JP4312994B2 - 自動変速機の変速油圧装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の変速油圧装置であって、特に、走行中の車両停止時にエンジンのアイドリングを停止するアイドルストップ制御装置を備えた車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、走行中において車両が停止し、かつ所定の停止条件が成立した場合に、エンジンを自動的に停止させ、燃料の節約、排気エミッションの低減、あるいは騒音の低減等を図るように構成したアイドルストップ車両がすでに実用化されている。このようなアイドルストップ車両に関する技術として、例えば特開2000−274273公報や特開2000−313253公報に記載の技術が知られている。このような車両にあってはエンジン再始動時に、エンジン完爆前から前進クラッチへの油圧供給を行うことで、エンジンが吹き上がった状態で前進クラッチが係合することで発生する係合ショックを防止している。
【0003】
また、エンジン再始動後に通常の車両と同様クリープトルクを得る制御が行われる。このとき、エンジン完爆前にある程度の締結力が確保されると、エンジン完爆時に発生するエンジンオーバーシュート(エンジンの完爆直後に一旦アイドル回転数よりも高い回転数になる現象)によって一時的に過大なトルクが発生し、安定したクリープトルクを得られない。これを防止するために、特開2000−274273公報に記載の技術では、大容量のモータジェネレータ及びバッテリを備え、エンジンオーバーシュート分の過大なトルクをモータジェネレータによって回生することで変速機への過大なトルク入力を防止している。
【0004】
また、特開2000−313253公報に記載の技術では、変速機に入力された過大トルクをフットブレーキの液圧制御により駆動輪側から固定することで、発進ショックを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、大容量のモータジェネレータやバッテリを備えるため、大幅なコストアップが避けられない。また、フットブレーキの液圧制御においても、アイドルストップ制御との協調制御が必要であり、制御が複雑化する。また、フットブレーキ液圧システムの変更も要求されるため、やはり大幅なコストアップを避けることができない。
【0006】
本発明は、上述のような従来技術の問題点に着目してなされたもので、エンジンにより駆動されるメインポンプを油圧供給源とする自動変速機の変速油圧装置において、エンジン再始動時に安定したクリープトルクを得ることで、スムーズに発進することのできる自動変速機の変速油圧装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、予め設定されたアイドリング停止条件により、エンジンコントロールユニットに対しエンジンのアイドリング作動及び停止信号を出力するアイドルストップ制御手段を有するエンジンと、自動変速機内の前進用締結要素の締結圧を調圧可能な締結圧調圧手段と、前記締結圧調圧手段に対し、調圧制御指令を出力する締結圧調圧制御手段と、を備えた車両において、エンジン出力トルク相当値を検出するエンジン出力トルク検出手段を設け、前記締結圧調圧制御手段に、前記前進用締結要素の完全締結圧を得る調圧制御指令を出力する通常制御部と、前記前進用締結要素が完全締結圧より低い、予め設定されたクリープトルク相当値を伝達する締結力を得る調圧制御指令を出力するクリープトルク制御部を設け、アイドルストップ後のエンジン再始動時に、前記締結圧調圧制御手段は、検出されたエンジン出力トルク相当値が予め設定された設定値未満の時は、前記クリープトルク制御部による制御を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
前記エンジン出力トルク検出手段をスロットル開度検出手段とし、前記エンジン出力トルク相当値を、スロットル開度値としたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
前記締結圧調圧手段を、電流値によって調圧可能な電磁リニアソレノイドバルブとしたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明では、請求項1または2に記載の自動変速機の変速油圧装置において、前記コントロールバルブユニット内のライン圧を自動変速機内の前進用締結要素に優先して供給する油圧源優先供給手段と、前記油圧源優先供給手段と通常の供給手段を切り換える切換手段と、該切換手段の切換制御を行う切換制御手段と、前記前進用締結要素と前記切換手段とを連通する第1油路から分岐した第2油路と、該第2油路と連通する油路の油圧を、前記前進用締結要素がクリープトルクのみを伝達する締結力を得る油圧に調圧する調圧弁と、前記第2油路と前記調圧弁の間に介装され、前記調圧弁と前記第1油路との連通・非連通状態を前記締結圧調圧制御手段の指令に基づいて切り換える電磁切換弁と、を設け、前記クリープトルク制御部を、前記電磁切換弁を連通状態に切り換える指令を出力する制御部としたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
前記締結圧調圧制御手段を、検出されたエンジン出力トルク相当値が予め設定された前記設定値以上の時は、前記クリープトルク制御部による制御から前記通常制御部による制御に切り換える制御切換部を有する手段としたことを特徴とする。
【0013】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、締結圧調圧制御手段に、前進用締結要素の完全締結圧を得る調圧制御指令を出力する通常制御部と、前進用締結要素が完全締結圧より低い、予め設定されたクリープトルク相当値を伝達する締結力を得る調圧制御指令を出力するクリープトルク制御部が設けられている。そして、アイドルストップ後のエンジン再始動時に、検出されたエンジン出力トルク相当値が予め設定された設定値未満の時は、クリープトルク制御部による制御が行われる。すなわち、エンジントルク出力要求が出されていなければ、前進用締結要素に予め設定されたクリープトルク相当値のみ伝達することで、例えエンジン側のトルク変動が変速機側に入力されたとしても、前進用締結要素が滑ることで駆動輪にトルク変動を伝達しない。よって、アイドルストップ後のエンジンを再始動時に、安定したクリープトルクを得ることができる。
