JP3911882B2 - ハイブリッド車の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、異なる種類の駆動力源が搭載されたハイブリッド車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、2種類以上の駆動力源を搭載したハイブリッド車が提案されている。このようなハイブリッド車においては、各々の駆動力源の有する特性を生かしつつ、駆動力源同士で相互に欠点を補うことにより、総合的な効率の向上を図ることが可能である。このようなハイブリッド車の制御装置の一例が、特開平8−168104号公報に記載されている。この公報に記載された制御装置は、エンジンの出力軸にモータ・ジェネレータが設けられている。
【0003】
また、エンジンの出力軸は、トルクコンバータ(流体伝動装置)を介して自動変速機に連結されている。このトルクコンバータには、回転部材同士を機械的に接続する直結クラッチが設けられている。上記モータ・ジェネレータは、エンジンとトルクコンバータとの間に配置されている。また、モータ・ジェネレータには、インバータを介してバッテリが接続されている。この公報に記載されたハイブリッド車によれば、エンジンのトルクを車輪に伝達する駆動状態と、モータ・ジェネレータのトルクを車輪に伝達する駆動状態とを選択することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンとモータ・ジェネレータとは、その構造および駆動のためのエネルギの相違に基づいて、出力特性が異なっている。具体的には、所定回転数未満の駆動状態においては、モータ・ジェネレータのトルクの方がエンジンのトルクよりも大きく、所定回転数以上の駆動状態においては、モータ・ジェネレータのトルクの方がエンジンのトルクよりも小さくなる。
【0005】
一方、ハイブリッド車に自動変速機が搭載されている場合は、この自動変速機の変速比は、基本的にはエンジンの駆動状態を前提として制御される。具体的には、車速およびアクセル開度をパラメータとするマップに基づいて、自動変速機の変速比が制御される。
【0006】
しかしながら、上記のようにエンジンの出力特性と、モータ・ジェネレータの出力特性が異なっているため、モータ・ジェネレータが単独で駆動する状態で車両が走行するにあたり、エンジンが単独で駆動する状態に対応して自動変速機の変速比が制御されると、車両の駆動力が不足してドライバビリティが低下する可能性があった。
【0007】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、モータ・ジェネレータが単独で駆動する状態における駆動力の低下を抑制することの可能なハイブリッド車の制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車輪にトルクを伝達するエンジンと、このエンジンと前記車輪との間に配置されたモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置され、かつ、入力部材と出力部材との間で流体を介してトルクの伝達をおこなう流体伝動装置とを有し、前記エンジンのトルクを前記車輪に伝達するエンジン駆動状態と、前記モータ・ジェネレータのトルクを前記車輪に伝達するモータ・ジェネレータ駆動状態とを選択することの可能なハイブリッド車の制御装置において、前記エンジンまたは前記モータ・ジェネレータのトルクが前記流体伝動装置に入力される場合に、前記モータ・ジェネレータが単独で駆動する状態における前記入力部材と前記出力部材との間のトルク比を、前記エンジンが単独で駆動する状態における前記入力部材と前記出力部材との間のトルク比よりも大きく設定するように、前記流体伝動装置のトルク伝達状態を制御する流体伝動装置制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1の発明によれば、エンジンまたはモータ・ジェネレータのトルクが流体伝動装置に入力される場合に、前記エンジンが単独で駆動する状態で前記流体伝動装置から出力されるトルクよりも、前記モータ・ジェネレータが単独で駆動する状態で前記流体伝動装置から出力されるトルクを大きくすることが可能である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記流体伝動装置から前記車輪に至る動力伝達経路に設けられた自動変速機と、前記エンジンの駆動状態に基づいて予め記憶されたマップに基づいて前記自動変速機の変速比を制御する電子制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1と同様の作用に加えて、前記エンジンの駆動状態に基づいて予め記憶されたマップに基づいて前記自動変速機の変速比が制御された場合でも、車両の駆動力が可及的に高められる。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図を参照してより具体的に説明する。図2は、この発明を適用したハイブリッド車のパワートレーンの構成を示すスケルトン図、図3は、図2のハイブリッド車のシステムの構成を示すブロック図、図4は、ハイブリッド車の制御回路を示すブロック図である。この実施形態におけるハイブリッド車は、第1の駆動力源であるエンジン1と、第2の駆動力源であるモータ・ジェネレータ2とを有する。そして、エンジン1の出力側にモータ・ジェネレータ2が配置されている。また、モータ・ジェネレータ2と車輪3との間の動力伝達経路にはトルクコンバータ4が配置され、上記動力伝達経路におけるトルクコンバータ4と車輪3との間には、自動変速機5が配置されている。
【0013】
上記エンジン1としては、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジン等の内燃機関が用いられる。このエンジン1は、始動装置(スタータモータ)6、燃料噴射装置7、吸排気装置8、点火装置9、冷却装置10等を備えた公知の構造のものである。
