JP3988334B2 - 内燃機関用制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガソリンエンジンなどの内燃機関に対する燃料の供給・停止を制御する制御装置に関し、特にモータなどの他の駆動装置によって駆動することのできる内燃機関に対する燃料の供給・停止を制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関は、所定の下限回転数以上の回転数では自律回転することができるが、それ以下の回転数では、燃料の供給を継続してもストールしてしまう。言い換えれば、その所定回転数以上の回転数で外力によって内燃機関が強制回転させられている状態では、内燃機関に対する燃料の供給を停止することができ、その状態で内燃機関の回転数が所定回転数まで低下した際に燃料の供給を再開すれば、内燃機関の自律回転をおこなわせることができる。
【0003】
従来、内燃機関のこのような特性に鑑み、内燃機関を搭載した車両の減速時などにおいて、走行慣性力によって内燃機関が所定回転数以上の回転数で強制回転させられている状態では、燃料の供給を遮断し、車速の低下に伴って内燃機関の回転数が低下した場合に燃料の供給を再開することにより、燃費を向上させ、同時に排ガス量を低減させる制御がおこなわれている。いわゆるフューエルカット制御である。そのフューエルカットをおこなうことのできる期間は、燃料の供給再開によって内燃機関が自律回転をおこなう最低限の回転数に内燃機関の回転数が低下するまでの間である。しかしながら、実際には、内燃機関自体の慣性力や車両の慣性力などの動的要因によってその最低限の回転数まで燃料の供給停止を継続することは困難であり、それより幾分高い回転数で燃料の供給を再開している。
【0004】
従来では、このように燃料の供給を停止可能な回転数が低いにも拘わらず、それより高い回転数で燃料の供給を再開しているので、燃費の向上効果がその分、低くなっていることになる。そこで、特開平6−26372号公報に記載された発明では、内燃機関の回転を電動機で補助することにより、燃料の供給再開回転数を低下させ、燃料の供給停止期間を更に長くして燃費を向上させている。
【0005】
具体的には、この特開平6−26372号公報に記載された発明では、減速時に車両の有する走行慣性力によって発電機能のある電動機を回転させてエネルギーの回生をおこない、同時にエンジンに対する燃料の供給を停止する。燃料の供給を停止しておく最低回転数を、従来の装置で設定されている回転数より低い目標アイドル回転数に設定しておき、車速の低下によってエンジンの回転数が低下し、目標アイドル回転数より高い所定の回転数までエンジン回転数が低下した時点で、回生した電力で電動機を回転させて、エンジンを電動機によって強制的に駆動し、その回転数が目標アイドル回転数程度に安定するまで、燃料の供給を停止する。すなわち、エンジンの強制駆動を電動機で補助しない場合には、エンジンストールに到ってしまう程度の低回転数まで、燃料の供給を停止する。そして、目標アイドル回転数程度にエンジン回転数が安定した時点で燃料の供給を再開する。したがって、回生した電力で電動機を駆動し、その電動機でエンジンを強制的に回転させることにより、燃料供給の停止期間が従来以上に長くなり、その結果、燃費が向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載された装置では、電動機によりエンジンを駆動できるか否かについて考慮されておらず、この点で改良の余地があった。
【0007】
この発明は、上記の技術的課題に着目し、内燃機関に対する燃料の供給停止の期間を長くすることができるとともに、内燃機関の回転停止を確実に防止することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関を駆動することのできる駆動装置と、燃料の供給が停止された状態で回転している前記内燃機関の回転数が予め定めた復帰回転数に低下した場合に内燃機関に対する燃料の供給を再開する燃料供給制御手段とを備えた内燃機関用制御装置において、前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動して前記内燃機関を強制的に回転させることができるか否かを判定する駆動判定手段と、前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できないことが前記駆動判定手段によって判定された場合には前記燃料供給制御手段による燃料の供給再開のための前記復帰回転数を、前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できる場合より高い回転数に設定する燃料供給復帰回転数制御手段とを備え、前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できる場合に前記内燃機関の回転数が前記復帰回転数より更に低下しても前記駆動装置によって回転数を上げるように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0009】
したがって請求項1の発明では、内燃機関が外力によって強制的に回転させられており、かつその回転数が予め定めた復帰回転数以上であれば、内燃機関に対する燃料の供給が停止される。その復帰回転数は、燃料の供給を再開すれば、内燃機関が自律回転を継続できる回転数である。そして駆動装置によって内燃機関を駆動することができない場合には、その復帰回転数が、駆動装置によって内燃機関を駆動できる場合より高い回転数に設定される。すなわち燃料の供給を停止した内燃機関を駆動装置によって駆動できない場合、その内燃機関の回転数が、相対的に高い回転数の復帰回転数にまで低下すると、内燃機関に対する燃料の供給が再開され、その結果、内燃機関を継続して自律回転させることができる。これに対して、駆動装置によって内燃機関を駆動できる場合には、相対的に低い復帰回転数に内燃機関の回転数が低下するまで燃料の供給が停止される。その場合、燃料の供給停止が低回転数にまで継続されていても、内燃機関の回転を駆動装置が補助できるので、万が一、更に内燃機関の回転数が低下しても、回転数を上げて内燃機関の停止(エンスト)を防止することが可能である。
