JPH1168103A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH1168103A
JPH1168103A JP9226289A JP22628997A JPH1168103A JP H1168103 A JPH1168103 A JP H1168103A JP 9226289 A JP9226289 A JP 9226289A JP 22628997 A JP22628997 A JP 22628997A JP H1168103 A JPH1168103 A JP H1168103A
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film
gate
forming
gate electrode
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Shigenobu Maeda
茂伸 前田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリサイドプロテクション膜を備えた半導体
装置において、シリサイドプロテクション膜の形成時の
オーバーエッチングに起因する不具合を防止した半導体
装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 プロテクション領域PRおよび通常領域
ORにおいて全面的にシリコン酸化膜8を形成する。そ
して、シリコン酸化膜8の上部から、シリコン酸化膜8
を貫通するようにイオン注入法によりN型不純物を導入
し、SOI層3の表面内に自己整合的にソース・ドレイ
ン領域7を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造方
法に関し、特に、シリサイドプロテクション膜を備えた
半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ロジックLSI(大規模集積回路)など
に使用されるトランジスタにおいては、ソース/ドレイ
ン領域の寄生抵抗およびポリシリコンゲート電極の配線
抵抗を同時に低減するために、ソース・ドレイン領域お
よびポリシリコンゲート電極の表面に、選択的、自己整
合的にシリサイド膜を形成するサリサイド(Salicide :
self-aligned silicide)という技術を用いる。
【0003】図16および図17を用いてサリサイド技
術について説明する。まず、図16に示すように、シリ
コン基板SB上にMOSトランジスタM1(この場合は
Nチャネル型)を形成した後、ソース・ドレイン領域S
Dの表面上、ポリシリコンゲート電極GEの露出表面
上、サイドウォール酸化膜SWの表面上に、例えばコバ
ルト(Co)などの金属膜MLをスパッタリングにより
100オングストローム程度の厚さに形成する。
【0004】次に、温度条件400〜500℃で30〜
120秒程度の熱処理を行うと、金属膜MLとシリコン
層とが接した部分が反応してシリサイド膜が形成される
ことになる。その後、反応していない部分をウェットエ
ッチングによって取り除き、温度条件800〜900℃
で30〜120秒の熱処理を行うことで、図17に示す
ように、ソース・ドレイン領域SDの表面上およびポリ
シリコンゲート電極GEの露出表面上にのみシリサイド
膜SFが形成されることになる。
【0005】先に説明したように、シリサイド膜は寄生
抵抗や配線抵抗を低減するとういう利点を有している
が、一方で、シリサイド膜の形成が望ましくない現象を
もたらす場合もある。その場合には、シリサイド膜の形
成を望まない部分において、シリサイド膜の形成を防止
するシリサイドプロテクション膜を形成することで対処
している。
【0006】次に、シリサイド膜を形成することによる
問題点およびシリサイドプロテクション膜について説明
する。まず、図18に半導体集積回路の一例として、イ
ンバータ回路C2とそれを保護する保護回路C1とを示
す。
【0007】保護回路C1は、PチャネルMOSトラン
ジスタP1とNチャネルMOSトランジスタN1とを直
列に接続して構成され、両者を接続するノードND1に
入力パッドPDが接続されている。PチャネルMOSト
ランジスタP1のゲート電極は電源電位(Vcc)に接
続され常時OFF状態となっている。NチャネルMOS
トランジスタN1のゲート電極は接地電位に接続され常
時OFF状態となっている。
【0008】インバータ回路C2は、PチャネルMOS
トランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN2
とを直列に接続して構成され、両者の接続ノードND2
は図示しない他の回路に接続されている。そして、Pチ
ャネルMOSトランジスタP2およびNチャネルMOS
トランジスタN2のゲート電極は保護回路C1のノード
ND1に接続されている。
【0009】ここで、入力パッドPDからサージ電圧が
