JP3858487B2 - パワートレーンの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の動力源としてエンジンおよびモータ・ジェネレータとを備えており、車輪から入力される動力によりモータ・ジェネレータで回生制動をおこなうことの可能なパワートレーンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、エンジンを駆動させる燃料の節約と、エンジンの回転による騒音の低減と、燃料の燃焼により発生する排気ガスの低減とを目的として、エンジンおよびモータ・ジェネレータとを搭載したハイブリッド車が提案されている。このハイブリッド車においては、車両の走行状態に基づいてエンジンまたはモータ・ジェネレータを制御して、車両を走行させるように構成されている。
【0003】
このように、エンジンおよびモータ・ジェネレータを備えた制御装置の一例が、特開平8−168104号公報に記載されている。この公報に記載された制御装置においては、エンジンの出力軸にモータ・ジェネレータが設けられており、このモータ・ジェネレータが電動機および発電機として機能する。また、エンジンの出力軸にはトルクコンバータを介して変速機が接続されている。なお、トルクコンバータは直結クラッチを備えている。
【0004】
上記制御装置によれば、エンジンの低速回転域において、エンジントルクの変動を吸収するようにモータ・ジェネレータのトルクを制御することにより、低車速域における直結クラッチの係合を可能にしている。その結果、燃費が向上してドライバビリティの悪化を防止することができるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報においては、モータ・ジェネレータを電動機として機能させる場合、つまり、モータ・ジェネレータを車両の動力源として用いる場合の技術について記載されているのみである。つまり、モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させる場合の制御、特に、モータ・ジェネレータの回生制動時に、直結クラッチをどのように制御するかについては何も記述がない。したがって、モータ・ジェネレータによる回生制動時において、直結クラッチの状態に基づいて種々の問題が発生する可能性があり、この点で改善の余地が残されていた。
【0006】
この発明は、上記事情を背景としてなされたもので、モータ・ジェネレータにより回生制動トルクを発生させる場合に、直結クラッチの状態に基づいて発生する各種の問題点を解消することの可能なパワートレーンの制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、エンジンから入力される動力または車輪から入力される動力により発電機として機能するモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置された流体式動力伝達装置と、この流体式動力伝達装置の回転部材同士の動力伝達状態を切り換えるために係合・解放される直結クラッチと、前記流体式動力伝達装置と前記車輪との間に配置された変速機と有し、前記車輪から入力される動力を前記モータ・ジェネレータに伝達して回生制動トルクを発生させることの可能なパワートレーンの制御装置において、前記直結クラッチの完全係合時および前記直結クラッチのスリップ制御時および前記直結クラッチの解放時における前記モータ・ジェネレータの回生制動効率を求めるとともに、前記直結クラッチが完全係合されている場合は、前記変速機の変速比および前記モータ・ジェネレータの回生トルクを制御することにより、前記モータ・ジェネレータの回生制動効率を最大とし、前記直結クラッチがスリップ制御されている場合は、前記直結クラッチのスリップ率および前記変速機の変速比および前記モータ・ジェネレータの回生トルクを制御することにより、前記モータ・ジェネレータの回生制動効率を最大とし、前記直結クラッチが解放されている場合は、前記直結クラッチを完全係合またはスリップ制御し、かつ、前記変速機の変速比および前記モータ・ジェネレータの回生トルクを制御することにより、前記モータ・ジェネレータの回生制動効率を最大とする回生制動条件制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1の発明によれば、モータ・ジェネレータの回生制動効率が最大となるように、モータ・ジェネレータの回生制動トルクおよび直結クラッチのスリップ率、および変速機の変速比が制御される。このため、例えばモータ・ジェネレータの回生制動効率を可及的に向上させることが可能になる。
【0009】
請求項2の発明は、エンジンから入力される動力または車輪から入力される動力により発電機として機能するモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置された流体式動力伝達装置と、この流体式動力伝達装置の回転部材同士の動力伝達状態を切り換えるために係合・解放される直結クラッチと、前記流体式動力伝達装置と前記車輪との間に配置された変速機と有し、前記車輪から入力される動力を前記モータ・ジェネレータに伝達して回生制動トルクを発生させることの可能なパワートレーンの制御装置において、前記直結クラッチが完全係合またはスリップ制御または解放のいずれかの状態に設定されている場合に、前記直結クラッチの各状態における前記モータ・ジェネレータの回生制動効率を求めるとともに、前記直結クラッチの各状態における前記モータ・ジェネレータの回生制動効率が最大となるように、前記変速機の変速比および前記直結クラッチのスリップ率および前記モータ・ジェネレータの回生トルクを制御する回生制動条件制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明によれば、直結クラッチが完全係合またはスリップ制御または解放のいずれかの状態に設定されている場合に、直結クラッチの各状態におけるモータ・ジェネレータの回生制動効率を求めるとともに、直結クラッチの各状態におけるモータ・ジェネレータの回生制動効率が最大となるように、変速機の変速比および直結クラッチのスリップ率およびモータ・ジェネレータの回生トルクが制御される。