JPH07217731A - 自動変速機の油圧回路 - Google Patents

自動変速機の油圧回路

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JPH07217731A
JPH07217731A JP998194A JP998194A JPH07217731A JP H07217731 A JPH07217731 A JP H07217731A JP 998194 A JP998194 A JP 998194A JP 998194 A JP998194 A JP 998194A JP H07217731 A JPH07217731 A JP H07217731A
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Kenjiro Fujita
憲次郎 藤田
Mitsuru Yuge
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動変速機の油圧式摩擦要素から油を迅速に
排出しつつ油排出に伴う変速ショックを回避可能で、し
かも、コンパクトで低コストの油圧回路を提供するこ
と。 【構成】 油圧回路は、デューティ制御回路4に設けら
れ油圧クラッチ7とアキュムレータ8へ供給される圧油
を調圧するデューティ制御弁6をバイパスするバイパス
回路5を備え、このバイパス回路に設けられチェックボ
ール21を閉弁方向に付勢するスプリング22のセット
荷重は、油排出時にクラッチが滑りはじめるトルク容量
相当の油圧近傍においてチェックボールをバイパス通路
閉鎖位置に付勢可能な値に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の油圧回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機は、エンジン負荷、車
速などの車両運転状態に適合する最適変速段を自動的に
確立するもので、一般に、油圧式多板クラッチや油圧式
ブレーキ等の摩擦係合要素(油圧式摩擦要素)を備えて
いる。自動変速機での変速段の切換えは、現在確立され
ている変速段に対応する摩擦係合要素の係合を解除しつ
つ、次に確立すべき変速段に対応する摩擦係合要素を係
合させることにより行われる。このため、解除側の摩擦
係合要素から作動油を排出しつつ、係合側の摩擦係合要
素へ作動油が供給される。
【0003】そして、摩擦係合要素に対して作動油を供
給・排出する油圧回路には、作動油圧を蓄圧するための
アキュムレータと、作動油圧を調圧するためのデューテ
ィ制御弁とが設けられ、両要素の作用により、摩擦係合
要素の係合または係合解除に伴う伝達トルク変動を抑制
するようにしている。この様な自動変速機において、摩
擦係合要素を係合解除させる際に同要素からの作動油排
出に遅れがあると、自動変速を円滑に行えなくなる。そ
の一方で、低油温時には作動油の粘度が高くなり、作動
油排出遅れを来たし易くなる。即ち、図4に破線で表し
た低油温時のクラッチ油圧・時間特性線PL1で示すよ
うに、クラッチ油圧がクラッチ接状態に対応するクラッ
チ油圧Paからクラッチ断状態に対応するクラッチ油圧
Pbに減少するまでにクラッチ切れ遅れ限界時間が経過
してしまうと、排出遅れを生じることになる。
【0004】なお、図4中、記号Pcは、油圧クラッチ
7のクラッチ板同士間に滑りが生じ始めるときのクラッ
チ油圧を表す。また、記号TL1は、低油温時の駆動ト
ルク・時間特性線を表し、この特性線TL1は、時間軸
と平行に延びる実線、一点鎖線および破線ならびに時間
軸に対して斜めに延びる破線からなる。上述の作動油排
出遅れを解消するため、デューティ制御弁をバイパスす
るバイパス回路を設けると共にこのバイパス回路内にチ
ェックボールを配設することが提案されている。
【0005】斯かる構成の油圧回路において、係合側の
摩擦係合要素としての油圧クラッチとこれに付設された
アキュムレータへ作動油が供給されるときには、図5に
