JP2000145496A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents
内燃機関の始動制御装置Info
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Abstract
においてエンジンを始動することに伴う駆動トルクの低
下を防止する。 【解決手段】 内燃機関と少なくとも2つの動力機構と
を備えた車両における内燃機関の始動制御装置であっ
て、内燃機関の始動の要求の有無を判断する始動判断手
段(ステップS22)と、内燃機関を始動することに伴
う駆動トルクの低下を抑制するべき状態を判断する駆動
トルク低下抑制判断手段(ステップS25,27)と、
内燃機関の始動要求に基づく内燃機関の始動による駆動
トルクの低下を抑制すべきことが前記駆動トルク低下抑
制判断手段(ステップS25,27)によって判断され
た場合に前記少なくとも2つの動力機構を併用して内燃
機関を始動させる始動指示手段(ステップS26)とを
備えている。
Description
ているガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内
燃機関を始動するための制御装置に関するものである。
下、エンジンと記す)は、混合気を爆発的に燃焼させて
動力を発生するように構成されているから、始動する際
には、吸入と混合気の圧縮とをおこなうために、外部か
らトルクを与えて回転させる必要がある。そのために、
従来一般には、出力トルクの大きいスタータモータをエ
ンジンに付設し、エンジンを始動する際には、このスタ
ータモータによってエンジンをアイドリング回転数程度
まで一時的に回転させている。
の燃費の向上や排気ガスの抑制のために、発電機を兼ね
たモータすなわちモータ・ジェネレータをエンジンと共
に搭載したハイブリッド車が開発されている。このハイ
ブリッド車の形式として、モータ・ジェネレータが連結
された動力伝達系統にエンジンを直接もしくは選択的に
連結し、モータ・ジェネレータおよびエンジンのいずれ
によっても走行することができるように構成したいわゆ
るパラレルハイブリッド形式が知られている。この種の
ハイブリッド車では、エンジンをモータ・ジェネレータ
によって回転させることができるので、モータ・ジェネ
レータをエンジンの始動のための装置として機能させる
ことができる。その一例が特開平8−168104号公
報に記載されている。
バータを備えた自動変速機とエンジンとの間にモータ・
ジェネレータを配置し、エンジンから自動変速機に到る
動力の伝達系統にモータ・ジェネレータに出力トルクを
入力することができるように構成されている。したがっ
てこのような構成のハイブリッド車では、エンジンおよ
びモータ・ジェネレータを自動変速機を主体とする動力
伝達系統に連結することができるので、エンジンでモー
タ・ジェネレータを駆動して発電をおこなうモード、走
行慣性力によってモータ・ジェネレータを駆動して回生
制動をおこなうモード、エンジンのトルクにモータ・ジ
ェネレータの出力トルクを付加して駆動力を増大させる
モード、さらにはモータ・ジェネレータの出力トルクで
エンジンを回転させてエンジンを始動するモードなどの
各種の駆動モードを設定することができる。
として内燃機関と併せてモータ・ジェネレータを搭載し
たハイブリッド車では、モータ・ジェネレータが出力す
る動力のみによって走行もしくは発進することが可能で
あるが、搭載可能なモータ・ジェネレータやバッテリに
は限度があるから、より大きい駆動力が要求される場合
には、内燃機関をも動作させる必要がある。また、バッ
テリの充電量(SOC:State of Charge)が低下した
場合には、モータ・ジェネレータを発電機として機能さ
せるために内燃機関を動作させる必要がある。
したように、外部からトルクを与えて回転させる必要が
あり、しかもその際に内燃機関によって吸入と混合気の
圧縮とをおこなわせることになるので、かなり大きいト
ルクを必要とする。そのクランキングトルクは、モータ
・ジェネレータの動力で走行する場合は、モータ・ジェ
ネレータが出力するトルクの一部を使用してもよく、あ
るいは走行慣性力を使用することも可能である。しかし
ながら、発進もしくは走行のための駆動力の一部をクラ
ンキングトルクとして使用すれば、その分、駆動トルク
が低下するので、発進加速性が低下したり、あるいは減
速感が生じるなど、ドライバビリティや乗り心地が悪化
する可能性がある。
れたものであり、内燃機関を始動することに伴う駆動ト
ルクの低下やそれに起因するドライバビリティの悪化な
どを防止することのできる始動制御装置を提供すること
