JP3945045B2 - 回生制動トルクの制御装置 - Google Patents

回生制動トルクの制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車輪から入力される動力により駆動されるモータ・ジェネレータを有し、モータ・ジェネレータの発電力に応じた回生制動トルクを、車両に対して作用させることの可能な回生制動トルクの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、2種類以上の駆動力源を搭載したハイブリッド車が提案されている。このようなハイブリッド車においては、各々の駆動力源の有する特性を生かしつつ、駆動力源同士で相互に欠点を補うことにより、総合的な効率の向上を図ることが可能である。このようなハイブリッド車の制御装置の一例が、特開平10−18878号公報に記載されている。
【0003】
この公報に記載されたハイブリッド車は、駆動力源として、燃焼により作動するエンジンと、モータ・ジェネレータとを備えている。また、このハイブリッド車は自動変速機を備えており、エンジンと自動変速機との間の動力伝達経路に、モータ・ジェネレータが配置されている。また、自動変速機の入力軸とエンジンとの間の動力伝達経路には、第1クラッチが設けられており、自動変速機の入力軸とモータ・ジェネレータとの間の動力伝達経路には、第2クラッチが設けられている。
【0004】
上記構成のハイブリッド車においては、第1クラッチおよび第2クラッチの作動状態を制御することにより、エンジンまたはモータ・ジェネレータのうちの少なくとも一方から出力された動力により、車両を走行させることが可能である。また、第1クラッチを解放し、かつ、第2クラッチを係合させることにより、車輪から入力される動力よりモータ・ジェネレータを回転駆動させ、モータ・ジェネレータの発電力に応じた回生制動トルクを車両に対して作用させることが可能である。つまり、このハイブリッド車においては、エンジンの動力により車両を走行させる駆動状態と、モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させる被駆動状態とを相互に変更することが可能である。なお、モータ・ジェネレータの発電により得られた電気エネルギは充電装置に充電される。
【0005】
さらに、第1クラッチおよび第2クラッチを係合させるとともに、車輪から入力された動力をエンジンに伝達することにより、エンジンブレーキを作用させることが可能である。そして、このハイブリッド車においては、回生制動中あるいはエンジンブレーキ中は、回生制動とエンジンブレーキとの切り換えを禁止することにより、各クラッチの作動状態が変更されることがなくなり、制動力が途中で変化して違和感が発生することを未然に防止できるとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載されたハイブリッド車においては、モータ・ジェネレータと車輪との間の動力伝達経路が直結状態にある。このため、モータ・ジェネレータによる回生制動トルクが発生する際に、動力伝達経路で動力の伝達状態が切り換わるとともに、動力伝達部分の遊びによるショックが発生し、ドライバビリティが低下する可能性があった。
【0007】
一方、上記公報に記載されたハイブリッド車においては、モータ・ジェネレータによる回生制動中において、充電装置の充電量が満充電に近い値であるか否かが判断されている。そして、充電装置の充電量が満充電に近い値であることが判断された場合は、モータ・ジェネレータによる回生制動をおこなうことができず、エンジンブレーキ力を作用させるモードを選択している。その結果、車両に対して作用する制動力が変化するという別の問題もあった。
【0008】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、車両の状態と回生制動との関係に基づいて、充電装置の充電効率が低下して充電量が抑制され、車両に対する減速度の維持(確保)機能と、充電装置の充電量の増加抑制機能とを両立させることができる回生制動トルクの制御装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車輪から入力される動力により駆動されて回生制動トルクを生じるモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータにより発電された電気エネルギが充電される充電装置と、前記モータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置された流体式動力伝達装置と、この流体式動力伝達装置の2つの回転部材同士を係合・解放するロックアップクラッチとを備えた回生制動トルクの制御装置において、前記モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させるのに際して、前記充電装置の充電状態が所定値以上である場合は、前記ロックアップクラッチを非係合状態に制御するロックアップクラッチ制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項1の発明によれば、モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させるのに際して、充電状態が所定値以上である場合には、ロックアップクラッチが非係合状態に制御される。したがって、回転部材同士の間における動力の伝達効率が低下する。
【0021】
請求項2の発明は、車輪から入力される動力により駆動されて回生制動トルクを生じるモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータにより発電された電気エネルギが充電される充電装置と、前記モータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置された流体式動力伝達装置と、この流体式動力伝達装置の2つの回転部材同士を係合・解放するロックアップクラッチと、前記流体式動力伝達装置と前記車輪との間に配置された変速機とを備えた回生制動トルクの制御装置において、前記モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させるのに際して、前記充電装置の充電状態が所定値以上である場合は、前記変速機の変速比を大きくする制御をおこなう変速比制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0022】
請求項2の発明によれば、モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させるのに際して、充電装置の充電状態が所定値以上である場合は、変速機の変速比が大きくなるように制御され、モータ・ジェネレータの回生効率が低下する。
【0023】
請求項3の発明は、車輪から入力される動力により駆動されて回生制動トルクを生じるモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータにより発電された電気エネルギが充電される充電装置と、前記モータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置された流体式動力伝達装置と、この流体式動力伝達装置の2つの回転部材同士を係合・解放するロックアップクラッチとを備えた回生制動トルクの制御装置において、前記車輪から入力される動力で前記モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させるのに際して、前記充電装置の充電量が所定値を越えている場合は、前記流体式動力伝達装置の容量係数を小さくすることにより、前記充電装置の充電効率を低下させる容量係数制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項3の発明によれば、車輪から入力される動力でモータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させるのに際して、充電装置の充電量が所定値を越えている場合は、流体式動力伝達装置の容量係数を小さくすることにより、充電装置の充電効率が低下される。したがって、充電装置の充電量が増加することを抑制できる