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図を参照してより具体的に説明する。図2は、この発明を適用したハイブリッド車のシステム構成を示すブロック図である。車両の第1の動力源であるエンジン1としては、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジン等の内燃機関が用いられる。この実施例のエンジン1は、燃料噴射装置および吸排気装置ならびに点火装置等を備えた公知の構造のものである。
【0012】
また、エンジン1の吸気管には電子スロットルバルブ1Bが設けられており、電子スロットルバルブ1Bの開度が電気的に制御されるように構成されている。エンジン1の動力伝達経路(言い換えればトルク伝達経路)には、トルクコンバータ2およびモータ・ジェネレータ3ならびに歯車変速機構4が直列に配置されている。なお、この実施形態においては、エンジン1とトルクコンバータ2との間にモータ・ジェネレータ3が配置され、モータ・ジェネレータ3と歯車変速機構4との間にトルクコンバータ2が配置されている。
【0013】
このモータ・ジェネレータ3は、車両の第2の動力源としての機能を有し、モータ・ジェネレータ3は、例えば交流同期型のものが適用される。モータ・ジェネレータ3は、永久磁石を有する回転子(図示せず)と、コイル(図示せず)が巻き付けられた固定子(図示せず)とを備えている。そして、コイルの3相巻き線に3相交流電流を流すと回転磁界が発生し、この回転磁界を回転子の回転位置および回転速度に合わせて制御することにより、トルクが発生する。発生するトルクは電流の大きさにほぼ比例し、回転数は交流電流の周波数により制御される。
【0014】
一方、モータ・ジェネレータ3にはインバータ80を介してバッテリ81が接続され、モータ・ジェネレータ3およびインバータ80ならびにバッテリ81を制御するコントローラ82が設けられている。前記インバータ80は、バッテリ81の直流電流を3相交流電流に変換してモータ・ジェネレータ3に供給する一方、モータ・ジェネレータ3で発電された3相交流電流を直流電流に変換してバッテリ81に供給する3相ブリッジ回路(図示せず)を備えている。この3相ブリッジ回路は、例えば6個のパワートランジスタ(図示せず)を電気的に接続して構成されている。これらのパワートランジスタのオン・オフを切り換えることにより、モータ・ジェネレータ3とバッテリ81との間の電流の向きを切り換える。このようにして、3相交流電流と直流電流との相互の変換と、モータ・ジェネレータ3に印可される3相交流電流の周波数の調整と、モータ・ジェネレータ3に印可される3相交流電流の大きさの調整と、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクの調整とがおこなわれる。
【0015】
上記構成のモータ・ジェネレータ3は、機械エネルギと電気エネルギとの間で相互に変換をおこなう機能、つまり、電動機としての機能と、発電機としての機能とを兼備している。モータ・ジェネレータ3を電動機として機能させる場合は、バッテリ81からの直流電圧を交流電圧に変換してモータ・ジェネレータ3に供給する。また、モータ・ジェネレータ3を発電機として機能させる場合は、回転子の回転により発生した誘導電圧をインバータ80により直流電圧に変換してバッテリ81に充電する。
【0016】
そして、コントローラ82は、バッテリ81からモータ・ジェネレータ3に供給される電流値、またはモータ・ジェネレータ3により発電される電流値を検出または制御する機能を備えている。また、コントローラ82は、モータ・ジェネレータ3の回転数を制御する機能と、バッテリ81の充電状態(SOC:state of charge)を検出および制御する機能とを備えている。
【0017】
図3は、エンジン1と車輪32Aとの間に形成されているパワートレーンの構成、具体的にはトルクコンバータ2および歯車変速機構4の構成を示すスケルトン図である。このトルクコンバータ2および歯車変速機構4を有する自動変速機のケーシング35の内部には、作動流体としてのオートマチック・トランスミッション・フルード(以下、ATFまたはオイルと略記する)が封入されている。またケーシング35の内部には、オイルポンプ83が設けられている。そして、エンジン1の動力がポンプインペラ7を介してオイルポンプ83に伝達され、オイルポンプ83が駆動されるように構成されている。
【0018】
トルクコンバータ2は、流体式動力伝達装置の一種であり、トルク増幅機能を備えている。このトルクコンバータ2は、駆動側回転部材の動力を、オイルを介して従動側回転部材に伝達するものである。このトルクコンバータ2は、ポンプインペラ7に一体化させたフロントカバー8と、タービンランナ9を一体に取付けたハブ10と、ロックアップクラッチ11とを有している。ロックアップクラッチ11は係合(オン)・解放(オフ)可能に構成されており、ロックアップクラッチ11が解放されている場合は、ポンプインペラ7とタービンランナ9との間で、オイルによりトルクの伝達がおこなわれる。また、ロックアップクラッチ11が係合された場合は、フロントカバー8とハブ10とが機械的に接続される。