【0014】
請求項2に記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、エンジン出力トルク検出手段がスロットル開度検出手段とされたことで、例えば請求項1に記載の設定値として、スロットル開度が略ゼロを表す値に設定すると、運転者がアクセルを踏み込んでいない状況でクリープトルク制御を確実に実行することができる。また、既存のスロットル開度センサ等を用いることで、運転者の意図を反映しコストアップを招くことなく制御することができる。
【0015】
請求項3に記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、締結圧調圧手段が、電流値によって調圧可能な電磁リニアソレノイドバルブとされている。よって、ポンプ吐出圧が十分発生していない状態でも、電磁力で直接ロークラッチ圧の設定ができるため、エンジンのオーバーシュートによってポンプ吐出圧が変動した場合であっても、安定したクリープトルク締結圧を出力することができる。また、信号圧等を用いて制御していないため、他の油圧による作動上の影響を受けず高い制御性を得ることができる。
【0016】
請求項4に記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、油圧源優先供給手段が設けられ、この油圧源優先供給手段と通常の供給手段を切り換える切換手段が設けられている。これにより、エンジン再始動時には油の抜けた前進用締結要素に素早く締結圧を供給する。このとき、エンジン出力トルク相当値が第1設定値未満のときは、第1油路から分岐した第2油路上の電磁切換弁に対して、クリープトルク制御部から調圧弁と前進用締結要素を連通状態に切り換える指令が出力される。これにより、油圧源優先供給手段から供給される油圧が変動しても、調圧弁によりクリープトルク相当の締結圧を得る油圧に調圧される。すなわち、前進用締結要素の締結圧がクリープトルク相当値となることで、エンジン再始動時のエンジンオーバーシュートに伴うトルク変動が前進用締結要素に伝達されることがない。よって、安定したクリープトルクを得ることができる。
【0017】
請求項5に記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、締結圧調圧制御手段が有する制御切換部において、検出されたエンジン出力トルク相当値が予め設定された設定値以上の時は、クリープトルク制御部による制御から通常制御部による制御に切り換えられる。よって、クリープトルク制御中に例えば運転者から急発進要求が出されたとしても、素早く通常の完全締結圧を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における自動変速機の制御系を表す図である。
10はエンジン、20は自動変速機、30はトルクコンバータ、50はコントロールユニット、60はスタータジェネレータである。
エンジン10には、燃料供給装置11が備えられ、エンジン10へ燃料を供給している。また、チェーンスプロケット12が設けられ、スタータジェネレータ60に電磁クラッチ61を介して設けられたチェーンスプロケット62とチェーン63により連結されている。このスタータジェネレータ60はエンジン10のスタータ、減速状態での発電機、並びにバッテリの蓄電状態に応じて発電する発電機として機能する場合は、電磁クラッチ61によりエンジン10と締結状態とされる。
【0021】
また、自動変速機20には、エンジン10と共に回転駆動するメインポンプ22が設けられ、油圧サーボ23へ油圧を供給している。
【0022】
コントロールユニット50には、アイドルストップスイッチ1,ブレーキスイッチ2,舵角センサ3,油温センサ4,及び車速センサ5からの信号が入力され、スタータジェネレータ60及び燃料供給装置11の作動を制御する。
【0023】
本実施の形態1では、変速機構部24にギヤ式の有段変速機を備えている。図2は本実施の形態1の有段変速機の構成を表す概略図である。
図2において、G1,G2は遊星ギヤ、M1,M2は連結メンバ、R/C,H/C,L/Cはクラッチ、B/B,L&R/Bはブレーキ、L−OWCはワンウェイクラッチ、INは入力軸(入力部材)、OUTは出力軸(出力部材)である。
【0024】
前記第1遊星ギヤG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、両ギヤS1,R1に噛み合うピニオンを支持する第1キャリアPC1を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
前記第2遊星ギヤG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、両ギヤS2,R2に噛み合うピニオンを支持する第2キャリアPC2を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
前記第3遊星ギヤG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、両ギヤS3,R3に噛み合うピニオンを支持する第3キャリアPC3を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
前記第1連結メンバM1は、第1キャリアPC1と第2リングギヤR2とをロークラッチL/Cを介して一体的に連結するメンバである。
前記第2連結メンバM2は、第1リングギヤR1と第2キャリアPC2とを一体的に連結するメンバである。
【0025】
リバースクラッチR/CはRレンジの時に締結し、入力軸INと第1サンギヤS1を接続する。
ハイクラッチH/Cは3速,4速の時に締結し、入力軸INと第1キャリヤPC1を接続する。
ロークラッチL/Cは1速,2速,3速ギヤの時締結し、第1キャリヤPC1と第2リングギヤR2とを接続する。
ロー&リバースブレーキL&R/Bは1速とRレンジの時に締結し、第1キャリヤPC1の回転を固定する。
バンドブレーキB/Bは2速,4速の時に締結し、第1サンギヤS1の回転を固定する。
ローワンウェイクラッチL−OWCは1速で車両が加速状態の時に作用し、第1キャリヤPC1の回転を固定する。減速中は作用しない。
【0026】