【0010】
さらに、請求項2の発明は、請求項1における前記駆動判定手段が、前記駆動装置に対するエネルギー源の状態に基づいて、前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できるか否かを判定するように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0011】
したがって請求項2の発明では、駆動装置にエネルギーを供給できないなど駆動装置のエネルギー源の異常に対応した燃料の供給再開が可能となり、内燃機関の回転停止が未然に防止される。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記エネルギー源は、バッテリを含み、前記駆動判定手段は、前記バッテリの充電状態が予め定めた基準値以下の場合に前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できないことを判定するように構成されていることを特徴とする内燃機関用制御装置である。
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記エネルギー源は、バッテリを含み、前記駆動判定手段は、前記バッテリの温度が予め定めた基準温度以下の場合に前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できないことを判定するように構成されていることを特徴とする内燃機関用制御装置である。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記内燃機関の回転数が前記復帰回転数にまで低下する直前の状態を判定する手段を更に備え、前記駆動判定手段は前記直前の状態になったときに前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できないことを判定するように構成されていることを特徴とする内燃機関用制御装置である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記内燃機関の出力側に、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータが連結され、前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できることが判定された場合には、前記ロックアップクラッチの係合を許可し、前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できないことが判定された場合には、前記ロックアップクラッチを解放させる手段を更に備えていることを特徴とする内燃機関用制御装置である。
請求項7の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記駆動装置は電動機を含み、その電動機は前記内燃機関の出力側にクラッチを介して連結され、さらにその電動機の出力側にトルクコンバータが連結されるとともに、そのトルクコンバータの出力側に自動変速機が連結されていることを特徴とする内燃機関用制御装置である。
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記駆動装置は、前記内燃機関のクランクシャフトに連結されたモータ・ジェネレータを含むことを特徴とする内燃機関用制御装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図に示す具体例に基づいて説明する。この発明は一例として車両に搭載されている内燃機関を対象とする制御装置に適用することができ、その車両に搭載された内燃機関の一例を示せば、図2のとおりである。図2はハイブリッド車のパワープラントの一例を示しており、車両の動力源としての内燃機関1は、要は、燃料を燃焼させて動力を出力する装置であって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、LPGエンジンなどのいずれかであってよい。また内燃機関1の形式は、レシプロエンジンやロータリーエンジンあるいはタービンエンジンであってもよい。なお、以下の説明では、内燃機関1をエンジン1と記す。
【0013】
エンジン1は、電子スロットルバルブ1Aの開度や燃料噴射量あるいは点火時期などを電気的に制御できるように構成され、さらにエンジン1を始動させるスタータ1Bが設けられている。そして、エンジン1を制御するための電子制御装置(E/G−ECU)8が設けられている。この電子制御装置8は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。以下、各種の電子制御装置が説明されているが、その構成はこのエンジン1用の電子制御装置8とほぼ同様である。そして、この電子制御装置8において、アクセル開度や車速、変速信号、エンジン水温などの入力データに基づいて予め記憶しているプログラムに従って演算をおこない、その演算結果に基づいて制御信号を出力するように構成されている。
【0014】
その制御信号の一例が燃料の供給停止信号(フューエルカット(F/C)信号)である。これは、エンジン1に対する燃料の供給を停止するための信号であって、アクセルペダルを戻した状態で車両が減速していることにより、エンジン1が車両の走行慣性力(すなわち外力)によって強制的に回転させられ、かつその回転数が所定の回転数以上の場合に、エンジン1に対する燃料の供給を停止するようになっている。
【0015】
さらに、エンジン1の出力側に入力クラッチ122を介して、他の駆動力源としての機能を有する電動機(MG)2が接続されている。また、電動機2の出力側にはトルクコンバータ(T/C)4を介して自動変速機3が配置されている。この自動変速機3は、変速機構5と、この変速機構5およびトルクコンバータ4を制御する油圧制御部7とを有している。