【0014】
また、エンジン1の吸気管には電子スロットルバルブ11が設けられており、電子スロットルバルブ11の開度が電気的に制御されるように構成されている。エンジン1のクランクシャフト12と、モータ・ジェネレータ2の回転軸13との間の動力伝達経路にはクラッチ14が設けられており、このクラッチ14の係合・解放により、クランクシャフト12と回転軸13との間の動力伝達経路が接続もしくは遮断される。さらに、クラッチ14とクランクシャフト12との間の動力伝達経路にはダンパ15が設けられている。なお、特に図示しないが、クラッチ14を設けることなく、回転軸13とダンパ15とを直結した構成を採用することも可能である。
【0015】
モータ・ジェネレータ2は、例えば交流同期型のものが適用される。モータ・ジェネレータ2は、永久磁石を有する回転子16と、コイルが巻き付けられた固定子17とを備えている。そして、コイルの3相巻き線に3相交流電流を流すと回転磁界が発生し、この回転磁界を回転子16の回転位置および回転速度に合わせて制御することによりトルクが発生する。モータ・ジェネレータ2により発生するトルクは電流の大きさにほぼ比例し、モータ・ジェネレータ2の回転数は、交流電流の周波数により制御される。そして、このモータ・ジェネレータ2は電気エネルギを機械エネルギに変換する電動機としての機能と、機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能とを有する。
【0016】
前記トルクコンバータ4は、駆動側部材のトルクを作動流体(具体的には、オートマチック・トランスミッション・フルード、略してATF)を介して従動側部材に伝達する機能を備えており、このトルクコンバータ4は、ポンプインペラ18に一体化させたフロントカバー19と、自動変速機5の入力軸20に連結されたタービンランナ21と、ポンプインペラ18から流体を介してタービンランナ21に伝達されるトルクを増幅するためのステータ22とを有する。さらに、フロントカバー19が回転軸13に対して接続されている。
【0017】
なお、特に図示しないが、ポンプインペラ18およびタービンランナ21ならびにステータ22には、それぞれ複数の案内羽根が形成されている。そして、トルクコンバータ4の容量係数は、ポンプインペラ18またはタービンランナ21の形状、ポンプインペラ18またはタービンランナ21の案内羽根の角度などに基づいて決定される。
【0018】
上記構成のトルクコンバータ4は、ポンプインペラ18とタービンランナ21との間の速度比が所定の範囲(トルクコンバーターレンジ)にある場合は、そのトルク比が「1」を越えており、速度比の増加にともなってトルク比が低下する特性を備えている。そして、速度比が所定値、すなわちカップリングポイントに到達した状態においてはトルク比が「1」になる特性を備えている。
【0019】
さらにトルクコンバータ4は、公知の可変容量トルクコンバータが用いられている。例えば、作動流体の流動回路内の液量を調整することにより、ポンプインペラ18とタービンランナ21との間における伝達トルク容量を変更することが可能である。言い換えれば、ポンプインペラ18とタービンランナ21との間の速度比を変更することができる。つまり、ポンプインペラ18の回転速度を一定とした場合に、ポンプインペラ18とタービンランナ21との間の相対回転量(滑り量)を変更することができ、結果的にポンプインペラ18とタービンランナ21との間のトルク比が変更される。
【0020】
一方、フロントカバー19の内部には、係合・解放可能なロックアップクラッチ23が設けられており、ロックアップクラッチ23の係合・解放制御をおこなうことが可能である。なお、ロックアップクラッチ23の係合には、完全係合とスリップとが含まれる。
【0021】
前記自動変速機5は複数の遊星歯車機構24と、これらの遊星歯車機構24のトルク伝達経路を切り換えるために係合・解放される複数の摩擦係合装置25とを備えた、公知の有段式変速機である。これらの摩擦係合装置25の係合・解放状態の切り換えにより、自動変速機5の変速比(つまり変速段)が制御される。この自動変速機5は、例えば前進段において第1速〜第5速のいずれかが設定されるように構成されている。一方、油圧制御装置26が設けられており、この油圧制御装置26により、自動変速機5の変速段の設定または切り換え制御、ロックアップクラッチ23の係合・解放やスリップ制御、摩擦係合装置25に作用する油圧の油圧回路におけるライン圧の制御、摩擦係合装置25の係合圧の制御などがおこなわれる。
【0022】
この油圧制御装置26は電気的に制御されるもので、自動変速機5の変速を実行するための第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S3 と、エンジンブレーキ状態を制御するための第4ソレノイドバルブS4 とを備えている。さらに、油圧制御装置26は、油圧回路のライン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLTと、自動変速機5の変速過渡時におけるアキュームレータ背圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLNと、ロックアップクラッチ23や所定の摩擦係合装置の係合圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLUとを備えている。
【0023】
さらに、自動変速機5のケーシングの内部には、オイルポンプ27が設けられている。このオイルポンプ27は、油圧制御装置26により制御される油圧の元圧を発生する機能を備えている。そして、回転軸13の動力がポンプインペラ18を介してオイルポンプ27に伝達され、この動力によりオイルポンプ27が駆動される構成になっている。つまり、オイルポンプ27は、エンジン1の動力またはモータ・ジェネレータ2の動力のいずれでも駆動することが可能である。