【0025】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図を参照してより具体的に説明する。図2は、この発明を適用したハイブリッド車の概略構成を示すブロック図である。車両における第1の駆動力源であるエンジン1としては、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジン等の内燃機関が用いられる。この実施例のエンジン1は、燃料噴射装置および吸排気装置ならびに点火装置等を備えた公知の構造のものである。
【0026】
また、エンジン1の吸気管には電子スロットルバルブ1Bが設けられており、電子スロットルバルブ1Bの開度が電気的に制御されるように構成されている。エンジン1のクランクシャフト12から出力される動力(トルク)の一方の伝達経路には、トルクコンバータ2およびモータ・ジェネレータ3ならびに歯車変速機構4が配置されている。具体的には、エンジン1とトルクコンバータ2との間にモータ・ジェネレータ3が配置され、歯車変速機構4の入力側にトルクコンバータ2が接続されている。言い換えれば、エンジン1とモータ・ジェネレータ3とトルクコンバータ2と歯車変速機構4とが直列に配置されている。さらに、エンジン1のクランクシャフト12から出力される動力の他方の伝達経路には、駆動装置5を介して別のモータ・ジェネレータ6が配置されている。モータ・ジェネレータ3,6としては、例えば交流同期型のものが適用される。
【0027】
まず、一方の動力伝達経路の構成について具体的に説明する。図3はトルクコンバータ2および歯車変速機構4の構成を示すスケルトン図である。このトルクコンバータ2および歯車変速機構4を内蔵したケーシングの内部には、作動油としてオートマチック・トランスミッション・フルード(以下、ATFと略記する)が封入されている。
【0028】
トルクコンバータ2は、駆動側部材のトルクをATFを介して従動側部材に伝達するものである。このトルクコンバータ2は、ポンプインペラ7に一体化させたフロントカバー8と、タービンランナ9を一体に取付けたハブ10と、ロックアップクラッチ11とを有している。そして、ポンプインペラ7のトルクがATFによりタービンランナ9に伝達される。また、ロックアップクラッチ11は、フロントカバー8とハブ10とを選択的に係合・解放するためのものである。なお、ロックアップクラッチ11を所定の係合圧で滑らせるスリップ制御をおこなうことも可能である。さらに、ポンプインペラ7およびタービンランナ9の内周側には、ステータ13が設けられている。このステータ13は、ポンプインペラ7からタービンランナ9に伝達されるトルクを増大するためのものである。さらに、ハブ10には入力軸14が接続されている。
【0029】
前記歯車変速機構4は、副変速部15および主変速部16から構成されている。副変速部15は、オーバドライブ用の遊星歯車機構17を備えており、遊星歯車機構17のキャリヤ18に対して入力軸14が連結されている。この遊星歯車機構17を構成するキャリヤ18とサンギヤ19との間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 とが設けられている。この一方向クラッチF0 は、サンギヤ19がキャリヤ18に対して相対的に正回転、つまり、入力軸14の回転方向に回転した場合に係合するようになっている。そして、副変速部15の出力要素であるリングギヤ20が、主変速部16の入力要素である中間軸21に接続されている。また、サンギヤ19の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
【0030】
したがって、副変速部15は、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態で遊星歯車機構17の全体が一体となって回転する。このため、中間軸21が入力軸14と同速度で回転し、低速段となる。また、ブレーキB0 を係合させてサンギヤ19の回転を止めた状態では、リングギヤ20が入力軸14に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0031】
他方、主変速部16は、三組の遊星歯車機構22,23,24を備えており、三組の遊星歯車機構22,23,24を構成する回転要素が、以下のように連結されている。すなわち、第1遊星歯車機構22のサンギヤ25と、第2遊星歯車機構23のサンギヤ26とが互いに一体的に連結されている。また、第1遊星歯車機構22のリングギヤ27と、第2遊星歯車機構23のキャリヤ29と、第3遊星歯車機構24のキャリヤ31とが連結されている。さらに、キャリヤ31に出力軸32が連結されている。この出力軸32は、後述するトルク伝達装置(言い換えれば動力伝達装置)を介して車輪32Aに接続されている。さらにまた、第2遊星歯車機構23のリングギヤ33が、第3遊星歯車機構24のサンギヤ34に連結されている。
【0032】
この主変速部16の歯車列においては、後進側の1つの変速段と、前進側の4つの変速段とを設定することができる。このような変速段を設定するための摩擦係合装置、つまりクラッチおよびブレーキが、以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、リングギヤ33およびサンギヤ34と、中間軸21との間に第1クラッチC1 が設けられている。また、互いに連結されたサンギヤ25およびサンギヤ26と、中間軸21との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0033】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構22のサンギヤ25、および第2遊星歯車機構23のサンギヤ26の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ25,26とケーシング35との間には、第1一方向クラッチF1 と、多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されている。第1一方向クラッチF1 はサンギヤ25,26が逆回転、つまり入力軸14の回転方向とは反対方向に回転しようとする際に係合するようになっている。
【0034】
また、第1遊星歯車機構22のキャリヤ37とケーシング35との間に、多板ブレーキである第3ブレーキB3 が設けられている。そして第3遊星歯車機構24はリングギヤ38を備えており、リングギヤ38の回転を止めるブレーキとして、多板ブレーキである第4ブレーキB4 と、第2一方向クラッチF2 とが設けられている。第4ブレーキB4 および第2一方向クラッチF2 は、ケーシング35とリングギヤ38との間に相互に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ38が逆回転しようとする際に係合するように構成されている。さらに、歯車変速機構4の入力回転数を検出する入力回転数センサ(タービン回転数センサ)4Aと、歯車変速機構4の出力軸32の回転数を検出する出力回転数センサ(車速センサ)4Bとが設けられている。
【0035】
上記のように構成された歯車変速機構4においては、各クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を、図4の動作図表に示すように係合・解放することにより、前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図4において○印は摩擦係合装置が係合することを示し、◎印は、エンジンブレーキ時に摩擦係合装置が係合することを示し、△印は摩擦係合装置が係合・解放のいずれでもよいこと、言い換えれば、摩擦係合装置が係合されてもトルクの伝達には無関係であることを示し、空欄は摩擦係合装置が解放されることを示している。
【0036】
