【0011】
また、請求項2の発明は、動力の伝達状態を制御できかつその制御内容を変更可能な動力伝達装置の動力の伝達方向での上流側に、発生させる制動力を変更可能な駆動力源が連結され、かつその動力伝達装置の動力の伝達方向での下流側に駆動輪が設けられた車両の制御装置において、前記動力伝達装置は、変速比を設定するために油圧によって係合・解放させられる摩擦係合装置を有する変速機を含み、前記駆動力源で発生させる制動力を変更した場合に前記変速機でのコーストダウンシフトを実行する車速を、前記駆動力源による制動力が大きい場合ほど低車速側に設定する制御に前記変速機の変速比の制御内容を変更する手段を備えていることを特徴とする制御装置である。
【0012】
したがって請求項1あるいは請求項2の発明では、駆動力源で発生させる制動力を変更した場合、変速機における変速比や変速比を設定するための摩擦係合装置の油圧など、変速機の制御の内容が変更され、その結果、動力伝達装置の動作状態が、その上流側で発生する制動力に応じた動作状態となってショックの発生が防止もしくは抑制される。
【0013】
さらに、請求項3の発明は、動力の伝達状態を制御できかつその制御内容を変更可能な動力伝達装置の動力の伝達方向での上流側に、発生させる制動力を変更可能な駆動力源が連結され、かつその動力伝達装置の動力の伝達方向での下流側に駆動輪が設けられた車両の制御装置において、前記動力伝達装置は、直結クラッチを備えた流体伝動装置を含み、前記駆動力源で発生させる制動力を変更した場合に前記直結クラッチの制御内容を、前記直結クラッチを係合・解放する際の伝達トルク容量の変化の割合が、前記駆動力源による制動力が大きい場合ほど小さくする制御に変更する手段を備えていることを特徴とする制御装置である。
【0014】
また、請求項4の発明は、動力の伝達状態を制御できかつその制御内容を変更可能な動力伝達装置の動力の伝達方向での上流側に、発生させる制動力を変更可能な駆動力源が連結され、かつその動力伝達装置の動力の伝達方向での下流側に駆動輪が設けられた車両の制御装置において、前記動力伝達装置は、直結クラッチを備えた流体伝動装置を含み、前記駆動力源で発生させる制動力を変更した場合に前記直結クラッチの制御内容を、前記直結クラッチを係合させる油圧が、前記駆動力源による制動力が大きい場合ほど、高い油圧に設定される制御に変更する手段を備えていることを特徴とする制御装置である。
【0015】
したがって請求項3あるいは請求項4の発明では、駆動力源で発生させる制動力を変更した場合、直結クラッチの制御内容、例えばその係合もしくは解放時のトルク伝達容量の変化の割合や滑り状態の制御の内容が変更され、その結果、動力伝達装置の動作状態が、その上流側で発生する制動力に応じた動作状態となってショックの発生が防止もしくは抑制される。
請求項5の発明は、動力の伝達状態を制御できかつその制御内容を変更可能な動力伝達装置の動力の伝達方向での上流側に駆動力源が連結され、かつその動力伝達装置の動力の伝達方向での下流側に、発生させる制動力を変更可能な駆動輪が設けられた車両の制御装置において、前記動力伝達装置は、直結クラッチを備えた流体伝動装置を含み、前記直結クラッチを滑り状態に制御するとともに、前記駆動力源で発生させる制動力を変更した場合に前記直結クラッチの制御内容を、前記直結クラッチを滑り状態に設定する制御における油圧指示初期値を、前記駆動力源による制動力が小さい場合ほど小さくする制御に変更する手段を備えていることを特徴とする車両の制御装置である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記駆動力源は、内燃機関とモータ・ジェネレータとを含み、前記駆動力源による制動力の変更は、前記モータ・ジェネレータによって制動力を生じさせることによる制動力の変更であることを特徴とする車両の制御装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図に示す具体例に基づいて説明する。この発明で対象とする車両は、少なくとも二種類の駆動力源を備えた車両であり、この種の車両の一例はいわゆるハイブリッド車である。図9はそのハイブリッド車における駆動装置およびその制御系統の一例を示しており、内燃機関1の出力側に入力クラッチ2を介して電動機3が接続されている。さらにその電動機3の出力側にトルクコンバータ4を介して自動変速機5が連結されている。
【0017】
その内燃機関1は、要は、燃料を燃焼させて動力を出力する装置であって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、液化石油ガスや天然ガスもしくは水素などのガス燃料を使用するエンジンなどを採用することができ、またその形式は、レシプロタイプのもの以外にタービン型のエンジンであってもよい。したがってエンジン1は、外力によって強制的に回転させ、その状態で燃料を供給することにより始動することができ、また所定のアイドリング回転数以上の回転数で自律回転を継続しておこない、さらに安定した燃焼(運転)をおこなうためにアイドリング回転数を高くする暖機運転をおこなうように構成されている。さらに、出力を電気的に制御できるようにするために、内燃機関1には電子スロットルバルブ7が設けられている。なお、以下の説明では、内燃機関1をエンジン1と記す。
【0018】
エンジン1の出力側に設けられている入力クラッチ2は、エンジン1の出力を電動機3もしくはトルクコンバータ4に選択的に伝達するためのものであり、言い換えれば、エンジン1を電動機3以降の駆動系統から選択的に遮断し、あるいは伝達するトルクを増減するためのものである。そして入力クラッチ2としては、乾式あるいは湿式のクラッチや単板もしくは多板のクラッチを採用することができ、さらにまた電磁クラッチなどの電気的に係合・解放を制御することのできるクラッチを採用することができる。なお、単板式あるいは多板式のクラッチであっても、電気的に制御できるアクチュエータ(図示せず)によって係合・解放の制御をおこなうように構成することができる。
【0019】
また、電動機3は、要は、電力が供給されてトルクを出力する動力装置であり、直流モータや交流モータを採用することができ、さらには固定永久磁石型同期モータなどの発電機能を兼ね備えたいわゆるモータ・ジェネレータを使用することができる。また、特には図示しないが、ロータの回転位相(回転角度)を検出するためのレゾルバーを備えているモータ・ジェネレータを使用してもよい。なお、以下の説明では、電動機3をモータ・ジェネレータ3と記す。
【0020】
このモータ・ジェネレータ3を入力クラッチ2およびトルクコンバータ4に連結する構造は、入力クラッチ2の出力側の部材にトルクコンバータ4の入力軸などの入力側の部材を連結し、そのトルクコンバータ4の入力側の部材に、モータ・ジェネレータ3のロータを一体に回転するように連結した構成とすればよい。入力クラッチ2を係合した状態でモータ・ジェネレータ3に電力が供給されていなければ、エンジン1の出力トルクによってモータ・ジェネレータ3を回転させることによるから、エンジン1の出力トルクの一部がこのモータ・ジェネレータ3によって吸収される。したがってモータ・ジェネレータ3がエンジン1の出力トルクの吸収手段もしくはリターダとして機能するように構成されている。