【0019】
また、ポンプインペラ7およびタービンランナ9の内周側には、ステータ13が設けられている。このステータ13は、ポンプインペラ7からタービンランナ9に伝達されるトルクを増幅するためのものである。さらに、ハブ10には入力軸14が接続されている。したがって、エンジン1のクランクシャフト12からトルクが出力されると、このトルクがATFまたはロックアップクラッチ11を介して入力軸14に伝達される。これとは逆に、車輪32Aから入力軸14に伝達されるトルクを、ATFまたはロックアップクラッチ11を介してエンジン1に伝達することも可能である。
【0020】
前記歯車変速機構4は、副変速部15および主変速部16から構成されている。副変速部15は、オーバドライブ用の遊星歯車機構17を備えており、遊星歯車機構17のキャリヤ18に対して入力軸14が連結されている。この遊星歯車機構17を構成するキャリヤ18とサンギヤ19との間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 とが設けられている。この一方向クラッチF0 は、サンギヤ19がキャリヤ18に対して相対的に正回転、つまり、入力軸14の回転方向に回転した場合に係合するようになっている。そして、副変速部15の出力要素であるリングギヤ20が、主変速部16の入力要素である中間軸21に接続されている。また、サンギヤ19の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
【0021】
したがって、副変速部15は、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態で遊星歯車機構17の全体が一体となって回転する。このため、中間軸21が入力軸14と同速度で回転し、低速段となる。また、ブレーキB0 を係合させてサンギヤ19の回転を止めた状態では、リングギヤ20が入力軸14に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0022】
他方、主変速部16は、三組の遊星歯車機構22,23,24を備えており、三組の遊星歯車機構22,23,24を構成する回転要素が、以下のように連結されている。すなわち、第1遊星歯車機構22のサンギヤ25と、第2遊星歯車機構23のサンギヤ26とが互いに一体的に連結されている。また、第1遊星歯車機構22のリングギヤ27と、第2遊星歯車機構23のキャリヤ29と、第3遊星歯車機構24のキャリヤ31とが連結されている。さらに、キャリヤ31に出力軸32が連結されている。そして、出力軸32がトルク伝達装置(図示せず)を介して車輪32Aに接続されている。さらにまた、第2遊星歯車機構23のリングギヤ33が、第3遊星歯車機構24のサンギヤ34に連結されている。
【0023】
この主変速部16の歯車列においては、後進側の1つの変速段と、前進側の4つの変速段とを設定することができる。このような変速段を設定するための摩擦係合装置、つまりクラッチおよびブレーキが、以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、リングギヤ33およびサンギヤ34と、中間軸21との間に第1クラッチC1 が設けられている。また、互いに連結されたサンギヤ25およびサンギヤ26と、中間軸21との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0024】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構22のサンギヤ25、および第2遊星歯車機構23のサンギヤ26の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ25,26とケーシング35との間には、第1一方向クラッチF1 と、多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されている。第1一方向クラッチF1 はサンギヤ25,26が逆回転、つまり入力軸14の回転方向とは反対方向に回転しようとする際に係合するようになっている。
【0025】
第1遊星歯車機構22のキャリヤ37と、ケーシング35との間に、多板ブレーキである第3ブレーキB3 が設けられている。そして第3遊星歯車機構24はリングギヤ38を備えており、リングギヤ38の回転を止めるブレーキとして、多板ブレーキである第4ブレーキB4 と、第2一方向クラッチF2 とが設けられている。第4ブレーキB4 および第2一方向クラッチF2 は、ケーシング35とリングギヤ38との間に相互に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ38が逆回転しようとする際に係合するように構成されている。さらに、歯車変速機構4の入力回転数を検出する入力回転数センサ(言い換えればタービン回転数センサ)4Aと、歯車変速機構4の出力軸32の回転数を検出する出力回転数センサ(言い換えれば車速センサ)4Bとが設けられている。
【0026】
上記のように構成された歯車変速機構4においては、各クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を、図4の動作図表に示すように係合・解放することにより、前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図4において○印は摩擦係合装置が係合することを示し、◎印は、エンジンブレーキ時に摩擦係合装置が係合することを示し、△印は摩擦係合装置が係合・解放のいずれでもよいこと、言い換えれば、摩擦係合装置が係合されてもトルクの伝達には無関係であることを示し、空欄は摩擦係合装置が解放されることを示している。
