JP3518406B2 - 車両のエンジン再始動時の制御装置 - Google Patents

車両のエンジン再始動時の制御装置

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JP3518406B2
JP3518406B2 JP09791299A JP9791299A JP3518406B2 JP 3518406 B2 JP3518406 B2 JP 3518406B2 JP 09791299 A JP09791299 A JP 09791299A JP 9791299 A JP9791299 A JP 9791299A JP 3518406 B2 JP3518406 B2 JP 3518406B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
    • B60K6/20Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00 the prime-movers consisting of electric motors and internal combustion engines, e.g. HEVs
    • B60K6/50Architecture of the driveline characterised by arrangement or kind of transmission units
    • B60K6/54Transmission for changing ratio
    • B60K6/543Transmission for changing ratio the transmission being a continuously variable transmission

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、所定の停止条件が
成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定
の再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジン
を再始動する車両であって、該再始動の際に変速機の所
定のクラッチを係合させる車両のエンジン再始動時の制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行中において車両が停止し、且
つ所定の停止条件が成立した場合に、エンジンを自動的
に停止させ、燃料の節約、排気エミッションの低減、あ
るいは騒音の低減等を図るように構成した車両が提案さ
れ、すでに実用化されている(例えば特開平8−140
76号公報)。
【0003】このような車両にあっては、運転者がアク
セルペダルを踏むなどの走行の意思を示して所定の再始
動条件が成立したときには、直ちにエンジンを再始動さ
せる必要がある。
【0004】ところが、自動変速機が油圧式の自動変速
機であった場合には、エンジンが停止すると該エンジン
と連結されているオイルポンプも停止してしまうため、
例えば自動変速機の前進クラッチ(所定のクラッチ)に
供給されているオイルも油路から抜け、油圧が低下して
しまう。そのため、エンジンが再始動されるときには、
当該前進走行時に係合されるべき前進クラッチもその係
合状態が解かれてしまった状態となってしまうことにな
る。
【0005】この場合、エンジンが再始動された時に、
この前進クラッチが速やかに係合されないと、いわばニ
ュートラルの状態のままアクセルペダルが組み込まれる
ことになり、エンジンが吹き上がった状態で前進クラッ
チが係合して係合ショックが発生する可能性がある。
【0006】そのため、このような状態が発生しないよ
うに、前記特開平8−14076号公報にかかる車両に
おいては、エンジンが自動停止してから再始動されるま
での間、大型のアキュムレータの機能により前進クラッ
チを係合状態に維持する技術を提案している。
【0007】また特開平9−39613号公報では、エ
ンジンを完全に停止させてしまうのではなく、該エンジ
ンの燃料の供給のみを停止し、モータジェネレータを駆
動させて、該エンジンをほぼアイドリング回転速度に保
持し、オイルポンプが停止しないように配慮した技術を
提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平8−14076号公報にて提案された技術のよう
に、大型のアキュムレータを組み込むことにより、エン
ジンが停止中においても前進クラッチを係合状態に維持
するという技術は、例えばD(ドライブ)ポジションか
らN(ニュートラル)ポジションへのシフト時のドレン
性能の悪化、即ち、前進クラッチの解放スピードが遅く
なることや、油圧制御装置の大型化など、アキュムレー
タを設けることにより新たな弊害が発生するのが避けら
れなかった。
【0009】また、前記特開平9−39613号公報に
て提案された技術のように、モータジェネレータによっ
てエンジンをアイドリング回転速度に維持するという技
術は、燃費の向上は図れるものの、モータジェネレータ
を駆動する必要があるためバッテリの消耗が著しく、そ
のためバッテリを大型化(大容量化)する必要があると
いう問題があった。
【0010】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、ドレン性能の悪化や油圧制御装
置あるいはバッテリの大型化などの新たな不具合を一切
生じることなく、エンジン再始動時に係合されるべき変
速機の所定のクラッチを、係合ショック等を生じること
なく速やかに係合させることのできる車両の再始動時の
制御装置を提供することをその課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発
は、所定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停
止するとともに、所定の再始動条件が成立したときに該
自動停止したエンジンを再始動する車両であって、変速
機の所定のクラッチにオイルを供給するオイルポンプが
エンジンにより駆動され、該エンジンが停止するとオイ
ルポンプも停止する構成であり、前記エンジンの再始動
の際に変速機の所定のクラッチを係合させる車両のエン
ジン再始動時の制御装置において、前記エンジンの再始
動時に前記オイルポンプを駆動して、前記所定のクラッ
チを係合させるための油圧を供給する際に、該油圧の供
給初期に一時的に所定時間だけ油圧を急速に増圧する急
速増圧制御を、前記エンジンの再始動指令が出された所
定時間後に実行する手段と、該急速増圧制御の実行態様
が適切であったか否かを判定する手段と、を備え、該急
速増圧制御の実行態様が適切であったか否かの判定に基
づいて、前記急速増圧制御の実行態様の学習制御を実施
することにより、上記課題を解決したものである。
【0012】なお、ここでいう「所定のクラッチ」と
は、エンジンの再始動時に係合されるクラッチを指すも
のであり、有段自動変速機においては例えばいわゆる
「前進クラッチ」に相当し、無段変速機では例えば「発
進クラッチ」に相当する。又、自動クラッチ付のマニュ
アル変速機の場合は、該「自動クラッチ」が「所定のク
ラッチ」に相当する。
【0013】又、ここでいう「急速増圧制御」とは、所
定のクラッチにオイルを供給する際に、オイルの供給速
度(油圧上昇)を通常に供給するときと比べて速くなる
ように制御することである。なお、オイルの供給速度を
速くするためには、例えば、ライン圧の制御目標圧を高
く設定したり、又、油路の絞りを緩くするなどの手段法
を採用すればよい。
【0014】請求項2に記載の発明は請求項1におい
て、更に、前記エンジンの停止指令が出されてからの経
過時間に基づいて、前記学習制御を実施するか否か、ま
たは学習制御の態様を判断する手段を備えていることに
より、同様に上記課題を解決したものである。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1におい
、更に、前記エンジンの再始動直前のクラッチ油路に
おけるオイルの抜け量に応じて前記急速増圧制御の実行
時間を設定し、該実行時間を油温に応じて増減補正する
手段を備えていることにより、同様に上記課題を解決し
たものである。請求項4に記載の発明は、請求項1にお
いて、更に、前記オイルポンプの回転速度が零から若干
立ち上がった所定値になったことを、前記エンジン回転
速度から判定する手段を備えていることにより、同様に
上記課題を解決したものである。請求項5に記載の発明
は、請求項1において、更に、前記所定のクラッチが実
際に係合を開始したことを検出する手段を備え、前記急
速増圧制御の実行態様が適切であったかの判定を、前記
急速増圧制御の終了指令を出した後、前記クラッチが実
際に係合を開始するまでの時間に基づいて行うことによ
り、同様に上記課題を解決したものである。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項1におい
て、更に、前記急速増圧制御の実行態様が適切であった
かの判定を、前記エンジンの再始動直前のクラッチ油路
におけるオイルの供給状態に基づいて行うことにより、
同様に上記課題を解決したものである。請求項7に記載
の発明は、請求項1において、更に、前記学習制御は、
エンジンの再始動時に達成される変速段毎に実行するこ
とにより、同様に上記課題を解決したものである。ここ
で、「変速段」は、有段変速機では文字通り変速段を指
すが、無段変速機では伝動ベルトの係り径の変更により
決定される「変速比」と置換えて考えることができる。
請求項8の発明は、請求項1において、更に、再始動時
に達成される変速段においてエンジンブレーキを確保す
るために係合される摩擦係合装置が再始動時に前記所定
