JPH1175875A - ヒト組織因子抑制因子 - Google Patents

ヒト組織因子抑制因子

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JPH1175875A
JPH1175875A JP10181319A JP18131998A JPH1175875A JP H1175875 A JPH1175875 A JP H1175875A JP 10181319 A JP10181319 A JP 10181319A JP 18131998 A JP18131998 A JP 18131998A JP H1175875 A JPH1175875 A JP H1175875A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 組織因子抑制因子(TFI)あるいはリボタ
ンパク質関連凝固抑制因子(LACI)として知られる
凝固抑制因子に関する。更に詳細には、本発明は全長T
FIを本質的に表現しているcDNAクローンに関す
る。 【解決手段】 本質的に組織因子抑制因子の全長を示す
cDNAクローンの完全コード配列およびアミノ酸配列
の決定。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は、組織因子抑制因子(TFI)
あるいはリポタンパク質関連凝固抑制因子(LACI)
として知られる凝固抑制因子に関する。更に詳細には、
本発明は全長TFIを本質的に表現しているcDNAク
ローンに関する。
【0002】哺乳動物の血液での凝固カスケードには、
2つの異なるシステム、即ち内因性システムと外因性シ
ステムとがある。後者の外因性システムは、血液が組織
スロンボプラステイン(第III因子)(以後、組織因
子(TF)と言う)にさらされることによつて活性化さ
れる。この組織因子は、各種の細胞のプラズマメンブレ
ン中で生じるリポタンパク質であり、特に脳及び肺にお
いて多く存在する。プラズマ第VII因子あるいはその
活性体である第VIIa因子がTFと接触すると、TF
とともにカルシウム依存性複合体を形成し、これがタン
パク加水分解作用を発揮して第X因子を第Xa因子にま
た第IX因子を第IXa因子に活性化する。
【0003】TFによりイニシエイトされる凝固系の制
御に関するこれまでの研究により、TFを血清とともに
インキユベーシヨン(粗組織スロンボプラステイン調製
物中で)すると、その活性がin vitroで抑制さ
れまたTFをマウスに注入した時の致死効果が阻止され
ることが明らかにされている。Hjortの精力的な研
究によつて、この分野におけるそれまでの研究成果が確
認され更に研究が進められて、血清中の抑制成分が第V
II−TF複合因子を認識することが結論として示され
た〔Scand.J.Clin.Lab.Inves
t.9,Suppl.27,76〜97(1957)〕
この結論は、プラズマ中で生じるTFの抑制にはCa
2+の存在が必要であり(第VII/VIIa因子がT
Fに結合する際にもCa2+の存在が必要)TFの抑制
はEDTAによる2価のカチオンのキレート化によつて
阻止され及び/又は逆転されるという事実と符合してい
る。
【0004】最近の研究によつて、プラズマあるいは血
清中でTFを抑制するには、第VIIa因子だけではな
く触媒的に活性な第Xa因子と更に他の因子が必要であ
ることが明らかにされている〔BrozeとMile−
tich、Blood69、150〜155(198
7);Sandersら、Ibid.,66,204〜
212(1985)〕。この他の因子は組織因子抑制因
子(TFI)あるいはリポタンパク質関連凝固抑制因子
(LACI)と定義されるものであり、バリウム吸着プ
ラズマ中に存在している。また血清を遠心して密度1.
21g/cmとした時の浮遊液中のリポタンパク質フ
ラクシヨンとともにTFI活性が分離されることから、
この因子はリポタンパク質と関連しているものと考えら
れる。
【0005】BrozeとMiletich、Bloo
d69、150〜155(1987)及びProc.N
atl.Acad.Sci.USA84、1886〜1
890(1987)によればHep G2細胞(ヒトヘ
パトーマセルライン)が、プラズマ中に存在するTFI
と同様の特性を有する抑制成分を分泌することが示され
ている。
【0006】米国同時係属出願Ser.No.77,3
66号明細書(出願日:1987年7月23日)には、
Hep G2細胞から分泌された精製組織因子抑制因子
が記載されている。この組織因子抑制因子には2つの形
態、即ちナトリウムドデシルスルフエートポリアクリル
アミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で測定した時
に約37,000〜40,000ダルトンの位置に現わ
れるTFIと約25,000〜26,000ダルトン
の位置に現われるTFIとの2つの形態が再在するこ
とが見出されている。TFIのアミノ酸配列のN−末端
部分が以下のように決定されている。
【化1】 (X−Xは未決定である) 上記米国出願明細書の記載は本明細書に引用する。
【0007】発明の要旨 本発明によれば、本質的に組織因子抑制因子の全長を表
現するcDNAクローンの完全コード配列が見出され
た。最初に、ヒト胎盤及び胎児肝λgt11cDNAラ
イブラリーを、精製TFIに対するラビツトポリクロー
ナル血清でスクリーニングした。免疫学的にポジテイブ
なクローンについて、更に125I−第Xa因子結合活
性をスクリーニングした。免疫学的にかつ機能的に活性
な7個のクローンが得られた。最も長いクローンは胎盤
由来λP9であつて1.4キロベース(kb)であり、
他の6個のクローンは1.0kbであつた。部分的DN
A配列決定により、1.0 kbクローンは1.4kb
クローンの1部分と同じ配列を有することが明らかにな
つた。ヌクレオチド配列分析により、λP9は、133
bpの5′非コード領域、912bpのオープン・リー
デイング・フレーム、ストツプコドン及び384bpの
3′非コード領域を含む1432塩基対(bp)のcD
NAインサート配列からなることが明らかにされた。
【0008】このcDNA配列は、18個のシステイン
及び7個のメチオニンを含む276個のアミノ酸からな
る31,950ダルトンの蛋白質をコードしている。翻
訳されたアミノ配列により、成熟TFI蛋白の先には約
28個のアミノ酸からなるシグナルペプチドが存在する
ことが明らかにされた。ここで言う″成熟″TFIと
は、本明細書において記載するλP9クローンのATG
翻訳コドンによつてTFIとメチオニルTFIとの両者
を含むように定義されるものであり、このことは以下の
記載から理解することができよう。TFI蛋白には、A
sn−X−Ser/Thr(Xは普通の20個のアミノ
酸のうちのいずれでもよい)の配列を有する3個のN−
結合グリコシル化部位が存在する。これらの部位は、
5′非コード領域の後の最初のメチオニンの位置をアミ
ノ酸の位置+1とした時、Asn145、Asn195
及びAsn256の位置にある。
【0009】TFIの翻訳されたアミノ酸配列により、
該アミノ酸配列は、高度にマイナスに荷電したN末端部
分、高度にプラスに荷電したカルボキシ末端部分、及び
Kunitz型酵素抑制因子の典型的配列を有する3個
の相同ドメインからなる介在配列部分などのいくつかの
識別可能な領域を有していることが明らかにされた。相
同性についての研究から、TFIは塩基性プロテアーゼ
抑制因子遺伝子スーパーフアミリーに属するものと考え
られる。
【0010】cDNAクローンλP9を開発するためて
用いた蛋白材料はヒト胎盤組織であり、この組織は通常
の外科的手法による分娩後に広く入手することができ
る。本発明において用いられているλgt11( la
c 5 nin 5 c1857 S100)はよく知
られたものであつて、普通に入手することのできるラム
ダフアージ発現ベクターである。その構成及び制限酵素
地図は、YoungとDavis,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA80,1194〜119
8(1983)に記載されている。ノーザン・ブロツト
分析により、肝由来セルライン、即ちChangリバ
ー、Hep G2ヘパトーマ及びSK−HEP−1ヘパ
トーマは、TFI cDNAとハイブリダイズする2つ
の主要なmRNA(1.4kbと4.4kb)を有して
いることが明らかにされた。
【0011】本明細書に記載した如き、TFIのための
cDNAのクローニング及びその全蛋白配列及び構造の
解明により、詳細な構造−機能分析が可能となり、また
その生合成的レギユレーシヨンの研究のための基本的知
識が得られる。しかして本発明は、第Xa因子及び第V
IIa/TF酵素複合因子を抑制することのできる試薬
についての血液凝固カスケード研究にとつて重要なもの
である。
【0012】図面の詳細な記述 本明細書においては、特許請求の範囲の記載によつて本
発明を形成すると考えられる対象が特に指摘され明白に
クレームされているが、以下に記述する図面についての
説明とともに本発明の好ましい態様についての記載によ
り本発明がよりよく理解されるものと考える。
【0013】図1は、125I−第Xa因子を用いたλ
gt11クローンのスクリーニングを示したものであ
る。クローン化フアージの溶解物(0.1ml)を、ド
ツト・プロツト装置を用いたサクシヨンによりニトロセ
ルロースペーパー上にスポツトし、次いでニトロセルロ
ースペーパーを125I−第Xa因子でプローブし、以
後に記述するようにしてオートラジオグラフイーに付し
た。黒いスポツトとして現われているクローンが125
I−第Xa因子と結合したポジテイブ・クローンであ
る。コントロールλgt11(下の右側のコーナー)及
び他のクローンは125I−第Xa因子と結合しなかつ
た。
【0014】図2は、部分的制限酵素地図及びλP9の
インサート配列の配列決定に用いた技法を示している。
下に示したスケールはヌクレオチドの位置を示してい
る。太い棒線はコード領域を示しており、細い棒線は
5′及び3′非コード領域を示している。制限酵素部位
は消化により確認した。矢印はcDNAの配列決定に用
いたオーバーラツピングM13クローンを示している。
【0015】図3および4はヒトTFI cDNAのヌ
クレオチド配列及び翻訳されたアミノ酸配列を示してい
る。ヌクレオチドの番号は左側に示されており、アミノ
酸の番号は右側に示されている。下線を引いた配列は、
精製したTFI蛋白と、Vプロテアーゼとトリプシン
で消化したペプチドとを用いたアミノ酸配列分析によつ
て独立に確認された配列である。+1のアミノ酸は、
5′非コード領域のストツプコドンの後にある最初のメ
チオニンである。N−結合グリコシル化部位は星印で示
されている。
【0016】図5は、TFIのアミノ酸配列における電
荷分布を示すグラフである。電荷は最初のアミノ酸残基
から1番目のアミノ酸残基までを計算したものであり、
その電荷の値がi番目の残基に示されている。従つて、
i番目の位置の値は、最初のアミノ酸残基からi番目の
アミノ酸残基までの全ての電荷を合計したものであり、
i番目とj番目(j>i)のアミノ酸残基における値の
差は、i番目からj番目までのアミノ酸残基の合計電荷
を示すものである。
【0017】図6は、TFIの疎水性プロフアイルを示
すグラフである。アミノ酸残基の疎水性の指数をアミノ
酸残基が蛋白内に埋没された深さ(X線による結晶学的
データから得られる)として定義するコンピユータープ
ログラムによつて、疎水性プロフアイルを分析した〔K
inderaら、J.ProteinChem.4,2
3〜55(1985)〕。アミノ酸配列に沿つた疎水性
プロフアイルは、IMSL LIbra−ryのプログ
ラムICSSCUを用いることによつて、滑らかになつ
た〔IMSL Library Reference
Manual,9th ed.,Institute
for Mathematical andStati
stical Subroutine Librar
y, Houston,Texas(1982)〕。
【0018】図7は、TFIの塩基性プロテアーゼ抑制
因子ドメインと他の塩基性プロテアーゼ抑制因子とのア
ラインメントを示す。TFI以外の他の全ての配列は、
National Biomedical Resea
rch Foundationの蛋白配列データベース
(Geogetown University,Was
hington,D.C.,レリース13,June1
987)から得たものである。 1:牛塩基性プロテアーゼ抑制因子前駆体; 2:牛初乳トリプシン抑制因子; 3:牛血清塩基性プロテアーゼ抑制因子; 4:食用カタツムリ・イソ抑制因子; 5:紅海ウミガメ塩基性プロテアーゼ抑制因子(1〜7
9のアミノ酸のみ); 6:ウエスタン・サンド毒ヘビ毒の塩基性プロテアーゼ
抑制因子I; 7:リンガルス毒の塩基性プロテアーゼ抑制因子II; 8:ケープ・コブラ毒の塩基性プロテアーゼ抑制因子I
I; 9:ルツセル毒ヘビ毒の塩基性プロテアーゼ抑制因子I
I; 10:サンド毒ヘビ毒の塩基性プロテアーゼ抑制因子I
II; 11:イースタン・グリーン・マーンバ毒の塩基性プロ
テアーゼ抑制因子Iホモローグ; 12:ブラツク・マーンバ毒の塩基性プロテアーゼ抑制
因子B; 13:ブラツク・マーンバ毒の塩基性プロテアーゼ抑制
因子E; 14:ブラツク・マーンバ毒の塩基性プロテアーゼ抑制
因子I; 15:プラツク・マーンバ毒の塩基性プロテアーゼ抑制
因子K; 16:β−1−ブンガロトキシンB鎖(マイナー); 17:β−1−ブンガロトキシンB鎖(メジヤー); 18:β−2−ブンガロトキシンB鎖; 19:ウマ・インターα−トリプシン抑制因子〔アミノ
酸1〜57(1);58〜123(2)〕; 20:ブタ・インター−α−トリプシン抑制因子〔アミ
ノ酸1〜57(1);58〜125(2)〕; 21:ウシ・インター−α−トリプシン抑制因子〔アミ
ノ酸1〜57(1);58〜123(2)〕; 22:ヒト・α−1−マイクログロブリン/インター−
α−トリプシン抑制因子前駆体〔アミノ酸227〜28
3(1);284〜552(2)〕; 23:TFI〔アミノ酸47〜117(1);118〜
188(2);210〜280(3)〕。 最良のアラインメントを達成するためには16,17,
18にギヤツプが含まれていた。アミノ酸を示す標準的
1文字コードを用いた。
【0019】図8は、3個の肝由来セルラインから得た
RNAのノーザン・ブロツト分析を示す。1レーン当り
10μgのポリ(A)RNAを用いた。 レーン1:Changリバー細胞、 レーン2:SK−HEP−1ヘパトーマ細胞、 レーン3:HepG2ヘパトーマ細胞. 本明細書においては、標準的生化学命名法を用いてお
り、ヌクレオチド塩基は、アデニン(A);チミン
(T);グアニン(G);シトシン(C)として表わさ
れている。対応するヌクレオチドは、例えばデオキシグ
アノシン−5′−トリホスフエート(dGTP)であ
る。DNAヌクレオチド配列は、便宜上慣用的に1本鎖
のみで示されており、1本鎖におけるAはその相補性塩
基としてTを内包しており、GはCを内包している。ア
ミノ酸は、以下の表に示すように1文字あるいは3文字
で示されている。
【0020】
【表1】
【0021】本明細書において記載される普通に入手し
得る制限酵素は、以下に示す制限配列及び開裂パターン
(矢印で示した)を有している。
【化2】
【0022】本発明の好ましい態様を更に詳細に説明す
るために、以下に記述する実験を実施した。
【0023】例1 材料 ヒト胎盤及び胎児肝cDNAライブラリーをClone
techから得た。プロトブロツト(protoblo
t)・イムノスクリーニング・キツトはPromega
Biotechから講入した。制限酵素はNewEn
gland Biolabsから講入した。牛腸アルカ
リ・ホスフアターゼ、TDNAリガーゼ、DNAポリ
メラーゼI(クレノー)、エキソヌクレアーゼIII及
びS1ヌクレアーゼは、Boehringer Man
nheimから講入した。dNTPはP.L.Bioc
hemicalsから購入した。5′−〔α−35S〕
−チオ−dATP(600Ci/mmol )はAme
rshamから購入した。配列決定用キツト(Sequ
enase)はUnited States Bio−
chemicalsから購入した。Changリバー細
胞(ATCC CCL 13)及びHep G2ヘパト
ーマ細胞(ATCC HB 8065)は、アメリカン
・タイプ・カルチヤー・コレクシヨンから得た。SK−
HEP−1
【表4/】for Cancer Researchの
G.Trempeによつて1971年に肝アデノカルシ
ノーマから誘導されたものであり、現在で広く容易に入
手可能である。
【0024】125I−第Xa因子は、ヨード源を用い
て放射標織することにより調製した。この比活性は20
00dpm/ngであつた。放射活性の97%以上は1
0%トリクロロ酢酸(TCA)により沈澱可能であつ
た。ヨード化蛋白は、SepectrozymeXa
(Ameri−can Diagnostica製)に
対してその触媒活性を80%以上保持していた。
【0025】抗−TFI−IgセフアロースTM4Bカ
ラムは以下のようにして調製した。即ち、成熟TFIの
アミノ酸3−25の配列に相当する配列を含むペプチド
(TFIーペプチド)を、Biosystemの固相ペ
プチド合成システムを用いて合成した。TFI−ペプチ
ド(5mg)を、グルタルアルデヒドによりキーホール
(Keyhole)・リンペツト(lympet)・ヘ
モシアニン10mgに結合させてコンジユゲートを調製
した。2匹のNew Zealandホワイト・ラビツ
トに、フロイント・完全・アジユバンド1mlと、上記
コンジユゲート1ml(TFI−ペプチド200μg)
を含むホモジエネートを反内注射して、それぞれ免疫化
した。1ケ月後に、フロイント・不完全・アジユバント
1mlとコンジユゲート1ml(TFI−ペプチド10
0μg)を含むホモジエネートで、2匹のラビツトをそ
れぞれブースターした。3ケ月の間、1週間毎に抗血清
を採取し、1ケ月毎にブースター注射を行なつた。TF
I−ペプチドに対する特異的抗体を単離するために、抗
血清をTFI−ペプチドセフアロース4Bカラムを用い
たクロマトグラフイーに付した。カラムを、10倍量の
PBS(0.4MNaCl−0.1Mベンズアミジン−
1% トリトンTMX−100) 及びトリトンX−
100を含まない同様の溶液で洗つた。0.1Mグリシ
ン/HCl、pH2.2で抗体を溶出させ、直ちに1/
10倍量の1Mトリス−OHを加えて中和し、次いで食
塩水に対して透析した。単離された抗体を、シアノゲン
・ブロマイドで活性化させたセフアロース4Bに製造業
者(Pharmacia)の指針に従つて結合させ、こ
れを細胞培養培地からのTFIの単離に用いた。
【0026】Changリバー細胞を、BrozeとM
iletich,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 84,1886〜1890(1987)に
記載された方法に従つて培養した。ならし培地を、抗−
TFI−Igセフアロース4Bカラムを用いたクロマト
グラフイーに付した。次いでカラムを、10倍量のPB
S−1%トリトンX−100とPBSで洗つた。結合し
た。TFIを0.1Mグリシン/HCl、pH2.2で
溶出した。イムノ・アフイニテイーにより単離したTF
Iを更に分離用ナトリウム・ドデシルスルフエート・ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(Saantappa
ratus)により精製した。最終取得物のアミノ酸を
分析した所、米国同時係属出願Ser.No.77,3
66号明細書(出願日:1987年7月23日)に記載
されたHep G2細胞から単離したTFIと同様のN
末端アミノ酸配列を有していた。単離したChangリ
バーTFIを用いて、上記したと同じ免疫化プロトコー
ルによりラビツトを免疫化した。得られた抗血清は、2
重免疫拡散法テストで約100μg/mlの力価を示し
た。この抗血清を用いてλgt11cDNAライブラリ
ーのイムノ・スクリーニングを行なつた。
【0027】方法 cDNAクローンの単離 抗体を用いた胎盤及び胎児肝cDNAのスクリーニング
法、プラーク精製法及びλ−フアージ溶解物とDNAの
調整法はWunとKretzmer,FEBSLET
T.1,11〜16(1987)に記載されている。抗
血清にあらかじめBNN97λgt11溶解物を吸着さ
せ、ライブラリーのスクリーニング用に1/500に希
釈した。
【0028】第Xa因子結合活性のスクリーニング イ
ソプロピル−β−チオガラクトシドによつてイムノ・ポ
ジテイブλ−フアージ溶解物あるいはコントロールλg
t11から誘導される組換え蛋白について、その第Xa
因子結合活性をスクリーニングした。λ−フアージ溶解
物(0.1ml)は、ドツト−ブロツト装置(BioR
ad)を用いてニトロセルロースペーパーで濾過した。
次いでニトロセルロースペーパーを、5mg/ml牛血
清アルブミン及び2.5mg/ml牛ガンマグロブリン
を含むリン酸緩衝化食塩水に浸し、室温で1時間激しく
攪拌した。次いで、0.1mg/mlヘパリンを添加し
た同様の溶液に更に125I−第Xa因子(1.0×1
cmp/ml)を浴解した溶液で置換し、更に1時
間激しく攪拌した。次いでニトロセルロースペーパー
を、0.05%TweenTM20を含むリン酸緩衝化
食塩水で洗つた。洗浄緩衝液を5分毎に4回交換した。
次いでニトロセルロースペーパーを空気中で乾燥し、K
odak XR5nフイルムを用いてオートラジオグラ
フイー用に調製した。フイルムを1週間、さらした後に
現像した。
【0029】ポリ(A)RNAの調製及びノーザン・
ブロツテイング LizardiとEngelbergのナトリウム・パ
ークロレート抽出法〔Anal.Biochem.9
8,116〜122,(1979)〕により、培養した
Changリバー細胞、HepG2ヘパトーマ細胞及び
SK−HEP−1ヘパトーマ細胞から全RNAを調製し
た。製造業者の指針に従い、オリゴ(dT)−セルロー
ス(P−LBiochemical,タイプ77F)へ
のバッチ吸着によりポリ(A)RNAを単離した。ノ
ーザン・ブロツト分析用に、それぞれのポリ(A)
NA10μgをグリオキサールで処理し〔Thoma
s,Methods Enzymol.100,255
〜266(1983)〕、10mMリン酸ナトリウム、
pH7.0を含む緩衝液でアガロースゲル電気泳動に付
した。Bethesda ResearchLabor
atoryのRNAラダー(ladder)を分子量マ
ーカーとして用いた。RNAをニトロセルロースペーパ
ー上にブロツトし、次いで80℃で2時間焼いた。λP
9クローンのインサートDNAを、ニツクトランスレー
シヨンにより32Pで放射標識化し、プローブとして用
いた〔Maniatisら、MolecularClo
ning:A Laboratory Model,C
old SpringLaboratory Harb
or,N.Y.,(1982)〕。50%ホルムアミ
ド、5XSSC,50mMリン酸ナトリウム、pH7.
0、250μg/ml変性サケスペルマDNA及び1
X Denhard溶液を含む溶液5ml中のプロープ
(5×10cpm)で42℃で16時間ハイブリダイ
ズさせた。フイルターを、0.1%ナトリウムドデシル
スルフエート(SDS)、2 X SSSで室温で3
回、それぞれ5分間洗つた。次いでニトロセルロースペ
ーパーを空気中で乾燥し、KodakXAR−5フイル
ム及び増感板を用いて−70℃で3日間オートラジオグ
ラフイーに付した。
【0030】他の組換えDNA法 クローン化λgt11DNAの調製、pUC19プラス
ミド及びM13mp18ベクターでのサブクローニン
グ、エキソヌクレアーゼIIIを用いた消化による欠
失、及びジデオキ法によるDNA配列決定〔Sange
rら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
83,6776〜6780(1977)〕は、Wunと
Kretzmer,FEBS Lett.1,11−1
6(1987)に記載された方法に従つて実施した。L
ipmamとPearsonによつて書かれたプログラ
ムFASTP〔Science,227,1435〜1
441(1985)〕を用いて、National B
iochemicalResearch Founda
tionの配列データバンク(レリース13,1987
年6月)から相同性を示す蛋白のフアミリーを同定し、
該フアミリー円で配列のアラインメントを行なつた。
【0031】結果 cDNAライブラリーのスクリー
ニング 多数のセルラインについて、そのならし培地中にTFI
が存在するか否かをスクリーニングした。いくつかの肝
由来セルライン、即ちChangリバー、HepG2ヘ
パトーマ及びSK−HEP−1ヘパトーマが培地中にT
FIを分泌することが見出された。初めに、TFIに対
する抗血清を用いてヒト胎児肝λgt11cDNAライ
ブラリー(10プラーク・フオーミング・ユニツト)
をスクリーニングし、15個の免疫学的にポジテイブな
クローンが得られた。次いで同様の方法により胎盤λg
t11cDNAライブラリーをスクリーニングした。1
プラーク・フオーミング・ユニツトのうち10個の
免疫学的にポジテイブなクローンが得られた。これらの
クローンをプラーク精製し、精製クローンの溶解物につ
いてTFIの機能活性をテストした。イソプロピルチオ
ガラクトシドで誘導したフアージの溶解物をニトロセル
ロースペーパーに吸着せしめ、125I−第Xa因子結
合活性をスクリーニングした。上記の免疫学的にポジテ
イブなクローンのいくつかは、ニトロセルロースペーパ
ー上の125I−第Xa因子と結合する能力を示したこ
とが、図1により証明されている。免疫学的にポジテイ
ブな胎児肝クローン15個のうち3個、及び免疫学的に
ポジテイブな胎盤クローン10個のうち4個のクローン
125I−第Xa因子結合活性を示した。これらの免
疫学的に且つ機能的にポジテイブなクローンをEcoR
Iで消化し、インサート配列のサイズをゲル電気泳動に
より調べた。胎盤ライプラリー(λP9)から得た1つ
のクローンは約1.4kbのインサート配列を有してお
り、他のすべてのクローンは約1.0kbのインサート
配列を有していた。部分的DNA配列決定により、1.
0kbクローンはより長い1.4kb胎盤クローンの1
部分の配列と同じ配列を有していることが判つた。従つ
て、完全なDNA配列決定を行なうためにλP9を選択
した。
【0032】TFI cDNA単離物のヌクレオチド配
列及びその予想蛋白配列 λP9クローンについて、制限酵素地図の作成、M13
サブクローニング及び,図2に示した技法を用いた配列
決定を実施した。エキソヌクレアーゼIII欠失法〔H
enikoff,Gene28,351〜359(19
84)〕により、2本のストランドの両者について全配
列を決定し、1432個の塩基からなることが見出され
た。その配列は図3および4に示した通りである。該配
列には、133塩基の5′非コード領域、912ヌクレ
オチドのオープン・リーデイング・フレーム及び387
ヌクレオチドの3′非コード領域が含まれている。最初
のATGはTAGATGA配列中のヌクレオチド134
にあり、その直ぐ後のACAATGA配列中のヌクレオ
チド146に第2のATGがある。真核細胞のリボゾー
ムによつてイニシエートされるためのコンセンサス配列
として提案された配列、ACCATGG〔Kozak,
Cell,A4,283〜292(1982)〕とは、
上記の配列は異なるが、これらはイニシエーシヨン配列
と考えられる。成熟蛋白のN末端に相当する配列の前に
28個のアミノ酸配列がある。これら28個のアミノ酸
からなる疎水性セグメントの組成及び長さは、シグナル
ペプチドに典型的なものである〔Von Heijn
e,Eur.J.Biochem.133,17〜21
(1983);J.Mol.Biol.184,99〜
105(1985)〕。シグナルペプチドはAla28
−Asp29で開裂し、成熟蛋白を与えると考えられ
る。成熟TFIとして予想されるアミノ酸配列は、18
個のシステイン残基及び7個のメチオニンを含む276
個のアミノ酸からなる。成熟TFIの推定蛋白配列に基
いて計算される分子量31,950ダルトンは、単離し
て得た蛋白についてナトリウムドデシルスルフエートポ
リアクリルアミドゲル電気泳動で調べた分子量37〜4
0kDaよりもいく分小さい。この分子量の相違は、天
然蛋白でのグリコシル化の移動性を反映したものと考え
られる。成熟蛋白に相当する推定蛋白配列は、Asn−
X−Thr/Serの構成を有する3ケのN−結合グリ
コシル化部位(アミノ酸の位置145,195及び25
6)を有している。精製した全長TFI及び加水分解さ
れた2つの単離体のアミノ酸分析の結果は、cDNA配
列から推定される蛋白配列(図3および4の下線を引い
た部分)と正確にマツチする。このことは、単離したC
DNAクローンはTFIをコードしていることを示して
いる。3′非コード領域はA+Tを豊富に含んでいる
(70%A+T)。このクローンには、コンセンサス・
ポリアデニル化シグナル、AATAAA〔Proudf
ootとBrownlee,Nature,252,3
59〜362(1981)〕も、ポリAテイルも見出さ
れなかつた。これは、ライブラリー構築の間に3′末端
部分の1部分が失なわれたためと考えられる。
【0033】電荷分布、疎水性/親水性及び内部相同性 TFIの翻訳されたアミノ酸配列には、27リシン、1
7アルギニン、11アスパラギン酸及び25グルタミン
酸が含まれている。蛋白にそつた電荷分布は図5に示し
たようにかなり高低のあるものである。シグナルペプチ
ド領域には、26個の中性残基とともに2個のプラスに
荷電したリシンが含まれていた。成熟蛋白のアミノ末端
領域には、高度にマイナスに荷電した配列が含まれてい
た。最初の7個の残基のうち6個はアスパラギン酸ある
いはグルタミン酸であり、この後に更に高度にマイナス
に荷電した2個のアミノ酸のダウンストリームがあり、
その後にプラスに荷電したリシン残基がある。中心部分
は一般的にマイナスに荷電している。カルボキシ末端に
は高度にプラスに荷電したセグメントがある。 TFI
のアミノ酸265〜293には、6−共役アルギニン+
リシン残基を含むプラスに荷電した14個のアミノ酸が
ある。
【0034】TFI蛋白の予想疎水性/親水性プロフア
イルは図6に示した通りである。シグナルペプチドに
は、予想されたように高度に疎水性の領域が含まれてい
る。残りの部分はむしろ親水性である。TFIの翻訳さ
れたアミノ酸配列には、いくつかの区別し得るドメイン
が含まれている。高度にマイナスに荷電したN末端ドメ
イン及び高度にプラスに荷電したC末端ドメインに加え
て、Kunitz型抑制因子の典型的配列(下記参照)
を有する3個の相同ドメインからなる中心部分がある。
【0035】他の蛋白との相同性 National Biochemical Rese
arch Foundationの配列データベースを
調べた所、TFIのN末端ドメインとC末端ドメインと
は、他の公知蛋白と有意な相同性を有していないことが
見出された。しかしながら、3個の内部相同ドメイン
は、牛膵臓塩基性プロテアーゼ抑制因子(アプロチニ
ン)、毒塩基性プロテアーゼ抑制因子、インター−α−
トリプシン抑制因子(図7)などの他の塩基性プロテア
ーゼ抑制因子の配列とそれぞれ相同性を示した。これら
すべての抑制因子にはジスルフイド結合構造が高度に保
持されており、これは注目すべき事実である。これらの
相同性から明らかなように、TFIは塩基性プロテアー
ゼ抑制因子遺伝子スーパーフアミリーに属する。
【0036】ノーザン・ブロツテング TFI産生肝由来セルライン、即ちChangリバー、
HepG2ヘパトーマ及びSK−HEP−1ヘパトーマ
細胞からポリ(A)RNAを精製した。変性アガロー
スゲル電気泳動によりポリ(A)RNAを溶解し、ニ
トロセルロースペーパー上にプロツトし、32P−標識
化TFI cDNA(λP9)をプローブとして用いて
調べた。図8に示したように、2つの主要なハイブリダ
イゼーシヨンバンドが観察された。これらはテストした
3つの全てのセルラインに見られる1.4kbmRNA
及び4.4kbmRNAに対応するものである。検出し
得る量のTFIを産生しない他のセルラインについてテ
ストしたが、プローブとのハイブリダイゼーシヨンは観
察されなかつた(データを示していない)。本明細書の
記載から、当業者にとつては本発明の思想及び範囲円に
ある他の各種の例が自明であろう。これらの例の全ては
本明細書のクレームの範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 125I−第Xa因子を用いたλgt11
クローンのスクリーニングを示した写真である。
【図2】 部分的制限酵素地図及びλP9のインサー
ト配列の配列決定に用いた技法を示している。
【図3】 ヒトTFI cDNAのヌクレオチド配列
及び翻訳されたアミノ酸配列を示している。
【図4】ヒトTFIcDNAのヌクレオチド配列および
翻訳されたアミノ酸配列。
【図5】 TFIのアミノ酸配列における電荷分布を
示すグラフである。
【図6】 TFIの疎水性プロフアイルを示すグラフ
である。
【図7】 TFIの塩基性プロテアーゼ抑制因子ドメ
インと他の塩基性プロテアーゼ抑制因子とのアラインメ
ントを示す。
【図8】 3個の肝由来セルラインから得たRNAの
ノーザン・ブロツト分析を示す写真である。
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ヒト組織因子抑制因子
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は、組織因子抑制因子(TFI)
あるいはリポタンパク質関連凝固抑制因子(LACI)
として知られる凝固抑制因子に関する。更に詳細には、
本発明は全長TFIを本質的に表現しているcDNAク
ローンに関する。
【0002】哺乳動物の血液での凝固カスケードには、
2つの異なるシステム、即ち内因性システムと外因性シ
ステムとがある。後者の外因性システムは、血液が組織
スロンボプラステイン(第III因子)(以後、組織因
子(TF)と言う)にさらされることによって活性化さ
れる。この組織因子は、各種の細胞のプラズマメンブレ
ン中で生じるリポタンパク質であり、特に脳及び肺にお
いて多く存在する。プラズマ第VII因子あるいはその
活性体である第VIIa因子がTFと接触すると、TF
とともにカルシウム依存性複合体を形成し、これがタン
パク加水分解作用を発揮して第X因子を第Xa因子にま
た第IX因子を第IXa因子に活性化する。
【0003】TFによりイニシエイトされる凝固系の制
御に関するこれまでの研究により、TFを血清とともに
インキュベーション(粗組織スロンボプラステイン調製
物中で)すると、その活性がin vitroで抑制さ
れまたTFをマウスに注入した時の致死効果が阻止され
ることが明らかにされている。Hjortの精力的な研
究によって、この分野におけるそれまでの研究成果が確
認され更に研究が進められて、血清中の抑制成分が第V
II−TF複合因子を認識することが結論として示され
た〔Scand.J.Clin.Lab.Inves
t.9,suppl.27,76〜97(195
7)〕。この結論は、プラズマ中で生じるTFの抑制に
はCa2+の存在が必要であり(第VII/VIIa因
子がTFに結合する際にもCa2+の存在が必要)TF
の抑制はEDTAによる2価のカチオンのキレート化に
よって阻止され及び/又は逆転されるという事実と符合
している。
【0004】最近の研究によって、プラズマあるいは血
清中でTFを抑制するには第VIIa因子だけではなく
触媒的に活性な第Xa因子と更に他の因子が必要である
ことが明らかにされている〔BrozeとMileti
ch、Blood69,150〜155(1987);
Sandersら、Ibid.,66,204〜212
(1985)〕。この他の因子は組織因子抑制因子(T
FI)あるいはリポタンパク質関連凝固抑制因子(LA
CI)と定義されるものであり、バリウム吸着プラズマ
中に存在している。また血清を遠心して密度1.21g
/cmとした時の浮遊液中のリポタンパク質フラクシ
ョンとともにTFI活性が分離されることから、この因
子はリポタンパク質と関連しているものと考えられる。
【0005】BrozeとMiletich、Bloo
d69,150〜155(1987)及びProc.N
atl.Acad.Sci.USA84、1886〜1
890(1987)によればHepG2細胞(ヒトヘパ
トーマセルライン)が、プラズマ中に存在するTFIと
同様の特性を有する抑制成分を分泌することが示されて
いる。
【0006】米国同時係属出顧Ser.No.77,3
66号明細書(出願日:1987年7月23日)には、
HepG2細胞から分泌された精製組織因子抑制因子が
記戴されている。この組織因子抑制因子には2つの形
態、即ちナトリウムドデシルスルフェートポリアクリル
アミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で測定した時
に約37,000〜40,000ダルトンの位置に現わ
れるTFIと約25,000〜26,000ダルトン
の位置に現われるTFIとの2つの形態が存在するこ
とが見出されている。TFIのアミノ酸配列のN−末端
部分が以下のように決定されている。
【化1】 (X−Xは未決定である) 上記米国出願明細書の記載は本明細書に引用する。
【0007】発明の要旨 本発明によれば、本質的に組織因子抑制因子の全長を表
現するcDNAクローンの完全コード配列が見出され
た。最初に、ヒト胎盤及び胎児肝λgt11 cDNA
ライブラリーを、精製TFIに対するラビットポリクロ
ーナル血清でスクリーニングした。免疫学的にポジティ
ブなクローンについて、更に125I−第Xa因子結合
活性をスクリーニングした。免疫学的にかつ機能的に活
性な7個のクローンが得られた。最も長いクローンは胎
盤由来λP9であって1.4キロベース(kb)であ
り、他の6個のクローンは1.0kbであった。部分的
DNA配列決定により、1.0kbクローンは1.4k
bクローンの1部分と同じ配列を有することが明らかに
なった。ヌクレオチド配列分析により、λP9は、13
3bpの5′非コード領域、912bpのオープン・リ
ーディング・フレーム、ストップコドン及び384bp
の3′非コード領域を含む1432塩基対(bp)のc
DNAインサート配列からなることが明らかにされた。
【0008】このcDNA配列は、18個のシステイン
及び7個のメチオニンを含む276個のアミノ酸からな
る31,950ダルトンの蛋白質をコードしている。翻
訳されたアミノ配列により、成熟TFI蛋白の先には約
28個のアミノ酸からなるシグナルペプチドが存在する
ことが明らかにされた。ここで言う“成熟”TFIと
は、本明細書において記載するλP9クローンのATG
翻訳コドンによってTFIとメチオニルTFIとの両者
を含むように定義されるものであり、このことは以下の
記載から理解することができよう。TFI蛋白には、A
sn−X−Ser/Thr(Xは普通の20個のアミノ
酸のうちのいずれでもよい)の配列を有する3個のN−
結合グリコシル化部位が存在する。これらの部位は、
5′非コード領域の後の最初のメチオニンの位置をアミ
ノ酸の位置+1とした時、Asn145,Asn195
及びAsn256の位置にある。
【0009】TFIの翻訳されたアミノ酸配列により、
該アミノ酸配列は、高度にマイナスに荷電したN末端部
分、高度にプラスに荷電したカルボキシ末端部分、及び
Kunitz型酵素抑制因子の典型的配列を有する3個
の相同ドメインからなる介在配列部分などのいくつかの
識別可能な領域を有していることが明らかにされた。相
同性についての研究から、TFIは塩基性プロテアーゼ
抑制因子遺伝子スーパーファミリーに属するものと考え
られる。
【0010】cDNAクローンλP9を開発するために
用いた蛋白材料はヒト胎盤組織であり、この組織は通常
の外科的手法による分娩後に広く入手することができ
る。本発明において用いられているλgt11(1ac
5 nin5 c1857 s100)はよく知られた
ものであって、普通に入手することのできるラムダファ
ージ発現ベクターである。その構成及び制限酵素地図
は、YoungとDavis,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA80,1194〜1198(1
983)に記載されている。ノーザン・ブロット分析に
より、肝由来セルライン、即ちChangリバー、He
pG2ヘパトーマ及びSK−HEP−1ヘパトーマは、
TFI cDNAとハイブリダイズする2つの主要なm
RNA(1.4kbと4.4kb)を有していることが
明らかにされた。
【0011】本明細書に記載した如き、TFIのための
cDNAのクローニング及びその全蛋白配列及び構造の
解明により、詳細な構造一機能分析が可能となり、また
その生合成的レギュレーションの研究のための基本的知
識が得られる。しかして本発明は、第Xa因子及び第V
IIa/TF酵素複合因子を抑制することのできる試薬
についての血液凝固カスケード研究にとって重要なもの
である。
【0012】図面の詳細な記述 本明細書においては、特許請求の範囲の記載によって本
発明を形成すると考えられる対象が特に指摘され明白に
クレームされているが、以下に記述する図面についての
説明とともに本発明の好ましい態様についての記載によ
り本発明がよりよく理解されるものと考える。
【0013】図1は、125I−第Xa因子を用いたλ
gt11クローンのスクリーニングを示したものであ
る。クローン化ファージの溶解物(0.1ml)を、ド
ット・プロット装置を用いたサクションによりニトロセ
ルロースペーパー上にスポットし、次いでニトロセルロ
ースペーパーを125I−第Xa因子でプローブし、以
後に記述するようにしてオートラジオグラフィーに付し
た。黒いスポットとして現われているクローンが125
I−第Xa因子と結合したポジティブ・クローンであ
る。コントロールλgt11(下の右側のコーナー)及
び他のクローンは125I−第Xa因子と結合しなかっ
た。
【0014】図2は、部分的制限酵素地図及びλP9の
インサート配列の配列決定に用いた技法を示している。
下に示したスケールはヌクレオチドの位置を示してい
る。太い棒線はコード領域を示しており、細い棒線は
5′及び3′非コード領域を示している。制限酵素部位
は消化により確認した。矢印はcDNAの配列決走に用
いたオーバーラッピングM13クローンを示している。
【0015】図3および4はヒトTFI cDNAのヌ
クレオチド配列及び翻訳されたアミノ酸配列を示してい
る。ヌクレオチドの番号は左側に示されており、アミノ
酸の番号は右側に示されている。下線を引いた配列は、
精製したTFI蛋白と、Vプロテアーゼとトリプシン
で消化したペプチドとを用いたアミノ酸配列分析によっ
て独立に確認された配列である。+1のアミノ酸は、
5′非コード領域のストップコドンの後にある最初のメ
チオニンである。N−結合グリコシル化部位は星印で示
されている。
【0016】図5は、TFIのアミノ酸配列における電
荷分布を示すグラフである。電荷は最初のアミノ酸残基
からi番目のアミノ酸残基までを計算したものであり、
その電荷の値がi番目の残基に示されている。従って、
i番目の位置の値は、最初のアミノ酸残基からi番目の
アミノ酸残基までの全ての電荷を合計したものであり、
i番目とj番目(j>i)のアミノ酸残基における値の
差は、i番目からj番目までのアミノ酸残基の合計電荷
を示すものである。
【0017】図6は、TFIの疎水性プロファイルを示
すグラフである。アミノ酸残基の疎水性の指数をアミノ
酸残基が蛋白内に埋没された深さ(X線による結晶学的
データから得られる)として定義するコンピュータープ
ログラムによって、疎水性プロファイルを分析した〔K
inderaら、J.Protein Chem.4,
23〜55(1985)〕。アミノ酸配列に沿った疎水
性プロファイルは、IMSL LIbraryのプログ
ラムICSSCUを用いることによって、滑らかになっ
た〔IMSL Library Reference
Manual,9th ed.,Institute
for Mathematical and Stat
istical Subroutine Librar
y,Houston,Texas(1982)〕。
【0018】図7は、TFIの塩基性プロテアーゼ抑制
因子ドメインと他の塩基性プロテアーゼ抑制因子とのア
ラインメントを示す。TFI以外の他の全ての配列は、
National Biomedical Resea
rch Foundationの蛋白配列データベース
(Geogetown University,Was
hington,D.C.,レリース13,June1
987)から得たものである。 1:牛塩基性プロテアーゼ抑制因子前駆体; 2:牛初乳トリプシン抑制因子; 3:牛血清塩基性プロテアーゼ抑制因子; 4:食用カタツムリ・イソ抑制因子; 5:紅海ウミガメ塩基性プロテアーゼ抑制因子(1〜7
9のアミノ酸のみ); 6:ウエスタン・サンド毒ヘビ毒の塩基性プロテアーゼ
抑制因子I; 7:リンガルス毒の塩基性プロテアーゼ抑制因子II; 8:ケープ・コブラ毒の塩基性プロテアーゼ抑制因子I
I; 9:ルッセル毒ヘビ毒の塩基性プロテアーゼ抑制因子I
I; 10:サンド毒ヘビ毒の塩基性プロテアーゼ抑制因子I
II; 11:イースタン・グリーン・マーンバ毒の塩基性プロ
テアーゼ抑制因子Iホモローグ; 12:ブラック・マーンバ毒の塩基性プロテアーゼ抑制
因子B; 13:ブラック・マーンバ毒の塩基性プロテアーゼ抑制
因子E; 14:ブラック・マーンバ毒の塩基性プロテアーゼ抑制
因子I; 15:ブラック・マーンバ毒の塩基性プロテアーゼ抑制
因子K; 16:β−1−ブンガロトキシンB鎖(マイナー); 17:β−1−ブンガロトキシンB鎖(メジャー); 18:β−2−ブンガロトキシンB鎖; 19:ウマ・インターα−トリプシン抑制因子〔アミノ
酸1〜57(1);58〜123(2)〕; 20:ブタ・インター−α−トリプシン抑制因子〔アミ
ノ酸1〜57(1);58〜123(2)〕; 21:ウシ・インター−α−トリプシン抑制因子〔アミ
ノ酸1〜57(1);58〜123(2)〕; 22:ヒト・α−1−マイクログロブリン/インター−
α−トリプシン抑制因子前駆体〔アミノ酸227〜28
3(1);284〜352(2)〕; 23:TFI〔アミノ酸47〜117(1);118〜
188(2);210〜280(3)〕。 最良のアラインメントを達成するためには16,17,
18にギャップが含まれていた。アミノ酸を示す標準的
1文字コードを用いた。
【0019】図8は、3個の肝由来セルラインから得た
RNAのノーザン・ブロット分析を示す。1レーン当り
10μgのポリ(A)RNAを用いた。 レーン1:changリバー細胞、 レーン2:SK−HEP−1ヘパトーマ細胞、 レーン3:HepG2ヘパトーマ細胞. 本明細書においては、標準的生化学命名法を用いてお
り、ヌクレオチド塩基は、アデニン(A);チミン
(T);グアニン(G);シトシン(C)として表わさ
れている。対応するヌクレオチドは、例えばデオキシグ
アノシン−5′−トリホスフェート(dGTP)であ
る。DNAヌクレオチド配列は、便宜上慣用的に1本鎖
のみで示されており、1本鎖におけるAはその相補性塩
基としてTを内包しており、GはCを内包している。ア
ミノ酸は、以下の表に示すように1文字あるいは3文字
で示されている。
【0020】
【表1】
【0021】本明細書において記載される普通に入手し
得る制限酵素は、以下に示す制限配列及び開裂パターン
(矢印で示した)を有している。
【化2】
【0022】本発明の好ましい態様を更に詳細に説明す
るために、以下に記述する実験を実施した。
【0023】例1 材料 ヒト胎盤及び胎児肝cDNAライブラリーをClone
techから得た。プロトブロット(Protoblo
t)・イムノスクリーニング・キットはPromega
Biotechから講入した。制限酵素はNew E
nglandBiolabsから講入した。牛腸アルカ
リ・ホスファターゼ、TDNAリガーゼ、DNAポリ
メラーゼI(クレノー)、エキソヌクレアーゼIII及
びSlヌクレアーゼは、Boehringer Man
nheimから購入した。dNTPはP.L.Bioc
hemicalsから購入した。5′−〔α−35S〕
−チオ−dATP(600Ci/m mol)はAme
rshamから購入した。配列決定用キット(Sequ
enase)はUnited States Bioc
hemicalsから購入した。Changリバー細胞
(ATCC CCL13)及びHepG2ヘパトーマ細
胞(ATCC HB8065)は、アメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクションから得た。SK−HEP−
1ヘパトーマ細胞は、Sloan−Kettering
Institute for Cancer Res
earchのG.Trempeによって1971年に肝
アデノカルシノーマから誘導されたものであり、現在で
広く容易に入手可能である。
【0024】125I−第Xa因子は、ヨード源を用い
て放射標識することにより調製した。この比活性は20
00dpm/ngであった。放射活性の97%以上は1
0%トリクロロ酢酸(TCA)により沈澱可能であっ
た。ヨード化蛋白は、SepectrozymeXa
(American Diagnostica製)に対
してその触媒活性を80%以上保持していた。
【0025】抗−TFI−IgセファロースTM4Bカ
ラムは以下のようにして調製した。即ち、成熟TFIの
アミノ酸3−25の配列に相当する配列を含むペプチド
(TFI−ペプチド)を、Biosystemの固相ペ
プチド合成システムを用いて合成した。TFI−ペプチ
ド(5mg)を、グルタルアルデヒドによりキーホール
(Keyhole)・リンペット(lympet)・ヘ
モシアニン10mgに結合させてコンジュゲートを調製
した。2匹のNew Zealandホワイト・ラビッ
トに、フロイント・完全・アジュバンド1mlと、上記
コンジュゲート1ml(TFI−ペプチド200μg)
を含むホモジェネートを皮内注射して、それぞれ免疫化
した。1ケ月後に、フロイント・不完全・アジュバント
1mlとコンジュゲート1ml(TFI−ペプチド10
0μg)を含むホモジェネートで、2匹のラビットをそ
れぞれブースターした。3ケ月の間、1週間毎に抗血清
を採取し、1ケ月毎にブースター注射を行なった。TF
I−ペプチドに対する特異的抗体を単離するために、抗
血清をTFI−ペプチドセファロース4Bカラムを用い
たクロマトグラフィーに付した。カラムを、10倍量の
PBS(0.4MNac1−0.1Mベンズアミジン−
1%トリトンTMX−100)及びトリトンX−100
を含まない同様の溶液で洗った。0.1Mグリシン/H
Cl、pH2.2で抗体を溶出させ、直ちに1/10倍
量の1Mトリス−OHを加えて中和し、次いで食塩水に
対して透析した。単離された抗体を、シアノゲン・ブロ
マイドで活性化させたセファロース4Bに製造業者(P
harmacia)の指針に従って結合させ、これを細
胞培養培地からのTFIの単離に用いた。
【0026】Changリバー細胞を、BrozeとM
iletich,Proc.Nat1.Acad.Sc
i.USA84,1886〜1890(1987)に記
載された方法に従って培養した。ならし培地を、抗−T
FI−Igセファロース4Bカラムを用いたクロマトグ
ラフィーに付した。次いでカラムを、10倍量のPBS
−1%トリトンX−100とPBSで洗った。結合した
TFIを0.1Mグリシン/HC1、pH2.2で溶出
した。イムノ・アフィニティーにより単離したTFIを
更に分離用ナトリウム・ドデシルスルフェート・ポリア
クリルアミドゲル電気泳動(Savant appar
atus)により精製した。最終取得物のアミノ酸を分
析した所、米国同時係属出願Ser.No.77,36
6号明細書(出願日:1987年7月23日)に記載さ
れたHePG2細胞から単離したTFIと同様のN末端
アミノ酸配列を有していた。単離したChangリバー
TFIを用いて、上記したと同じ免疫化プロトコールに
よりラビットを免疫化した。得られた抗血清は、2重免
疫拡散法テストで約100μg/mlの力価を示した。
この抗血清を用いてλgt11cDNAライブラリーの
イムノ・スクリーニングを行なった。
【0027】方法 cDNAクローンの単離 抗体を用いた胎盤及び胎児肝cDNAのスクリーニング
法、プラーク精製法及びλ−ファージ溶解物とDNAの
調製法はWunとKretzmer,FEBSLET
T.1,11〜16(1987)に記載されている。抗
血清にあらかじめBNN97λgt11溶解物を吸着さ
せ、ライブラリーのスクリーニング用に1/500に希
釈した。
【0028】第Xa因子結合活性のスクリーニング イソプロピル−β−チオガラクトシドによってイムノ・
ポジティブλ−ファージ溶解物あるいはコントロールλ
gt11から誘導される組換え蛋白について、その第X
a因子結合活性をスクリーニングした。λ−ファージ溶
解物(0.1ml)は、ドットーブロット装置(Bio
Rad)を用いてニトロセルロースペーパーで濾過し
た。次いでニトロセルロースペーパーを、5mg/ml
牛血清アルブミン及び2.5mg/ml牛ガンマグロブ
リンを含むリン酸緩衝化食塩水に浸し、室温で1時間激
しく撹拌した。次いで、0.1mg/mlヘパリンを添
加した同様の溶液に更に125I−第Xa因子(1.0
×10cmp/ml)を溶解した溶液で置換し、更に
1時間激しく撹拌した。次いでニトロセルロースペーパ
ーを、0.05%TweenTM20を含むリン酸緩衝
化食塩水で洗った。洗浄緩衝液を5分毎に4回交換し
た。次いでニトロセルロースペーパーを空気中で乾燥
し、Kodak XR5nフィルムを用いてオートラジ
オグラフィー用に調製した。フィルムを1週間さらした
後に現像した。
【0029】ポリ(A)RNAの調製及びノーザン・
ブロッティング LizardiとEngelbergのナトリウム・パ
ークロレート抽出法〔Anal.Biochem.9
8,116〜122,(1979)〕により、培養した
changリバー細胞、HepG2ヘパトーマ細胞及び
SK−HEP−lヘパトーマ細胞から全RNAを調製し
た。製造業者の指針に従い、オリゴ(dT)−セルロー
ス(P−L Biochemical,タイプ77F)
へのバッチ吸着によりポリ(A)RNAを単離した。
ノーザン・ブロット分析用に、それぞれのポリ(A)
RNA10μgをグリオキサールで処理し〔Thoma
s,Methods Enzymol.100,255
〜266(1983)〕、10mMリン酸ナトリウム、
pH7.0を含む緩衝液でアガロースゲル電気泳動に付
した。Bethesda Research Labo
ratoryのRNAラダー(ladder)を分子量
マーカーとして用いた。RNAをニトロセルロースペー
パー上にブロットし、次いで80℃で2時間焼いた。λ
P9クローンのインサートDNAを、ニックトランスレ
ーションにより32Pで放射標識化し、プローブとして
用いた〔Maniatisら、Molecular C
loning:A Laboratory Mode
l,Cold Spring Laboratory
Harbor,N.Y.,(1982)〕。50%ホル
ムアミド、5X SSC,50mMリン酸ナトリウム、
pH7.0、250μg/ml変性サケスペルマDNA
及び1X Denhard溶液を含む溶液5ml中のプ
ローブ(5×10cpm)で42℃で16時間ハイブ
リダイズさせた。フィルターを、0.1%ナトリウムド
デシルスルフェート(SDS)、2X SSSで室温で
3回、それぞれ5分間洗った。次いでニトロセルロース
ペーパーを空気中で乾燥し、Kodak XAR−5フ
ィルム及び増感板を用いて−70℃で3日間オートラジ
オグラフィーに付した。
【0030】他の組操えDNA法 クローン化λgt11DNAの調製、pUC19プラス
ミド及びM13mp18ベクターでのサブクローニン
グ、エキソヌクレアーゼIIIを用いた消化による欠
失、及びジデオキ法によるDNA配列決定〔Sange
rら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
83,6776〜6780(1977)〕は、Wunと
Kretzmer,FEBS Lett.1,11−1
6(1987)に記載された方法に従って実施した。L
ipmamとPearsonによって書かれたプログラ
ムFASTP〔science,227,1435〜1
441(1985)〕を用いて、National B
iochemical Research Found
ationの配列データバンク(レリース13,198
7年6月)から相同性を示す蛋白のファミリーを同定
し、該ファミリー内で配列のアラインメントを行なっ
た。
【0031】結果 cDNAライブラリーのスクリーニ
ング 多数のセルラインについて、そのならし培地中にTFI
が存在するか否かをスクリーニングした。いくつかの肝
由来セルライン、即ちChangリバー、HepG2ヘ
パトーマ及びSK−HEP−1ヘパトーマが培地中にT
FIを分泌することが見出された。初めに、TFIに対
する抗血清を用いてヒト胎児肝λgt11cDNAライ
ブラリー(10プラーク・フォーミング・ユニット)
をスクリーニングし、15個の免疫学的にポジティブな
クローンが得られた。次いで同様の方法により胎盤λg
t11cDNAライブラリーをスクリーニングした。1
プラーク・フォーミング・ユニットのうち10個の
免疫学的にポジティブなクローンが得られた。これらの
クローンをプラーク精製し、精製クローンの溶解物につ
いてTFIの機能活性をテストした。イソプロピルチオ
ガラクトシドで誘導したファージの溶解物をニトロセル
ロースペーパーに吸着せしめ、125I−第Xa因子結
合活性をスクリーニングした。上記の免疫学的にポジテ
ィブなクローンのいくつかは、ニトロセルロースペーパ
ー上の125I−第Xa因子と結合する能力を示したこ
とが、図1により証明されている。免疫学的にポジティ
ブな胎児肝クローン15個のうち3個、及び免疫学的に
ポジティブな胎盤クローン10個のうち4個のクローン
125I−第Xa因子結合活性を示した。これらの免
疫学的に且つ機能的にポジティブなクローンをEcoR
Iで消化し、インサート配列のサイズをゲル電気泳動に
より調べた。胎盤ライブラリー(λP9)から得た1つ
のクローンは約1.4kbのインサート配列を有してお
り、他のすべてのクローンは約1.0kbのインサート
配列を有していた。部分的DNA配列決定により、1.
0kbクローンはより長い1.4kb胎盤クローンの1
部分の配列と同じ配列を有していることが判った。従っ
て、完全なDNA配列決定を行なうためにλP9を選択
した。
【0032】TFI cDNA単離物のヌクレオチド配
列及びその予想蛋白配列 λP9クローンについて、制限酵素地図の作成、M13
サブクローニング及び図2に示した技法を用いた配列決
定を実施した。エキソヌクレアーゼIII欠失法〔He
nikoff,Gene28,351〜359(198
4)〕により、2本のストランドの両者について全配列
を決定し、1432個の塩基からなることが見出され
た。その配列は図3および4に示した通りである。該配
列には、133塩基の5′非コード領域、912ヌクレ
オチドのオープン・リーディング・フレーム及び387
ヌクレオチドの3′非コード領域が含まれている。最初
のATGはTAGATGA配列中のヌクレオチド134
にあり、その直ぐ後のACAATGA配列中のヌクレオ
チド146に第2のATGがある。真核細胞のリボゾー
ムによってイニシエートされるためのコンセンサス配列
として提案された配列、ACCATGG〔Kozak,
Ce11,44,283〜292(1982)〕とは、
上記の配列は異なるが、これらはイニシエーション配列
と考えられる。成熟蛋白のN末端に相当する配列の前に
28個のアミノ酸配列がある。これら28個のアミノ酸
からなる疎水性セグメントの組成及び長さは、シグナル
ペプチドに典型的なものである〔Von Heijn
e,Eur.J.Biochem.133,17〜21
(1983);J.Mol.Biol,184,99〜
105(1985)〕。シグナルペプチドはAla28
−Asp29で開裂し、成熟蛋白を与えると考えられ
る。成熟TFIとして予想されるアミノ酸配列は、18
個のシスティン残基及び7個のメチオニンを含む276
個のアミノ酸からなる。成熟TFIの推定蛋白配列に基
いて計算される分子量31,950ダルトンは、単離し
て得た蛋白についてナトリウムドデシルスルフェートポ
リアクリルアミドゲル電気泳動で調べた分子量37−4
0kDaよりもいく分小さい。この分子量の相違は、天
然蛋白でのグリコシル化の移動性を反映したものと考え
られる。成熟蛋白に相当する推定蛋白配列は、Asn−
X−Thr/Serの構成を有する3ケのN−結合グリ
コシル化部位(アミノ酸の位置145,195及び25
6)を有している。精製した全長TFI及び加水分解さ
れた2つの単離体のアミノ酸分析の結果は、cDNA配
列から推定される蛋白配列(図3および4の下線を引い
た部分)と正確にマッチする。このことは、単離したc
DNAクローンはTFIをコードしていることを示して
いる。3′非コード領域はA+Tを豊富に含んでいる
(70%A+T)。このクローンには、コンセンサス・
ポリアデニル化シグナル、AATAAA〔Proudf
ootとBrownlee,Nature,252,3
59〜362(1981)〕も、ポリAテイルも見出さ
れなかった。これは、ライブラリー構築の間に3′末端
部分の1部分が失なわれたためと考えられる。
【0033】電荷分布、疎水性/親水性及び内部相同性 TFIの翻訳されたアミノ酸配列には、27リシン、1
7アルギニン、11アスパラギン酸及び25グルタミン
酸が含まれている。蛋白にそった電荷分布は図5に示し
たようにかなり高低のあるものである。シグナルペプチ
ド領域には、26個の中性残基とともに2個のプラスに
荷電したリシンが含まれていた。成熟蛋白のアミノ末端
領域には、高度にマイナスに荷電した配列が含まれてい
た。最初の7個の残基のうち6個はアスパラギン酸ある
いはグルタミン酸であり、この後に更に高度にマイナス
に荷電した2個のアミノ酸のダウンストリームがあり、
その後にプラスに荷電したリシン残基がある。中心部分
は一般的にマイナスに荷電している。カルボキシ末端に
は高度にプラスに荷電したセグメントがある。TFIの
アミノ酸265〜293には、6−共役アルギニン+リ
シン残基を含むプラスに荷電した14個のアミノ酸があ
る。
【0034】TFI蛋白の予想疎水性/親水性プロファ
イルは図6に示した通りである。シグナルペプチドに
は、予想されたように高度に疎水性の領域が含まれてい
る。残りの部分はむしろ親水性である。TFIの翻訳さ
れたアミノ酸配列には、いくつかの区別し得るドメイン
が含まれている。高度にマイナスに荷電したN末端ドメ
イン及び高度にプラスに荷電したC末端ドメインに加え
て、Kunitz型抑制因子の典型的配列(下記参照)
を有する3個の相同ドメインからなる中心部分がある。
【0035】他の蛋白との相同性 National Biochemical Rese
arch Foundationの配列データベースを
調べた所、TFIのN末端ドメインとC末端ドメインと
は、他の公知蛋白と有意な相同性を有していないことが
見出された。しかしながら、3個の内部相同ドメイン
は、牛膵臓塩基性プロテアーゼ抑制因子(アプロチニ
ン)、毒塩基性プロテアーゼ抑制因子、インター−α−
トリプシン抑制因子(図7)などの他の塩基性プロテア
ーゼ抑制因子の配列とそれぞれ相同性を示した。これら
すべての抑制因子にはジスルフィド結合溝造が高度に保
持されており、これは注目すべき事実である。これらの
相同性から明らかなように、TFIは塩基性プロテアー
ゼ抑制因子遺伝子スーパーファミリーに属する。
【0036】ノーザン・ブロッテング TFI産生肝由来セルライン、即ちChangリバー、
HepG2ヘパトーマ及びSK−HEP−1ヘパトーマ
細胞からポリ(A)RNAを精製した。変性アガロー
スゲル電気泳動によりポリ(A)RNAを溶解し、ニ
トロセルロースペーパー上にブロットし、32P−標識
化TFI cDNA(λP9)をプローブとして用いて
調べた。図8に示したように、2つの主要なハイブリダ
イゼーションバンドが観察された。これらはテストした
3つの全てのセルラインに見られる1.4kb mRN
A及び4.4kb mRNAに対応するものである。検
出し得る量のTFIを産生しない他のセルラィンについ
てテストしたが、プローブとのハイブリダイゼーション
は観察されなかった(データを示していない)。本明細
書の記載から、当業者にとっては本発明の思想及び範囲
内にある他の各種の例が自明であろう。これらの例の全
ては本明細書のクレームの範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】125I−第Xa因子を用いたλgt11クロ
ーンのスクリ−ニングを示した写真である。
【図2】部分的制限酵素地図及びλP9のインサート配
列の配列決定に用いた技法を示している。
【図3】ヒトTFI cDNAのヌクレオチド配列及び
翻訳されたアミノ酸配列を示している。
【図4】ヒトTFI cDNAのヌクレオチド配列およ
び翻訳されたアミノ酸配列。
【図5】TFIのアミノ酸配列における電荷分布を示す
グラフである。
【図6】TFIの疎水性プロファイルを示すグラフであ
る。
【図7】TFIの塩基性プロテアーゼ抑制因子ドメイン
と他の塩基性プロテアーゼ抑制因子とのアラインメント
を示す。
【図8】3個の肝由来セルラインから得たRNAのノー
ザン・ブロット分析を示す写真である。
フロントページの続き (72)発明者 ジョージ ジョン ブロズ,ジュニア アメリカ合衆国ミズリー州セント ルイ ス,ウエストポイント レーン 15 (72)発明者 クニコ クサノ クレッツマー アメリカ合衆国ミズリー州 エウレカ,パ ーシモン レーン 33 (72)発明者 ツェ − チェイン ウン アメリカ合衆国ミズリー州セント ルイ ス,ハントリィ ハイツ 613

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図3および図4で示されるアミノ酸配列
    を有するヒト組織因子抑制因子。
  2. 【請求項2】 グリコシル化されている請求項1記載の
    ヒト組織因子抑制因子。
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