示すように、作動油は、オイルパン1からオイルポンプ
2により汲み上げられて加圧され、例えばDレンジ位置
にあるマニュアルバルブ3を介して、デューティ制御回
路4と同回路4から分岐するバイパス回路5とへ流入す
る。そして、デューティ制御回路4に流入した作動油
は、同回路4に介設されたデューティ制御弁6が開弁す
ると、油圧クラッチ7およびアキュムレータ8に流入す
る。
【0006】一方、バイパス回路5へ流入した作動油
は、バイパス回路5に介在するチェックボール9の反油
圧クラッチ側に作用する。この油圧は、チェックボール
9の油圧クラッチ側に加わる油圧よりも大きく、従っ
て、チェックボール9は油圧クラッチ側へ付勢され、バ
イパス回路5はチェックボール9により閉鎖される。ま
た、マニュアルバルブ3が例えばNレンジ位置に切り替
えられた場合において、解除側の摩擦係合要素としての
油圧クラッチ7およびアキュムレータ8から作動油が排
出されるときには、図6に示すように、クラッチ7およ
びアキュムレータ8からの作動油は、デューティ制御弁
6の排油ポートEXおよびNレンジ位置にあるマニュア
ルバルブ3の排油ポートEXを介して排出される。そし
て、チェックボール9の反油圧クラッチ側に作用する油
圧の低下により、チェックボール9が反油圧クラッチ側
に付勢されて、同チェックボール9によるバイパス回路
5の閉鎖が解除されることから、クラッチ7およびアキ
ュムレータ8からの作動油は、バイパス回路5を介して
マニュアルバルブ3へ流入し、同バルブ3の排油ポート
EXを介して排出されることになる。
【0007】この様に、デューティ制御回路4およびバ
イパス回路5の双方を介して作動油が排出されるので、
低油温時にあっても短時間内に作動油を排出可能とな
り、低油温時のクラッチ切り遅れを回避できる。この場
合のクラッチ油圧変化は、図4に実線と破線とからなる
直線で示す低油温時のクラッチ油圧・時間特性線PL2
によって表される。なお、高油温時の特性線PH2を図
3に示す。
【0008】しかしながら、作動油排出時間が過度に短
くなると、クラッチ7が接状態から断状態へ急激に移行
し、これによりクラッチ7を介する伝達トルクが急激に
低下する。特に、高油温時には伝達トルクが急低下する
(図3に実線と破線とからなる折れ線で示した高油温時
の駆動トルク・時間特性線TH2および図4に同様の折
れ線で示した低油温時の特性線TL2を参照)。この場
合、自動変速機を介してエンジンから駆動輪側へ出力さ
れる駆動トルクが急減して、変速ショックすなわち車両
の加速度変化を招来する。
【0009】この様な不具合を解消するため、従来、バ
イメタル等を含むサーモバルブ10をバイパス回路5に
設けてなる図7に示す油圧回路が用いられている。この
サーモバルブ10は油温に応動するもので、高油温時に
はバイパス回路5を閉鎖する一方、低油温時にはバイパ
ス回路5を開放する。図7の油圧回路によれば、図3お
よび図4に示すクラッチ油圧・時間特性線PH3および
PL3から明らかなように、高油温時および低油温時の
双方においてクラッチ切れ遅れ限界時間内にクラッチを
接状態から断状態へ切り替えることができ、従って、作
動油の排出遅れを来すことがない。また、図7の油圧回
路によれば、図3および図4に示す駆動トルク・時間特
性線TH3およびTL3から明らかなように、高油温時
および低油温時の双方において適度なクラッチ油圧低下
勾配を確保することができ、従って、駆動トルクの急低
下ひいては変速ショックの発生を回避できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、図7の
油圧回路には、作動油排出遅れおよび駆動トルク急低下
を回避できるという利点があるが、この油圧回路には、
サーモバルブを必須要素として含むことから、コスト高
になると共に広いサーモバルブ設置スペースを要すると
いう欠点がある。
【0011】そこで、本発明は、自動変速機の油圧式摩
擦要素の係合解除時に、同摩擦要素からの作動油の排出
に伴うショックを発生させることなく、作動油を迅速に