のクラッチと同時に係合されるか否かを判断する手段を
備え、前記学習制御における学習値が、該判断により前
記エンジンブレーキを確保するために係合される摩擦係
合装置が再始動時に係合されるか否かに基づいて、変更
設定されることにより、同様に上記課題を解決したもの
である。なお、クラッチ油路におけるオイルの供給状態
は、例えば、圧力センサによって直接的に、あるいはエ
ンジン停止指令が出されてからの経過時間やオイルポン
プの回転速度等のパラメータから間接的に検出できる。
【0017】請求項9に記載の発明は、所定の停止条件
が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所
定の再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジ
ンを再始動する車両であって、変速機の所定のクラッチ
にオイルを供給するオイルポンプがエンジンにより駆動
され、該エンジンが停止するとオイルポンプも停止する
構成であり、前記エンジンの再始動の際に変速機の所定
のクラッチを係合させる車両のエンジン再始動時の制御
装置において、前記エンジンの再始動時に前記オイルポ
ンプを駆動して、前記所定のクラッチを係合させるため
の油圧を供給する際に、該油圧の供給初期に油圧を急速
に増圧する急速増圧制御を、前記エンジンの再始動指令
が出された所定時間後に実行する手段と、を備えている
ことにより、上記課題を解決したものである。
【0018】請求項10に記載の発明は、所定の停止条
件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、
所定の再始動条件が成立したときに該自動停止したエン
ジンを再始動する車両であって、該再始動の際に変速機
の所定のクラッチを係合させる車両のエンジン再始動時
の制御装置において、前記エンジンの再始動時に前記所
定のクラッチを係合させるための油圧を供給する際に、
該油圧の供給初期に一時的に所定時間だけ油圧を急速に
増圧する急速増圧制御を実行する手段と、該急速増圧制
御の実行態様が適切であったか否かを判定する手段と、
を備え、該急速増圧制御の実行態様が適切であったか否
かの判定に基づいて、前記急速増圧制御の実行態様の学
習制御を実施し、該学習制御は、エンジンの再始動時に
達成される変速段毎に実行することにより、上記課題を
解決したものである。
【0019】請求項11に記載の発明は、所定の停止条
件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、
所定の再始動条件が成立したときに該自動停止したエン
ジンを再始動する車両であって、該再始動の際に変速機
の所定のクラッチを係合させる車両のエンジン再始動時
の制御装置において、前記エンジンの再始動時に前記所
定のクラッチを係合させるための油圧を供給する際に、
該油圧の供給初期に一時的に所定時間だけ油圧を急速に
増圧する急速増圧制御を実行する手段と、該急速増圧制
御の実行態様が適切であったか否かを判定する手段と、
を備え、該急速増圧制御の実行態様が適切であったか否
かの判定に基づいて、前記急速増圧制御の実行態様の学
習制御を実施するとともに、前記エンジンの再始動時に
達成される変速段において、エンジンブレーキを確保す
るために係合される摩擦係合装置が、前記エンジンの再
始動時に前記所定のクラッチと同時に係合されるか否か
を判断する手段を備え、前記学習制御における学習値
が、該判断により前記エンジンブレーキを確保するため
に係合される摩擦係合装置が、前記エンジンの再始動時
に係合されるか否かに基づいて、変更設定されることに
より、上記課題を解決したものである。請求項12に記
載の発明は、所定の再始動条件が成立したときに該自動
停止したエンジンを再始動する車両であって、変速機の
所定のクラッチにオイルを供給するオイルポンプがエン
ジンにより駆動され、該エンジンが停止するとオイルポ
ンプも停止する構成であり、前記エンジンの再始動の際
に変速機の所定のクラッチを係合させる車両のエンジン
再始動時の制御装置において、前記エンジンの再始動時
に前記オイルポンプを駆動して、前記所定のクラッチを
係合させるための油圧を供給する際に、該油圧の供給初
期に一時的に所定時間だけ油圧を急速に増圧する急速増
圧制御を、前記エンジンの再始動指令が出されて、前記
オイルポンプの回転速度が零から立ち上がった所定値に
なった時に実行する手段と、該急速増圧制御の実行態様
が適切であったか否かを判定する手段と、を備え、該急
速増圧制御の実行態様が適切であったか否かの判定に基
づいて、前記急速増圧制御の実行態様の学習制御を実施
することにより、上記課題を解決したものである。請求
項13に記載の発明は、所定の停止条件が成立したとき
にエンジンを自動停止するとともに、所定の再始動条件
が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動する
車両であって、変速機の所定のクラッチにオイルを供給
するオイルポンプがエンジンにより駆動され、該エンジ
ンが停止するとオイルポンプも停止する構成であり、前
記エンジンの再始動の際に変速機の所定のクラッチを係
合させる車両のエンジン再始動時の制御装置において、
前記エンジンの再始動時に前記オイルポンプを駆動し
て、前記所定のクラッチを係合させるための油圧を供給
する際に、該油圧の供給初期に油圧を急速に増圧する急
速増圧制御を、前記エンジンの再始動指令が出されて、
前記オイルポンプの回転速度が零から立ち上がった所定
値になった時に実行する手段と、を備えていることによ
り、上記課題を解決するものである。請求項14に記載
の発明は、請求項9において、前記急速増圧制御は、油
圧の供給初期に一時的に所定時間だけおこなわれること
により、上記課題を解決するものである。請求項15に
記載の発明は、請求項12において、前記急速増圧制御
を実行する手段は、前記オイルポンプの回転速度が零か
ら若干立ち上がった所定値になった時に、前記急速増圧
制御を実行することにより、上記課題を解決するもので
ある。請求項16に記載の発明は、請求項13におい
て、前記急速増圧制御を実行する手段は、油圧の供給初
期に一時的に所定時間だけ油圧を急速に増圧する急速増
圧制御を、前記オイルポンプの回転速度が零から若干立
ち上がった所定値になった時に実行することにより、上
記課題を解決するものである。
【0020】本発明においては、上述した不具合を解消
するために、大型のアキュムレータを設けたり、あるい
は、車両停止中においてもエンジンを回転させておい
て、所定のクラッチを係合状態に維持しておくのではな
く、エンジン再始動と同時に所定のクラッチを係合させ
るためのオイルの供給を開始するシステムを採用してい
る。オイルを供給するにあたって、クラッチをできるだ
け速く係合させるため、一時的に所定時間だけオイルの
急速増圧制御を実行するようにする。
【0021】しかしながら、エンジンは始動を開始し、
エンジン回転速度はすでに上昇段階にあるため、もし、
この急速増圧制御が適正に実行されないと、該所定のク
ラッチが係合されるときに大きな係合ショックが発生す
る虞れがある。そのため本発明では、この急速増圧制御
の実行態様に関して、これが適切であったか否かについ
て判定・学習する。これにより、経時変化や種々のばら
つきの影響が考慮された最適な急速増圧制御を実行する
ことができるようになり、係合ショックを発生すること
なくクラッチを速やかに係合させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を詳細に説明する。
【0023】本実施形態では、「変速段」を持つ有段自
動変速機を例に挙げて説明する。
【0024】本実施形態では、図3に示されるような車
両の駆動システムにおいて、所定の停止条件が成立した
ときにエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始
動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始
動させるようにしている。エンジンが停止するとオイル
ポンプも停止して自動変速機の前進クラッチ(所定のク
ラッチ)の係合状態が解かれるため、エンジン再始動の
際に該前進クラッチをできるだけ速く係合させる必要が
ある。それは、前述したようにエンジンがニュートラル
の状態で吹き上がるのを防止するためであり、また、車
両の発進体勢を早く整えるためである。むろん、発進ク
ラッチを持つ無段変速機にも同様なことがいえる。
【0025】そこで前進(発進)クラッチへのオイルの
供給初期に後述する急速増圧制御を実施するのである
が、ここでこの急速増圧制御をそのときの状況に合わせ
て常に最適な態様で行えるようにするべく、本発明が適
用される。
【0026】図3において、1は車両に搭載されるエン
ジン、2は自動変速機である。このエンジン1には該エ
ンジン1を再始動させるためのモータ及び発電機として
機能するモータジェネレータ3が、該エンジン1のクラ
ンク軸1aに、電磁クラッチ26、プーリ22、ベルト
8、プーリ23及び減速機構Rを介して連結されてい
る。
【0027】減速機構Rは、遊星歯車式で、サンギア3
3、キャリア34、リングギア35を含み、ブレーキ3
1、クラッチ32を介してモータジェネレータ3及びプ
ーリ23の間に組込まれている。なお、クラッチ32は
ワンウェイクラッチに置き換えることができる。
【0028】自動変速機用2のオイルポンプ19は、従
来通りエンジン1のクランク軸1aに直結されている。
自動変速機2内には前進走行時に係合される公知の前進
クラッチC1が設けられている。
【0029】図の符号11、16は補機類で、例えばそ
れぞれパワーステアリング用のポンプ、エアコン用のコ
ンプレッサー等に相当しており、エンジン1のクランク
軸1a及びモータジェネレータ3とはプーリ9、14と