【0021】
自動変速機5の入力側に配置されているトルクコンバータ4は、流体を介してトルクの伝達をおこなう伝動機構であって、その入力側の部材と出力側の部材との速度比(回転数の比)に応じて入力トルクが増幅されて出力される。また、その入力側の部材と出力側の部材とを直接、機械的に連結する直結クラッチ(ロックアップクラッチ)8が内蔵されている。このロックアップクラッチ8は、いわゆる摩擦クラッチであり、滑りのない完全な係合状態と、滑りを伴ってトルクを伝達するいわゆる半係合状態とに制御することができる。そしてこのロックアップクラッチ8が半係合状態を含めて係合している状態では、流体を介したトルクの伝達が減じられるので、その分、トルクの増幅作用が少なくなる。
【0022】
自動変速機5は、要は、車両の走行状態に応じて変速比を自動的に設定する変速機であって、歯車式の有段変速機やベルト式もしくはトロイダル式の無段変速機などを採用することができる。図示の例は、歯車式の有段変速機の例であり、トルクの伝達経路を変更して変速比を所定の値に設定する歯車変速機部9と、その歯車変速機部9および前記トルクコンバータ4を制御する油圧制御部10とを備えている。その歯車変速機部9は、複数組の遊星歯車機構を主体として構成されているギヤトレーンにおけるトルクの伝達経路を変えて複数段の変速比を設定する構成のもの、常時噛み合っている複数対のギヤ対を選択的に入力軸と出力軸とに連結して所定の変速比を設定する構成のものなどを採用することができる。
【0023】
上記のようにエンジン1が出力した動力は、入力クラッチ2およびトルクコンバータ4を介して歯車変速機部9に伝達され、その変速比に応じて増大もしくは減少させられたトルクが歯車変速機部9から出力され、図示しない駆動輪に伝達される。
【0024】
これらトルクコンバータ4および自動変速機5を駆動および制御するための油圧は、従来の自動変速機と同様に、主に、トルクコンバータ4と歯車変速機部9との間に配置された油圧ポンプ11を、トルクコンバータ4の入力側の部材と共に回転させることにより発生させるように構成されている。したがってこの油圧ポンプ11をエンジン1もしくはモータ・ジェネレータ3によって駆動することになるが、これらエンジン1およびモータ・ジェネレータ3が停止している場合であっても所定の油圧を発生させるために電動オイルポンプ12が設けられている。これは、例えばトルクコンバータ4の外周側で油圧制御部10に接近した位置に配置されている。
【0025】
エンジン1の前端側(前記入力クラッチ2とは反対側)に伝動機構13が設けられ、この伝動機構13によって動力を伝達されて回転する第2の電動機としてのモータ・ジェネレータ14が、エンジン1の先端側の側部に取り付けられている。その伝動機構13は、例えば一対のプーリーとこれらに巻き掛けたベルトとからなる巻き掛け伝動機構や互いに噛合した複数の歯車からなる歯車伝動機構などからなるものであって、その駆動側の部材がクラッチ15を介してエンジン1のクランクシャフト(図示せず)に連結されている。
【0026】
また、この第2のモータ・ジェネレータ14は、電流が供給されてトルクを出力する電動機としての機能と、エンジン1によって回転させられて起電力を生じる発電機としての機能とを備えたものであって、前述したモータ・ジェネレータ3と同様に、固定永久磁石型同期モータなどが採用されている。したがってこの第2のモータ・ジェネレータ14は、エンジン1をモータリングして始動するスタータとしての機能と、エアコンなどの補機類を駆動するための電動機としての機能とを備えている。そして、上記のエンジン1およびモータ・ジェネレータ3がこの発明の駆動力源を構成し、そのトルクの伝達方向での下流側に連結されているトルクコンバータ4や歯車変速機部9ならびにその出力側に連結されているプロペラシャフト(図示せず)が駆動輪にトルクを伝達する動力伝達装置を構成している。
【0027】
つぎに制御のためのシステムについて説明すると、前記エンジン1を制御するために電子制御装置(E/G−ECU)16が設けられている。この電子制御装置16は、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されており、エンジン回転数やアクセル開度、変速信号、エンジン水温、始動のための信号などの入力信号に基づいて演算をおこない、エンジン1の始動のための信号や電子スロットルバルブ7のスロットル開度信号、燃料噴射信号、点火時期信号、バルブタイミング信号などの制御信号を出力するように構成されている。
【0028】
また、前記入力クラッチ2の係合・解放を制御するための入力クラッチ用電子制御装置(CL−ECU)17が設けられている。この入力クラッチ用電子制御装置17は、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されたものであって、エンジン回転数信号や車速信号、アクセル開度信号などの適宜の入力信号に基づいて、入力クラッチ2を係合もしくは解放させる制御信号を出力するように構成されている。なお、その制御は、入力クラッチ2の完全解放と完全係合との制御以外に、トルクの伝達を制限した滑りを伴ういわゆる半係合状態での制御(スリップ制御)も含む。
【0029】
前記モータ・ジェネレータ3には、交流−直流の変換およびモータ・ジェネレータ3に供給する電流や周波数、モータ・ジェネレータ3で発生した電力の制御などをおこなうインバータ18が接続され、さらにこのインバータ18にバッテリ19が接続されている。そしてこれらのインバータ18やバッテリ19を制御するための電子制御装置(MG−ECU)20が設けられている。すなわちこの電子制御装置20は、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されたものであって、モータ・ジェネレータ3についての上記の制御に加え、バッテリ19の充電状態(SOC:State of Charge )を制御するように構成されている。
【0030】
さらに、前記自動変速機5を制御するために、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体とする自動変速機用電子制御装置(A/T−ECU)21が設けられている。この電子制御装置21は、車速やアクセル開度、エンジン回転数、油温などの入力信号に基づいて演算をおこない、走行状態に応じた変速比の設定やエンジンブレーキ状態の設定、ロックアップクラッチ8の係合・解放ならびにスリップ状態の制御などをおこなうように構成されている。
【0031】
前記電動オイルポンプ12には、インバータ22を介してバッテリ23が接続されており、これらのインバータ22およびバッテリ23を制御するためのマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体とした電子制御装置(O/P−ECU)24が設けられている。すなわち、エンジン1およびモータ・ジェネレータ3が停止している状態で前記歯車変速機部9での摩擦係合装置を係合させ、あるいはロックアップクラッチ8を解放させるなどのために必要とする油圧を、電動オイルポンプ12によって発生させるように構成されている。
【0032】