入力した場合、すなわちESD(Electro Static Disch
arge)が生じた場合を想定する。サージ電圧は通常のM
OSトランジスタの動作電圧に比べてはるかに高い電圧
であるので、保護回路C1がなければ、サージ電圧はイ
ンバータ回路C2のPチャネルMOSトランジスタP2
およびNチャネルMOSトランジスタN2のゲート電極
に印加され、両者のゲート絶縁が破壊される恐れがあ
る。しかし、保護回路C1の存在により、サージ電圧が
印加されると、PチャネルMOSトランジスタP1およ
びNチャネルMOSトランジスタN1のソース・ドレイ
ン間がブレークダウンして電流が流れ、インバータ回路
C2にサージ電圧が印加されるのを防止できる。
【0010】しかしながら、保護回路C1において、非
常に大きなサージ電圧がソース・ドレイン間に加わった
場合、保護回路C1中のPチャネルMOSトランジスタ
P1またはNチャネルMOSトランジスタN1が破壊し
てしまう。この破壊時のサージ電圧をESD耐圧と呼
び、なるべく大きな値に設計することが望まれる。とこ
ろが、ソース・ドレイン領域の表面にシリサイド膜が形
成されていると、ESD耐圧が低下する可能性がある。
【0011】図19にMOSトランジスタM1の平面構
成を示す。MOSトランジスタM1は細長形状のゲート
電極GEを中央に配設し、その短手方向の両外側にソー
ス・ドレイン領域SDが配設され、ソース・ドレイン領
域SDの表面にはシリサイド膜SFが形成された構成と
なっている。
【0012】図19に示す領域Aの拡大図を図20に示
す。シリサイド膜SFは一般に多結晶構造であり、図2
0に示すように大小のシリサイドの結晶粒子GRで構成
されている。従って結晶粒界においては各粒子の形状が
反映され、起伏を有している。これは、ゲート電極GE
の端縁部に沿ったシリサイド膜SFの端縁部においても
同様であり、図20に示すように、ゲート電極GEを間
に挟んで結晶粒子GRが対向している。このような構造
において、サージ電圧が印加されると、ゲート電極GE
の両側の結晶粒子GRの突起部間(矢示間)にサージ電
流の集中が起こり、その部分が集中的に破壊されて、M
OSトランジスタの動作が不良となり保護回路として機
能が失われる。このような理由から、保護回路のソース
・ドレイン領域の表面にはシリサイド膜を形成しないこ
ととし、その代わりに、シリサイドプロテクション膜を
形成するものである。
【0013】次に、図21および図22を用いて、シリ
サイドプロテクション膜を形成したMOSトランジスタ
M2の構成について説明する。
【0014】図21に示すように、ゲート電極GEおよ
びゲート電極GEの近傍のソース・ドレイン領域SDの
表面上にはシリコン酸化膜(SiO2)で構成されるシ
リサイドプロテクション膜SPが形成されている。ここ
で、図21に示すA−A線における断面図を図22に示
す。
【0015】図22に示すように、シリサイドプロテク
ション膜SPはゲート電極GE、サイドウォール酸化膜
SW、およびゲート電極GEの近傍のソース・ドレイン
領域SDの表面上に形成されており、シリサイドプロテ
クション膜SPの上部にはシリサイド膜SFは形成され
ていない。このような構成とすることにより、シリサイ
ド膜SFの端縁部とゲート電極GEの端縁部との間の距
離が広くなる。従って、シリサイド膜SF端縁部の形状
が、起伏の連続した形状であって、サージ電流が突出し
た部分に集中したとしても、サージ電流は抵抗の高いソ
ース・ドレイン領域SDおよび低ドープドレイン領域L
Dを通過することで電圧が低下し、また、ソース・ドレ
イン領域SDおよび低ドープドレイン領域LDを長い距
離に渡って通過するので拡散することになり、MOSト
ランジスタの破壊が防止されることになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
シリサイド膜SFを形成することで不具合が発生するM
OSトランジスタおいては、シリサイドプロテクション
膜SPを形成することでシリサイド膜SFの形成を防止
していた。
【0017】そして、シリサイドプロテクション膜SP
の形成においては、シリコン基板SBの全面に渡ってシ
リコン酸化膜を形成した後、当該シリコン酸化膜をドラ
イエッチングにより選択的に除去することで、ゲート電
極GEおよびゲート電極GEの近傍のソース・ドレイン
領域SDの表面上にのみシリサイドプロテクション膜S
Pを形成するようにしていた。
【0018】従って、シリコン基板SBの表面は、MO
Sトランジスタのサイドウォール酸化膜SWの形成に際
してのエッチングに加え、シリサイドプロテクション膜
SPの形成に際してのエッチングに曝されていた。バル
クシリコン基板上にMOSトランジスタを形成する場合
であれば、エッチング回数が多少増えて基板表面が多少
除去されても重大な問題は発生しないが、絶縁性基板の
上に、膜状に形成された半導体層、すなわちSOI(se