ベルト8によって連結されている。
【0030】図3には図示していないが、補機類として
は前記のほかに、エンジンオイルポンプ、エンジンウォ
ータポンプ等も連結されている。符号4はモータジェネ
レータ3に電気的に接続されるインバータである。この
インバータ4はスイッチングにより電力源であるバッテ
リ5からモータジェネレータ3への電気エネルギの供給
を可変にしてモータジェネレータ3の回転速度を可変に
する。また、モータジェネレータ3からバッテリ5への
電気エネルギの充電を行うように切り換える。
【0031】符号7は電磁クラッチ26、27の断続の
制御、及びインバータ4のスイッチング制御を行うため
のコントローラである。コントローラ7へは入力信号と
してエンジン回転速度センサ49からのエンジン回転速
度信号(=オイルポンプの回転速度信号)、自動停止走
行モード(エコランモード)のスイッチ40の信号、エ
アコン作動のスイッチ42の信号、シフトレバー44の
シフトポジションを検出するシフトポジションセンサ4
5からの信号、油温を推定検出するためのセンサの機能
を兼ねたエンジン冷却水温センサ47からの信号等が入
力される。図中の矢印線は各信号線を示している。
【0032】次に、上記自動変速機2における自動変速
システムの具体的な一例を説明する。
【0033】図4は、自動変速機2のスケルトン図であ
る。
【0034】この自動変速機2は、トルクコンバータ1
11、副変速部112及び主変速部113を備える。
【0035】前記トルクコンバータ111は、ロックア
ップクラッチ124を備える。このロックアップクラッ
チ124は、ポンプインペラ126に一体化させてある
フロントカバー127とタービンランナ128を一体に
取付けた部材(ハブ)129との間に設けられている。
【0036】エンジン1のクランク軸1aは、フロント
カバー127に連結されている。タービンランナ128
に連結された入力軸130は、副変速部112を構成す
るオーバードライブ用遊星歯車機構131のキャリヤ1
32に連結されている。
【0037】この遊星歯車機構131におけるキャリヤ
132とサンギヤ133との間には、クラッチC0と一
方向クラッチF0とが設けられている。この一方向クラ
ッチF0はサンギヤ133がキャリヤ132に対して相
対的に正回転(入力軸130の回転方向の回転)する場
合に係合するようになっている。
【0038】一方、サンギヤ133の回転を選択的に止
めるブレーキB0が設けられている。又、この副変速部
112の出力要素であるリングギヤ134が、主変速部
113の入力要素である中間軸135に接続されてい
る。
【0039】副変速部112は、クラッチC0もしくは
一方向クラッチF0が係合した状態では遊星歯車機構1
31の全体が一体となって回転するため、中間軸135
が入力軸130と同速度で回転する。又ブレーキB0を
係合させてサンギヤ133の回転を止めた状態では、リ
ングギヤ134が入力軸130に対して増速されて正回
転する。即ち、副変速部112はハイ・ローの2段の切
換えを設定することができる。
【0040】前記主変速部113は三組の遊星歯車機構
140、150、160を備えており、これらの歯車機
構140、150、160が以下のように連結されてい
る。
【0041】即ち、第1遊星歯車機構140のサンギヤ
141と第2遊星歯車機構150のサンギヤ151とが
互いに一体的に連結され、第1遊星歯車機構140のリ
ングギヤ143と第2遊星歯車機構150のキャリヤ1
52と第3遊星歯車機構160のキャリヤ162との三
者が連結されている。又、第3遊星歯車機構160のキ
ャリヤ162に出力軸170が連結されている。更に第
2遊星歯車機構150のリングギヤ153が第3遊星歯
車機構160のサンギヤ161に連結されている。
【0042】この主変速部113の歯車列では後進1段
と前進4段とを設定することができ、そのためのクラッ
チ及びブレーキが以下のように設けられている。
【0043】即ち、第2遊星歯車機構150のリングギ
ヤ153及び第3遊星歯車機構160のサンギヤ161
と中間軸135との間に前進クラッチC1が設けられ、
又第1遊星歯車機構140のサンギヤ141及び第2遊
星歯車機構150のサンギヤ151と中間軸135との
間にクラッチC2が設けられている。
【0044】第1遊星歯車機構140及び第2遊星歯車
機構150のサンギヤ141、151の回転を止めるブ
レーキB1が配置されている。又、これらのサンギヤ1
41、151とケーシング171との間には、一方向ク
ラッチF1とブレーキB2とが直列に配列されている。一
方向クラッチF1はサンギヤ141、151が逆回転
(入力軸135の回転方向とは反対方向の回転)しよう
とする際に係合するようになっている。
【0045】第1遊星歯車機構140のキャリヤ142
とケーシング171との間にはブレーキB3が設けられ
ている。又、第3遊星歯車機構160のリングギヤ16
3の回転をとめる要素としてブレーキB4と、一方向ク
ラッチF2とがケーシング171との間に並列に配置さ
れている。なお、この一方向クラッチF2はリングギヤ
163が逆回転しようとする際に係合するようになって
いる。
【0046】上記の自動変速機2では、結局後進1段と
前進5段の変速を行うことができる。この5つの変速段
を設定するための各クラッチ及びブレーキ(摩擦係合装
置)の係合作動表を図5に示す。図5において、○印は
係合状態、◎印はエンジンブレーキを確保すべきときに
のみ係合状態、△印は係合するが動力伝達に関係なし、
空欄は解放状態をそれぞれ示している。
【0047】図5において、通常、自動変速機のシフト
ポジションが「D」の状態であるときには、自動的に
「1st」からスタートするようにコントローラ7によ
って制御されている。近年になり様々な自動変速機の制
御方法が提案・実用化されるようになってきている。例
えば、図11に示すようなゲート式の自動変速機が提案
されており、これは、シフトポジション「D」の他に、
その右側にある「M」(マニュアル)のゲートにシフト
レバー44を移動させることにより、図12に示すステ
アリング180に備えられたボタン200、202によ
りシフトアップ及びシフトダウンのシフトチェンジの操
作が可能である。この図12に図示されているボタン2
00は、紙面手前側にあり、シフトダウンを行うスイッ
チとなっており、丁度シフトダウンのボタン200の紙
面後ろ側にシフトアップ用のボタン202が備えられて
いる。
【0048】従って、このような装置では、ドライバの
意思によって自動変速機の変速段をマニュアルによって
変更可能となり、例えば「M」モードの2nd固定のシ
フトポジションからの発進も可能である。もちろん2n
dに限らず、3rd、4th発進も(発進性は悪くなる
が)可能である。
【0049】つまり、ドライバのマニュアル操作によっ
て必ずしも「D」ポジションの1stから発進するとは
限らない場合があるのである。
【0050】図5に示すように、通常の「N」ポジショ
ンから「D」ポジションの1stに移行するときは、ク
ラッチC1のみに対しオイルを供給すればよいが、エン
ジン1が停止した状態から再始動によって「D」ポジシ
ョンの1stに移行するときは、クラッチC0も同時に
係合させなければならない。マニュアルモードでは同じ
1stでもエンジンブレーキを確保可能とするべく更に
ブレーキB4の係合が必要である。同様に2ndの発進
の場合、3rd発進の場合もそれぞれ通常走行時及びエ
ンジンブレーキ確保時でクラッチやブレーキの係合する
種類と数が異なる。
【0051】そのため、相応に急速増圧制御を行う際の
オイルの供給量を増やさなければならなくなる。
【0052】なお、同様な趣旨により、もし、採用して
いる変速機が無段変速機の場合は、該無段変速機を最低
変速比側からスタートさせないときがあることを考慮
し、再始動と同時に達成する「変速比」に応じて油圧シ
ーブに供給すべきオイルの量が異なることに着目し、急
速増圧制御を実行することになる。
【0053】図4に戻り、各クラッチ及びブレーキ(摩
擦係合装置)の係合あるいは解放には、油圧制御装置7
5内のソレノイドバルブS1、S2、S3、S4、SL
N、SLT、SLUが、A/Tコントローラ80からの
指令に基づいて駆動制御されることによって実行され
る。
【0054】ここで、S1、S2、S3はシフト用ソレ
ノイドバルブ、S4はエンジンブレーキ作動用ソレノイ
ドバルブ、SLNはアキュムレータ背圧制御用のソレノ
イドバルブ、SLTはライン圧制御用のソレノイドバル
ブ、SLUはロックアップ用ソレノイドバルブを示す。
【0055】A/Tコントロールコンピュータ80は、
前述したコントローラ7とリンクしており、各種センサ
群90からの信号(例えば、車速センサ91、エンジン
回転速度センサ92、水温センサ93、油温センサ9
4、ブレーキセンサ95等)が入力されソレノイドバル
ブ等を制御し、各クラッチ及びブレーキ(摩擦係合装
置)の係合あるいは解放が行えるようにしている。
【0056】次に、上記自動変速機2において前進クラ
ッチC1を係合させる構成について図6を用いて説明す
る。
【0057】図6は自動変速機の油圧制御装置75にお
いて前進クラッチC1を係合させる構成の要部を示す油
圧回路図である。
【0058】プライマリレギュレータバルブ50は、ラ
イン圧コントロールソレノイド52によって制御され、
オイルポンプ19によって発生された元圧をライン圧P
Lに調圧する。このライン圧PLは、マニュアルバルブ
54に導かれる。マニュアルバルブ54は、シフトレバ
ー44と機械的に接続され、ここでは、前進ポジショ
ン、例えば、Dポジション、あるいはマニュアルポジシ
ョンの1st、2nd等が選択されたときにライン圧P
Lを前進クラッチC1側に連通させる。
【0059】マニュアルバルブ54と前進クラッチC1
との間には大オリフィス56と切換弁58が介在されて