そして、前記第2のモータ・ジェネレータ14にインバータ25を介してバッテリ26が接続され、さらにこれらのインバータ25およびバッテリ26を制御するために、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体とした電子制御装置(MG2−ECU)27が設けられている。そしてこの電子制御装置27によって、第2のモータ・ジェネレータ14の出力トルクや回転数あるいは起電力やバッテリ25に対する充電電力などを制御するように構成されている。なお、この電子制御装置27によって前記伝動機構13におけるクラッチ15の係合・解放の制御を実行することができる。
【0033】
上述したエンジン1やモータ・ジェネレータ3および自動変速機5などを含む駆動系統は、全体として相互に関連させて制御され、そのために上記の各電子制御装置16,17,20,21,24,27が、総合制御装置(G−ECU)28に接続され、かつ相互にデータを送受信できるようになっている。この総合制御装置28はマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されたものであって、走行のための駆動力源の選択や減速時のエネルギの回生などのハイブリッド車としての制御に加えて、一時的な停車時におけるエンジン1の停止およびその後のエンジン1の始動などのいわゆる自動再始動制御と、二輪駆動および四輪駆動との切換制御をおこなうように構成されている。
【0034】
図10に上記の自動変速機5の具体的な構成を示し、またその各変速段を設定するための摩擦係合装置の係合・解放の作動表を図11に示してある。図10において、トルクコンバータ4は、入力クラッチ2における出力側の部材もしくはモータ・ジェネレータ3のロータに連結されたフロントカバー40と一体のポンプインペラ41を備えており、このポンプインペラ41とフロントカバー40との間にポンプインペラ41と対向してタービンランナ42が配置されている。これらポンプインペラ41とタービンランナ42との間でその回転中心側の部分には、一方向クラッチ43によって保持されたステータ44が配置されている。
【0035】
さらに、タービンランナ42とフロントカバー40との間には、フロントカバー40の内面に向けて押圧されてフロントカバー40に係合するロックアップクラッチ8が配置され、このロックアップクラッチ8は、タービンランナ42を取り付けてあるハブに一体化されている。そしてこのフロントカバー40およびポンプインペラ41によって形成される密閉容器の内部に、作動油としてオートマチック・トランスミッション・フルード(以下、ATFと略記する)が封入されている。
【0036】
したがってポンプインペラ41がフロントカバー40と共に回転してATFの螺旋流を生じさせ、これがタービンランナ42に作用してタービンランナ42を回転させ、このようにして両者の間でトルクを伝達するようになっている。すなわちポンプインペラ41が入力要素として機能し、またタービンランナ42が出力要素として機能する。さらに、ロックアップクラッチ8が係合することにより、ATFを介さずにタービンランナ42に対して直接動力を伝達するようになっている。なお、ロックアップクラッチ8を所定の係合圧で滑らせるスリップ制御をおこなうことも可能である。
【0037】
自動変速機5における歯車変速機部は、副変速部46および主変速部47から構成されている。副変速部46は、オーバドライブ用の遊星歯車機構48を備えており、前記トルクコンバータ4におけるタービンランナ42と一体となって回転する入力軸50が、遊星歯車機構48のキャリヤ49に連結されている。この遊星歯車機構48を構成するキャリヤ49とサンギヤ51との間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 とが設けられている。
【0038】
この一方向クラッチF0 は、サンギヤ51がキャリヤ49に対して相対的に正回転、つまり、入力軸50の回転方向に回転した場合に係合するようになっている。そして、副変速部46の出力要素であるリングギヤ52が、主変速部47の入力要素である中間軸53に接続されている。また、サンギヤ51の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
【0039】
したがって、副変速部46は、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態で遊星歯車機構48の全体が一体となって回転する。このため、中間軸53が入力軸50と同速度で回転し、低速段となる。また、ブレーキB0 を係合させてサンギヤ51の回転を止めた状態では、リングギヤ52が入力軸50に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0040】
他方、主変速部47は、三組の遊星歯車機構54,55,56を備えており、三組の遊星歯車機構54,55,56を構成しているそれぞれの回転要素が、以下のように連結されている。すなわち、第1遊星歯車機構54のサンギヤ57と、第2遊星歯車機構55のサンギヤ58とが互いに一体的に連結されている。また、第1遊星歯車機構54のリングギヤ59と、第2遊星歯車機構55のキャリヤ60と、第3遊星歯車機構56のキャリヤ61とが連結されている。さらに、キャリヤ61に出力軸62が連結されている。さらにまた、第2遊星歯車機構55のリングギヤ63が、第3遊星歯車機構56のサンギヤ64に連結されている。
【0041】
この主変速部47の歯車列においては、後進側の1つの変速段と、前進側の4つの変速段とを設定することができる。このような変速段を設定するための摩擦係合装置、つまりクラッチおよびブレーキが、以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、リングギヤ63およびサンギヤ64と、中間軸53との間に第1クラッチC1 が設けられている。また、互いに連結されたサンギヤ57およびサンギヤ58と、中間軸53との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0042】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構54のサンギヤ57、および第2遊星歯車機構55のサンギヤ58の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ57,38とケーシング65との間には、第1一方向クラッチF1 と、多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されている。第1一方向クラッチF1 はサンギヤ57,38が逆回転、つまり入力軸50の回転方向とは反対方向に回転しようとする際に係合するようになっている。
【0043】
