JP4573795B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4573795B2
JP4573795B2 JP2006097030A JP2006097030A JP4573795B2 JP 4573795 B2 JP4573795 B2 JP 4573795B2 JP 2006097030 A JP2006097030 A JP 2006097030A JP 2006097030 A JP2006097030 A JP 2006097030A JP 4573795 B2 JP4573795 B2 JP 4573795B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
hydraulic
oil passage
pressure
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006097030A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007270953A (ja
Inventor
芳章 加藤
健治 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2006097030A priority Critical patent/JP4573795B2/ja
Publication of JP2007270953A publication Critical patent/JP2007270953A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4573795B2 publication Critical patent/JP4573795B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、自動変速機の油圧制御装置に関し、特に発進用締結要素の油圧制御装置に関する。
エンジンにより駆動されるオイルポンプが発生する油圧によりクラッチ(ブレーキを含む。以下、同様。)締結用の油圧が供給される自動変速機においては、アイドルストップによりエンジンが停止している間は、オイルポンプが油圧を発生することができない。このため、アイドルストップ後のエンジン再始動直後に、発進クラッチ締結油圧がゼロとなり、発進クラッチは非締結となる。よって、エンジン動力を車輪に伝達できないため、再発進応答性が遅れる、という問題があった。また、エンジン再始動時に、アクセルペダルが踏み込まれる等によりエンジン回転数が上昇(オーバーシュート)している状態のまま、発進クラッチがいきなり締結されると締結ショックが生じる、という問題があった。
上記問題を解決可能な従来技術として、非特許文献1には、エンジンにより駆動されるオイルポンプとは別に電動ポンプを設け、アイドルストップ中は、この電動ポンプの供給油圧により前進クラッチを締結状態に保つ方式が記載されている。また、特許文献1には、エンジンにより駆動されるオイルポンプとは別に、オイルポンプとクラッチ用油圧ユニットとの間に逆止弁及びアキュムレータ(又は電動ポンプ)を設け、アイドルストップ中は、このアキュムレータ(又は電動ポンプ)の供給油圧により前進クラッチを締結状態に保つ方式が記載されている。
自動車技術会講演会前刷集No.59-03 特開平8−14076号公報
しかし、非特許文献1及び特許文献1に記載の方式では、エンジン停止時に前進クラッチを完全な締結状態とし、前進クラッチの締結容量を最大としている。このため、エンジン再始動時にエンジン回転数が上昇(オーバーシュート)すると、エンジントルクの上昇がそのまま変速機出力軸に伝達されて、唐突な車両の飛び出し感を運転者に与える、という問題がある。よって、上記飛び出し感を回避するため、エンジン回転数のオーバーシュート期間中は、自動ブレーキにより車両飛び出し感を防止する等の対策が必要となる。
また、これらの方式では、アキュムレータや電動ポンプ等の、エンジンの駆動力によらないクラッチ締結油圧供給手段を設けることが必要であり、車両搭載性やコストが悪化する。
さらに、非特許文献1に記載の方式や特許文献1に記載の電動ポンプを用いる方式では、アイドルストップ中も電力を消費するため、バッテリの充電状態を常に監視しながらアイドルストップを許可するか否かを判定する必要がある。
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、アイドルストップ後のエンジン再始動時における再発進応答性を確保しつつ、再発進時のショックを防止し、かつ車両搭載性やコスト面の改善を図ることが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置は、エンジンにより駆動されるオイルポンプからの作動油の供給により移動するピストンと、前記ピストンの移動により互いに押し付けられる入力側及び出力側の複数の摩擦板と、非締結時には弾性力により前記ピストンと前記複数の摩擦板との間に所定のクリアランスを確保するリターンスプリングと、を有し、シフト位置として発進位置が選択された場合に締結される発進用締結要素と、所定の条件が成立したときは前記エンジンを停止するアイドルストップ制御手段と、を備えた自動変速機の油圧制御装置において、前記発進用締結要素から作動油を排出する第1油路上に、前記オイルポンプの非作動時に前記発進用締結要素の締結油圧を保持する保圧弁を設け、前記保持される締結油圧により前記ピストンに加えられる荷重は、前記クリアランスが最大であるときの前記リターンスプリングの弾性力より大きく、かつ、前記クリアランスがゼロに切り替わる時点における前記リターンスプリングの弾性力未満であることとした。
よって、本発明の自動変速機の油圧制御装置にあっては、アイドルストップ後のエンジン再始動時における再発進応答性を確保しつつ、再発進時のショックを防止し、かつ車両搭載性やコスト面の改善を図ることが可能である。
以下、本発明を実現するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
[自動変速機の概略]
図1は、本発明の油圧制御装置を適用したFF車用の自動変速機の概略断面図である。図2は、上記自動変速機の制御系を示す。自動変速機は、図外のエンジンからのトルクを増幅するトルクコンバータ1と、発進クラッチ(前進クラッチ及び後進ブレーキ)を有する前後進切替機構2と、入出力間で無段変速するCVT3と、駆動ギア4と、アイドラギア4aと、ファイナルギア4bと、差動装置4cと、を有している。また、各装置への油圧や潤滑油を供給する機構として、オイルポンプ7と、油圧コントロールバルブユニット8と、を有している。
前後進切換機構2は、リングギア2a,ピニオンキャリア2b,及びサンギア2cからなる遊星歯車機構により構成されている。リングギア2aは、トルクコンバータ出力軸13と連結している。サンギア2cは、CVT入力軸14と連結している。ピニオンキャリア2bには、変速機ケースにピニオンキャリア2bを固定する後進ブレーキ2e、及びCVT入力軸14とピニオンキャリア2bとを一体に連結する前進クラッチ2dが設けられている。
CVT3は、CVT入力軸14の端部に設けられたプライマリプーリ30(プライマリ可動プーリ30aおよびプライマリ固定プーリ30b)と、従動軸16上に設けられたセカンダリプーリ31(セカンダリ可動プーリ31aおよびセカンダリ固定プーリ31b)と、各プーリ30,31の溝間に巻き付けられプライマリプーリ30の回転力をセカンダリプーリ31に伝達するベルト15と、を有している。
プライマリ可動プーリ30aの軸方向位置(プライマリプーリ30の溝幅)は、プライマリプーリシリンダ室30c及びプライマリクランプ室30dに作用する油圧によって規定される。セカンダリ可動プーリ31aの軸方向位置(セカンダリプーリ31の溝幅)は、セカンダリプーリシリンダ室31c及びセカンダリクランプ室31dに作用する油圧によって規定される。
(CVTのプーリピストン室構造)
ここで、プライマリプーリ30及びセカンダリプーリ31のピストン室構造について図1に基づいて説明する。
プライマリプーリシリンダ室30cは、プライマリ可動プーリ30aとプライマリ可動プーリ30aの延長部30eと固定壁30fにより区画されている。延長部30eの内周部と固定壁30fの外周部はシールされている。よって、プライマリ可動プーリ30aが軸方向に移動してもプライマリプーリシリンダ室30cは液密状態を維持している。
プライマリクランプ室30dは、固定壁30f,30gとピストン30hとで区画されている。ピストン30hの外径部はプライマリ可動プーリ30aの延長部30eと当接する。また、ピストン30hはシールによってプライマリクランプ室30dを液密状態に維持している。
セカンダリプーリ31のピストン室構造は、プライマリプーリ30と同様である。