いる。切換弁58はソレノイド60によって制御され、
大オリフィス56を通過してきたオイルを選択的に前進
クラッチC1に導いたり遮断したりする。
【0060】切換弁58をバイパスするようにしてチェ
ックボール62と小オリフィス64が並列に組み込まれ
ており、切換弁58がソレノイド60によって遮断され
たときには大オリフィス56を通過してきたオイルは更
に小オリフィス64を介して前進クラッチC1に到達す
るようになっている。なお、チェックボール62は前進
クラッチC1の油圧がドレンされるときに該ドレンが円
滑に行われるように機能する。
【0061】切換弁58と前進クラッチC1との間の油
路66には、オリフィス68を介してアキュムレータ7
0が配置されている。このアキュムレータ70はピスト
ン72及びスプリング74を備え、前進クラッチC1に
オイルが供給されるときに、スプリング74によって決
定される所定の油圧にしばらく維持されるように機能
し、前進クラッチC1の係合終了付近で発生するショッ
クを低減する。
【0062】次にこの実施形態の作用を説明する。
【0063】エンジン始動時には電磁クラッチ26が接
続状態とされ、モータジェネレータ3を駆動してエンジ
ンを始動する。このときブレーキ31をオンにし、クラ
ッチ32をオフにすることでモータジェネレータ3の回
転は減速機構Rのサンギア33側からキャリア34側に
減速して伝達される。これにより、モータジェネレータ
3とインバータ4の容量を小さくしてもエンジン1をク
ランキングするのに必要な駆動力を確保できる。エンジ
ン1の始動後は、モータジェネレータ3は発電機として
機能し、例えば車両の制動時においてバッテリ5に電気
エネルギを蓄える。エンジン始動時にはモータジェネレ
ータ3の回転速度をコントローラ7が検出し、インバー
タ4に対し、モータジェネレータ3の回転がエンジン1
を始動するのに必要なトルクと回転速度となるようにス
イッチング信号を出力する。例えばエンジン始動時にエ
アコンスイッチ42の信号がオンとなっていれば、エア
コンオフ時に比べてより大きなトルクが必要であるか
ら、コントローラ7は大きなトルク及び回転速度でモー
タジェネレータ3が回転できるようにスイッチング信号
を出力する。
【0064】エコランモード信号がオンとなった状態で
車両が停止し、且つ所定のエンジン停止条件が成立する
と、コントローラ7はエンジン1に燃料の供給をカット
する信号を出力し、エンジンを停止させる。なお、燃料
の供給カットの出力信号線は図3では省略されている。
エコランモード信号は、車室内に設けられたエコランス
イッチ42を運転者が押すことによってコントローラ7
に入力される。エコランモードでのエンジンの停止条件
としては、「車速が零」、「アクセルオフ」、「シフト
レバー44のポジションがDポジションである」ことが
一例としてあげられる。
【0065】なお、Dポジションにおいて自動停止をさ
せないようにする場合には、エンジンの停止条件とし
て、「シフトレバーのポジションがDポジションであ
る」という条件に代え、例えば「シフトレバーのポジシ
ョンがNポジションまたはPポジション(非駆動ポジシ
ョン)である」という条件を設定しておけばよい。
【0066】エコランモードでエンジン1が自動停止し
た状態では、コントローラ7は電磁クラッチ26に切断
の制御信号を出力しており、プーリ22とエンジン1と
は動力非伝達状態にある。一方、エンジン1が停止中で
もエアコンやパワーステアリングは作動させておきたい
ため、パワーステアリング用ポンプ、エアコン用コンプ
レッサの負荷等が考慮されたトルクでモータジェネレー
タ3が回転するように、コントローラ7はインバータ4
に対して相応のスイッチング信号を出力する。
【0067】なお、このときブレーキ31をオフにし、
クラッチ32をオンとし、電磁クラッチ26をオフとし
ておく。このような状態とすることにより、モータジェ
ネレータ3とプーリ23は直結状態となり、補機類1
1、16等を駆動するのに必要な回転速度を確保するこ
とができる。また、エンジンが運転されている際に、モ
ータジェネレータ3を発電機として使用したり、補機類
11、16等を駆動したりするには、ブレーキ31をオ
フにし、クラッチ32をオンにし、電磁クラッチ26は
オン状態としておく。このようにすることにより、モー
タジェネレータ3とプーリ23とが直結状態となり、エ
ンジンの回転速度が高くなってもモータジェネレータ3
や補機類1、16等が許容回転速度を超えるのを防止す
ることができる。なお、クラッチ32をワンウェイクラ
ッチに置き換えても実質的に上記と同様な作用が得られ
る。
【0068】次に、エンジン1が自動停止された状態か
ら再始動される際に、前進クラッチC1を適切な急速増
圧制御によって速やかに、かつ小さな係合ショックで係
合させる作用について説明する。
【0069】所定の再始動条件が成立したときに、エン
ジンが再始動をする(エンジンの自動復帰)。所定の再
始動条件は一例として、車速零、フットブレーキオン、
アクセルオフの条件のうちいずれかが未成立のときにエ
ンジンが再始動をする。なお、「N」レンジのみ自動停
止させる場合は、シフトポジションが「N」から「D」
へ変更されたときにも「発進する」意志があるとみなし
て、エンジンを始動させる。なお、シフトポジションを
「N」から「D」に変更するときには車輪にブレーキが
かかっていないとエンジンは始動しないなどといった別
の車輪ブレーキシステムがあるものとする。これ以外
に、エンジンが自動復帰される場合として、バッテリの
充電量SOCが不足してきたときがある。
【0070】図6において、エンジンが再始動すると、
オイルポンプ19が回転を開始し、プライマリレギュレ
ータバルブ50側にオイルが供給される。プライマリレ
ギュレータバルブ50で調圧されたライン圧は、マニュ
アルバルブ54を介して最終的には前進クラッチC1に
供給される。
【0071】ここで、コントローラ7から急速増圧制御
の指令を受けてソレノイド60が切換弁58を開に制御
しているときは、マニュアルバルブ54を通過したライ
ン圧PLは、大オリフィス56を通過した後、そのまま
前進クラッチC1に供給される。なお、この急速増圧制
御が実行されている段階では、スプリング74のばね定
数の設定によりアキュムレータ70は機能しない。
【0072】やがて、コントローラ7より急速増圧制御
の終了指令を受けてソレノイド60が切換弁58を遮断
制御すると、大オリフィス56を通過したライン圧PL
は小オリフィス64を介して比較的ゆっくりと前進クラ
ッチC1に供給される(従来と略同等のルート)。ま
た、この段階では、前進クラッチC1に供給される油圧
はかなり高まっているため、アキュムレータ70につな
がっている油路66の油圧がスプリング74に抗してピ
ストン72を図の上方に移動させる。その結果、このピ
ストン72が移動している間、前進クラッチC1に供給
される油圧の上昇が一時中止され、前進クラッチC1は
非常に円滑に係合を完了できる。
【0073】図7に前進クラッチC1の油圧の供給特性
を示す。図7において、細線は急速増圧制御を実行しな
かった場合、太線は実行した場合をそれぞれ示してい
る。また、Tfastと付された部分が急速増圧制御を実行
している期間(所定期間)を示している。この期間Tfa
stは、定性的には前進クラッチC1の図示せぬピストン
が、いわゆるクラッチパックを詰める期間に対応し、ま
た、エンジン回転速度が所定のアイドル回転速度に至る
若干前までの期間に対応する。なお、この期間Tfastは
タイマによって制御される。また、Tc、Tc′は前進
クラッチC1のクラッチパックが詰められる期間、Ta
c、Tac′はアキュムレータ70が機能している期間に
相当している。
【0074】もし急速増圧制御が実行されない場合に
は、切換弁58をバイパスした従来と略同等のルートで
オイルが供給されるため、前進クラッチC1のピストン
のクラッチパックが詰められるまでの間にかなりの時間
Tc′が経過し、図の細線のような経過を辿って時刻t
2頃で係合を完了する。しかしながらこの実施形態では
適切な時間Tfastだけ急速増圧制御が実行されるため、
前進クラッチの係合を時刻t1頃に、しかも小さなショ
ックで完了させることができる。
【0075】なお、図7の表示から明らかなように、急
速増圧制御の開始タイミングTsは、エンジン回転速度
(=オイルポンプ19の回転速度)NEが所定値NE1
となったときに設定されている。このように、急速増圧
制御をエンジンの再始動指令Tcomと同時に開始させな
いようにしたのは、エンジン1が回転速度零の状態から
若干立ち上がった状態(NE1程度の値にまで立ち上が
った状態)になるまでの時間T1が、走行環境によって
大きくばらつく可能性があるためである。
【0076】もし、急速増圧制御をエンジンの再始動指
令Tcomと同時に開始させた場合、このばらつきの影響
を受けて、前進クラッチC1は、ときに該急速増圧制御
が実行されている間に係合を完了してしまい、大きな係
合ショックが発生する虞がある。そこで、ばらつきの大
きなエンジンの再始動直後を避け、エンジンが若干上昇
し始めた時点Tsを急速増圧制御の開始タイミングとす
ることにより、走行環境の違いにかかわらず、ばらつき
の小さな(安定した)オイルの供給制御を実現すること
ができる。
【0077】ここで、急速増圧制御の実行時間(所定時
間)Tfastの設定と学習について説明する。
【0078】このような自動停止システムを採用した車
両の場合、例えば市街地での交差点付近の走行のよう
に、車両が停止した直後に再発進するという状況がしば
しば発生すると考えられる。この場合に、ただ単に急速
増圧制御を一義的に実行すると、未だオイルが完全に抜
け切っていない状態で急速増圧制御を実行することにな
り、前進クラッチC1は急係合して大きくショックが発
生する。又、例えば、クラッチパック(図示せず)の劣
化・消耗などにより、少しずつではあるが係合特性が変