を目的とするものである。
は、上記の課題を解決するために、内燃機関を始動させ
ることに伴う駆動トルクの低下を避ける必要がある場合
には、搭載されている2つ以上の動力機構を併用して内
燃機関を始動するように構成したことを特徴とするもの
である。より具体的には、この発明は、内燃機関もしく
は該内燃機関が接続された動力伝達系統にトルクを伝達
可能な少なくとも2つの動力機構を備えた車両における
内燃機関の始動制御装置において、前記内燃機関の始動
の要求の有無を判断する始動判断手段と、前記内燃機関
を始動することに伴う駆動トルクの低下を抑制するべき
状態を判断する駆動トルク低下抑制判断手段と、前記内
燃機関の始動要求に基づく内燃機関の始動による駆動ト
ルクの低下を抑制すべきことが前記駆動トルク低下抑制
判断手段によって判断された場合に前記少なくとも2つ
の動力機構を併用して内燃機関を始動させる始動指示手
段とを備えていることを特徴とするものである。
の前記動力機構が、内燃機関が接続される動力伝達系統
に連結されるから、いずれかの動力機構が出力する動力
によって走行することが可能である。また、これらいず
れの動力機構からも内燃機関にトルクを伝達して内燃機
関を回転させることができる。その内燃機関を回転させ
て始動することに伴う駆動トルクの低下を抑制する必要
があることが判断されると、前記少なくとも2つの動力
機構から内燃機関にトルクが伝達されて内燃機関が始動
させられる。したがっていずれかの動力機構が出力する
動力によって発進もしくは走行している際に内燃機関を
始動する場合、内燃機関が接続されている動力伝達系統
に入力される総トルクが増大するので、内燃機関を駆動
するためにトルクが消費されても走行のための駆動トル
クの低下が防止もしくは抑制される。
を参照して説明する。この発明で対象とする車両は、内
燃機関と少なくとも2つの動力機構とを備えており、そ
の一例を図示すれば、図3のとおりである。ここに示す
例は、内燃機関(以下、エンジンと記す)1を車両の前
後方向に向けて配置したFR車(フロントエンジン・リ
ヤドライブ車)における配置例であり、エンジン1は、
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの空気と燃
料との混合気を吸入し、これを圧縮した状態で爆発的に
燃焼させて動力を出力する機関であり、その始動をおこ
なうための動力機構としてスタータモータ2が付設され
ている。このスタータモータ2は、従来から知られてい
る構成のものであり、例えばイグニッションスイッチ
(図示せず)がON操作されバッテリ(図示せず)から
電力が供給されることにより、その出力軸がエンジン1
のフライホイールなどの出力側の部材に連結され、かつ
その出力軸からエンジン1にトルクを伝達してエンジン
を回転(クランキング)するように構成されている。
してモータ・ジェネレータ(MG)3が配置されてい
る。このモータ・ジェネレータ3は、一例として永久磁
石型同期モータであり、交流電流を供給することにより
回転するとともにその周波数によって回転数が制御さ
れ、またロータ(図示せず)を外力によって回転させる
ことにより起電力を生じるように構成されている。その
ロータに前記エンジン1のクランクシャフトが連結され
ている。なお、その連結の態様としては、ロータとクラ
ンクシャフトとを直接連結してもよく、あるいは両者の
間にクラッチを介在させてもよい。
なわちモータ・ジェネレータ3を挟んでエンジン1とは
反対側にトルクコンバータ(T/C)4を備えた自動変
速機5が配置されている。この自動変速機5は、トルク
コンバータ4を介して入力されたトルクの伝達経路を適
宜に変更して所定の変速比を設定する歯車変速機部6と
その歯車変速機部6を制御するための油圧制御部7とを
備えている。この油圧制御部7は、従来の自動変速機に
おける油圧制御部と同様な構成であって、油圧ポンプで
発生した油圧を調圧するバルブ、変速を実行するシフト
バルブ、これらのバルブを制御する電磁バルブなどを備
え、電気的な指示信号によって調圧および変速を実行す
るように構成されている。そして、自動変速機5の出力
軸8が、図示しないプロペラシャフトやデファレンシャ
ルなどを介して駆動輪に連結されている。なお、トルク
コンバータ4および歯車変速機部6の詳細については後
述する。
は、エンジン1から自動変速機5を介して駆動輪に到る
一連の部材が動力伝達系統を構成しており、この発明に
おける動力機構に相当するスタータモータ2とモータ・
ジェネレータ3とが、その動力伝達系統にトルクを伝達
できるように構成されている。
磁石型同期モータであることにより、このモータ・ジェ