miconductor-on-isolation)層を備えたSOI基板上に
MOSトランジスタを形成する場合には、エッチング回
数の増加は重大な問題を引き起こすことになる。
【0019】図23に、SOI基板上に形成されたMO
SトランジスタM3にシリサイドプロテクション膜を形
成した場合の構成を示す。
【0020】図23において、SOI基板SIは、シリ
コン基板SBの上部に埋め込み絶縁層BOが形成され、
埋め込み絶縁層BOの上部にSOI層SLが形成された
構成を有している。そして、SOI層SL上にMOSト
ランジスタM3が形成されている。一般的にSOI層S
Lの厚さは薄く、オーバーエッチングによる影響を無視
できない。
【0021】例えば図23において、サイドウォール酸
化膜SWの端縁部には、サイドウォール酸化膜SWの形
成時に発生するオーバーエッチングにより生じた段差D
1が存在しており、段差D1の落差に相当する分だけS
OI層SLの厚さが減少している。また、シリサイドプ
ロテクション膜SPの端縁部には、シリサイドプロテク
ション膜SPの形成時に発生するオーバーエッチングに
より生じた段差D2が存在しており、段差D2の落差に
相当する分だけSOI層SLの厚さが減少している。こ
のように、2回のオーバーエッチングにより、シリサイ
ドプロテクション膜SPに覆われていない部分のSOI
層SLの厚さは大幅に減少し、そこにシリサイド膜SF
を形成すると、残ったSOI層SLが全てシリサイド膜
SFになってしまう可能性がある。そして、SOI層S
Lが全てシリサイド膜SFになった部分においては、埋
め込み絶縁層BO(SiO2層)とシリサイド膜SFと
の密着性の悪さに起因して、シリサイド膜SFが剥離し
て導電性のダストとなり、これが半導体装置上に残留す
ると半導体装置の動作特性に悪影響を及ぼすという問題
があった。また、ソース・ドレイン領域となる部分がシ
リサイド膜SFとなって剥離すると、半導体装置の本来
の機能が得られないという問題があった。
【0022】本発明は上記のような問題を解消するため
になされたもので、シリサイドプロテクション膜を備え
た半導体装置において、シリサイドプロテクション膜の
形成時のオーバーエッチングに起因する不具合を防止し
た半導体装置の製造方法を提供する。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に形成され
た第1および第2のMOSトランジスタを備え、前記第
1のMOSトランジスタにおいてシリサイド膜の形成を
望まない部分にはシリサイドプロテクション膜が形成さ
れた半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板の
主面上の前記第1および第2のMOSトランジスタが形
成される領域に、それぞれ第1および第2のゲート酸化
膜、第1および第2のゲート電極を順に積層して形成す
る工程(a)と、前記第1および第2のゲート電極をマス
クとして、前記半導体基板に第1導電型の不純物イオン
を注入し、前記第1および第2のゲート電極の側面外方
の前記半導体基板の表面内に、自己整合的に比較的低濃
度の第1導電型の第1の半導体領域をそれぞれ形成する
工程(b)と、前記第1および第2のゲート電極および前
記半導体基板の表面を覆うように酸化膜を形成する工程
(c)と、前記第1および第2のゲート電極と、該第1お
よび第2のゲート電極の側面に形成された前記酸化膜と
をマスクとして、前記酸化膜の上部から第1導電型の不
純物イオンを注入し、前記第1の半導体領域を含む前記
半導体基板の表面内に自己整合的に比較的高濃度の第1
導電型の第2の半導体領域を形成する工程(d)と、前記
第1のゲート電極の上部から該第1のゲート電極の側面
外方近傍の前記酸化膜の上部に渡るように選択的にレジ
ストマスクを形成する工程(e)と、前記レジストマスク
に覆われない前記酸化膜をエッチングし、前記レジスト
マスクの下部の前記酸化膜を前記シリサイドプロテクシ
ョン膜として残し、前記第2のゲート電極および前記第
2のゲート酸化膜の側面の前記酸化膜をサイドウォール
酸化膜として残す工程(f)とを備えている。
【0024】本発明に係る請求項2記載の半導体装置の
製造方法は、前記工程(f)が、前記レジストマスクに覆
われない前記酸化膜の厚みを異方性ドライエッチング法
により薄くする工程(f−1)と、厚みが薄くなった前記
酸化膜をウエットエッチング法により除去する工程(f
−2)とを備えている。
【0025】本発明に係る請求項3記載の半導体装置の
製造方法は、半導体基板上に形成された第1および第2
のMOSトランジスタを備え、前記第1のMOSトラン
ジスタにおいてシリサイド膜の形成を望まない部分には
シリサイドプロテクション膜が形成された半導体装置の
製造方法であって、前記半導体基板の主面上の前記第1
および第2のMOSトランジスタが形成される領域に、
それぞれ第1および第2のゲート酸化膜、第1および第