化(経年変化)してきているため、同じ圧力、同じ時間
の急速増圧制御を行っているとクラッチが急係合した
り、逆にクラッチの係合に時間がかかったりするという
制御性の悪化が生じる可能性がある。又、オイルを供給
する際に外気温等により、オイルの特性が変化(硬化、
軟化)し、必ずしも毎回全く同じ供給油圧・流量が保た
れるとは限らないため、この急速増圧制御の実行時間T
fastを一義的に実行していると同様に、制御性の悪化が
生じる可能性がある。
【0079】つまり、急速増圧制御の実行時間Tfastが
その状況に合わせた適切な設定値であることが必要とな
ってくるのである。そこで、本実施形態では、エンジン
始動直前の前進クラッチC1の油路66中におけるオイ
ルの供給状態、即ち、前進クラッチC1の油路66中の
オイルの抜け量、及び油温を検出し、このオイルの抜け
量及び油温に応じて急速増圧制御の(零を含む)実行時
間Tfastを決定し、且つ、急速増圧制御を実行後、その
実行態様が適切であったか否かの判定し、該判定に基づ
いて、急速増圧制御の実行態様の学習制御を実施する。
【0080】なお、急速増圧制御の実行態様が適切であ
ったかどうかの具体的な判定は、急速増圧制御の終了指
令が検出される時刻Tendからクラッチが実際に係合を
開始する時刻Tuまでの時間ΔTに基づいて行う(後に
詳述)。
【0081】又、この際に、エンジン再始動直前のクラ
ッチ油路におけるオイルの供給状態(オイルの抜け量)
を考慮するために、エンジン自動停止指令が出力されて
からの経過時間TSTをカウントし、反映させる。
【0082】まず、はじめにオイルの抜け量に応じて、
急速増圧の実行時間Tfastを設定する方法を説明する。
【0083】オイルの抜け量は例えば圧力センサを油路
66中に設けてこれを直接検出するようにしてもよいの
は当然であるが、より簡便的にはオイルポンプ19の回
転速度から間接的に検出する方法が採用できる。この実
施形態ではオイルポンプ19はエンジン1のクランク軸
1aと直結されているため、エンジン回転速度NEを検
出することでオイルポンプ19の回転速度を知ることが
できる。
【0084】図8に前進クラッチC1の油圧のドレン特
性とエンジン回転速度(=オイルポンプの回転速度)N
Eとの関係を示す。時刻t11でエンジンの停止指令が出
されると若干の遅れT12をもって時刻t12からエンジン
回転速度NEは徐々に低下する特性となる。
【0085】一方、前進クラッチC1の方のドレン特性
は、エンジン1の停止指令が時刻t11で出された後(た
とえオイルポンプ19の回転速度がエンジン回転速度N
Eと同様に低下したとしても)油圧はより長目の期間T
13だけそのまま維持され、時刻t14から急激に低下する
特性となる。
【0086】この特性は、油温が同一であれば、車両毎
に比較的高い再現性を有するため、エンジン停止指令が
出されてからの経過時間が分かれば、現在どの程度油路
66からオイルが抜けた状態であるかが推定できる。従
って、エンジン停止指令が出されてから再始動指令が出
されるまでの時間Tstopに基づいて図8に示したような
特性を考慮して急速増圧制御の実行時間(所定時間)T
fastを変更・設定すれば、たとえエンジン1が自動停止
した直後に再始動されるような状況が発生したとして
も、係合ショックを最小限に抑えることができるように
なる。
【0087】なお、図8の特性から明らかなように、エ
ンジン回転速度NE(=オイルポンプの回転速度)はエ
ンジン停止指令が出されると、その若干後の時刻t12か
ら比較的リニアに低下してきている。従って、オイルの
抜け量を、エンジン回転速度NEの値そのものによって
も間接的に推定することが可能である。
【0088】次に、同じく急速増圧制御の実行時間(所
定時間)Tfastを最適に設定するための他の方法につい
て説明する。
【0089】図9の上段のグラフは、自動変速機のオイ
ルの油温と供給速度との関係を示している。自動変速機
のオイルは、温度に依存してその粘度が変わるという性
質を有する。低温時(例えば20℃以下)では、オイル
の粘度が高いため、同じ実行時間だけ急速増圧制御を実
行したとしても、オイルは常温時ほどには前進クラッチ
C1に供給されない。従って、急速増圧制御は常温時よ
り長く実行する必要がある。一方、逆に例えば80℃以
上のように、油温が通常の状態よりも高くなってくる
と、オイルの粘度が低下し過ぎてバルブボディの各シー
ル部等からの洩れ量が多くなり、やはり同じ時間だけ急
速増圧制御を実行しても前進クラッチC1に供給される
オイルの量は低下気味となる。
【0090】そこで、図9下段に示されるように、この
特性を考慮して例えば油温Ot1、Ot2、Ot3を境にして
常温時用に定められている急速増圧制御の実行時間Tfa
st1に対してある係数を乗じたり、あるいは、ある時間
を加算(又は減算)したりして実際の実行時間Tfastを
設定するようにすると、より走行環境に見合った態様で
前進クラッチC1を係合させることができる。
【0091】なお、自動変速機の油温は必ずしも油温セ
ンサによってこれを直接検出する必要はなく、例えば通
常どの車両にも搭載されているエンジン冷却水温Tcol
のセンサ47からの情報を利用すれば、これを間接的に
検出することが可能である。又、油温に応じた実行時間
の設定は上述したような2〜3段階の場合分けに限定さ
れず、よりきめ細かく(できるだけ本来の特性に沿っ
て)依存させるようにしても良いのは言うまでもない。
【0092】この油温に対する急速増圧制御の実行時間
の変更はこれを単独で採用してもよいが、前記抜け量に
依存して設定される実行時間と組合せて採用すると一層
正確な設定ができる。例えば、まず抜け量に応じて実行
時間を設定し、この実行時間Tfastを油温に応じて増減
補正するようにしたり、図10のようにマップ化したり
しておけば、現状に見合った最適の実行時間を設定する
ことができるようになる。
【0093】なお、上記実施形態においては、切換弁5
8を用いて前進クラッチC1への油路の連通度を調整す
ることにより急速増圧制御を実行するようにしていた
が、前進クラッチC1にオイルを急速に供給する方法
は、この方法には限定されない(後述)。
【0094】次に、急速増圧制御の実行態様が適切であ
ったか否かを判定し、該判定に基づいて、前記急速増圧
の実行態様の学習制御を実施する方法について説明をす
る。
【0095】図7に示すように、急速増圧制御を実行
後、前進クラッチC1は急速にそのパッククリアランス
を詰め、パッククリアランスが完全になくなった時点か
らクラッチが係合を開始する。なお、このパッククリア
ランスがなくなった(パックが詰まった)と判断するの
は、タービン回転速度NTが一時的に低下する時刻Tu
からとする。
【0096】急速増圧制御を終了する指令を出した時刻
Tendから、このタービン回転速度NTが一時的に低下
する(パッククリアランスがなくなった)時刻Tuまで
の時間をΔTとすると、このΔTは、急速増圧制御の開
始時刻Tsからパッククリアランスがなくなる時刻Tu
までの時間TNTから、急速増圧制御を実行した時間T
fastを差し引いたものに相当する。
【0097】この時間ΔTを検出して、その値が適切か
どうかを判定する。つまり、この時間ΔTの値がある所
定値TG1より大きかった(長かった)ならば「パック
クリアランスに余裕がありすぎた」と判断できる。
【0098】このように、急速増圧制御後から、クラッ
チパックが完全に詰まるまでの時間ΔTに基づいて、こ
の時間ΔTが適切であったかどうかを判定し、その判定
によって、学習制御を実行して、次回の急速増圧制御の
実行時間Tfastに反映させるようにする。
【0099】ここで、この時間ΔTが適切かどうかを判
定する方法について、更に具体的に説明する。
【0100】例えば、時間ΔTが、前述した所定値(所
定時間)TG1より大きい(長い)かどうかを判定す
る。時間ΔTが所定値(所定時間)TG1より大きかっ
た(長かった)場合には、「クラッチパックを詰める余
裕がまだある(パッククリアランスが広い)」と判断さ
れる。逆に、時間ΔTが、所定値(所定時間)TG1よ
り小さい(短い)と判断された場合には、「クラッチパ
ックのクリアランスは所定の範囲内(良好)である」と
判断される。
【0101】又、時間ΔTが適切かどうかは、前述した
時間TNTに対してどれだけの長さに相当するかによっ
て判断しても良い。
【0102】又、さらに、時間ΔTが適切かどうかは、
あらかじめ理想的なクラッチの係合ができる(理想的な
パッククリアランスである)、ある時間的範囲ΔTtg
t1〜ΔTtgt2(図示せず)をあらかじめ調べてお
き、実際の時間ΔTがその理想的な範囲の時間ΔTtg
t1〜ΔTtgt2(ΔTtgt1<ΔTtgt2)内
に収まっているかどうかで判定してもよい。
【0103】次に、このような判定(判断)に基づい
て、前記急速増圧の実行態様の学習制御を実施する方法
について説明をする。
【0104】時間ΔTが、所定値(所定時間)TG1よ
り大きい(長い)かった(ΔT>TG1)と判定される
と、前述したように、「クラッチパックが詰まるのに余
裕ある」と判断されることによって、次回の急速増圧制
御の実行時間Tfastは今回より長めに設定を変更する。
急速増圧制御の実行時間Tfastが長めに変更・設定され
ると、急速増圧制御時間の延長により、パッククリアラ
ンスは今回より小さめとなる。そのため、急速増圧制御
後は短時間でクラッチが係合するようになり、発進時の
もたつきを抑え、発進の応答性を向上できる。
【0105】逆に、時間ΔTが、所定値(所定時間)T
G1以下(0<ΔT≦TG1)の場合、あるいは、理想
的な範囲(0<ΔTtgt1≦ΔT≦ΔTtgt2)を
設定したときには、理想的な範囲内に収まっている場合
には、良好なパック詰めが行われていると判断し、次回
の急速増圧制御の実行時間Tfastは、現状維持とする。