【0024】
前記自動変速機5の出力軸28にはプロペラシャフト29が接続されており、このプロペラシャフト29が差動装置30に接続されている。なお、この差動装置30は最終減速装置としての機能をも備えている。そして、差動装置30にアクスルシャフト31が接続され、アクスルシャフト31に対して車輪3が取り付けられている。
【0025】
つぎに、図3に基づいて、モータ・ジェネレータ2の制御回路を説明する。モータ・ジェネレータ2と、モータ・ジェネレータ2に電力を供給するメインバッテリ32との間の回路にはインバータ33が配置されている。メインバッテリ32の定格電圧は、例えば288Vに設定されている。インバータ33は、メインバッテリ32の直流電流を3相交流電流に変換してモータ・ジェネレータ2に供給する一方、モータ・ジェネレータ2で発電された3相交流電流を直流電流に変換してメインバッテリ32に供給する3相ブリッジ回路(図示せず)を備えている。
【0026】
この3相ブリッジ回路は、例えば6個のパワートランジスタ(図示せず)を電気的に接続して構成され、これらのパワートランジスタのオン・オフを切り換えることにより、モータ・ジェネレータ2とメインバッテリ32との間の電流の向きを切り換える。このようにして、3相交流電流と直流電流との相互の変換と、モータ・ジェネレータ2に印可される3相交流電流の周波数の調整と、モータ・ジェネレータ2に印可される3相交流電流の大きさの調整と、モータ・ジェネレータ2の回生制動トルクの大きさの調整とがおこなわれる。
【0027】
前記メインバッテリ32の正極とインバータ33との間の回路には、第1のシステムメインリレーSMR1が配置されている。また、第1のシステムメインリレーSMR1と相互に並列に第3のシステムメインリレーSMR3が配置されているとともに、第2のシステムメインリレーSMR2に対して直列に制限抵抗34が配置されている。さらに、メインバッテリ32の負極とインバータ33との間の回路には、第3のシステムメインリレーSMR3が配置されている。これら第1ないし第3のシステムメインリレーSMR1ないしSMR3は、モータ・ジェネレータ2とメインバッテリ32との間に形成されている高電圧回路の接続・遮断をおこなう機能を有する。
【0028】
また、前記メインバッテリ32は、所定電圧のセルを複数直列に配置することにより1モジュールを構成したものであり、複数のモジュールを2つのホルダーに分割して直列に接続した構成が採用されている。このメインバッテリ32の回路には、安全プラグ35が接続されている。
【0029】
さらに、インバータ33と第2のシステムメインリレーSMR2との間、およびインバータ33と第3のシステムメインリレーSMR3との間には、DCDCコンバータ36が接続されている。このDCDCコンバータ36には補機バッテリ37が接続されている。補機バッテリ37の定格電圧は、例えば12Vに設定されている。このDCDCコンバータ36は、メインバッテリ32の直流電圧を所定電圧に降圧し、補機バッテリ37に充電する機能を有する。この補機バッテリ37は、エアコン用コンプレッサ、メインバッテリ32を冷却するウォーターポンプ51などに電力を供給する機能を有する。
【0030】
一方、メインバッテリ32には、メインバッテリ用電子制御装置38を介してハイブリッド用電子制御装置39が接続されているとともに、インバータ33には、モータ・ジェネレータ用電子制御装置40を介してハイブリッド用電子制御装置39が接続されている。メインバッテリ用電子制御装置38、ハイブリッド用電子制御装置39、モータ・ジェネレータ用電子制御装置40は、それぞれ、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入力・出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
【0031】
そして、メインバッテリ32とメインバッテリ用電子制御装置38とが相互にデータ通信可能に接続され、メインバッテリ用電子制御装置38とハイブリッド用電子制御装置39とが相互にデータ通信可能に接続されている。また、インバータ33とモータ・ジェネレータ用電子制御装置40とが相互にデータ通信可能に接続され、モータ・ジェネレータ用電子制御装置40とハイブリッド用電子制御装置39とが相互にデータ通信可能に接続されている。
【0032】
前記メインバッテリ用電子制御装置38は、メインバッテリ32の充電量SOCを検出するとともに、メインバッテリ32とモータ・ジェネレータ2との間に流れる電流の電流値を検出する機能を有する。モータ・ジェネレータ用電子制御装置40は、ハイブリッド用電子制御装置39からの信号により、インバータ33を介してモータ・ジェネレータ2を制御する機能を有する。
【0033】
さらに、ハイブリッド用電子制御装置39には、変速機用電子制御装置41と、エンジン用電子制御装置42と、ブレーキ用電子制御装置43と、エアコン用電子制御装置44とが接続されている。そして、変速機用電子制御装置41と、エンジン用電子制御装置42と、ブレーキ用電子制御装置43と、エアコン用電子制御装置44とは、それぞれ、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入力・出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。そして、ハイブリッド用電子制御装置39と、変速機用電子制御装置41およびエンジン用電子制御装置42およびブレーキ用電子制御装置43およびエアコン用電子制御装置44とが、相互にデータ通信可能に接続されている。上記各電子制御装置は、補機バッテリ37を電源として起動される。
【0034】