前記入力軸INは、第1リングギヤR1に連結され、エンジン回転駆動力をトルクコンバータ30を介して入力する。前記出力軸OUTは、第2キャリアPC2に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギヤ等を介して駆動輪に伝達する。前記各クラッチ及びブレーキには、各変速段にて締結圧や解放圧を作り出す油圧サーボ23が接続されている。
【0027】
[変速作用]
図3は実施の形態1の変速機構部24での締結作動表を表す図である。
図3において、○は締結状態、×は非締結状態を示す。
【0028】
[油圧回路構成]
図4は実施の形態1における油圧サーボ23から変速機構部24へ制御油圧を供給する油圧回路を表す油圧回路図である。エンジン10により駆動されるメインポンプ22と、メインポンプ22の吐出圧をライン圧として調圧するプレッシャレギュレータバルブ47と、ライン圧をマニュアルバルブに供給する第1ライン圧油路39と、マニュアルバルブ通過後のライン圧を供給する第2ライン圧油路40が設けられている。
【0029】
また、油圧回路を切り換える第1シフトバルブ41及び第2シフトバルブ42と、各シフトバルブ41,42を作動するパイロット圧を供給するパイロット圧油路41b,42bとが設けられている。また、第2ライン圧油路40には、通路抵抗の少ないバイパス油路45が設けられている。このバイパス油路45には、ロークラッチL/Cの直前に設けられ、更にバイパス油路45とロークラッチL/Cの連通・非連通状態を切り換える第1切換弁44が設けられている。更に、第1切換弁44とロークラッチL/Cの間の油路82上には、調圧弁410との連通・非連通状態を切り換える電磁切換弁400が設けられた分岐油路83が設けられている。
【0030】
また、ロックアップクラッチのアプライ圧とリリース圧を制御するロックアップ制御弁600と、このロックアップ制御弁600の作動を制御するロックアップソレノイド520が設けられている。
【0031】
油路81は、第1切換弁44のスプリングを付勢する収納室44lと第1シフトバルブ41のポートaと連通している。また、ロックアップソレノイド520の出力ポート521は第1シフトバルブ41のポートcと連通している。
【0032】
1速、2速状態の第1シフトバルブ41は、第1シフトソレノイド41bがオン状態で、スプールバルブがスプリング41aの荷重にうち勝って上側の位置にある。すると、第1シフトバルブ41のポートaとポートcは連通し、ロックアップソレノイド520の出力圧は、油路81を介して第1切換弁44の収納室44lに導かれる。
【0033】
一方、3速,4速状態では、第1シフトバルブ41は第1シフトソレノイド41bがオフ状態で、スプールバルブ44fはスプリング荷重により下側に位置する。この状態では、第1切換弁44の収納室44lは、油路81,第1シフトバルブ41のポートa,ポートbを介してドレン状態となる。一方、ロックアップソレノイド520の出力圧は、第1シフトバルブ41のポートc,ポートdを介してロックアップ制御弁600のポートa1と接続される。
【0034】
図5は第1切換弁44近傍の拡大断面図である。この第1切換弁44はスプールバルブ44fとリターンスプリング44gから構成されている。スプールバルブ44fには、リターンスプリング44gのばね力及びロックアップソレノイド出力圧に対向する油圧を受ける第1受圧部44i(受圧面積A1)と、第2受圧部44j(受圧面積A2)が設けられている。
【0035】
ポート44aにはオリフィスd1を備えた通常のロークラッチ圧供給油路101が連通されている。ポート44bにはロークラッチL/Cが連通されている。ポート44cには通路抵抗の少ないバイパス油路45が連通されされている。ポート44dにはハイクラッチH/C圧の締結圧を供給するインターロック防止油路103が連通されている。ポート44eにはマニュアルバルブ213通過前の切り換え用ライン圧油路102が連通されている。ポート44hにはロックアップソレノイド520から出力された油圧を第1シフトバルブ41を介して供給する油路81が連通されている。ポート44kにはロークラッチアキューム室90に油圧を供給する油路が連通されている。
【0036】
ここで、バイパス油路45の通路抵抗は、極力小さくすることが望ましい。すなわち、他の油路(特に各締結要素直前)には、締結直後のサージ圧を防止するためのオリフィスが設けられ、ライン圧の立ち上がり特性を調整している。これにより、バイパス油路45の通路抵抗を小さく設定することで、メインポンプの吐出油量の多くをロークラッチL/Cに供給することができるからである。
【0037】
(第1切換弁のセッティング)
リターンスプリング44gのセット荷重kx0と収納室44lに作用するロックアップソレノイド520の出力する油圧PL/Uに受圧面積A2を掛けた値の和が第1受圧部44iにかかるライン圧PLに受圧面積A1を掛けた値より大きい(kx0+PL/U・A2>PL・A1)場合には、ポート44bとポート44cが連通し、ロークラッチL/Cにはマニュアルバルブ213を通過後の油圧がバイパス油路45を介して流入する。
【0038】
ここで、kx0は、リターンスプリング44gのセット荷重であり、受圧面積A1で割った値kx0/A1をPsであらわすと、
Pset=Ps+PL/U・A2/A1
と定義する。ここで、Ps(=kx0/A1)は約1kg/cm2、A2/A1は1以上(例えば1.5)に設定している。
【0039】
Pset>PLの場合、第1切換弁44は、上述したようにロークラッチL/Cとバイパス油路45を連通し、Pset>PLの場合は、ロークラッチL/Cは、オリフィスd1,ロークラッチアキュムレータ300と連通する通常油圧回路と連通する。
【0040】
(調圧弁のセッティング)
調圧弁410は、スプール411を付勢するスプリング412と、スプリング力に対向する対向圧油路413と、ドレン414から構成されている。スプリング412の付勢力と対向圧油路413の油圧のバランスによってスプール411を切り換える。対向油圧がスプリングの付勢力より大きいときはドレン414へ連通し、対向油圧がスプリングの付勢力より小さいときは回路を閉じる。
【0041】
調圧弁410への油圧供給は電磁切換弁400によって切り換えられ、電磁切換弁400がON状態の時は調圧弁410へ油圧を供給する。OFF状態の時は調圧弁410への油圧供給を遮断する。
【0042】
すなわち、第1切換弁44からロークラッチL/Cに出力された油圧は、電磁切換弁400がON状態のときは調圧弁410のスプリング荷重によって決定される。スプリング荷重の決定については、後で詳述する。
【0043】
(アイドルストップ制御)
図6はアイドルストップ制御の基本制御内容を表すフローチャートである。
【0044】
ステップ101では、アイドルストップスイッチ1が通電、車速が0、ブレーキスイッチがON、舵角が0、Rレンジ以外のレンジが選択されているかどうかを判断し、全ての条件を満たしたときのみステップ102へ進み、それ以外はアイドルストップ制御を無視する。
【0045】
ステップ102では、セレクト位置がDレンジかどうかを判定し、Dレンジであればステップ103へ進み、それ以外はステップ104へ進む。
【0046】
ステップ103では、油温Toilが下限油温Tlowよりも温度が高く上限油温Thiよりも低いかどうかを判定し、条件を満たしていればステップ104へ進み、それ以外はステップ101へ進む。
【0047】
ステップ104では、エンジン10を停止する。
【0048】
ステップ105では、ブレーキスイッチ2がONかどうかを判定し、ON状態であればステップ106へ進み、それ以外はステップ104へ進む。
【0049】
ステップ106では、アイドルストップスイッチ1が通電しているかどうかを判定し、通電していなければステップ104へ進み、通電していればステップ107へ進む。
【0050】
ステップ107では、エンジン再始動制御を実行する。
【0051】
すなわち、運転者がアイドルストップ制御を希望しており、車両が停止状態で、ブレーキが踏まれており、舵角が0で、Rレンジが選択されていなければ、エンジン10を停止する。ここで、アイドルストップスイッチ1は、運転者がアイドルストップを実行又は解除する意志を伝えるものである。イグニッションキーを回した時点でこのスイッチは通電状態である。また、舵角が0の場合としたのは、例えば右折時等の走行時の一時停車時においては、アイドルストップを禁止するためである。
【0052】
また、Rレンジにおけるアイドルストップ制御を禁止したのは締結完了状態にするための必要油量が、1速締結状態より遙かに多くなるため十分な油量を供給できない恐れがあるからである。すなわち、図3の締結表に示すように、1速段ではロークラッチL/Cに油圧の供給が必要である。よって、各シフトバルブが油路を切り換えていない状態であってもロークラッチL/Cにのみバイパス油路45から油圧を供給すればよい。しかしながらRレンジでは、リバースクラッチR/C及びロー&リバースブレーキL&R/Bにも油圧を供給しなければならないため、エンジン始動までに締結に必要な油量を供給することが困難であるからである。
【0053】
次に、油温Toilが下限油温Tlowよりも高く、上限油温Thiよりも低いかどうかを判定する。これは、油温が所定温度以上でないと、油の粘性抵抗のために、エンジン完爆前に所定油量の充填ができない可能性があるためである。また、油温が高温状態では、粘性抵抗の低下によりメインポンプ22の容積効率が低下することと、バルブ各部のリーク量が増加するため、同様にエンジン完爆前に締結要素への所定油量が充填できない可能性があるためである。
【0054】
次に、ブレーキが離されたときは、運転者にエンジン始動の意志があると判断し、また、ブレーキが踏まれた状態であっても、アイドルストップスイッチ1に非通電が確認されるときは、運転者にエンジン始動の意志があると判断する。これは、例えばアイドルストップによりエンジン10を停止すると、バッテリに負担がかかり、エアコン等の使用ができないといった事が生じないように、運転者が車室内の温度を暑いと感じたときには、運転者の意志によってアイドルストップ制御を解除することができることで、より運転者の意図に沿った制御を実行できるように構成されているものである。これにより、スタータジェネレータ60を作動することで、第2ライン圧油路40に油圧を供給する。
【0055】
このとき、エンジン停止時はメインポンプ22が停止した状態であるため、第1切換弁44はリターンスプリング44gによりバイパス油路45とロークラッチL/Cが連通した状態に切り換えられている。ここで、エンジン停止時は、ロークラッチL/Cに供給されている油も油路から抜け、油圧が低下してしまう。そのため、エンジン10が再始動されるときには、1速段走行時に係合されるべきロークラッチL/Cもその係合状態が解かれてしまった状態となっているため、エンジン再始動時に油圧を供給する必要があるからである。
【0056】
(エンジン再始動制御)
次に、エンジン再始動制御について説明する。図7は実施の形態1におけるエンジン再始動制御を表すフローチャートである。
【0057】
ステップ201では、スロットル開度TVO,エンジン回転数Ne,タービン回転数Ntを読み込む。
【0058】
ステップ202では、ロックアップデューティソレノイド520をONにする。
【0059】
ステップ203では、ライン圧デューティソレノイド70に油圧が最大になる指令値MAXを出力する。
【0060】
ステップ204では、スロットル開度TVOが0かどうかを判定し、スロットル開度TVO=0のときはステップ205へ進み、TVO≠0のときはステップ206へ進む。
【0061】
ステップ205では、電磁切換弁400にON指令を出力する。
【0062】
ステップ206では、電磁切換弁400にOFF指令を出力する。
【0063】
ステップ207では、第1シフトソレノイドにON指令を出力する。
【0064】
ステップ208では、エンジンが完爆したどうかを判定し、完爆していると判定したときはステップ210へ進み、完爆していないと判定したときはステップ209へ進む。
【0065】
ステップ209では、スタータにON指令を出力し本制御を繰り返す。
【0066】
ステップ210では、スタータにOFF指令を出力する。
【0067】
ステップ211では、タービン回転数Ntの落ち込みが所定量△Ntだけ発生したかどうかを判定し、タービン回転数Ntの落ち込みが発生していない場合は、本制御を繰り返す。タービン回転数Ntの落ち込みが発生した場合には、ステップ212へ進む。
【0068】
ステップ212では、ロックアップデューティソレノイドにOFFする。
【0069】
ステップ213では、ライン圧デューティソレノイドの通常制御を行う。
【0070】
以下、上述のエンジン再始動制御を説明する。
ステップ201→ステップ202→ステップ203→ステップ204→ステップ205→207と進む状態を図8のタイムチャートに基づいて説明する。
【0071】
エンジン再始動制御が開始されると、スロットル開度TVOが0の間はクリープ制御用の電磁切換弁400をONとし、第1シフトソレノイド41をONとする(図3の締結表参照)。そして、エンジン完爆までエンジンのスタータをONとする。また、同時にロックアップソレノイド520をONとする。
【0072】
まず、第1シフトソレノイド41bがONとなることで、第1シフトバルブ41が図中上方に移動し、ロックアップソレノイド520から出力された油圧が油路81を介して第1切換弁44の収納室44lに導かれる。また、第1切換弁44には、ロックアップソレノイド520からの出力圧PL/Uとスプリング44gの押圧力の和の対向圧となるライン圧が油路102から導かれる。
【0073】
また、ライン圧油路40から分岐したバイパス油路45から第1切換弁44を介してロークラッチL/Cに直接油圧が供給される。同時に、ライン圧デューティソレノイド70の制御によって、プレッシャモディファイアバルブ80が制御され、プレッシャレギュレータバルブ47を調圧することで、ライン圧を制御する。ここでは、素早くロークラッチL/C締結圧を得るためにライン圧デューティソレノイド70のデューティ比を最大値MAXとする。
【0074】
第1切換弁44からロークラッチL/Cに出力される油圧は、エンジン完爆前はメインポンプ22の吐出圧が十分に得られておらず、出来なりの油圧が供給される。エンジンが完爆すると、エンジンは一旦アイドリング回転数より大きな回転数になる所謂オーバーシュートを起こす。このとき、メインポンプ22の吐出圧も急激に上昇してしまうため、ロークラッチL/Cが一気に締結することによるショックが発生してしまう。そこで、ロークラッチL/Cの締結力を、エンジンアイドリング回転時において、トルクコンバータ30が伝達するトルク(クリープトルク)分のみ伝達する締結油圧を得るために、電磁切換弁400をONとし、調圧弁410によって過剰な油圧をドレンする。
【0075】
ここで、調圧弁410のスプリング荷重決定ロジックについて説明する。
トルクコンバータ30の伝達トルクT0は下記の式により算出される。
(数式1)
T0=Ne2×t×τ×ig (1)
ここで、Neはエンジン回転数、tはトルクコンバータのトルク比、τはトルクコンバータのトルク容量係数、igはギア比である。
上記(1)式のエンジン回転数にアイドリング回転数を代入し、トルクコンバータの固有値であるトルク比t、トルク容量係数τを代入することで、クリープトルクが得られる。
【0076】
次に、湿式クラッチの伝達トルクと油圧の関係は下記の式により算出される。
(数式2)
Pc=T1/(Sc×Nc×μ×r) (2)
ここで、Pcはクラッチ油圧、T1は伝達トルク、Scはクラッチピストン受圧部面積、Ncはクラッチ枚数、μは摩擦材摩擦係数、rは摩擦材の有効半径である。
【0077】
よって、ロークラッチL/Cの設計上の定数と、(1)式により得られたクリープトルクを代入することで、クリープトルクを伝達するのに必要なクラッチ油圧Pcを算出することができる。そこで、調圧弁410のスプリング412の付勢力を算出されたクラッチ油圧Pcと同じに設定する。これにより、電磁切換弁400がONのときはロークラッチL/Cにクリープトルクを発生しうる油圧以上が供給されることがない。
【0078】
次に、ステップ201→ステップ202→ステップ203→ステップ204→ステップ206→ステップ207→ステップ208→ステップ210→ステップ211に進む状態を図9のタイムチャートに基づいて説明する。
【0079】
スタータジェネレータ60のクランキングによりエンジンが回転し、運転者がアクセルを踏み込む。よって、運転者は発進の意図があるためクリープトルクを得る必要がなく、むしろ十分なロークラッチ締結圧を確保したいため、電磁切換弁400をOFFする。そして、エンジンが自立回転を開始したかどうかエンジン回転数から判定し、所定のエンジン回転数を超えたときはスタータジェネレータ60をOFFする。
【0080】
このとき、タービン回転数Ntはエンジン完爆後ある程度上昇し、ロークラッチL/Cの締結力の増加による負荷及び車両の停止状態による慣性力によって一旦回転数が落ち込んだ後、スムーズに上昇する特性がある。この特性を利用して、ステップ211においてエンジン完爆後にタービン回転数Ntが所定回転数△Nt落ち込んだかどうかを判定し、タービン回転数Ntの落ち込みを確認した後、ロックアップソレノイド520をOFFする。
【0081】
このときの第1切換弁44の状態について説明する。
第1切換弁44の第1受圧面A1には、ライン圧が導入されると共に、その対向圧として、スプリング44gとロックアップソレノイド出力圧PL/Uが導入される。また、バイパス油路45からロークラッチL/Cに直接油圧が供給されている。エンジン完爆前のエンジンクランキング状態では、油圧は非常に変動する虞があり、特に第1受圧面A1にかかるライン圧が急激に大きくなることで、スプール44fを動かし、切り換えてしまう虞がある。よって、ロックアップソレノイド520からの油圧を供給しておくことで、油圧変動が起こったとしても確実に第1切換弁45によりバイパス油路45とロークラッチL/Cとの連通を確保するものである。
【0082】
一方、エンジンが完爆すると安定したライン圧をある程度確保できるため、ロックアップソレノイド520をOFFする。これにより、第1切換弁44はライン圧の立ち上がりに応じて徐々にスプリング44gに抗してバイパス油路45から通常油路101に切り換えられ、締結ショック等を防止することができるものである。
【0083】
ここで、ロックアップソレノイド520をOFFした後に、必要と思われるロークラッチL/Cの締結力を得るためのポンプ吐出能力が確保される。よって、ライン圧デューティソレノイドは通常制御に切り換えられる。
【0084】
以上説明したように、実施の形態1における自動変速機の変速油圧装置にあっては、スロットル開度がゼロのときは、ロークラッチL/Cにクリープトルクのみを伝達する締結力を得る調圧弁410が設けられている。よって、例えエンジン側のトルク変動が変速機側に入力されたとしても、ロークラッチL/Cが滑ることで駆動輪にトルク変動を伝達しない。よって、安定したクリープトルクを得ることができる。
【0085】
また、スロットル開度が検出されたときは、電磁切換弁400によりロークラッチL/Cと調圧弁410を非連通状態に切り換えられるため、クリープトルク制御中に例えば運転者から急発進要求が出されたとしても、素早く通常の完全締結圧を得ることができる。
【0086】
(実施の形態2)
図10は実施の形態2における油圧回路を表す概略図である。変速機構部の構成は実施の形態1と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
【0087】
エンジンで駆動されるポンプ200の吐出圧は、プレッシャレギュレータバルブ210のポート210c,210d,210gに導かれる。さらに、吐出圧は、ポンプ吐出圧を一定圧に減圧するパイロットバルブ230のポート230cに導かれる。ライン圧デューティソレノイド240は、3方向デューティ弁であり、パイロットバルブ230の吐出圧(ポート230bからの出力圧)を供給源として、デューティ比に応じた圧力をポート240bに出力する。
【0088】
ライン圧デューティソレノイド240のポート240bは、プレッシャレギュレータバルブ210のスプールバルブ212の上側に作用するスプリング211のばね力と、ライン圧デューティソレノイド240で設定された油圧による油圧力と、スプールバルブ212の下側で、ポート210gと、ポート210f(マニュアルバルブがDレンジの場合)に作用するポンプ吐出圧による油圧力のバランスで決定する油圧に調圧される。
【0089】
このライン圧は、電磁リニアソレノイドバルブ260の供給圧ポート260dに導かれている。なお、ポート260a,260b,260fは、ドレンポートである。そして、電磁リニアソレノイドバルブ260のソレノイド261に供給する電流値に比例した荷重は、スプールバルブ262の左端に作用し、スプールバルブ262の右端側に配置されたスプリング263のばね力、及びフィードバック圧力ポート260eの油圧力のバランスで決まる油圧となるように、制御圧ポート260cの油圧を調圧する。
【0090】
この制御油圧は、ロークラッチL/Cのポート320a,320bを経由してロークラッチL/Cのピストン油圧室300aに導かれる。ロークラッチL/Cのピストン室は、これ以外に遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油圧室300bが配置されている。
【0091】
ライン圧の一部は、プレッシャレギュレータバルブ210のポート210cを介してトルコンリリーフ弁250のポート250a,250cに導かれ、スプールバルブ252の上側に作用するライン圧による油圧力が、スプールバルブ252の下側に配置されたスプリング251のばね力以上であれば、ライン圧は、ポート250bを開いて潤滑圧となって、ポート330a,330bを介してキャンセル油圧室に導かれる。
【0092】
図11は実施の形態2におけるアイドルストップ制御におけるエンジン再始動制御内容を表すフローチャートである。
【0093】
ステップ300では、スロットル開度TVO,エンジン回転数Ne,タービン回転数Ntを読み込む。
【0094】
ステップ301では、スロットル開度がゼロかどうかを判定し、ゼロの時はステップ302へ進み、それ以外の時はステップ304へ進む。
【0095】
ステップ302では、電磁リニアソレノイドバルブ260に対してクリープ油圧Pcとなるよう電流指令を出力する。
【0096】
ステップ303では、ライン圧デューティソレノイド240のデューティ比を最大値MAXとする。
【0097】
ステップ304では、電磁リニアソレノイドバルブ260に最大電流指令値MAXを出力する。
【0098】
ステップ305では、ライン圧デューティソレノイド240のデューティ比を最小値MINとする。
【0099】
ステップ306では、エンジンが完爆したかどうかを判断し、完爆していないときはステップ307に進み、完爆したときはステップ308に進む。
【0100】
ステップ307では、スタータジェネレータ60をONとする。
【0101】
ステップ308では、スタータジェネレータ60をOFFとする。
【0102】
ステップ309では、ライン圧デューティソレノイド240のデューティ比を通常制御値とする。
【0103】
ステップ310では、電磁リニアソレノイドバルブ260に対して通常の電流指令値を出力する。
【0104】
すなわち、エンジン再始動時であって、スロットル開度が検出されたときは、電磁リニアソレノイドバルブ260の電流値を最大とする。尚この状態では、ライン圧デューティソレノイド240のデューティ比は最低として、ライン圧の調圧を最低に設定する。そして、スタータジェネレータ60の駆動によりポンプ200は、エンジンクランキング回転数で決まる流量を吐出する。この吐出量は、プレッシャレギュレータバルブ210の設定油圧以下であるため、プレッシャレギュレータバルブ210でリリーフされることなく、リーク量をのぞいた吐出量が、電磁リニアソレノイドバルブ260の供給圧ポート260dに導かれる(トルコンリリーフ弁250も開かない)。
【0105】
またライン圧デューティソレノイド240のデューティ比を最低に設定するのは、エンジンクランキング中のポンプ負荷を減らして、ポンプ容積効率を少しでも高めることに加え、エンジン完爆までの時間を短縮することを目的としているからである。
【0106】
そして、電磁リニアソレノイドバルブ260の電流指令値が最大であるから、制御圧ポート260cと供給圧ポート260dとの開口は最大となる。こうして、ポンプ吐出圧は、ロークラッチL/Cのピストン300aに極めて小さい通路抵抗を通って導かれるため、エンジン完爆前に前進クラッチを締結状態にすることができる。これは、上述した油路抵抗が小さいことに加えて、ロークラッチL/Cのピストン室を遠心キャンセル機構としたため、ピストン室300a内の油圧がアイドルストップ状態でも油が充満していることも貢献している。
【0107】
エンジンが完爆すると、ライン圧デューティソレノイド240のデューティ比を通常指令値に戻し、電磁リニアソレノイドバルブ260の電流指令値も通常指令値に戻す。
【0108】
次に、エンジン再始動指令が出力され、スロットル開度がゼロの場合について、図12のタイムチャートに基づいて説明する。電磁リニアソレノイド260の電流値として、ロークラッチL/Cの締結圧がクリープトルク分のみ伝達される油圧Pcに応じた値を出力する。尚、油圧Pcについては実施の形態1で説明したクリープトルクに相当する油圧であるため、説明を省略する。そして、ロークラッチL/Cに大きな締結圧を要求されていないため、ライン圧デューティソレノイド240のデューティ比を最大値MAXとする。