【0027】
また、この実施形態では、シフトレバー4Cのマニュアル操作により、自動変速機のポジションを選択することが可能である。例えば、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、L(ロー)ポジションの各ポジションを選択可能である。ここで、PポジションおよびNポジションは非走行ポジションであり、Rポジション、Dポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、Lポジションは走行ポジションである。
【0028】
そして、Dポジションでは第1速ないし第5速のいずれかを設定することが可能であり、4ポジションでは第1速ないし第4速のいずれかを設定することが可能であり、3ポジションでは第1速ないし第3速のいずれかを設定することが可能であり、2ポジションでは第1速または第2速のいずれかを設定することが可能であり、L(ロー)ポジションでは第1速の変速段が設定される。
【0029】
また、図2に示された油圧制御装置39は、歯車変速機構4により設定される変速段の制御と、ロックアップクラッチ11の係合・解放制御と、摩擦係合装置に接続されている油圧回路のライン圧の制御と、摩擦係合装置の係合圧の制御とをおこなう機能を有している。そして、この実施形態において、ロックアップクラッチ11の係合には、動力の伝達状態において摩擦部材同士が相対回転しない完全係合状態と、動力の伝達状態において摩擦部材同士が相対回転するスリップ状態とが含まれる。
【0030】
前記油圧制御装置39は電気的に制御されるもので、歯車変速機構4の変速を実行するための第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S3 と、エンジンブレーキ状態を制御するための第4ソレノイドバルブS4 とを備えている。さらに、油圧制御装置39は、油圧回路のライン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLTと、歯車変速機構4の変速過渡時におけるアキュームレータ背圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLNと、ロックアップクラッチ11や所定の摩擦係合装置に作用する油圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLUとを備えている。
【0031】
また、エンジン1の他方の動力伝達経路には、駆動装置84を介してモータ・ジェネレータ85が設けられている。駆動装置84は、遊星歯車機構84Aと、一方向クラッチ85Bと、遊星歯車機構84Aの回転要素を選択的に固定するブレーキ84Cと、駆動装置84とクランクシャフト12との間の動力伝達経路を接続・遮断するクラッチ84Dとを備えた公知の構造のものである。モータ・ジェネレータ85は、モータ・ジェネレータ3と同様に構成されている。また、モータ・ジェネレータ85にはインバータ86を介してバッテリ87が接続されている。さらに、インバータ86およびバッテリ87を制御するコントローラ88が設けられている。
【0032】
これらのコントローラ88およびバッテリ87ならびにインバータ86の構成および機能は、コントローラ82およびバッテリ81ならびにインバータ80の構成および機能と同様である。そして、このモータ・ジェネレータ85も、発電機としての機能と、電動機としての機能とを兼備している。したがって、モータ・ジェネレータ85を電動機として機能させることにより、モータ・ジェネレータ85の動力をエンジン1に伝達したり、エンジン1の動力の一部をモータ・ジェネレータ85に伝達してモータ・ジェネレータ85を発電機として機能させ、その電気エネルギをバッテリ87に充電することが可能である。なお、モータ・ジェネレータ3とエンジン1との間で動力の伝達をおこなう場合は、駆動装置84のクラッチ84Dが係合される。
【0033】
そして、前記コントローラ88は、バッテリ87からモータ・ジェネレータ85に供給される電流値、またはモータ・ジェネレータ85により発電される電流値を検出または制御する機能を備えている。また、コントローラ88は、モータ・ジェネレータ85の回転数を制御する機能と、バッテリ87の充電状態(SOC:state of charge)を検出および制御する機能とを備えている。
【0034】
図5は、ハイブリッド車の制御回路を示すブロック図である。電子制御装置(ECU)58は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入力・出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
【0035】
この電子制御装置58には、エンジン回転数センサ59の信号、エンジン水温センサ60の信号、運転者により操作されるイグニッションキー90の操作位置を検出するイグニッションスイッチ61の信号、バッテリ81,87の充電状態、およびモータ・ジェネレータ3,85の電流値を別個に検出するコントローラ82,88の信号、エアコンスイッチ62の信号、車速センサ4Bの信号、ATFの温度を検出する油温センサ63の信号、シフトレバー4Cの操作位置を検出するシフトポジションセンサ64の信号等が入力されている。
【0036】