【0016】
その電動機2は、要は、電力が供給されてトルクを出力する装置であり、直流モータや交流モータを採用することができ、さらには永久磁石型同期モータなどの発電機能を兼ね備えたいわゆるモータ・ジェネレータを使用することができる。なお、以下の説明では、電動機2をモータ・ジェネレータ2と記す。また、モータ・ジェネレータ2の回転数および回転角度を検出するレゾルバ2Aが設けられている。さらに、モータ・ジェネレータ2には、インバータ9を介してバッテリ10が接続されている。
【0017】
そして、モータ・ジェネレータ2を制御するコントローラとしての電子制御装置(MG−ECU)11が設けられている。この電子制御装置11は、入力されるデータに基づいて演算をおこなって、モータ・ジェネレータ2に供給する電流や周波数、モータ・ジェネレータ2を発電機として用いてバッテリ10に充電する電力、モータ・ジェネレータ2を発電機として機能させる場合の回生制動トルクなどを制御するように構成されている。
【0018】
図3は、この発明のハイブリッド車のパワープラントを示すスケルトン図である。エンジン1のクランクシャフト1Cと、トルクコンバータ4のフロントカバー120が接続されている動力伝達軸121との間に、前記入力クラッチ122が配置されている。この入力クラッチ122は、エンジン1と動力伝達軸121との間の動力伝達状態を制御する機能を有している。図に示す例では、入力クラッチ122として公知の摩擦式クラッチが用いられている。すなわち、入力クラッチ122は、シリンダおよびピストンならびにリターンスプリング(いずれも図示せず)などを有する。そして、入力クラッチ122は、ピストンに作用する油圧により、入力クラッチ122の係合・解放を制御するように構成されている。また、この動力伝達軸121には、モータ・ジェネレータ2のロータ(図示せず)が連結されている。
【0019】
前記トルクコンバータ4は、フロントカバー120に一体的に結合されたポンプインペラ47と、変速機構5の入力軸57に取り付けられたタービンランナ61と、トルクコンバータ4の一部を構成しているケーシング内部のオイルの流れの向きを変えるステータ56と、フロントカバー120と入力軸57との間の動力伝達状態を切り換えるロックアップクラッチ62とを有している。
【0020】
トルクコンバータ4は、このロックアップクラッチ62が解放されることにより流体を介した動力伝達状態になり、これとは反対にロックアップクラッチ62が係合されることにより機械的な動力伝達状態になる。なお、ロックアップクラッチ62が解放された状態では、ステータ56の機能により、ポンプインペラ47からタービンランナ61に伝達されるトルクを増幅することができる。
【0021】
また、トルクコンバータ4と変速機構5との間には、機械式オイルポンプ6が配置されている。この機械式オイルポンプ6の回転軸は、ポンプインペラ47に接続されている。したがって、この機械式オイルポンプ6は、エンジン1またはモータ・ジェネレータ2の動力により駆動することができる。また、車輪(駆動輪)96Aから入力される動力を機械式オイルポンプ6に伝達することにより、機械式オイルポンプ6を駆動することもできる。機械式オイルポンプ6は、入力クラッチ122およびトルクコンバータ4ならびに自動変速機3に供給する油圧の元圧を発生する機能を有している。
【0022】
一方、図3に示す自動変速機3は、前進5段・後進1段の変速段を設定することができるように構成されている。すなわちここに示す自動変速機3は、トルクコンバータ4および機械式オイルポンプ6に続けて副変速部81と、主変速部82とを備えている。その副変速部81は、いわゆるオーバードライブ部であって1組のシングルピニオン型遊星歯車機構83によって構成され、そのキャリヤ84が前記入力軸57に連結され、またこのキャリヤ84とサンギヤ85との間に一方向クラッチF0 と一体化クラッチC0 とが並列に配置されている。なお、この一方向クラッチF0 はサンギヤ85がキャリヤ84に対して相対的に正回転(入力軸57の回転方向の回転)する場合に係合するようになっている。またサンギヤ85の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。そしてこの副変速部81の出力要素であるリングギヤ86が、主変速部82の入力要素である中間軸87に接続されている。
【0023】
したがって副変速部81においては、一体化クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車機構83の全体が一体となって回転するため、中間軸87が入力軸57と同速度で回転し、低速段となる。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ85の回転を止めた状態では、リングギヤ86が入力軸57に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0024】
他方、主変速部82は三組の遊星歯車機構88,89,90を備えており、それらの回転要素が以下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構88のサンギヤ91と第2遊星歯車機構89のサンギヤ92とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機構88のリングギヤ93と第2遊星歯車機構89のキャリヤ94と第3遊星歯車機構90のキャリヤ95との三者が連結され、かつそのキャリヤ95に出力軸96(自動変速機3の出力部材)が連結されている。この出力軸96が、動力伝達装置(図示せず)を介して車輪96Aに接続されている。さらに第2遊星歯車機構89のリングギヤ97が第3遊星歯車機構90のサンギヤ98に連結されている。
【0025】