また、第1遊星歯車機構54のキャリヤ69とケーシング65との間に、多板ブレーキである第3ブレーキB3 が設けられている。そして第3遊星歯車機構56はリングギヤ66を備えており、リングギヤ66の回転を止めるブレーキとして、多板ブレーキである第4ブレーキB4 と、第2一方向クラッチF2 とが設けられている。第4ブレーキB4 および第2一方向クラッチF2 は、ケーシング65とリングギヤ66との間に相互に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ66が逆回転しようとする際に係合するように構成されている。さらに、歯車変速機部の入力回転数を検出する入力回転数センサ(タービン回転数センサ)67と、出力軸62の回転数を検出する出力回転数センサ(車速センサ)68とが設けられている。
【0044】
上記のように構成された自動変速機5においては、各クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を、図11の係合作動表に示すように係合・解放することにより、前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図11おいて○印は摩擦係合装置が係合することを示し、◎印は、エンジンブレーキ時に摩擦係合装置が係合することを示し、△印は摩擦係合装置が係合・解放のいずれでもよいこと、言い換えれば、摩擦係合装置が係合されてもトルクの伝達には無関係であることを示し、空欄は摩擦係合装置が解放されることを示している。
【0045】
図11に示すP(パーキング)、R(リバース:後進段)、N(ニュートラル)ならびに第1速(1st)ないし第5速(5th)の各シフト状態は、図示しないシフト装置のレバーをマニュアル操作することにより設定される。そのシフトレバーによって設定される各シフトポジションの配列は、図12に示すとおりであり、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジションが、ここに挙げた順序で車両の前後方向に沿って配列され、そのDポジションに対して車両の幅方向に隣接する位置に“4”ポジションが配置され、その“4”ポジションに対して車両後方側に隣接して“3”ポジションが配置され、さらにこの“3”ポジションの位置から車両の斜め後方に“2”ポジションおよびLポジションが順に配列されている。
【0046】
ここで、Dポジションは車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基づいて前進第1速ないし第5速を設定するためのポジションであり、また“4”ポジションは、第1速ないし第4速、“3”ポジションは第1速ないし第3速、“2”ポジションは第1速および第2速、Lポジションは第1速をそれぞれ設定するためのポジションである。なお、“3”ポジションないしLポジションは、エンジンブレーキレンジを設定するポジションであり、それぞれのポジションで設定可能な変速段のうち最も高速側の変速段でエンジンブレーキを効かせるように構成されている。
【0047】
また、DポジションないしLポジションのいずれかをシフトレバーによって選択することにより、そのポジションに応じた変速段を設定することができるようになっている。すなわち、マニュアル操作によって変速段を設定する変速モードであって、これがスポーツモードである。このスポーツモードを選択するスポーツモードスイッチ70がインストルメントパネルもしくはセンターコンソール(それぞれ図示せず)などに設けられている。このスイッチ70をオン操作した状態で、シフトレバーをDポジションに設定すると前進第5速となり、また“4”ポジションに設定すると前進第4速、“3”ポジションに設定すると前進第3速、“2”ポジションに設定すると前進第2速、Lポジションに設定すると前進第1速の各変速段が設定される。
【0048】
また、前述したようにエンジン1をモータ・ジェネレータ3もしくはトルクコンバータ4に選択的に連結する入力クラッチ2が設けられており、この入力クラッチ2が油圧を介して電気的に制御されるようになっている。そのための油圧回路の一例を図13に示してある。オイルパン80からオイルを吸引かつ加圧するオイルポンプ11の吐出側にプライマリーレギュレータバルブ81が接続されている。このプライマリーレギュレータバルブ81は、従来の自動変速機におけるプライマリーレギュレータバルブと同様であって、エンジン出力あるいはモータ・ジェネレータ3の出力に応じたライン圧を発生させるように構成されている。
【0049】
このプライマリーレギュレータバルブ81から吐出されたライン圧がマニュアルバルブ82に入力されている。このマニュアルバルブ82は、シフトレバー83によって切り換えられるバルブであって、シフトレバー83を前述した各シフトポジションに設定することにより、各シフトポジションに応じたポートからライン圧を出力させるように構成されている。そのライン圧の供給箇所の一例が前述した歯車変速機部9における第1クラッチC1 および第2クラッチC2 であり、シフトレバー83がRポジションに設定されている場合には、第1クラッチC1 にはライン圧が供給されず、PポジションとNポジションとの非走行ポジションでは、いずれのクラッチC1 ,C2 にもライン圧が供給されず、さらにDポジションなどの走行のためのためのポジションに設定されている場合には、変速段に応じて第1クラッチC1 と第2クラッチC2 とにライン圧が供給されるようになっている。
【0050】
一方、入力クラッチ2を制御するためのソレノイドバルブ84が設けられており、前記プライマリーレギュレータバルブ81から吐出したライン圧をこのソレノイドバルブ84を介して入力クラッチ2に供給するようになっている。そのソレノイドバルブ84は、オン/オフの二位置に切り換えられる単純な切換バルブであってもよいが、好ましくは、出力圧を連続的に変化させることのできるリニアソレノイドバルブあるいはデューティソレノイドバルブである。この種の出力圧を連続的に変化させることのできるソレノイドバルブを使用することにより、入力クラッチ2の係合圧すなわち伝達トルクを連続的に変化させ、入力クラッチ2をいわゆるスリップ制御することができる。
【0051】
なお、入力クラッチ2に供給する係合油圧を調圧する調圧弁を設け、前記ソレノイドバルブ84の出力圧をその調圧弁のパイロット圧とすることにより、入力クラッチ2の係合圧を制御するように構成してもよい。また、ソレノイドバルブ84と入力クラッチ2との間にアキュームレータ(図示せず)を介在させ、そのアキュームレータによって入力クラッチ2の係合油圧を滑らかに変化させるようにしてもよい。さらに、前記プライマリーレギュレータバルブ81には、前述した電動オイルポンプ12が接続されており、オイルポンプ11が停止しかつライン圧を必要とする場合に、電動オイルポンプ12で発生させた油圧をプライマリーレギュレータバルブ81に供給するようになっている。
【0052】
上述した車両におけるハイブリッド走行、あるいは停車時にエンジン1を一時的に停止するなどの燃費を可及的に低減させるエコラン走行の各制御は、それぞれの電子制御装置16,17,20,21,24,27の間で前記総合制御装置(G−ECU)28を介してデータ送信しつつ実行される。またその総合制御装置28が所定の電子制御装置16,17,20,21,24,27に制御信号を出力する。
【0053】