また、この実施例では、図2に示すシフトレバー4Cのマニュアル操作により、図5に示すような各種のシフトポジションを設定することが可能である。すなわち、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、L(ロー)ポジションの各ポジションを設定可能になっている。ここで、Dポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、Lポジションが前進ポジションである。そして、Dポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジションが設定されている状態においては、複数の変速段同士の間で変速可能である。これに対して、Lポジション、または後進ポジションであるRポジションが設定されている状態においては、単一の変速段に固定される。
【0037】
図6は、スポーツモードスイッチ76を示し、このスポーツモードスイッチ76は、例えばインストルメントパネル(図示せず)付近またはコンソールボックス(図示せず)付近などに配置されている。図7は、アップシフトスイッチ77およびダウンシフトスイッチ78の配置位置の一例を示す図である。図7においては、ステアリングホイール79の表面側にダウンシフトスイッチ78が設けられており、ステアリングホイール79の裏面側にアップシフトスイッチ77が設けられている。なお、図7においては、アップシフトスイッチ77は、便宜上図示されていない。そして、スポーツモードスイッチ76がオンされた状態において、アップシフトスイッチ77が操作されると歯車変速機構4の変速段がアップシフトされ、ダウンシフトスイッチ78が操作されると歯車変速機構4の変速段がダウンシフトされる。
【0038】
また、図2に示された油圧制御装置39により、歯車変速機構4における変速段の設定または切り換え制御、ロックアップクラッチ11の係合・解放やスリップ制御、油圧回路のライン圧の制御、摩擦係合装置の係合圧の制御などがおこなわれる。この油圧制御装置39は電気的に制御されるもので、歯車変速機構4の変速を実行するための第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S3 と、エンジンブレーキ状態を制御するための第4ソレノイドバルブS4 とを備えている。
【0039】
さらに、油圧制御装置39は、油圧回路のライン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLTと、歯車変速機構4の変速過渡時におけるアキュームレータ背圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLNと、ロックアップクラッチ11や所定の摩擦係合装置の係合圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLUとを備えている。
【0040】
図8は、モータ・ジェネレータ3の制御系統と、モータ・ジェネレータ3とエンジン1およびトルクコンバータ2との間の動力伝達経路の構成とを示すブロック図である。前記トルクコンバータ2のフロントカバー8には回転軸80が接続されており、エンジン1のクランクシャフト12と回転軸80とを接続・遮断するためのクラッチ81が設けられている。そして、回転軸80とモータ・ジェネレータ3との間の動力伝達経路には、減速装置82が配置されている。減速装置82は、同心状に配置されたリングギヤ83およびサンギヤ84と、このリングギヤ83およびサンギヤ84に噛み合わされた複数のピニオンギヤ85とを備えている。この複数のピニオンギヤ85はキャリヤ86により保持されており、キャリヤ86には回転軸87が連結されている。そして、回転軸80と回転軸87とを接続・遮断するクラッチ88が設けられている。
【0041】
一方、モータ・ジェネレータ3は回転軸89を備えており、回転軸89に前記サンギヤ84が取り付けられている。また、減速装置82を収容したケーシング90には、リングギヤ83の回転を止めるブレーキ91が設けられている。さらに、回転軸89の周囲には一方向クラッチ92が配置されており、一方向クラッチ92の内輪が回転軸89に連結され、一方向クラッチ92の外輪がリングギヤ83に連結されている。上記構成の減速装置82により、モータ・ジェネレータ3から出力された動力の減速がおこなわれる。そして、一方向クラッチ92は回転軸80のトルクをモータ・ジェネレータ3に伝達する場合に係合する構成になっている。
【0042】
上記モータ・ジェネレータ3は、例えば交流同期型のものが適用される。モータ・ジェネレータ3は、永久磁石(図示せず)を有する回転子(図示せず)と、コイル(図示せず)が巻き付けられた固定子(図示せず)とを備えている。そして、コイルの3相巻き線に3相交流電流を流すと回転磁界が発生し、この回転磁界を回転子の回転位置および回転速度に合わせて制御することにより、トルクが発生する。モータ・ジェネレータ3により発生するトルクは電流の大きさにほぼ比例し、モータ・ジェネレータ3の回転数は交流電流の周波数により制御される。
【0043】
このモータ・ジェネレータ3は、車両の第2の駆動力源、または車両に対する回生制動トルクの付与装置として機能する。つまり、モータ・ジェネレータ3は、機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能と、電気エネルギを機械エネルギに変換する電動機としての機能とを備えている。そして、モータ・ジェネレータ3の動力を回転軸80に伝達する場合は、クラッチ88およびブレーキ91が係合され、一方向クラッチ92が解放される。また、回転軸80のトルクをモータ・ジェネレータ3に伝達することにより、モータ・ジェネレータ3を発電機として機能させる場合は、クラッチ88および一方向クラッチ92が係合され、ブレーキ91が解放される。
【0044】
一方、モータ・ジェネレータ3にはインバータ93を介してバッテリ94が接続され、モータ・ジェネレータ3およびインバータ93ならびにバッテリ94を制御するコントローラ95が設けられている。前記インバータ93は、バッテリ56の直流電流を3相交流電流に変換してモータ・ジェネレータ3に供給する一方、モータ・ジェネレータ3で発電された3相交流電流を直流電流に変換してバッテリ94に供給する3相ブリッジ回路(図示せず)を備えている。この3相ブリッジ回路は、例えば6個のパワートランジスタを電気的に接続して構成され、これらのパワートランジスタのオン・オフ状態を切り換えることにより、モータ・ジェネレータ3とバッテリ94との間の電流の向きを切り換える。このようにして、3相交流電流と直流電流との相互の変換と、モータ・ジェネレータ3に印可される3相交流電流の周波数の調整と、モータ・ジェネレータ3に印可される3相交流電流の大きさの調整と、モータ・ジェネレータ3による回生制動トルクの大きさの調整とがおこなわれる。
【0045】
そして、モータ・ジェネレータ3を電動機として機能させる場合は、バッテリ94からの直流電圧を交流電圧に変換してモータ・ジェネレータ3に供給する。また、モータ・ジェネレータ3を発電機として機能させる場合は、回転子の回転により発生した誘導電圧をインバータ93により直流電圧に変換してバッテリ94に充電する。
【0046】
そして、コントローラ95は、バッテリ94からモータ・ジェネレータ3に供給される電流値、またはモータ・ジェネレータ3により発電される電流値を検出または制御する機能を備えている。また、コントローラ95は、モータ・ジェネレータ3の回転数を制御する機能と、バッテリ94の充電状態(SOC:state of charge)を検出および制御する機能とを備えている。
【0047】
図9は、エンジン1のクランクシャフト12における他方の動力伝達経路の構成を示す説明図である。駆動装置5は減速装置43を備えており、この減速装置43がエンジン1およびモータ・ジェネレータ6に接続されている。減速装置43は、同心状に配置されたリングギヤ44およびサンギヤ45と、このリングギヤ44およびサンギヤ45に噛み合わされた複数のピニオンギヤ46とを備えている。この複数のピニオンギヤ46はキャリヤ47により保持されており、キャリヤ47には回転軸48が連結されている。また、エンジン1のクランクシャフト12と同心状に回転軸49が設けられており、回転軸12とクランクシャフト12とを接続・遮断するクラッチ50が設けられている。そして、回転軸49と回転軸48との間で相互にトルクを伝達するチェーン51が設けられている。なお、回転軸48には、チェーン48Aを介してエアコンプレッサなどの補機48Bが接続されている。
【0048】