前記電子制御装置58には、運転者の停車意図を検出するパーキングブレーキスイッチ65の信号、ブレーキペダル91の踏み込み状態を検出するフットブレーキスイッチ66の信号、排気管(図示せず)の途中に設けられた触媒温度センサ67の信号、アクセルペダル1Aの踏み込み量を示すアクセル開度センサ68の信号、エンジン1の電子スロットルバルブ1Bの開度を示すスロットル開度センサ69の信号、タービン回転数センサ4Aの信号、モータ・ジェネレータ3,85の回転数および回転角度を検出するレゾルバ70,71の信号等が入力されている。
【0037】
そして、このハイブリッド車は、ブレーキペダル91と、ブレーキマスターシリンダ(図示せず)、ホイールシリンダ(図示せず)などにより構成された制動装置91Aを備えており、制動装置91Aにより所定の制動力が発生する。
【0038】
この電子制御装置58からは、エンジン1の点火装置72を制御する信号、エンジン1の燃料噴射装置73を制御する信号、コントローラ82,88を介してモータ・ジェネレータ3,85を制御する信号、駆動装置84を制御する信号、油圧制御装置39を制御する信号、エンジン1およびモータ・ジェネレータ3の駆動・停止状態を示すインジケータ74への表示信号、電子スロットルバルブ1Bの開度を制御するアクチュエータ75への制御信号などが出力されている。
【0039】
上記ハード構成を有するハイブリッド車においては、電子制御装置58に入力される信号に基づいて車両の状態が判断され、この判断結果に基づいてエンジン1およびモータ・ジェネレータ3ならびにモータ・ジェネレータ85が制御される。そして、エンジン1の動力またはモータ・ジェネレータ3の動力の少なくとも一方を車輪32Aに伝達して車両を走行させることが可能である。
【0040】
また、車両の減速時(言い換えれば惰力走行時)には、車輪32Aから入力される動力(つまり運動エネルギ)が歯車変速機構4およびトルクコンバータ2を介してエンジン1に入力されると、エンジンブレーキ力が発生する。また、この動力をモータ・ジェネレータ3に入力することにより、モータ・ジェネレータ3を発電機として機能させ、モータ・ジェネレータ3により回生制動力を発生させることも可能である。この場合はモータ・ジェネレータ3により発電された電気エネルギがバッテリ81に充電される。
【0041】
ここで、上記ハード構成を有するハイブリッド車の構成と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ロックアップクラッチ11がこの発明の直結クラッチに相当し、トルクコンバータ2がこの発明の流体式動力伝達装置に相当し、歯車変速機構4がこの発明の変速機に相当し、モータ・ジェネレータ3,85がこの発明の回転機としての機能をも兼備している。また、フロントカバー8およびポンプインペラ7がこの発明の第1回転部材に相当し、ハブ10および入力軸14がこの発明の第2回転部材に相当する。
【0042】
つぎに、電子制御装置58による歯車変速機構4および油圧制御装置39ならびにロックアップクラッチ11の制御内容を具体的に説明する。電子制御装置58には、歯車変速機構4の変速比を制御するための変速線図(変速マップ)が記憶されている。この変速線図には、車両の走行状態、例えばアクセル開度と車速とをパラメータとして、所定の変速段から他の変速段に変速(アップシフトもしくはダウンシフト)するための変速点が設定されている。
【0043】
そして、この変速線図に基づいて変速判断がおこなわれ、この変速判断が成立した場合は、電子制御装置58から制御信号が出力され、この制御信号が油圧制御装置39に入力される。その結果、所定のソレノイドバルブが動作し、所定の摩擦係合装置の係合・解放がおこなわれて変速が実行される。そして、変速を実行する摩擦係合装置の係合・解放のタイミング、および摩擦係合装置に作用する油圧が、エンジントルクに基づいて制御される。
【0044】
また、ロックアップクラッチ11は、シフトポジションと、アクセル開度と、車速と、歯車変速機構4の変速比(変速段)とに基づいて制御される。このため、アクセル開度および車速をパラメータとして、ロックアップクラッチ11の完全係合・スリップ・解放の各領域を設定したロックアップクラッチ制御マップが、電子制御装置58に記憶されている。
【0045】
ところで、この実施形態においては、上記条件の他に、モータ・ジェネレータ3の回生制動時に、その回生制動効率が所定の状態になるように、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクと、ロックアップクラッチ11の係合・スリップ・解放状態と、歯車変速機構4の変速段とを制御することが可能である。
【0046】
以下、モータ・ジェネレータ3の回生制動時における制御内容を、図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、各種のセンサやスイッチの信号が電子制御装置58入力され、これらの信号が処理される(ステップ100)。ついで、モータ・ジェネレータ3により回生制動をおこなうための条件が成立しているかか否かが判断される(ステップ101)。このステップ101に用いられる条件には、アクセルペダル1Aの状態と、バッテリ81の充電量SOCとが含まれる。ここで、アクセルペダル1Aが踏み込まれている場合は、ステップ101で否定判断されてリターンされる。
【0047】
これとは逆に、アクセルペダル1Aが踏み込まれておらず、かつ、バッテリ81の充電量SOCが所定値以下である場合は、ステップ101で肯定判断され、ステップ102に進む。ステップ102においては、回生制動時用の変速線図に基づいて、歯車変速機構4の変速段が決定される。
【0048】