2のゲート電極を順に積層して形成する工程(a)と、前
記第1および第2のゲート電極をマスクとして、前記半
導体基板に第1導電型の不純物イオンを注入し、前記第
1および第2のゲート電極の側面外方の前記半導体基板
の表面内に、自己整合的に比較的低濃度の第1導電型の
第1の半導体領域をそれぞれ形成する工程(b)と、前記
第1および第2のゲート電極および前記半導体基板の表
面を覆うように第1の酸化膜を形成する工程(c)と、前
記第1の酸化膜の厚みを異方性ドライエッチング法によ
り薄くし、前記第1のゲート電極および前記第1のゲー
ト酸化膜の側面に第1のサイドウォール酸化膜を、前記
第2のゲート電極および前記第2のゲート酸化膜の側面
に第2のサイドウォール酸化膜を形成する工程(d)と、
前記工程(d)の前または後に、前記第1の酸化膜の上部
から第1導電型の不純物イオンを注入し、前記第1の半
導体領域を含む前記半導体基板の表面内に自己整合的に
比較的高濃度の第1導電型の第2の半導体領域を形成す
る工程(e)と、厚みが薄くなった前記第1の酸化膜の上
部に第2の酸化膜を形成する工程(f)と、前記第1のゲ
ート電極の上部から該第1のゲート電極の側面外方近傍
の前記第2の酸化膜の上部に渡るように選択的にレジス
トマスクを形成する工程(g)と、前記レジストマスクに
覆われない前記第2の酸化膜およびその下部の厚みが薄
くなった前記第1の酸化膜をエッチングにより除去し、
前記レジストマスクの下部の前記第2の酸化膜を前記シ
リサイドプロテクション膜とする工程(h)とを備えてい
る。
【0026】本発明に係る請求項4記載の半導体装置の
製造方法は、前記工程(e)が、前記工程(d)の前に行わ
れ、かつ、前記第1および第2のゲート電極と、該第1
および第2のゲート電極の側面に形成された前記第1の
酸化膜とをマスクとして第1導電型の不純物イオンを注
入する工程を備えている。
【0027】本発明に係る請求項5記載の半導体装置の
製造方法は、前記工程(e)が、前記工程(d)の後に行わ
れ、かつ、前記第1および第2のゲート電極と、前記第
1および第2のサイドウォール酸化膜とをマスクとして
第1導電型の不純物イオンを注入する工程を備えてい
る。
【0028】本発明に係る請求項6記載の半導体装置の
製造方法は、前記工程(h)が、少なくとも前記レジスト
マスクに覆われない前記第2の酸化膜の厚みを異方性ド
ライエッチング法により薄くする工程(h−1)と、厚み
が薄くなった前記第2の酸化膜およびその下部の厚みが
薄くなった前記第1の酸化膜をウエットエッチング法に
より除去する工程(f−2)とを備えている。
【0029】本発明に係る請求項7記載の半導体装置の
製造方法は、前記半導体基板が、絶縁性基板の上に形成
されたSOI層を備えたSOI基板である。
【0030】
【発明の実施の形態】
<A.実施の形態1> <A−1.製造方法>本発明に係る実施の形態1とし
て、シリサイドプロテクション膜を必要とするMOSト
ランジスタを備えた半導体装置100の製造方法を、製
造工程を順に示す図1〜図5を用いて説明する。
【0031】まず、図1に示す工程において、シリコン
基板1の上部に埋め込み絶縁層2、SOI層3が順に形
成されたSOI基板10を準備する。そして、シリサイ
ドプロテクション膜を必要とするMOSトランジスタが
形成されるプロテクション領域PRおよび、シリサイド
プロテクション膜を必要としないMOSトランジスタが
形成される通常領域ORに、それぞれゲート酸化膜5お
よび5A、ゲート電極6および6Aを選択的に形成し、
当該ゲート電極6および6Aをマスクとして、SOI層
3にイオン注入法によりN型不純物(例えばAs)を導
入し、SOI層3の表面内に自己整合的に低ドープドレ
イン領域4(第1の半導体領域)を形成する。なお、S
OI層3には予めP型不純物が比較的低濃度に導入され
ている。
【0032】次に、図2に示す工程において、プロテク
ション領域PRおよび通常領域ORにおいて全面的にシ
リコン酸化膜8を形成する。そして、シリコン酸化膜8
の上部から、シリコン酸化膜8を貫通するようにイオン
注入法によりN型不純物(例えばAs)を導入し、SO
I層3の表面内に自己整合的にソース・ドレイン領域7
(第2の半導体領域)を形成する。
【0033】ここで、ゲート電極6および6Aの下部の
SOI層3内、および低ドープドレイン領域4を残した
い部分には不純物が注入されないようにするため、ゲー
ト電極6および6Aの厚さ、およびシリコン酸化膜8の
厚さには留意する。例えば、不純物としてヒ素(As)
を使用する場合は、注入エネルギーが80keVであれ
ば、ゲート電極6および6Aの厚さは2000オングス
トローム程度、シリコン酸化膜8の厚さは500オング
ストローム程度とする。
【0034】なお、上記厚さにおいては、フッ化ボロン
(BF2)を不純物として使用する場合(P型MOSト
ランジスタを形成する場合)は、その注入エネルギーは
60keV程度とする。
