JP3852228B2 - エンジン始動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの始動装置を複数備えているエンジン始動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の動力源として一般に使用されている内燃機関(エンジン)に加えて、第2の動力源として電動機(モータ・ジェネレータ)を搭載した車両が開発されている。この種の車両では、電動機の出力する動力が、車両の走行のためには必ずしも充分ではないが、電動機の出力の制御性がよいこと、電動機によってエネルギの回生をおこなうことできること、電動機は排ガスを生じないことなどの利点を生かして電動機を使用するように構成している。
【0003】
例えば、発進時などに大きいトルクが必要な場合には、電動機を内燃機関の補助的な動力源として動作させ、また減速時には、電動機を発電機として機能させてエネルギの回生をおこなうなどの制御がおこなわれている。このように、エンジンおよび電動機を動力源とするハイブリッド車の一例が特開平8−168104号公報、特開平9−39613号公報に記載されている。また、このようなハイブリッド車におけるエンジンの始動制御に関する技術の一例が特開平7−115709号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、ところで、近年においては多機能化などの要請により、エンジンを始動させるにあたり、第1の始動装置によりエンジンを始動する他に、前記電動機を第2の始動装置として機能させてエンジンを始動することの可能な車両が提案されている。このような構成の車両においては、エンジンを始動させるにあたり、車両の状態に応じて第1の始動装置または第2の始動装置を選択的に使用することが可能である。
【0005】
ところで、第1の始動装置または第2の始動装置によりエンジンを始動することが可能に構成された車両においては、第2の始動装置が車両の動力源としての機能を有するために、第1の始動装置または第2の始動装置によるエンジンの始動機能が異常である場合は、車両の走行性能が低下する可能性がある。
【0006】
しかしながら、上記公報に記載されたハイブリッド車においては、エンジンの始動装置として、電動機を含む複数の始動装置に関する技術は何も認識されておらず、結局、上記公報に記載された技術においては、上記のような不都合を回避することができなかった。
【0007】
この発明は上記課題を解決するためのもので、複数の始動装置を備えた車両において、その車両の走行性能を確保することの可能なエンジン始動制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車輪に動力を伝達するエンジンと、このエンジンを始動する第1の始動装置および第2の始動装置とを有するエンジン始動制御装置において、前記エンジンの動力により駆動される補機装置が設けられており、前記第1の始動装置は前記補機装置を駆動する機能を有しており、前記第1の始動装置または前記第2の始動装置による前記エンジンの始動機能に故障があるか否かを判断する始動機能判断手段と、前記第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常であると判断され、かつ、前記エンジンの始動指令がある場合に、前記第1の始動装置により前記補機装置が駆動されている場合は、前記第1の始動装置による前記補機装置の駆動を中止して、その第1の始動装置の動力により前記エンジンを始動する始動制御を選択し、前記第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常でないと判断された場合は、前記第2の始動装置の動力により前記エンジンを始動する始動制御を選択する始動制御内容変更手段とを備えていることを特徴とする。
【0009】
ここで、エンジンの始動機能に故障があるか否かを判断する基準には、始動装置のフェールの有無と、始動装置を機能させるための機械部品の状態とが含まれる。これに対して、始動装置による始動動作の繰り返しにより不可避的に生じる始動機能の低下、例えば始動装置に電力を供給する電源の充電量の低下は含まれない。
【0010】
請求項1の発明によれば、第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常であると判断され、かつ、前記エンジンの始動指令がある場合に、第1の始動装置により補機装置が駆動されている場合は、前記第1の始動装置による前記補機装置の駆動を中止して、その第1の始動装置の動力によりエンジンを始動する始動制御が選択され、第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常でないと判断された場合は、第2の始動装置の動力によりエンジンを始動する始動制御が選択される。つまり、エンジンの始動機能が故障しているか否かにより、第1の始動装置および第2の始動装置によるエンジンの始動制御内容を異ならせることにより、車両の走行性能が確保される。
【0011】