また、変速機用電子制御装置41には、自動変速機5の変速比を制御するために、車両の走行状態、例えば車速およびアクセル開度をパラメータとする変速線図が記憶されている。さらに、変速機用電子制御装置41には、車速およびアクセル開度をパラメータとしてロックアップクラッチ23の係合・解放を制御するロックアップクラッチ制御マップが記憶されている。
【0035】
さらに、シフトレバー45のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ46の信号が変速機用電子制御装置41に入力されている。このシフトレバー45により、例えば、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジション、2ポジション、L(ロー)ポジションなどを選択することが可能に構成されている。そして、このシフトポジションセンサの信号に基づいて、ハイブリッド用電子制御装置39から制御信号が出力され、この制御信号に基づいて、油圧制御装置26の各種のリニアソレノイドバルブなどのアクチュエータが制御される。
【0036】
また、アクセルペダル47の踏み込み量、すなわちアクセル開度を検出するアクセル開度センサ48の信号がエンジン用電子制御装置42に入力されている。そして、アクセル開度センサ48の信号およびシフトポジションセンサ46の信号に基づいてエンジン1の出力、自動変速機5の変速比(変速段)、モータ・ジェネレータ2のトルクが演算され、車両の駆動力が制御される。ここで、エンジン1の出力は、電子スロットルバルブ11の開度制御、燃料噴射装置7の燃料噴射量制御、点火装置9の点火時期制御などにより調整される。また、自動変速機5の変速比は油圧制御装置26により制御される。さらに、モータ・ジェネレータ2のトルクは電流値により制御される。
【0037】
また、ハイブリッド車は、油圧ブレーキ装置(図示せず)を備えており、この油圧ブレーキ装置は、ブレーキペダル49、マスターシリンダ、ホイールシリンダ、ホイールシリンダに作用する油圧を制御するアクチュエータなどを有する公知のものである。そして、ブレーキ用電子制御装置43にはブレーキペダル49の踏み込み量を検出するセンサの信号が入力されており、ブレーキペダル49の踏み込み量に基づいて車両に対する制動要求が判断される。この判断結果に基づいて、油圧ブレーキ装置が分担するべき制動力と、モータ・ジェネレータ2の機能により分担するべき制動力(回生制動力)とが演算され、その演算結果に基づいて、モータ・ジェネレータ2の回生制動トルクおよび油圧ブレーキ装置のホイールシリンダの油圧が制御される。
【0038】
また、エアコン用電子制御装置44にはエアコンスイッチ50の信号が入力されている。このエアコンスイッチ50の信号に基づいてエアコン用コンプレッサの駆動が制御される。なお、ハイブリッド用電子制御装置39には各種センサ52の信号が入力されているとともに、これらのセンサ52の信号もしくはその他のセンサやスイッチの信号に基づいて、各種のアクチュエータ53に対する制御信号が出力される。これらのセンサ52には、シフトポジションセンサ46、アクセル開度センサ48、入力軸20の回転数(言い換えればタービン回転数)を検出する入力軸回転数センサ61、出力軸28の回転数を検出する出力軸回転数センサ62、トルクコンバータ用制御モードセレクトスイッチ(後述)の信号、などが含まれる。この出力軸回転数センサ62の信号に基づいて車速が演算される。
【0039】
また、アクチュエータ53には、油圧制御装置26の各種のリニアソレノイドバルブ、油圧ブレーキ装置のアクチュエータ、電子スロットルバルブ11の開度を制御するアクチュエータ、クラッチ14を係合・解放させるアクチュエータ、、トルクコンバータ用制御モードセレクトスイッチの信号に基づいて、ステータ22の反力トルクを制御する制御機構用のアクチュエータ(後述)などが含まれる。
【0040】
つぎに、ハイブリッド用電子制御装置39における入出力信号を、図4に基づいて総括的に説明する。ハイブリッド用電子制御装置39に対しては、補機バッテリ37の充電量SOCを検出する補機バッテリ用電子制御装置54の信号、イグニッションキーの操作位置を検出するイグニッションスイッチ55の信号、メインバッテリ用電子制御装置38の信号、インバータ33の温度を示す信号、メインバッテリ32の電圧を示すメインバッテリ用電子制御装置38の信号、モータ・ジェネレータ2の回転数および回転角度を検出するレゾルバ57の信号、エンジン用電子制御装置42の信号、変速機用電子制御装置41の信号が入力されている。
【0041】
また、ハイブリッド用電子制御装置39に対しては、ブレーキ用電子制御装置43の信号、エアコン用電子制御装置44の信号、エンジン用電子制御装置42の信号系統に異常が発生したときのダイアグノーシス信号、車両の衝突時に膨張・展開するエアバッグ装置(図示せず)を制御するエアバッグ用電子制御装置58の信号、ストップランプスイッチ59の信号、インターロックスイッチ60の信号、エンジン1が単独で駆動する状態とモータ・ジェネレータ2が単独で駆動する状態とでトルクコンバータ4の制御内容、具体的にはトルク伝達状態を変更するためのトルクコンバータ用制御モードセレクトスイッチ(以下、モードセレクトスイッチと略記する)63の信号が入力されている。このモードセレクトスイッチ63は、運転者により操作されるもので、モードセレクトスイッチ63は、例えば、インストルメントパネル、コンソールボックス、ステアリングホイールなどに設けられている。
【0042】
