JP4134402B2 - 車両の減速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータを発電機として作用させることにより回生制動を行う機構を備えた車両の減速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両において、エンジンとモータとを備えた構成のものとして、特開平9−9415号公報に記載されたハイブリット車両が知られている。このハイブリット車両は、回生制動を利用した車両の減速走行時に多段変速機の変速段を高速段側にシフトアップして回生制動トルクを増加させるものである。
【0003】
例えば、多段変速機が3速段を達成してエンジンが非駆動状態で走行している状態(つまりアクセルをオフにしてエンジン制動を使用しながら走行する状態)と、多段変速機が5速段を達成してエンジンが非駆動状態で走行している状態とでは、3速段で走行している時の方が5速段で走行している時に比べてエンジン回転数が高くなり、従って車両の持つ運動エネルギの一部がエンジン制動によって熱エネルギに変換される量が多くなる。
【0004】
従来技術では、車両の持つ運動エネルギがエンジン制動による熱エネルギと回生制動による回生エネルギに変換される場合、相対的にエンジン制動による熱エネルギの部分を減らし回生エネルギの部分を多くしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術は専ら回生制動により回収される電力を大きくする技術であり、各変速段で所望の車両減速度が得られるようにするものではない。
【0006】
また、近年ではエンジンの燃料消費量を低減する目的で、変速機やディファレンシャルギヤ等を含めたパワートレーン全体としてのトータルギヤ比がハイギヤード化されてきている。
【0007】
よってハイギヤード化されたパワートレーンを有する車両において、自動変速機の変速段が高速段となれば、エンジン制動による制動トルクが小さくなり、従来技術のように変速段を高速段にして回生制動トルクを大きくするようにしてもエンジン制動による制動トルクと回生制動トルクとの両方による制動トルクが、変速段が5速段や4速段などの高速段状態では車両を十分に減速することができないものになっている場合がある。
【0008】
このような場合には、回生制動を利用していても車両の減速度が小さいため降坂路で車両が減速せず、運転者が制動装置の操作ペダルを踏み込んだり、変速機の変速段を手動で低速段にするなどの制動操作を頻繁に行わなければならなくなる。
【0009】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、フットブレーキ等の一般的な制動装置やエンジンの摩擦を用いた制動手段に加えてモータを発電機として作用させることにより回生制動を行う手段を備えた車両において、車両の減速走行時に運転者が煩雑な制動操作を行わずに所望の車両減速度を得ることができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明にかかる車両の減速制御装置は、エンジンと変速機とモータ・ジェネレータとを備えた車両の減速制御装置であって、前記モータ・ジェネレータを発電機として作用させることにより回生制動を行う回生制動手段と、前記変速機の変速比を認識する変速比認識手段と、変速比ごとに車両減速度が異なり、変速比が高速比ほど車両減速度が小さくなるように構成されたものにおいて、車両が減速走行状態にある時に、変速比認識手段によって認識された変速比において車両の減速度が所望の減速度となるように回生制動トルクを定めるようにした。
【0011】
このように構成された減速制御装置では、回生制動トルク制御手段は、車両の減速走行時に、変速比認識手段によって認識された変速比に基づいて、その変速比において車両減速度が所望の減速度となるように回生制動トルクが付与される。これにより車両はどの変速比においても所望の減速度で減速されるようになり、下り坂などで運転者による煩雑な制動操作が避けられる。
【0012】
例えば、回生制動トルク制御手段は、変速機の変速比がより小さくなるほど回生制動トルクが大きくなるよう制御を行い、回生制動トルクの大きさはどの変速比においても車両が所望の減速度を達成する大きさに制御される。
【0013】
また、回生制動トルク制御手段は、車速に応じて付与する回生制動トルクの大きさを制御するようにしてもよい。例えば、車速が高くなるほど付与する回生制動トルクを大きくし、車速が低くなるほど付与する回生制動トルクを小さくするようにしてもよい。
【0014】
また、本発明にかかる減速制御装置は、車両が走行する走行路の状態を検出する走行路状態検出手段を備え、回生制動トルク制御手段は、前記走行路状態検出手段によって認識された走行路状態と前記変速比認識手段によって認識された変速比とに基づいて、回生制動トルクの大きさを制御するようにしてもよい。
【0015】
すなわち、例えば走行路が降坂路である場合には、回生制動トルク制御手段は、車両減速度を走行路が平坦路である場合より回生制動トルクを大きくする。そして、回生制動トルクは変速比に応じてその大きさが変えられる。このようにすれば、どの変速比においても車両減速度が所望のものになるとともに、降坂路での車両減速度が平坦路に比べてより大きくなるため、車両が坂道でも減速されるようになる。
【0016】