請求項2の発明は、車輪に動力を伝達するエンジンと、このエンジンを始動する第1の始動装置および第2の始動装置とを備え、所定の停止条件が成立した場合は前記エンジンを停止させる自動停止制御をおこなうとともに、前記エンジンの自動停止制御中に所定の復帰条件が成立した場合は前記エンジンを運転状態に復帰させる自動復帰制御をおこなうことの可能なエンジン始動制御装置において、前記エンジンの動力により駆動される補機装置が設けられており、前記第1の始動装置は前記補機装置を駆動する機能を有しており、前記第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常であると判断され、かつ、前記エンジンの始動指令がある場合に、前記第1の始動装置により前記補機装置が駆動されている場合は、前記第1の始動装置による前記補機装置の駆動を中止して、その第1の始動装置の動力により前記エンジンを始動する始動制御を選択し、かつ、エンジンの自動停止を許可する一方、前記第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常でないと判断された場合は、前記第2の始動装置の動力により前記エンジンを始動する始動制御を選択し、かつ、前記エンジンの自動停止制御を禁止する自動停止禁止手段を備えていることを特徴とするものである。
【0012】
ここで、エンジンの始動が不可能である場合とは、その原因に関わりなくエンジンを始動することができないことを意味している。つまり、エンジンの始動が不可能か否かの判断基準には、始動装置のフェールの有無と、始動装置を機能させるための機械部品の状態と、始動装置による始動動作の繰り返しにより不可避的に生じる始動機能の低下(例えば始動装置に電力を供給する電源の充電量の低下)とが含まれる。
【0013】
請求項2の発明によれば、第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常であると判断され、かつ、前記エンジンの始動指令がある場合に、前記第1の始動装置により補機装置が駆動されている場合は、前記第1の始動装置による前記補機装置の駆動を中止して、その第1の始動装置の動力によりエンジンを始動する始動制御を選択し、かつ、エンジンの自動停止が許可される一方、第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常でないと判断された場合は、第2の始動装置の動力によりエンジンを始動する始動制御を選択し、かつ、エンジンの自動停止制御が禁止される。したがって、エンジンの始動をおこなうことが不可能な条件下、またはエンジンの始動により、車輪に伝達される動力が低下することが予測される条件下においては、エンジンの自動停止制御が禁止される。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記自動停止禁止手段には、イグニッションキーの操作により前記エンジンの停止要求が発生した場合に、前記エンジンの停止を許可する機能が含まれていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3の発明によれば、請求項2と同様の作用に加えて、イグニッションキーの操作によりエンジンの停止要求が発生した場合は、エンジンを停止することが可能であり、運転者の意図が反映される。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図面を参照して具体的に説明する。図2は、この発明を適用したハイブリッド車A1の基本的な構成を示している。ここに示す例は、エンジン1の出力側にモータ・ジェネレータ2が配置され、モータ・ジェネレータ(MG)2の出力側にトルクコンバータ(T/C)5を介して自動変速機6が配置されている。エンジン1は、燃料の燃焼によって動力を出力する形式の装置であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのほかに、液化石油ガスや天然ガスなどのガス燃料を燃焼させるエンジンなどがその例である。
【0017】
図3は、エンジン1からトルクコンバータ5に至るパワートレーンの配置構成を示すブロック図であり、図4はエンジン1から自動変速機6に至るパワートレーンのスケルトン図である。エンジン1のクランクシャフト13にフライホイール3が連結されているとともに、このフライホイール3に制振機構(ダンパ)4が連結されている。また、エンジン1とモータ・ジェネレータ2との間には、係合・解放可能なクラッチ100が設けられている。
【0018】
モータ・ジェネレータ2は、エンジン1とは異なる種類の動力源であり、電気的エネルギを回転運動などの運動エネルギに変換して出力することのできる電動機としての機能と、運動エネルギを電気的エネルギに変換する発電機としての機能(回生機能)とを有する。前記モータ・ジェネレータ2として、例えば永久磁石型同期モータが使用され、その出力側部材であるロータの回転角度を検出するためのレゾルバ7がモータ・ジェネレータ2と並列に配列されている。そして、レゾルバ7のロータもモータ・ジェネレータ2のロータと同様に、ダンパ4とトルクコンバータ5とを連結している部材もしくはトルクコンバータ5の入力側の部材に連結されている。
【0019】
さらに、モータ・ジェネレータ2にはインバータ101を介してバッテリ102が接続され、モータ・ジェネレータ2およびインバータ101ならびにバッテリ102を制御するコントローラ103が設けられている。バッテリ102の定格電圧は、例えば288Vに設定されている。前記インバータ101は、バッテリ102の直流電流を3相交流電流に変換してモータ・ジェネレータ2に供給する一方、モータ・ジェネレータ2で発電された3相交流電流を直流電流に変換してバッテリ102に供給する3相ブリッジ回路を備えている。この3相ブリッジ回路は、例えば6個のパワートランジスタを電気的に接続して構成され、これらのパワートランジスタのオン・オフを切り換えることにより、モータ・ジェネレータ2とバッテリ102との間の電流の向きを切り換える。このようにして、3相交流電流と直流電流との相互の変換と、モータ・ジェネレータ2に印可される3相交流電流の周波数の調整と、モータ・ジェネレータ2に印可される3相交流電流の大きさの調整と、モータ・ジェネレータ2の回生制動トルクの大きさの調整とがおこなわれる。