尚、セカンダリプーリシリンダ室31cとセカンダリクランプ室31dの間には、遠心キャンセル室31iが設けられている。遠心キャンセル室31iは、セカンダリプーリシリンダ室31c及びセカンダリクランプ室31dの両方の遠心油圧をキャンセルする。
尚、プライマリプーリシリンダ室30cとセカンダリプーリシリンダ室30cの受圧面積を等しくしている。また、プライマリクランプ室30dとセカンダリクランプ室31dの受圧面積を等しくしており、両室30d,31dは油路70により連通している。後述するように、両室30d,31dには、ライン圧が供給される。
よって、油圧回路内で最も高圧なライン圧を各クランプ室30d,31dに供給しているため、オイルポンプ7の動力を効率よく使用することが可能となり、ベルト滑りを確実に防止することができる。
従動軸16には駆動ギア4が固着されており、この駆動ギア4はアイドラ軸4dに設けられたアイドラギア4a、ファイナルギア4b、差動装置4cを介して図外の車輪に至るドライブシャフトを駆動する。
上記のような動力伝達の際に、プライマリ可動プーリ30a及びセカンダリ可動プーリ31aを軸方向に移動させてベルト15との接触位置半径を変えることにより、プライマリプーリ30とセカンダリプーリ31との間の回転比つまり変速比を変更する。このようなプーリ溝の幅を変化させる制御は、CVTコントロールユニット9を介してプライマリプーリシリンダ室30c,セカンダリプーリシリンダ室31c,プライマリクランプ室30d及びセカンダリクランプ室31dへの油圧制御により行われる。
CVTコントロールユニット9には、スロットル開度センサ5aからのスロットル開度TVO、エンジン回転数センサ5bからのエンジン回転数Ne、油温センサ5cからの油温T、プライマリ回転数センサ6aからのプライマリ回転数Npri、セカンダリ回転数センサ6bからのセカンダリ回転数Nsec等が入力される。この入力信号を元に制御信号を演算し、エンジンにより駆動されるオイルポンプ7を油圧源とする油圧コントロールバルブユニット8へ制御信号を出力する。
油圧コントロールバルブユニット8へは、CVTコントロールユニット9からの制御信号が入力され、この制御信号に基づいて油圧コントロールバルブユニット8内のソレノイドを駆動する。これにより、各シリンダ室及びクランプ室へ制御圧を供給することで変速制御を行うと共に、前進クラッチ2d及び後進ブレーキ2eへ供給する締結油圧を制御する。
(前進クラッチ)
図3は、前進クラッチ2dのCVT入力軸14方向断面図である。前進クラッチ2dは、トルクコンバータ出力軸13と連結して一体回転するクラッチドラム50、サンギア2cと連結して一体回転するクラッチハブ51、クラッチドラム50にスプライン嵌合された複数の入力側摩擦板50a、クラッチハブ51にスプライン嵌合された複数の出力側摩擦板51a、クラッチピストン52、皿バネ53、クラッチリターンスプリング54、及びスプリングリテーナ55を有している。
説明のため、CVT入力軸14の軸方向にx軸を設定し、クラッチピストン52に対してスプリングリテーナ55が設けられている方向を正方向と定義する。クラッチドラム50とクラッチピストン52との間には、前進クラッチピストン室62が設けられている。スプリングリテーナ55とクラッチピストン52との間には、遠心油圧の影響を排除する遠心キャンセル室63が設けられている。
遠心キャンセル室63内には、クラッチリターンスプリング54が、x軸方向に変位可能に設置されている。クラッチリターンスプリング54のx軸正方向端は、スプリングリテーナ55に固定されており、クラッチリターンスプリング54のx軸負方向端は、クラッチピストン52に固定されている。クラッチピストン52は、x軸方向に移動可能に設けられている。スプリングリテーナ55は、スナップリング56によりx軸正方向に移動不可能に固定されている。
前進クラッチピストン室62には前進クラッチ入力ポート61を介して作動油が給排される。前進クラッチ入力ポート61から作動油が供給されると、前進クラッチピストン室62内の油圧(以下、クラッチ締結油圧Pc)とクラッチピストン52の受圧面積との積の大きさの力が、クラッチピストン52に対してx軸正方向に作用する。このため、クラッチピストン52がx軸正方向にストロークする。
一方、クラッチピストン52がx軸正方向にストロークすると、クラッチリターンスプリング54が圧縮されて、クラッチリターンスプリング54のストローク量xと弾性係数との積の大きさの弾性力が、クラッチピストン52に対してx軸負方向に作用する。
図4は、クラッチリターンスプリング54のストローク量xと、クラッチリターンスプリング54の弾性力すなわちバネ荷重Fとの関係を示す。
クラッチピストン52は、Pcによる付勢力とクラッチリターンスプリング54のバネ荷重Fとが釣り合う位置までストロークする。前進クラッチピストン室62に作動油が供給されておらず、Pcがゼロである状態では、クラッチピストン52はクラッチリターンスプリング54によりx軸負方向に付勢され、クラッチドラム50に押し付けられおり、クラッチピストン52のストローク量xはゼロである。このときのクラッチリターンスプリング54のバネ荷重Fを、初期セット荷重F0とする。
クラッチピストン52と複数の摩擦板50a,51aとの間には所定量のクリアランスが設けられており、入力側及び出力側の複数の摩擦板50a,51aが互いに全て接触するまで、クラッチピストン52はx軸正方向に所定量ストロークする必要がある。このストローク量をx1とする。
xがゼロ(上記クリアランスが最大)からx1(上記クリアランスがゼロ)までの間は、複数の摩擦板50a,51a同士の間で摩擦力は発生せず、前進クラッチ2dは締結容量を持たない。すなわち、前進クラッチ2dは非締結状態である。
クラッチピストン52が、x1だけx軸正方向に移動した位置で、Pcによる付勢力とクラッチリターンスプリング54のバネ荷重Fとが釣り合って停止するとき、Pcの大きさをPc1とする。また、このときのクラッチリターンスプリング54のバネ荷重FをF1とする。
xがx1である状態で、PcがPc1より大きくなると、皿バネ53が圧縮され始め、複数の摩擦板50a,51a同士の間で摩擦力が発生し、前進クラッチ2dが締結容量Tcを持つようになる。すなわち、前進クラッチ2dの締結状態が開始する。
(油圧回路の概略)
図5は、油圧コントロールバルブユニット8内の油圧回路の一部を示す。オイルポンプ7の吐出ポートには、油路101を介して、ライン圧PLを調圧するプレッシャレギュレータバルブ(P.REG.V)110が接続されている。オイルポンプ7とP.REG.V110との間で調圧された第1油圧(PL)は、油路101に接続された油路102,103に供給される。
油路102は、プライマリクランプ室30d及びセカンダリクランプ室31dを連通する油路70に接続されている。P.REG.V110で調圧されたPLは、油路70を介してプライマリクランプ室30d及びセカンダリクランプ室31dに常に供給される。
なお、油路102上には、アイドルストップ時においてオイルポンプ7の作動が停止した場合でもクランプ室30d、31dの油圧を保持するための保圧バルブ100が設けられている。これにより、アイドルストップ後の再発進時においても、ベルト滑りが防止される。
油路103には、油路104、及び油路106〜108が接続されている。油路104には、オリフィス105を介して油路111が接続されている。油路106には、セカンダリプーリシリンダ室31cの油圧を供給するセカンダリバルブ(SEC.V)140が接続されている。油路107には、プライマリプーリシリンダ室30cの油圧を供給する変速制御弁170が接続されている。
変速制御弁170には、プライマリプーリシリンダ室30cにプライマリプーリ油圧を供給する油路171が接続されている。また、変速制御弁170には、プライマリプーリ30の溝幅を示す機構(変速比センサ30i)とステップモータ10とがリンク172を介して接続され、これらはステップモータ10の駆動量すなわち回転ステップ数によって変速比をフィードバック制御するメカニカルフィードバック機構を構成している。
P.REG.V110の下流には、油路111を介して、PLよりも低い第2油圧(例えば前進クラッチ2d用の締結油圧)を調圧するクラッチレギュレータバルブ(CL.REG.V)120が接続されている。CL.REG.V120で調圧された第2油圧は、油路112を介してセレクトスイッチングバルブ(SELECT.SW.V)182及びセレクトコントロールバルブ(SELECT.CONT.V)183に供給されるとともに、油路113を介して比例制御弁であるセカンダリコントロールバルブ(SEC.CONT.V)150に供給される。
油路104には、油路109を介して切換弁190が接続されている。切換弁190は、油路191を介して油路112に接続されており、プーリ油圧を供給する油路103及び前進クラッチ圧を供給する油路112の連通状態を切り換える。