また、モータ・ジェネレータ6は回転軸52を備えており、回転軸52に前記サンギヤ45が取り付けられている。また、駆動装置5のハウジング53には、リングギヤ44の回転を止めるブレーキ53が設けられている。さらに、回転軸52の周囲には一方向クラッチ54が配置されており、一方向クラッチ54の内輪が回転軸52に連結され、一方向クラッチ54の外輪がリングギヤ44に連結されている。上記構成の減速装置43により、エンジン1とモータ・ジェネレータ6との間のトルク伝達、または減速がおこなわれる。そして、一方向クラッチ54はエンジン1から出力されたトルクがモータ・ジェネレータ6に伝達される場合に係合する構成になっている。
【0049】
上記モータ・ジェネレータ6は、モータ・ジェネレータ3と同様に構成されている。モータ・ジェネレータ6は、機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能と、電気エネルギを機械エネルギに変換する電動機としての機能とを備えている。具体的には、エンジン1を始動させるスタータとしての機能と、発電機(オルタネータ)としての機能と、エンジン1の停止時に補機48Bを駆動する機能とを兼備している。
【0050】
そして、モータ・ジェネレータ6をスタータとして機能させる場合は、クラッチ50およびブレーキ53が係合され、一方向クラッチ54が解放される。また、モータ・ジェネレータ6をオルタネータとして機能させる場合は、クラッチ50および一方向クラッチ54が係合され、ブレーキ53が解放される。さらに、モータ・ジェネレータ6により補機48Bを駆動させる場合は、ブレーキ53が係合され、クラッチ50および一方向クラッチ54が解放される。
【0051】
すなわち、エンジン1から出力されたトルクをモータ・ジェネレータ6に入力して発電をおこない、その電気エネルギをインバータ55を介してバッテリ56に充電することが可能である。また、モータ・ジェネレータ6から出力されるトルクを、エンジン1または補機48Bに伝達することが可能である。さらに、インバータ55およびバッテリ56にはコントローラ57が接続されている。このコントローラ57は、バッテリ56からモータ・ジェネレータ6に供給される電流値、またはモータ・ジェネレータ6により発電される電流値を検出または制御する機能を備えている。また、コントローラ57は、モータ・ジェネレータ6の回転数を制御する機能と、バッテリ56の充電状態(SOC:state of charge)を検出および制御する機能とを備えている。
【0052】
一方、車両の室内には、図10に示すような減速度設定スイッチ105が設けられている。この減速度設定スイッチ105は、コンソールボックス(図示せず)付近、またはインストルメントパネル(図示せず)付近に設けられている。この減速度設定スイッチ105を、車両の乗員が操作することにより、車両の減速度が所定値になるように、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクを増減させることが可能である。この減速度設定スイッチ105は、摺動自在なスライドノブ106を備えており、このスライドノブ106を「強」側に操作すると減速度が強くなり、「弱」側に操作すると減速度が弱くなる。
【0053】
図11は、上記ハード構成を有するハイブリッド車の制御回路を示すブロック図である。電子制御装置(ECU)58は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入力・出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
【0054】
この電子制御装置58には、エンジン回転数センサ59の信号、エンジン水温センサ60の信号、イグニッションスイッチ61の信号、バッテリ56,94の充電状態、およびモータ・ジェネレータ3,6の電流値を示すコントローラ57,95の信号、エアコンスイッチ62の信号、車速センサ4Bの信号、ATFの温度を検出する油温センサ63の信号、シフトレバー4Cの操作位置を検出するシフトポジションセンサ64の信号などが入力されている。
【0055】
また、電子制御装置58には、パーキングブレーキスイッチ65の信号、フットブレーキペダル66Aの踏み込み状態を検出するフットブレーキスイッチ66の信号、排気管(図示せず)の途中に設けられた触媒温度センサ67の信号、アクセルペダル1Aの踏み込み量を示すアクセル開度センサ68の信号、エンジン1の電子スロットルバルブ1Bの開度を示すスロットル開度センサ69の信号、タービン回転数センサ4Aの信号、モータ・ジェネレータ3,6の回転数および回転角度を検出するレゾルバ70,71の信号、スポーツモードスイッチ76の信号、アップシフトスイッチ77の信号、ダウンシフトスイッチ78の信号、減速度設定スイッチ105の信号、加速度センサ107の信号等が入力されている。
【0056】
この電子制御装置58からは、エンジン1の点火装置72を制御する信号、エンジン1の燃料噴射装置73を制御する信号、コントローラ57,95を制御する信号、駆動装置5のクラッチ50およびブレーキ53を制御する信号、油圧制御装置39を制御する信号、エンジン1の始動・停止を示すインジケータ74への制御信号、電子スロットルバルブ1Bの開度を制御するアクチュエータ75の制御信号などが出力されている。このようにして、電子制御装置58に入力される各種の信号に基づいて、エンジン1およびモータ・ジェネレータ3,6ならびに油圧制御装置39、歯車変速機構4が制御される。
【0057】
ここで、ハイブリッド車の構成とこの発明の構成との対応関係を説明する。ポンプインペラ7およびタービンランナ9がこの発明の回転部材に相当し、バッテリ56がこの発明の充電装置に相当する。さらに、トルクコンバータ2がこの発明の流体式動力伝達装置に相当する。
【0058】
上記ハード構成を有するハイブリッド車の制御内容を説明する。すなわち、クラッチ81係合されている場合は、エンジン1の動力(トルク)が、トルクコンバータ2、歯車変速機構4、プロペラシャフト96、差動装置97、アクスルシャフト104などの動力伝達経路を介して車輪32Aに伝達され、車輪32Aの駆動力により車両が走行する。また、クラッチ88が係合されている場合は、モータ・ジェネレータ3のトルクが動力伝達経路を介して車輪32Aに伝達される。したがって、このハイブリッド車は、エンジン1またはモータ・ジェネレータ3のうちの少なくとも一方を駆動力源として走行することが可能である。
【0059】
一方、車両の減速時、具体的には、車輪32A側から入力される動力(運動エネルギ)が動力伝達経路に対して伝達される被駆動状態時には、クラッチ81を係合させることにより、前記動力をエンジン1に伝達して、エンジンブレーキ力を効かせることが可能である。また、上記エンジンブレーキ力を発生させる動作にともなってクラッチ88を係合させると、上記動力をモータ・ジェネレータ3が伝達されて発電がおこなわれ、回生制動トルクが生じる。なお、この被駆動状態時において、クラッチ81を解放させることにより、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクのみを車両に作用させることも可能である。なお、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクにより減速力が付加されるのは、シフトレバー4Cにより前進ポジションが選択されている場合である。
【0060】
また、バッテリ56,94は、その充電量SOCが所定の範囲になるように制御されており、充電量SOCが少なくなった場合は、エンジン出力を増大させ、その一部をモータ・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ6に伝達して発電させる。
【0061】
つぎに、車両の走行中における、歯車変速機構4および油圧制御装置39ならびにロックアップクラッチ11の制御内容を具体的に説明する。電子制御装置58には、歯車変速機構4の変速段(変速比)を制御する変速線図(変速マップ)が記憶されている。この変速線図には、車両の走行状態、例えばアクセル開度と車速とをパラメータとして、所定の変速段から他の変速段に変速(アップシフトまたはダウンシフト)するための変速点が設定されている。
【0062】