そこで、この総合制御装置28に入出力される信号を例示すれば、図14のとおりである。先ず、入力信号の例を挙げれば、ミリ波レーダからの信号、ABS(アンチロックブレーキ)コンピュータからの信号、車両安定化制御(VSC:商標)コンピュータからの信号、エンジン回転数NE 、エンジン水温、イグニッションスイッチからの信号、バッテリSOC(State of Charge:充電状態)、ヘッドライトのオン・オフ信号、デフォッガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速信号、自動変速機(AT)油温、シフトポジション、サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキのオン・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度、アクセル開度、カム角センサからの信号、スポーツシフト信号、車両加速度センサからの信号、駆動力源ブレーキ力スイッチからの信号、タービン回転数NT センサからの信号、レゾルバ信号などである。なお、第1番目に挙げたミリ波レーダとは、ミリ波によって前方の車両を検出し、その前方の車両に追従して走行する制御をおこなうためのレーダである。いわゆるレーダクルーズ制御のためのシステムである。
【0054】
また、出力信号の例を挙げると、点火信号、噴射(燃料の噴射)信号、入力クラッチ用ソレノイドバルブに対する信号、モータ・ジェネレータ3(MG3)の電子制御装置(コントローラ)20に対する信号、モータ・ジェネレータ14(MG14)の電子制御装置(コントローラ)27に対する信号、減速装置に対する信号、ATソレノイドへの信号、ATライン圧コントロールソレノイドへの信号、ABSアクチュエータへの信号、スポーツモードインジケータへの信号、VSCアクチュエータへの信号、ATロックアップコントロールソレノイドバルブへの信号、AT電動オイルポンプへの信号などである。
【0055】
上述したハイブリッド車では、エンジン1を駆動力源として走行する運転領域とモータ・ジェネレータ3を駆動力源として走行する運転領域とが、加速性などの走行性能を損なわない範囲で燃費を向上し、あるいは排ガス量を低減するように設定されている。その一例を図15に示してある。すなわち図15はドライブポジションが選択されている場合のエンジン1による運転領域とモータ・ジェネレータ3による運転領域とを、車速およびアクセル開度によって、変速段領域と併せて示す図であって、第1速が設定される運転領域のうち、アクセル開度が比較的低開度の領域でモータ・ジェネレータ3が駆動力源として動作させられ、それより高車速および高スロットル開度の領域では、エンジン1が駆動力源として動作させられるように設定されている。
【0056】
また、上記のハイブリッド車は、一般的なハイブリッド車と同様に、減速時にエネルギを回生するように制御される。具体的には、車両の有する走行慣性力によってモータ・ジェネレータ3を強制的に回転させて発電をおこない、その電力をバッテリ19に蓄え、あるいは補機類を駆動するために使用する。このような回生は、電力を蓄えあるいは消費可能な状態で実行され、例えばバッテリ19のSOCが予め定めた値以上の場合などの場合には、エネルギ回生がおこなわれない。したがってその場合は、入力クラッチ2を係合させてエンジン1を強制的に回転させることにより制動力を発生させる。
【0057】
したがって上記のハイブリッド車では、減速時に発電をおこなう回生制動が実行される場合とエンジン1のみによるエンジンブレーキが実行される場合とがある。そのため、減速時に駆動力源で発生する制動トルクが大小に異なる場合があり、そこでこの発明の制御装置は、以下に述べる制御を実行する。
【0058】
図1はその制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、入力信号の読み込みなどの処理(ステップS1)をおこない、ついでドライブポジション(Dポジション)が選択されているか否かが判断される(ステップS2)。このステップS2は、要は、駆動ポジション(走行するためのポジション)が選択されているか否かを判断するステップであり、したがってドライブポジション以外にリバースや“4”ポジションなどの他のポジションが選択されているか否かを併せて判断することとしてもよい。
【0059】
パーキングポジションなどの非駆動(非走行)ポジションが選択されていることによりステップS2で否定的に判断された場合には、このルーチンを抜け、また反対に肯定的に判断された場合には、回生状態すなわちエネルギの回生をおこないつつ制動をおこなう条件が成立しているか否かが判断される(ステップS3)。図1に示す制御ルーチンは、回生制動時の制御をおこなうためのものであるから、ステップS3で否定的に判断された場合、すなわちエネルギ回生のための条件が成立していない場合には、このルーチンから抜ける。
【0060】
回生のための条件が成立していてステップS3で肯定的に判断された場合には、前述したモータ・ジェネレータ3(および/またはモータ・ジェネレータ14)を使用する回生制動状態か否かが判断される(ステップS4)。モータ・ジェネレータ3,14によってエネルギの回生をおこなえば、これらを強制的に回転させるために要するトルクが、制動トルクとして作用する。そのため、エンジン1によって制動トルクを発生させている状態で更にモータ・ジェネレータ3,14によってエネルギ回生すれば、自動変速機5を含む動力伝達装置の上流側での制動トルクが大きくなり、動力伝達装置の制御に影響が生じる。そのため、そのような影響を考慮した制御を実行するか否かの判断のためにステップS4が設けられている。
【0061】
ステップS4で否定的に判断された場合、すなわちモータ・ジェネレータ3,14を使用せずにエンジン1のみで駆動力源ブレーキ(エンジンブレーキ)の制動力を発生させる場合には、変速機制御特性としてエンジン単独パターンが設定される(ステップS5)。その変速機制御の一例は、ロックアップクラッチ8の係合もしくは解放時の過渡制御であり、図2に制御特性を模式的に示してある。すなわち図2において実線で示す特性がエンジン単独パターンの特性であり、ロックアップクラッチ8を解放(OFF)する場合および係合(ON)する場合のいずれにおいても、ロックアップクラッチ8の油圧(ロックアップ油圧)の変化の割合すなわち変化勾配が相対的に大きくなっている特性である。これは、エンジン1のみによる駆動力源ブレーキ力は相対的に小さいので、ロックアップクラッチ8を相対的に迅速に解放もしくは係合させても、駆動トルク(制動トルク)の変化が少なく、ショックを抑制することができるからである。
【0062】
また、変速機制御の他の例は、ダウンシフトを実行するために係合する摩擦係合装置における係合油圧の制御である。その係合油圧制御特性のエンジン単独パターンを図3に実線で示してあり、ダウンシフト時に係合させられる摩擦係合装置のパッククリアランスが詰まった後の実質的な係合の際の係合油圧の上昇割合(係合圧の増大勾配もしくは変化勾配)が、相対的に大きく設定されている特性である。減速時にダウンシフトを実行すると、変速比の増大に伴って駆動力源の回転数を引き上げることになるが、エンジン1のみが駆動力源制動力を発生している場合には、ダウンシフトに伴う駆動力源制動力の増大の程度が相対的に小さい。したがって、エンジン単独パターンでは、係合油圧の増大勾配を相対的に大きくしてもショックが防止もしくは抑制され、また変速遅れが回避される。