ネレータ3には、インバータ9を介してバッテリ10が
接続されている。そのインバータ9は、モータ・ジェネ
レータ3の制御のために従来使用されているものと同様
であって、モータ・ジェネレータ3に対する電流および
周波数を制御し、またモータ・ジェネレータ3で発電す
る際の電流を制御するように構成されている。そして、
それらの制御をおこなうためにコントローラ11が設け
られている。このコントローラ11は、一例としてマイ
クロコンピュータを主体とするものであって、エンジン
1の始動要求、発進あるいは加速要求、さらには制動要
求などに従ってインバータ9およびバッテリ10を制御
するように構成されている。
動要求があると、バッテリ10からモータ・ジェネレー
タ3に電流を供給してモータ・ジェネレータ3を駆動
し、その動力によってエンジン1を回転させ、同時にエ
ンジン1に燃料を供給してエンジン1を始動する。また
発進や加速などのために大きい駆動力が要求された場合
には、モータ・ジェネレータ3をバッテリ10の電力で
駆動し、エンジン1による動力に加えてモータ・ジェネ
レータ3による動力をトルクコンバータ4に入力する。
さらに制動操作に伴う制動要求があった場合には、モー
タ・ジェネレータ3を出力軸8側から入力される動力に
よって回転させて発電をおこなわせ、その電流をバッテ
リ10に供給して充電する。したがって運動エネルギを
電気エネルギに変換するので、これが車両の走行に対し
ては負荷となり、制動力を得ることができる。なお、バ
ッテリ10がほぼ満杯まで充電されていたり、あるいは
温度が上限程度まで高くなっていれば、バッテリ10に
対する充電が制限されるので、充電回路を開くなどのこ
とによって充電を中止する。
3ならびに自動変速機5などの各装置は、車両の状態を
示す各種のデータに基づいて制御される。例えば図4に
示すように、マイクロコンピュータを主体とするハイブ
リッド制御装置あるいは総合制御装置(ECU)12に
各種の信号を入力し、その入力された信号に基づく演算
結果を制御信号として出力するようになっている。この
入力信号の例を挙げれば、ABS(アンチロックブレー
キ)コンピュータからの信号、車両安定化制御(VS
C:商標)コンピュータからの信号、エンジン回転数N
E 、エンジン水温、イグニッションスイッチからの信
号、バッテリSOC(State of Charge:充電状態)、
ヘッドライトのオン・オフ信号、デフォッガのオン・オ
フ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速信号、自動変
速機(AT)油温、シフトポジション、サイドブレーキ
のオン・オフ信号、フットブレーキのオン・オフ信号、
触媒(排気浄化触媒)温度、アクセル開度、カム角セン
サからの信号、スポーツシフト信号、車両加速度センサ
からの信号、駆動力源ブレーキ力スイッチからの信号、
タービン回転数NT センサからの信号、レゾルバ信号な
どである。
号、噴射(燃料の噴射)信号、スタータへの信号、前記
コントローラ11への信号、減速装置への信号、ATソ
レノイドへの信号、ATライン圧コントロールソレノイ
ドへの信号、ABSアクチュエータへの信号、自動停止
制御実施インジケータへの信号、自動停止制御未実施イ
ンジケータへの信号、スポートモードインジケータへの
信号、VSCアクチュエータへの信号、ATロックアッ
プコントロールバルブへの信号などである。
変速段を設定することができるように構成されている。
その歯車変速機部6の一例を図5に示してある。ここに
示す構成では、前進5段・後進1段の変速段を設定する
ように構成されている。すなわちここに示す自動変速機
5は、トルクコンバータ4に続けて副変速部61と、主
変速部62とを備えている。
ライブ部であって1組のシングルピニオン型遊星歯車機
構63によって構成され、キャリヤ64が前記変速機入
力軸44に連結され、またこのキャリヤ64とサンギヤ
65との間に一方向クラッチF0 と一体化クラッチC0
とが並列に配置されている。なお、この一方向クラッチ
F0 はサンギヤ65がキャリヤ64に対して相対的に正
回転(変速機入力軸44の回転方向の回転)する場合に
係合するようになっている。またサンギヤ65の回転を
選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。そ
してこの副変速部61の出力要素であるリングギヤ66
が、主変速部62の入力要素である中間軸67に接続さ
れている。
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構63の全体が一体となって回転するため、中
間軸67が変速機入力軸44と同速度で回転し、低速段