油路108には、パイロットバルブ(PILOT.V)130が接続されている。PILOT.V130は、信号圧の元圧であるパイロット圧を供給する。パイロット圧は、油路131を介して、セカンダリ圧ソレノイドバルブ(SEC.SOL.V)160、ロックアップソレノイドバルブ(L/U.SOL.V)180、及びセレクトスイッチングソレノイドバルブ(SELECT.SW.SOL.V)181へ供給される。
SEC.SOL.V160により調圧された信号圧は、油路161を介してSEC.CONT.V150の背圧として供給される。SEC.CONT.V150において調圧された第3油圧(第2油圧を調圧した油圧)は、油路151を介してSEC.V140の背圧として供給される。SEC.V140においてPLを元圧として調圧された油圧は、セカンダリプーリシリンダ室31cに供給される。
SELECT.SW.SOL.V 181の出力圧は油路185を介してセレクトスイッチングバルブ(SELECT.SW.V)182に供給され、信号圧として、SELECT.SW.V 182の作動を制御する。L/U.SOL.V 180の出力圧は油路184を介してSELECT.SW.V 182に供給される。
SELECT.SW.SOL.V 181がONのとき、SELECT.SW.SOL.V 181の信号圧(出力圧)がSELECT.SW.V 182に入力される。すると、SELECT.SW.V 182は、CL.REG.V120に接続された油路112とマニュアルバルブ22に接続された油路40とを遮断する一方、SELECT.CONT.V183に接続された油路115と油路40とを連通させる。同時に、L/U.SOL.V 180に接続された油路184とSELECT.CONT.V183に接続された油路186とを連通させる。
よって、このとき、油路112からの作動油(第2油圧)は、全てSELECT.CONT.V183に供給される一方、SELECT.CONT.V183においてL/U.SOL.V 180からの信号圧に従って調圧される。第2油圧より低い油圧(棚圧)に調圧されたクラッチ締結油圧Pcは、油路115、SELECT.SW.V 182、及び油路40を介してマニュアルバルブ22に供給される。
SELECT.SW.SOL.V 181がOFFのとき、SELECT.SW.SOL.V 181の信号(出力圧)はゼロであり、SELECT.SW.V 182に信号圧が供給されない。すると、SELECT.SW.V 182は、油路112と油路40とを連通させる一方、油路115と油路40とを遮断する。同時に、L/U.SOL.V 180に接続された油路184と図外のロックアップコントロールバルブに接続された油路187とを連通させる一方、油路184と油路186とを遮断する。
よって、このとき、油路112からの作動油(第2油圧)は、全て油路40を介してマニュアルバルブ22に供給される。一方、L/U.SOL.V 180からの信号圧は、図外のロックアップコントロールバルブに供給され、このロックアップコントロールバルブの信号圧として作用する。
油路40には、油圧センサ40aが設けられている。
(油圧制御装置の構成)
本発明の油圧制御装置は、SELECT.SW.V 182、SELECT.CONT.V183、マニュアルバルブ22、切替バルブ23、保圧バルブ24、及びチェックバルブ(逆止弁)25からなる機械的油圧制御手段と、CVTコントロールユニット9、L/U.SOL.V 180、及びSELECT.SW.SOL.V 181からなる電子的油圧制御手段と、を有している。
(電子的油圧制御手段)
CVTコントロールユニット9は、燃費を向上させるため、所定条件を満たしたときにエンジンを停止させるアイドルストップ制御を行う。CVTコントロールユニット9は、極低車速であることとエンジンがアイドル回転していることを検知し、さらにブレーキスイッチや油温センサ5c等、各種センサの信号を併用して、アイドルストップ制御の開始及び終了を判断する。例えば、車速がゼロ、アイドルストップスイッチがON、ブレーキスイッチがON、油温Tが所定範囲内、舵角がゼロ、等の条件を満たせば、エンジンを停止する。また、ブレーキスイッチがOFFとなれば、スタータを駆動させてエンジンを再始動させる。
また、CVTコントロールユニット9は、L/U.SOL.V 180及びSELECT.SW.SOL.V 181に指令を出力し、SELECT.SW.V 182及びSELECT.CONT.V183を用いて、エンジン再始動時に前進クラッチ2dに供給する締結油圧Pcを徐々に上昇させる棚圧制御を行う。
エンジン再始動時に、オイルポンプ7が作動を開始し、前進クラッチ2dに油圧を供給する際、同時にクランプ圧を供給する必要がある。前進クラッチ2dへの油圧供給があまりにスムーズではエンジン再始動時のクランプ圧の確保が懸念される。そこで、CVTコントロールユニット9は、SELECT.SW.V 182をONとした上で、L/U.SOL.V 180の信号圧によりSELECT.CONT.V183を制御する。これにより、油路112、114からの作動油(第2油圧)がSELECT.CONT.V183において調圧され、第2油圧よりも低く調圧された油圧(棚圧)が、油路115、SELECT.SW.V 182、及び油路40を介して、前進クラッチ2dに供給される。
このように前進クラッチ2dの最適棚圧制御を実行することで、エンジン再始動時のポンプ吐出圧の低下に伴うベルト滑りを回避でき、かつ、後述するように、エンジン再始動後の滑らかな発進が可能となる。
(前進クラッチの油圧制御回路)
図6は、本発明の油圧制御装置の機械的油圧制御手段の一部、すなわちマニュアルバルブ22から前進クラッチ2dに供給する締結油圧Pcを制御する油圧制御回路20を示す。オイルポンプ7の吐出圧は上記電子的油圧制御手段により調圧され、調圧された油圧は、油路40を介してマニュアルバルブ22に供給される。
マニュアルバルブ22は切替バルブ23に接続されている。切替バルブ23は前進クラッチ2dに接続されている。切替バルブ23と前進クラッチ2dとは、保圧バルブ24を介する油路45,46及び保圧バルブ24を介さない油路44により接続されている。
(マニュアルバルブ)
SELECT.SW.V182からの油路40は、マニュアルバルブ22の吸入ポート221に接続されている。マニュアルバルブ22はDレンジポート222、Rレンジポート223、及びドレンポート224,225を有している。Dレンジポート222は、油路42を介して切替バルブ23と接続している。Rレンジポート223は、油路43を介して後進ブレーキ2eと接続している。
マニュアルバルブ22は、図外のリンクを介してシフトレバー21と接続されており、シフトレバー21の操作に応じて、前進クラッチ2dに作動油を供給するか、後進ブレーキ2eに作動油を供給するかを切り替える。説明のため、以下、マニュアルバルブ22及び切替バルブ23のスプールの軸方向にx軸を設定し、シフトレバー21及びスプリング236が設けられている側を負方向と定義する。
シフトレバー21がDレンジ位置に操作されると、マニュアルバルブ22のスプールがx軸正方向に移動し、Dレンジポート222と吸入ポート221とを連通させ、Dレンジポート222とドレンポート224とを遮断する。同時に、Rレンジポート223とドレンポート225とを連通させ、Rレンジポート223と吸入ポート221とを遮断する。
シフトレバー21がRレンジ位置に操作されると、マニュアルバルブ22のスプールがx軸負方向に移動し、Rレンジポート223と吸入ポート231とを連通させ、Rレンジポート223とドレンポート231とを遮断する。同時に、Dレンジポート222とドレンポート224とを連通させ、Dレンジポート222と吸入ポート221とを遮断する。
シフトレバー21がNレンジ位置に操作されると、マニュアルバルブ22のスプールがDレンジとRレンジとの中間位置に移動し、Dレンジポート222とドレンポート224とを連通させ、Dレンジポート222と吸入ポート221とを遮断する。同時に、Rレンジポート223とドレンポート225とを連通させ、Rレンジポート223と吸入ポート221とを遮断する。
(切替バルブ)
マニュアルバルブ22のDレンジポートは、切替バルブ23の吸入ポート23aと接続している。切替バルブ23は、吸入ポート23aの他に、ポート23bとポート23cとを有している。ポート23bは油路44と接続し、油路44は前進クラッチ2dの前進クラッチ入力ポート61(図3参照)と接続している。ポート23cは油路45と接続し、油路45は油路46と油路47とに分岐している。油路46及び油路47は、共に前進クラッチ2dの前進クラッチ入力ポート61と接続している。油路46上には保圧バルブ24が設けられ、油路47上にはチェックバルブ25が設けられている。
切替バルブ23は、油圧コントロールバルブ8のバルブボディに収装されているスプール230を有している。スプール230は、x軸負方向側に第1ランド部231が形成されており、x軸正方向側に第2ランド部233が形成されている。第1ランド部231及び第2ランド部233は、小径の接続部232を介して接続されており、接続部232と上記バルブボディとの間には連通室235が形成されている。