そして、この変速線図に基づいて変速判断がおこなわれ、この変速判断が成立した場合は、電子制御装置58から制御信号が出力され、この制御信号が油圧制御装置39に入力される。その結果、所定のソレノイドバルブが動作し、所定の摩擦係合装置に作用する油圧が変化して、摩擦係合装置の係合・解放がおこなわれて変速が自動的に実行される。一方、スポーツモードスイッチ76がオンされている場合は、アップシフトスイッチ77またはダウンシフトスイッチ78の操作により、車両の走行状態に関わりなく、歯車変速機構4の変速段を手動操作により切り換えることが可能である。さらにまた、この実施形態においては、車速およびスロットル開度以外の条件、あるいはアップシフトスイッチ77またはダウンシフトスイッチ78の操作状態以外の条件に基づいて、歯車変速機構4の変速段が制御される場合もある。この制御内容については後述する。
【0063】
前記ロックアップクラッチ11は、アクセル開度、車速、変速段などの条件に基づいて制御される。このため、電子制御装置58には、ロックアップクラッチ11の動作を制御するロックアップクラッチ制御マップが記憶されている。このロックアップクラッチ制御マップには、アクセル開度および車速をパラメータとして、ロックアップクラッチ11を完全係合または解放する領域、もしくはスリップさせる領域が設定されている。また、この実施形態においては、モータ・ジェネレータ3による回生制動に対応して、ロックアップクラッチ11の係合状態が制御される場合がある。以下、モータ・ジェネレータ3の回生制動に対応して、ロックアップクラッチ11の係合状態、または歯車変速機構4の変速段を制御する場合の一例を説明する。
【0064】
(第1制御例)
まず、第1制御例を、図1のフローチャートに基づいて説明する。電子制御装置58により各種の入力信号が処理される(ステップ201)。そして、電子制御装置58に記憶されているロックアップクラッチ制御マップに基づいて、ロックアップクラッチ11が完全係合される。また、シフトレバー4Cが前進ポジションに操作されているか否かが判断される(ステップ202)。ステップ202で否定判断された場合は格別の制御をおこなうことなくリターンされる。ステップ202で肯定判断された場合は、車両の状態が駆動状態から被駆動状態に切り換えられるか否かが判断される(ステップ203)。
【0065】
ここで、車両の駆動状態とは、エンジン1またはモータ・ジェネレータ3の少なくとも一方のトルクが車輪32Aに伝達されて車両が走行している状態を意味しており、被駆動状態とは、車輪32Aから入力される動力(運動エネルギ)により、モータ・ジェネレータ3が駆動して回生制動トルクが生じている状態を意味している。このステップ3においては、エンジン回転数NEとタービン回転数NTとを比較し、エンジン回転NE<タービン回転数NTになることが検出された場合に、駆動状態から被駆動状態への切り換え判断が成立する。
【0066】
ステップ203で否定判断された場合は、車両の状態が、現在、駆動状態にあるか否かが判断される(ステップ204)。ステップ204で肯定判断された場合は、車両に対して減速力を付与する必要性が無いため、モータ・ジェネレータ(MG)3の回生制動をおこなわず(ステップ205)、リターンされる。
【0067】
一方、ステップ204で否定判断された場合は、モータ・ジェネレータ3による回生制動がおこなわれ(ステップ206)、リターンされる。ステップ206でおこなわれる回生制動の一制御例を具体的に説明する。基本的には、フットブレーキペダル66Aの踏み込みの有無または踏み込み量に関係なく、モータ・ジェネレータ3により生じる回生制動トルクが、歯車変速機構4の変速段毎に決定された値となるように、インバータ55を制御することにより、各変速段毎に所定の車両減速度が得られる。
【0068】
この実施形態においては、歯車変速機構4で設定される変速段毎に、車速と回生制動トルクとの関係が予め実験などで求められており、それらの関係がマップとして電子制御装置58に記憶されている。図12には、各変速段において、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクと車速との関係を示すマップの一例を示す線図である。図12に示すように、歯車変速機構4の変速段が高速段になるほど、回生制動トルクが大きくなるように設定されている。さらに、各変速段毎に設定される回生制動トルクは、車速が高くなるほど大きくなるように設定されている。
【0069】
例えば、図3に示すようなギヤトレーンの場合、差動装置97の減速比(ギヤ比)にもよるが、第5速、第4速でエンジンブレーキ力が不足するので、この変速段でモータ・ジェネレータ3による回生制動を実施している。ここで、回生制動トルクWは、第5速の回生制動トルクW≫第4速の回生制動トルクW>第3速の回生制動トルクWになるように設定されている。なお、歯車変速機構4で低速段、例えば第2速や第1速が設定された状態において、エンジンブレーキ力による減速力が充分得られるように、歯車変速機構4の変速比(ギヤ比)や差動装置97のデフ比(ギヤ比)が決定されている場合は、この低速段では回生制動をおこなわない。
【0070】
また、この実施形態においては、スポーツモードスイッチ76がオンされている状態においては、車両の減速度を一層増大させる制御がおこなわれる。具体的には、スポーツモードスイッチ76がオフされている場合に比べて、全ての変速段において、上記回生制動トルクWを例えば1.2倍に設定することが可能である。または、スポーツモードスイッチ76がオフされている場合に比べて、歯車変速機構4の各変速段毎に回生制動トルクWの増大割合を変えることが可能である。例えば、第5速の回生制動トルクW×1.3(*A)、第4速の回生制動トルクW×1.2(*A)、第3速の回生制動トルクW1.1(*A)に設定することができる。ここで「*A」は所定の係数であり、この係数Aは固定値でもよく、あるいは変速段毎に設定される値でもよい。なお、クラッチ81が係合されている場合、図4で「◎」が付与された摩擦係合装置の係合により設定される変速段においては、エンジンブレーキ力も働くことになる。
【0071】
さらにこの実施形態においては、加速度センサ107により検出される信号と、電子制御装置58に予め記憶されている基準値とに基づいて、車両の走行路が登坂路か降坂路かが判断されている。そして、この判断結果に基づいて歯車変速機構4の変速段を制御する、いわゆるAI−SHIFT制御がおこなわれている。そこで、上記降坂路が検出された場合に、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクを、第5速の回生制動トルクW×1.5(*B)、第4速の回生制動トルクW×1.3(*B)、第3速の回生制動トルクW×1.2(*B)に設定することも可能である。なお、「*B」は所定の係数であり、この係数Bは固定値でもよく、あるいは変速段毎に設定される値でもよい。ここで、歯車変速機構4の変速段として原則第5速のみを使用し、係数*Bを変更することによりダウンシフトを回避する制御をおこなうことも可能である。この制御をおこなった場合、歯車変速機構4のダウンシフトに基づくショックが防止され、ドライバビリティが向上する。さらにまた、この時加速度センサ107の信号に基づいて、車両の減速度Gが一定になるように、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクを制御することも可能である。
【0072】
さらにこの実施形態においては、図10に示す減速度設定スイッチ105のスライドノブ106をマニュアル操作することにより、車両の減速度Gを制御することが可能である。この減速度設定スイッチ105を操作することにより、フットブレーキペダル66Aの操作による車輪制動力から独立して、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクを増減させることが可能である。そして、スライドノブ106の操作量に応じて係数*Aまたは係数*Bの値をすることにより、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクが制御され、車両の減速度Gが調整される。
【0073】