排出可能であると共に、コンパクトでかつ低コストの油
圧回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】油圧式摩擦要素を備えた
自動変速機の油圧回路において、本発明の油圧回路は、
油圧式摩擦要素から油を排出する排出油路と、この排出
油路中に配設された弁およびこの弁を排出油路を閉鎖す
る方向へ付勢するスプリングを有する弁手段とを備え、
スプリングのセット荷重を、油排出時に油圧式摩擦要素
が滑りはじめるトルク容量相当の油圧近傍において排出
油路の閉鎖が行われるような値に設定したことを特徴と
する。
【0013】
【作用】油圧式摩擦要素からの油の排出が開始されたと
きの油圧は、この摩擦要素が滑りはじめるトルク容量相
当の油圧よりも高い。従って、摩擦要素から排出された
油は、排出油路に配設された弁手段のスプリングのバネ
力に抗して弁手段の弁を開弁させ、油は排出油路を介し
て排出される。
【0014】その後、摩擦要素からの油排出に伴って摩
擦要素から排出される油の圧力が漸減し、摩擦要素が滑
りはじめるトルク容量相当の油圧に達するに至り、スプ
リングは、排出油圧に抗して弁手段の弁を閉じる。この
結果、排出油路が弁により閉鎖され、排出油路を介する
作動油の排出が阻止される。以上のように、トルク抜け
に無関係な高圧領域(図3および図4に示すPa〜Pc
クラッチ油圧領域に対応)では油排出が迅速に行われ、
また、トルク抜けに関係する低圧領域(図3および図4
に示すPc〜Pb領域に対応)では油圧低下勾配ひいて
はトルク低下勾配が緩やかになる。結果として、油排出
の迅速化とトルク変動の抑制とが両立し、低油温時にあ
っても油排出遅れを来すことがなく、また高油温時にあ
ってもトルク変動による変速ショックが抑制される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例による自動変速機の
油圧回路を説明する。この油圧回路は、基本的には図5
および図6に示した従来の油圧回路のものと同様に構成
されるもので、油圧式摩擦要素を備えた自動変速機に適
用される。本実施例の油圧回路が装備される自動変速機
は、図1および図2に示すように、油圧式摩擦要素(摩
擦係合要素)としての油圧クラッチ7と、同クラッチ7
に連通するアキュムレータ8と、図示しないセレクトレ
バーに連動するマニュアルバルブ3とを備えている。こ
のマニュアルバルブ3は、オイルポンプ2によりオイル
パン1から汲み上げられて加圧された作動油を圧油入力
ポート3aから入力し、また、同バルブ3が例えばDレ
ンジ位置にあるときに圧油出力ポート3bから作動油を
出力するようになっている。
【0016】油圧回路は、油圧クラッチ7およびアキュ
ムレータ8をマニュアルバルブ3に連通させる油路とし
てのデューティ制御回路4を備え、この回路4には、同
回路4を介してマニュアルバルブ3から油圧クラッチ7
およびアキュムレータ8へ供給される作動油圧を調圧す
るためのデューティ制御弁6が介設されている。また、
デューティ制御弁6の下流側において、デューティ制御
回路4にはオリフィス(絞り)4aが設けられている。
デューティ制御弁6およびオリフィス4aは、広義に
は、絞り要素として機能する。なお、デューティ制御弁
6は、図示しないトランスミッションコントローラの制
御下で作動するようになっている。
【0017】また、油圧回路は、デューティ制御弁6お
よびオリフィス4aをバイパスするバイパス回路(排出
油路)5を更に備え、バイパス回路の両端はデューティ
制御回路4に連通している。そして、バイパス回路5に
は、この回路5を開閉するためのチェックボール21と
これを閉弁方向に付勢するスプリング22とを有する弁
手段20が介設されている。このスプリング22のセッ
ト荷重は、油圧クラッチ7から排出される油の圧力が同
クラッチ7のクラッチ板(図示略)同士が滑りはじめる
トルク容量相当の油圧(図3および図4のクラッチ油圧
Pcに対応)又はその近傍まで低下したときにチェック
ボール21によりバイパス回路5が閉鎖されるような値