【0063】
変速機制御の更に他の例は、コーストダウン線の設定制御である。図4に一例として第4速から第3速へのコーストダウン線を示してあり、実線がエンジン単独パターンである。すなわちエンジン1のみで駆動力源制動力を発生させている場合には、相対的に高車速の状態でコーストダウンシフトが実行されるように変速線が設定されている。コーストダウンシフトを相対的に高車速で実行すると、変速比の増大に伴うエンジン回転数の増大量が大きくなり、それに伴う慣性力も大きくなるが、エンジン1のみが駆動力源制動力を発生している状態では駆動力源制動力が相対的に小さいので、相対的に高車速でコーストダウンシフトを実行してもそれに伴う制動力の増大量が特に大きくなることがない。その結果、ショックが防止もしくは抑制されると同時に、制動力の発生の遅れが回避されて違和感が防止される。
【0064】
変速機制御の他の例は、ロックアップクラッチ8をスリップ状態に維持する油圧の制御である。その例を図5に模式的に示してある。減速時にロックアップクラッチ8をスリップ制御すると、振動を抑制しつつエンジン回転数を引き上げてフューエルカット制御の実行期間を長くして燃費を向上させることができる。その場合、スリップ率(ロックアップクラッチ8の入力側の回転部材と出力側の回転部材との回転数の比率:スリップ回転数)を定めてそのスリップ率となるようにロックアップクラッチ8の係合油圧が制御されるが、エンジン1のみによって駆動力源制動力を発生している場合には、ロックアップクラッチ8の入力側にかかる負荷が相対的に小さいので、ロックアップ係合油圧が相対的に低い油圧に設定される。その結果、ロックアップクラッチ8が過剰に係合してショックや振動が生じることが防止もしくは抑制される。
【0065】
ロックアップクラッチ8をスリップ制御する走行状態(運転領域)は、ロックアップクラッチ8の耐久性や制御の可能性あるいは乗り心地などの観点から予め定められており、したがってロックアップクラッチ8は、その走行状態に応じてフィードフォーワード制御もしくはフィードフォーワード・フィードバック制御によりスリップ状態に制御される。そのスリップ制御を実行する場合、減速時にエンジン1のみで駆動力源制動力を発生するのであれば、駆動力源制動力が相対的に小さくなるので、フィードフォーワード値(F/F値)すなわちロックアップクラッチ8のスリップ制御の際の油圧指示初期値が相対的に小さい値に設定される。その例を図6に実線で示してあり、これがエンジン単独パターンでの変速機制御の更に他の例である。
【0066】
他方、前記のステップS4で肯定的に判断された場合、すなわちモータ・ジェネレータ3,14を使用して回生制動をおこなう場合には、モータ・ジェネレータ3,14による回生トルクが演算もしくは検出される(ステップS6)。そして変速機制御特性が変更され(ステップS7)、制動力の変更の前後で異なる制御特性となる。具体的には、図2に一点鎖線(エンジン1およびモータ・ジェネレータ3,14による駆動源制動力が中間レベルの場合。以下同じ)あるいは破線(エンジン1およびモータ・ジェネレータ3,14による駆動源制動力が最高レベルの場合。以下同じ)で示すように、エンジン1およびモータ・ジェネレータ3,14による駆動源制動力の大小に応じてロックアップクラッチ8の係合・解放時の油圧の変化勾配が、エンジン1のみで制動力を生じている場合に比較して緩やかになるように変更される。より詳細には、エンジン1およびモータ・ジェネレータ3,14による駆動力源制動力が大きいほど、ロックアップクラッチ8の油圧の変化勾配が小さく設定される。このように制御することにより、自動変速機5の上流側で生じている制動力が大きい場合に、ロックアップクラッチ8の係合・解放状態の変化による制動トルクの変化が緩やかになり、その結果、ショックが防止もしくは抑制される。
【0067】
また、変速機制御特性を変更した他の例を図3に一点鎖線および破線で示してある。これは、車速の低下に伴うダウンシフトの際の摩擦係合装置の係合油圧を、エンジン1のみで駆動力源制動力を生じさせている場合よりゆっくり増大させる制御特性である。すなわちダウンシフトに伴って駆動力源の回転数を増大させることになり、その場合の駆動力源による負荷がエンジン1とモータ・ジェネレータ3,14とによるものであって大きいから、摩擦係合装置をゆっくり係合させることにより、駆動力源の回転数をゆっくり増大させることになり、その結果、制動トルクがゆっくり変化してショックが防止もしくは抑制される。
【0068】
変速機制御特性の変更の更に他の例は、コーストダウン線を低車速側に変更する例である。これを図4に一点鎖線および破線で示してある。図4に示す例は、第4速から第3速へのコーストダウンシフト線を駆動力源制動力が大きいほど低車速側に変更した例である。このような制御特性によれば、コーストダウンシフトに伴う駆動力源の回転数の増大量が、ダウンシフト時の車速が低車速であることにより相対的に小さくなり、したがって駆動力源制動力すなわち自動変速機5の入力側の負荷がエンジン1およびモータ・ジェネレータ3,14によるものであって大きい場合であっても、制動トルクの急激かつ大きい変動が生じず、ショックが防止もしくは抑制される。
【0069】
さらに、変速機制御特性の変更の他の例は、ロックアップクラッチ8をスリップ制御するための油圧を、エンジン1のみで駆動力源制動力を発生させている場合より高くする例である。このような制御特性であれば、ロックアップクラッチ8の入力側に掛かる負荷が、エンジン1およびモータ・ジェネレータ3,14によるものであって大きい負荷であっても、ロックアップクラッチ8のスリップ率を目標とするスリップ率に維持することができ、その結果、ショックや振動などを防止もしくは抑制することができる。
【0070】
そして、変速機制御特性の変更の更に他の例は、ロックアップクラッチ8をスリップ制御する際のフィードフォワード値を、駆動力源制動力(駆動力源ブレーキトルク)に応じて増大させる例である。その例を図6に示してあり、モータ・ジェネレータ3,14をエンジン1と併せて駆動力源制動力を生じさせる手段として使用する場合には、エンジン1のみを使用する場合に比較してフィードフォワード値が大きく設定される。このような制御特性の変更によって、ロックアップクラッチ8のスリップ制御を円滑に実行することができ、ショックや振動を防止もしくは抑制することができる。したがって図1におけるステップS7の制御を実行する機能的手段が、請求項1ないし5の制御装置に相当する。
【0071】
ここでこの発明の好ましい実施の態様を挙げれば以下のとおりである。動力伝達装置の上流側に設けられている駆動力源での制動力が増大方向に変更させられた場合に、変速機の係合油圧の変化勾配を小さくするように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。その係合油圧が直結クラッチを係合させる油圧もしくは解放させる油圧であることを特徴とする車両の制御装置。その係合油圧が変速比を設定するための摩擦係合装置を係合させる油圧もしくは解放させる油圧であることを特徴とする車両の制御装置。
【0072】