ところで、前記ステップ203で肯定判断された場合は、動力伝達経路における動力の伝達方向が逆になり、ショックが生じる可能性がある。そこで、ロックアップクラッチ11を非係合状態にする制御、具体的には、完全解放、またはスリップさせる制御がおこなわれる(ステップ207)。その結果、タービンランナ9とポンプインペラ7とが、機械的な動力の伝達状態から、流体による動力の伝達状態に切り換わる。
【0074】
以下、駆動状態から被駆動状態に切り換える場合に生じるショックと、このショックを抑制する機能とについて説明する。駆動状態から被駆動状態(回生制動状態)に切り換わるにともなって、動力伝達部材の歯部同士のバックラッシにより、車輪32Aから入力される動力(運動エネルギ)に応じて衝撃が作用し、ショックを招く可能性がある。
【0075】
これに対して、この実施形態においてはロックアップクラッチ11の係合圧を低下させる制御がおこなわれる。このため、前記バックラッシに作用する衝撃力が入力軸14を介してタービンランナ9に伝達されると、タービンランナ9とポンプインペラ7とが流体による動力の伝達状態に切り換わっているため、前記衝撃力が吸収もしくは緩和される。したがって、ショックを抑制することができ、ドライバビリティが向上する。
【0076】
ステップ207についでモータ・ジェネレータ3を回生制動状態に切り換える制御が終了したか否か、具体的には、回生制動トルクの変化が終了したか否かが判断され(ステップ208)、ステップ8で否定判断された場合はステップ207に戻る。ステップ208で肯定判断された場合は、ロックアップクラッチ11を完全係合状態に復帰させる制御をおこない(ステップ209)、リターンされる。ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ステップ207,208がこの発明のロックアップクラッチ制御手段に相当する。
【0077】
図13は、ステップ203からステップ207,〜209に進んだ場合における、車両加速度とフットブレーキペダル66Aの状態とアクセルペダル1Aの状態とロックアップクラッチ11の状態とモータ・ジェネレータ3の回生制動トルクとの関係の一例を示すタイムチャートである。まず、アクセルペダル1Aの踏み込みによりアクセル信号がオンされ、かつ、フットブレーキペダル66Aの踏み込み無しによりブレーキ信号がオフされている状態では、正の車両加速度が生じている。また、電子制御装置58に予め記憶されているロックアップクラッチ制御マップに基づいて、ロックアップクラッチ11が完全係合状態に制御されている。
【0078】
その後、時刻t1においてアクセルペダル1Aが戻されてアクセル信号がオフされると、ロックアップクラッチ11の係合圧を徐々に低下する制御がおこなわれる。ここで、実線はロックアップクラッチ11をスリップ制御(半係合)する場合を示し、一点鎖線はロックアップクラッチ11を完全解放する場合を示している。ついで、時刻t2において、フットブレーキペダル66Aの踏み込みが開始されるとともに、時刻t2以降は、ロックアップクラッチ11が、所定の係合圧でスリップ制御が継続されるか、または完全解放状態に制御される。
【0079】
そして、時刻t3において、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクが増大し始めるにともない、車両加速度が零側に向けて変化する。ここで、回生制動トルクは徐々に増大させることにより、急激な回生制動トルクの発生が抑制される。このため、急制動による急減速のショック発生を回避することができる。その後、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクの増大にともなって、車両加速度が零を経由して負側(減速状態)に変化する。さらに、時刻t4でブレーキ信号がオンされると、それ以降は、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクがほぼ一定に制御され、かつ、車両加速度も負側の一定値に維持される。また、完全解放、またはスリップ制御されていたロックアップクラッチ11が、時刻t4以降はその係合圧が増大され、再び完全係合状態に復帰する。
【0080】
(第2制御例)
図14は、モータ・ジェネレータ3の回生制動に対応するロックアップクラッチ11の他の制御例を示すフローチャートである。図14のステップ311の制御内容は、図1のステップ201の制御内容と同様である。図14のステップ312の制御内容は、図1のステップ202の制御内容と同様である。そして、ステップ312で否定判断された場合はリターンされる。
【0081】
また、ステップ312で肯定判断された場合は、被駆動状態から駆動状態への切り換えの有無が判断される(ステップ313)。具体的には、エンジン回転数NEとタービン回転数NTとが比較され、エンジン回転数NE>タービン回転数NTになるか否かが判断される。
【0082】
ステップ313で否定判断された場合はステップ314に進む。ステップ314の制御内容は、図1のステップ204の制御内容と同様である。ステップ314で肯定判断された場合はステップ315を経てリターンされる。ステップ315の制御内容は、図1のステップ205の制御内容と同様である。また、ステップ314で否定判断された場合はステップ316を経てリターンされる。ステップ316の制御内容は、図1のステップ206の制御内容と同様である。
【0083】
一方、ステップ313で肯定判断された場合は、動力伝達経路における動力の伝達方向が逆になるため、ショックが生じる可能性がある。そこで、図14の制御例においては、ロックアップクラッチ11を解放、またはスリップさせる制御、言い換えれば、ロックアップクラッチ11の係合圧を低下させる制御がおこなわれる(ステップ317)。
【0084】
以下、被駆動状態から駆動状態に切り換えられることにともなって動力伝達経路に生じるショックと、このショックを抑制する機能とについて説明する。被駆動状態から駆動状態に切り換えられると、動力伝達部材同士の間で動力の伝達方向が逆になり、動力伝達部材の凹凸部同士の噛み合い状態が切り換わる。この切り換わり時には、凹凸部の噛み合い部分に対して、エンジン1の出力に応じた衝撃が生じる可能性がある。しかしがなら、この制御例においては、ポンプインペラ9とタービンランナ7とが流体による動力の伝達状態に切り換えられているため、トルクコンバータ2に伝達される動力の一部が吸収もしくは緩和され、凹凸部の噛み合い部分における衝撃が抑制される。したがって、ショックが抑制されてドライバビリティが向上する。
【0085】
ステップ317についで、モータ・ジェネレータ3の切り換え、具体的には回生制動トルクの解除が終了したか否かが判断され(ステップ318)、ステップ318で否定判断された場合はステップ317に戻る。また、ステップ318で肯定判断された場合は、ステップ319を経てリターンされる。ステップ319の制御内容は、図1のステップ209の制御内容と同様である。ここで、図14に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ステップ317,318がこの発明のロックアップクラッチ制御手段に相当する。
【0086】
図15は、ステップ313からステップ317,〜319に進んだ場合における、車両加速度とフットブレーキペダル66Aの状態とアクセルペダル1Aの状態とロックアップクラッチ11の状態とモータ・ジェネレータ3の回生制動トルクとの関係の一例を示すタイムチャートである。まず、アクセルペダル1Aが踏まれずにアクセル信号がオフされ、かつ、フットブレーキペダルが66Aが踏み込まれてブレーキ信号がオンされている状態においては、負の車両加速度(つまり減速度)が生じている。また、車輪32Aから入力される動力がモータ・ジェネレータ3に入力され、モータ・ジェネレータ3による所定の回生制動トルクが発生している。すなわち、被駆動状態にある。さらに、また、電子制御装置58に予め記憶されているロックアップクラッチ制御マップに基づいて、ロックアップクラッチ11が完全係合状態に制御されている。
【0087】
その後、時刻t1においてフットブレーキペダル66Aの踏み込み量が減少してブレーキ信号がオンからオフ側に変化すると、ロックアップクラッチ11の係合圧が低下する。ここで、実線がロックアップクラッチ11をスリップ制御(半係合)する場合を示し、一点鎖線がロックアップクラッチ11を完全解放する場合を示している。ついで、時刻t2において、フットブレーキペダル66Aが完全に戻されてブレーキ信号がオフされるとともに、時刻t2以降は、ロックアップクラッチ11が、所定の係合圧でスリップ制御が継続されるか、または完全解放状態に制御される。