図6には変速線図の一例が示されている。この変速線図においては、車両の走行状態、例えばアクセル開度と車速とをパラメータとして、所定の変速段から他の変速段に変速するための変速点が設定されている。この変速線図においては、所定の変速段から所定の変速段にアップシフトするための変速線が実線で示され、所定の変速段から所定の変速段にダウンシフトするための変速線が一点鎖線で示されている。つまり、この変速線図に示された数字が各変速段を意味しており、数字に対応して記載された矢印が、数字の変速段から数字の変速段にアップシフトもしくはダウンシフトすることを意味している。
【0049】
ステップ102についで、ロックアップクラッチ11が完全係合される領域、またはスリップ制御される領域にあるか否かが判断される(ステップ103)。このステップ103の判断に際しては、図6に示す変速線図の一部が、ロックアップクラッチ制御マップとして適用される。この実施形態においては、第4速または第5速が設定されている場合に、ロックアップクラッチ11を完全係合またはスリップする制御がおこなわれ、第1速ないし第3速ではロックアップクラッチ11を解放する制御がおこなわれる。
【0050】
具体的には、第3速から第4速へのアップシフト線と、第4速から第5速へのアップシフト線との間に設定されている領域4Sにおいて、ロックアップクラッチ11がスリップ制御される。また、第3速から第4速へのアップシフト線と、第4速から第5速へのアップシフト線との間に設定されている領域4Lにおいて、ロックアップクラッチ11が完全係合される。さらに、第5速が設定される領域の一部である領域5Sにおいて、ロックアップクラッチ11がスリップ制御される。さらにまた、第5速が設定される領域の一部である領域5Lにおいて、ロックアップクラッチ11が完全係合される。なお、回生制動時に適用されるロックアップクラッチ制御マップの方が、回生制動時以外に適用されるロックアップクラッチ制御マップに比べて、より低車速領域でロックアップクラッチ11が完全係合・スリップ制御される内容になっている。
【0051】
ステップ103で否定判断された場合は、ステップ102に戻り、現在の変速段から、ロックアップクラッチ11が完全係合、もしくはスリップ制御される変速段に強制的に変更する。一方、ステップ103で肯定判断された場合は、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクが決定される(ステップ104)。たとえば、モータ・ジェネレータ3の回生制動時に、ブレーキペダル91が踏み込まれて制動要求が発生すると、制動装置91Aにより負担するべき制動力と、バッテリ81の充電量SOCとに基づいて、モータ・ジェネレータ3により負担するべき回生制動トルクが決定される。
【0052】
そして、ステップ105においては、回生制動時用のロックアップクラッチ制御マップに基づいて、ロックアップクラッチ11を完全係合またはスリップ制御する。ここで、ロックアップクラッチ11をスリップ制御する場合は、ロックアップクラッチ11のスリップ量(またはスリップ率)を仮決定する(ステップ105)。ついで、ステップ102ないしステップ105の制御により達成されるモータ・ジェネレータ3の回生制動効率ηが最大になるか否かが判断される(ステップ106)。この回生制動動効率ηの算出方法は、ロックアップクラッチ11の完全係合制御時と、ロックアップクラッチ11のスリップ時と、ロックアップクラッチ11の解放時とでそれぞれ異なるため、順次説明する。
【0053】
(A)ロックアップクラッチ11の完全係合時
モータ・ジェネレータ3の回生制動時には、入力軸14の一部がエンジン1に入力されている。ここで、エンジン1の回転に必要なトルクΔTが、ΔT≒0とすれば、モータ・ジェネレータ3の回生制動効率ηは、次式(1)より求められる。
η=ηg×ηM(×ηBATT)・・・(1)
上記(1)式において、ηgは歯車変速機構4のギヤ効率である。また、ηMはモータ・ジェネレータ3のモータ効率(発電効率)である。つまり、運動エネルギを電気エネルギに変換する場合の変換効率である。このモータ効率ηMは、モータ・ジェネレータ3の回転数NMおよび回生制動トルクTMに基づいて決定される。
【0054】
図7には、モータ・ジェネレータ3の回転数NMおよび回生トルク(負のトルク)TMをパラメータとするモータ効率分布の一例が示されている。さらに、ηBATTは、モータ・ジェネレータ3で発生した電気エネルギをバッテリ81に充電する場合の充電効率である。なお、式(1)において、(×ηBATT)は、回生制動効率ηの算出にあたり、バッテリ充電効率ηBATTを加味するか否かを任意に選択することが可能であることを意味している。
【0055】
(B)ロックアップクラッチ11のスリップ制御時
モータ・ジェネレータ3の回生制動効率ηは、次式(2)により求められる。
【数1】
Figure 0003858487
上記式(2)において、tはトルクコンバータ2のトルク比であり、Tlはロックアップクラッチ11の分担トルクであり、TLOADは車両の走行負荷であり、igは歯車変速機構4の変速比(ギヤ比)であり、Noは歯車変速機構4の出力軸32の回転数であり、ΔNはロックアップクラッチ11のスリップ量(スリップ率)である。
【0056】
(C)ロックアップクラッチ11の解放時
モータ・ジェネレータ3の回生制動効率ηは、エンジン1の回転に必要なトルクΔTが、ΔT≒0とすれば、次式(3)により求められる。
【数2】
Figure 0003858487
上記式(3)において、ηtcはトルクコンバータ2の効率であり、ηtc=(タービン回転数×トルク)/(ポンプインペラ7の回転数×トルク)により求められる。
【0057】