に設定されている。
【0018】詳しくは、クラッチ7が滑り始めるトルク
容量(図3および図4の駆動トルクTaに対応)相当の
クラッチ油圧Pcは、次式(1)から算出される。 Pc=K1・(Np)2+K2 ・・・(1) ここで、記号K1、K2は定数を表し、Npはトランスミ
ッション(T/M)入力回転数を表す。
【0019】以下、上記算出式(1)の導出過程を簡略
に説明する。ここで、エンジンが回転中であって、マニ
ュアルバルブ3がDレンジ位置にあり、ブレーキペダル
が踏まれていると仮定する。このときの入力クラッチの
T/M入力トルクTは、一般には、トルコントルク比t
sとトルコン容量係数CsとT/M入力回転数Npとの
関数で表される。即ち、次式が成立する。
【0020】 T=ts・Cs・(Np)2 ・・・(2) また、入力クラッチトルクTcは、次式(3)で表され
る。 Tc=(P・Ap−Fs)・μd・rd・2n ・・・(3) ここで、記号P、ApおよびFsは、クラッチ油圧、ピ
ストン受圧面積およびピストンリターンスプリング力を
夫々表し、また、μd、rdおよび2nは、クラッチ摩
擦係数、クラッチ有効半径およびクラッチ枚数を夫々表
す。
【0021】上式(3)を整理して、 P={Tc/(Ap・μd・rd・2n)}+(Fs/Ap) ・・・(4) を得る。従って、クラッチ7が滑りはじめるトルク容量
(図3及び図4の駆動トルクTa)相当の油圧Pcは、
式(4)のTcにTaを代入することにより求まる。結
局、式(4)および式(2)から次式が求まる。
【0022】 Pc={Ta/(Ap・μd・rd・2n)}+(Fs/Ap) =[{ts・Cs・(Np)2}/(Ap・μd・rd・2n)] +(Fs/Ap) =K1・(Np)2+K2 ・・・(5) ここで、Npは、T/M入力回転数Npとしてのアイド
ル回転数を表す。
【0023】以下、上述の構成の油圧回路の作動を説明
する。マニュアルバルブ3がDレンジ位置にあると、オ
イルポンプ2からの圧油は、マニュアルバルブ3を介し
て、デューティ制御回路4およびバイパス回路5へ流入
し、バイパス回路5へ流入した作動油は、チェックボー
ル21の反油圧クラッチ側に作用する。この油圧による
作用力とスプリング22のばね力との合力がチェックボ
ール21の油圧クラッチ側に加わる油圧力よりも大きい
ことから、図1に示すように、バイパス回路5はチェッ
クボール21により閉鎖される。この場合、油圧回路は
図5の場合と同様に機能し、デューティ制御回路4を介
して油圧クラッチ7およびアキュムレータ8へ作動油が
供給される。このとき、デューティ制御弁6により油圧
が調圧される。
【0024】そして、作動油供給につれて、油圧クラッ
チ7のピストン(図示略)がピストンリターンスプリン
グ力に抗してクラッチ係合方向に運動し、クラッチ板
(図示略)同士が係合するに至る。また、アキュムレー
タ8では、リターンスプリング力に抗してピストンが蓄
圧方向に移動する。その後、マニュアルバルブ3がDレ
ンジ位置からNレンジ位置に切り替わると、油圧クラッ
チ7およびアキュムレータ8が、低圧側すなわちデュー
ティ制御弁6の排油ポートEXおよびNレンジ位置にあ
るマニュアルバルブ3の排油ポートEXに連通する。こ
のため、チェックボール21の反油圧クラッチ側の油圧
が低下し、クラッチピストンおよびアキュムレータピス
トンは、リターンスプリング力により油排出方向に移動
し、これにより油が排出される。そして、チェックボー
ル21は、排出油の圧力により、スプリング22のバネ
力に抗して反油圧クラッチ側に付勢されて、チェックボ
ール21によるバイパス回路5の閉鎖が解除される(図
2)。
【0025】この結果、クラッチ7およびアキュムレー
タ8からの作動油は、デューティ制御回路4とデューテ
ィ制御弁6の排油ポートEXとを介して排出されると共
に、デューティ制御回路4、バイパス回路5およびNレ
ンジ位置にあるマニュアルバルブ3の排油ポートEXを
介して排出される。すなわち、油は、デューティ制御回
路4とバイパス回路5の双方を介して排出される。