【0088】
そして、時刻t3において、アクセルペダル1Aの踏み込みによりアクセル信号がオフからオン側に切り換えられるとともに、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクが徐々に減少され、車両加速度が零側に向けて変化する。ここで、回生制動トルクは徐々に減少させることにより、急激な回生制動トルクの低下が抑制され、ショック発生を回避することができる。その後、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクの減少にともなって車両加速度が零を経由して正側に変化するとともに、回生制動トルクがほぼ一定値に制御される。さらに、時刻t4で車両加速度が一定値に制御されるとともに、完全解放、またはスリップ制御されていたロックアップクラッチ11の係合圧が増大され、再び完全係合状態に復帰する。
【0089】
(第3制御例)
モータ・ジェネレータ3による回生制動と、ロックアップクラッチ11の係合状態との制御に関するさらに他の制御例を、図16に示すフローチャートに基づいて説明する。図16のステップ421の制御内容は、図1のステップ201の制御内容と同様であり、電子制御装置58に記憶されているロックアップクラッチ制御マップにより、ロックアップクラッチ11が係合(オン)される。また、図16のステップ422の制御内容は、図1のステップ202の制御内容と同様である。
【0090】
ステップ422で否定判断された場合はリターンされる。ステップ422で肯定判断された場合は、モータ・ジェネレータ3により回生制動がおこなわれているか否かが判断される(ステップ423)。ステップ423の判断は、コントローラ95の信号に基づいておこなわれる。ステップ423で否定判断された場合はリターンされ、ステップ423で肯定判断された場合は、バッテリ94の充電量SOCが所定値UPA%を越えたか否かが判断される(ステップ424)。この所定値UPA%は電子制御装置58に記憶されている。
【0091】
ステップ424で否定判断された場合は、バッテリ94が満充電状態に到達するまでに余裕があるため、ロックアップクラッチ11のオンを継続し(ステップ425)、かつ、モータ・ジェネレータ3による回生制動、すなわち、バッテリ94に対する充電を継続し(ステップ426)、リターンされる。
【0092】
一方、ステップ424で肯定判断された場合は、現在のままの充電状態を継続しておこなうと、短時間のうちにバッテリ94が満充電状態になって充電が不可能になることを意味している。そこで、以下に示す演算処理がおこなわれる(ステップ427)。
【0093】
例えば、バッテリ94の充電量SOCに基づいて、ロックアップクラッチ11のスリップ率、または歯車変速機構4の変速段が演算される。基本的には、ロックアップクラッチ11をスリップさせる制御をおこなう。また、この実施形態では具体的な説明を省略するが、トルクコンバータが、容量係数を変更することの可能な、公知の可変容量式トルクコンバータである場合は、トルクコンバータの容量係数を可及的に下げることにより、回生制動トルクを低下させることも可能である。
【0094】
上記のようにして、トルクコンバータ2の状態を制御することにより、回生制動トルクを低下させたとしても、バッテリ94の充電量SOCが過剰になる可能性があると判断される場合は、強制的に歯車変速機構4をダウンシフトさせることも可能である。この制御をおこなった場合は、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクが低下し、バッテリ94に対する追加充電量が減少する。この場合は、歯車変速機構4の変速段(変速比)の制御にあたり、車速およびアクセル開度に基づく変速点(すなわち、しきい値)、とは異なるパラメータ(つまり、バッテリ94の充電量)に基づくしきい値が適用される。この歯車変速機構4の変速段の制御に適用されるバッテリ94の充電量の所定値UPB%と前記所定値UPA%との関係は、所定値UPA%<所定値UPB%である。
【0095】
ついで、ステップ428において、ロックアップクラッチ11のスリップ率をステップ427で設定された値に制御する。また、このステップ428においてはトルクコンバータ2の容量係数を、ステップ427で設定された値に変更することも可能である。さらに、ステップ429においては、必要により歯車変速機構4の変速段を、ステップ427で設定された変速段に切り換える制御をおこなう。このような制御おこないつつ、モータ・ジェネレータ3による回生制動を継続し(ステップ430)、リターンされる。ここで、図16に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ステップ427,428がこの発明のロックアップクラッチ制御手段または容量係数制御手段に相当し、ステップ427,429がこの発明の変速比制御手段に相当する。
【0096】
このように、図16の制御例によれば、モータ・ジェネレータ3の回生制動中において、バッテリ94の充電量SOCに基づいて、ロックアップクラッチ11の係合状態、つまり係合圧の制御がおこなわれている。より具体的には、バッテリ94の充電量SOCが所定値UPAを越えた場合は、ロックアップクラッチ11を完全係合状態からスリップ状態に切り換えている。このため、タービンランナ9からポンプインペラ7に伝達される動力の一部がスリップによる熱として放出され、モータ・ジェネレータ3に伝達される動力の損失が生じる。
【0097】
このため、車両に対する制動力を大きく変えることなくバッテリ94に対する追加充電量が減少する。言い換えれば、ロックアップクラッチ11の係合状態の制御により、バッテリ94の充電量SOCを制御している。また、前述したように可変容量式のトルクコンバータを用いた場合には、トルクコンバータの容量係数を変更することにより回生制動トルクを低下させ、バッテリ94の充電量を制御することが可能になる。したがって、車両に対する減速度の維持(確保)機能と、バッテリ94の充電量SOCの増加抑制機能とが両立される。
【0098】
図16の制御例に対応するタイムチャートの一例を、図17に基づいて説明する。まず、歯車変速機構4の変速段が第4速に設定され、かつ、ロックアップクラッチ11が完全係合(ON)されているとともに、モータ・ジェネレータ3のトルクが負の状態、つまり、回生制動状態に制御されている。また、バッテリ94の充電量SOCは所定値UPA以下の一定値に維持されている。
【0099】
そして、モータ・ジェネレータ3による回生制動の継続により、時刻t1以降はバッテリ94の充電量SOCが増大し始め、時刻t2以降は充電量SOCが所定値UPAを越えていることが判断される。そこで、時刻t3においては、バッテリ94の充電量SOCを低下させることを目的とするロックアップクラッチ11のスリップ率が演算され、かつ、歯車変速機構4の変速段が演算される。
【0100】
ついで、時刻t4においてはロックアップクラッチ11のスリップ率、および歯車変速機構4の変速段を、現在の状態から演算された状態に切り換えるための制御信号が出力される。その結果、歯車変速機構4の変速段が第5速から第4速にダウンシフトされ、かつ、ロックアップクラッチ11の係合圧が徐々に低下される。すると、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクが徐々に零側に変化する。なお、図17においては、便宜上、ロックアップクラッチ11をスリップ制御させた場合の一点鎖線の特性と、歯車変速機構4の変速段を変更した場合の破線の特性とを別々に示している。
【0101】
そして、時刻t5でロックアップクラッチ11が所定のスリップ率に制御されると、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクもほぼ一定の値に制御される。さらに、充電量SOCも一定の値に制御されている。さらにまた、充電量SOCが時刻t6まではほぼ一定の値に制御され、その後は充電量SOCが減少するとともに、時刻t7以降は充電量SOCが所定値UPA以下に低下している。
【0102】