また、本発明にかかる減速制御装置は、付与する回生制動トルクに関する情報をマニュアル操作で入力できる入力手段を備え、回生制動トルク制御手段は、入力された回生制動トルクに関する情報に基づいて回生制動トルクを制御するようにしてもよい。
【0017】
すなわち、付与する回生制動トルクに関する情報を入力することによって、回生制動トルクの大きさが手動で適宜調節されるようにする。
また、本発明にかかる車両の減速制御装置は、前記変速機の変速モードを認識する手段を備え、前記回生制動トルク制御手段は、認識した変速モードに応じて回生制動トルクを制御するようにしてもよい。
【0018】
このように構成された減速制御装置では、車両の減速走行時に変速モードに基づいて回生制動トルクが制御される。
例えば、変速モードがスポーツモードである場合には、変速モードが通常の変速モードである場合に比べて回生制動トルクが大きくなるように制御が行われ、車両減速度が大きくなる。従って、変速モードに応じた減速感が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面に基づいて説明する。
〈実施の形態1〉
図1は、本発明に係る減速制御装置を適用する装置の全体像を示す構成図である。図1に示したように、エンジン(E/G)1には、変速機としての自動変速機(オートマチック・トランスミッション:A/T)2が連結されている。
【0020】
自動変速機(A/T)2は、例えば、図2に示すように、エンジン1の動力を車輪10に伝達するため、エンジンの動力をクランクシャフトに連結されたポンプインペラ302の回転によって流体の運動エネルギに変換し、この流体の流れによる運動エネルギをステータ304を介してタービンランナ303に伝達するトルクコンバータ301と、タービンランナ303に連結された出力軸の回転速度を車両の走行状態に応じて変速する歯車変速機とを備えている。
【0021】
前記タービンランナ303に連結された出力軸には、歯車変速機の入力軸28(インプットシャフト)が連結されている。歯車変速機は、遊星歯車機構、クラッチ、ブレーキ等を組み合わせて構成され、変速段の選択と前進/後進の選択を行うようになっている。
【0022】
尚、トルクコンバータ301は、ロックアップクラッチ305を備え、車速が一定値以上になると前記ロックアップクラッチ305を係合させることにより、エンジン1の出力軸とトルクコンバータ301の出力軸とを直結するようになっている。
【0023】
そして、自動変速機(A/T)2の歯車変速機は、トルクコンバータ301に連結された副変速部21と、この副変速部21に続く主変速部22とを備えている。前記トルクコンバータ301に連結された歯車変速機の入力軸28は、副変速部21を構成するオーバードライブ用遊星歯車機構29のキャリヤ30に連結されている。
【0024】
前記遊星歯車機構29は、リングギヤ32と、このリングギヤ32内に配置されたサンギヤ31と、このサンギヤ31と前記リングギヤ32との間に配置され、キャリヤ30によって保持されたピニオンギヤ(図示せず)とを有し、ピニオンギヤがサンギヤ31とリングギヤ32とに噛合しつつサンギヤ31の周囲を相対回転するように構成されている。
【0025】
キャリヤ30とサンギヤ31との間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 とが設けられている。尚、この一方向クラッチF0 はサンギヤ31がキャリヤ30に対して相対的に正回転(入力軸28の回転方向に回転)する場合に係合するようになっている。
【0026】
また、副変速部21には、サンギヤ31の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。副変速部21の出力要素であるリングギヤ32は、主変速部22の入力要素である中間軸33に接続されている。
【0027】
従って、副変速部21では、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態のときに遊星歯車機構29の全体が一体となって回転するため、中間軸33が入力軸28と同速度で回転し、低速段が達成される。またブレーキB0 が係合してサンギヤ31の回転が止められた状態では、リングギヤ32が入力軸28に対して増速されて正回転し、高速段が達成される。
【0028】
主変速部22は、遊星歯車機構29と同一構造の三組の遊星歯車機構40、50、60を備えており、それらの回転要素が以下のように連結されている。すなわち、第1遊星歯車機構40のサンギヤ41と第2遊星歯車機構50のサンギヤ51とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機構40のリングギヤ43と第2遊星歯車機構50のキャリヤ52と第3遊星歯車機構60のキャリヤ62との三者が連結され、かつキャリヤ62に出力軸65が連結されている。さらに第2遊星歯車機構50のリングギヤ53が第3遊星歯車機構60のサンギヤ61に連結されている。
【0029】