この主変速部82の歯車列では後進段と前進側の四つの変速段とを設定することができ、そのためのクラッチおよびブレーキが以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されている第2遊星歯車機構89のリングギヤ97および第3遊星歯車機構90のサンギヤ98と中間軸87との間に第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第1遊星歯車機構88のサンギヤ91および第2遊星歯車機構89のサンギヤ92と中間軸87との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0026】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構88および第2遊星歯車機構89のサンギヤ91,89の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ91,89(すなわち共通サンギヤ軸)とトランスミッションハウジング20との間には、第1一方向クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ91,89が逆回転(入力軸57の回転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合するようになっている。多板ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構88のキャリヤ99とトランスミッションハウジング20との間に設けられている。
【0027】
そして第3遊星歯車機構90のリングギヤ100の回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがトランスミッションハウジング20との間に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ100が逆回転しようとする際に係合するようになっている。上述した各変速部81,82の回転部材のうち副変速部81のクラッチC0 の回転数を検出するタービン回転数センサ101と、出力軸96の回転数を検出する出力軸回転数センサ102とが設けられている。上記変速機構5の一部を構成する各種のクラッチやブレーキには、いわゆる湿式油圧多板クラッチが用いられている。
【0028】
上記の自動変速機3では、各クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を、図4に示すように係合・解放することにより、前進第1段ないし第5段の変速段と、後進1段の変速段とを設定することができる。すなわち、自動変速機3は、その変速比を段階的に変更することのできる、いわゆる有段式の自動変速機である。なお、図4において、○印は摩擦係合装置が係合されることを意味し、空欄は摩擦係合装置が解放されることを意味し、◎印は、エンジンブレーキ時に摩擦係合装置が係合されることを意味し、△印は摩擦係合装置が係合されるものの、その摩擦係合装置は動力伝達に関係しないことを意味している。
【0029】
一方、図2に示すように、自動変速機3の変速比の制御範囲を設定するシフトレバー127Aが設けられている。このシフトレバー127Aと油圧制御部7とが機械的に連結されている。このシフトレバー127Aの操作により選択されるシフトポジションの一例が図5に示されている。すなわち、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジション、“4”ポジション、“3”ポジション、“2”ポジション、Lポジションを選択することができる。
【0030】
そして、シフトレバー127Aの操作により、非走行ポジション、例えばPポジションまたはNポジションが選択された場合は、自動変速機3が、入力部である入力軸57と出力部である出力軸96との間で動力(トルク)の伝達ができない状態になる。すなわちトルク伝達経路が成立しない。また、走行ポジション、例えば、Rポジション、Dポジション、“4”ポジション、“3”ポジション、“2”ポジション、Lポジションのうちのいずれかが選択された場合は、自動変速機3が、入力部である入力軸57と出力部である出力軸96との間で動力の伝達をおこなうことができる状態になる。すなわちトルク伝達経路が成立する。
【0031】
ここで、Dポジションは車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基づいて、自動変速機3で前進第1速ないし第5速のいずれかを設定するためのポジションであり、また“4”ポジションは、第1速ないし第4速のいずれか、“3”ポジションは第1速ないし第3速のいずれか、“2”ポジションは第1速または第2速、Lポジションは第1速をそれぞれ設定するためのポジションである。“3”ポジションないしLポジションは、車両の惰力走行状態、つまりコースト状態でエンジンブレーキレンジを設定するポジションであり、それぞれのポジションで設定可能な変速段のうち最も高速側の変速段でエンジンブレーキを効かせるように構成されている。このエンジンブレーキ力は、図4の図表において、各変速段で「◎」印に対応する摩擦係合装置の係合により強められる。これら「◎」印に対応する摩擦係合装置は、各一方向クラッチに対して並列に設けられている。
【0032】
また、図に示す例では、自動変速機3の変速比を、電子制御装置12に入力される信号に基づいて自動的に制御することのできる自動変速制御状態と、手動操作により制御することのできる手動変速制御状態とを相互に切り換えることができる。図6は、スポーツモードスイッチ76を示し、このスポーツモードスイッチ76は、例えばインストルメントパネル(図示せず)付近またはコンソールボックス(図示せず)付近などに配置されている。このスポーツモードスイッチ76がオンされると、前記手動変速制御状態が設定され、スポーツモードスイッチ76がオフされると、手動変速制御状態が解除される。
【0033】
