JP3625591B2 - 自動変速機の締結装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機におけるクラッチやブレーキ等の液圧式締結装置に係わり、いわゆる遠心圧力による不適正な締結力の発生を確実に防止し、かつ円滑な締結動作が実現できる自動変速機の締結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用の自動変速機としては、エンジンの回転をトルクコンバータを介して入力し、複数組のプラネタリギアを有する変速機構により変速してプロペラシャフト(車軸側)に出力するものが普及している。
この種の自動変速機における変速機構は、トルクコンバータからのインプットシャフトの回転を、シフト位置に応じて、プラネタリギアを構成する特定のギア又はキャリアに伝動したり、特定のギア又はキャリアの回転を適宜アウトプットシャフトに伝動したり、あるいは適宜特定のギア又はキャリアの回転を拘束するために、通常複数のクラッチやブレーキ等の油圧式締結装置を備えいる。
【0003】
そして、この締結装置は、通常油圧駆動されるピストンが例えば多板式の締結要素に押し付けられることにより締結力を発揮し、油をシリンダから排出することで締結を解除する。しかしながら、シリンダからの油の排出は重力による自然落下に頼っている関係上、またピストンやピストンを摺動自在に支持するシリンダが、締結される駆動要素又は被駆動要素とともに回転する構成が一般的であるため、油排出時にあってもシリンダ内の油の一部が遠心力でシリンダ外周の内壁にはいりついて残るため、締結解除時にあっても、遠心力による圧力(以下、遠心圧力又は遠心油圧という。)が前記作動油圧室に発生してしまい、変速動作に支障を生じる場合がある。すなわち、遠心油圧が生じると、その分だけピストンが締結要素に対して作動して相当の締結力が発生する。このため、締結すべき時期でないときにも締結力が発生してしまい、場合によっては適正な変速動作ができなくなる。
【0004】
そこで従来では、例えば特開昭62−52249号公報に示されるように、いわゆる遠心油圧キャンセル室を設けたり、油抜き用のいわゆるドリフトオンボールをシリンダ等の外周側に設けて、遠心油圧対策としている。
ここで、遠心油圧キャンセル室とは、前記ピストンに対して前記作動油圧室の反対側に対向するように形成されて、前記作動油圧室と同等の大きさで逆向きの遠心油圧による力を発生させることで、前記作動油圧室の遠心油圧による力を打ち消して、それにより残油によるピストンの押圧力、即ち締結装置の締結力の発生を阻止しようとするものである。
また、ドリフトオンボールとは、ピストンに設けられた油抜き穴に装填されて、前記作動油圧室に油圧が印加される際にはその圧力により油抜き穴の小径側に移動してこの油抜き穴を閉塞し、油圧が印加されない状態でピストンやシリンダが空転すると、その遠心力により油抜き穴の大径側外周部に移動してこの油抜き穴を開放するもので、これにより締結装置の解放時に前記作動油圧室の油を油抜き穴から抜いて遠心油圧の発生を阻止するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の遠心油圧対策では、遠心油圧による不適正な締結力の発生を確実に防止し、かつ円滑な締結動作を実現するには、不十分であった。
というのは、まず、遠心油圧キャンセル室を単に設けて油圧源に接続しただけでは、自動変速機の運転開始初期等において遠心油圧キャンセル室に油が充満していない場合には、作動油圧室の遠心油圧が打ち消せない。このため、遠心油圧による不適正な締結力の発生をいつでも確実に防止できるわけではなかった。
また、ドリフトオンボールを設けた場合には、前記作動油圧室に油圧が印加されてから、ドリフトオンボールが前記油抜き穴を開放する位置に移動するまでに、若干の時間を要するため、締結制御の応答性の向上に限界があり、より円滑な締結動作を実現する上で支障となっていた。
【0006】
そこで本発明は、遠心圧力による不適正な締結力の発生を確実に防止し、かつ円滑な締結動作が実現できる自動変速機の締結装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の自動変速機の締結装置は、液圧作動のピストンにより押圧されることによって作動し、駆動要素と被駆動要素とを連結しうる締結要素と、前記ピストンを摺動可能に内嵌するシリンダと、前記ピストンの一側にこのピストンと前記シリンダとで形成されて、前記ピストンを前記締結要素押圧方向に作動させるための高液圧が供給される作動液圧室と、前記ピストンの他側にこのピストンと前記シリンダに固着された隔壁とで形成されて、低液圧が供給される遠心液圧室と、前記作動液圧室と遠心液圧室とを連通させるオリフィスとにより構成され、
前記遠心液圧室に調圧弁を介して大気圧より高い低液圧を作用させる液圧供給回路を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の自動変速機の締結装置は、前記オリフィスが前記ピストンの内径側に配置されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の自動変速機の締結装置は、液圧作動のピストンにより押圧されることによって作動し、駆動要素と被駆動要素とを連結しうる締結要素と、前記ピストンを摺動可能に内嵌するシリンダと、前記ピストンの一側にこのピストンと前記シリンダとで形成されて、前記ピストンを前記締結要素押圧方向に作動させるための高液圧が供給される作動液圧室と、前記ピストンの他側にこのピストンと前記シリンダに固着された隔壁とで形成されて、低液圧が供給される遠心液圧室とにより構成され、
前記遠心液圧室に調圧弁を介して大気圧より高い低液圧を作用させる液圧供給回路を有するとともに、前記作動液圧室から遠心液圧室への作動液の流れを遮断し、前記遠心液圧室から作動液圧室への作動液を通過させる一方向液圧作用機構を有することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の自動変速機の締結装置は、前記一方向液圧作用機構が、前記ピストンに形成されたテーパ穴と、このテーパ穴を閉塞することにより前記作動液圧室から遠心液圧室への作動液の流れを遮断するボールとによって構成され、前記テーパ穴における前記ピストンの外周側のテーパ面が、前記締結要素の回転軸と平行になっていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
第1例
最初に、請求項1又は2に記載の発明の一例である第1例について、図1乃至図5により説明する。
図1は、本例の自動変速機の要部断面図であり、図2又は図3は、同自動変速機における締結装置(ハイクラッチH/C)の油圧供給回路をそれぞれ示す図である。また、図4は本例の自動変速機を構成する変速機構のスケルトンを示す図、図5は本例の自動変速機における各締結装置のシフト位置に応じた作動状態を示す図である。なお便宜上、図1又は図4において、左側(エンジン側)をフロント側、右側(エンジンから遠い側)をリア側とする。
【0012】
(A)変速機構の全体構成
まず、図4及び図5により、本例の自動変速機の変速機構の全体構成を説明する。
なお、本例の自動変速機は、図4に示す変速機構の他に、周知の構成のトルクコンバータ、オイルポンプ、コントロールバルブユニット、コントロールユニット等を備えるが、これら構成要素の図示及び詳細な説明は省略する。
【0013】
この変速機構は、図4に示すように、インプットシャフト1、アウトプットシャフト2、第1プラネタリーギア3、第2プラネタリーギア4、ハイクラッチ(H/C)、リバースクラッチ(R/C)、2−4ブレーキ(2−4/B)、ロークラッチ(L/C)、ローワンウエイクラッチ(LO/C)、ローリバースブレーキ(LR/B)を備える。
【0014】
ここで、ハイクラッチ(H/C)、リバースクラッチ(R/C)、2−4ブレーキ(2−4/B)、ロークラッチ(L/C)、及びローリバースブレーキ(LR/B)は、油圧作動の多板式のものであり、ドライブプレートとドリブンプレートよりなるトルク伝達要素を複数並列に配置してなり、これにより個々の伝達要素の伝達トルク容量よりも大きな所定のトルク伝達を断接する締結要素である。
このうちハイクラッチ(H/C)は、インプットシャフト1と第1キャリアC1とを接続する機能を有し、また、リバースクラッチ(R/C)は、インプットシャフト1と第1サンギアS1とを接続する機能を有する。なお、ハイクラッチ(H/C)は、本発明が適用されたものであり、これらハイクラッチ(H/C)とリバースクラッチ(R/C)の詳細構成については、図1により後述する。
【0015】
また、ロークラッチ(L/C)は、第1キャリアC1と第2リングギアR2とを直結する機能を有する。
また、ローリバースブレーキ(LR/B)は、ミッションケースKと、ローワンウエイクラッチ(LO/C)のアウターレースとの間に摩擦係合力を生じさせて、第1キャリアC1に制動力を働かせる機能を有する。
また、ローワンウエイクラッチ(LO/C)は、例えばスプラグタイプのものであり、第1キャリアC1の正転方向(エンジンと同一回転方向)の回転のみをフリーとし、逆転を規制する。
また、2−4ブレーキ(2−4/B)は、第1サンギアS1に対して制動力を働かせるものである。
【0016】
そして上記変速機構は、図示省略したコントロールユニットやコントロールバルブユニットの制御により、各締結要素を駆動するピストンの作動室に作動油が適宜供給されて、図5に示す如く適宜各締結装置が作動することにより、以下のように動作する。
まず、セレクトレバーがDレンジにあるときには、コントロールユニットが、車速センサに基づく車速信号や、車両のエンジンに取付けられたスロットルセンサ等からのスロットル開度信号等を受けて、予め設定された変速特性パターンに基づいてシフト位置(1速乃至4速)を決定し、図5の如く各シフト位置に応じて所定のクラッチ又はブレーキを作動させる。
【0017】
すなわち、1速では、ロークラッチ(L/C)を無条件で作動させ、さらに所定の作動条件が満足された場合にローリバースブレーキ(LR/B)を作動させる。この際、ローワンウエイクラッチ(LO/C)は、加速状態において作動する。
これにより、加速時におけるインプットシャフト1の駆動力は、第2サンギアS2を介して第2ピニオンギアP2に伝達され、第2リングギアR2の逆転が阻止された状態での第2サンギアS2の回転に伴う第2ピニオンギアP2の公転(第2キャリアC2の公転)として、アウトプットシャフト2に大きくトルク増幅(減速)されて出力される。
【0018】
そして、減速時におけるアウトプットシャフト2からの逆駆動力は、まずローリバースブレーキ(LR/B)が非作動状態の場合には、ローワンウエイクラッチ(LO/C)の働きにより第2リングギアR2が正転方向へ空転するため、インプットシャフト1に伝達されず、いわゆるエンジンブレーキは働かず、この1速へのシフトダウンもショックなく円滑に行われる。
一方、ローリバースブレーキ(LR/B)が作動状態の場合には、第2リングギアR2の正転方向への空転も阻止されるため、逆駆動力はインプットシャフト1に伝達されて、いわゆるエンジンブレーキが働く。
なお、ローリバースブレーキ(LR/B)の作動条件は、例えばセレクトレバーに設けられたパワースイッチによりコントロールユニットに対してパワーモード等の特殊モードが設定され、かつアクセル開度が所定値以下である場合である。
【0019】
次に、2速では、ロークラッチ(L/C)と2−4ブレーキ(2−4/B)を無条件で作動させる。
これにより、加速時におけるインプットシャフト1の駆動力は、第2サンギアS2を介して第2ピニオンギアP2に伝達され、第2キャリアC2と第1リングギアR1を同速度で回転させる。そして一方では、2−4ブレーキ(2−4/B)により第1サンギアS1が固定されるため、第1リングギアR1の回転に伴い、第1キャリアC1と、ロークラッチ(L/C)を介してこれに接続された第2リングギアR2とが正転する。したがって、結果的に加速時のインプットシャフト1の駆動力は、1速のときよりも第2リングギアR2が回転する分だけ増速され、第2ピニオンギアP2の公転(第2キャリアC2の正転)として、アウトプットシャフト2にある程度トルク増幅(減速)されて出力される。
そして、減速時におけるアウトプットシャフト2からの逆駆動力は、ロークラッチ(L/C)の作動により、第2リングギアR2の第1キャリアC1に対する空転が阻止されるため、逆駆動力はインプットシャフト1に伝達されて、いわゆるエンジンブレーキが働く。
【0020】
次に、3速では、ハイクラッチ(H/C)とロークラッチ(L/C)とを無条件で作動させる。
これにより、加速時のインプットシャフト1の駆動力は、第2サンギアS2を介して第2ピニオンギアP2に伝達されるとともに、ハイクラッチ(H/C),第1キャリアC1,ロークラッチ(L/C)及び第2リングギアR2よりなる経路によっても第2ピニオンギアP2に伝達され、結果として第2ピニオンギアP2の公転(第2キャリアC2の回転)として、アウトプットシャフト2に伝達され、速比は1となる。すなわち加速時には、アウトプットシャフト2が、インプットシャフト1と一体的に回転することになる。
そして、減速時におけるアウトプットシャフト2からの逆駆動力は、ロークラッチ(L/C)の作動により、第2リングギアR2の第1キャリアC1に対する空転が阻止されるため、逆駆動力はインプットシャフト1に伝達されて、いわゆるエンジンブレーキが働く。
【0021】
また、4速では、ハイクラッチ(H/C)と2−4ブレーキ(2−4/B)とを無条件で作動させる。
これにより、加速時のインプットシャフト1の駆動力は、ハイクラッチ(H/C)、第1キャリアC1、第1ピニオンギアP1、第1リングギアR1、第2キャリアC2を介してアウトプットシャフト2に伝達される。この結果、加速時のインプットシャフト1の回転は、第1サンギアS1が停止した状態での第1ピニオンギアP1の回転に伴う第1リングギアR1の回転(第2キャリアC2の回転)として、アウトプットシャフト2に増速されて出力される。
そして、減速時におけるアウトプットシャフト2からの逆駆動力は、駆動力伝達にワンウエイクラッチを介していないため、常時インプットシャフト1に伝達され、いわゆるエンジンブレーキが働く。
【0022】
次に、セレクトレバーがRレンジに操作されると、リバースクラッチ(R/C)とローリバースブレーキ(LR/B)が無条件で作動する。すると、インプットシャフト1の駆動力は、リバースクラッチ(R/C)を介して第1サンギアS1に伝達され、第1キャリアC1(第1ピニオンギアP1の公転)が停止した状態での第1サンギアS1の回転に伴う第1リングギアR1の逆転(第2キャリアC2の逆転)として、アウトプットシャフト2に回転方向が反転されかつトルク増幅(減速)されて出力される。このため、車両の後退が可能となる。
【0023】
(B)要部詳細構成
次に、請求項1又は2記載の発明が適用された要部の詳細構成について、図1乃至図3により説明する。
(a)ハイクラッチH/C等の機構部の構成
まず、図1により機構部の構成について説明する。
なお本発明は、本例の場合、ハイクラッチ(H/C)を構成するクラッチ装置について適用されている。そして図1は、本例の自動変速機の変速機構においてこのハイクラッチ(H/C)が配設された箇所周辺の部分断面図であり、この場合中空状のインプットシャフト1の中心軸線1aよりも上半分を示してある。
ハイクラッチ(H/C)は、図1に示すように、ドラム11(駆動要素、シリンダ)にスプラインで連結されたドリブンプレート12(締結要素)と、ハブ13(被駆動要素)にスプラインで連結されたドライブプレート14(締結要素)とを交互に積層してなる多板式のもので、図1において左右に摺動するピストン15により各プレートが密着方向に押し付けられて発生する摩擦力により、ドラム11とハブ13とを接続する。
【0024】
ここでドラム11は、ミッションケースK(図1では図示省略)に固定状態に設けられた固定ボス部材16に対して、ベアリング17により支持され、前記中心軸線1aを回転中心として回転自在となっている。そして、このドラム11は、最小径の内周部11aにおいて、インプットシャフト1にスプライン連結され、インプットシャフト1とともに一体的に回転する。
またハブ13は、前記ドラム11の内周側やインプットシャフト1に対して、図1に示したベアリング18,19により支持され、前記中心軸線1aを回転中心として回転自在となっている。そしてこのハブ13は、図1では図示省略しているが、リア側端部において第1プラネタリギア3の第1キャリアC1に対して連結され、第1キャリアC1とともに一体的に回転する。
したがって、結局このハイクラッチH/Cは、前述したようにインプットシャフト1と第1キャリアC1とを連結する機能を有する。
【0025】
ピストン15は、この場合リバースクラッチ(R/C)の後述するピストン35とドラム11とをシリンダとして摺動するもので、ピストン35とこのピストン15との間に形成された作動油圧室20(作動液圧室)に、ドラム11の内周側円筒部11bと前記固定ボス部材16とに形成された油路21を介して圧油が供給されることにより作動位置に移動し、スプリング22の復元力により非作動位置に復帰する。なお、スプリング22は、この場合後述の隔壁23とピストン15との間に圧縮状態に介装されている。
ドラム11の内周側円筒部11bにおけるピストン15のリア側には、隔壁23が固定状態に取付けられ、この隔壁23とピストン15との間には作動油圧室20の遠心油圧を打ち消すための遠心油圧室24(遠心液圧室)が形成されている。すなわち、ピストン15の作動油圧室20に対する受圧面積と遠心油圧室24に対する受圧面積とは略等しく設定されている。
また、ピストン15のこの場合内径側には、作動油圧室20と遠心油圧室24とを連通させるオリフィス25が形成されている。
そして、前記遠心油圧室24には、ドラム11の内周側円筒部11bと前記固定ボス部材16とに形成された油路26を介して、後述の調圧弁110からなる油圧供給回路100から圧油が供給される。
【0026】
リバースクラッチ(R/C)は、図1に示すように、ドラム11にスプラインで連結されたドリブンプレート32と、ハブ33にスプラインで連結されたドライブプレート34とを交互に積層してなる多板式のもので、図1において左右に摺動するピストン35により各プレートが密着方向に押し付けられて発生する摩擦力により、ドラム11とハブ33とを接続する。
【0027】
ここでドラム11は、前述したようにインプットシャフト1にスプライン連結され、インプットシャフト1とともに一体的に回転する。またハブ33は、前記ハブ13に対して、図1に示したベアリング38等により支持され、前記中心軸線1aを回転中心として回転自在となっている。そしてこのハブ33は、図1では図示省略しているが、リア側端部において第1プラネタリギア3の第1サンギアS1に対して連結され、第1サンギアS1とともに一体的に回転する。
したがって、結局このリバースラッチR/Cは、前述したようにインプットシャフト1と第1サンギアS1とを連結する機能を有する。
【0028】
ピストン35は、この場合ドラム11をシリンダとして摺動するもので、ドラム11とこのピストン35との間に形成された作動油圧室40に、ドラム11の内周側円筒部11bと前記固定ボス部材16とに形成された油路41を介して圧油が供給されることにより作動位置に移動し、スプリング22の復元力により非作動位置に復帰する。
なお、このピストン35が各プレートを押し付ける力は、ドラム11の外周側円筒部のリア側端部に取付けられたスナップリング51により受け止められ、このスナップリング51による反力とピストン35とで各プレートが挟み付けられて締結力が発生する。
【0029】
そして、このピストン35の各プレートを押圧するリア側端部の内側には、前述のハイクラッチH/Cのピストン15の押圧力を受け止めるスナップリング52が取付けられている。これにより、リバースラッチR/Cの作動時にピストン35がリア側に移動する際に、これに押されてハイクラッチH/Cのピストン15もリア側に移動するが、ピストン35の移動に伴って前記スナップリング52も同じストロークだけ移動するため、作動油圧室20に油圧が印加されてピストン35に対して相対的にピストン15が移動していない限りハイクラッチH/Cは作動せず、各ピストン15,35は独立に機能する。
【0030】
また、ピストン15のこの場合外径側には、大気圧となる本機構の内部空間に作動油圧室40を連通させる油抜き穴61が形成され、この油抜き穴61にはいわゆるドリフトオンボール62が装填されている。このドリフトオンボールは、従来技術の欄で述べたように、作動油圧室40に油圧が印加される際にはその圧力により油抜き穴61の小径側に移動してこの油抜き穴61を閉塞し、油圧が印加されない状態でピストン35がドラム11とともに空転すると、その遠心力により油抜き穴61の大径側外周部に移動してこの油抜き穴61を開放するもので、これにより締結装置の解放時に作動油圧室40の油を油抜き穴61から抜いて遠心油圧の発生を阻止するものである。
【0031】
なお前述したように、ドリフトオンボールには、作動時の応答性が良くないという短所があるが、このピストン15により駆動されるリバースクラッチR/Cは、前述したようにこの場合車両後退時にのみ作動するもので、前進時の変速には使用されないので、この短所は問題とならない。
【0032】
(b)ハイクラッチH/Cの油圧回路の構成
次に、図2及び図3により、ハイクラッチH/Cの油圧回路の構成について説明する。
まず、ハイクラッチH/Cの遠心油圧室24に圧油を供給する油圧供給回路100について説明する。この油圧供給回路100は、図2に模式的に示す調圧弁110よりなる。
【0033】
調圧弁110は、例えばコントロールバルブユニット内に組み込まれたもので、入力ポート111と、出力ポート112と、ドレンポート113と、フィードバックポート114とを有し、フィードバックポート114の圧力によりスプール115が図2において左側に移動すると、出力ポート112とドレンポート113を連通させ、リターンスプリング116の復元力がフィードバックポート114の圧力に打ち勝ってスプール115が図2に示す如く右側に移動すると、入力ポート111と出力ポート112を接続するものである。
そして、入力ポート111には、例えば潤滑圧PLUB等の低圧が加えられ、出力ポート112は、前述の油路26を介して遠心油圧室24に接続され、ドレンポート113は、図示省略したオイルパンに連通するドレンラインに接続され、またフィードバックポート114は、フィードバック油路117を介して出力ポート112に接続されている。
【0034】
なお一般的な自動変速機において、潤滑圧PLUBは通常トルクコンバータ作動圧と同じであり、オイルポンプの吐出圧をトルクコンバータリリーフバルブ(図示省略)等により減圧した圧油を、トルクコンバータ作動用としても、また潤滑用としても使用しているが、本例では、例えばこの潤滑圧PLUBを遠心油圧室24に加える元圧として使用している。
また、この調圧弁100によれば、リターンスプリング116の復元力を小さく設定すればするほど、出力ポート112の圧力、即ち遠心油圧室24に加える圧力を小さな値に調整できるが、この出力圧の設定値は、遠心油圧室24に常時油を充満させることができる必要最低限の値に設定するのが好ましい。
【0035】
次に、ハイクラッチH/Cの作動油圧室20に圧油を供給する油圧供給回路200について説明する。この油圧供給回路200は、図3に模式的に示すアンプ弁210よりなる。
アンプ弁210は、例えばコントロールバルブユニット内に組み込まれたもので、入力ポート211と、出力ポート212と、ドレンポート213と、フィードバックポート214、パイロットポート215とを有し、パイロットポート215の圧力によりスプール216が図3において左側に移動すると、入力ポート211と出力ポート212を連通させ、リターンスプリング217の復元力及びフィードバックポート214の圧力がパイロットポート215の圧力に打ち勝ってスプール216が図3に示す如く右側に移動すると、出力ポート212とドレンポート213を接続するものである。
そして、入力ポート111には、前述の潤滑圧PLUBより高圧ないわゆるライン圧Pが加えられ、出力ポート212は、前述の油路21を介して作動油圧室20に接続され、ドレンポート213は、図示省略したオイルパンに連通するドレンラインに接続され、フィードバックポート214は、フィードバック油路218を介して出力ポート212に接続され、またパイロットポート215には、いわゆるデューティーソレノイド弁(図示省略)により所定のパイロット圧が加えられる構成となっている。
【0036】
なお一般的な自動変速機において、ライン圧Pは、オイルポンプの吐出圧をプレッシャーレギュレータバルブ(図示省略)等により走行状態に応じて調圧したものである。また、前記デューティーソレノイド弁のデューティサイクルは、図示省略したコントロールユニットにより制御され、これにより、この場合ハイクラッチH/Cを作動させるべきタイミングで前記パイロットポート215に加えられるパイロット圧が大気圧から増加し、ハイクラッチH/Cの締結状態を解除するときに逆に大気圧に戻るように調整される。
【0037】
(c)ハイクラッチH/C及びその油圧回路の動作
次に、上記のように構成されたハイクラッチH/C及びその油圧回路の動作について説明する。
まず、コントロールユニットがハイクラッチH/Cを作動させて締結力を高めるべきタイミングと判断し、デューティーソレノイド弁のデューティサイクルを制御してパイロットポート215に加えるパイロット圧を増加させると、油圧供給回路200では、パイロットポート215の圧力による力がスプリング217の付勢力及びフィードバックポート214の圧力による力に打ち勝って、パイロット圧の大きさに応じてスプール216が図3において左側に移動し、出力ポート212が入力ポート211により大きな流路面積で連通する。このため、前記デューティーソレノイド弁のデューティサイクルに応じて、出力ポート112に連通した作動油圧室20に元圧がライン圧Pである所定圧力の圧油が供給されて、ハイクラッチH/Cがコントロールユニットの制御に応じた締結力で作動する。
なお、この際ピストン15に設けられたオリフィス25からは、若干遠心油圧室24に油が洩れるが、僅かであるのでハイクラッチH/Cの動作に影響はない。
【0038】
また逆に、コントロールユニットがハイクラッチH/Cの締結力を低下させるべきタイミングと判断し、デューティーソレノイド弁のデューティサイクルを制御してパイロットポート215に加えるパイロット圧を低下させると、油圧供給回路200では、パイロットポート215の圧力による力がスプリング217の付勢力及びフィードバックポート214の圧力による力に負けて、パイロット圧の大きさに応じてスプール216が図3において右側に移動し、出力ポート212がドレンポート213により大きな流路面積で連通する。このため、前記デューティーソレノイド弁のデューティサイクルに応じて、出力ポート212に連通した作動油圧室20の圧力が減圧される。なお図2は、スプール216が最も右側に移動し、出力ポート212が最大の開口面積でドレンポート213に連通した状態を示している。
こうして、ハイクラッチH/Cの作動油圧室20には、上記油圧供給回路200によりコントロールユニットの制御どおりに元圧がライン圧Pの圧油が供給され、或いはその油がドレン側に抜かれて、本例では例えば2速から3速へのシフトアップにおいて、圧力が増加させられ、また例えば3速から2速へのシフトダウンにおいて、その圧力が大気圧まで低下させられる。
【0039】
一方、油圧供給回路100では、油路26を経由して遠心油圧室24に接続された調圧弁110の出力ポート112の圧力が、前述した極めて低圧の設定圧を越えると、フィードバックポート114の圧力による力がスプリング116の付勢力に打ち勝って、その大きさに応じてスプール115が図2において左側に移動し、出力ポート112をドレンポート113に、より大きな流路面積で連通させる。このため、設定圧を越えれば越えるほど出力ポート112に連通した遠心油圧室24の圧力がより早く減圧される。
また逆に、出力ポート112の圧力が、前述した極めて低圧の設定圧より低下すると、フィードバックポート114の圧力による力がスプリング116の付勢力に負けて、その大きさに応じてスプール115が図2において右側に移動し、出力ポート112を入力ポート111に、より大きな流路面積で連通させる。このため、設定圧から低下すればするほど出力ポート112に連通した遠心油圧室24の圧力がより早く増圧される。なお図2は、スプール115が最も右側に移動し、出力ポート112が最大の開口面積で入力ポート111に連通した状態を示している。
【0040】
このため、上記油圧供給回路100によれば、定常的には遠心油圧室24の圧力が設定圧に保持され、また、なんらかの要因により遠心油圧室24の圧力が設定圧から変動しても、これを設定圧に戻す機能が発揮される。
これにより、車両のエンジンが運転状態でありオイルポンプが作動している限り、遠心油圧室24には、上記設定圧付近の低圧が常時作用した状態に保持され、前述した遠心油圧を打ち消す機能が常時確実に発揮される。
【0041】
すなわち、例えば、前述した油圧供給回路200の作用によりハイクラッチH/Cの締結を解除すべくコントロールユニットの制御に従って作動油圧室20の油がドレン側に抜かれ、ピストン15が後退して遠心油圧室24の容積が増加した場合には、速やかに上記油圧供給回路100の作用により元圧が潤滑圧PLUBである圧油が遠心油圧室24に供給されて、遠心油圧室24の圧力が設定圧近傍に保持され、遠心油圧室24には油が充満した状態に保持される。
また、前述した油圧供給回路200の作用によりハイクラッチH/Cの締結を作動させるべくコントロールユニットの制御に従って作動油圧室20に元圧がライン圧Pである油が供給され、ピストン15が前進して遠心油圧室24の容積が低下した場合には、速やかに上記油圧供給回路100の作用により遠心油圧室24の油がドレン側に抜かれて、やはり遠心油圧室24の圧力が設定圧近傍に保持され、遠心油圧室24には油が充満した状態に保持される。
【0042】
また、遠心油圧室24には以上説明したように常時所定の設定圧の油が充満するため、ハイクラッチH/Cの締結が解除された状態、即ち上記油圧供給回路200を介したコントロールユニットの制御により、作動油圧室20がドレン側に連通している場合でも、ピストン15に設けられたオリフィス25を経由して遠心油圧室24の油が作動油圧室20に供給され、結果として作動油圧室20も常時油が満たされた状態となる。
なお、この際オリフィス25を経由して遠心油圧室24から作動油圧室20に供給される僅かな流量の油は、その分だけ前記油圧供給回路100から供給され、作動油圧室20を油で満たして最終的には作動油圧室20から上記油圧供給回路200を介してドレン側に排出される。
このため、ハイクラッチH/Cが非締結状態にあるときに、遠心油圧室24或いは作動油圧室20に空気が混入したとしても、この空気は、上記遠心油圧室24から作動油圧室20を経由したドレン側への油の流れに伴って、最終的には上記油圧供給回路200のドレンポート213を介してドレン側に排気される。
特に、この場合には、オリフィス25がピストン15の内径側に設けられているため、この混入した空気を排気する作用が特に顕著に発揮される。というのは、この場合ピストン15等の空転による遠心力で、混入した空気の少ない油が外周側へゆき、混入した空気は遠心油圧室24等の内周側に移動し易いので、混入した空気は速やかにオリフィス25を経由する油の流れによって最終的に上記油圧供給回路200のドレンポート213から排出される。
【0043】
したがって、本例のハイクラッチH/Cからなる締結装置及びその油圧供給回路100,200によれば、以下の様な優れた効果が奏される。
(1)まず、遠心油圧室24が常時油に満たされるので、作動油圧室20に生じる遠心油圧によって、ハイクラッチH/Cを締結させる場合でないのに締結力が発生して、ハイクラッチH/Cを構成する各プレートのいわゆるひきずりを生じて徒に各プレートを摩耗させてしまうという不具合が、従来よりも格段に信頼性高く防止できる。
というのは、従来のように単に油の供給源と遠心油圧室とを連通させて、遠心力により油を遠心油圧室に供給する構成では、エンジンの始動時に即座に油を供給できないし、また空気の混入等が発生し易いため、遠心油圧室24に常時油を満たすことはできないが、本例では、オイルポンプの圧力の一部を積極的に印加する構成であり、しかも遠心油圧室24に混入した空気が前記オリフィス25を経由して速やかに排気されるので、確実に遠心油圧室24が常時油に満たされた状態に保持し、遠心油圧を確実に相殺することができる。
【0044】
(2)また、ハイクラッチH/Cが非作動の状態においても作動油圧室20に油が満たされ、しかも作動油圧室20に混入した空気が前記オリフィス25を経由する流れにより速やかに排気されるので、ハイクラッチH/Cの作動開始時に作動油圧室20に油を流し込むとともに空気抜きを行う必要がなく、アンプ弁210のドレンポート213が閉じるだけで、作動油圧室20の油圧が遠心油圧室24と同等の油圧まで即座に上昇し、ハイクラッチH/Cの作動時の応答性が格段に向上する。このため、本例では、例えば2速から3速へのシフトアップの動作が極めて円滑になる効果がある。
なお、ハイクラッチH/Cの作動開始時にピストン15が前進する際には、前述したように油圧供給回路100の作用により遠心油圧室24の油が速やかに排出されるので、この油の排出が遅れることによる応答性の悪化も発生しない。
【0045】
(3)また、遠心油圧室24に常時低圧が作用し、この圧力による力がピストン15の復元力としても機能するので、ハイクラッチH/Cの締結解除時に、作動油圧室20の油が速やかに排出されピストン15が速やかに後退する。このため、本例では、例えば3速から2速へのシフトダウンの動作が極めて円滑になる効果もある。
したがって、本例のハイクラッチH/Cは、上記油圧供給回路200を介したコントロールユニットの制御どおりに速やかにかつ確実に作動して、例えば2速から3速へのシフトアップにおいて、円滑に締結力が増加させられて所定の締結力で確実に作動し、また例えば3速から2速へのシフトダウンにおいて、円滑に締結力が低下させられてその締結状態が確実に解除される。
【0046】
第2例
次に、請求項3に記載の発明の一例である第2例について、図6により説明する。
図6は、本例の自動変速機の要部断面図である。なお、本例は、前記第1例におけるクラッチH/Cのピストン15に一方向油圧作用機構300を設けた点に特徴を有するもので、その他の構成は前記第1例と同様であるので、同様の構成要素には同符号を付して説明を省略する。
【0047】
一方向油圧作用機構300は、図6に示すように、ピストン15に形成され作動油圧室20と遠心油圧室24を連通させるテーパ穴301と、このテーパ穴301を閉塞することにより作動油圧室20から遠心油圧室24への油の流れを遮断するボール302とによって構成されている。
ここで、テーパ穴301は、中間部にテーパ状の段部があり、この段部のフロント側(作動油圧室20の側)に大径部が、また前記段部のリア側(遠心油圧室24の側)に小径部が形成されたものである。そして、ボール302は、このテーパ穴301の大径部に装填され、前記テーパ状の段部に着座することにより、テーパ穴301を閉塞する。
【0048】
本例の構成によれば、前述した第1例と同様の効果に加えて、以下の効果がある。すなわち、本例では、上記一方向油圧作用機構300の作用により、作動油圧室20から遠心油圧室24への油の流れが遮断されるので、ハイクラッチH/Cの作動時に作動油圧室20から遠心油圧室24へ油が洩れなくなり、油の消費が低減されて、オイルポンプの吐出流量を節約することができる。また、作動油圧室20の昇圧がより速やかに行われるようになり、ハイクラッチH/Cの作動の応答性がさらに向上できる。
【0049】
第3例
次に、請求項4に記載の発明の一例である第3例について、図7及び図8により説明する。
図7は、本例の自動変速機の要部断面図であり、図8は、本例の一方向油圧作用機構の作用効果を説明する図である。なお、本例は、前記第1例におけるクラッチH/Cのピストン15に一方向油圧作用機構400を設けた点に特徴を有するもので、その他の構成は前記第1例と同様であるので、同様の構成要素には同符号を付して説明を省略する。
【0050】
一方向油圧作用機構400は、図6に示すように、ピストン15に形成され作動油圧室20と遠心油圧室24を連通させるテーパ穴401と、このテーパ穴401を閉塞することにより作動油圧室20から遠心油圧室24への油の流れを遮断するボール402とによって構成されている。
ここで、テーパ穴401は、前述の第2例のテーパ穴301と同様に、中間部にテーパ状の段部があり、この段部のフロント側(作動油圧室20の側)に大径部が、また前記段部のリア側(遠心油圧室24の側)に小径部が形成されたものであるが、前述の第2例のテーパ穴301と異なるのは、全体の軸線が回転軸線1aに対して傾斜し、結果的に図8の(b)に示すように、前記段部における外周側のテーパ面403が、回転軸線1aと平行になっている点である。
そして、ボール402は、このテーパ穴401の大径部に装填され、前記テーパ状の段部に着座することにより、テーパ穴401を閉塞する。
【0051】
本例の構成によれば、前述した第2例と同様の効果に加えて、以下の効果がある。すなわち、前記第2例における一方向油圧作用機構300では、ボール302が図8(a)に実線で示す非閉塞位置から鎖線で示す閉塞位置に移動する際には、遠心力fに応じた抵抗力を受けるため、ボール302が閉塞位置に移動する油圧の大きさがピストン15の回転数によって異なり、回転数が高ければ高いほどボール302が閉塞位置に移動し難くなり、テーパ穴301の閉塞が遅れることになる。
ところが本例では、ボール402が図8(b)に実線で示す非閉塞位置から鎖線で示す閉塞位置に移動する際には、横方向への移動となるため遠心力による抵抗力を受けない。このため、ボール402が閉塞位置に移動する油圧の大きさがピストン15の回転数によらず一定となり、回転数にかかわらずボール402が閉塞位置に移動し易くなり、テーパ穴401の閉塞がより速やかに行われることになる。このため、前述の油量を節約する効果やハイクラッチH/Cの作動の応答性向上の効果がより顕著となる。
【0052】
第4例
次に、請求項1又は2に記載の発明の他の例である第4例について、図9により説明する。
図9は、本例の自動変速機の要部断面図である。なお、本例は、前記第1例におけるクラッチH/Cのピストン15に復元力を作用させるスプリング22を削除した点に特徴を有するもので、その他の構成は前記第1例と同様であるので、同様の構成要素には同符号を付して説明を省略する。
【0053】
この例は、前記油圧供給回路100の調圧弁110の設定圧力を若干高めに設定することにより、ハイクラッチH/Cの締結解除時に遠心油圧室24の油圧による力だけでピストン15を非作動位置に押し戻す構成としたものである。この例の構成であると、前記第1例と同様の効果に加えて、スプリング22を削除した分だけコストダウン及び小型化が図れる効果がある。
【0054】
なお、本発明は以上説明した各実施例に限られず、各種の態様或いは応用が有り得る。例えば、本発明はクラッチ装置に限らず、遠心力による圧力が作動液圧室に発生する液圧式ブレーキ装置にも適用できる。また、本発明において作動液圧室と遠心液圧室とを連通させるオリフィスは、ピストンに限らず、たとえばシリンダに形成してもよい。
【0055】
【発明の効果】
請求項1記載の自動変速機の締結装置では、液圧供給回路によって、定常的には遠心液圧室の圧力が調圧弁の設定圧に保持され、また、なんらかの要因により遠心液圧室の圧力が設定圧から変動しても、これを設定圧に戻す機能が発揮される。
これにより、遠心液圧室は、上記設定圧付近の低圧が常時作用した状態に保持され、常時確実に油等の作動液で満たされる。
【0056】
すなわち、例えば、締結を解除すべく作動液圧室の作動液がドレン側に抜かれ、ピストンが後退して遠心液圧室の容積が増加した場合には、速やかに上記液圧供給回路の調圧弁の作用により低圧の作動液が遠心液圧室に供給されて、遠心液圧室の圧力が設定圧近傍に保持され、遠心液圧室には作動液が充満した状態に保持される。
また、締結動作を開始すべく作動液圧室に高圧の作動液が供給され、ピストンが前進して遠心液圧室の容積が低下した場合には、速やかに液圧供給回路の調圧弁の作用により遠心液圧室の作動液がドレン側に抜かれて、やはり遠心液圧室の圧力が設定圧近傍に保持され、遠心液圧室には作動液が充満した状態に保持される。
【0057】
また、遠心液圧室には以上説明したように常時所定の設定圧の作動液が充満するため、締結が解除された状態、即ち作動液圧室がドレン側に連通している場合でも、オリフィスを経由して遠心液圧室の作動液が作動液圧室に供給され、結果として作動液圧室も常時作動液が満たされた状態となる。
なお、この際オリフィスを経由して遠心液圧室から作動液圧室に供給される僅かな流量の作動液は、その分だけ液圧供給回路から供給され、作動液圧室を作動液で満たして最終的には作動液圧室からドレン側に排出される。
このため、非締結状態にあるときに、遠心液圧室或いは作動液圧室に空気が混入したとしても、この空気は、上記遠心液圧室から作動液圧室を経由したドレン側への作動液の流れに伴って、最終的にはドレン側に排気される。
【0058】
したがって、本発明の締結装置によれば、以下の様な優れた効果が奏される。(1)まず、遠心液圧室が常時作動液に満たされるので、作動液圧室に生じる遠心液圧によって、締結装置を締結させる場合でないのに締結力が発生して、締結装置を構成する締結要素のいわゆるひきずりを生じて徒に締結要素を摩耗させてしまうという不具合が、従来よりも格段に信頼性高く防止できる。
というのは、従来のように単に油等の作動液の供給源と遠心液圧室とを連通させて、遠心力により作動液を遠心液圧室に供給する構成では、エンジンの始動時に即座に作動液を供給できないし、また空気の混入等が発生し易いため、遠心液圧室に常時作動液を十分満たすことはできないが、本例では、低圧を積極的に印加する構成であり、しかも遠心液圧室に混入した空気がオリフィスを経由して速やかに排気されるので、確実に遠心液圧室が常時作動液に満たされた状態に保持し、遠心液圧を確実に相殺することができる。
【0059】
(2)また、締結装置が非作動の状態においても作動液圧室に作動液が満たされ、しかも作動液圧室に混入した空気が前記オリフィスを経由する流れにより速やかに排気されるので、締結動作の開始時に作動液圧室に作動液を流し込むとともに空気抜きを行う必要がなく、作動液圧室のドレン側への連通状態が閉じるだけで、作動液圧室の液圧が遠心液圧室と同等の液圧まで即座に上昇し、締結装置の作動時の応答性が格段に向上する。このため、自動変速機の変速動作が極めて円滑になる効果がある。
なお、締結動作の開始時にピストンが前進する際には、前述したように液圧供給回路の作用により遠心液圧室の作動液が速やかに排出されるので、この作動液の排出が遅れることによる応答性の悪化も発生しない。
(3)また、遠心液圧室に常時低圧が作用し、この圧力による力がピストンの復元力としても機能するので、締結解除時に、作動液圧室の作動液が速やかに排出されピストンが速やかに後退する。このため、この点でも自動変速機の変速動作が極めて円滑になる効果もある。
【0060】
また、請求項2記載の自動変速機の締結装置では、作動液圧室と遠心液圧室とを連通させるオリフィスが、ピストンの内径側に配置されている。このため、遠心液圧室等に混入した空気を排気する作用が特に顕著に発揮され、遠心液圧をより信頼性高くかつ完全に相殺できるとともに、より応答性の高い締結動作が実現される。というのは、この場合ピストン等の空転による遠心力で、混入した空気の少ない作動液が外周側へゆき、混入した空気は遠心液圧室等の内周側に移動し易いので、混入した空気は速やかにオリフィスを経由する作動液の流れによって排出される。
【0061】
また、請求項3記載の自動変速機の締結装置では、一方向油圧作用機構の作用により、作動油圧室から遠心油圧室24への油の流れが遮断されるので、締結動作時に作動油圧室から遠心油圧室へ油が洩れなくなり、油の消費が低減されて、例えばオイルポンプ等の吐出流量を節約することができる。また、作動油圧室の昇圧がより速やかに行われるようになり、作動応答性がさらに向上できる。
【0062】
また、請求項4記載の自動変速機の締結装置では、前記一方向液圧作用機構が、前記ピストンに形成されたテーパ穴と、このテーパ穴を閉塞することにより前記作動液圧室から遠心液圧室への作動液の流れを遮断するボールとによって構成され、前記テーパ穴における前記ピストンの外周側のテーパ面が、前記締結要素の回転軸と平行になっているから、締結動作時にボールが非閉塞位置から閉塞位置に移動する際には、横方向への移動となって遠心力による抵抗力を受けない。このため、ボールが閉塞位置に移動する油圧の大きさがピストンの回転数によらず一定となり、回転数にかかわらずボールが閉塞位置に移動し易くなり、テーパ穴の閉塞がより速やかに行われることになる。このため、前述の油量を節約する効果や作動応答性向上の効果がより顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例の自動変速機の要部断面図である。
【図2】同自動変速機における締結装置(ハイクラッチH/C)の遠心液圧室用の液圧供給回路を示す図である。
【図3】同自動変速機における締結装置(ハイクラッチH/C)の作動液圧室用の液圧供給回路を示す図である。
【図4】同自動変速機を構成する変速機構のスケルトンを示す図である。
【図5】同自動変速機における各締結装置のシフト位置に応じた作動状態を示す図である。
【図6】本発明の第2例の自動変速機の要部断面図である。
【図7】本発明の第3例の自動変速機の要部断面図である。
【図8】同自動変速機における一方向液圧作用機構の作用効果を説明する図である。
【図9】本発明の第4例の自動変速機の要部断面図である。
【符号の説明】
1a 中心軸線(締結要素の回転軸)
11 ドラム(駆動要素、シリンダ)
12 ドリブンプレート(締結要素)
13 ハブ(被駆動要素)
14 ドライブプレート(締結要素)
15 ピストン
20 作動油圧室(作動液圧室)
23 隔壁
24 遠心油圧室(遠心液圧室)
25 オリフィス
35 ピストン(シリンダ)
100 油圧供給回路(液圧供給回路)
110 調圧弁
300,400 一方向油圧作用機構(一方向液圧作用機構)
301,401 テーパ穴
302,402 ボール
403 テーパ面

Claims (4)

  1. 液圧作動のピストンにより押圧されることによって作動し、駆動要素と被駆動要素とを連結しうる締結要素と、前記ピストンを摺動可能に内嵌するシリンダと、前記ピストンの一側にこのピストンと前記シリンダとで形成されて、前記ピストンを前記締結要素押圧方向に作動させるための高液圧が供給される作動液圧室と、前記ピストンの他側にこのピストンと前記シリンダに固着された隔壁とで形成されて、低液圧が供給される遠心液圧室と、前記作動液圧室と遠心液圧室とを連通させるオリフィスとにより構成され、
    前記遠心液圧室に調圧弁を介して大気圧より高い低液圧を作用させる液圧供給回路を有することを特徴とする自動変速機の締結装置。
  2. 前記オリフィスが前記ピストンの内径側に配置されたことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の締結装置。
  3. 液圧作動のピストンにより押圧されることによって作動し、駆動要素と被駆動要素とを連結しうる締結要素と、前記ピストンを摺動可能に内嵌するシリンダと、前記ピストンの一側にこのピストンと前記シリンダとで形成されて、前記ピストンを前記締結要素押圧方向に作動させるための高液圧が供給される作動液圧室と、前記ピストンの他側にこのピストンと前記シリンダに固着された隔壁とで形成されて、低液圧が供給される遠心液圧室とにより構成され、 前記遠心液圧室に調圧弁を介して大気圧より高い低液圧を作用させる液圧供給回路を有するとともに、前記作動液圧室から遠心液圧室への作動液の流れを遮断し、前記遠心液圧室から作動液圧室への作動液を通過させる一方向液圧作用機構を有することを特徴とする自動変速機の締結装置。
  4. 前記一方向液圧作用機構が、前記ピストンに形成されたテーパ穴と、このテーパ穴を閉塞することにより前記作動液圧室から遠心液圧室への作動液の流れを遮断するボールとによって構成され、前記テーパ穴における前記ピストンの外周側のテーパ面が、前記締結要素の回転軸と平行になっていることを特徴とする請求項3記載の自動変速機の締結装置。
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