【0026】そして、両回路4、5を介する油排出は、
油圧クラッチ7が滑りはじめるトルク容量相当の油圧P
c(図3)へ排出油圧が低下するまで継続し、この油排
出の進行につれて排出油圧が漸減する。詳しくは、油排
出開始時点から油圧Pcへの到達時点(高油温時は図3
のt1時点、低油温時では図4のt2時点)までの間、排
出油圧は、図3および図4に折れ線で表したクラッチ油
圧・時間特性線PH4およびPL4の急傾斜直線部で示
すように、値Paから値Pcまで比較的急激に低下す
る。これにより油排出に要する時間が短縮され、低油温
時にあっても油圧クラッチ7の接状態から断状態への移
行は、クラッチ切れ遅れ限界時間内に完了する(図
4)。なお、クラッチ油圧領域Pa〜Pcでは油圧クラ
ッチ7に滑りは生じておらず、クラッチ油圧を比較的急
速に低下させても、この油圧急低下によりトルク抜けを
来すことはない。
【0027】その後、排出油圧は、油圧クラッチ7が滑
りはじめるトルク容量相当の油圧Pcまで低下する。排
出油圧が油圧Pcまたはその近傍に達すると、チェック
ボール21のクラッチ側に加わる排出油圧による作用力
が、チェックボール21の反クラッチ側に加わる作用力
とスプリング22のバネ力との合力よりも小さくなる。
この結果、チェックボール21がバイパス回路閉鎖位置
へ付勢され、図1に示すように、チェックボール21に
よりバイパス回路5が閉鎖される。
【0028】以上の様に、バイパス回路5を介する油排
出が阻止されて油がデューティ制御回路4のみを介して
排出されると、排出油圧は、図3および図4に折れ線で
示した特性線PH4、PL4の折れ点以降の緩傾斜直線
部で示すように、比較的緩慢に低下する。この様に、油
圧低下勾配が緩やかであると、図3および図4に示す駆
動トルク・時間特性線TH4、TL4の傾斜直線部で示
すように、トルク低下勾配が緩やかになる。クラッチ油
圧が値Pcよりも小さくなってクラッチ7に滑りが生じ
はじめると、トルク抜けを来すおそれがあるが、本実施
例では、斯かる低圧領域Pc〜Pbでのトルク低下勾配
が小さいので、トルク抜けひいてはこれに起因する変速
ショックを回避可能である。
【0029】結局、油排出の迅速化とトルク変動の抑制
とが両立し、低油温時にあっても油排出遅れを来すこと
がなく、また高油温時にあってもトルク変動による変速
ショックが抑制される。即ち、トルク抜け領域のみにお
いて油圧勾配を小さくしてトルク変動を抑えるととも
に、全体の油圧開放時間を短縮できる。本発明は、上記
実施例に限定されず、種々に変形可能である。
【0030】例えば、実施例では、デューティ制御弁6
を介設すると共にオリフィス4aを設けたデューティ制
御回路4によって、排出油路の分岐元の油路を構成した
が、分岐元油路をデューティ制御回路4で構成すること
は必須ではない。即ち、分岐元油路は、絞り要素を有す
る種々の油路によって構成可能である。換言すれば、排
出油路は、デューティ制御弁6およびオリフィス4aを
バイパスするバイパス回路5に限定されず、絞り要素を
バイパスする油路であれば良い。
【0031】また、実施例では、油圧式摩擦要素を油圧
クラッチで構成したが、油圧ブレーキなどのその他の要
素により同摩擦要素を構成可能である。実施例では、変
速ショックを来たし易いDレンジからNレンジへのレン
ジ切換えに関連する油圧回路について説明したが、本発
明は、R→Nレンジ切換えなどに関連する油圧回路にも
適用可能である。
【0032】
【発明の効果】上述のように、本発明は、油圧式摩擦要
素を備えた自動変速機の油圧回路において、油圧式摩擦
要素から油を排出する排出油路と、この排出油路中に配
設された弁およびこの弁を排出油路を閉鎖する方向へ付
勢するスプリングを有する弁手段とを備え、スプリング
のセット荷重を、油排出時に油圧式摩擦要素が滑りはじ
めるトルク容量相当の油圧近傍において排出油路の閉鎖
が行われるような値に設定したので、自動変速機の油圧
式摩擦要素の係合解除時に、同摩擦要素からの作動油の
排出に伴うショックを発生させることなく、作動油を迅