となる。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ65の
回転を止めた状態では、リングギヤ66が変速機入力軸
44に対して増速されて正回転し、高速段となる。
70,80,90を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
70のサンギヤ71と第2遊星歯車機構80のサンギヤ
81とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構70のリングギヤ73と第2遊星歯車機構80のキャ
リヤ82と第3遊星歯車機構90のキャリヤ92との三
者が連結され、かつそのキャリヤ92に出力軸8が連結
されている。さらに第2遊星歯車機構80のリングギヤ
83が第3遊星歯車機構90のサンギヤ91に連結され
ている。
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構80のリングギヤ83および第3
遊星歯車機構90のサンギヤ91と中間軸67との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構70のサンギヤ71および第2遊星歯車
機構80のサンギヤ81と中間軸67との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構70および第2遊星歯車機構80のサンギヤ71,8
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ71,81(すなわち共通サンギヤ軸)とトラ
ンスミッションハウジングHt との間には、第1一方向
クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 と
が直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1
はサンギヤ71,81が逆回転(変速機入力軸44の回
転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合する
ようになっている。多板ブレーキである第3ブレーキB
3 は第1遊星歯車機構70のキャリヤ72とトランスミ
ッションハウジングHt との間に設けられている。そし
て第3遊星歯車機構90のリングギヤ93の回転を止め
るブレーキとして多板ブレーキである第4ブレーキB4
と第2一方向クラッチF2 とがトランスミッションハウ
ジングHt との間に並列に配置されている。なお、この
第2一方向クラッチF2 はリングギヤ93が逆回転しよ
うとする際に係合するようになっている。
うち副変速部61のクラッチC0 の回転数を検出するタ
ービン回転数センサ68と、出力軸8の回転数を検出す
る出力軸回転数センサ69とが設けられている。また、
図5において符号40はダンパーを示し、また符号41
はレゾルバーを示す。
レーキを図6の作動表に示すように係合・解放すること
により前進5段・後進1段の変速段を設定することがで
きる。なお、図6において○印は係合状態、空欄は解放
状態、◎印はエンジンブレーキ時の係合状態、△印は係
合するものの動力伝達に関係しないことをそれぞれ示
す。
ス:後進段)、N(ニュートラル)ならびに第1速(1
st)ないし第5速(5th)の各シフト状態は、図示
しないシフト装置のレバーをマニュアル操作することに
より設定される。そのシフトレバーによって設定される
各シフトポジションの配列は、図7に示すとおりであ
り、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジ
ション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライ
ブ)ポジションが、ここに挙げた順序で車両の前後方向
に沿って配列され、そのDポジションに対して車両の幅
方向に隣接する位置に“4”ポジションが配置され、そ
の“4”ポジションに対して車両後方側に隣接して
“3”ポジションが配置され、さらにこの“3”ポジシ
ョンの位置から車両の斜め後方に“2”ポジションおよ
びLポジションが順に配列されている。ここで、Dポジ
ションは車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基
づいて前進第1速ないし第5速を設定するためのポジシ
ョンであり、また“4”ポジションは、第1速ないし第
4速、“3”ポジションは第1速ないし第3速、“2”
ポジションは第1速および第2速、Lポジションは第1
速をそれぞれ設定するためのポジションである。なお、