第1ランド部231のx軸負方向側には、スプリング236が設けられている。第2ランド部233のx軸正方向側には、スプール230とバルブボディとの間で信号圧室234が形成されている。油路40から分岐した油路41は、切替バルブ23の信号圧室234と接続し、切換用信号圧を供給する。
切替バルブ23のスプール230には、切替用信号圧による付勢力がx軸負方向に作用すると共に、スプリング236の付勢力がx軸正方向に作用し、これらの力のバランスによってスプール230の位置が制御されている。
具体的には、油路40の油圧が高く、切替用信号圧による付勢力のほうがスプリング236の付勢力よりも大きいときは、スプールがx軸負方向に移動する。これにより、第1ランド部231がポート23bを開くと共に、第2ランド部233がポート23cを遮断する。よって、吸入ポート23aとポート23bとが連通する。
一方、油路40の油圧が低く、切替用信号圧による付勢力のほうがスプリング236の付勢力よりも小さいときは、スプールがx軸正方向に移動する。これにより、第1ランド部231がポート23bを遮断すると共に、第2ランド部233がポート23cを開く。よって、吸入ポート23aとポート23cとが連通する。
(保圧バルブ)
油路46上には、切替バルブ23側から前進クラッチ2d側に向かって順に、オリフィス26及び保圧バルブ24が設けられている。保圧バルブ24は、チェックボール24a及びスプリング24bを有している。以下、説明のため、スプリング24bの伸縮方向にy軸を設定し、前進クラッチ2d側を正方向と定義する。
スプリング24bは、所定の弾性力によりチェックボール24aをy軸正方向に付勢している。保圧バルブ24は、前進クラッチ2dから切替バルブ23に向かう油の流通のみを許容し、切替バルブ23から前進クラッチ2dに向かう油の流通を禁止する。チェックボール24aに作用する前進クラッチ2dの締結油圧Pcによる荷重が、スプリング24bの弾性力以上となったときに、前進クラッチ2dから切替バルブ23に向かう油の流通を許容する。
油路47上には、切替バルブ23側から前進クラッチ2d側に向かって順に、オリフィス27及びチェックバルブ25が設けられている。チェックバルブ25は、切替バルブ23から前進クラッチ2dに向かう油の流通のみを許容し、前進クラッチ2dから切替バルブ23に向かう油の流通を禁止する。
[実施例1の作用]
(Dレンジでアイドルストップ中の油圧保持)
図6に、Dレンジで走行後、Dレンジでアイドルストップしている場合の、油圧制御回路20の作動油の流れを点線矢印で示す。エンジンが作動していないため、オイルポンプ7も作動せず、油路40に油圧は供給されない。よって、マニュアルバルブ22の吸入ポート221側の油圧はゼロである。また、油路41から切替バルブ23に供給される切替用信号圧もゼロであるため、切替バルブ23のスプール230はx軸正方向に変位したままである。よって、切替バルブ23の吸入ポート23aとポート23cとが連通する一方、吸入ポート23aとポート23bとは遮断される。
したがって、切替バルブ23の作用により、前進クラッチ2d側からの、油路44を介した作動油の流通は禁止される。また、チェックバルブ25の作用により、前進クラッチ2d側からの、油路47を介した作動油の流通は禁止される。
一方、保圧バルブ24の作用により、前進クラッチ2d側からの、油路46を介した作動油の流通は限定的に許容される。このため、前進クラッチピストン室62に供給されていた作動油は、保圧バルブ24を介して部分的にドレンされる。
すなわち、油路40の油圧がゼロであるため、マニュアルバルブ22の供給ポート221と連通する以下の部位の油圧、すなわちDレンジポート222、油路42、切替バルブ23の連通室235とポート23c、及び油路45の油圧もゼロとなる。よって、保圧バルブ24において、チェックボール24aをy軸負方向に付勢する前進クラッチ2d側の油圧Pcと、チェックボール24aをy軸正方向に付勢するスプリング24bの弾性力とが釣り合うようになるまで、保圧バルブ24は開弁する。
その後、前進クラッチピストン室62から保圧バルブ24を介して切替バルブ23に向けて作動油がドレンされる。作動油がドレンされた結果、前進クラッチピストン室62のPcがスプリング24bの弾性力と釣り合う値になると、保圧バルブ24は閉弁する。これにより、Pcが、スプリング24bの弾性力(バネ荷重f)と釣り合う値に保持される。
なお、油路46に設けられたオリフィス26の作用により、アイドルストップ中、長時間安定的にPcを上記値に保持することが可能である。
ここで、スプリング24bのバネ荷重fは、f0より大きく、かつf1未満の範囲の値f*となるように設定されている。f0は、クラッチリターンスプリング54のバネ荷重がF0(初期セット荷重)であるとき、すなわちPcがゼロであるときに、Pc(=0)と釣り合うスプリング24bのバネ荷重(初期セット荷重)の大きさである。f1は、クラッチリターンスプリング54のバネ荷重がF1であるとき、すなわちPcがPc1であるときに、Pc(=Pc1)と釣り合うスプリング24bのバネ荷重の大きさである(図4参照)。スプリング24bのバネ荷重fが上記範囲の値f*に設定されることにより、Pcは、ゼロより大きく、かつPc1未満の範囲の値Pc*となるように設定される。
アイドルストップ時に保持されるPcがPc*に設定されることにより、クラッチピストン52のストローク量xも、0より大きく、かつx1未満の範囲の一定値x*に保たれる。したがって、保圧バルブ24の作用により、クラッチピストン52のストローク量xが一定値x*に保持される結果、前進クラッチ2dが非締結状態となり、かつクラッチクリアランスが小さくなる。
なお、アイドルストップ中にRレンジやNレンジが選択された場合も、保圧バルブ24の作用により、PcはPc*に保持される。すなわち、この場合、エンジンが作動していないためオイルポンプ7は作動せず、切替バルブ23のスプール230はx軸正方向に変位したままである。よって、切替バルブ23の吸入ポート23aとポート23cとが連通する一方、吸入ポート23aとポート23bとは遮断される。また、マニュアルバルブ22のDレンジポート222とドレンポート224とが連通する。したがって、保圧バルブ24の保圧作用により、PcがPc*に保持される。
(アイドルストップ後、Dレンジ再発進時の油圧供給)
図7は、アイドルストップ後、シフトレバー21がDレンジ位置で、再発進する場合の油圧制御回路20の作動油の流れを点線矢印で示す。
アイドルストップ直後にエンジンが再始動し、エンジン回転数が所定Ne以上になると、SELECT.SW.V182から油路40に供給される油圧が所定圧以上になる。すると、切替バルブ23の信号圧室234に供給される切替用信号圧がスプール230をx軸負方向に付勢する力が、スプール230をx軸正方向に付勢するスプリング236の弾性力よりも大きくなるため、スプール230はx軸負方向に移動する。よって、吸入ポート23aとポート23bとが連通し、油路40の油圧は前進クラッチ2dに直接供給される。
ここで、油路40に供給される上記所定圧がPc*以上となるときにスプール230が移動するように、スプリング236の弾性力が設定されている。これにより、スプール230が移動して吸入ポート23aとポート23bとが連通したとき、油路44(油圧がPc*)の作動油が連通室235(油圧がPc*未満)に逆流してPcが低下することが防止される。油路40の上記所定圧がPc*以上となるときに吸入ポート23aとポート23bとが連通するように設定しておけば、上記連通時における油路44と連通室235との間の油圧の段差が小さくなるため、Pcを上下させることなく、滑らかにPcを上昇させることができる。
このように吸入ポート23aとポート23bとが連通した時点で、保圧バルブ24の作用によってPcはPc1未満の所定値Pc*に略保たれ、前進クラッチ2dのクラッチピストン52のストローク量xは、x1未満の所定値x*に略保持されている。言い換えると、それ以上クラッチピストン52をストロークさせて前進クラッチ2dの締結状態を開始するために必要とされるPcの増分(Pc1−Pc)が少なくてすむ。
したがって、アイドルストップ後、再発進時に、ほとんど時間遅れ無しに前進クラッチ2dの締結容量が発生する。
以上のように、本発明の機械的油圧制御手段(油圧制御回路20)は、アイドルストップ中にPcをリターンスプリング54のバネ力と釣り合う所定値Pc*に保持することにより、アイドルストップ後のエンジン再始動時にPcをPc1まで上げるのに要する時間を短縮する。すなわち、いわば前もって前進クラッチ2dのストローク詰め(プリチャージ)を行う。
さらに、本発明の油圧制御装置の電子的油圧制御手段は、上記のように、エンジン再始動後、Pcを徐々に上げて締結ショックを緩和する棚圧制御を行う。以下、棚圧制御の具体的な内容を説明する。
エンジン再始動時には、スタータモータによりエンジンのクランキングを行うと同時に、SELECT.SW.SOL.V 181をONとする。また、所定のMAPから、スロットル開度に応じた棚圧制御終了油圧Pc2、棚圧制御終了タイマT0、及び急速充填終了油圧Pc01を設定する。