速に排出可能で、自動変速を円滑に行える。しかも、本
発明によれば、広い配設スペースを要しかつコスト高で
あるサーモバルブが不要なので、油圧回路のコンパクト
化および低コスト化が可能である。
【0033】また、自動変速機の入力回転数をNpで表
すと共に定数をK1およびK2で表したとき、油圧式摩擦
要素が滑りはじめるトルク容量相当の油圧Pcを、式P
c=K1・(Np)2+K2に従って設定する本発明の好
適態様によれば、油圧Pcひいてはスプリングのセット
荷重を適正に設定でき、従って、油排出遅れを回避しつ
つ変速ショックを確実に防止できる。
【0034】また、絞りおよびデューティ弁をバイパス
するバイパス路で排出油路を構成した本発明の好適態様
によれば、デューティ弁を用いて油圧を調圧するタイプ
の自動変速機における変速ショックを回避可能である。
また、自動変速機のマニュアルバルブを走行段位置(例
えばDレンジ位置)からニュートラル位置(Nレンジ位
置)へ切換えたときに油を排出するように設けた油圧式
摩擦要素を備える本発明の好適態様によれば、変速ショ
ックを来たし易いD→Nレンジ切換時におけるショック
発生を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による油圧回路の要部を、チ
ェックボールがバイパス回路閉鎖位置にある状態で示す
概略図である。
【図2】図1に示す油圧回路を、チェックボールがバイ
パス回路開放位置にある状態で示す概略図である。
【図3】図1および図2に示す油圧回路を装備した自動
変速機の、高油温時のクラッチ油圧・時間特性線および
駆動トルク・時間特性線を、従来の油圧回路を装備した
自動変速機の同様の特性線と共に示すグラフである。
【図4】低油温時のクラッチ油圧・時間特性線および駆
動トルク・時間特性線を示す、図3と同様のグラフであ
る。
【図5】バイパス回路にチェックボールを設けてなる従
来の油圧回路を、チェックボールがバイパス回路閉鎖位
置にある状態で示す概略図である。
【図6】図5の油圧回路を、チェックボールがバイパス
回路開放位置にある状態で示す概略図である。
【図7】バイパス回路にサーモバルブを設けてなる従来
の油圧回路を示す概略図である。
【符号の説明】
3 マニュアルバルブ 4 デューティ制御回路 4a オリフィス 5 バイパス回路 6 デューティ制御弁 7 油圧クラッチ 8 アキュムレータ 20 弁手段 21 チェックボール 22 スプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧式摩擦要素を備えた自動変速機の油
    圧回路において、 上記油圧式摩擦要素から油を排出する排出油路と、 上記排出油路中に配設された弁および上記弁を上記排出
    油路を閉鎖する方向へ付勢するスプリングを有する弁手
    段とを備え、 上記スプリングのセット荷重を、油排出時に上記油圧式
    摩擦要素が滑りはじめるトルク容量相当の油圧近傍にお
    いて上記排出油路の閉鎖が行われるような値に設定した
    ことを特徴とする自動変速機の油圧回路。
  2. 【請求項2】 上記自動変速機の入力回転数をNpで表
    すと共に定数をK1およびK2で表したとき、上記油圧式
    摩擦要素が滑りはじめるトルク容量相当の油圧Pcを、
    式Pc=K1・(Np)2+K2に従って設定することを
    特徴とする請求項1の自動変速機の油圧回路。
  3. 【請求項3】 上記排出油路は、絞りおよびデューティ
    弁をバイパスするバイパス路であることを特徴とする請
    求項1の自動変速機の油圧回路。
  4. 【請求項4】 上記油圧式摩擦要素は、上記自動変速機
    のマニュアルバルブを走行段位置からニュートラル位置
    へ切換えたときに、上記油を排出するように設けられて
    いることを特徴とする請求項1の自動変速機の油圧回
    路。
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