【0106】なお、時間ΔTが小さすぎて(短すぎて)
理想時間内ではない場合(ΔT<ΔTtgt1)や、完
全に時間ΔTが零又は負の場合(ΔT≦0)には、急速
増圧制御の終了が遅過ぎることを意味し、急係合する直
前か、すでに急係合してしまっている状態であるので、
次回の急速増圧制御の実行時間Tfastが短くなるように
設定の変更(学習制御)をする。
【0107】つまり、時間ΔTに応じて急速増圧制御時
間Tfastの時間を変更する(実行態様を学習制御す
る)。
【0108】この急速増圧時間Tfastの設定に関して
は、時間ΔTに応じてマップで与えてもよく又、例え
ば、時間ΔTに対してX%とあらかじめ設定しておいて
もよく、又、Tfast=Tfast×M(ΔT−TG1)と式
で与えてもよい(X、Mは定数)。
【0109】又、さらに、時間ΔTの大きさや状況に応
じたゲインを適宜、変更してもよい。
【0110】なお、学習制御を実施するにあたって、上
記実施形態においては、切換弁58を用いて前進クラッ
チC1への油路の連通度を調整することにより急速増圧
制御を実行するようにしていたが、前進クラッチC1の
急速増圧制御の実行態様は、種々考えられる。
【0111】例えば、上記実施形態においては、プライ
マリレギュレータバルブ50によって調圧されるライン
圧PLをライン圧コントロールソレノイド52によって
制御するようにしていたが、このライン圧コントロール
ソレノイド52によって調圧されるライン圧PLの調圧
値(制御目標圧)を通常よりも高目に設定するようにし
てもよい。この場合、ライン圧の調圧値と該調圧値を高
目に維持している時間の掛合せで急速増圧制御の実行態
様が決定されることになる。
【0112】又、上記実施形態においては、切換弁58
によってオン−オフ的に前進クラッチC1へのオイルの
供給度合を切換えるようにしていたが、該切換弁58を
例えばデューティソレノイドによってデューティ制御す
るようにすれば、該切換弁58による供給度合(急速増
圧制御の制御目標圧)をよりきめ細かに設定できるよう
になる。即ち、この切換弁58によっても急速増圧制御
の実行時間Tfastとの掛合せによる制御を実現すること
ができる。又、当然にライン圧PLの調圧値変更による
制御と切換弁58による制御とを組合せることもでき
る。
【0113】又、本実施形態では、ΔTに基づいて急速
増圧制御時間Tfastを変更する制御であったが、特に、
急速増圧制御の実行時間Tfastに限定されず、制御目標
圧や制御目標圧とTfastとの掛合せを変更することによ
って、学習を実施しても良い。説明するまでもないが、
制御目標圧を高めに設定すれば、その分パッククリアラ
ンスはより早く詰まる方向へと制御でき、又逆に、制御
目標圧を低めに設定すれば急速増圧制御終了後係合を開
始するまでの余裕をより大きくとる方向へ制御できる。
【0114】さらに、前記学習制御は、エンジンの再始
動時に達成される変速段毎に実行するようにしてもよ
い。
【0115】ギヤ段(変速段)毎に学習制御を実行する
ようにする理由は、前述したように、再始動は必ずしも
「D」ポジションの1stからクラッチが係合してスタ
ートするとは限らず、ギヤ段によって再始動と同時に、
係合されるべき摩擦係合装置の種類と数が異なるため、
1st以外からの発進の場合にはクラッチを係合させる
際に必要とするオイルの必要流量がそれぞれ異なってし
まうためである。そのため、再始動時に達成されるギヤ
段の種類毎に学習制御を実施することにより、より適し
た学習制御が実施できる。
【0116】また、さらに、同一のギヤ段でもエンジン
ブレーキを確保するために係合される摩擦係合装置(B
1、B4、C0等)が、再始動時にC1と同時に係合す
るか、しないかでも同様の理由によって学習制御を区別
するようにするとなおよい。
【0117】具体的には、このような場合には、例えば
学習制御におけるゲインを、エンジンブレーキを確保す
るために係合される摩擦係合装置が再始動時に係合され
るか否かに基づいて、変更設定すれば良い。
【0118】なお、無段変速機おいては、「変速比」毎
に学習制御させるようにする。
【0119】図13に示すように、例えば、停止ギヤ段
毎に油温をθ1以下、θ2〜θ3、θ4以上と3分割を
し、且つエンジンブレーキを確保するための摩擦係合装
置が係合するか否かに基づいて最適な学習閾値(例えば
TG1)をマップ化しておくと良好な学習が実行でき
る。
【0120】ところで、本実施形態の学習制御を実施す
るにあたっての実行環境について説明する。
【0121】まず、第一にこの学習制御はエンジン再始
動時にエンジントルクTE(図示せず)が安定している
ときにのみ実行する。
【0122】基本的には、この学習制御を実行するため
の基準となる時間ΔTは、エンジン再始動中の後半部分
であり、エンジン回転速度NEはアイドル回転速度に近
いのでエンジントルクTEもアイドル状態のそれに近い
状態にあるが、このエンジントルクTEがアクセルの踏
込み等でずれた場合は、正確な学習値を設定できない恐
れがあるため学習は実施しない。
【0123】なお、エンジントルクTEの検出はエンジ
ン回転速度NEとスロットル開度から推定できる。
【0124】第2に、この学習制御はオイルの温度(油
温)が所定の範囲に入っているときにのみ実行する。
【0125】これは、前述したように、オイルは温度に
より特性が変化(硬化、軟化)をしてしまうため、正確
な学習結果が得られないからである。例えば、長時間エ
ンジンが停止しており、その始動直後であった場合や、
外気温が低かった場合や、又逆に、夏場にオイルの温度
が上昇し高すぎた場合などがこれに相当する。
【0126】ところで、本実施形態において急速増圧制
御を実施する際にもオイルの温度(油温)に基づいて制
限を実施しているが、学習制御を実行するにあたっての
温度(閾値)を、急速増圧制御を実施する際の温度(場
合分けの閾値)とは異なるように設定できるため、より
適した油温(安定している油温)のときのみに実行する
ようにすれば信頼性は更に向上する。
【0127】第3にこの学習制御はエンジンの水温によ
って学習制御の実行を制限する。
【0128】前述した油温とほぼ同じように、エンジン
の水温により学習制御の実行に制限を与えるようにす
る。水温が低い場合に実行をしないようにするようによ
って、エンジンの引き摺り等の影響が除外できる。
【0129】第4に、この学習制御はエンジン再始動直
前の油路66におけるオイルの供給状態(オイルの抜け
量)によって変更するようにする。
【0130】図8にて説明したように、エンジン停止指
令が出されてからの経過時間TST、あるいはエンジン
停止指令が出されてから再始動指令が出されるまでの時
間Tstopが分かれば、現在どの程度油路66からオイル
が抜けた状態であるか(残量)が推定できる。
【0131】従って、エンジン停止指令が出されてから
の経過時間TSTあるいはエンジン停止指令が出されて
から再始動指令が出されるまでの時間Tstopに基づいて
図8に示したような特性を考慮して学習制御を変更・設
定するようにする。
【0132】このようにする訳は、例えば、油路66に
オイルが残存していたときに実行された急速増圧制御
は、次回の急速増圧制御を学習するためのベースとする
にはふさわしくないからである。
【0133】そのため、本実施形態では油路66のオイ
ルの残量に応じて急速増圧制御の学習を実行するか否か
を決定するようにする。その判断のためにエンジン停止
指令が出されてからの経過時間TSTをカウントし、こ
れが所定時間T1に至っていなかったようなときは学習
制御を実行しないようにしている。
【0134】但し、例えば、エンジン停止指令が出され
てからの経過時間TSTを検出してオイルの残量を確認
した場合は、このように全面的に禁止するのではなく所
定の時間(T1>T2>T3)のように場合分けをし
て、それぞれの学習値あるいは学習態様(Tfast1)を
決定してもよい。
【0135】TST≧T1…TfastA T1>TST≧T2…TfastB T2>TST≧T3…TfastC T3>TST…TfastD(学習禁止)
【0136】このTfastA〜TfastDの学習態様の場合
分けは、具体的には種々の利用形態が考えられる。例え
ば、以下のようなものが挙げられる。
【0137】(1)TfastA〜TfastCのときにのみ学
習制御を実行し、TfastDのときは学習制御の実行を禁
止する。これは前述した利用形態に相当する。 (2)TfastA〜TfastDのそれぞれに対して、前回の
学習値に対する変化幅を規制した上で学習制御を実行す
る。この場合、前回学習値からの許容変化幅は、Tfast
A>TfastB>TfastC>TfastDとなるように設定さ
れる。ここで、例えばTfastDに対する前回の値からの
許容変化幅を零に設定すれば、事実上TfastDのときの
学習は禁止されることになる。 (3)TfastA〜TfastDは、エンジン停止時間がこの
範囲にあることが再現されたときにのみ、そのときに採
用されるべき学習値として取扱う。これは停止時間が同
一の範囲に入っているという条件が付けば、学習値自体
に信頼性があることに着目した利用形態である。 (4)TfastDは学習禁止とし、TfastB、TfastC
は、それぞれ係数をかけた上で、TfastAの学習値に反
映させる。
【0138】このように、学習制御を実施する際の環境
を制限をすることによって、正確な学習制御を実施でき
るようになる。
【0139】最後に、本実施形態の流れを2つの制御フ
ローを用いて説明する。
【0140】図1は、学習制御を実施するにあたっての
制御フローを示し、図2は図1の学習制御よって得た学
習値に基づいて急速増圧制御の時間Tfastを変更する制
御フローを示している。
【0141】図1において、ステップ320では、コン
トローラ7及びそれとリンクしているA/Tコントロー
ラ80により、各種センサからの入力信号が処理され