図18は、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクおよび回転数と、トルクコンバータ2により伝達されるトルクとの関係を示す線図である。図18においては、モータ・ジェネレータ3の特性が実線で示され、トルクコンバータ2の特性が破線で示されている。そして、モータ・ジェネレータ3の特性線と、トルクコンバータ2の特性線(図示せず)との交点A1は、ロックアップクラッチ11の完全係合時におけるモータ・ジェネレータ3の回生制動トルクおよび回転数を示している。また、モータ・ジェネレータ3の特性線と、トルクコンバータ2の特性線との交点B1が、ロックアップクラッチ11の解放時におけるモータ・ジェネレータ3の回生制動トルクおよび回転数を示している。なお、モータ・ジェネレータ3の特性線において、交点A1と交点B1との間の領域は、ロックアップクラッチ11のスリップ制御中におけるモータ・ジェネレータ3の回生制動トルクおよび回転数を示している。
【0103】
そして、図16の制御例では、時刻t4以前におけるモータ・ジェネレータ3の回生制動トルクおよび回転数が、図18の交点A1に対応する値に制御される。また、時刻t4以降におけるモータ・ジェネレータ3の回生制動トルクおよび回転数が、交点A1と交点B1と間に対応する値に制御される。つまり、時刻t4以前におけるモータ・ジェネレータ3の回生制動トルクよりも、時刻t4以降におけるモータ・ジェネレータの回生制動トルクの方が減少し、時刻t4以前におけるモータ・ジェネレータ3の回転数よりも、時刻t4以降におけるモータ・ジェネレータ3の回転数の方が上昇することになる。
【0109】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させる際に、充電状態が所定値以上である場合は、ロックアップクラッチが非係合状態に制御され、回転部材同士の間における動力の伝達効率が低下する。したがって、充電装置の充電量の増大が抑制され、車両に対する減速度の維持(確保)機能と、充電装置の充電量の増加抑制機能とを両立させることができる。
【0110】
請求項2の発明によれば、モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させる際に、充電装置の充電状態が所定値以上である場合には、変速機の変速比が大きくなるように制御され、モータ・ジェネレータの回生制動時の充電効率が低下する。したがって、充電装置の充電量の増大が抑制され、車両に対する減速度の維持(確保)機能と、充電装置の充電量の増加抑制機能とを両立させることができる。
【0111】
請求項3の発明によれば、車輪から入力される動力でモータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させるのに際して、充電装置の充電量が所定値を越えている場合は、流体式動力伝達装置の容量係数を小さくすることにより、充電装置の充電効率が低下される。したがって、充電装置の充電量の増加が抑制され、車両に対する減速度の維持(確保)機能と、充電装置の充電量の増加抑制機能とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一制御例を示すフローチャートである。
【図2】 この発明が適用されたハイブリッド車の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 図2に示されたトルクコンバータおよび歯車変速機構の構成を示すスケルトン図である。
【図4】 図3に示された歯車変速機構で各変速段を設定するための摩擦係合装置の作動状態を示す図表である。
【図5】 図2に示された歯車変速機構を手動操作するシフトレバーのシフトポジションを示す説明図である。
【図6】 図3に示された歯車変速機構の変速段をマニュアル操作により切り換えることの可能な状態を設定・解除するスポーツモードスイッチを示す図である。
【図7】 この発明が適用される車両のステアリングホイールの構成を示す図である。
【図8】 図2に示されたシステム構成において、モータ・ジェネレータの制御系統と、モータ・ジェネレータの動力伝達経路の構成とを示す概念図である。
【図9】 図2に示されたエンジンと、駆動装置と、モータ・ジェネレータとの配置関係を示概念図である。
【図10】 図2に示された車両において、減速度をマニュアル操作により設定するための減速度設定スイッチの構成を示す図である。
【図11】 図2に示された車両の制御回路を示すブロック図である。
【図12】 図2に示された車両において、車速と回生制動トルクとの関係を示す線図である。
【図13】 図1の制御例に対応するタイムチャートである。
【図14】 この発明の他の制御例を示すフローチャートである。
【図15】 図14の制御例に対応するタイムチャートである。
【図16】 この発明の他の制御例を示すフローチャートである。
【図17】 図16の制御例に対応するタイムチャートである。
【図18】 この発明の実施形態において、モータ・ジェネレータ回転数と回生制動トルクとの関係を示す線図である。
【符号の説明】
1…エンジン1、 2…トルクコンバータ、 3…モータ・ジェネレータ、 11…ロックアップクラッチ、 56…バッテリ、 58…電子制御装置。

Claims (3)

  1. 車輪から入力される動力により駆動されて回生制動トルクを生じるモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータにより発電された電気エネルギが充電される充電装置と、前記モータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置された流体式動力伝達装置と、この流体式動力伝達装置の2つの回転部材同士を係合・解放するロックアップクラッチとを備えた回生制動トルクの制御装置において、
    前記モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させるのに際して、前記充電装置の充電状態が所定値以上である場合は、前記ロックアップクラッチを非係合状態に制御するロックアップクラッチ制御手段を備えていることを特徴とする回生制動トルクの制御装置。
  2. 車輪から入力される動力により駆動されて回生制動トルクを生じるモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータにより発電された電気エネルギが充電される充電装置と、前記モータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置された流体式動力伝達装置と、この流体式動力伝達装置の2つの回転部材同士を係合・解放するロックアップクラッチと、前記流体式動力伝達装置と前記車輪との間に配置された変速機とを備えた回生制動トルクの制御装置において、
    前記モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させるのに際して、前記充電装置の充電状態が所定値以上である場合は、前記変速機の変速比を大きくする制御をおこなう変速比制御手段を備えていることを特徴とする回生制動トルクの制御装置。
  3. 車輪から入力される動力により駆動されて回生制動トルクを生じるモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータにより発電された電気エネルギが充電される充電装置と、前記モータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置された流体式動力伝達装置と、この流体式動力伝達装置の2つの回転部材同士を係合・解放するロックアップクラッチとを備えた回生制動トルクの制御装置において、
    前記車輪から入力される動力で前記モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させるのに際して、前記充電装置の充電量が所定値を越えている場合は、前記流体式動力伝達装置の容量係数を小さくすることにより、前記充電装置の充電効率を低下させる容量係数制御手段を備えていることを特徴とする回生制動トルクの制御装置。
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