【0035】このようにシリコン酸化膜8を介してイオ
ン注入を行うことにより、SOI層3の表面に注入によ
るダメージが与えられることが防止される。
【0036】次に、図3に示す工程において、プロテク
ション領域PRにおけるシリコン酸化膜8の所定部分に
選択的にレジストマスクR1を形成する。レジストマス
クR1は、シリコン酸化膜8をシリサイドプロテクショ
ン膜として残したい部分を覆うように形成され、図3に
おいては、ゲート電極6の上部からゲート電極6の近傍
のソース・ドレイン領域7の上部にかけて形成される。
【0037】次に、図4に示す工程において、ドライエ
ッチングによりレジストマスクR1に覆われた部分以外
のシリコン酸化膜8を除去する。この工程により、ゲー
ト電極6の上部からゲート電極6の近傍のソース・ドレ
イン領域7の上部にかけてはシリサイドプロテクション
膜9が形成され、ゲート電極6Aおよびゲート酸化膜5
Aの両側面にはサイドウォール酸化膜11Aが形成され
ることになる。
【0038】次に、レジストマスクR1を除去した後、
全面的に例えばコバルト(Co)などの金属膜をスパッ
タリングにより100オングストローム程度の厚さに形
成する。次に、温度条件400〜500℃で30〜12
0秒程度の熱処理を行うと、金属膜とシリコン層とが接
した部分が反応してシリサイド膜が形成されることにな
る。その後、反応していない部分をウェットエッチング
によって取り除き、温度条件800〜900℃で30〜
120秒の熱処理を行うことで、図5に示すように、ソ
ース・ドレイン領域7の露出表面上およびゲート電極6
Aの露出表面上にのみシリサイド膜12が自己整合的に
形成された半導体装置100が得られることになる。
【0039】なお、シリサイド膜12としては、チタン
シリサイド(TiSI2)、あるいはニッケルシリサイ
ド(NiSi2)、タングステンシリサイド(WSi2
など、いかなるシリサイド膜であっても構わない。
【0040】<A−2.特徴的作用効果>以上説明した
ように、本発明に係る実施の形態1においては、プロテ
クション領域PRにおけるシリサイドプロテクション膜
9および通常領域におけるサイドウォール酸化膜11A
を、両者に共通するように形成されたシリコン酸化膜8
に、1回のエッチング工程を施すことで形成するので、
SOI層3の表面がオーバーエッチングにより削られる
回数が低減し、SOI層3の厚さが過度に減少すること
が防止されるので、シリサイド工程においてSOI層3
が全てシリサイド膜になる可能性が低減する。従って、
シリサイド膜12が剥離して導電性のダストとなるよう
な現象が防止されるので、導電性のダストの存在により
半導体装置の動作特性が劣化することが防止され、また
シリサイド膜12の剥離に起因する半導体装置としての
機能の低下を防止できる。また、シリコン酸化膜8を介
してソース・ドレイン注入を行うことにより、SOI層
3の表面に注入によるダメージが与えられることが防止
される。
【0041】このように、シリサイドプロテクション膜
9およびサイドウォール酸化膜11Aを共通のシリコン
酸化膜8から形成し、シリコン酸化膜8を介してソース
・ドレイン注入を行うことで、上に説明した作用効果以
外に、製造工程を簡略化できるという効果が得られる。
【0042】例えば、米国特許5585299号公報において
は、シリサイドプロテクション膜およびサイドウォール
酸化膜を共通のシリコン酸化膜から形成する構成が示さ
れているが、プロテクション領域へのソース・ドレイン
注入は、サリサイド工程の終了後に、プロテクション領
域のMOSトランジスタの上部からシリサイドプロテク
ション膜を完全に除去した後に行っており、シリサイド
プロテクション膜を完全に除去するという技術的に困難
な工程が必要となる。従って、製造工程が複雑になると
ともに、ソース・ドレイン領域表面のオーバーエッチン
グによるダメージも発生するが、プロテクション領域の
MOSトランジスタの上部からシリサイドプロテクショ
ン膜を除去する必要がない本願発明においてはそのよう
な問題はない。
【0043】また、ゲート電極の側面部分も含めてシリ
サイドプロテクション膜を完全に除去するにはドライエ
ッチングだけでは不十分でありウエットエッチング、そ
れも比較的長時間のウエットエッチングが必要である
が、長時間のウエットエッチングによりMOSトランジ
スタのゲート酸化膜も同時に除去され、MOSトランジ
スタが破壊される可能性があるが、本願発明においては
そのような問題は発生しない。
【0044】また、米国特許562344号公報および502185
3号公報においては、シリサイドプロテクション膜およ
びサイドウォール酸化膜を共通のシリコン酸化膜から形
成する構成が示されているが、ソース・ドレイン注入は
上記シリコン酸化膜を形成する前にゲート電極をマスク
としてイオン注入法により形成している。従って、基板
表面への注入によるダメージを防止することはできな
い。また、ゲート電極をマスクとしてソース・ドレイン
領域を形成しており、低ドープドレイン領域は形成され
ておらず、本願発明の構成とは異なっている。
【0045】<A−3.変形例>以上説明した本発明に
係る実施の形態1においては、図3に示す工程でプロテ
クション領域PRにおけるシリコン酸化膜8の所定部分
に選択的にレジストマスクR1を形成した後、図4に示
す工程において、ドライエッチングによりレジストマス
クR1に覆われた部分以外のシリコン酸化膜8を除去す
る例を示した。しかし、SOI層3の表面のオーバーエ
ッチングを防止するという観点から、以下のような方法
を採ることもできる。
【0046】すなわち、図3に示す工程に続いて、図6
に示すようにドライエッチングによりレジストマスクR
1に覆われた部分以外のシリコン酸化膜8を所定の厚さ
になるまで除去する。この場合、シリコン酸化膜8はS
OI層3上で200オングストローム程度の厚さとなる
ようにする。
【0047】次に、図7に示す工程において、ウエット
エッチングにより残ったシリコン酸化膜8を完全に除去
する。ウエットエッチングはシリコンに対する選択比が
高いので、SOI層3の表面がオーバーエッチングされ
る割合が小さく、SOI層3の厚さが過度に減少するこ
とがさらに防止されるので、シリサイド工程においてS
OI層3が全てシリサイド膜になる可能性がさらに低減
することになる。
【0048】なお、ウエットエッチングは等方的である
ので、レジストマスクR1に覆われていない部分、すな
わちシリサイドプロテクション膜9の端縁部91が若干
除去されることになり、当該端縁部91の表面形状が、
垂直断面方向になだらかに傾斜した形状となる。これ
は、通常領域ORのMOSトランジスタにおけるサイド
ウォール酸化膜11Aの表面形状においても同様であ
り、本変形例を適用した場合の特徴であると言える。
【0049】<B.実施の形態2> <B−1.製造方法>図1〜図5を用いて説明した実施
の形態1においては、シリサイドプロテクション膜9お
よびサイドウォール酸化膜11Aを共通のシリコン酸化
膜8から形成し、シリコン酸化膜8を介してソース・ド
レイン注入を行う例を示したが、オーバーエッチングの
回数を減らすという観点から、以下、図8〜図13を用
いて説明する製造方法を採ることができる。
【0050】まず、図8に示す工程において、シリコン
基板1の上部に埋め込み絶縁層2、SOI層3が順に形
成されたSOI基板10を準備する。そして、シリサイ
ドプロテクション膜を必要とするMOSトランジスタが
形成されるプロテクション領域PRおよび、シリサイド
プロテクション膜を必要としないMOSトランジスタが
形成される通常領域ORに、それぞれゲート酸化膜5お
よび5A、ゲート電極6および6Aを選択的に形成し、
当該ゲート電極6および6Aをマスクとして、SOI層
3にイオン注入法によりN型不純物(例えばAs)を導
入し、SOI層3の表面内に自己整合的に低ドープドレ
イン領域4(第1の半導体領域)を形成する。なお、S
OI層3にはP型不純物が比較的低濃度に導入されてい
る。
【0051】次に、図9に示す工程において、プロテク
ション領域PRおよび通常領域ORにおいて全面的にシ
リコン酸化膜15(第1のシリコン酸化膜)を形成す
る。そして、シリコン酸化膜15の上部から、シリコン
酸化膜15を貫通するようにイオン注入法によりN型不
純物(例えばAs)を導入し、SOI層3の表面内に自
己整合的にソース・ドレイン領域7(第2の半導体領
域)を形成する。
【0052】ここで、ゲート電極6および6Aの下部の
SOI層3内、および低ドープドレイン領域4を残した
い部分には不純物が注入されないようにするため、ゲー
ト電極6および6Aの厚さ、およびシリコン酸化膜15
の厚さには留意する。例えば、不純物としてヒ素(A
s)を使用する場合は、注入エネルギーが80keVで
あれば、ゲート電極6および6Aの厚さは2000オン
グストローム程度、シリコン酸化膜15の厚さは500
オングストローム程度とする。
【0053】なお、上記厚さにおいては、フッ化ボロン
(BF2)を不純物として使用する場合(P型MOSト
ランジスタを形成する場合)は、その注入エネルギーは
60keV程度とする。
【0054】このようにシリコン酸化膜15を介してイ
オン注入を行うことにより、SOI層3の表面に注入に
よるダメージが与えられることが防止される。
【0055】次に、図10に示すようにドライエッチン
グによりシリコン酸化膜15を所定の厚さになるまで除
去する。この場合、シリコン酸化膜15はSOI層3上
で200オングストローム程度の厚さとなるようにす
る。この工程により、ゲート電極6Aおよびゲート酸化
膜5Aの両側面にはサイドウォール酸化膜21Aが形成
され、ゲート電極6およびゲート酸化膜5の両側面には
サイドウォール酸化膜21が形成されることになる。な
お、ゲート電極5および5Aの上面にはシリコン酸化膜
15が200オングストロームの厚さで残ることにな
る。
【0056】次に、図11に示す工程において、全面的
にシリコン酸化膜16(第2のシリコン酸化膜)を形成
し、プロテクション領域PRにおけるシリコン酸化膜1
5の所定部分に選択的にレジストマスクR2を形成す
る。なお、シリコン酸化膜16の厚さは、例えば100
0オングストローム程度とする。
【0057】レジストマスクR2は、シリコン酸化膜1
6をシリサイドプロテクション膜として残したい部分を
覆うように形成され、図11においては、ゲート電極6
の上部からゲート電極6の近傍のソース・ドレイン領域
7の上部にかけて形成される。
【0058】次に、図12に示す工程において、ドライ
エッチングによりレジストマスクR2に覆われた部分以
外のシリコン酸化膜16およびその下部のシリコン酸化
膜15を除去する。この工程により、ゲート電極6の上
部からゲート電極6の近傍のソース・ドレイン領域7の
上部にかけては、シリサイドプロテクション膜17が形
成され、ゲート電極6Aおよびゲート酸化膜5Aの両側
面にはサイドウォール酸化膜22が形成されることにな
る。
【0059】次に、レジストマスクR2を除去した後、
図13に示す工程において、サリサイド技術によりソー
ス・ドレイン領域7の露出表面上およびゲート電極6A
の露出表面上にのみシリサイド膜12、例えばコバルト
シリサイドを自己整合的に形成することで、半導体装置
200が得られることになる。なお、シリサイド膜12
の形成方法については実施の形態1と同様であるので重
複する説明は省略する。
【0060】以上の説明においては、図9に示す工程に
おいて、シリコン酸化膜15の上部からイオン注入を行
い、ソース・ドレイン領域7を形成する例について示し
たが、ソース・ドレイン注入は図10に示す工程におい
て行っても良い。
【0061】すなわち、ドライエッチングによりシリコ
ン酸化膜15を所定の厚さになるまで除去した後に、薄
くなったシリコン酸化膜15を貫通するようにソース・
ドレイン注入を行っても良い。この場合、ゲート電極6
Aおよびゲート酸化膜5Aの両側面にはサイドウォール
酸化膜11Aが形成され、ゲート電極6およびゲート酸
化膜5の両側面にはサイドウォール酸化膜11が形成さ
れているので、サイドウォール酸化膜11および11A
の下部にはN型不純物が追加注入されることはなく、低
ドープドレイン領域4が残されることになる。
【0062】なお、シリコン酸化膜15は200オング
ストローム程度であるので、不純物としてヒ素(As)
を使用する場合は、注入エネルギーは40〜50keV
程度で良い。また、このようにシリコン酸化膜15が薄
い場合であっても、注入によるダメージがSOI層3の
表面に与えられるのを防止する効果は有している。
【0063】<B−2.特徴的作用効果>以上説明した
ように、本発明に係る実施の形態2においては、低ドー
プドレイン領域4を残すためのシリコン酸化膜15と、
シリサイドプロテクション膜17とは別工程で形成され
ることになるが、SOI層3の表面がエッチングを受け
る回数は1回で済むので、SOI層3の表面がオーバー
エッチングにより削られる回数が低減し、SOI層3の
厚さが過度に減少することが防止されるので、シリサイ
ド工程においてSOI層3が全てシリサイド膜になる可
能性が低減する。従って、シリサイド膜12が剥離して
導電性のダストとなるような減少が防止され、導電性の
ダストの存在により半導体装置の動作特性が劣化するこ
とが防止され、またシリサイド膜12の剥離に起因する
半導体装置としての機能の低下を防止できる。また、シ
リコン酸化膜15を介してソース・ドレイン注入を行う
ことにより、SOI層3の表面に注入によるダメージが
与えられることが防止される。
【0064】また、低ドープドレイン領域4を残すため
のシリコン酸化膜15とシリサイドプロテクション膜1
7とを別工程で形成するので、両者の厚みを異なったも
のにしたい場合に適している。例えば、MOSトランジ
スタのソース・ドレイン耐圧をはじめとする電気特性を
調整するために、低ドープドレイン領域4の平面方向の
長さを調整する必要があるが、その長さを得るためには
シリコン酸化膜15の厚さをシリサイドプロテクション
膜17に要求される厚さよりも薄くしなければならない
が、本願発明はこのような場合に適している。
【0065】なお、サイドウォール酸化膜21および2
1A形成後にソース・ドレイン注入を行う場合には、サ
イドウォール酸化膜21および21Aの厚さを調整する
ことで低ドープドレイン領域4の平面方向の長さを調整
することができる。
【0066】<B−3.変形例>以上説明した本発明に
係る実施の形態2においては、図11に示す工程でプロ
テクション領域PRにおけるシリコン酸化膜16の所定
部分に選択的にレジストマスクR2を形成した後、図1
2に示す工程において、ドライエッチングによりレジス
トマスクR2に覆われた部分以外のシリコン酸化膜16
を除去する例を示した。しかし、SOI層3の表面のオ