上記した主変速部22の歯車列では前進5段と後進2段の変速段を達成することができ、そのためのクラッチおよびブレーキが以下のように設けられている。先ず、クラッチについて述べると、互いに連結されている第2遊星歯車機構50のリングギヤ53および第3遊星歯車機構60のサンギヤ61と中間軸33との間に第1クラッチC1(前進クラッチ)が設けられている。また、互いに連結された第1遊星歯車機構40のサンギヤ41および第2遊星歯車機構50のサンギヤ51と中間軸33との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0030】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構40および第2遊星歯車機構50のサンギヤ41、51の回転を止めるように配置されている。また、これらのサンギヤ41、51(すなわち共通サンギヤ軸)とケーシング66との間には、第1一方向クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ41、51が逆回転(入力軸28の回転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合するようになっている。
【0031】
第1遊星歯車機構40のキャリヤ42とケーシング66との間には、多板ブレーキである第3ブレーキB3 が設けられている。そして第3遊星歯車機構60のリングギヤ63の回転を止める手段として、多板ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシング66との間に並列に配置されている。前記第2一方向クラッチF2 はリングギヤ63が逆回転(入力軸28の回転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合するようになっている。なお、図2において、S1はタービン回転数センサであり、S2は出力軸回転センサである。
【0032】
このような自動変速機(A/T)2では、各クラッチやブレーキを図3の作動表に示すように係合・解放することにより前進5段・後進2段の変速段を設定することができる。なお、図3において○印は係合状態、◎印はエンジン制動時の係合状態、△印は係合するが動力伝達には関係のない状態、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0033】
また、自動変速機(A/T)2における変速段の選択は、車室内に設置されたセレクトレバー(図示せず)により行えるようになっている。セレクトレバーのポジション配列は、図4に示すように、パーキング(P)ポジションに続けてリバース(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション、次いでドライブ(D)ポジションが配置され、これらの配列方向に対して垂直方向の位置にドライブ(D)ポジションに続けてマニュアル(M)ポジションが配置されている。続いて、パーキング(P)ポジションからドライブ(D)ポジションまでの配列方向と平行に、マニュアル(M)ポジションに続けて3ポジションが配置され、これらの配列方向に対して斜め方向に、3ポジションに続けて2ポジション、次いでロー(L)ポジションが配置されている。
【0034】
これらのポジションのうち、Rポジションでは後進2段の変速段が選択され、Dポジションでは1速〜5速までの前進5段の変速段が走行状態に応じて選択され、4ポジションでは1速〜4速までの前進4段の変速段が走行状態に応じて選択され、3ポジションでは1速〜3速までの前進3段の変速段が走行状態に応じて選択され、次いで2ポジションでは1速〜2速までの前進2段の変速段が走行状態に応じて選択され、さらにLポジションでは1速のみの前進1段の変速段が選択される。
【0035】
また、Mポジションでは、変速モードがスポーツモードとなり、図5に示すように車室内のステアリングホイール70のスポーク部の表面に設けられたシフトダウンスイッチ71と前記スポーク部の裏面に設けられたシフトアップスイッチ72とが操作されたときにダウンシフト及びアップシフトが可能となる。
【0036】
ここで図1に戻り、自動変速機(A/T)2の出力軸は、プロペラシャフト6と接続され、このプロペラシャフト6は、ディファレンシャルギヤ8に接続されている。ディファレンシャルギヤ8には、2本のドライブシャフト9が接続され、各ドライブシャフト9には、車輪10が連結されている。前記エンジン(E/G)1の回転トルクは、自動変速機(A/T)2を介してプロペラシャフト6に伝達され、次いでディファレンシャルギヤ8及びドライブシャフト9を介して車輪10に伝達される。
【0037】
次に、エンジン1のクランク軸12には、動力の伝達と非伝達とを切換可能な電磁クラッチ26を介してプーリ18が連結されている。プーリ18は、チェーン74を介してプーリ73と連結される。
【0038】
前記プーリ73には、電磁クラッチ13を介して減速装置75が接続され、この減速装置75にモータ・ジェネレータ(M/G)3が連結されている。前記モータ・ジェネレータ(M/G)3は、図示しない補機類を駆動するためのモータ、エンジン(E/G)1の始動時にエンジン(E/G)1をクランキングするためのスタータ・モータ、あるいは発電機として機能する。
【0039】
前記減速装置75は、ブレーキ31、一方向クラッチ32、サンギヤ33、キャリア34、及びリングギヤ35を備えている。モータ・ジェネレータ(M/G)3がスタータとして機能する場合は、減速装置75は、ブレーキ31を係合させ、モータ・ジェネレータ(M/G)3の回転トルクをサンギヤ33からキャリア34へ減速して伝達する。これにより、モータ・ジェネレータ(M/G)3及びインバータ4の定格を小さくしても、エンジン(E/G)1をクランキングするのに十分なトルクを確保することができる。