【0020】
そして、モータ・ジェネレータ2を電動機として機能させる場合は、バッテリ102からの直流電圧を交流電圧に変換してモータ・ジェネレータ2に供給する。また、モータ・ジェネレータ2を発電機として機能させる場合は、回転子の回転により発生した誘導電圧をインバータ101により直流電圧に変換してバッテリ102に充電する。さらに、コントローラ103は、バッテリ102からモータ・ジェネレータ2に供給される電流値、またはモータ・ジェネレータ2により発電される電流値を検出または制御する機能を備えている。また、コントローラ103は、モータ・ジェネレータ2の回転数を制御する機能と、バッテリ102の充電状態(SOC:state of charge)を検出および制御する機能とを備えている。上記のモータ・ジェネレータ2は、エンジン1を始動させる機能と、車輪104に伝達する動力を出力する機能と、車輪104から入力される運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有する。このモータ・ジェネレータ2によりエンジン1を始動させる場合はクラッチ100が係合される。
【0021】
一方、前記トルクコンバータ5は、フロントカバー33、ポンプインペラ35、タービンランナ48、ステータ35A、一方向クラッチ43、ロックアップクラッチ49などを有する公知の構造のものである。また、前記自動変速機6は変速機入力軸44を有し、その先端部にハブ46が取り付けられている。そして、このハブ46に対して、タービンランナ48とロックアップクラッチ49とが連結されている。また、自動変速機6は、後述する歯車変速機部55と油圧制御部56とを備えており、歯車変速機部55から後方側に延びた出力軸57を介して動力を出力するようになっている。
【0022】
さらに、油圧制御部56は、前記ロックアップクラッチ49の係合・解放の制御および変速制御ならびに摩擦係合装置の係合圧の制御をおこなうためのものであって、複数の電磁バルブや切り換えバルブならびに調圧バルブを備え、電磁バルブを電気的に制御することにより、上記の各制御を実行するように構成されている。なお、この油圧制御部56としては、従来知られている自動変速機用の油圧制御装置を採用することができる。
【0023】
前記自動変速機6は後進段を含む複数の変速段を設定することができるように構成されている。その歯車変速機部55の一例を図4に示してある。ここに示す構成では、前進5段・後進1段の変速段を設定するように構成されている。すなわちここに示す自動変速機6は、トルクコンバータ5に続けて副変速部61と、主変速部62とを備えている。その副変速部61は、いわゆるオーバードライブ部であって1組のシングルピニオン型遊星歯車機構63によって構成され、キャリヤ64が前記変速機入力軸44に連結され、またこのキャリヤ64とサンギヤ65との間に一方向クラッチF0 と一体化クラッチC0 とが並列に配置されている。なお、この一方向クラッチF0 はサンギヤ65がキャリヤ64に対して相対的に正回転(変速機入力軸44の回転方向の回転)する場合に係合するようになっている。またサンギヤ65の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。そしてこの副変速部61の出力要素であるリングギヤ66が、主変速部62の入力要素である中間軸67に接続されている。
【0024】
したがって副変速部61は、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車機構63の全体が一体となって回転するため、中間軸67が変速機入力軸44と同速度で回転し、低速段となる。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ65の回転を止めた状態では、リングギヤ66が変速機入力軸44に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0025】
他方、主変速部62は三組の遊星歯車機構70,80,90を備えており、それらの回転要素が以下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構70のサンギヤ71と第2遊星歯車機構80のサンギヤ81とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機構70のリングギヤ73と第2遊星歯車機構80のキャリヤ82と第3遊星歯車機構90のキャリヤ92との三者が連結され、かつそのキャリヤ92に出力軸57が連結されている。さらに第2遊星歯車機構80のリングギヤ83が第3遊星歯車機構90のサンギヤ91に連結されている。
【0026】