“3”ポジションないしLポジションは、エンジンブレ
ーキレンジを設定するポジションであり、それぞれのポ
ジションで設定可能な変速段のうち最も高速側の変速段
でエンジンブレーキを効かせるように構成されている。
いずれかをシフトレバーによって選択することにより、
そのポジションに応じた変速段を設定することができる
ようになっている。すなわち、マニュアル操作によって
変速段を設定する変速モードであって、これが前記のス
ポーツモードである。このスポーツモードを選択するス
ポーツモードスイッチ100がインストルメントパネル
もしくはセンターコンソール(それぞれ図示せず)など
に設けられている。このスイッチ100をオン操作した
状態で、シフトレバーをDポジションに設定すると前進
第5速となり、また“4”ポジションに設定すると前進
第4速、“3”ポジションに設定すると前進第3速、
“2”ポジションに設定すると前進第2速、Lポジショ
ンに設定すると前進第1速の各変速段が設定される。
としても機能するので、車両の減速時に走行慣性力によ
ってモータ・ジェネレータ3を回転させることにより発
電し、その電力をバッテリ10に蓄えることができ、そ
の電力を車両の発進や走行のために使用すれば、エンジ
ン1で燃料を燃焼させる期間が短くなって燃料消費量を
削減し、また排ガスの低減に資することができる。すな
わちモータ・ジェネレータ3による発進や走行が可能で
あるが、モータ・ジェネレータ3が出力することのでき
るトルクやバッテリ10の容量に限度があるので、それ
を超える動力が要求される場合には、エンジン1を始動
してエンジン1が出力する動力を使用する必要がある。
この発明の制御装置は、そのエンジン1の始動を以下に
述べるように制御する。
などの入力信号の処理(ステップS21)をおこなった
後に、エンジン1が始動中か否かの判断をおこなう(ス
テップS22)。エンジン1を始動する制御が既におこ
なわれている場合、あるいはエンジン1の始動が完了し
ている場合には、ステップS22で肯定判断され、その
場合には特に制御をおこなうことなくリータンする。こ
れとは反対にエンジン1が停止状態でかつ始動制御が未
だおこなわれていないことによりステップS22で否定
的に判断された場合には、イグニッションスイッチ(I
G)をON操作することによるエンジン1の始動がおこ
なわれているか否かが判断される(ステップS23)。
これは、イグニッションスイッチの接点が閉じているか
否かを電流もしくは電圧に基づいて検出することにより
判断することができる。
場合には、エンジン1の始動指令が出力されているか否
かが判断される(ステップS24)。このエンジン1の
始動指令は、車両の状態を判断することに基づいておこ
なわれ、例えばバッテリ10のSOCが低下しているこ
とが検出されてエンジン1によってモータ・ジェネレー
タ3を駆動する必要がある場合、あるいはアクセル開度
や道路状況などから判断される要求駆動トルク(必要駆
動トルク)に対してモータ・ジェネレータ3で出力可能
なトルクが不足する場合に、エンジン1を始動するため
の指令信号が出力される。モータ・ジェネレータ3が出
力する動力で要求を満たせる場合には、ステップS24
で否定判断され、その場合には、特に制御をおこなうこ
となくリターンする。
が判断されて始動指令が出力されている場合にはステッ
プS24で肯定判断され、その場合には、車両が停車中
か否かが判断される(ステップS25)。この判断は、
例えば、ゼロに近い基準車速と検出された実車速とを比
較し、実車速が基準車速以下である場合に肯定判断し、
これとは反対の場合に否定判断することによりおこなわ
れる。車両が走行中であることにより、このステップS
25で否定的に判断された場合には、モータ・ジェネレ
ータ3とスタータモータ2とを併用してエンジン1を始
動する(ステップS26)。
制御の一例を図2にタイムチャートで示してある。前述
したステップS24でのエンジン1の始動指令がt0 時
点に発信させられ、これと同時もしくは直後のt1 時点
にスタータモータ2を回転させるスタータ信号がON状
態となり、またモータ・ジェネレータ3の回転数(MG
回転数)が増大させられる。なお、この場合、モータ・
ジェネレータ3の出力する動力で走行しているが、トル
クコンバータ4の滑り(入力側の部材と出力側の部材と
の相対的な回転)が増大するので、車速が直ちに増大す
ることはない。一方、モータ・ジェネレータ3とエンジ
ン1とは直結状態となっているので、モータ・ジェネレ
ータ3の回転数の増大およびスタータモータ2が駆動す
ることにより、エンジン1の回転数が次第に増大する。
ータモータ2とモータ・ジェネレータ3とによってエン