一方、ハイブリッド用電子制御装置39からは、始動装置6に対する駆動信号(スタータ信号)、始動装置6のスタータリレーに対する制御信号、ハイブリッドシステムにおける各種のリレー56に対する制御信号、第1ないし第3のシステムメインリレーSMR1ないしSMR3に対する駆動信号、DCDCコンバータ36に対する駆動信号または停止信号、インバータ33に対する停止要求信号、インバータ33の3相、すなわちU相、V相、W相に対する駆動信号、エンジン用電子制御装置42に対する制御信号、変速機用電子制御装置41に対する制御信号、ブレーキ用電子制御装置43に対する信号、エアコン用電子制御装置44に対する信号、トルクコンバータ用アクチュエータ64に対する信号などが出力されている。
【0043】
ここで、上記ハイブリッド車の構成と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、トルクコンバータ4がこの発明の流体伝動装置に相当する。また、フロントカバー19およびポンプインペラ18が、この発明の入力部材に相当し、タービンランナ21および入力軸20がこの発明の出力部材に相当する。
【0044】
上記ハード構成を有するハイブリッド車の制御内容を簡単に説明する。すなわち、アクセル開度および車速ならびにシフトポジション、その他の条件に基づいて、必要なエンジン出力、自動変速機5の変速比、モータ・ジェネレータ2のトルクなどが演算される。
【0045】
図5は、ハイブリッド車の駆動力特性を示す線図であり、横軸にプロペラシャフト29の回転数が示され、縦軸にプロペラシャフト29のトルクが示されている。図5においては、エンジン1が単独で駆動するエンジン駆動状態(言い換えればエンジン走行状態)におけるプロペラシャフト29の回転数およびプロペラシャフト29の回転数と、モータ・ジェネレータ2が単独で駆動するモータ・ジェネレータ駆動状態(言い換えればEV走行状態)におけるプロペラシャフト29の回転数およびプロペラシャフト29の回転数とが示されている。エンジン駆動状態については、自動変速機5の第1速〜第5速に対応する特性がそれぞれ示されている。
【0046】
車両の走行に際しては、アクセル開度ならびに車速に基づいて演算される必要エンジン出力と、しきい値Pevとが比較される。このしきい値Pevは、ハイブリッド用電子制御装置39に予め記憶されている。そして、演算された必要エンジン出力が値Pev以上である場合は、エンジン1が駆動され、かつ、クラッチ14が係合されるとともに、モータ・ジェネレータ2は停止される。つまり、エンジン1のトルクのみにより車両が走行する、いわゆるエンジン走行状態になる。また、自動変速機5の変速比、およびロックアップクラッチ23の状態は、予め自動変速機用電子制御装置41に記憶されているマップに基づいて制御される。
【0047】
これに対して、アクセル開度ならびに車速に基づいて演算される必要エンジン出力が、しきい値Pev未満である場合は、クラッチ14を解放し、かつ、エンジン1を停止するとともに、モータ・ジェネレータ2が駆動される。つまり、モータ・ジェネレータ2の出力トルクのみにより車両が走行する、いわゆるEV走行状態になる。また、自動変速機5の変速比、およびロックアップクラッチ23は、エンジン走行状態の場合と同様にして制御される。なお、クラッチ14の無い構成が採用されている場合は、EV走行時において、燃料噴射装置7によるフューエルカット制御がおこなわれる。したがって、モータ・ジェネレータ2のトルクにより、エンジン1が従動回転する。
【0048】
つぎに、エンジン走行状態とEV走行状態とに対応して、トルクコンバータ4のトルク伝達状態を変更する制御例を、図1のフローチャートに基づいて説明する。まず各種のセンサやスイッチの信号が電子制御装置に入力され、これらの信号が処理される(ステップ101)。ついで、アクセルペダル47がオフされているか否かが判断される(ステップ101)。ステップ101で否定判断された場合、つまり加速要求がある場合は、各種の電子制御装置に入力される信号と、図5に示す特性線図とに基づいて、ハイブリッド車を、前述したEV走行状態で制御するか否かが判断される(ステップ102)。
【0049】
ステップ102で否定判断された場合は、ロックアップクラッチ23をオフ(解放)するとともに、トルクコンバータ4を制御する制御パターンとして、エンジン走行用制御パターンを選択する(ステップ103)。このエンジン走行用制御パターンの具体的な制御内容については後述する。ついで、車両走行制御がおこなわれるとともに、(ステップ104)、このステップ104の制御に対応する制御信号が出力処理され(ステップ105)、リターンされる。なお、ステップ104においては、前述したステップ103、あるいは後述するステップ107,109に対応して車両走行制御に関連する演算がおこなわれる。
【0050】
一方、前記ステップ102で肯定判断された場合は、モードセレクトスイッチ63がオンされているか否かが判断される(ステップ106)。ステップ106で否定判断された場合はステップ103に進み、ステップ106で肯定判断された場合は、ロックアップクラッチ23をオフするとともに、EV走行用制御パターンが選択され(ステップ107)、ステップ104に進む。
【0051】
ここで、EV走行用制御パターンとエンジン走行用制御パターンについて説明する。図6および図7はEV走行用制御パターンに対応しており、図6は、トルクコンバータ4の入力トルクの特性を示す線図、図7は、トルクコンバータ4の出力トルクの特性を示す線図である。
【0052】