【0109】
ここで、電流値に比例した油圧を出力可能な電磁リニアソレノイドバルブ260を用いた理由について、下記に示す2種類の電磁バルブの構成と比較して説明する。
【0110】
(電磁バルブ構成▲1▼)
図13は電磁ソレノイドバルブ700によって調圧する調圧弁800の構成を表す概略図である。
【0111】
まず構成について説明する。電磁ソレノイドバルブ700はポート701に供給されるパイロット圧を元圧とし、電流指令値に応じた吐出圧をポート702から出力する。調圧弁800はスプール801と、リターンスプリング804から構成されている。スプール801にはライン圧と連通するライン圧ポート802とドレン油路と連通するドレンポート803と、電磁ソレノイドバルブ700からポート806に供給された油圧力を受ける第1受圧部801aと、この第1受圧部801aに対向する面であって、リターンスプリング力及びロークラッチL/Cに出力された圧力のフィードバック圧805を受ける第2受圧部801bが設けられている。
【0112】
次に作用について説明する。電磁ソレノイドバルブ700から油圧が供給されないときは、リターンスプリング804の付勢力によりライン圧ポート802と連通してライン圧をロークラッチL/Cに直接導く。一方、電磁ソレノイドバルブ700から油圧が供給されると、スプール801は図中左方に移動しドレンポート803と連通して油圧をドレンする。
【0113】
上述の構成及び作用を有する構成の場合、下記に示す問題がある。すなわち、エンジン再始動時はポンプ200の吐出圧が十分に得られていないため、ライン圧も低く、それに伴いパイロット圧も十分に得られていない。このとき、エンジン完爆により所謂オーバーシュート(エンジンのアイドル回転以上の過回転)を起こすと、一気にライン圧が高くなる。そのとき、パイロット圧も同時に高くなるが電磁ソレノイドバルブ700からの油圧出力が間に合わず、ライン圧が一気にロークラッチL/Cに導かれる虞がある。これによって、急激なロークラッチL/Cの締結による締結ショックが発生してしまう。すなわち上述の構成ではロークラッチL/Cへ供給する油圧の制御が十分に達成できず、安定したクリープトルクを得ることができない。
【0114】
(電磁バルブ構成▲2▼)
図14は電磁ソレノイドバルブ700によって調圧する調圧弁800の構成を表す概略図である。
【0115】
基本的には図10で示した構成と同様であるが、ライン圧と連通するポート802とドレンポート803が逆に設けられている点が異なる。
【0116】
次に作用を説明する。電磁ソレノイドバルブ700から油圧が供給されないときは、リターンスプリング804の付勢力によりロークラッチL/Cはドレンポート803側に接続される。一方、電磁ソレノイドバルブ700から油圧が供給されると、スプール801は図中左方に移動してライン圧ポート802と連通し、ロークラッチL/Cにライン圧を供給する。
【0117】
上述の構成及び作用を有する構成の場合、下記に示す問題がある。すなわち、エンジン再始動時はポンプ200の吐出圧が十分に得られていないため、ライン圧も低く、それに伴いパイロット圧も十分に得られていない。よって、ロークラッチL/Cはドレンポート803と連通した状態であるため、エンジン再始動後にロークラッチL/Cへの油圧供給ができない。これにより、パイロット圧が確保されてから調圧弁800を切り換えると、一気にロークラッチL/Cにライン圧が供給され、急激なロークラッチL/Cの締結による締結ショックが発生してしまう。すなわち上述の構成ではエンジン再始動直後のロークラッチL/Cへ供給する油圧の制御が十分に達成できず、安定したクリープトルクを得ることができない。
【0118】
(電磁リニアソレノイドバルブの構成と構成▲1▼,▲2▼との対比)
実施の形態2にあっては、電流値に応じて吐出圧を設定可能な電磁リニアソレノイドバルブ260を設け、直接ロークラッチL/C締結圧を制御する。よって、ポンプ吐出圧が十分発生していない状態でも、電流値で直接ロークラッチ圧の設定ができるため、構成▲1▼のようにエンジンがオーバーシュートし、ライン圧が変動した場合に締結圧が変動するといったことがなく、安定したクリープトルク締結圧を出力することができる。
【0119】
また、構成▲2▼のようにパイロット圧が確保されなければロークラッチL/Cに油圧供給ができない構成に対し、電磁リニアソレノイドバルブ260は他の油圧によって作動の影響を受けないため、高い制御性を得ることができる。
【0120】
以上説明したように、実施の形態2に記載の自動変速機の変速油圧装置にあっては、電流値によって調圧可能な電磁リニアソレノイドバルブ260によってロークラッチ締結圧が制御されている。よって、ポンプ吐出圧が十分発生していない状態でも、電磁力で直接ロークラッチ圧の設定ができるため、エンジンのオーバーシュートによってポンプ吐出圧が変動した場合であっても、安定したクリープトルク締結圧を出力することができる。また、パイロット圧を用いて制御していないため、他の油圧による作動上の影響を受けず高い制御性を得ることができる。
【0121】
また、アクセル開度が検出されたときは、電磁リニアソレノイドバルブ260に対して最大値MAXが出力されると共に、ライン圧デューティソレノイド240に対して最小値MINが出力される。よって、クリープトルク制御中に例えば運転者から急発進要求が出されたとしても、素早く通常の完全締結圧を得ることができる。
【0122】
以上、実施の形態1,2について説明してきたが、本願発明は上述の構成に限られるものではなく、自動変速機の前進時の締結要素であればロークラッチに限らず適用することができる。また、上述の各実施の形態では有段式自動変速機の前進締結要素に適用した場合を示したが、無段変速機の前進締結要素に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における自動変速機の変速油圧装置を備えた車両の主要ユニットの構成を示す図である。
【図2】実施の形態における変速機構部である有段変速機の構成を表す概略図である。
【図3】実施の形態における有段変速機の各締結要素の締結表である。
【図4】実施の形態1における油圧回路を表す回路図である。