ところで、図2に示すハイブリッド車には、前記機械式オイルポンプ6とは別の電動オイルポンプ110が設けられている。また、電動オイルポンプ110を駆動するための電動機110Aが設けられ、さらにその電動機110Aにはインバータ110Cを介してバッテリ110Bが接続されている。そして、インバータ110Cおよびバッテリ110Bを制御するコントローラとしての電子制御装置(ECU)110Dが設けられている。この電子制御装置110Dは、入力されるデータに基づいて演算をおこなって、電動機110Aを制御するように構成されている。この電動機110Aの回転数を制御することにより、電動オイルポンプ110の吐出量が増減される。そして、電動オイルポンプ110は、エンジン1の停止時などに駆動されるもので、機械式オイルポンプ6の機能と同じ機能を有している。
【0034】
つまり、機械式オイルポンプ6および電動オイルポンプ110は、共に、自動変速機3およびトルクコンバータ4ならびに入力クラッチ122などの油圧式動作システムに供給される油圧の油圧源となっている。図7は、油圧制御部7を構成する油圧回路のうち、自動変速機3の摩擦係合装置および入力クラッチ122に対応する油圧回路の一部を示す図である。
【0035】
すなわち、オイルパン123とチェックボール機構150との間の油路には、機械式オイルポンプ6および電動オイルポンプ110が相互に並列に配置されている。チェックボール機構150の出力側にはプライマリレギュレータバルブ124が接続され、このプライマリレギュレータバルブ124の出力側には、マニュアルバルブ125および入力クラッチコントロールソレノイド(リニアソレノイド)126が相互に並列に接続されている。マニュアルバルブ125の出力ポートには、第1クラッチC1 および第2クラッチC2 が接続されている。このマニュアルバルブ125はシフトレバー127Aの操作により動作し、マニュアルバルブ125の動作により、マニュアルバルブ125と第1クラッチC1 および第2クラッチC2 とを接続するポートが開閉される。なお、第1クラッチC1 とマニュアルバルブ125との間にアキュムレータ(図示せず)を設けるとともに、第2クラッチC2 とマニュアルバルブ125との間にアキュムレータ(図示せず)を設けることもできる。また、入力クラッチコントロールソレノイド126の出力ポートには、入力クラッチ122が接続されている。したがって入力クラッチ122を、マニュアルバルブ125の動作状態に関係なく制御できるようになっている。
【0036】
そして、機械式オイルポンプ6および電動オイルポンプ110により、オイルパン123のオイルが汲み上げられるとともに、吐出圧の高いポンプの油圧が、チェックボール機構150を経由してプライマリレギュレータバルブ124の入力ポートに供給される。そして、プライマリレギュレータバルブ124により、ライン圧が、スロットル開度あるいはアクセル開度に応じた圧力に調圧される。このプライマリレギュレータバルブ124から出力される油圧が、マニュアルバルブ125の動作により、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 に供給される。なお、前記アキュムレータにより、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 に供給される油圧の急激な立ち上がりが抑制される。
【0037】
また、プライマリレギュレータバルブ124から出力された油圧が、入力クラッチコントロールソレノイド126の動作により入力クラッチ122に作用する。このように、入力クラッチコントロールソレノイド126は、入力クラッチ122とプライマリレギュレータバルブ124とを接続する油路に設けられており、入力クラッチ126に作用する油圧が、入力クラッチコントロールソレノイド126の機能により直接的に、すなわちマニュアルバルブ125の動作状態に関係なく制御される。したがって、入力クラッチコントロールソレノイド126以外に格別の部品を設ける必要がなく、自動変速機3の製造コストを低減することができる。
【0038】
一方、図2に示すように、エンジン1のクランクシャフト1Cには、伝動機構127を介してモータ・ジェネレータ(MG)128が連結されている。モータ・ジェネレータ128は、その動力をエンジン1を介して車輪96Aに伝達する動力源としての機能と、エアコン用コンプレッサなどの補機(図示せず)を駆動する機能と、エンジン1の動力により駆動される発電機としての機能とを有している。この伝動機構127は、遊星歯車機構(図示せず)、およびこの遊星歯車機構によるトルク伝達状態を切り換える摩擦係合装置(図示せず)ならびに一方向クラッチ(図示せず)などを有する減速機構(図示せず)を備えている。また、伝動機構127は、エンジン1とモータ・ジェネレータ128との間の動力伝達経路を接続・遮断するクラッチ機構(図示せず)を備えている。また、モータ・ジェネレータ128には、インバータ129を介してバッテリ130が電気的に接続されているとともに、インバータ129およびバッテリ130を制御する電子制御装置(MG−ECU)131が設けられている。
【0039】
図8には、上記ハイブリッド車のシステムを総合的に制御する総合制御装置(ECU)104が示されている。そして、図2に示された各種の電子制御装置8,11,12,110D,131と総合制御装置104とが相互にデータ通信可能に接続されている。そして、エンジン1、伝動機構127の減速機構、モータ・ジェネレータ2,128、自動変速機3およびロックアップクラッチ62ならびに油圧制御部7、入力クラッチ122などの各装置は、車両の状態を示す各種のデータに基づいて制御される。
【0040】
具体的には、総合制御装置104に各種の信号を入力し、その入力された信号に基づく演算結果を制御信号として出力するようになっている。この総合制御装置104には、ミリ波レーダ装置からの信号、ABS(アンチロックブレーキ)コンピュータからの信号、車両安定化制御(VSC:商標)コンピュータからの信号、エンジン回転数NE 、エンジン水温、イグニッションスイッチからの信号、バッテリ10,130のSOC(State of Charge:充電状態)およびモータ・ジェネレータ2,128の温度などを含む機能検出信号が入力される。
【0041】
また、総合制御装置104には、ヘッドライトのオン・オフ信号、デフォッガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速(出力軸回転数)信号、油温センサ3Aの信号、シフトポジションセンサの信号、サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキのオン・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度、アクセル開度、カム角センサからの信号、スポーツシフト信号、車両加速度センサからの信号、駆動力源ブレーキ力スイッチからの信号、タービン回転数NT センサからの信号、レゾルバ2Aの信号などが入力される。
【0042】
また、出力信号の例を挙げると、点火信号、噴射(燃料の噴射)信号、前記モータ・ジェネレータ2,128を制御するコントローラとしての電子制御装置11,131への信号、伝動機構127における減速機構またはクラッチ機構に対する制御信号、ATソレノイドへの信号、ATライン圧コントロールソレノイドへの信号、ABSアクチュエータへの信号、入力クラッチコントロールソレノイド126に対する制御信号、スポーツモードインジケータへの信号、VSCアクチュエータへの信号、ATロックアップコントロールバルブへの信号、電動オイルポンプ110を制御する電子制御装置110Dに対する信号などである。
【0043】
ここで、上記の具体例の構成とこの発明の構成との対応関係をまとめて説明すると、エンジン1がこの発明の内燃機関に相当し、上記のモータ・ジェネレータ2もしくはモータ・ジェネレータ128がこの発明の駆動装置に相当し、さらにエンジン1用の電子制御装置8がこの発明における燃料供給制御手段に相当する。そして、バッテリ10,130やインバータ9,129がこの発明の駆動装置に対するエネルギー源に相当する。
【0044】
上記のエンジン1は、外力によって強制的に回転させられ、かつその回転数が所定の回転数以上であれば、燃料の供給が停止させられる。その回転数は、燃料の供給を再開することによりエンジン1が自律回転可能な回転数であり、したがって燃料の供給を再開してもエンジン1が自律回転できない程度の低回転数になる直前に燃料の供給が再開される。その燃料供給を再開するエンジン1の回転数すなわちフューエルカット復帰回転数は、モータ・ジェネレータ2(もしくは128)によってエンジン1を駆動できる場合とできない場合とで異なる値に設定されている。以下、その具体的な制御について説明する。
【0045】
図1はその制御例を説明するためのフローチャートであって、入力信号の処理(ステップS1)をおこなった後に、エンジン1の使用状態か否かが判断される(ステップS2)。すなわち、上記のハイブリッド車では、走行状態に応じてエンジン1とモータ・ジェネレータ2とが使い分けられるので、ステップS2ではエンジン1を使用した走行状態か否かが判断される。図9にエンジン1とモータ・ジェネレータ2との使用領域をアクセル開度と車速ならびに変速段とで設定したマップを示してある。ここに示すDポジションの例では、第1速が設定されている状態で車速および低スロットル開度の状態でモータ・ジェネレータ2が駆動力源として使用され、それ以外の走行状態では、エンジン1が駆動力源として使用されるようになっている。
【0046】
ステップS2で否定的に判断された場合には特の制御をおこなうことなくリターンし、また反対に肯定的に判断された場合には、減速状態か否かが判断される(ステップS3)。これは、例えば前回検出した車速と今回検出した車速とを比較することにより判断することができる。エンジン1に対する燃料の供給停止は減速状態で実行するので、ステップS3で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくリターンし、また反対に肯定的に判断された場合には、エンジン1に対する燃料の供給が停止されているか否か、すなわちフューエルカット中か否かが判断される(ステップS4)。減速中であっても車速が充分低い場合やエンジン1の温度が低いなどの場合には燃料の供給が継続され、その場合、ステップS4で否定的に判断され、制御プロセスはリターンする。これに対してエンジン1に対する燃料の供給が停止されていることによりステップS4で肯定的に判断された場合には、エンジン回転数Ne が第1のフューエルカット復帰回転数Ne1より所定回転数ΔNe 高い回転数もしくはそれ以上の回転数から低下してきたか否かが判断される(ステップS5)。なお、この所定回転数ΔNe は、変速比やエンジン回転数の変化率に応じて変更してもよい。その場合、エンジン回転数の変化率が大きいほど、ΔNe を大きい値に設定する。ここで、ステップS5を設けたのは、以下の肯定判断に続く判断ステップを、できるだけフューエルカット復帰直前で実施することを目的としていることによる。
【0047】
ステップS5で否定的に判断された場合にはリターンし、従前の制御状態を維持する。これに対してステップS5で肯定的に判断された場合には、バッテリ10,130の充電状態(SOC:Statee of Charge)が予め定めた基準値Lo %以下か否かが判断される(ステップS6)。すなわち駆動装置であるモータ・ジェネレータ2,128に対するエネルギー源としてのバッテリ10,130が、モータ・ジェネレータ2,128に対して電力を供給できない状態が生じているか否かが判断される。バッテリ10,130のSOCが充分高いことによりステップS6で否定的に判断されると、バッテリ温度が所定の基準温度TLO以下か否かが判断される(ステップS7)。この基準温度TLOはバッテリ10,130が充分に電力を出力できない程度の低温度であり、したがってステップS7では、ステップS6と同様に、駆動装置であるモータ・ジェネレータ2,128に対するエネルギー源としてのバッテリ10,130が、モータ・ジェネレータ2,128に対して電力を供給できない状態が生じているか否かを判断することになる。
【0048】
バッテリ10,130の温度が充分高いことによりステップS7で否定的に判断されると、モータ・ジェネレータ2,128が駆動力を出力可能か否かが判断される(ステップS8)。すなわち例えば、モータ・ジェネレータ2,128自体のフェールが判断される。モータ・ジェネレータ2,128が出力可能である場合、すなわちモータ・ジェネレータ2,128によってエンジン1を強制的に回転させることが可能であれば、ステップS8で肯定的に判断される。そして、フューエルカット復帰回転数が第2の回転数Ne2に設定される(ステップS9)。この第2のフューエルカット復帰回転数Ne2は、前述した第1のフューエルカット復帰回転数Ne1より小さい低い回転数である。第2のフューエルカット復帰回転数Ne2以上の回転数であれば、燃料の供給を再開することによりエンジン1を自律回転させることができる。
【0049】
また、フューエルカット回転数を上記の第2の回転数Ne2に設定した後に、ロックアップクラッチ62の係合を許可する(ステップS10)。具体的には、条件が整い、ロックアップクラッチ62が係合していれば、そのまま継続する。ロックアップクラッチ62が解放中であれば、そのまま解放状態を継続する。車両の有する走行慣性力を出来るだけエンジン1に伝達してその回転数を高く維持し、それに伴って燃料の供給停止期間を可及的に長くするためである。
【0050】
一方、この発明の駆動装置に相当するモータ・ジェネレータ2,128に対するエネルギー源であるバッテリ10,130が充分に電力を出力できない状態の場合、すなわちステップS6やステップS7で肯定的に判断された場合、またモータ・ジェネレータ2,128自体にフェールが生じるなどのことによって駆動力を出力できないためにステップS8で否定的に判断された場合には、フューエルカット復帰回転数として第1の回転数Ne1が設定される(ステップS11)。この第1のフューエルカット復帰回転数Ne1は、従来一般に採用されている回転数程度の回転数であって、燃料の供給の再開によってエンジン1が自律回転をおこなうことのできる程度の回転数であるが、比較的余裕を見た値となっており、上記の第2のフューエルカット復帰回転数Ne2より高い回転数である。
【0051】
そして、ロックアップクラッチ62を解放させる制御が実行される(ステップS12)。エンジン1の回転数が低下してもモータ・ジェネレータ2,128がその回転を補助できる場合に比べて相対的に高い回転数で燃料の供給が再開される。
【0052】
上記の制御をおこなった場合のフューエルカット信号とエンジン回転数Ne との変化を図10に示してある。図10において、ある程度高い車速で走行している途中のt0 時点にアクセルペダルが完全に戻されると、その時点でフューエルカット信号(F/C)がONとなり、エンジン1に対する燃料の供給が停止される。その減速時には、エネルギーの回生をおこなうから、ロックアップクラッチ62が係合させられ、したがってエンジン回転数Ne は車速の低下と共に次第に低下する。また、特に問題が生じていず、かつバッテリ10,130のSOCに充電の余裕があれば、モータ・ジェネレータ2,128のいずれかがエネルギーの回生のために発電機として機能させられ、バッテリ10,130に対する充電がおこなわれる。
【0053】
そして、エンジン回転数Ne が第2のフューエルカット復帰回転数Ne2以下に低下したt1 時点でフューエルカット信号がオフとなってエンジン1に対する燃料の供給が再開される。これに対してモータ・ジェネレータ2,128によってエンジン1を駆動できない場合には、エンジン回転数Ne が第1のフューエルカット回転数Ne1に低下したt2 時点にフューエルカット信号がオフになってエンジン1に対する燃料の供給が再開される。
【0054】
したがってモータ・ジェネレータ2,128がエンジン1の回転を補助できる場合には、エンジン1に対する燃料の供給停止期間が長くなって燃費を向上させることができる。また、モータ・ジェネレータ2,128によってエンジン1の回転を補助することができない場合には、相対的に高い第1のフューエルカット復帰回転数Ne1までエンジン回転数Ne が低下した時点でエンジン1に対する燃料の供給が再開されるので、エンジンストールに到ることを未然に回避することができる。
【0055】
ここで上述した具体例とこの発明との関係を説明すると、図1におけるステップS6,S7,S8を実行する機能的手段が、この発明における駆動判定手段に相当し、またステップS9,S11の制御を実行する機能的手段が、この発明における燃料供給復帰回転数制御手段に相当する。
【0056】
なお、上述した具体例では、エンジン1とモータ・ジェネレータ2とを駆動力源とするハイブリッド車を例に採って説明したが、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、例えば車両の停止時にエンジンを自動的に停止し、かつ発進時に自動的にエンジンを始動するいわゆるエコラン車であってもよい。要は、エンジン1の回転を補助することのできる駆動装置を備えていればよい。また、この発明の駆動判定手段は、駆動装置自体の異常の有無によって、駆動装置で内燃機関を駆動できるか否かを判定するように構成してもよい。このような構成であれば、駆動装置に異常が生じることにより、内燃機関に対する燃料の供給停止が、相対的に高い回転数で終了し、燃料の供給が再開される。そのため、駆動装置の異常に対応した燃料の供給再開が可能となり、内燃機関の回転停止が未然に防止される。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、燃料の供給を停止した内燃機関を駆動装置によって駆動できない場合、その内燃機関の回転数が、相対的に高い回転数の復帰回転数にまで低下すると、内燃機関に対する燃料の供給が再開され、その結果、内燃機関を継続して自律回転させることができ、これに対して、駆動装置によって内燃機関を駆動できる場合には、相対的に低い復帰回転数に内燃機関の回転数が低下するまで燃料の供給が停止されるので、燃料の供給停止期間を長くして燃費の向上を図ることができるとともに、内燃機関を駆動装置で駆動できる場合に、内燃機関の回転数が復帰回転数より更に低下しても駆動装置によって内燃機関の回転数を上げるので、内燃機関が停止することを未然に回避することができる。
【0058】
さらに、請求項2の発明によれば、駆動装置にエネルギーを供給できないなど駆動装置のエネルギー源に対応した燃料の供給再開が可能となるので、内燃機関の回転停止を未然に防止することができる。
そして、請求項3ないし8のいずれかの発明によれば、上記の請求項1または2の発明と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置で実行される制御例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 この発明で対象とする内燃機関を搭載したハイブリッド車のパワートレーンおよび制御系統を模式的に示すブロック図である。
【図3】 図2に示すパワープラントを具体化したスケルトン図である。
【図4】 図3の自動変速機の各変速段を設定するためのクラッチおよびブレーキの係合・解放を示す図表である。
【図5】 図2に示す自動変速機を制御するシフトレバーの操作により選択されるシフトポジションを示す概念図である。
【図6】 図2に示す自動変速機の変速段を手動操作により変更できる状態を設定・解除するためのスポーツモードスイッチを示す概念図である。
【図7】 図2に示す油圧制御部の油圧回路の要部を示す図である。
【図8】 この発明の一例における総合制御装置における入出力信号を示す図である。
【図9】 エンジンおよびモータ・ジェネレータを駆動力源として動作させる走行領域を定めたマップの一例を示す図である。
【図10】 図1に示す制御を実行した場合のエンジン回転数およびフューエルカット信号の変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、 2,128…モータ・ジェネレータ、 8…電子制御装置、9,129…インバータ、 10,130…バッテリ。

Claims (8)

  1. 内燃機関を駆動することのできる駆動装置と、燃料の供給が停止された状態で回転している前記内燃機関の回転数が予め定めた復帰回転数に低下した場合に内燃機関に対する燃料の供給を再開する燃料供給制御手段とを備えた内燃機関用制御装置において、
    前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動して前記内燃機関を強制的に回転させることができるか否かを判定する駆動判定手段と、
    前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できないことが前記駆動判定手段によって判定された場合には前記燃料供給制御手段による燃料の供給再開のための前記復帰回転数を、前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できる場合より高い回転数に設定する燃料供給復帰回転数制御手段と
    を備え、
    前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できる場合に前記内燃機関の回転数が前記復帰回転数より更に低下しても前記駆動装置によって回転数を上げるように構成されていることを特徴とする内燃機関用制御装置。
  2. 前記駆動判定手段が、前記駆動装置に対するエネルギー源の状態に基づいて、前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できるか否かを判定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用制御装置。
  3. 前記エネルギー源は、バッテリを含み、前記駆動判定手段は、前記バッテリの充電状態が予め定めた基準値以下の場合に前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できないことを判定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用制御装置。
  4. 前記エネルギー源は、バッテリを含み、前記駆動判定手段は、前記バッテリの温度が予め定めた基準温度以下の場合に前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できないことを判定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用制御装置。
  5. 前記内燃機関の回転数が前記復帰回転数にまで低下する直前の状態を判定する手段を更に備え、前記駆動判定手段は前記直前の状態になったときに前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できないことを判定するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の内燃機関用制御装置。
  6. 前記内燃機関の出力側に、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータが連結され、
    前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できることが判定された場合には、前記ロックアップクラッチの係合を許可し、前記駆動装置によって前記内燃機関を駆動できないことが判定された場合には、前記ロックアップクラッチを解放させる手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の内燃機関用制御装置。
  7. 前記駆動装置は電動機を含み、その電動機は前記内燃機関の出力側にクラッチを介して連結され、さらにその電動機の出力側にトルクコンバータが連結されるとともに、そのトルクコンバータの出力側に自動変速機が連結されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の内燃機関用制御装置。
  8. 前記駆動装置は、前記内燃機関のクランクシャフトに連結されたモータ・ジェネレータを含むことを特徴とする請求項7に記載の内燃機関用制御装置。
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