る。各種信号が処理され再始動条件が整ったら、ステッ
プ330においてエンジンを再始動し、急速増圧制御を
実行する。ステップ330にて、前述したようにクラッ
チの抜け量が小さかった場合などにより、急速増圧制御
を実施しなかった場合は、学習制御も実施しない(実施
できない)のでリターンする。
【0142】ステップ340では、エンジントルクTE
が安定しているかを判定している。この場合エンジント
ルクTEが、乱れてしまっているか否かの判断基準とな
る所定のエンジントルクTEG以下かどうかを判定して
いる。
【0143】つまり、エンジン再始動中(復帰制御中)
におけるエンジントルクTEがエンジントルクTEG以
下であるならば、安定していると判断しする。ここで、
エンジントルクTEが安定していないとき判断されたと
きには、ステップ380に進み学習制御を中止しリター
ンさせる。
【0144】ステップ345では、ステップ340と同
様に学習制御を実施する際の前提条件として、エンジン
停止指令が出されてからの経過時間TSTが所定時間T
1を経過していたか否かを判断している。該判断によ
り、所定時間T1を経過していなかったような場合には
まだ、油路66からオイルがドレーンされていなかった
と判断できるので、ステップ340と同様に、ステップ
380に進み学習制御を中止しリターンさせる。
【0145】ステップ350では、ステップ340、3
45と同様に学習制御を実施する際の前提条件として、
自動変速機の油温Tpが下限値TpLと上限値TpHの
間に入っているかどうかを判定している。これは油温が
低い際(Tp<TpL)には、前述したようにオイルが
硬化している場合場多いので学習制御を実施しても正確
な結果が期待できないため、ステップ380に進み学習
制御を中止する。同様に、油温が高い際(TpH<T
p)にも、正確な結果が期待できないので学習制御を中
止する。
【0146】なお、自動変速機の油温Tpが下限値Tp
L以上にあるか否かだけを判定してもよいものとする。
【0147】ステップ360では急速増圧制御の開始時
刻Tsからクラッチパックが詰まる時刻(タービン回転
速度NTが一時的に落ち込む時刻)Tuまでの時間TNT
と急速増圧制御の実行時間Tfastを比較し、それから時
間ΔTを算出する。なお、前述したとおりΔTは急速増
圧制御の終了指令後クラッチパックが完全に詰まるまで
の時間(パッククリアランスがなくなるまでの時間)で
ある。ステップ370では、そのΔTが所定値TG1
[m]以上か否かを判定している。ここでの所定値TG
1[m]は図13で、ギヤ段、エンジンブレーキを確保
要か否か、及び油温に基づいて設定される閾値である。
この時間ΔTが所定値TG1[m]以上であった場合に
は、「パッククリアランスが広い(余裕がある)」と判
断し、次回の急速増圧制御の実施時間を長くなるように
学習制御値の設定を変更する。又、ΔTが所定値TG1
[m]より小さかった場合には、そのまま学習値は変更
せず、次回の急速増圧制御時間Tfastは先回と同じだけ
の時間を実行する(ステップ390)。この場合、ΔT
が負であった場合には、次回の急速増圧時間Tfastが短
くなるように設定を変更する(ステップ410、42
0)。
【0148】なお、ステップ380にてフローでは学習
制御を中止するように記してあるが、ステップ345に
て検出したエンジン停止指令が出されてからの経過時間
TSTに応じて学習態様を変更するようにしてもよい。
【0149】また、エンジン停止指令が出されてからの
経過時間TSTのみで油路のオイルの状態を推定した
が、これ以外に他のパラメータを用いてもよい。
【0150】次に、図2の制御フローについて説明す
る。
【0151】図2は急速増圧制御を実施するか、どうか
をの制御である。ステップ520で図1と同様に入力信
号が処理される。ステップ530にて、エンジン自動停
止制御の再始動条件が整い、復帰したかどうかを判定し
ている。エンジンが再始動していないときは、そのまま
リターンされる。
【0152】エンジンの再始動後、ステップ540に
て、急速増圧制御を実施する条件が成立しているかの判
断をする。具体的には、エンジンの自動停止指令後、オ
イルが完全に抜けきっているか等である。そのオイルが
完全に抜けきっているかどうかの判定の仕方は、前述し
たとおりである。オイルが所定量以上抜けていると判断
されたときは急速増圧制御が実施可能と判定する。な
お、急速増圧を実施する際には、エンジン回転速度NE
が所定値NE1以上になったときを急速増圧制御の開始
タイミングとする。
【0153】ステップ550では、急速増圧制御の実行
時間Tfastを設定する。この急速増圧制御の実行時間T
fastはタイマにより制御されるが、前述してきたように
この急速増圧制御の実行時間Tfastは、該急速増圧制御
の終了時刻Tendから、クラッチパックが係合を開始す
る(タービン回転速度が一時的に低下する)時刻Tuま
での時間ΔTに基づいて学習制御され、再設定される。
そのため、クラッチパックをできるだけ詰まった状態ま
で急速増圧制御を実行し、発進性を高めることができ
る。なお、学習制御を実施の仕方は既に詳述した通りで
ある。
【0154】ステップ560では、実際に急速増圧制御
を実施する。ここで対象になるのは、前進時は前進クラ
ッチC1であり、後進時はダイレクトクラッチC2であ
る。なお、ライン圧の制御目標圧を変更する場合は、再
始動時に係合する全てのクラッチが対象となる。
【0155】ステップ540で急速増圧制御を実行条件
が整わないときは、ステップ570に進み急速増圧制御
を中止する。
【0156】なお、本実施形態では、有段自動変速機の
例を示したが、自動クラッチを備えるマニュアル(M/
T)の変速機や無段変速機にも本発明は適用できる。
【0157】
【発明の効果】本発明によれば、再始動時に自動変速機
のクラッチを係合させるためのオイルの供給に当り、急
速増圧制御の実行態様が適切であったか否かを判定し、
その判定に基づいて、該急速増圧制御の実行態様を学習
・変更制御するようにしたため、自動変速機の所定のク
ラッチを速かに、且つ小さな係合ショックで係合させる
ことができるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のエンジン再始動時の制御の
制御フローの例を示す流れ図
【図2】前期同様に、車両のエンジン再始動時の制御の
制御フローの例を示す流れ図
【図3】本発明が適用された車両のエンジン駆動装置の
システム構成図
【図4】自動変速システムの自動変速機の概略を示すブ
ロック図
【図5】前記自動変速機における各摩擦係合装置の係合
状態を示す線図
【図6】急速増圧制御を実行するための油圧制御装置の
要部を示す油圧回路図
【図7】前進クラッチのオイルの供給特性等を時間軸に
沿って示した線図
【図8】オイルの抜け量とエンジン回転速度(オイルポ
ンプの回転速度)との関係を示した線図
【図9】油温とオイルの供給速度、及び急速増圧制御の
実行時間との関係を示した線図
【図10】エンジン回転速度(オイルの抜け量)とエン
ジン冷却水温(油温)と急速増圧制御の実行時間との関
係のマップ例を示した線図
【図11】シフトポジションのゲート配置図
【図12】ステアリング外観図及びシフト操作のボタン
を表した図
【図13】エンジン自動停止時のギヤ段と油温との関係
のマップ図
【符号の説明】
1…エンジン 2…自動変速機 3…モータジェネレータ 4…インバータ 5…バッテリ 19…オイルポンプ 42…エコランスイッチ 44…シフトレバー 45…シフトポジションセンサ 47…エンジン冷却水温センサ 49…エンジン回転速度センサ R…減速機構 ΔT…急速増圧の実行時間 Ts…急速増圧開始時刻 Tend…急速増圧終了時刻
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 29/02 321 F02D 29/02 321A // F16H 59:68 F16H 59:68 103:12 103:12 (56)参考文献 特開 平9−71138(JP,A) 特開 平8−14076(JP,A) 特開 平8−164775(JP,A) 特開 平6−11026(JP,A) 特開 平8−4888(JP,A) 特開 平5−263913(JP,A) 特開 平8−254262(JP,A) 特開 平6−265004(JP,A) 特開 平9−39613(JP,A) 特開 平8−166058(JP,A) 特開 平11−303981(JP,A) 特開 平2−261968(JP,A) 特開 平9−68265(JP,A) 特開 平8−326897(JP,A) 特開 平9−68266(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 B60K 41/00 - 41/28 F02D 29/00 - 29/06

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の停止条件が成立したときにエンジン
    を自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立した
    ときに該自動停止したエンジンを再始動する車両であっ
    、変速機の所定のクラッチにオイルを供給するオイル
    ポンプがエンジンにより駆動され、該エンジンが停止す
    るとオイルポンプも停止する構成であり、前記エンジン
    の再始動の際に変速機の所定のクラッチを係合させる車
    両のエンジン再始動時の制御装置において 前記エンジンの再始動時に前記オイルポンプを駆動し
    て、前 記所定のクラッチを係合させるための油圧を供給
    する際に、該油圧の供給初期に一時的に所定時間だけ油
    圧を急速に増圧する急速増圧制御を、前記エンジンの再
    始動指令が出されてから所定時間後に実行する手段と、