【図5】実施の形態1における第1切換弁の構成を表す断面図である。
【図6】実施の形態1におけるアイドルストップ制御を表すフローチャートである。
【図7】実施の形態1におけるアイドルストップ後のエンジン再始動制御を表すフローチャートである。
【図8】実施の形態1におけるアイドルストップ後のエンジン再始動時に実行されるクリープ制御を表すタイムチャートである。
【図9】実施の形態1におけるアイドルストップ後のエンジン再始動時に実行されるクリープ制御から通常制御への移行を表すタイムチャートである。
【図10】実施の形態2における油圧回路を表す回路図である。
【図11】実施の形態2におけるエンジン再始動制御を表すフローチャートである。
【図12】実施の形態2におけるアイドルストップ後のエンジン再始動時に実行されるクリープ制御を表すタイムチャートである。
【図13】電磁バルブの構成▲1▼を表す概略図である。
【図14】電磁バルブの構成▲2▼を表す概略図である。
【符号の説明】
1 アイドルストップスイッチ
2 ブレーキスイッチ
3 舵角センサ
4 油温センサ
5 車速センサ
10 エンジン
11 燃料供給装置
12 チェーンスプロケット
20 自動変速機
22 メインポンプ
23 油圧サーボ
24 変速機構部
30 トルクコンバータ
39 ライン圧油路
40 ライン圧油路
41 シフトバルブ
42 シフトバルブ
41b,42b パイロット圧油路
44 第1切換弁
44a,b,c,d ポート
44f スプールバルブ
44g リターンスプリング
44h ポート
44i 第1受圧部
44j 第2受圧部
44k ポート
44l 収納室
45 バイパス油路
47 プレッシャレギュレータバルブ
50 コントロールユニット
60 スタータジェネレータ
61 電磁クラッチ
62 チェーンスプロケット
63 チェーン
70 ライン圧デューティソレノイド
80 プレッシャモディファイア弁
80a 出力ポート
80b スプリング
81 油路
90 ロークラッチアキューム室
101 ロークラッチ圧供給油路
102 インターロック防止油路
103 インターロック防止油路
105 アキューム油路
200 ポンプ
210 プレッシャレギュレータバルブ
210c,f,g ポート
211 スプリング
212 スプールバルブ
213 マニュアルバルブ
230 パイロットバルブ
230b,c ポート
240 ライン圧デューティソレノイド
250 トルコンリリーフ弁
251 スプリング
252 スプールバルブ
260 電磁リニアソレノイドバルブ
261 ソレノイド
262 スプールバルブ
263 スプリング
300a ピストン室
300b 遠心キャンセル室
301,302 アキューム室
520 ロックアップソレノイド
600 ロックアップ制御弁
d1 オリフィス
G1 遊星ギヤ
G2 遊星ギヤ
G3 遊星ギヤ
H/C ハイクラッチ
B/B バンドブレーキ
L/C ロークラッチ
R/C リバースクラッチ
IN 入力軸
OUT 出力軸

Claims (5)

  1. 予め設定されたアイドリング停止条件により、エンジンコントロールユニットに対しエンジンのアイドリング作動及び停止信号を出力するアイドルストップ制御手段を有するエンジンと、
    自動変速機内の前進用締結要素の締結圧を調圧可能な締結圧調圧手段と、前記締結圧調圧手段に対し、調圧制御指令を出力する締結圧調圧制御手段と、
    を備えた車両において、
    エンジン出力トルク相当値を検出するエンジン出力トルク検出手段を設け、
    前記締結圧調圧制御手段に、前記前進用締結要素の完全締結圧を得る調圧制御指令を出力する通常制御部と、前記前進用締結要素が完全締結圧より低い、予め設定されたクリープトルク相当値を伝達する締結力を得る調圧制御指令を出力するクリープトルク制御部を設け、
    アイドルストップ後のエンジン再始動時に、前記締結圧調圧制御手段は、検出されたエンジン出力トルク相当値が予め設定された設定値未満の時は、前記クリープトルク制御部による制御を行うことを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
    前記エンジン出力トルク検出手段をスロットル開度検出手段とし、前記エンジン出力トルク相当値を、スロットル開度値としたことを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
  3. 請求項1または2に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
    前記締結圧調圧手段を、電流値によって調圧可能な電磁リニアソレノイドバルブとしたことを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
  4. 請求項1または2に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
    前記コントロールバルブユニット内のライン圧を自動変速機内の前進用締結要素に優先して供給する油圧源優先供給手段と、
    前記油圧源優先供給手段と通常の供給手段を切り換える切換手段と、
    該切換手段の切換制御を行う切換制御手段と、
    前記前進用締結要素と前記切換手段とを連通する第1油路から分岐した第2油路と、
    該第2油路と連通する油路の油圧を、前記前進用締結要素が予め設定されたクリープトルク相当値のみを伝達する締結力を得る油圧に調圧する調圧弁と、
    前記第2油路と前記調圧弁との間に介装され、前記調圧弁と前記第1油路との連通・非連通状態を前記締結圧調圧制御手段の指令に基づいて切り換える電磁切換弁と、
    を設け、
    前記クリープトルク制御部を、前記電磁切換弁を連通状態に切り換える指令を出力する制御部としたことを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
  5. 請求項1ないし4に記載の自動変速機の変速油圧装置において、
    前記締結圧調圧制御手段を、検出されたエンジン出力トルク相当値が予め設定された前記設定値以上の時は、前記クリープトルク制御部による制御から前記通常制御部による制御に切り換える制御切換部を有する手段としたことを特徴とする自動変速機の変速油圧装置。
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