動力伝達装置の上流側に設けられている駆動力源での制動力が増大方向に変更させられた場合に、その制動力による減速に伴う変速機のダウンシフトが生じる車速が、前記制動力が増大させられない場合に比較して低車速側に設定されることを特徴とする車両の制御装置。
【0073】
動力伝達装置の上流側に設けられた駆動力源で制動力を発生させて減速している際に直結クラッチをスリップ状態に設定する車両の制御装置であって、前記制動力が増大方向に変更された場合に、直結クラッチをスリップ状態に設定する油圧を、前記制動力が増大させられない場合と比較して相対的に高く設定するように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。そのロックアップクラッチをスリップ状態に設定する油圧指示初期値を、前記制動力が増大方向に変更された場合に、増大させるように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
【0074】
ところで上述したハイブリッド車では、入力クラッチ2を係合させることにより、エンジン1とモータ・ジェネレータ3とを連結することができ、またクラッチ15を係合させることにより第2のモータ・ジェネレータ14をエンジン1に連結することができるので、これらいずれかもしくは両方のモータ・ジェネレータ3,14によってエンジン1の回転をアシストすることができる。このようなモータ・ジェネレータ3,14の機能を有効に利用した制御の例を以下に説明する。
【0075】
図7はその制御例を説明するためのフローチャートであって、入力信号の処理(ステップS11)をおこなった後には、エンジン1を使用している状態か否かが判断される(ステップS12)。この図7の制御例は、エンジン1の回転をモータ・ジェネレータ3,14でアシストする例であるから、エンジン1を使用しない状態であることによりステップS12で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンから抜ける。これに対してエンジン1を使用していることによりステップS12で肯定的に判断された場合には、減速状態か否かが判断される(ステップS13)。これは、減速度センサから出力信号や車速の変化傾向あるいは出力軸回転数の変化傾向などに基づいて判断することができる。
【0076】
減速中であることによりステップS13で肯定的に判断された場合には、フューエルカット中か否かが判断される(ステップS14)。減速時に、車両の有する走行慣性力をエンジン1に伝達すれば、燃料を供給することなくエンジン1を継続して回転させることができ、その回転数が、燃料の供給の再開によってエンジン1が自律回転する最低回転数に達した時点まで継続し、その後に燃料の供給を開始することにより、すなわちフューエルカットの復帰制御を実行することにより、燃料の消費を削減することができる。ステップS14ではこのような制御が実行されているか否かが判断され、否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを抜け、反対に肯定的に判断された場合には、エンジン1がストールしかけたか否かが判断される(ステップS15)。すなわちエンジン回転数が更に低下し続けるか否かが判断される。これは、例えばエンジン回転数Ne が通常のアイドル回転数Neid2 以下に低下したか否かによって判断してもよい。
【0077】
そのステップS15で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを抜け、また反対にエンジン1がストールしかけたことによりステップS15で肯定的に判断された場合には、モータ・ジェネレータ3(もしくは14)を駆動してエンジン1のアシストをおこなう(ステップS16)。すなわちモータ・ジェネレータ3,14によってエンジン1を強制的に回転させてストールに至ることを回避する。そしてフューエルカットを中止する最低回転数すなわちフューエルカット復帰回転数Nefc1 を、通常のフューエルカット復帰回転数Nefc2 より高い回転数に設定する(ステップS17)。このように制御することにより、フューエルカット時間を可及的にのばすことができると同時に、フューエルカット復帰回転数を下げすぎた場合のエンジンストールを未然に回避することができる。
【0078】
一方、減速状態でないことによりステップS13で否定的に判断された場合には、車両が停車していてエンジン1がアイドリング状態であるか否かか判断される(ステップS18)。アイドリング状態でないことによりステップS18で否定的に判断された場合には特に制御をおこなうことなくこのルーチンを抜け、また反対にアイドリング状態であることにより肯定的に判断された場合には、エンジン1がストールしかけたか否かが判断される(ステップS19)。すなわちエンジン回転数が更に低下し続けるか否かが判断される。これは、例えばエンジン回転数Ne が通常のアイドル回転数Neid2 以下に低下したか否かによって判断してもよい。
【0079】
そのステップS19で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを抜け、また反対にエンジン1がストールしかけたことによりステップS19で肯定的に判断された場合には、モータ・ジェネレータ3(もしくは14)を駆動してエンジン1のアシストをおこなう(ステップS20)。すなわちモータ・ジェネレータ3,14によってエンジン1を強制的に回転させてストールに至ることを回避する。そして目標アイドル回転数Neid1 を、通常のアイドル目標回転数Neid2 より高い回転数に設定する(ステップS21)。したがってアイドリング時にエンジンストールに至ることを回避することができる。この図7に示す制御による各回転数とフューエルカット領域とを図で示せば図8のとおりである。
【0080】
なお、上述した具体例では、動力伝達装置の制御内容として、ロックアップクラッチの係合・解放時における油圧の変化勾配、ダウンシフト時の係合油圧、コーストダウンを実行する車速、ロックアップクラッチのスリップ油圧およびそのスリップ制御のためのフィードフォワード値を挙げたが、この発明は、上記の具体例に限定されないのであり、変速機や直結クラッチ付き流体継手などを含む流体伝動装置による伝達トルクやその伝達トルクの変化のさせ方あるいはその制御指令値などであってもよい。また、上記の具体例では、駆動力源としてエンジンとモータ・ジェネレータとを備えたハイブリッド車を例にとって説明したが、この発明で対象とする車両は、要は、減速時の駆動力源による制動力を変更できる車両であればよく、駆動力源として電動機のみを備えたいわゆる電気自動車などの他の形式の車両であってもよい。したがってこの発明における駆動力源制動力の変化は、モータ・ジェネレータ(電動機)で回生をおこなうか否かによって変化する場合に限らず、回生効率や回生量の変更あるいは制動力調整機構での調整などによって変化する場合をも含む。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1あるいは請求項2の発明によれば、駆動力源で発生させる制動力を変更した場合、変速機における変速比や変速比を設定するための摩擦係合装置の油圧など、変速機の制御の内容が変更されるので、動力伝達装置の動作状態が、その上流側で発生する制動力に応じた動作状態となってショックを未然に防止し、もしくは抑制することができる。