そして、ステップ106において肯定判断された場合はリターンされ、ステップ106において否定判断された場合はステップ102ないしステップ105の制御を繰り返し、回生制動効率ηが最大になるように、歯車変速機構4の変速比igと、トルクコンバータ2のスリップ率ΔNと、モータ・ジェネレータ3の回生トルクTMとが制御される。
【0058】
このようにして、ステップ102ないしステップ106の制御により、ロックアップクラッチ11の各状態(A)ないし(C)のいずれかの状態が設定されている場合に、その状態における回生制動効率ηが最大になるように各種の条件を制御することが可能である。また、ステップ102ないしステップ106の制御により、ロックアップクラッチ11の各状態(A)ないし(C)のいずれかの状態が設定されている場合に、全ての状態における回生制動効率ηが最大になる状態に、各種の条件を設定することも可能である。さらにまた、上記制御例では、各種の条件と回生制動効率ηとの関係を演算処理により求めているが、各種の条件と回生制動効率ηとの関係をマップ化したデータを、電子制御装置58に予め記憶しておくことも可能である。
【0059】
ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。ステップ102ないしステップ106がこの発明の回生制動条件制御手段に相当する。
【0060】
以上のように、図1の制御例によれば、モータ・ジェネレータ3の回生制動効率ηが最大になるように、歯車変速機構4の変速比igと、トルクコンバータ2の係合・スリップ状態と、モータ・ジェネレータ3の回生制動トルクTMと、バッテリ81に対する充電効率ηBATTとが制御される。具体的には、少なくともトルクコンバータ2の係合・スリップ状態を含む条件が制御される。したがって、バッテリ81の充電に供されるエンジン出力が可及的に抑制され、燃費が向上する。なお、エンジン1の動力により車両を走行させる場合は、ロックアップクラッチ11を解放させることにより、エンジントルクの変動をトルクコンバータ2により吸収もしくは緩和することができる。つまり、燃費の向上と、振動および騒音の抑制機能とを両立させることができる。
【0061】
図8は、上記ハイブリッド車の他の制御例を示すフローチャートである。まず、電子制御装置58により入力信号が処理される(ステップ200)。ついで、モータ・ジェネレータ3の回生制動条件が成立しているか否かが判断される(ステップ201)。このステップ201の判断基準は、前述したステップ101と同様である。
【0062】
このステップ201で否定判断された場合はリターンされる。また、ステップ201で肯定判断された場合は、検出される車速およびアクセル開度が、ロックアップクラッチ11の解放領域から、ロックアップクラッチ11が完全係合される領域、またはスリップ制御される領域に切り換えられるか否かが判断される(ステップ202)。ステップ202の判断は、図6に示すロックアップクラッチ制御マップによりおこなわれる。ステップ202で否定判断された場合はリターンされる。
【0063】
一方、ステップ202で肯定判断された場合は、駆動装置84のクラッチ84Dを係合させるとともに、モータ・ジェネレータ85の動力をエンジン1に伝達し、エンジン回転数をタービン回転数に近づけるような制御をおこなう(ステップ203)。そして、エンジン回転数が目標値に到達したか否かが判断され(ステップ204)、ステップ204で否定判断された場合はステップ205に戻る。ここで、目標値とは、ロックアップクラッチ11がスリップ制御もしくは完全係合されたとしても、エンジンブレーキ力の急激な増大によりショックが発生する可能性が少ないと判断される値である。この目標値は予め電子制御装置58に記憶されている。
【0064】
ステップ204で肯定判断された場合は、解放状態にあるロックアップクラッチ11を完全係合またはスリップさせる制御をおこない(ステップ205)、リターンする。ここで、図8に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。ステップ201ないしステップ205がこの発明の回転機制御手段に相当する。
【0065】
図9は、図8の制御例に対応するシステムの状態を示すタイムチャートである。ロックアップクラッチ11がOFF(解放)されている状態においては、出力軸32の回転数が所定値に制御され、エンジン回転数が所定値に制御されている。そして、時刻t1において、エンジン回転数を上昇させる制御信号が出力されて、モータ・ジェネレータ3の動力によりエンジン回転数が徐々に上昇する。ついで、時刻t2において、エンジン回転数が目標値に到達したことの判断が成立している。
【0066】
その後、時刻t3において、ロックアップクラッチ11をON(完全係合)させる信号が出力される。すると、ロックアップクラッチ11の係合圧が徐々に高められてエンジンブレーキ力が増大し、出力軸32の回転数が徐々に低下するとともに、エンジン回転数が徐々に増大している。そして、時刻t4においてロックアップクラッチ11が完全係合されると、それ以後はエンジン回転数および出力軸32の回転数がほぼ一定値に制御される。
【0067】
以上のように、図8の制御例によれば、モータ・ジェネレータ3の回生制動時に、解放状態のロックアップクラッチ11を完全係合またはスリップ状態に切り換えるにあたり、エンジン回転数と入力軸14の回転数との差を減少させるようにモータ・ジェネレータ85が制御される。したがって、モータ・ジェネレータ3の回生制動時において、解放されているロックアップクラッチ11を、完全係合またはスリップ状態に切り換える場合に、エンジンブレーキ力の急激な増大が抑制されショックを発生を回避することができる。なお、モータ・ジェネレータ3の動力により、エンジン回転数と入力軸14の回転数との差を減少させる制御をおこなうことも可能である。