図6において、横軸にモータ・ジェネレータ2の回転数が示され、縦軸にモータ・ジェネレータ2のトルクが示されいる。ここで、(1)の特性線は、13kwの電力に対応する特性を示し、(2)の特性線は、13kwの電力であり、かつ、30N・mのトルクに対応する特性を示し、(3)の特性線は、15kwの電力であり、かつ、30N・mのトルクに対応する特性を示している。また、図6において、▲1▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0に対応する特性を示し、▲2▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.3に対応する特性を示し、▲3▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.6に対応する特性を示し、▲4▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.855に対応する特性を示し、▲5▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.915に対応する特性を示し、▲6▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.939に対応する特性を示し、▲7▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.957に対応する特性を示している。そして、トルクコンバータ2のトルク伝達特性は、モータ・ジェネレータ2の特性線と、トルクコンバータ4の入力特性線との交点(整合点)で決定される。
【0053】
一方、図7においては、横軸にタービンランナ21の回転数が示され、縦軸にタービンランナ21のトルクが示されている。(1)の特性線は、15kwの電力に対応するモータ・ジェネレータ2の負荷を示し、(2)の特性線は、13kwの電力に対応するモータ・ジェネレータ2の負荷を示している。また、図7において、▲1▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0に対応する特性を示し、▲2▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.3に対応する特性を示し、▲3▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.6に対応する特性を示し、▲4▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.855に対応する特性を示し、▲5▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.915に対応する特性を示し、▲6▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.939に対応する特性を示し、▲7▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.957に対応する特性を示している。そして、トルクコンバータ4の出力トルクは、モータ・ジェネレータ2の特性線と、トルクコンバータ4の出力特性線との交点(整合点)で決定される。
【0054】
一方、図8および図9はエンジン走行用制御パターンに対応しており、図8は、トルクコンバータ4の入力トルクの特性を示す線図、図9は、トルクコンバータ4の出力トルクの特性を示す線図である。なお、図8および図9はエンジン走行用制御パターンに対応しているが、EV走行用制御パターンの特性と、エンジン走行用制御パターンの特性との比較を容易にするため、エンジン走行用制御パターンにおいても、トルクコンバータ4に対してモータ・ジェネレータ2のトルクが入力された場合の特性を示している。
【0055】
図8においては、横軸にモータ・ジェネレータ2の回転数が示され、縦軸にモータ・ジェネレータ2のトルクが示されている。ここで、(1)の特性線は、13kwの電力に対応する特性を示し、(2)の特性線は、13kwの電力であり、かつ、30N・mのトルクに対応する特性を示し、(3)の特性線は、15kwの電力であり、かつ、30N・mのトルクに対応する特性を示している。また、図8において、▲1▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0に対応する特性を示し、▲2▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.3に対応する特性を示し、▲3▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.6に対応する特性を示し、▲4▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.855に対応する特性を示し、▲5▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.915に対応する特性を示し、▲6▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.939に対応する特性を示し、▲7▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.957に対応する特性を示している。そして、トルクコンバータ2のトルク伝達特性は、モータ・ジェネレータ2の特性線と、トルクコンバータ4の入力特性線との交点(整合点)で決定される。
【0056】
一方、図9においては、横軸にタービンランナ21の回転数が示され、縦軸にタービンランナ21のトルクが示されている。(1)の特性線は、15kwの電力に対応するモータ・ジェネレータ2の負荷を示し、(2)の特性線は、13kwの電力に対応するモータ・ジェネレータ2の負荷を示している。また、図9において、▲1▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0に対応する特性を示し、▲2▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.3に対応する特性を示し、▲3▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.6に対応する特性を示し、▲4▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.855に対応する特性を示し、▲5▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.915に対応する特性を示し、▲6▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.939に対応する特性を示し、▲7▼の特性線はトルクコンバータ2の容量係数が0.957に対応する特性を示している。そして、トルクコンバータ4の出力トルクは、モータ・ジェネレータ2の特性線と、トルクコンバータ4の出力特性線との交点(整合点)で決定される。