【0083】
さらに、請求項3あるいは請求項4の発明によれば、駆動力源で発生させる制動力を変更した場合、直結クラッチの制御内容、例えばその係合もしくは解放時のトルク伝達容量の変化の割合や滑り状態の制御の内容が変更され、その結果、動力伝達装置の動作状態が、その上流側で発生する制動力に応じた動作状態となってショックを未然に防止し、もしくは抑制することができる。
そして、請求項5および6の発明によれば、上記の請求項1ないし4の発明と同様に、ショックを未然に防止し、もしくは抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置で実行される制御例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 変速機制御特性の例としてロックアップクラッチの油圧の変化特性の例を示す線図である。
【図3】 変速機制御特性の例としてダウンシフト時の係合油圧の変化特性を示す線図である。
【図4】 変速機制御特性の例としてコーストダウン線の設定例を示す線図である。
【図5】 変速機制御特性の例としてロックアップスリップ油圧の例を示す線図である。
【図6】 変速機制御特性の例としてロックアップスリップ油圧を制御するフィードフォワード値の例を示す線図である。
【図7】 フューエルカット時およびアイドリング時のエンジンストールを回避するためのモータ・ジェネレータによるアシスト制御およびフューエルカット復帰回転数およびアイドル回転数の変更制御を説明するためのフローチャートである。
【図8】 図7に示す制御によるフューエルカット復帰回転数およびアイドル回転数ならびにフューエルカット領域を示す線図である。
【図9】 この発明で対象とするパワートレーンおよび制御系統の一例を模式的に示すブロック図である。
【図10】 その自動変速機における歯車変速機部を主に示すスケルトン図である。
【図11】 その自動変速機の各変速段を設定するためのクラッチおよびブレーキの係合・解放を示す図表である。
【図12】 図10に示す自動変速機を制御するシフトレバーの操作により選択されるシフトポジションの配列およびスポーツモードスイッチを示す概念図である。
【図13】 入力クラッチと歯車変速機部における入力のためのクラッチとに対する油圧の供給経路を概略的に示すブロック図である。
【図14】 この発明の一例で使用される総合制御装置における入出力信号を示す図である。
【図15】 通常時のドライブポジションで使用されるマップを示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 3,14…モータ・ジェネレータ、 4…トルクコンバータ、 8…ロックアップクラッチ、 16,17,20,21,24,27…電子制御装置、 28…総合制御装置、 C1 ,C2 ,C3 …クラッチ、 B1 ,B2 ,B3 ,B4 …ブレーキ。

Claims (6)

  1. 動力の伝達状態を制御できかつその制御内容を変更可能な動力伝達装置の動力の伝達方向での上流側に、発生させる制動力を変更可能な駆動力源が連結され、かつその動力伝達装置の動力の伝達方向での下流側に駆動輪が設けられた車両の制御装置において、
    記動力伝達装置は、変速比を設定するために油圧によって係合・解放させられる摩擦係合装置を有する変速機を含み、
    前記駆動力源で発生させる制動力を変更した場合に前記摩擦係合装置の油圧を増大させる勾配を、前記駆動力源による制動力が大きい場合ほど小さくする制御に前記摩擦係合装置の油圧の制御内容を変更する手段を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 動力の伝達状態を制御できかつその制御内容を変更可能な動力伝達装置の動力の伝達方向での上流側に、発生させる制動力を変更可能な駆動力源が連結され、かつその動力伝達装置の動力の伝達方向での下流側に駆動輪が設けられた車両の制御装置において、
    前記動力伝達装置は、変速比を設定するために油圧によって係合・解放させられる摩擦係合装置を有する変速機を含み、
    前記駆動力源で発生させる制動力を変更した場合に前記変速機でのコーストダウンシフトを実行する車速を、前記駆動力源による制動力が大きい場合ほど低車速側に設定する制御に前記変速機の変速比の制御内容を変更する手段を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  3. 動力の伝達状態を制御できかつその制御内容を変更可能な動力伝達装置の動力の伝達方向での上流側に、発生させる制動力を変更可能な駆動力源が連結され、かつその動力伝達装置の動力の伝達方向での下流側に駆動輪が設けられた車両の制御装置において、
    前記動力伝達装置は、直結クラッチを備えた流体伝動装置を含み、
    前記駆動力源で発生させる制動力を変更した場合に前記直結クラッチの制御内容を、前記直結クラッチを係合・解放する際の伝達トルク容量の変化の割合が、前記駆動力源による制動力が大きい場合ほど小さくする制御に変更する手段を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  4. 動力の伝達状態を制御できかつその制御内容を変更可能な動力伝達装置の動力の伝達方向での上流側に、発生させる制動力を変更可能な駆動力源が連結され、かつその動力伝達装置の動力の伝達方向での下流側に駆動輪が設けられた車両の制御装置において、
    前記動力伝達装置は、直結クラッチを備えた流体伝動装置を含み、
    前記駆動力源で発生させる制動力を変更した場合に前記直結クラッチの制御内容を、前記直結クラッチを係合させる油圧が、前記駆動力源による制動力が大きい場合ほど、高い油圧に設定される制御に変更する手段を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  5. 動力の伝達状態を制御できかつその制御内容を変更可能な動力伝達装置の動力の伝達方向での上流側に、発生させる制動力を変更可能な駆動力源が連結され、かつその動力伝達装置の動力の伝達方向での下流側に駆動輪が設けられた車両の制御装置において、
    前記動力伝達装置は、直結クラッチを備えた流体伝動装置を含み、
    前記直結クラッチを滑り状態に制御するとともに、前記駆動力源で発生させる制動力を変更した場合に前記直結クラッチの制御内容を、前記直結クラッチを滑り状態に設定する制御における油圧指示初期値を、前記駆動力源による制動力が小さい場合ほど小さくする制御に変更する手段を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  6. 記駆動力源は、内燃機関とモータ・ジェネレータとを含み、前記駆動力源による制動力の変更は、前記モータ・ジェネレータによって制動力を生じさせることによる制動力の変更であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両の制御装置。
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