エンジン再始動直後は、オイルポンプ7からの油圧が十分に得られていないため、切換弁190をONとする。オイルポンプ7からの出来なりの油圧は、油路101→油路103→油路104→油路109→切換弁190→油路191→油路112→油路114→SELECT.CONT.V183→油路115→SELECT.SW.V 182→油路40→マニュアルバルブ22へと供給され、前進クラッチ2dへと供給される。
油路40の油圧がPc*に到達すると、L/U.SOL.V 180に対して指令油圧を出力してL/U.SOL.V 180のランプ制御を開始する。これにより、前進クラッチ2dへ供給する締結油圧Pcが徐々に上昇する(棚圧制御が開始する)。また、棚圧制御終了タイマT0のカウントを開始する。
油路40の油圧が急速充填終了油圧Pc01(>Pc*)に到達すると、切換弁190をOFFとする。このとき、オイルポンプ7からの油圧は、油路101→油路111→油路112→油路114→SELECT.CONT.V183→油路115→SELECT.SW.V 182→油路40→マニュアルバルブ22へと供給され、前進クラッチ2dへと供給される。
棚圧制御終了タイマT0が経過すると、L/U.SOL.V 180のランプ制御を終了し、L/U.SOL.V 180をOFFとする。すなわち、L/U.SOL.V 180の出力圧をゼロとする。
L/U.SOL.V 180がOFFとされることで、SELECT.CONT.V183において、油路114と油路115とは完全に連通状態となり、マニュアルバルブ22には、CL.REG.V120により調圧された油圧(第2油圧)が直接供給される。これにより、Pcが最大値Pcmaxまで上昇する。
この状態でSELECT.SW.V 182をOFFとする。すると、油路112と油路40が連通状態となり、L/U.SOL.V 180による棚圧制御からCL.REG.V120による通常制御に移行する。なお、L/U.SOL.V 180からの油路184は図外のロックアップコントロールバルブと連通した状態となり、L/U.SOL.V 180の出力圧は、ロックアップ制御用の信号圧として機能する。
(タイムチャート)
図8は、アイドルストップ後のエンジン再始動時に、前進クラッチ2dに締結油圧Pcが供給され、前進クラッチ2dの締結容量Tcが発生し、車両の前後Gが発生する経過を示すタイムチャートである。
対比のため、本発明以外にも、従来例1及び従来例2のグラフも合わせて示す。従来例1は、アイドルストップ中に前進クラッチの締結油圧を制御する手段を設けていない方式である。従来例2は、エンジンにより駆動されるオイルポンプとは別に油圧供給手段を設け、アイドルストップ中は、この油圧供給手段の供給油圧により前進クラッチを締結状態に保つ方式である。
(エンジン回転数のタイムチャート)
t1において、エンジンが再始動され、エンジン回転数Neが上昇し始める。オーバーシュート後、Neは一定回転数に安定する。
(本発明のタイムチャート)
t1において、オイルポンプ7が作動を開始するが、保圧バルブ24の作用により、PcはPc*に保たれている。Neが所定値以上になると、オイルポンプ7がPc*以上の油圧を油路40に供給可能になるため、Neが上記所定値になるt2において、PcがPc*から上昇し始める。ここで、Pcの棚圧制御を開始する。t3において、PcがPc1にまで上昇すると、前進クラッチ2dの締結状態が開始する。すなわち、t3において前進クラッチ2dの締結容量Tcがゼロから上昇し始める。t2から棚圧制御終了タイマT0経過後のt6において、棚圧制御を終了し、Pcを最大値Pcmaxまで上昇させる。
アイドルストップ中の保圧バルブ24の作用により、t2以前にはPcはPc1未満の所定値Pc*に保たれ、前進クラッチ2dのクラッチピストン52のストローク量xは、x1未満の所定値x*に保持されている。言い換えると、それ以上クラッチピストン52をストロークさせて前進クラッチ2dの締結状態を開始するために必要とされるPcの増分(Pc1−Pc)が少なくてすむ。したがって、本発明では、アイドルストップ後、エンジン再始動時t1から、前進クラッチ2dの締結容量Tcが発生する時点t3までの時間が短い。
(従来例1のタイムチャート)
従来例1では、アイドルストップ中に前進クラッチの締結油圧Pcはゼロとなっている。エンジンが再始動するt1後、オイルポンプの作動により、Pcはゼロから上昇し始める。しかし、最大限に保たれていたクラッチクリアランスを縮めるため、前進クラッチのクラッチピストンがストロークする時間が必要であり、この間、Pcは低く保たれる。このため、t3より遅いt4において、PcがPc1となって前進クラッチ2dの締結状態が開始する。すなわち、t4において前進クラッチの締結容量Tcがゼロから上昇し始める。
以上より、保圧バルブ24が設けられた本発明の油圧制御装置の方が、アイドルストップ後の再発進時において、エンジン再始動時から、前進クラッチ2dの締結容量が発生する時点までの時間が短く、再発進応答性が良い。
(従来例2のタイムチャート)
従来例2では、アイドルストップ中に前進クラッチの締結油圧Pcは最大値Pcmaxに保たれている。よって、エンジン再始動時t1において前進クラッチの締結容量Tcは最大値Tcmaxであり、エンジン再始動時から、前進クラッチ2dの締結容量が発生する時点までの時間が短く、再発進応答性が良い点は、本発明と同様である。
しかし、エンジン再始動時t1の前後にわたりTcを継続して最大値Tcmaxに保つため、Neのオーバーシュートに伴うエンジントルクの急上昇がそのまま自動変速機出力軸に伝えられ、前後Gが急激に大きくなる。よって、唐突な車両の飛び出し感が発生する。
一方、本発明の前進クラッチ2dの油圧制御装置においては、上記棚圧制御により、t2後においても、Pcが急激に上昇しないように制御されている。Pcは、Pc2(<Pcmax)まで徐々に上昇した後、前進クラッチ2dの締結が完了してから、すなわちTcがTcmaxとなった時点t5後に、最大圧Pcmaxとされる。このように、Tcの上昇カーブは滑らかになるように制御されており、前進クラッチ2dがいきなり大きな締結容量Tcを持つことはない。よって、Neのオーバーシュートに関わらず、前後Gの変化は緩やかである。したがって、従来例2のような唐突な車両の飛び出し感は発生しない。
(アイドルストップ後、Rレンジにおける油圧供給)
図9は、アイドルストップ後、シフトレバー21がRレンジ位置で、エンジンが作動している場合の油圧制御回路20の作動油の流れを点線矢印で示す。
エンジンが作動し、SELECT.SW.V182から油路40に供給される油圧が所定圧以上であるため、切替バルブ23のスプール230はx軸負方向に移動する。よって、吸入ポート23aとポート23bとが連通する。一方、マニュアルバルブ22のDレンジポート222はドレンポート224と連通し、Rレンジポート223は吸入ポート221と連通している。
よって、前進クラッチピストン室62の作動油はドレンされ、前進クラッチ2dに保持されていたPc*はゼロとなる。一方、油路40からはマニュアルバルブ22のRレンジポート223及び油路43を介して、後進ブレーキ2eに締結油圧が供給される。したがって、アイドルストップをしていない通常時(エンジン作動時)、Rレンジ位置ではPc*はゼロとなり、前進クラッチ2d及び後進ブレーキ2eの両方が締結されるインターロックは防止される。
(アイドルストップ後、Nレンジにおける油圧供給)
アイドルストップ後、シフトレバー21がNレンジ位置で、エンジンが作動している場合、上記Rレンジの場合と同様に、マニュアルバルブ22のDレンジポート222とドレンポート224が連通する。よって、前進クラッチピストン室62の作動油はドレンされ、前進クラッチ2dに保持されていたPc*はゼロとなる。また、Rレンジポート223とドレンポート225が連通し、後進ブレーキ2eに保持されていた締結油圧もゼロとなる。したがって、アイドルストップをしていない通常時(エンジン作動時)、Nレンジ位置ではPc*はゼロとなり、Nレンジで前進走行が発生する事態は防止される。
(チェックバルブの作用によるフェールセーフ機能)
図10は、Dレンジでエンジン作動時に、切替バルブ23のスプール230がスプリング236の伸び側すなわちx軸正方向側でスティックした場合の、油圧制御回路20の作動油の流れを点線矢印で示す。
切替バルブ23のスプール230が、スプリング236の伸び側すなわちx軸正方向側で固着する異常を生じた場合、SELECT.SW.V182から油路40に供給される油圧が所定圧以上であり、切替バルブ23の信号圧室234に供給される切替用信号圧が所定圧以上であるときでも、切替バルブ23のスプール230はx軸負方向に移動しない。よって、吸入ポート23aとポート23cとは連通したままである。マニュアルバルブ22のDレンジポート222は吸入ポート221と連通しているため、油路40の油圧は、マニュアルバルブ22及び切替バルブ23を介して油路45に供給される。