ジン1をクランキングし、これと同時に燃料の供給と必
要な点火とをおこなうと、その回転数がアイドル回転数
程度もしくはそれより幾分低い回転数に達したt2 時点
で混合気の継続的な燃焼が生じてエンジン1が自律回転
を開始し、始動が完了する。そしてこのt2 時点でスタ
ータモータ2がOFF制御される。なお、エンジン1の
始動の完了は、エンジン1の回転数や始動制御開始から
の経過時間などによって判断することができる。
いる途中でエンジン1を始動するにあたり、上記のよう
にモータ・ジェネレータ3とスタータモータ2とによっ
てエンジン1をクランキングすれば、スタータモータ2
がエンジン1のクランキングトルクを補うことになるの
で、モータ・ジェネレータ3が出力するトルクのうち走
行のために使用される駆動トルクの低下が防止もしくは
抑制される。その結果、走行中の減速感や加速力の不足
感などを未然に防止することができる。したがってスタ
ータモータ2を駆動するのは、クランキングトルクの不
足を補うためであるから、その範囲でスタータモータ2
をON制御すればよく、必ずしもエンジン1の始動が完
了するまでスタータモータ2を駆動させる必要はない。
ップS25で肯定判断された場合には、アクセル・オン
か否か、すなわちアクセルペダル(図示せず)が踏み込
まれているか否かが判断される(ステップS27)。こ
のステップS27で肯定判断されれば、発進時にエンジ
ン1を始動して大きい駆動力を出力する必要があること
になるので、ステップS26に進んで上述したスタータ
モータ2とモータ・ジェネレータ3とを併用した始動制
御を実行する。したがってエンジン1を始動するための
クランキングトルクをスタータモータ2によって補うの
で、駆動トルクの低下を防止もしくは抑制して運転者の
要求する駆動トルクを確保することができる。
れた場合には、車両が停止していて、しかも加速の要求
のない状態でエンジン1を始動することになるので、こ
の場合は、走行のための駆動トルクが特には要求されて
いないから、モータ・ジェネレータ3によってエンジン
1をクランキングして始動する(ステップS28)。し
たがってスタータモータ2をエンジン1の始動のために
使用する回数が減少するので、スタータモータ2の耐久
性の向上に有利になる。
判断された場合、すなわちイグニッションスイッチをO
N操作してエンジン1を始動する場合、スタータモータ
2を起動してエンジン1を始動する(ステップS2
9)。これは通常の始動制御であり、したがってスター
タモータ2のためのバッテリ(図示せず)が上がってし
まっていて他の車両のバッテリなどの外部の電源を使用
してスタータモータ2を駆動する制御も含まれる。
の制御装置によれば、モータ・ジェネレータ3の動力で
走行している場合やアクセルペダルを踏み込んで発進す
る場合などの駆動トルクのいわゆる落ち込みが問題とな
る状態(駆動トルクの低下を抑制するべき状態)におい
ては、走行のためのモータ・ジェネレータ3に加えてス
タータモータ2を動作させてエンジン1を始動する。そ
のため、駆動トルクの低下が抑制され、もしくは駆動ト
ルクの低下が生じないので、ドライバビリティや乗り心
地の悪化が防止される。
説明すると、図1に示すステップS22の機能を実行す
る手段がこの発明の始動判断手段に相当し、またステッ
プS25およびステップS27の機能を実行する手段が
この発明の駆動トルク低下抑制判断手段に相当し、さら
にステップS26の機能を実行する手段がこの発明の始
動指示手段に相当する。
にエンジン1を常時連結した構成としたので、モータ・
ジェネレータ3によって走行する際にもエンジン1を回
転させることになるが、そのためのモータリングトルク
を可及的に抑制して燃費の向上を図るために、吸気バル
ブと排気バルブとが共に開いているいわゆるオーバラッ
プ期間が長くなるようにバルブタイミングを制御するこ
とが好ましい。また、上記の例では、エンジン1の始動
に使用できる動力機構としてスタータモータ2とモータ
・ジェネレータ3とを備えた例を示したが、この発明は
上述した具体例に限定されないのであって、第2のモー
タ・ジェネレータを備えたハイブリッド車を対象とする
制御装置にも適用することができる。
を図3に鎖線で示してある。すなわちエンジン1のクラ
ンク軸31に図示しないクラッチを介して回転輪32が
連結されるとともに、その回転輪32に対して平行に配
置した他の回転輪33が第2モータ・ジェネレータ30
に取り付けられ、これらの回転輪32,33にベルトあ
るいはチェーンなどの巻き掛け伝動手段34が巻き掛け
られている。この第2のモータ・ジェネレータ30は、
エアコンなどの補機を駆動するために主として使用され