    該急速増圧制御の実行態様が適切であったか否かを判定
    する手段と、を備え、該急速増圧制御の実行態様が適切
    であったか否かの判定に基づいて、前記急速増圧制御の
    実行態様の学習制御を実施することを特徴とする車両の
    エンジン再始動時の制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、更に、 前記エンジンの停止指令が出されてからの経過時間に基
    づいて、前記学習制御を実施するか否か、または学習制
    御の態様を判断する手段を備えていることを特徴とする
    車両のエンジン再始動時の制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、更に、 前記エンジンの再始動直前のクラッチ油路におけるオイ
    ルの抜け量に応じて前記急速増圧制御の実行時間を設定
    し、該実行時間を油温に応じて増減補正する手段を備え
    ているこ とを特徴とする車両のエンジン再始動時の制御
    装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、更に、 前記オイルポンプの回転速度が零から若干立ち上がった
    所定値になったことを、前記エンジン回転速度から判定
    する手段を備えているこ とを特徴とする車両のエンジン
    再始動時の制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、更に 前記所定のクラッチが実際に係合を開始したことを検出
    する手段を備え、前記急速増圧制御の実行態様が適切で
    あったかの判定を、前記急速増圧制御の終了指令を出し
    た後、前記クラッチが実際に係合を開始するまでの時間
    に基づいて行うこ とを特徴とする車両のエンジン再始動
    時の制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、更に、 前記急速増圧制御の実行態様が適切であったかの判定
    を、前記エンジンの再始動直前のクラッチ油路における
    オイルの供給状態に基づいて行うことを特徴とする車両
    のエンジン再始動時の制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、更に、 前記学習制御は、エンジンの再始動時に達成される変速
    段毎に実行することを特徴とする車両のエンジン再始動
    時の制御装置。
  8. 【請求項8】請求項1において、更に、 再始動時に達成される変速段においてエンジンブレーキ
    を確保するために係合される摩擦係合装置が再始動時に
    前記所定のクラッチと同時に係合されるか否かを判断す
    る手段を備え、前記学習制御における学習値が、該判断
    により前記エンジンブレーキを確保するために係合され
    る摩擦係合装置が再始動時に係合されるか否かに基づい
    て、変更設定されることを特徴とする車両のエンジン再
    始動時の制御装置。
  9. 【請求項9】所定の停止条件が成立したときにエンジン
    を自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立した
    ときに該自動停止したエンジンを再始動する車両であっ
    て、変速機の所定のクラッチにオイルを供給するオイル
    ポンプがエンジンにより駆動され、該エンジンが停止す
    るとオイルポンプも停止する構成であり、前記エンジン
    の再始動の際に変速機の所定のクラッチを係合させる車
    両のエンジン再始動時の制御装置において、 前記エンジンの再始動時に前記オイルポンプを駆動し
    て、前記所定のクラッチを係合させるための油圧を供給
    する際に、該油圧の供給初期に油圧を急速に増圧する急
    速増圧制御を、前記エンジンの再始動指令が出されてか
    ら所定時間後に実行する手段と、を備えていることを特
    徴とする車両のエンジン再始動時の制御装置。
  10. 【請求項10】所定の停止条件が成立したときにエンジ
    ンを自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立し
    たときに該自動停止したエンジンを再始動する車両であ
    って、該再始動の際に変速機の所定のクラッチを係合さ
    せる車両のエンジン再始動時の制御装置において、 前記エンジンの再始動時に前記所定のクラッチを係合さ
    せるための油圧を供給する際に、該油圧の供給初期に一
    時的に所定時間だけ油圧を急速に増圧する急速増圧制御
    を実行する手段と、該急速増圧制御の実行態様が適切で
    あったか否かを判定する手段と、を備え、該急速増圧制
    御の実行態様が適切であったか否かの判定に基づいて、
    前記急速増圧制御の実行態様の学習制御を実施し、該学
    習制御は、エンジンの再始動時に達成される変速段毎に
    実行することを特徴とする車両のエンジン再始動時の制
    御装置。
  11. 【請求項11】所定の停止条件が成立したときにエンジ
    ンを自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立し
    たときに該自動停止したエンジンを再始動する車両であ
    って、該再始動の際に変速機の所定のクラッチを係合さ
    せる車両のエンジン再始動時の制御装置において、 前記エンジンの再始動時に前記所定のクラッチを係合さ
    せるための油圧を供給する際に、該油圧の供給初期に一
    時的に所定時間だけ油圧を急速に増圧する急速増圧制御
    を実行する手段と、該急速増圧制御の実行態様が適切で
    あったか否かを判定する手段と、を備え、該急速増圧制
    御の実行態様が適切であったか否かの判定に基づいて、
    前記急速増圧制御の実行態様の学習制御を実施するとと
    もに、 前記エンジンの再始動時に達成される変速段において、
    エンジンブレーキを確保するために係合される摩擦係合
    装置が、前記エンジンの再始動時に前記所定のクラッチ
    と同時に係合されるか否かを判断する手段を備え、前記
    学習制御における学習値が、該判断により前記エンジン
    ブレーキを確保するために係合される摩擦係合装置が、
    前記エンジンの再始動時に係合されるか否かに基づい
    て、変更設定されることを特徴とする車両のエンジン再
    始動時の制御装置。
  12. 【請求項12】所定の再始動条件が成立したときに該自
    動停止したエンジンを再始動する車両であって、変速機
    の所定のクラッチにオイルを供給するオイルポンプがエ
    ンジンにより駆動され、該エンジンが停止するとオイル
    ポンプも停止する構成であり、前記エンジンの再始動の
    際に変速機の所定のクラッチを係合させる車両のエンジ
    ン再始動時の制御装置において、 前記エンジンの再始動時に前記オイルポンプを駆動し
    て、前記所定のクラッチを係合させるための油圧を供給
    する際に、該油圧の供給初期に一時的に所定時間だけ油
    圧を急速に増圧する急速増圧制御を、前記エンジンの再
    始動指令が出されて、前記オイルポンプの回転速度が零
    から立ち上がった所定値になった時に実行する手段と、
    該急速増圧制御の実行態様が適切であったか否かを判定
    する手段と、を備え、該急速増圧制御の実行態様が適切
    であったか否かの判定に基づいて、前記急速増圧制御の
    実行態様の学習制御を実施することを特徴とする車両の
    エンジン再始動時の制御装置。
  13. 【請求項13】所定の停止条件が成立したときにエンジ
    ンを自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立し
    たときに該自動停止したエンジンを再始動する車両であ
    って、変速機の所定のク ラッチにオイルを供給するオイ
    ルポンプがエンジンにより駆動され、該エンジンが停止
    するとオイルポンプも停止する構成であり、前記エンジ
    ンの再始動の際に変速機の所定のクラッチを係合させる
    車両のエンジン再始動時の制御装置において、 前記エンジンの再始動時に前記オイルポンプを駆動し
    て、前記所定のクラッチを係合させるための油圧を供給
    する際に、該油圧の供給初期に油圧を急速に増圧する急
    速増圧制御を、前記エンジンの再始動指令が出されて、
    前記オイルポンプの回転速度が零から立ち上がった所定
    値になった時に実行する手段と、を備えていることを特
    徴とする車両のエンジン再始動時の制御装置。
  14. 【請求項14】請求項9において、前記急速増圧制御
    は、油圧の供給初期に一時的に所定時間だけおこなわれ
    ることを特徴とする車両のエンジン再始動時の制御装
    置。
  15. 【請求項15】請求項12において、前記急速増圧制御
    を実行する手段は、前記オイルポンプの回転速度が零か
    ら若干立ち上がった所定値になった時に、前記急速増圧
    制御を実行するものであることを特徴とする車両のエン
    ジン再始動時の制御装置。
  16. 【請求項16】請求項13において、前記急速増圧制御
    を実行する手段は、油圧の供給初期に一時的に所定時間
    だけ油圧を急速に増圧する急速増圧制御を、前記オイル
    ポンプの回転速度が零から若干立ち上がった所定値にな
    った時に実行するものであることを特徴とする車両のエ
    ンジン再始動時の制御装置。
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