油路45に接続する油路46に設けられている保圧バルブ24は、油路45側から前進クラッチ2d側への油の流通を禁止するため、油路46を介しては前進クラッチ2dに油圧は供給されない。一方、油路45に接続する油路47に設けられているチェックバルブ25は、油路45側から前進クラッチ2d側への油の流通のみを許容するため、油路47を介して前進クラッチ2dに油圧が供給される。
したがって、切替バルブ23がスプリング236の伸び側で固着したフェール時にも、保圧バルブ46が設けられている油路46と並列に油路47及びチェックバルブ25を設けたことにより、Dレンジで通常時(エンジン作動時)に、前進クラッチ2dへの油圧供給が確保される。よって、切替バルブ23の故障時にもDレンジで走行が可能である。
なお、この場合、NレンジやRレンジが選択されたとき、前進クラッチピストン室62の作動油は油路46及び保圧バルブ24を介してドレンされることになるが、保圧バルブ24の作用により前進クラッチ2dは非締結に保たれるため、Nレンジでの前進走行やRレンジでのインターロックは防止される。また、切替バルブ23がスプリング236の縮み側(x軸負方向側)で固着した場合にも、前進クラッチ2dへの作動油の給排は油路44を介して正常に行われ、上記不都合が生じないことは、言うまでもない。
[実施例1の効果]
実施例1の自動変速機の油圧制御装置は、以下に列挙する効果を有する。
(1)実施例1の油圧制御装置は、エンジンにより駆動されるオイルポンプ7からの作動油の供給により移動するクラッチピストン52と、クラッチピストン52の移動により互いに押し付けられる入力側及び出力側の複数の摩擦板50a、51aと、前進クラッチ2dの非締結時には弾性力によりクラッチピストン52と上記複数の摩擦板50a、51aとの間に所定のクラッチクリアランスを確保するクラッチリターンスプリング54と、を有し、シフト位置としてDレンジが選択された場合に締結される前進クラッチ2dと、所定の条件が成立したときはエンジンを停止するCVTコントロールユニット9と、を備えた自動変速機の油圧制御装置において、前進クラッチ2dから作動油を排出する油路46上に、オイルポンプ7の非作動時に前進クラッチ2dの締結油圧Pcを保持する保圧バルブ24を設け、保圧バルブ24により保持される締結油圧Pc*によりクラッチピストン52に加えられる荷重は、上記クラッチクリアランスが最大である(クラッチピストンストローク量xがゼロである)ときのクラッチリターンスプリング54の弾性力F0より大きく、かつ、上記クラッチクリアランスがゼロに切り替わる(クラッチピストンストローク量xがx1となる)時点におけるクラッチリターンスプリング54の弾性力F1未満であることとした。
エンジンが再始動してオイルポンプ7が作動を開始する直前のPcは、保圧バルブ24によりクラッチリターンスプリング54のバネ力相当(Pc*)に保たれている。よって、アイドルストップ後のエンジン再始動時に前進クラッチ2dのストローク詰めを行う必要がないので、速やかに前進クラッチ2dの締結が行える。したがって、アイドルストップ後のエンジン再始動時における再発進応答性が良い。また、エンジン再始動時のエンジン回転数Neのオーバーシュートがあっても、クラッチ締結容量Tcで決まるトルクしか伝達できないので、滑らかな再発進ができ、再発進時の車両の唐突な飛び出し感を防止できる。さらに、Pcの保持手段として電動ポンプやアキュムレータ等が不要である。よって、車両搭載性やコスト面の改善を図ることが可能である、という効果を有する。
(2)また、オイルポンプ7からの作動油を前進クラッチ2dに供給する油路44と、オイルポンプ7の作動開始後、オイルポンプ7から前進クラッチ2dに供給される締結油圧Pcが徐々に高くなるように調圧する電子的油圧制御手段(CVTコントロールユニット9、L/U.SOL.V 180、及びSELECT.SW.SOL.V 181)と、オイルポンプ7の作動開始後、締結油圧Pcの制御を、保圧バルブ24によるPc*保持から、上記油圧制御手段によるPc制御へ切り替える(機械的及び/又は電子的)切替手段と、を有することとした。
エンジンが再始動してオイルポンプ7が作動を開始する前のPcは、保圧バルブ24によりクラッチリターンスプリング54のバネ力相当(Pc*)に保たれている。オイルポンプ7が作動を開始した後(具体的には、油路40の油圧がPc*に到達した後)、前進クラッチ2dの締結油圧Pcは、上記電子的油圧制御手段により段差なく徐々に高くなるように制御される。このため、エンジン再始動時のエンジン回転数Neのオーバーシュートがあっても、クラッチ締結容量Tcで決まるトルクしか伝達できないので、滑らかな再発進ができ、再発進時の車両の唐突な飛び出し感を防止できる、という効果を有する。
(3)切替バルブ23は、オイルポンプ7の吐出油圧が所定値以上となったとき、具体的には、油路40に供給される作動油圧がPc*以上となったときに、オイルポンプ7が作動を開始したと判断して、Pcの制御を、保圧バルブ24によるPc*保持から、上記油圧制御手段によるPc制御へ切り替えることとした。
SELECT.SW.V182から油路40に供給される作動油圧が所定値Pc*以上となったときに切替弁23が作動するように、スプリング236の弾性力が設定されている。このため、切替弁23が作動してオイルポンプ7からの作動油が油路44に供給されるときに、油路44と連通室235との間の油圧の段差が小さくなる(少なくとも作動油は逆流しない)。よって、エンジン再始動後にPcを上下させることなく、滑らかにPcを上昇させることができる。したがって、アイドルストップ後のエンジン再始動時における再発進応答性の良さが確保される、という効果を有する。
(4)上記(2)の切替手段は、オイルポンプ7の非作動時には、油路44を閉じて、前進クラッチ2dから油路44を介して作動油が排出されることを防止するとともに、オイルポンプ7の作動時には、油路44を開いて、オイルポンプ7からの作動油を油路44に供給する切替バルブ23であることとした。
例えば、上記(1)の保圧バルブとして電子制御式のバルブを用いた上で、上記(2)の切替手段として、(実施例1のような油路44や切替バルブ23を設けずに)上記電子制御式の保圧バルブの開閉によりエンジン作動時/非作動時のPc制御を切り替えることとしても、本発明は成立する。しかし、上記(4)のように、油路44と切替バルブ23である切替手段とを設けることにより、保圧バルブとして機械式のバルブを用いれば足り、電子制御式の保圧バルブを用いることが不要となる。よって、車両搭載性やコスト面の改善を図ることができる、という効果を有する。
(5)さらに、シフト位置としてDレンジが選択された場合は、切替バルブ23と油路40とを連通させて、オイルポンプ7の作動時(切替バルブ23の作動により油路42と油路44とが連通するとき)にオイルポンプ7からの作動油を油路44に供給し、Dレンジ以外のNレンジ又はRレンジが選択された場合は、切替バルブ23とドレンポート224とを連通させて、オイルポンプ7の作動時に油路44から作動油を排出させるマニュアルバルブ22を、オイルポンプ7から切替バルブ23への油路40上に設けた。
エンジンが再始動してオイルポンプ7が作動を開始すると、前進クラッチピストン室62は、保圧バルブ24を介さず直接にマニュアルバルブ22のDレンジポート222と連通する。よって、Dレンジが選択された場合、オイルポンプ7からの作動油は、Dレンジポート222から油路44に供給される。ここで、エンジン再始動時のPcは、保圧バルブ24によりクラッチリターンスプリング54のバネ力相当(Pc*)に保たれているため、速やかに滑らかな再発進ができる。また、Nレンジ又はRレンジが選択された場合、Dレンジポート222はドレンポート224と連通するので、前進クラッチピストン室62の作動油はドレンされ、よって前進クラッチ2dを確実に非締結状態にできる。したがって、Nレンジにおける前進走行やRレンジにおけるインターロックを防止できる、という効果を有する。
(6)油路46及び油路44とは別に、切替バルブ23と前進クラッチ2dとを連通させる油路47を設け、油路47上に、切替バルブ23から前進クラッチ2dへの作動油の流通を許可するとともに、前進クラッチ2dから切替バルブ23への作動油の流通を禁止するチェックバルブ25を設けた。
保圧バルブ24と並列にチェックバルブ25及び油路47が配置されているため、万一、切替バルブ23がスティックした場合でも、油路47を介して、確実にマニュアルバルブ22のDレンジポート222から油圧を前進クラッチ2dに供給できる。よって、切替バルブ23の故障時にもDレンジで走行可能であり、かつNレンジでの前進走行やRレンジでのインターロックが防止される、という効果を有する。
(7)切替バルブ23は、オイルポンプ7からマニュアルバルブ22通過前の油路40へ供給される作動油圧の有無により油路44の開閉を切り替えることとした。