この主変速部62の歯車列では後進段と前進側の四つの変速段とを設定することができ、そのためのクラッチおよびブレーキが以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されている第2遊星歯車機構80のリングギヤ83および第3遊星歯車機構90のサンギヤ91と中間軸67との間に第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第1遊星歯車機構70のサンギヤ71および第2遊星歯車機構80のサンギヤ81と中間軸67との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0027】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構70および第2遊星歯車機構80のサンギヤ71,81の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ71,81(すなわち共通サンギヤ軸)とトランスミッションハウジング10との間には、第1一方向クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ71,81が逆回転(変速機入力軸44の回転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合するようになっている。多板ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構70のキャリヤ72とトランスミッションハウジング10との間に設けられている。そして第3遊星歯車機構90のリングギヤ93の回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがトランスミッションハウジング10との間に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ93が逆回転しようとする際に係合するようになっている。
【0028】
上述した各変速部61,62の回転部材のうち副変速部61のクラッチC0 の回転数を検出するタービン回転数センサ68と、出力軸57の回転数を検出する出力軸回転数(車速)センサ69とが設けられている。そして、出力軸57にはプロペラシャフト(図示せず)などの動力伝達装置が接続され、この動力伝達装置を介して動力が車輪104に伝達されるように構成されている。
【0029】
上記の自動変速機6では、各クラッチやブレーキを図5の作動図表に示すように係合・解放することにより前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図5において○印は係合状態、空欄は解放状態、◎印はエンジンブレーキ時の係合状態、△印は係合するものの動力伝達に関係しないことをそれぞれ示す。
【0030】
自動変速機6において、P(パーキング)、R(リバース:後進段)、N(ニュートラル)ならびに第1速(1st)ないし第5速(5th)の各シフト状態は、図示しないシフト装置のレバーをマニュアル操作することにより設定される。このシフトレバーによって、例えばP(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、Lポジションを選択することが可能である。
【0031】
ここで、Dポジションは車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基づいて前進第1速ないし第5速を設定するためのポジションであり、また4ポジションは、第1速ないし第4速、3ポジションは第1速ないし第3速、2ポジションは第1速および第2速、Lポジションは第1速をそれぞれ設定するためのポジションである。なお、3ポジションないしLポジションは、エンジンブレーキレンジを設定するポジションであり、それぞれのポジションで設定可能な変速段のうち最も高速側の変速段でエンジンブレーキを効かせるように構成されている。
【0032】
一方、エンジン1のクランクシャフト13におけるモータ・ジェネレータ2とは反対側には、図6に示すように減速装置105を介してモータ・ジェネレータ106が接続される。モータ・ジェネレータ106の構成は、モータ・ジェネレータ102の構成と同様である。
【0033】
減速装置105は、同心状に配置されたリングギヤ107およびサンギヤ108と、このリングギヤ107およびサンギヤ108に噛み合わされた複数のピニオンギヤ109とを備えている。この複数のピニオンギヤ109はキャリヤ110により保持されており、キャリヤ110にはモータ・ジェネレータ106の回転軸111が連結されている。そして、回転軸111とクランクシャフト13とを接続・遮断するクラッチ112が設けられている。さらに、回転軸111には、チェーン113を介してエアコン用コンプレッサなどの補機114が接続されている。
【0034】
前記回転軸111にはサンギヤ108が取り付けられており、減速装置105のケーシング115には、リングギヤ107の回転を止めるブレーキ116が設けられている。さらに、回転軸111の周囲には一方向クラッチ117が配置されており、一方向クラッチ117の内輪が回転軸111に連結され、一方向クラッチ117の外輪がリングギヤ107に連結されている。上記モータ・ジェネレータ106は、エンジン1を始動する始動装置としての機能と、エンジン1の動力を電気エネルギに変換する発電機(オルタネータ)としての機能と、エンジン1の停止時に補機114を駆動する電動機としての機能とを兼備している。
【0035】
そして、減速装置105により、エンジン1とモータ・ジェネレータ106との間の動力の伝達がおこなわれるとともに、モータ・ジェネレータ106の回転軸111の回転速度が減速されてエンジン1に伝達される。そして、一方向クラッチ117は、エンジン1から出力された動力がモータ・ジェネレータ106に伝達される場合に係合する構成になっている。モータ・ジェネレータ106によりエンジン1を始動する場合は、クラッチ112およびブレーキ116が係合され、一方向クラッチ117が解放される。また、モータ・ジェネレータ106をオルタネータとして機能させる場合は、クラッチ112および一方向クラッチ117が係合され、ブレーキ116が解放される。さらに、モータ・ジェネレータ106により補機114を駆動する場合は、ブレーキ116が係合され、クラッチ112および一方向クラッチ117が解放される。
【0036】
一方、モータ・ジェネレータ106にはインバータ118を介してバッテリ119が接続され、モータ・ジェネレータ106およびインバータ118ならびにバッテリ119には、コントローラ120が接続されている。バッテリ119の定格電圧は、例えば12Vに設定されている。インバータ118は、インバータ101と同様に構成されている。そして、モータ・ジェネレータ106により発電された電気エネルギを、インバータ118を介してバッテリ119に充電することが可能である。さらに、モータ・ジェネレータ106を発電機として機能させる場合は、回転子の回転により発生した誘導電圧をインバータ118により直流電圧に変換してバッテリ119に充電する。
【0037】
前記コントローラ120は、バッテリ119からモータ・ジェネレータ106に供給される電流値、またはモータ・ジェネレータ106により発電される電流値を検出または制御する機能を備えている。また、コントローラ120は、モータ・ジェネレータ106の回転数を制御する機能と、バッテリ119の充電状態(SOC:state of charge)を検出および制御する機能とを備えている。
【0038】
上記のエンジン1、モータ・ジェネレータ2,106、自動変速機6、減速装置105、クラッチ100などの各装置は、車両の状態を示す各種の検出信号や、予め設定されているデータならびに制御パターンに基づいて制御される。例えば図7に示すように、マイクロコンピュータを主体とする総合制御装置(ECU)60に各種の信号を入力し、その入力された信号に基づく演算結果を制御信号として出力するようになっている。この入力信号の例を挙げれば、ABS(アンチロックブレーキシステム)コンピュータからの信号、車両安定化制御(VSC:商標)コンピュータからの信号、エンジン回転数NE の信号、エンジン水温の信号、図2に示されたイグニッションキー121の操作位置を検出するイグニッションスイッチからの信号、バッテリ102,119のSOC(State of Charge:充電状態)信号、ヘッドライトのオン・オフ信号、デフォッガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速信号、自動変速機6の作動油温の信号、シフトレバーにより選択されるシフトポジション、サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキのオン・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度信号、アクセル開度の信号、カム角センサからの信号、スポーツシフト信号、車両加速度センサからの信号、モータ・ジェネレータ2の回生制動トルクを調整するための動力源ブレーキ力スイッチからの信号、タービン回転数NT センサ68からの信号、レゾルバ7の信号などである。
【0039】
また、出力信号の例を挙げると、クラッチ100,112への制御信号、点火装置への制御信号、噴射(燃料の噴射)装置への制御信号、コントローラ103,120への信号、減速装置105への信号、油圧制御部56の自動変速機(AT)ソレノイドへの信号、油圧制御部56のATライン圧コントロールソレノイドへの信号、ABSアクチュエータへの信号、エアコン用コンプレッサなどの補機114を制御する信号、エンジン1またはモータ・ジェネレータ2が動力源として使用されているか否かを表示する駆動源インジケータへの信号、スポートモードインジケータへの信号、VSCアクチュエータへの信号、油圧制御部56のATロックアップコントロールバルブへの信号などである。
【0040】
そして、アクセル開度、シフトポジション、車速などの信号が総合制御装置60に入力されると、これらの信号に対応するエンジン出力、モータ・ジェネレータ2の出力が演算され、総合制御装置60から制御信号が出力されて車両の駆動力が制御される。また、総合制御装置60においては、フットブレーキペダルの信号、車速などに基づいて車両に対する減速要求が演算され、その減速要求に対応して油圧ブレーキ装置(図示せず)により負担するべき制動力と、モータ・ジェネレータ2により負担するべき制動力(回生制動トルク)とが演算される。
【0041】
ここで、実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、モータ・ジェネレータ106がこの発明の第1の始動装置に相当し、モータ・ジェネレータ2がこの発明の第2の始動装置に相当する。
【0042】
つぎに、モータ・ジェネレータ2,106によりエンジン1を始動する場合の制御内容を、図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、総合制御装置60に入力される信号が処理され(ステップ201)、モータ・ジェネレータ2におけるエンジン1の始動系統が正常であるか否(故障している)かが判断される(ステップ202)。ステップ202においては、モータ・ジェネレータ2自体のフェールの有無は勿論、モータ・ジェネレータ2の始動系統に関与しているワイヤーハーネスの断線の有無、コネクタの結合状態など、モータ・ジェネレータ2によりエンジン1を始動する場合に必要な全ての項目がチェックされる。ステップ202で肯定判断された場合は、モータ・ジェネレータ106によりエンジン1を始動する場合の始動系統が正常であるか否(故障している)かが判断される(ステップ203)。ステップ203の判断基準としては、モータ・ジェネレータ106自体のフェールの有無は勿論、モータ・ジェネレータ106の始動系統に関与しているワイヤーハーネスの断線の有無、コネクタの結合状態など、モータ・ジェネレータ106によりエンジン1を始動する場合に必要な全ての項目がチェックされる。ステップ203で肯定判断された場合は、エンジン1の始動制御に際して、通常用の始動制御パターンが使用される(ステップ204)。
【0043】
ここで、通常用の制御パターンを、図8のフローチャートに基づいて説明する。まず、総合制御装置60により入力信号が処理される(ステップ301)。この制御例においては、総合制御装置60に入力される信号に基づいて、エンジン1の自動停止制御および自動復帰制御をおこなうことが可能である。エンジン1の自動停止制御とは、エンジン1の運転中に、イグニッションキー121の操作以外の停止条件に基づいて、エンジン1を自動的に停止させる制御を意味している。停止条件は、例えば、バッテリ102,119の充電状態SOCが所定値以上であり、かつ、アクセルペダルの踏み込み量に対応して車輪104に伝達するべきトルクの全てを、モータ・ジェネレータ2により発生させることができる場合に成立する。
【0044】
また、エンジン1の自動復帰制御とは、エンジン1の自動停止状態から、イグニッションキー121の操作以外の復帰条件に基づいて、エンジン1を自動的に運転状態に復帰する制御を意味している。復帰条件は、停止条件の少なくとも一つの項目が欠落した場合に成立する。
【0045】
上記のステップ301についで、エンジン1の始動中であるか否かが判断される(ステップ302)。ステップ302で肯定判断された場合はリターンされる。ステップ302で否定判断された場合は、イグニッションキー121がスタート位置に操作されたことによるエンジン1の始動要求が成立したか否かが判断される(ステップ303)。ステップ303で肯定判断された場合は、モータ・ジェネレータ106の動力によりエンジン1を始動させ(ステップ304)、リターンされる。
【0046】
一方、ステップ303で否定判断された場合は、エンジン1の自動復帰制御に基づくエンジン1の始動指令があるか否かが判断される(ステップ305)。例えば、バッテリ102,119の充電状態SOCが所定値未満であること、または車両の駆動力が不足していることなどに基づくエンジン1の始動要求が、ステップ305の始動指令に該当する。このステップ305で否定判断された場合はリターンされる。
【0047】
ステップ305で肯定判断された場合は、車速が零、すなわち車両が停止中であるか否かが判断される(ステップ306)。ステップ306で否定判断された場合は、モータ・ジェネレータ106により補機114が駆動されているか否かが判断される(ステップ307)。ステップ307で肯定判断された場合は、モータ・ジェネレータ106による補機114の駆動を一時的に中止するとともに(ステップ308)、モータ・ジェネレータ106の動力によりエンジン1を始動する制御パターンを選択し(ステップ309)、リターンされる。つまり、前述のようにステップ306で否定されるということは、モータ・ジェネレータ2の動力により車両が走行中であることになる。このため、モータ・ジェネレータ2によりエンジン1を始動すると、車輪104に伝達されるトルクが低下して、アクセルペダルの踏み込み量に対応する駆動力を得られなくなる可能性がある。そこで、モータ・ジェネレータ106によりエンジン1を始動することにより、上記不都合が回避され、ドライバビリティを向上することができる。なお、ステップ307で否定判断された場合もステップ309に進む。
【0048】
前記ステップ306で否定判断された場合は、アクセルペダルが踏み込まれているか否かが判断される(ステップ310)。ステップ310で肯定判断された場合は加速要求があるためステップ307に進み、ステップ310で否定判断された場合は、モータ・ジェネレータ2によりエンジン1を始動し(ステップ311)、リターンされる。すなわち、車両が停止中であり、かつ、加速要求がない状態におけるエンジン1の始動要求であるため、モータ・ジェネレータ2の動力によりエンジン1を始動させたとしても、車両の走行性能に影響を及ぼす可能性はない。
【0049】
図8に示すような通常用の制御パターンが、図1のステップ204で使用される。そして、エンジン1の始動後におけるエンジン1の自動停止制御を許可し(205)、リターンされる。つまり、モータ・ジェネレータ2,106がともに正常であるため、その後に停止条件が成立してエンジン1の自動停止制御がおこなわれたとしても、車両の走行性能を低下させることなく、モータ・ジェネレータ2またはモータ・ジェネレータ106のいずれか一方の動力によりエンジン1を始動させることができるためである。
【0050】