【0057】
なお、図6ないし図9に示すようなEV走行用制御パターンの特性とエンジン走行用制御パターンの特性との相違は、前述したトルクコンバータ4の作動流体の回路の液量を調節することにより達成される。
【0058】
図10は、横軸に車速を示し、縦軸に駆動力およびモータ・ジェネレータ2の回転数を示した特性線図である。図10において、(1)の線分は、平坦な道路(勾配が零度)を車両が走行するために必要な駆動力を示し、(2)の線分は、勾配が約10度の坂道を車両が登坂する場合に必要な駆動力を示している。また図10において(a)の線分は、自動変速機5の第1速におけるタービン回転数の特性を示し、(b)の線分は、自動変速機5の第2速におけるタービン回転数の特性を示し、(c)の線分は、自動変速機5の第3速におけるタービン回転数の特性を示している。
【0059】
さらに、図10において(A)の線分は、自動変速機5の第1速における駆動力および車速の特性を示し、(B)の線分は、自動変速機5の第2速における駆動力および車速の特性を示し、(C)の線分は、自動変速機5の第3速における駆動力および車速の特性を示している。さらにまた、図10において、▲1▼の線分は、(A)の線分に相当する駆動力を得るために、エンジン走行用制御パターンで必要なモータ・ジェネレータ2の回転数特性であり、▲2▼の線分は、(B)の線分に相当する駆動力を得るために、エンジン走行用制御パターンで必要なモータ・ジェネレータ2の回転数特性であり、▲3▼の線分は、(C)の線分に相当する駆動力を得るために、エンジン走行用制御パターンで必要なモータ・ジェネレータ2の回転数特性である。
【0060】
さらにまた、図10において、▲4▼の線分は、(A)の線分に相当する駆動力を得るために、EV走行用制御パターンで必要なモータ・ジェネレータ2の回転数特性であり、▲5▼の線分は、(B)の線分に相当する駆動力を得るために、EV走行用制御パターンで必要なモータ・ジェネレータ2の回転数特性であり、▲6▼の線分は、(C)の線分に相当する駆動力を得るために、EV走行用制御パターンで必要なモータ・ジェネレータ2の回転数特性である。そして、図10の特性線図によれば、所定車速において自動変速機5の第1速で発生する駆動力は、勾配が約10度の坂道を車両が登坂する場合に必要な駆動力を越えていることがわかる。
【0061】
上記図6ないし図9に示すように、EV走行用制御パターンとエンジン走行用制御パターンとを比較すると、トルクコンバータ4の容量係数が同じであってもトルクコンバータ4によるトルク伝達状態が異なっている。具体的には、EV走行用制御パターンに対応する各特性線同士の間隔の方が、エンジン走行用制御パターンに対応する各特性線同士の間隔よりも密(タイト)に設定されている。そして、トルクコンバータ4に入力されるトルクが同じであっても、トルクコンバータ4から出力されるトルクは、エンジン走行用制御パターンよりもEV走行用制御パターンの方が高い値に設定される。
【0062】
つまり、エンジン走行用制御パターンが選択された場合のトルクコンバータ4のトルク比よりも、EV走行用制御パターンが選択された場合のトルクコンバータ4のトルク比の方が大きくなる。したがって、エンジン1の駆動状態に対応して自動変速機5の変速制御がおこなわれたとしても、車両の駆動力(加速性能)を可及的に高めることができ、ドライバビリティが向上する。
【0063】
さらに、エンジン走行用制御パターンが選択された場合のポンプインペラ18とタービンランナ21との滑り量は、EV走行用制御パターン選択された場合のポンプインペラ18とタービンランナ21との滑り量よりも少ない。このため、車両の高速走行時に、エンジン走行用制御パターンが選択された場合は、EV走行用制御パターンが選択された場合に比べて、動力の伝達効率が向上し、ひいては燃費が向上する。
【0064】
ところで、前記ステップ101で肯定判断された場合は、ブレーキペダル49がオンされている(踏み込まれている)か否かが判断される(ステップ108)。ステップ108で肯定判断された場合は、ロックアップクラッチ23をオンし(ステップ109)、ステップ104に進む。そして、ステップ104においては、ブレーキペダル49のオン信号に基づいて、油圧ブレーキ装置で負担するべき制動力と、モータ・ジェネレータ2で負担するべき回生制動力(回生制動トルク)とが演算される。
【0065】
具体的には、油圧ブレーキ装置の制動力よりも、モータ・ジェネレータ2による回生制動を優先する制御信号が出力され、車輪3から入力される運動エネルギをモータ・ジェネレータ2により電気エネルギに変換し、メインバッテリ32に充電する。このようにして、モータ・ジェネレータ2による回生制動時に、ロックアップクラッチ23をオンすることにより、入力軸20からモータ・ジェネレータ2に伝達される動力の伝達効率を向上させ、回生制動効率を高めることができる。なお、このようにモータ・ジェネレータ2により回生制動をおこなう場合は、クラッチ14が解放される。
【0066】
また、前記ステップ108で否定判断された場合は、エンジン回転数Neが所定値Nlim を越えているか否かが判断される(ステップ110)。この所定値Nlim は、予めエンジン用電子制御装置42に記憶されている。ステップ110で肯定判断された場合は、エンジン1の振動が動力伝達系に伝達されたとしても、こもり音が発生する可能性が少ないため、ステップ109に進む。これに対して、ステップ110で否定判断された場合は、こもり音が発生する可能性があるため、ステップ106を経由してステップ103もしくはステップ107に進み、ロックアップクラッチ23が解放される。