SELECT.SW.V182から作動油圧が供給される油路40から分岐して油路41を設け、油路41は切替バルブ23の信号圧室234と接続し、切換用信号圧を供給することとした。このように油路41と切替バルブ23とからなる機械的な切替手段を設けることにより、切替バルブ23及び保圧バルブ24として機械式のバルブを用いれば足り、電子制御式のバルブを用いることが不要となる。同時に、Nレンジ又はRレンジが選択された場合、前進クラッチ2dを確実に非締結状態にできる。よって、Nレンジにおける前進走行やRレンジにおけるインターロックを防止しつつ、車両搭載性やコスト面の改善を図ることができる、という効果を有する。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例1においては、本発明の油圧制御装置を、ベルト式無段変速機を有する自動変速機に適用したが、遊星歯車列を有する有段式自動変速機に本発明を適用してもよい。
なお、有段式自動変速機に本発明を適用した場合、発進時変速段(例えば1速)で締結された発進用締結要素が、高速段(例えば4速)へのアップシフト時に、解放されることがある。すなわち、走行中に、発進用締結要素以外の締結要素の組を締結することにより、高速段が実現される。こうした場合、解放されたはずの発進用締結要素のPcが保圧バルブの作用によって保持されたままとなり、発進用締結要素が確実に非締結とされないと、摩擦板同士の摩擦(引きずり)により発進用締結要素の耐久性悪化や固着異常(及びそれによるインターロック)等の不都合が生じる。しかし、以下に示す理由により、このような事態は生じない。
有段式自動変速機に本発明、例えば実施例1の発明を適用した場合を考えると、マニュアルバルブ22のDレンジポート222と切替バルブ23とを接続する油路42上に、変速段毎に締結要素への供給油路を切り換えるシフトバルブが設置されることになる。発進後、オイルポンプ7は作動しており、切替バルブ23は油路44と油路42とを連通している。このため、発進用締結要素に供給される作動油は、油路44及び切替バルブ23を通って、シフトバルブに移動可能となっている。
ここで、発進用締結要素を解放するアップシフト時には、発進用締結要素から作動油を排出するため、シフトバルブにおいて、切替バルブ23に通じるポートとドレンポートとが連通する。よって、発進用締結要素に供給されていた作動油は、シフトバルブのドレンポートからドレンされる。したがって、アップシフト後に、保圧バルブ24によって発進用締結要素のPcが保持されることはない。
一方、発進用締結要素を解放して実現する上記高速段からダウンシフトして停止するときは、発進用締結要素が再び締結される。発進用締結要素を締結するダウンシフト時には、発進用締結要素に作動油を供給するため、シフトバルブにおいて、切替バルブ23に通じるポートとマニュアルバルブ22に通じるポートとが連通する。よって、発進用締結要素にはシフトバルブを介して作動油が再び供給される。したがって、車両停止後のアイドルストップ時には、保圧バルブ24及び切替バルブ23の作用により、発進用締結要素のPcが保持される。
すなわち、本発明を有段式自動変速機に適用した場合、通常走行時に発進用締結要素が解放されて高速段を達成するときでも、保圧バルブが機能することがなく、発進用締結要素は確実に非締結とされるため、耐久性悪化等の上記不都合は生じない。また、車両停止後のアイドリングストップ時に、保圧バルブや切替バルブの機能は確保され、CVT用自動変速機に本発明を適用した場合と同様に、再発進応答性の向上等が可能である。
また、実施例1においては、発進用締結要素として前進用のクラッチにのみ本発明を適用する構成を示したが、後進用のクラッチ(ブレーキ)に本発明を適用してもよい。
さらに、実施例1においては、切替バルブ23の信号圧室234に供給する切替用信号圧として、マニュアルバルブ22の供給ポート221の直前圧、すなわち油路40の油圧を用いたが、パイロット圧やライン圧等の、オイルポンプ7の油圧供給能力の指標となる油圧を切替用信号圧として用いてもよい。
本発明の油圧制御装置を適用した実施例1の自動変速機の概略断面図である。 実施例1の自動変速機の制御系を示す。 実施例1の前進クラッチの変速機入力軸方向断面図である。 実施例1の前進クラッチのクラッチリターンスプリングのストローク量とバネ荷重との相関図である。 実施例1の油圧コントロールバルブユニット内の油圧回路図である。 実施例1の前進クラッチ締結油圧を制御する油圧回路図である。 実施例1の前進クラッチ締結油圧を制御する油圧回路図である(アイドルストップ後、Dレンジ再発進時)。 アイドルストップ後のエンジン再始動時における、エンジン回転数、前進クラッチ締結油圧、締結容量、及び前後Gのタイムチャートである。 実施例1の前進クラッチ締結油圧を制御する油圧回路図である(アイドルストップ後、Rレンジ)。 実施例1の前進クラッチ締結油圧を制御する油圧回路図である(切替バルブ固着異常時)。
符号の説明
1 トルクコンバータ
2 前後進切替機構
2d 前進クラッチ
2e 後進ブレーキ
3 CVT
4 駆動ギア
4a アイドラギア
4b ファイナルギア
4c 差動装置
4d アイドラギア軸
5b エンジン回転数センサ
7 オイルポンプ
8 油圧コントロールバルブユニット
9 CVTコントロールユニット
20 油圧制御回路
21 シフトレバー
22 マニュアルバルブ
23 切替バルブ
23a 吸入ポート
22b、22c ポート
24 保圧バルブ
24a チェックボール
24b スプリング
25 チェックバルブ
26、27 オリフィス
30 プライマリプーリ
30a プライマリ可動プーリ
30b プライマリ固定プーリ
30c プライマリプーリシリンダ室
30d プライマリクランプ室
31 セカンダリプーリ
31a セカンダリ可動プーリ
31b セカンダリ固定プーリ
31c セカンダリプーリシリンダ室
31d セカンダリクランプ室
40〜47 油路
40a 油圧センサ
50a 入力側摩擦板
51a 出力側摩擦板
52 クラッチピストン
53 皿バネ
54 クラッチリターンスプリング
55 スプリングリテーナ
61 前進クラッチ入力ポート
62 前進クラッチピストン室
100 保圧バルブ
110 プレッシャレギュレータバルブ
120 クラッチレギュレータバルブ
130 パイロットバルブ
170 変速制御弁
180 ロックアップソレノイドバルブ
181 セレクトスイッチングソレノイドバルブ
182 セレクトスイッチングバルブ
183 セレクトコントロールバルブ
190 切替弁
221 吸入ポート
222 Dレンジポート
223 Rレンジポート
224、225 ドレンポート
230 スプール
235 連通室
236 スプリング

Claims (7)

  1. エンジンにより駆動されるオイルポンプからの作動油の供給により移動するピストンと、前記ピストンの移動により互いに押し付けられる入力側及び出力側の複数の摩擦板と、非締結時には弾性力により前記ピストンと前記複数の摩擦板との間に所定のクリアランスを確保するリターンスプリングと、を有し、シフト位置として発進位置が選択された場合に締結される発進用締結要素と、
    所定の条件が成立したときは前記エンジンを停止するアイドルストップ制御手段と、を備えた自動変速機の油圧制御装置において、
    前記発進用締結要素から作動油を排出する第1油路上に、前記オイルポンプの非作動時に前記発進用締結要素の締結油圧を保持する保圧弁を設け、
    前記保持される締結油圧により前記ピストンに加えられる荷重は、前記クリアランスが最大であるときの前記リターンスプリングの弾性力より大きく、かつ、前記クリアランスがゼロに切り替わる時点における前記リターンスプリングの弾性力未満であること
    を特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記オイルポンプからの作動油を前記発進用締結要素に供給する第2油路と、
    前記オイルポンプの作動開始後、前記オイルポンプから前記発進用締結要素に供給される前記締結油圧が徐々に高くなるように調圧する油圧制御手段と、
    前記オイルポンプの作動開始後、前記締結油圧の制御を、前記保圧弁による保持から、前記油圧制御手段による調圧へ切り替える切替手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記切替手段は、前記オイルポンプの吐出油圧が所定値以上となったときに、前記オイルポンプが作動を開始したと判断して、前記締結油圧の制御を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記切替手段は、前記オイルポンプの非作動時に前記第2油路を閉じ、前記オイルポンプの作動時に前記第2油路を開く切替弁であること