【0040】
続いて、モータ・ジェネレータ(M/G)3は、インバータ4と電気的に接続され、インバータ4はバッテリ5と電気的に接続されている。
モータ・ジェネレータ(M/G)3は、三相巻線からなるステータコイルと、永久磁石が取り付けられたロータコイルとを備えた交流同期電動機である。このモータ・ジェネレータ(M/G)3では、ステータコイルに所定の三相交流電圧が印加されると、ロータコイルの周りに回転磁界を発生し、その回転磁界に追従してロータコイルが回転する。その際、ロータコイルの回転数は、三相交流電圧の周波数で制御され、ロータコイルの回転トルクは、三相交流電圧の大きさで制御される。
【0041】
インバータ4は、バッテリ5からの直流電圧を三相交流電圧に変換してモータ・ジェネレータ(M/G)3に供給し、モータ・ジェネレータ(M/G)3で発電された三相交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ5へ供給する三相ブリッジ回路を備える。
【0042】
前記三相ブリッジ回路は、例えば、6個のパワートランジスタを電気的に接続して構成され、これらのパワートランジスタのオン/オフを切り換えることにより、モータ・ジェネレータ(M/G)3とバッテリ5との間の電流の向きの切り換え、三相交流電圧と直流電圧との変換、モータ・ジェネレータ(M/G)3に印加される三相交流電圧の周波数の調整、モータ・ジェネレータ(M/G)3に印加される三相交流電圧の大きさの調整、回生制動トルクの大きさの調整等を行う。
【0043】
次に、エンジン(E/G)1には、エンジン1、自動変速機(A/T)2、電磁クラッチ26、電磁クラッチ13、ブレーキ31、あるいはインバータ4等の制御を行う電子制御ユニット(ECU)7が併設されている。このECU7は、中央処理装置(CPU)の他に、制御プログラムを記憶したROM、演算結果等を書き込むRAM、データのバックアップを行うバックアップRAMなどを備え、これらを双方向性バスにより相互に接続して構成される。
【0044】
ECU7に入力される信号は、図6に示すように、エンジン回転数信号(NE)、エンジン水温信号、イグニッションスイッチ信号、バッテリの蓄電量を示すSOC(State Of Charge)信号、ヘッドライトスイッチ信号、デフォッガスイッチ信号、エアコンディショナスイッチ信号、車速信号、自動変速機用の油温信号(AT油温)、シフトポジション信号、サイドブレーキのオン/オフ信号、フットブレーキのオン/オフ信号、触媒温度信号、アクセル開度信号、クランク位置信号、スポーツシフト信号、車両加速度センサの出力信号、回生制動トルク設定信号、トルクコンバータのタービン回転数信号等である。
【0045】
ECU7は、上記した各種信号に基づいてエンジン1の運転状態、自動変速機(A/T)2の運転状態、車両の走行状態等を判定し、その判定結果に応じて、点火装置に対する点火信号、燃料噴射弁に対する噴射信号、スタータモータに対するスタータ信号、インバータ4に対するインバータ信号、ABSアクチュエータに対するABSアクチュエータ信号、スポーツモードインジケータに対するスポーツモードインジケータ信号、電磁クラッチ26に対する制御信号、油圧制御装置11に対する制御信号等を出力する。
【0046】
例えば、ECU7は、車速、エンジン回転数、アクセル開度、スロットル弁開度、加減速度等に応じて最適な変速プログラムを選択し、選択した変速プログラムに応じて自動変速機(A/T)2のATソレノイドに対するATソレノイド信号、自動変速機(A/T)2のATライン圧コントロールソレノイドに対するATライン圧コントロールソレノイド信号等を出力して、自動変速機(A/T)2の変速段が最適な変速段となるよう制御を行う。その際、ECU7が自動変速機(A/T)2で設定された変速段に基づいて自動変速機(A/T)2の変速比を認識することができ、本発明にかかる変速比認識手段が実現される。
【0047】
また、ECU7は、車両が減速走行状態にあると判定すると、モータ・ジェネレータ(M/G)3を発電機として作用させて回生発電を行う。
具体的には、ECU7は、エンジン回転数:NEとトルクコンバータ301のタービンランナ303の回転数:NTとを比較して車両が減速走行状態にあるか否かを判別する。
【0048】
例えば、車両の加速時にはタービンランナ303の回転速度がポンプインペラ302の回転速度(クランク軸12の回転速度)より遅くなる(但し、ロックアップ制御実行時はタービンランナ303とポンプインペラ302の回転数は等しくなる)。一方、車両の減速時には、タービンランナ303の回転速度がポンプインペラ302の回転速度より速くなる。
【0049】
従って、ECU7は、タービンランナ303の回転速度がエンジン回転速度(ポンプインペラ302の回転速度)より速ければ、すなわち、タービンランナ303の回転数:NTがエンジン回転数:NEより高ければ、車両が減速走行状態にあると判定することができ、本発明にかかる減速状態判別手段が実現される。
【0050】
車両が減速走行状態にあると判定されると、ECU7は、電磁クラッチ13を係合させる。この場合、車輪10の回転トルクがディファレンシャルギヤ8及びプロペラシャフト6を介して自動変速機(A/T)2に伝達され、次いで自動変速機(A/T)2からエンジン1のクランク軸12に伝達される。クランク軸12に伝達された回転トルクは、電磁クラッチ26を介して減速装置75へ伝達され、次いで減速装置75からモータ・ジェネレータ(M/G)3のロータコイルに伝達される。