【0067】
したがって、エンジン1の振動がトルクコンバータ23で流体伝達される際に吸収もしくは緩和され、こもり音が抑制される。なお、ステップ110を経由してステップ103またはステップ107に進んだ場合は、エンジン走行用制御パターンまたはEV走行用制御パターンのいずれかが選択されるものの、先のステップ101でアクセルペダル47がオフされているため、走行性能に影響はない。なお、ステップ103,107,109において、ロックアップクラッチ23のオン・オフ制御は、予め設定されているロックアップクラッチ制御マップに基づいておこなわれる。
【0068】
ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ステップ102,103,104,105,106,107が、この発明の流体伝動装置制御手段に相当する。なお、上記実施形態において、自動変速機5の代わりに、手動操作により変速比を変更することの可能な手動変速機、変速比を無段階に変更することの可能な無段変速機(CVT)を搭載することも可能である。
【0069】
また、この実施形態において、エンジン走行用制御パターンの特性と、EV走行用制御パターンの特性を異ならせるための他の例としては、トルクコンバータレンジにおけるステータ22の反力トルクを制御する手法が挙げられる。例えば、ステータ22の案内羽根の角度を変更する制御機構(図示せず)を配置したり、あるいはステータ22の内輪を、自動変速機5のケーシング側のスリーブに対して相対回転可能な状態で保持させる制御機構(図示せず)を採用することが可能である。このような制御機構を採用した場合は、ステータ22の反力トルクを制御することにより、エンジン1が単独で駆動する状態と、モータ・ジェネレータ2が単独で駆動する状態とで、トルクコンバータ4のトルク伝達状態を異ならせること、言い換えれば入力部材と出力部材との間のトルク比を異ならせることも可能である。
【0070】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、エンジンまたはモータ・ジェネレータのトルクが流体伝動装置に入力される場合に、前記エンジンが単独で駆動する状態で流体伝動装置から出力されるトルクよりも、モータ・ジェネレータが単独で駆動する状態で流体伝動装置から出力されるトルクを大きくすることが可能である。したがって、モータ・ジェネレータが単独で駆動する状態における車両の駆動力の低下が抑制され、ドライバビリティを向上することができる。
【0071】
請求項2の発明によれば、請求項1と同様の効果に加えて、エンジンの駆動状態に基づいて予め記憶されたマップに基づいて自動変速機の変速比が制御された場合でも、車両の駆動力を可及的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一制御例を示すフローチャートである。
【図2】 この発明が適用されたハイブリッド車の概略構成をスケルトン図である。
【図3】 図2に示されたハイブリッド車のシステム構成を示すブロック図である。
【図4】 図2に示されたハイブリッド車の制御系統を示すブロック図である。
【図5】 図2に示されたハイブリッド車のエンジン走行状態およびモータ・ジェネレータ走行状態において、プロペラシャフトトルクとプロペラシャフト回転数との関係を示す特性線図である。
【図6】 EV走行用制御パターンに対応する特性線図である。
【図7】 EV走行用制御パターンに対応する特性線図である。
【図8】 エンジン走行用制御パターンに対応する特性線図である。
【図9】 エンジン走行用制御パターンに対応する特性線図である。
【図10】 タービンランナの特性と、モータ・ジェネレータの特性と、必要駆動力と、車両駆動力との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…モータ・ジェネレータ、 3…車輪、 4…トルクコンバータ、 5…自動変速機、 13…回転軸、 18…ポンプインペラ、 19…フロントカバー、 20…入力軸、 21…タービンランナ。

Claims (2)

  1. 車輪にトルクを伝達するエンジンと、このエンジンと前記車輪との間に配置されたモータ・ジェネレータと、このモータ・ジェネレータと前記車輪との間に配置され、かつ、入力部材と出力部材との間で流体を介してトルクの伝達をおこなう流体伝動装置とを有し、前記エンジンのトルクを前記車輪に伝達するエンジン駆動状態と、前記モータ・ジェネレータのトルクを前記車輪に伝達するモータ・ジェネレータ駆動状態とを選択することの可能なハイブリッド車の制御装置において、
    記エンジンまたは前記モータ・ジェネレータのトルクが前記流体伝動装置に入力される場合に、前記モータ・ジェネレータが単独で駆動する状態における前記入力部材と前記出力部材との間のトルク比を、前記エンジンが単独で駆動する状態における前記入力部材と前記出力部材との間のトルク比よりも大きく設定するように、前記流体伝動装置のトルク伝達状態を制御する流体伝動装置制御手段を備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置。
  2. 前記流体伝動装置から前記車輪に至る動力伝達経路に設けられた自動変速機と、
    前記エンジンの駆動状態に基づいて予め記憶されたマップに基づいて前記自動変速機の変速比を制御する電子制御装置と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の制御装置。
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