前記ステップ203で否定判断された場合は、図8に示す制御パターンを無視して、モータ・ジェネレータ2の動力によりエンジン1を始動させる制御パターンが選択される(ステップ206)。そして、前記停止条件の成立によるエンジン1の自動停止が禁止される一方、イグニッションキー121の操作によるエンジン1の停止は許可され(ステップ207)、リターンされる。つまり、モータ・ジェネレータ2に限りエンジン1を始動することが可能であり、かつ、モータ・ジェネレータ2の動力を車輪104に伝達して車両が走行している状態において、そのモータ・ジェネレータ2の動力の一部をエンジン1に伝達してエンジン1を始動させるとすれば、車両の駆動力が低下する可能性がある。
【0051】
そこで、モータ・ジェネレータ2の始動系統のみが正常である場合は、エンジン1の自動停止を禁止することにより、上記不都合が回避され、ドライバビリティを向上することができる。なお、イグニッションキー121の操作によるエンジン1の停止が許可されているため、運転者の意図によるエンジン1の停止は確保される。
【0052】
一方、前記ステップ202で否定判断された場合は、モータ・ジェネレータ2の始動系統が正常であるか否かが判断される(ステップ208)。ステップ208の判断基準は、ステップ203の判断基準と同様である。ステップ208で肯定判断された場合は、図8に示す制御パターンを無視して、モータ・ジェネレータ106によりエンジン1を始動させる制御パターンが選択される(ステップ209)。そして、前記停止条件の成立によるエンジン1の自動停止が禁止される一方、イグニッションキー121の操作によるエンジン1の停止は許可され(ステップ210)、リターンされる。
【0053】
つまり、エンジン1の自動停止中に復帰条件が成立し、エンジン1の自動復帰制御をおこなうためにステップ202,208,209を経由した場合は、エンジン1の自動復帰制御後に、車両の動力としてモータ・ジェネレータ2の動力を用いることができないことになる。そこで、ステップ210においては、その後に停止条件が成立した場合でもエンジン1の自動停止制御を禁止することにより、車両の走行性能を確保することができる。なお、イグニッションキー121の操作によるエンジン1の停止が許可されているため、運転者の意図によるエンジン1の停止は確保される。
【0054】
さらにステップ208で否定判断された場合もステップ210に進む。これは、モータ・ジェネレータ2,106が両方とも正常でない状態でエンジン1が不用意に停止したのでは、エンジン1を再始動することができず、車両の走行性能が低下するからである。このように、図1の制御例によれば、モータ・ジェネレータ2,106のフェールセーフ機能が確立され、車両の走行性能を維持することができる。
【0055】
ここで、図1,図8のフローチャートに示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。図1のステップ202,203,208がこの発明の始動機能判断手段に相当し、図1のステップ204ないしステップ207、およびステップ209,210、ならびに図8の302ないしステップ311がこの発明の始動制御内容変更手段に相当する。さらに、図1のステップ203,204,205,206,207,210がこの発明の自動停止禁止手段に相当する。
【0056】
なお、図1の制御例は、請求項1および請求項2に対応するフローチャートであるが、請求項2に対応するフローチャートを単独で設定することも可能である。具体的には、図1のステップ208で肯定判断された場合はリターンし、ステップ203で肯定判断された場合は、ステップ204を省略してステップ205に進み、ステップ203で否定判断された場合は、ステップ206を省略してステップ207に進む制御をおこなうことが可能である。このような制御をおこなう場合は、ステップ202の判断基準にバッテリ102の充電量SOCが含まれ、ステップ203の判断基準にバッテリ119の充電量SOCが含まれ、ステップ208の判断基準にバッテリ119の充電量SOCが含まれる。すなわち、バッテリの充電量が所定値以上である場合は、正常(エンジン1の始動が可能)であると判断され、バッテリの充電量が所定値未満である場合は異常(エンジン1の始動が不可能)であると判断される。
【0057】
ここで、上記実施形態に開示されたこの発明の特徴的な構成を記載すれば次の通りである。すなわち、車輪に動力を伝達するエンジンと、このエンジンを始動する第1の始動装置および第2の始動装置とを有するエンジン始動制御装置において、前記第1の始動装置および前記第2の始動装置による前記エンジンの始動機能に故障があるか否かを判断する始動機能判断手段と、この始動機能判断手段より前記エンジンの始動機能に故障がないと判断された場合に適用され、かつ、前記第1の始動装置または前記第2の始動装置による始動制御内容を定めた第1の始動パターンと、前記始動機能判断手段により前記エンジンの始動機能に故障があると判断された場合に適用され、かつ、前記第1の始動装置または前記第2の始動装置による始動制御内容を定めた第2の始動パターンとを使い分ける始動制御内容変更手段とを備えていることを特徴とするハイブリッド車のエンジン始動制御装置。そして、第1の始動パターンには、図1のステップ204ないしステップ207、およびステップ209,210が含まれ、第2の始動パターンには、図8の302ないしステップ311が含まれる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常であると判断され、かつ、前記エンジンの始動指令がある場合に、前記第1の始動装置により補機装置が駆動されている場合は、前記第1の始動装置による前記補機装置の駆動を中止して、その第1の始動装置の動力によりエンジンを始動する始動制御を選択でき、第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常でないと判断された場合は、第2の始動装置の動力によりエンジンを始動する始動制御を選択できる。したがって、エンジンの始動機能がフェールした場合にはフェール状態におうじた始動制御がおこなわれ、車両の走行性能を確保することができる。