【0068】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、モータ・ジェネレータの回生制動効率が最大になるように、モータ・ジェネレータの回生制動トルクおよび直結クラッチのスリップ率および変速機の変速比が制御される。このため、例えばモータ・ジェネレータの回生制動効率を可及的に向上させることが可能になる。したがって、モータ・ジェネレータを発電機として機能させるために供されるエンジンの動力が可及的に抑制され、燃費を向上させることができる。
【0069】
請求項2の発明によれば、直結クラッチが完全係合またはスリップ制御または解放のいずれかの状態に設定されている場合に、直結クラッチの各状態におけるモータ・ジェネレータの回生制動効率を求めるとともに、直結クラッチの各状態におけるモータ・ジェネレータの回生制動効率が最大となるように、変速機の変速比および直結クラッチのスリップ率およびモータ・ジェネレータの回生トルクを制御できる。このため、例えばモータ・ジェネレータの回生制動効率を可及的に向上させることが可能になる。したがって、モータ・ジェネレータを発電機として機能させるために供されるエンジンの動力が可及的に抑制され、燃費を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかるパワートレーンの制御装置の一例を示すフローチャートである。
【図2】 この発明が適用されたハイブリッド車の構成を示すブロック図である。
【図3】 図2に示された歯車変速機構およびトルクコンバータの構成を示すスケルトン図である。
【図4】 図3に示された歯車変速機構で各変速段を設定するための摩擦係合装置の作動状態を示す図表である。
【図5】 この発明が適用されたハイブリッド車の制御系統を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施形態において、モータ・ジェネレータの回生制動時に歯車変速機構の変速制御、およびロックアップクラッチの制御に適用されるマップである。
【図7】 この発明の実施形態において、モータ・ジェネレータの回転数と回生制動トルクにより決定されるモータ効率を示す線図である。
【図8】 この発明の他の制御例を示すフローチャートである。
【図9】 図8の制御例に対応するタイムチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…トルクコンバータ、 3,85…モータ・ジェネレータ、 4…歯車変速機構、 7…ポンプインペラ、 8…フロントカバー、 10…ハブ、 11…ロックアップクラッチ、 14…入力軸、 58…電子制御装置。

Claims (2)

  1. エンジンから入力される動力または車輪から入力される動力により発電機として機能するモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置された流体式動力伝達装置と、この流体式動力伝達装置の回転部材同士の動力伝達状態を切り換えるために係合・解放される直結クラッチと、前記流体式動力伝達装置と前記車輪との間に配置された変速機と有し、前記車輪から入力される動力を前記モータ・ジェネレータに伝達して回生制動トルクを発生させることの可能なパワートレーンの制御装置において、
    記直結クラッチの完全係合時および前記直結クラッチのスリップ制御時および前記直結クラッチの解放時における前記モータ・ジェネレータの回生制動効率を求めるとともに、前記直結クラッチが完全係合されている場合は、前記変速機の変速比および前記モータ・ジェネレータの回生トルクを制御することにより、前記モータ・ジェネレータの回生制動効率を最大とし、前記直結クラッチがスリップ制御されている場合は、前記直結クラッチのスリップ率および前記変速機の変速比および前記モータ・ジェネレータの回生トルクを制御することにより、前記モータ・ジェネレータの回生制動効率を最大とし、前記直結クラッチが解放されている場合は、前記直結クラッチを完全係合またはスリップ制御し、かつ、前記変速機の変速比および前記モータ・ジェネレータの回生トルクを制御することにより、前記モータ・ジェネレータの回生制動効率を最大とする回生制動条件制御手段を備えていることを特徴とするパワートレーンの制御装置。
  2. エンジンから入力される動力または車輪から入力される動力により発電機として機能するモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置された流体式動力伝達装置と、この流体式動力伝達装置の回転部材同士の動力伝達状態を切り換えるために係合・解放される直結クラッチと、前記流体式動力伝達装置と前記車輪との間に配置された変速機と有し、前記車輪から入力される動力を前記モータ・ジェネレータに伝達して回生制動トルクを発生させることの可能なパワートレーンの制御装置において、
    記直結クラッチが完全係合またはスリップ制御または解放のいずれかの状態に設定されている場合に、前記直結クラッチの各状態における前記モータ・ジェネレータの回生制動効率を求めるとともに、前記直結クラッチの各状態における前記モータ・ジェネレータの回生制動効率が最大となるように、前記変速機の変速比および前記直結クラッチのスリップ率および前記モータ・ジェネレータの回生トルクを制御する回生制動条件制御手段を備えていることを特徴とするパワートレーンの制御装置。
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