    を特徴とする請求項2又は請求項3に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  5. シフト位置として発進位置が選択された場合は、前記切替弁と前記オイルポンプとを連通させて、前記オイルポンプの作動時に前記オイルポンプからの作動油を前記第2油路に供給し、発進位置以外のシフト位置が選択された場合は、前記切替弁と排出油路とを連通させて、前記オイルポンプの作動時に前記第2油路から作動油を排出させるマニュアル弁を、前記オイルポンプから前記切替弁への油路上に設けたことを特徴とする請求項4に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  6. 前記第1油路及び前記第2油路とは別に、前記切替弁と前記発進用締結要素とを連通させる第3油路を設け、前記第3油路上に、前記切替弁から前記発進用締結要素への作動油の流通を許可するとともに、前記発進用締結要素から前記切替弁への作動油の流通を禁止する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  7. 前記切替弁は、前記オイルポンプから前記マニュアル弁に供給される作動油圧の有無により前記第2油路の開閉を切り替えることを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の油圧制御装置。


JP2006097030A 2006-03-31 2006-03-31 自動変速機の油圧制御装置 Expired - Fee Related JP4573795B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006097030A JP4573795B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 自動変速機の油圧制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006097030A JP4573795B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 自動変速機の油圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007270953A JP2007270953A (ja) 2007-10-18
JP4573795B2 true JP4573795B2 (ja) 2010-11-04

Family

ID=38673970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006097030A Expired - Fee Related JP4573795B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 自動変速機の油圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4573795B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5323748B2 (ja) * 2010-03-11 2013-10-23 ジヤトコ株式会社 自動変速機の油圧制御装置
JP5693507B2 (ja) * 2012-03-28 2015-04-01 ジヤトコ株式会社 自動変速機の油圧制御装置
CN107939857A (zh) * 2017-12-22 2018-04-20 吉孚汽车技术(浙江)有限公司 用于自动变速器的启停泵

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07217731A (ja) * 1994-01-31 1995-08-15 Mitsubishi Automob Eng Co Ltd 自動変速機の油圧回路
JPH07259983A (ja) * 1994-03-17 1995-10-13 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機における前後進切換装置の油圧制御回路
JP2000035121A (ja) * 1998-05-11 2000-02-02 Toyota Motor Corp 変速機の制御装置
JP2005036820A (ja) * 2003-07-15 2005-02-10 Nissan Motor Co Ltd アイドルストップ車両の変速機油圧制御装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07217731A (ja) * 1994-01-31 1995-08-15 Mitsubishi Automob Eng Co Ltd 自動変速機の油圧回路
JPH07259983A (ja) * 1994-03-17 1995-10-13 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機における前後進切換装置の油圧制御回路
JP2000035121A (ja) * 1998-05-11 2000-02-02 Toyota Motor Corp 変速機の制御装置
JP2005036820A (ja) * 2003-07-15 2005-02-10 Nissan Motor Co Ltd アイドルストップ車両の変速機油圧制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007270953A (ja) 2007-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3964333B2 (ja) 自動変速機の変速油圧装置
JP6107930B2 (ja) 車両の油圧制御装置
US8781674B2 (en) Control apparatus for vehicular power transmitting apparatus
JP4573796B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
US8202197B2 (en) Hydraulic pressure control apparatus
US8690733B2 (en) Vehicle control system and control method thereof
US10001179B2 (en) Control apparatus for power transmission system
US20090065318A1 (en) Oil pressure control apparatus
US20140296032A1 (en) Hydraulic control device
US9890853B2 (en) Hydraulic control device of continuously variable transmission for vehicle
US20140315687A1 (en) Hydraulic pressure control device and vehicle control device
JP5693507B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
US20040116244A1 (en) System and method of controlling V-belt type continuously variable transmission
JP2010078090A (ja) 車両の制御装置
JP5811016B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP4573795B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JPH1026220A (ja) 車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置
JP4811068B2 (ja) パワートレーンの制御装置
JP2011133013A (ja) アイドルストップ車用無段変速機の制御装置
JP2005233357A (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP4312994B2 (ja) 自動変速機の変速油圧装置
JP4645119B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP6268409B2 (ja) アイドルストップ車の制御装置
JP2019148296A (ja) 自動変速機の油圧回路
JP6730873B2 (ja) 車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100817

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100817

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140827

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees