JP2888132B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JP2888132B2
JP2888132B2 JP6058389A JP5838994A JP2888132B2 JP 2888132 B2 JP2888132 B2 JP 2888132B2 JP 6058389 A JP6058389 A JP 6058389A JP 5838994 A JP5838994 A JP 5838994A JP 2888132 B2 JP2888132 B2 JP 2888132B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機は、エンジン負荷、車
速などの車両運転状態に適合する最適変速段を自動的に
確立するもので、油圧式多板クラッチや油圧式ブレーキ
等の摩擦係合要素(油圧式摩擦要素)を備えている。自
動変速機での変速段の切換えは、現在確立されている変
速段に対応する摩擦係合要素の係合を解除しつつ、次に
確立すべき変速段に対応する摩擦係合要素を係合させる
ことにより行われる。このため、解除側の摩擦係合要素
から作動油を排出しつつ、係合側の摩擦係合要素へ作動
油が供給される。
【0003】一般に、摩擦係合要素に対して油を給排す
る油圧回路には、油圧を蓄圧するためのアキュムレータ
と、油流量を制限するためのオリフィスとが油圧回路で
の油圧過渡特性調整のために設けられ、又、油圧調整の
ためのデューティ制御弁(摩擦要素制御手段)が設けら
れ、これにより、摩擦係合要素の係合または係合解除に
伴う伝達トルク変動ひいては変速ショック発生を抑制し
ている。
【0004】この種の自動変速機において、レンジ選択
のために手動操作されるセレクトレバーが中立段(Nレ
ンジ)にあるときに摩擦係合要素の一つたとえばローリ
バースブレーキが係合動作すると共に、後進段(Rレン
ジ)では別の摩擦係合要素たとえばリバースクラッチが
係合動作するようにし、更に、セレクトレバーに連動す
るマニュアル弁からリバースクラッチへ油圧を直接供給
するようにしたものがある。この自動変速機では、リバ
ースクラッチについては油圧供給制御を行わないことか
ら、N→Rシフト時には、ローリバースブレーキから油
を一旦排出させた後にリバースクラッチへ油圧を供給
し、次いで、ローリバースブレーキへの油圧供給を行う
ようにしている。
【0005】この場合、N→Rシフト時の所要変速時間
を短くするためには、同シフト時にローリバースブレー
キから油圧を素早く抜く必要がある。この油排出が遅れ
ると、ローリバースブレーキの係合が解除される前にリ
バースクラッチが係合して変速ショックが生じる。従っ
て、変速時間の短縮および変速ショックの抑制のために
は、上記オリフィスの径を可能な限り大きくしてローリ
バースブレーキからの油排出を迅速に行う必要がある。
その一方で、オリフィス径を大きくすると、同オリフィ
スの油圧過渡特性調整機能が損なわれ、例えばデューテ
ィ制御弁をデューティ駆動したときの油圧脈動が大きく
なり、伝達トルクが変動し、車体振動を引き起こす等の
問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】結局、この種の自動変
速機では、油圧回路に設けられるオリフィスの径を単に
増減することによっては、変速時間の短縮と変速ショッ
クの抑制を両立させることは困難である。そこで、本発
明は、変速時間の短縮および変速ショックの抑制の双方
を達成できる自動変速機の油圧制御装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の変速段
で係合される第1摩擦要素を含む複数の摩擦要素と、第
1摩擦要素に連通可能な第1油路と、第1摩擦要素に連
通可能であると共に第1油路とは異なる第2油路と、第
1摩擦要素への油圧の給排を制御する第1摩擦要素制御
手段とを有する自動変速機の油圧制御装置において、第
1摩擦要素制御手段と第1油路とを連通させる第1位置
と、第1油路を排油側へ開放させると共に第1摩擦要素
制御手段と第2油路とを連通させる第2位置との間で切
り換えられる油路切換手段を備えることを特徴とする。
本発明において、好ましくは、第2位置での第1油路の
通路抵抗を第1位置での第1油路の通路抵抗よりも小さ
くする。 好ましくは、本発明の油圧制御装置は、第1摩
擦要素に連通しかつ第1油路及び第2油路に共通の共通
油路と、第1及び第2油路の一方を閉鎖して第1及び第
2油路の他方と共通油路とを連通させる連通制御手段と
を備える。 好ましくは、本発明の油圧制御装置は、第1
変速段では係合されず第2の変速段で係合される第2摩
擦要素を有する。油路切換手段は、第1摩擦要素への供
給油圧を検出する第1摩擦要素供給油圧検出手段と、第
2摩擦要素への供給油圧を検出する第2摩擦要素供給油
圧検出手段とを備え、第1及び第2摩擦要素への供給油
圧を検出したとき第2位置へ切り換えられる。 好ましく
は、油路切換手段は、調圧弁により調圧された所定圧を
検出する所定圧検出手段を有し、所定圧を検出したとき
第1位置に切り換えられ、所定圧を検出しないときは第
2位置に切り換えられる。より好ましくは、所定圧検出
手段は、第1の変速段のとき所定圧を検出し、第3の変
速段のとき所定圧を検出しない。 本発明の油圧制御装置
は、好ましくは、第3の変速段で係合される第3摩擦要
素と、手動で切換可能なマニュアル弁とを備える。マニ
ュアル弁は、第1の変速段に対応する位置にあるとき第
3摩擦要素から油圧を排出し、第1の変速段位置から第
3の変速段位置へ切り換えられたとき第3摩擦要素へ係
合油圧を直接供給する。
【0008】また、本発明は、第1の変速段で係合され
る第1摩擦要素と、この第1摩擦要素に連通可能な第1
油路と、第1摩擦要素に連通可能であると共に第1油路
とは異なる第2油路と、第1摩擦要素への油圧の給排を
制御する第1摩擦要素制御手段と、手動で切換可能なマ
ニュアル弁とを有する自動変速機の油圧制御装置におい
て、調圧弁により調圧された所定圧が供給される所定圧
受圧部と、所定圧による付勢力に対抗する付勢手段と、
第1摩擦要素制御手段と第1油路とを連通させる第1位
置と、第1油路を排油側へ開放すると共に第1摩擦要素
制御手段と第2油路とを連通させる第2位置との間で切
り換えられる油路切換手段とを備え、この油路切換手段
は、マニュアル弁が第1の変速段に対応する位置にある
とき所定圧受圧部に供給された所定圧により第1位置に
切り換えられ、マニュアル弁が第1の変速段位置から第
2の変速段位置へ切り換えられたとき所定圧受圧部から
所定圧が排出されると共に付勢手段により第2位置に切
り換えられることを特徴とする。好ましくは、第1の変
速段は前進段又は中立段であり、第2の変速段は後進段
である。
【0009】
【作用】油路切換手段が第1位置にあるとき、第1摩擦
要素制御手段と第1油路とが連通する。この場合、第1
摩擦要素制御手段により制御された油圧が、第1油路を
介して第1摩擦要素に供給されて同要素が係合し、これ
により第1の変速段が確立する。一方、油路切換手段が
第2位置にあると、第1油路が排油側へ開放されると共
に第1摩擦要素制御手段と第2油路とが連通する。この
場合、第1摩擦要素に供給されていた油圧が第1油路を
介して排油側へ迅速に排出され、これにより第1摩擦要
素の係合が解除される。また、第1摩擦要素制御手段に
おいて制御された油圧を、第2油路を介して第1摩擦要
素に供給可能となる。
【0010】或いは、マニュアル弁が第1の変速段に対
応する位置にあるとき、油圧制御装置の所定圧受圧部に
所定圧が供給され、この所定圧により油路切換手段が第
1位置に切り換えられる。この場合、第1摩擦要素制御
手段と第1油路とが連通し、第1摩擦要素制御手段にお
いて制御された油圧が、第1油路を介して第1摩擦要素
に供給されて同要素が係合し、第1の変速段が確立され
る。
【0011】マニュアル弁が第1の変速段位置から第2
の変速段位置へ切り換えられると、所定圧受圧部から所
定圧が排出され、これに伴って付勢手段により油路切換
手段が第2位置に切り換えられる。この結果、第1油路
が排油側へ開放されて、第1摩擦要素に供給されていた
油圧が第1油路を介して排油側へ迅速に排出される。ま
た、第1摩擦要素制御手段と第2油路とが連通し、これ
により、第1摩擦要素制御手段において制御された油圧
を、第2油路を介して第1摩擦要素へ供給可能となる。
【0012】
【実施例】以下、自動変速機に装備される本発明の一実
施例による油圧制御装置としての変速制御装置を説明す
る。図1に示すように、自動変速機2は、エンジン1の
出力軸に連結されたトルクコンバータ3と、例えば前進
4段後進1段の変速段を有する歯車変速装置4とを備
え、歯車変速装置は、図示しない遊星歯車機構と、同機
構における動力伝達経路を切り換えるための油圧摩擦係
合要素とを含んでいる。摩擦係合要素は、図2に示すリ
バース(R)クラッチ11、ローリバース(LR)ブレ
ーキ12、セカンド(2ND)ブレーキ13、アンダー
ドライブ(UD)クラッチ14及びオーバードライブ
(OD)クラッチ15を含む。そして、摩擦係合要素の
各々は、図示しない係合用ピストン装置等を備え、エン
ジン1により駆動されるオイルポンプ(図示略)が発生
する油圧によって作動される。この油圧は、後述する変
速制御装置により、車両運転状態に応じてクラッチ、ブ
レーキの所要のものに選択的に供給され、これらクラッ
チ、ブレーキの作動の組み合わせにより、いずれかの変
速段が達成されるようになっている(表1を参照)。
【0013】
【表1】 変速制御装置は、図1に示すように、オイルポンプから
歯車変速装置4の摩擦係合要素への油圧送給経路を切換
えると共に油圧の大きさを調整するための油圧コントロ
ーラ5と、同コントローラ5を駆動制御するための電子
制御ユニット(ECU)6とを備え、所要の変速段を確
立するための摩擦係合要素へ油圧を送給するようになっ
ている。
【0014】図2及び図3を参照すると、油圧コントロ
ーラ5の油圧回路は、ドライバによるセレクトレバー操
作に連動し、かつ、図示しない調圧弁により調圧された
所定圧としてのライン圧が供給されるマニュアル弁16
と、このマニュアル弁16と摩擦係合要素11〜15と
の間に延びる油路に夫々介在しECU6の制御下で夫々
作動する摩擦要素制御手段としての、LRソレノイド弁
17、2NDソレノイド弁18、UDソレノイド弁19
及びODソレノイド弁20とを含むと共に、油路切換手
段としてのスプール弁50を含む。図2において、参照
符号21〜24は、摩擦係合要素12〜15に夫々関連
するアキュムレータを示し、又、参照符号25〜29は
摩擦係合要素11〜15に夫々関連する圧力チェックポ
ートを示す。記号EXは排出ポートを表す。
【0015】ECU6は、図示しない入出力装置、記憶
装置、中央処理装置などを含み、その入力側には、車両
の走行速度を検出するための車速センサ7、トルクコン
バータ3のタービン回転数を検出するためのタービン回
転数センサ(NTセンサ)8、エンジン負荷を表すスロ
ットル弁開度を検出するためのスロットルセンサ9など
が接続されている。
【0016】図3を参照すると、油圧コントローラ5の
構成部品であるスプール弁50は、そのバルブボディ内
に摺動自在に配された第1及び第2スプール51、52
と、両スプール間に配された付勢手段としてのスプリン
グ53とを有している。そして、バルブボディには第1
〜第10ポート50a〜50jが形成され、第1スプー
ル51にはランド51a、51b及び51cが形成さ
れ、第2スプール52にはランド52a、52b及び5
2cが形成されている。更に、第1スプール51には軸
穴51dが形成され、この軸穴51dは、ランド51a
の軸方向中央部から同スプールの軸心に沿って延び、図
3において第1スプール51の右端面に開口している。
また、第1スプール51には、軸穴51dの左端に連通
する直径方向孔51eが形成され、同孔51eはランド
51aの周面に開口している。
【0017】図2を参照すると、油圧コントローラ5の
油圧回路において、第1通路61は、その上流側がオイ
ルポンプ等(図示略)に連通すると共に下流側がマニュ
アル弁16の第4ポート16dとLRソレノイド弁17
の第1ポート17aとに連通し、両ポートに常時ライン
圧が供給されるようになっている。LRソレノイド弁1
7のデューティオンオフ動作によってライン圧から得た
制御圧は、第2通路62を介して同ソレノイド弁17の
第2ポート17bからスプール弁50の第7ポート50
gへ供給される。ポート50g側において第2通路62
には、同通路62を流通する油の流量を制限するための
オリフィス62aが設けられている。
【0018】マニュアル弁16が図示のようにNまたは
Pレンジ位置にあると、ライン圧は、第3通路63を介
してマニュアル弁の第5ポート16eからスプール弁5
0の第10ポート50jへ供給される。一方、マニュア
ル弁16がDレンジ位置にあると、ライン圧は、第4通
路64を介してマニュアル弁16の第6ポート16fか
ら2ND、UD及びODソレノイド弁18〜20の夫々
の第1ポート18a〜20aへ供給され、これらのソレ
ノイド弁18〜20のデューティオンオフ動作によって
ライン圧から得た制御圧は、第5〜第7通路65〜67
を介して、2NDブレーキ13、UDクラッチ14及び
ODクラッチ15へ供給される。なお、2NDブレーキ
13へ供給される制御圧、すなわち2NDブレーキ圧
は、第5通路65を介してスプール弁50の第4ポート
50dへ供給される。また、ODクラッチ15へ供給さ
れる制御圧、すなわちODクラッチ圧は、第7通路67
を介してスプール弁50の第1ポート50aへ供給され
る。
【0019】又、マニュアル弁16がRレンジ位置にあ
ると、ライン圧は、第8通路68を介してマニュアル弁
16の第3ポート16cからRクラッチ11へ供給され
る。マニュアル弁16の第1、第2、第6及び第7ポー
ト16a、16b、16g、16hと、ソレノイド弁1
7、18、19の夫々の第3ポート17c、18c、1
9cと、スプール弁50の第5及び第9ポート50e、
50iは、第9通路69を介して排油側(大気開放側)
へ連通している。
【0020】第10通路70は、スプール弁50の第2
ポート50bに連通する半部70aと、第6ポート50
fに連通する半部70bと、両者間に介在する拡径部7
0cとを有し、拡径部70cには、第10通路半部70
a、70bの拡径部70c側開口のいずれかを閉鎖する
ためのチェックボール80が配されている。そして、拡
径部70cから分岐する分岐通路70dは、LRブレー
キ12に連通している。
【0021】第11通路71は、スプール弁50の第3
ポート50cと第8ポート50hとの間に延びている。
以下、上述の構成の変速制御装置の作動を説明する。セ
レクトレバーがNまたはDレンジ位置にあるとき、ライ
ン圧は、図2及び図3に示すように、マニュアル弁16
の第4、第5ポート16d、16e、第3通路63およ
びスプール弁50の第10ポート50jを介して、スプ
ール弁50の右端油室へ供給される。また、ECU6に
よりデューティ制御されるLRソレノイド弁17が所要
デューティ比で開閉動作し、その結果ライン圧から生じ
る制御圧が、第2通路62およびスプール弁50の第7
ポート50gを介して、第2スプール52のランド52
a、52b間に画成される油室へ供給される。ここで、
第1スプール51と第2スプール52間に介在するスプ
リング53のばね力は、制御圧とランド52bの受圧面
積からランド52aの受圧面積を除いた面積との積と同
ばね力との和が、ライン圧とランド52cの受圧面積と
の積よりも小さくなるように設定されていることから、
ライン圧による左方向への作用力がスプリング53のバ
ネ力と制御圧による右方向への作用力との和を上回り、
従って、第2スプール52が左動する。又、スプリング
53を介して第1スプール51が第2スプール52から
の左方向作用力を受けて左動する。即ち、スプール5
1、52が、図3において、第1位置としての左方限界
位置をとるに至る。
【0022】この場合、第1油路としての第10通路半
部70bが、スプール弁50のポート50f、50g及
び第2通路62を介して、第1摩擦要素制御手段として
のLRソレノイド弁17に連通し、従って、通路半部7
0b内の油圧は制御圧に等しくなる。一方、第2油路と
しての通路半部70aは、ポート50b、50c、通路
71、ポート50h、50iおよび通路69を介して排
油側に連通し、従って、通路半部70a内の油圧は低下
する。このため、連通制御手段としてのチェックボール
80が左動して、同チェックボール80により通路半部
70aが閉鎖される一方、通路半部70bが、共通油路
としての分岐通路70dに連通する。
【0023】この結果、LRソレノイド弁17からの制
御圧は、アキュムレータ21およびLRブレーキ12に
供給され、これにより、第1の変速段、たとえば中立段
またはDレンジ第1速が確立する。セレクトレバーがN
レンジ位置からRレンジ位置へ切り換えられると、マニ
ュアル弁16の第3ランドによりポート16dとポート
16eとの連通が遮断されて、両ポート16d、16e
及びスプール弁50のポート50jを介するスプール弁
50の右端油室へのライン圧供給が停止され、第2スプ
ール52への左方向作用力が消滅する。このため、第2
スプール52は、スプリング53のばね力により右動し
て、図4に示すように、第2位置としての右方限界位置
をとる。なお、N→Rレンジ切換え直後には、LRソレ
ノイド弁17からの制御圧の供給が停止され、スプリン
グ53のばね力により第1スプール51は左方限界位置
に保持される。
【0024】この場合、第10通路半部70bが、スプ
ール弁50のポート50f、50e及び通路69を介し
て排油側へ開放され、従って、LRブレーキ12および
アキュムレータ21に供給されていた油が分岐通路70
d、通路半部70b、通路69などを介して排油側へ排
出される。このため、LRブレーキ12の係合解除が開
始される。
【0025】その一方で、N→Rレンジ切換に伴って、
マニュアル弁16の第2ランドによるポート16dとポ
ート16cとの遮断状態が解除されて、両ポート16
d,16c及び通路68を介してライン圧がRクラッチ
11へ供給されてRクラッチ11の係合動作が開始され
る。この変速制御装置においては、N→Rレンジ切換時
でのLRブレーキ12の油排出経路にオリフィスが設け
られていないので、LRブレーキ12からの油排出は迅
速に行われる。このため、図7に破線で示す従来のLR
ブレーキ圧立ち下がり特性に比べ、LRブレーキ圧の立
ち下がりは、図7に実線で示すように急峻になる。従っ
て、Rクラッチ圧が立ち上がる前に、LRブレーキ圧の
立ち下がりが完了することになる。結果として、変速時
間が短縮され、また、変速ショックが生じなくなる。
【0026】そして、N→Rレンジ切換が更に進行する
と、LRソレノイド弁17から第2スプール52のラン
ド52a、52b間への制御油圧供給が再開される。こ
の結果、制御圧が供給される第10通路半部70a側の
油圧が、排油側に連通する別の第10通路半部70b側
の油圧よりも増大して、チェックボール80が右動す
る。このため、通路半部70bがチェックボール80に
より閉鎖される一方、通路半部70aが分岐通路70d
に連通し、制御圧が、通路半部70a、分岐通路70d
などを介して、LRブレーキ12へ供給される。この結
果、LRブレーキ12の係合動作が開始され、上述のR
ブレーキ11の係合動作と相俟って後進段が確立される
に至る。
【0027】そして、例えばDレンジ第1速において、
ECU6の異常などの何らかの故障に起因して、LRブ
レーキ12への制御圧供給時にODクラッチ圧が発生す
ると、このODクラッチ圧がスプール弁50の左端油室
へ供給されて第1スプール51の左端面(第2摩擦要素
供給油圧検出手段)に右方向作用力が加わる。この場
合、第1スプール51はスプリング53のばね力に抗し
て右動して図6に示す位置をとる。この結果、第10通
路半部70aは、第1スプール51の直径方向孔51e
及び軸孔51dならびにスプール弁50の第5ポート5
0e及び第9通路69を介して排油側に連通し、又、別
の第2通路半部70bは、ポート50f、50e及び通
路69を介して同様に排油側に連通する。更に、ポート
50bとポート50cとの連通が第1スプール51のラ
ンド51aにより遮断され、又、ポート50cとポート
50dとの連通がランド51bにより遮断される。この
ため、LRソレノイド弁17からの制御圧は、第11通
路71内に閉じこめられる。この結果、LRブレーキ1
2に供給されていた油が排出され、同ブレーキ12が係
合解除動作する。
【0028】以上のように、LRブレーキ12への制御
圧供給時にODクラッチ圧が同時発生すると、これは何
らかの故障に起因したものなので、変速制御装置はフェ
ールセーフ動作することになる。LRブレーキ圧と2N
Dブレーキ圧とが同時発生し、あるいは、LRブレーキ
圧、2NDブレーキ圧およびODクラッチ圧が同時発生
した場合にも、フェールセーフ動作が行われる。
【0029】また4速時には2NDブレーキ圧とODク
ラッチ圧が同時発生するため、LRブレーキ圧の大きさ
に関係なく、フェールセーフ動作が発生している。この
ように何らかの故障が発生しない状態でも頻繁にバルブ
の位置が動くため、回路中のゴミなどによるバルブステ
ィックを防ぐことができる。
【0030】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、第1の
変速段で係合される第1摩擦要素を含む複数の摩擦要素
と、第1摩擦要素に連通可能な第1油路と、第1摩擦要
素に連通可能であると共に第1油路とは異なる第2油路
と、第1摩擦要素への油圧の給排を制御する第1摩擦要
素制御手段とを有する自動変速機の油圧制御装置におい
て、第1摩擦要素制御手段と第1油路とを連通させる第
1位置と、第1油路を排油側へ開放させると共に第1摩
擦要素制御手段と第2油路とを連通させる第2位置との
間で切り換えられる油路切換手段を備えるので、変速時
間を短縮でき、また、変速ショックを抑制できる。
【0031】また、第1位置での第1油路の通路抵抗を
第2位置での第1油路の通路抵抗よりも大きくした好適
な実施例によれば、変速ショックを更に確実に抑制でき
る。また、第1摩擦要素に連通しかつ第1油路及び第2
油路に共通の共通油路と、第1及び第2油路の一方を閉
鎖して第1及び第2油路の他方と共通油路とを連通させ
る連通制御手段とを備える好適な実施例によれば、油路
の切換えを簡易な構成で確実に行える。
【0032】また、第1変速段では係合されず第2の変
速段で係合される第2摩擦要素を有する好適な実施例で
は、油路切換手段は、第1摩擦要素への供給油圧を検出
する第1摩擦要素供給油圧検出手段と、第2摩擦要素へ
の供給油圧を検出する第2摩擦要素供給油圧検出手段と
を備え、第1及び第2摩擦要素への供給油圧を検出した
とき第2位置へ切り換えられ、第1摩擦要素から油が抜
かれるので、両摩擦要素が同時に係合してインタロック
することを防止できる。
【0033】また、油路切換手段が、調圧弁により調圧
された所定圧を検出する所定圧検出手段を有する好適な
実施例では、油路切換手段は、所定圧を検出したとき第
1位置に切り換えられ、所定圧を検出しないときは第2
位置に切り換えられるので、簡単な構成で油路切換えを
確実に行える。また、所定圧検出手段により、第1の変
速段のとき所定圧を検出し、第3の変速段のとき所定圧
を検出しないようにした好適な実施例によれば、第1の
変速段と第3の変速段との間の変速時で油路切換えを確
実に行える。
【0034】また、第3の変速段で係合される第3摩擦
要素と、手動で切換可能なマニュアル弁とを備え、マニ
ュアル弁により、第1の変速段に対応する位置にあると
き第3摩擦要素から油圧を排出し、第1の変速段位置か
ら第3の変速段位置へ切り換えられたとき第3摩擦要素
へ係合油圧を直接供給するようにした好適な実施例によ
れば、第1の変速段位置から第3の変速段位置への切換
え時には第1摩擦要素への油圧のみを制御すればよく、
制御が簡略になる。
【0035】さらに、本発明によれば、第1の変速段で
係合される第1摩擦要素と、第1摩擦要素に連通可能な
第1油路と、第1摩擦要素に連通可能であると共に第1
油路とは異なる第2油路と、第1摩擦要素への油圧の給
排を制御する第1摩擦要素制御手段と、手動で切換可能
なマニュアル弁とを有する自動変速機の油圧制御装置に
おいて、調圧弁により調圧された所定圧が供給される所
定圧受圧部と、所定圧による付勢力に対抗する付勢手段
と、第1摩擦要素制御手段と第1油路とを連通させる第
1位置と、第1油路を排油側へ開放すると共に第1摩擦
要素制御手段と第2油路とを連通させる第2位置との間
で切り換えられる油路切換手段とを備え、油路切換手段
は、マニュアル弁が第1の変速段に対応する位置にある
とき所定圧受圧部に供給された所定圧により第1位置に
切り換えられ、マニュアル弁が第1の変速段位置から第
2の変速段位置へ切り換えられたとき所定圧受圧部から
所定圧が排出されると共に付勢手段により第2位置に切
り換えられるので、簡単な構成で油路を切り換えること
ができるとともに、変速時間を短縮でき、さらに変速シ
ョックを抑制できる。
【0036】また、第1の変速段が前進段又は中立段で
あり、第2の変速段が後進段であるような好適な実施例
によれば、前進段または中立段から後進段への変速時に
おける変速時間の短縮および変速ショックの抑制を確実
に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動変速機の概略図である。
【図2】本発明の一実施例による変速制御装置の要部を
示す油圧回路である。
【図3】Nレンジ位置における、図2の油圧回路のスプ
ール弁の動作状態を示す部分拡大図である。
【図4】N→Rレンジ切換のLRブレーキ圧解放時にお
けるスプール弁の動作状態を示す部分拡大図である。
【図5】N→Rレンジ切換のLRブレーキ圧供給時にお
けるスプール弁の動作状態を示す部分拡大図である。
【図6】Dレンジ第4速におけるスプール弁のフェール
セーフ動作を示す部分拡大図である。
【図7】N→Rレンジ切換時におけるLRブレーキ圧お
よびRクラッチ圧の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
2 自動変速機 5 油圧コントローラ 6 電子制御ユニット 11 リバース(R)クラッチ 12 ローリバース(LR)ブレーキ 13 セカンド(2ND)ブレーキ 14 アンダードライブ(UD)クラッチ 15 オーバードライブ(OD)クラッチ 16 マニュアル弁 17 LRソレノイド弁 18 2NDソレノイド弁 19 UDソレノイド弁 20 ODソレノイド弁 21〜24 アキュムレータ 50 スプール弁 51 第1スプール 52 第2スプール 53 スプリング(付勢手段) 61〜71 通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の変速段で係合される第1摩擦要素
    を含む複数の摩擦要素と、上記第1摩擦要素に連通可能
    な第1油路と、上記第1摩擦要素に連通可能であると共
    に上記第1油路とは異なる第2油路と、上記第1摩擦要
    素への油圧の給排を制御する第1摩擦要素制御手段とを
    有する自動変速機の油圧制御装置において、 上記第1摩擦要素制御手段と上記第1油路とを連通させ
    る第1位置と、上記第1油路を排油側へ開放させると共
    に上記第1摩擦要素制御手段と上記第2油路とを連通さ
    せる第2位置との間で切り換えられる油路切換手段を備
    えることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 上記第2位置での上記第1油路の通路抵
    抗を上記第1位置での上記第1油路の通路抵抗よりも小
    さくしたことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機
    の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 第1の変速段で係合される第1摩擦要素
    と、上記第1摩擦要素に連通可能な第1油路と、上記第
    1摩擦要素に連通可能であると共に上記第1油路とは異
    なる第2油路と、上記第1摩擦要素への油圧の給排を制
    御する第1摩擦要素制御手段と、手動で切換可能なマニ
    ュアル弁とを有する自動変速機の油圧制御装置におい
    て、 調圧弁により調圧された所定圧が供給される所定圧受圧
    部と、 上記所定圧による付勢力に対抗する付勢手段と、 上記第1摩擦要素制御手段と上記第1油路とを連通させ
    る第1位置と、上記第1油路を排油側へ開放すると共に
    上記第1摩擦要素制御手段と上記第2油路とを連通させ
    る第2位置との間で切り換えられる油路切換手段とを備
    え、 上記油路切換手段は、上記マニュアル弁が上記第1の変
    速段に対応する位置にあるとき上記所定圧受圧部に供給
    された所定圧により上記第1位置に切り換えられ、上記
    マニュアル弁が上記第1の変速段位置から第2の変速段
    位置へ切り換えられたとき上記所定圧受圧部から所定圧
    が排出されると共に上記付勢手段により上記第2位置に
    切り換えられることを特徴とする自動変速機の油圧制御
    装置。
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