【0051】
その際、ECU7は、インバータ4を制御してモータ・ジェネレータ(M/G)3を発電機として作用させ、ロータコイルの回転エネルギを電気エネルギに変換させる、いわゆる回生発電を行う。モータ・ジェネレータ(M/G)3が回生発電することにより発生する回生制動トルクは、減速装置75、自動変速機(A/T)2、プロペラシャフト6、ディファレンシャルギヤ8、及びドライブシャフト9を介して車輪に作用する。このようにECU7がインバータ4を制御してモータ・ジェネレータ(M/G)3を発電機として作用させることにより、本発明にかかる回生制動手段が実現される。
【0052】
ここで、ECU7は、モータ・ジェネレータ(M/G)3による回生制動トルクが自動変速機(A/T)2の変速段毎に決定された回生制動トルクとなるようにインバータ4を制御して、どの変速段においても所望の車両減速度が得られるようにする。
【0053】
尚、本実施の形態では、自動変速機(A/T)2で設定される変速段毎に車速と回生制動トルクとの関係を予め実験等で求めておき、それらの関係をマップ(以下、回生制動トルク制御マップと称する)としてECU7のROM等に記憶させておくものとする。回生制動トルク制御マップは、例えば、図7に示すように、車速が同じである場合は自動変速機(A/T)2の変速段が高速段になるほど回生制動トルクが大きくなるよう設定される。その際、回生ブレーキトルクの大きさは、自動変速機(A/T)2の変速段が低速段になるほど車両減速度が比例的に大きくなるように設定され、変速段が変わった際に車両減速度が極端に変化しないように設定される。さらに、各変速段毎に設定される回生制動トルクは、車速が高くなるほど大きくなるよう設定される。
【0054】
ここで、自動変速機(A/T)2で低速段(例えば、2速や1速)が達成されたときにエンジン制動による制動トルクが十分に得られるように自動変速機(A/T)2やディファレンシャルギヤ8等のギヤ比が決定されている場合は、そのような低速段での回生制動を行わないようにしてもよい。
【0055】
また、ECU7は、減速走行時に走行路が降坂路であることを検出すると、走行路が平坦路である場合より回生制動トルクが大きくなるようにインバータ4を制御する。
【0056】
具体的には、ECU7は、アクセル開度信号と車速信号とから決定される基準加速度と車両加速度センサの出力信号(実際の加速度)とを比較し、実際の加速度が基準加速度より大きければ車両の走行路が降坂路であると判定する。このようにECU7は、本発明にかかる走行路状態検出手段を実現する。
【0057】
ECU7は、走行路が降坂路であると判定した場合に、回生制動トルク制御マップにより決定された回生制動トルクに所定の係数:A(>1)を積算して、降坂路走行用の回生制動トルクを算出する。前記所定の係数:Aは、固定値でもよく、あるいは変速段毎に設定される値でもよい。
【0058】
ECU7は、上記の制御を行うことにより、回生制動手段を制御して回生制動トルクを変更する回生制動トルク制御手段を実現する。
尚、ECU7は、走行路が降坂路である場合は、自動変速機(A/T)2におけるダウンシフトを禁止するようにしてもよい。さらに、ECU7は、回生制動実行時に車両加速度センサの出力信号を参照して、車両の減速加速度が一定となるように回生制動トルクを調節するとよい。このような制御によれば、ダウンシフトによるショックの発生や減速加速度の変化が抑制され、乗り心地やドライバビリィティが向上する。
【0059】
以下、本実施の形態の作用及び効果について述べる。
ECU7は、車両の走行時に図8に示すような回生制動トルク制御ルーチンを所定時間毎に繰り返し実行する。
【0060】
回生制動トルク制御ルーチンでは、ECU7は、S801において各種センサの出力信号等のデータを入力する。
S802では、ECU7は、前記S801で入力されたデータの中からシフトポジション信号を抽出し、セレクトレバーが前進ポジション(Dポジション、Mポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、あるいはLポジション)に位置していることを示しているか否かを判別する。
【0061】
前記S802においてセレクトレバーが前進ポジションに位置していない、すなわち、Pポジション、Rポジション、あるいはNポジションに位置していると判定した場合、ECU7は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0062】
一方、前記S802においてセレクトレバーが前進ポジションに位置していると判定した場合、ECU7は、S803へ進み、前記S801で入力したデータの中からエンジン回転数:NEとタービン回転数:NTとを抽出し、これらエンジン回転数:NEとタービン回転数:NTとを比較して車両が減速走行状態にあるか否かを判別する。
【0063】
前記S803においてエンジン回転数:NEがタービン回転数:NT以上であると判定した場合、ECU7は、車両が減速走行状態にないとみなし、S808へ進み、モータ・ジェネレータ(M/G)3による回生制動を禁止した後、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0064】
前記S803においてエンジン回転数:NEがタービン回転数:NT未満であると判定した場合、ECU7は、車両が減速走行状態にあるとみなし、S804へ進む。
【0065】
S804で、ECU7は、自動変速機(A/T)2で設定されている変速段を判定するとともに、前記S801で入力されたデータの中から車速信号を抽出する。そして、ECU7は、回生制動トルク制御マップへアクセスし、前記変速段と車速信号とに対応した回生制動トルクを算出する。
【0066】
S805で、ECU7は、アクセル開度信号と車速信号とから決定される基準加速度と車両加速度センサの出力信号(実際の加速度)とを比較して、車両の走行路が降坂路であるか否かを判別する。
【0067】
前記S805において実際の加速度が基準加速度以下であると判定した場合は、ECU7は、車両の走行路が降坂路ではないとみなし、S807へ進む。
S807で、ECU7は、モータ・ジェネレータ(M/G)3による回生制動トルクが前記S804で算出された回生制動トルクとなるようにインバータ4を制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0068】
この場合、車輪10には、エンジン制動による制動トルクと所定の回生制動トルクが作用し、その結果、所望の車両減速度を得ることができる。
また、前記S805において実際の加速度が基準加速度より大きいと判定した場合、ECU7は、車両の走行路が降坂路であるとみなし、S806へ進む。
【0069】
S806で、ECU7は、回生制動トルクの増加処理を実行する。すなわち、ECU7は、前記S804で算出された回生制動トルクに所定の係数:Aを積算して降坂路走行用の回生制動トルクを算出する。
【0070】
続いて、ECU7は、S807へ進み、モータ・ジェネレータ(M/G)3による回生制動トルクが前記S806で算出された回生制動トルクとなるようにインバータ4を制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0071】
この場合、モータ・ジェネレータ(M/G)3による回生制動トルクは、走行路が平坦路である場合より大きくなり、その結果、走行路が平坦路である場合より大きな車両減速度を得ることができる。
【0072】
以上述べたように、本実施の形態によれば、自動変速機(A/T)2で設定されている変速段に関わらず、所望の車両減速度が得られるので、運転者が煩雑な制動操作を行う必要がない。
【0073】
さらに、本実施の形態によれば、回生制動トルクの大きさを制御することにより車両の減速度を調整することができるため、エンジン制動による制動トルクの増加を目的とした変速段の切換(ダウンシフト)が不要となり、変速段の切換によるショックの発生が防止され、乗り心地やドライバビリィティが向上する。
【0074】
尚、本実施の形態では、車両の走行路が降坂路である場合に回生制動トルクを通常より増加させる例について述べたが、走行路がカーブしている場合や車両がカーブに進入することが予測された場合等も回生制動トルクを通常より大きくするようにしてもよい。
【0075】
〈実施の形態2〉
本発明にかかる減速制御装置の第2の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここでは、前述の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0076】
本実施の形態では、自動変速機(A/T)2の変速モードがスポーツモードである場合に、回生制動トルクを通常時より大きくして、車両減速度を通常時より大きくする例について述べる。
【0077】
具体的には、ECU7は、セレクトレバーがMポジションに位置していることを検出すると、自動変速機(A/T)2の変速モードがスポーツモードであると認識する。このようにECU7は、本発明にかかる変速モード認識手段を実現する。
【0078】
自動変速機(A/T)2の変速モードがスポーツモードであると認識したとき、ECU7は、回生制動トルク制御マップに基づいて算出された回生制動トルクに所定の係数:B(>1)を積算してスポーツモード用の回生制動トルクを算出する。そして、ECU7は、モータ・ジェネレータ(M/G)3による回生制動トルクがスポーツモード用の回生制動トルクとなるようにインバータ4を制御する。 この場合、スポーツモード時の回生制動トルクが通常の変速モードの時に比べて大きくなり、その結果、車両の減速度も通常の変速モードの時より大きくなる。
【0079】
以下、本実施の形態の作用及び効果について述べる。
ECU7は、車両の走行時に図9に示すような回生制動トルク制御ルーチンを所定時間毎に繰り返し実行する。
【0080】
回生制動トルク制御ルーチンでは、ECU7は、S901において各種センサの出力信号等のデータを入力する。
S902で、ECU7は、前記S901で入力されたデータの中からシフトポジション信号を抽出し、そのシフトポジション信号がセレクトレバーが前進ポジション(Dポジション、Mポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、あるいはLポジション)に位置していることを示しているか否かを判別する。
【0081】
前記S902においてセレクトレバーが前進ポジションに位置していない、すなわち、Pポジション、Rポジション、あるいはNポジションに位置していると判定した場合、ECU7は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0082】
一方、前記S902においてセレクトレバーが前進ポジションに位置していると判定した場合、ECU7は、S903へ進み、前記S901で入力したデータの中からエンジン回転数:NEとタービン回転数:NTとを抽出し、これらエンジン回転数:NEとタービン回転数:NTとを比較して車両が減速走行状態にあるか否かを判別する。
【0083】
前記S903においてエンジン回転数:NEがタービン回転数:NT以上であると判定した場合は、ECU7は、車両が減速走行状態にないとみなし、S910へ進み、モータ・ジェネレータ(M/G)3による回生制動を禁止し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0084】
前記S903においてエンジン回転数:NEがタービン回転数:NT未満であると判定した場合、ECU7は、車両が減速走行状態にあるとみなし、S904へ進む。
【0085】
S904で、ECU7は、自動変速機(A/T)2で設定されている変速段を認識するとともに、前記S901で入力されたデータの中から車速信号を抽出する。そして、ECU7は、回生制動トルク制御マップへアクセスし、変速段と車速信号とに対応した回生制動トルクを算出する。
【0086】
S905で、ECU7は、アクセル開度信号と車速信号とから決定される基準加速度と車両加速度センサの出力信号(実際の加速度)とを比較して、車両の走行路が降坂路であるか否かを判別する。
【0087】
ECU7は、前記S905において車両の走行路が降坂路であると判定した場合はS906へ進み、前記S905において車両の走行路が降坂路ではないと判定した場合はS907へ進む。
【0088】
S906で、ECU7は、前記S904で算出された回生制動トルクに所定の係数:Aを積算して降坂路走行用の回生制動トルクを算出する。
前記S906の処理を実行し終えた場合、もしくは前記S905において車両の走行路が降坂路ではないと判定した場合、ECU7は、S907へ進み、シフトポジション信号を参照してセレクトレバーがMポジションに位置しているか否か、すなわち自動変速機(A/T)2の変速モードがスポーツモードであるか否かを判別する。
【0089】
前記S907において自動変速機(A/T)2の変速モードがスポーツモードではないと判定した場合、ECU7は、S909へ進み、モータ・ジェネレータ(M/G)3による回生制動トルクが前記S904又は前記S906で算出された回生制動トルクとなるようにインバータ4を制御する。
【0090】
一方、前記S907において自動変速機(A/T)2の変速モードがスポーツモードであると判定した場合、ECU7は、S908へ進み、前記S904で算出された回生制動トルク又は前記S906で算出された回生制動トルクに所定の係数:Bを積算してスポーツモード用の回生制動トルクを算出する。
【0091】
続いて、ECU7は、S909へ進み、モータ・ジェネレータ(M/G)3による回生制動トルクが前記S908で算出されたスポーツモード用の回生制動トルクとなるようにインバータ4を制御する。この場合、モータ・ジェネレータ(M/G)3による回生制動トルクが通常の変速モードの時に比べて大きくなり、その結果、車両の減速度も通常の変速モードのときより大きくなり、ドライバビリィティが向上する。
【0092】
上記した第1及び第2の実施の形態では、ECU7が自動変速機(A/T)2の状態や走行路の状態に応じて回生制動トルクを変更する例について述べたが、運転者が任意に回生制動トルクを調整可能なようにしてもよい。
【0093】
この場合、車両の車室内に図10に示すような回生制動トルク設定スイッチ80(入力手段)を設け、ECU7は、回生制動トルクの大きさが回生制動トルク設定スイッチ80の設定に応じた大きさとなるように回生制動トルクを増減させる。例えば、図10に示す回生制動トルク設定スイッチ80は、摺動自在なスライドノブ81を備え、ECU7は、前記スライドノブ81のスライド位置に応じて上記した係数:A、Bの値を変更して回生制動トルクを増減させる。
【0094】
ここで、図10においてスライドノブ81が上方にスライドされると、ECU7は、上記した係数:A、Bの値を大きくして回生制動トルクを大きくする。また、図10においてスライドノブ81が下方にスライドされると、ECU7は、上記した係数:A、Bの値を小さくして回生制動トルクを小さくする。
【0095】
上記したような回生制動トルク設定スイッチを設けることにより、運転者が任意に回生制動トルクの大きさを調整することが可能となり、ドライバビリィティが一層向上する。
【0096】
【発明の効果】
本発明にかかる車両の減速制御装置では、車両の減速走行時に、変速機の変速比に基づいて、その変速比において所望の車両減速度が得られるように回生制動トルクが制御されるため、車両は何れの変速比においても所望の減速度で減速されるようになり、下り坂などで運転者による煩雑な制動操作を避けることができる。
【0097】
また、車速に応じて付与する回生制動トルクを制御する場合は、車速に応じて車両減速度を所望のものにすることができる。また、走行路の状態を検出する手段を備えた場合には、走行路状態と変速比とに基づいて回生制動トルクが制御されるので、どの変速比においても車両減速度を所望のものにすることができるとともに、降坂路での車両減速度を平坦路より大きくすることができ、車両が坂道でも減速されるようになる。
【0098】
また、付与する回生制動トルクに関する情報をマニュアル操作で入力できる入力手段を備えた場合には、入力された情報によって回生制動トルクの大きさが手動で適宜調節され、その結果、車両の減速度を手動で適宜調節することができる。
【0099】
また、変速モードを認識する変速モード認識手段と変速モードに応じて回生制動トルクを制御する場合は、車両の減速走行時に変速モードに応じて決定される回生制動トルクとなるので、変速モードに応じた減速感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 減速制御装置を適用する装置の全体像を示す構成図
【図2】 自動変速機(A/T)の歯車列を示す概略図
【図3】 自動変速機(A/T)の作動状態を示す図
【図4】 走行レンジを選択するためのシフトポジションの配列を示す図
【図5】 ステアリングホイールの斜視図
【図6】 ECUの入出力信号を示す図
【図7】 回生制動トルク制御マップの具体例を示す図
【図8】 第1の実施の形態にかかる回生制動トルク制御ルーチン
を示すフローチャート図
【図9】 第2の実施の形態にかかる回生制動トルク制御ルーチン
を示すフローチャート図
【図10】 回生制動トルク設定スイッチの平面図
【符号の説明】
1・・・エンジン
2・・・自動変速機(A/T)
3・・・モータ・ジェネレータ(M/G)
4・・・インバータ
5・・・バッテリ
6・・・プロペラシャフト
7・・・ECU
8・・・ディファレンシャルギヤ
9・・・ドライブシャフト
10・・車輪
12・・クランク軸
80・・回生制動トルク設定スイッチ
Claims (5)
- エンジンと、変速機と、モータ・ジェネレータと、前記モータ・ジェネレータを発電機として作用させることにより回生制動を行う回生制動手段と、前記変速機の変速比を認識する変速比認識手段とを備えた車両の減速制御装置において、
車両が減速走行状態にあるか否かを判別する減速走行判別手段と、
車両が走行する走行路の状態を検出する走行路状態検出手段と、
前記減速走行判別手段により車両が減速走行状態にあると判別された場合に、前記変速比認識手段により認識された変速比において車両の減速度が所望の減速度となる回生制動トルクを求め、求められた回生制動トルクを前記走行路状態検出手段により検出された走行路状態に応じて補正し、補正後の回生制動トルクを発生するように前記回生制動手段を制御する回生制動トルク制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両の減速制御装置。 - エンジンと、変速機と、モータ・ジェネレータと、前記モータ・ジェネレータを発電機として作用させることにより回生制動を行う回生制動手段と、前記変速機の変速比を認識する変速比認識手段とを備えた車両の減速制御装置において、
車両が減速走行状態にあるか否かを判別する減速走行判別手段と、
前記変速機の変速モードを判別する変速モード判別手段と、
前記減速走行判別手段により車両が減速走行状態にあると判別された場合に、前記変速比認識手段により認識された変速比において車両の減速度が所望の減速度となる回生制動トルクを求め、求められた回生制動トルクを前記変速モード判別手段により判別された変速モードに応じて補正し、補正後の回生制動トルクを発生するように前記回生制動手段を制御する回生制動トルク制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両の減速制御装置。 - 回生制動トルクの大きさを増減させるための情報をマニュアル操作で入力する入力手段を更に備え、
前記回生制動トルク制御手段は、回生制動トルクを補正する際に、前記入力手段により入力された情報に応じて補正量を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の減速制御装置。 - エンジンと、変速機と、モータ・ジェネレータと、前記モータ・ジェネレータを発電機として作用させることにより回生制動を行う回生制動手段と、前記変速機の変速比を認識する変速比認識手段とを備えた車両の減速制御装置において、
車両が減速走行状態にあるか否かを判別する減速走行判別手段と、
回生制動トルクの大きさを増減させるための情報をマニュアル操作で入力する入力手段と、
前記減速走行判別手段により車両が減速走行状態にあると判別された場合に、前記変速比認識手段により認識された変速比において車両の減速度が所望の減速度となる回生制動トルクを求め、求められた回生制動トルクを前記入力手段により入力された情報に応じて補正し、補正後の回生制動トルクを発生するように前記回制動手段を制御する回生制動トルク制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両の減速制御装置。 - 前記回生制動トルク制御手段は、車速が高くなるほど回生制動トルクが大きくなるように前記回生制動手段を制御することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の車両の減速制御装置。
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