【0059】
請求項2の発明によれば、第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常であると判断され、かつ、前記エンジンの始動指令がある場合に、前記第1の始動装置により補機装置が駆動されている場合は、前記第1の始動装置による前記補機装置の駆動を中止して、その第1の始動装置の動力によりエンジンを始動する始動制御を選択し、かつ、エンジンの自動停止が許可される一方、第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常でないと判断された場合は、第2の始動装置の動力によりエンジンを始動する始動制御を選択し、かつ、エンジンの自動停止制御が禁止される。したがって、エンジンの始動機能がフェールした場合においても、駆動力の低下を防止することができ、車両の走行性能を確保することができる。
【0060】
請求項3の発明によれば、請求項2と同様の効果に加えて、イグニッションキーが操作されてエンジンの停止要求が発生した場合は、エンジンを停止することが可能であり、運転者の意図が反映される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一制御例を示すフローチャートである。
【図2】 この発明を適用したハイブリッド車の構成を原理的に示すブロック図である。
【図3】 この発明の第2の動力源の制御系統を示すブロック図である。
【図4】 この発明の一例における自動変速機のギヤトレーンを示すスケルトン図である。
【図5】 図6の自動変速機の各変速段を設定するためのクラッチおよびブレーキの係合・解放を示す図表である。
【図6】 この発明の第1の動力源の制御系統を示すブロック図である。
【図7】 この発明の一例における総合制御装置における入出力信号を示す図である。
【図8】 図1のフローチャートの単一のステップの制御内容を詳細に示すフローチャートである。
【符号の説明】
104…車輪、 1…エンジン、 106…モータ・ジェネレータ、 2…モータ・ジェネレータ、 121…イグニッションキー、 A1…ハイブリッド車。
Claims (3)
- 車輪に動力を伝達するエンジンと、このエンジンを始動する第1の始動装置および第2の始動装置とを有するエンジン始動制御装置において、
前記エンジンの動力により駆動される補機装置が設けられており、前記第1の始動装置は前記補機装置を駆動する機能を有しており、
前記第1の始動装置または前記第2の始動装置による前記エンジンの始動機能に故障があるか否かを判断する始動機能判断手段と、
前記第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常であると判断され、かつ、前記エンジンの始動指令がある場合に、前記第1の始動装置により前記補機装置が駆動されている場合は、前記第1の始動装置による前記補機装置の駆動を中止して、その第1の始動装置の動力により前記エンジンを始動する始動制御を選択し、前記第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常でないと判断された場合は、前記第2の始動装置の動力により前記エンジンを始動する始動制御を選択する始動制御内容変更手段と
を備えていることを特徴とするエンジン始動制御装置。 - 車輪に動力を伝達するエンジンと、このエンジンを始動する第1の始動装置および第2の始動装置とを備え、所定の停止条件が成立した場合は前記エンジンを停止させる自動停止制御をおこなうとともに、前記エンジンの自動停止制御中に所定の復帰条件が成立した場合は前記エンジンを運転状態に復帰させる自動復帰制御をおこなうことの可能なエンジン始動制御装置において、
前記エンジンの動力により駆動される補機装置が設けられており、前記第1の始動装置は前記補機装置を駆動する機能を有しており、
前記第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常であると判断され、かつ、前記エンジンの始動指令がある場合に、前記第1の始動装置により前記補機装置が駆動されている場合は、前記第1の始動装置による前記補機装置の駆動を中止して、その第1の始動装置の動力により前記エンジンを始動する始動制御を選択し、かつ、エンジンの自動停止を許可する一方、前記第1の始動装置によりエンジンを始動する場合の始動系統が正常でないと判断された場合は、前記第2の始動装置の動力により前記エンジンを始動する始動制御を選択し、かつ、前記エンジンの自動停止制御を禁止する自動停止禁止手段を備えていることを特徴とするエンジン始動制御装置。 - 前記自動停止禁止手段には、イグニッションキーの操作により前記エンジンの停止要求が発生した場合に、前記エンジンの停止を許可する機能が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のエンジン始動制御装置。
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