る。この第2のモータ・ジェネレータ30を備えている
場合、駆動トルクの低下が問題となる場合のエンジン1
の始動に、2つのモータ・ジェネレータを使用してもよ
く、あるいは2つのモータ・ジェネレータとスタータモ
ータとの合計3つの動力機構を使用してもよい。また、
第2のモータ・ジェネレータ30が不要な場合、前記ク
ラッチを解放してエンジンとの連結を断つことにより、
チェーンなどの巻き掛け伝動手段34の耐久性を向上さ
せることができる。さらにこの発明は、無段変速機を備
えたハイブリッド車や変速機を備えていないハイブリッ
ド車における内燃機関の始動制御装置に適用することが
できる。
内燃機関を回転させて始動することに伴う駆動トルクの
低下を抑制する必要があることが判断された場合、少な
くとも2つの動力機構から内燃機関にトルクを伝達して
内燃機関を回転させかつ始動するので、いずれかの動力
機構が出力する動力によって発進もしくは走行している
際に内燃機関を始動する場合、内燃機関が接続されてい
る動力伝達系統に入力される総トルクが増大するので、
内燃機関を駆動するためにトルクが消費されても走行の
ための駆動トルクの低下が防止もしくは抑制され、その
結果、ドライバビリティや乗り心地の悪化が防止され
る。
を説明するためのフローチャートである。
併用してエンジンを始動する場合の各信号や回転数の変
化を概略的に示すタイムチャートである。
までの各要素の配列および制御系統を示す模式図であ
る。
る入出力信号を示す図である。
レーンを示すスケルトン図である。
クラッチおよびブレーキの係合作動表を示す図表であ
る。
ションの配列を示す図である。
3…モータ・ジェネレータ、 5…自動変速機、 11
…コントローラ、 12…総合制御装置。
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関もしくは該内燃機関が接続され
た動力伝達系統にトルクを伝達可能な少なくとも2つの
動力機構を備えた車両における内燃機関の始動制御装置
において、 前記内燃機関の始動の要求の有無を判断する始動判断手
段と、 前記内燃機関を始動することに伴う駆動トルクの低下を
抑制するべき状態を判断する駆動トルク低下抑制判断手
段と、 前記内燃機関の始動要求に基づく内燃機関の始動による
駆動トルクの低下を抑制すべきことが前記駆動トルク低
下抑制判断手段によって判断された場合に前記少なくと
も2つの動力機構を併用して内燃機関を始動させる始動
指示手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の始
動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10321136A JP2000145496A (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | 内燃機関の始動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10321136A JP2000145496A (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | 内燃機関の始動制御装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006288100A Division JP4086077B2 (ja) | 2006-10-23 | 2006-10-23 | 内燃機関の始動制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000145496A true JP2000145496A (ja) | 2000-05-26 |
Family
ID=18129214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10321136A Pending JP2000145496A (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | 内燃機関の始動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000145496A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1998
- 1998-11-11 JP JP10321136A patent/JP2000145496A/ja active Pending
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