ーバーエッチングを防止するという観点から、以下のよ
うな方法を採ることもできる。
【0067】すなわち、図11に示す工程に続いて、図
14に示すようにドライエッチングによりレジストマス
クR2に覆われた部分以外のシリコン酸化膜16を所定
の厚さになるまで除去する。この場合、シリコン酸化膜
16はシリコン酸化膜15上で200オングストローム
程度の厚さとなるようにする。
【0068】次に、図15に示す工程において、ウエッ
トエッチングによりシリコン酸化膜16および15を完
全に除去する。ウエットエッチングはシリコンに対する
選択比が高いので、SOI層3の表面がオーバーエッチ
ングされる割合が小さく、SOI層3の厚さが過度に減
少することがさらに防止されるので、シリサイド工程に
おいてSOI層3が全てシリサイド膜になる可能性がさ
らに低減することになる。
【0069】なお、ウエットエッチングは等方的である
ので、レジストマスクR2に覆われていない部分、すな
わちシリサイドプロテクション膜17の端縁部171お
よびシリコン酸化膜15の端縁部151が若干除去され
ることになり、当該端縁部171および151の表面形
状が、垂直断面方向になだらかに傾斜した形状となる。
これは、通常領域ORのMOSトランジスタにおけるサ
イドウォール酸化膜22の表面形状においても同様であ
り、本変形例を適用した場合の特徴であると言える。
【0070】なお、以上説明した本発明に係る実施の形
態1および2においては、SOI基板上にMOSトラン
ジスタを形成する例についてのみ説明したが、本願発明
はバルクシリコン基板上にMOSトランジスタを形成す
る場合に適用しても良いことは言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載の半導体装置
の製造方法によれば、シリサイドプロテクション膜およ
び第1の半導体領域を残して低ドープドレイン領域とす
るための酸化膜を、両者に共通するように形成された酸
化膜に1回のエッチング工程を施すことで形成し、ソー
ス・ドレイン領域となる第2の半導体領域を酸化膜を介
してのイオン注入により形成するので、製造工程を簡略
化して製造コストの低減を図ることができるとともに、
半導体基板の表面がオーバーエッチングにより削られる
回数が低減する。従って、シリサイドプロテクション膜
およびサイドウォール酸化膜の端縁部近傍の半導体基板
表面内に存在する第2の半導体領域の厚さが過度に減少
することが防止されるので、第2の半導体領域の厚さの
減少に起因する不具合の発生を防止した半導体装置が得
られる。また、酸化膜を介して不純物注入を行うことに
より、半導体基板の表面に注入によるダメージが与えら
れることが防止される。
【0072】本発明に係る請求項2記載の半導体装置の
製造方法によれば、半導体基板材料に対する選択比が高
いウエットエッチングにより、厚みが薄くなった酸化膜
を除去するので、半導体基板の表面がオーバーエッチン
グされる割合が小さく、シリサイドプロテクション膜お
よびサイドウォール酸化膜の端縁部近傍の半導体基板表
面内に存在する第2の半導体領域の厚さが過度に減少す
ることがさらに防止される。
【0073】本発明に係る請求項3載の半導体装置の製
造方法によれば、第1の半導体領域を残して低ドープド
レイン領域とするための第1の酸化膜と、シリサイドプ
ロテクション膜とは別工程で形成されることになるが、
半導体基板の表面がエッチングを受ける回数は1回で済
むので、半導体基板の表面がオーバーエッチングにより
削られる回数が低減し、半導体基板の厚さが過度に減少
することが防止される。従って、シリサイドプロテクシ
ョン膜および第1および第2のサイドウォール酸化膜の
端縁部近傍の半導体基板表面内に存在する第2の半導体
領域の厚さが過度に減少することが防止されるので、第
2の半導体領域の厚さの減少に起因する不具合の発生を
防止した半導体装置が得られる。また、第1の酸化膜を
介して不純物注入を行うことにより、半導体基板の表面
に注入によるダメージが与えられることが防止される。
また、第1の半導体領域を残して低ドープドレイン領域
とするための第1の酸化膜と、シリサイドプロテクショ
ン膜とを別工程で形成するので、両者の厚みが異なった
半導体装置に適した製造方法を得ることができる。
【0074】本発明に係る請求項4載の半導体装置の製
造方法によれば、第1および第2のゲート電極の側面に
形成された第1の酸化膜の下部に位置する第1の半導体
領域には第1導電型の不純物イオンは注入されないので
低ドープドレイン領域となり、それ以外の第1の半導体
領域には第1導電型の不純物イオンが追加注入されてソ
ース・ドレイン領域となる。
【0075】本発明に係る請求項5載の半導体装置の製
造方法によれば、第1および第2のサイドウォール酸化
膜の下部に位置する第1の半導体領域には第1導電型の
不純物イオンは注入されないので低ドープドレイン領域
となり、それ以外の第1の半導体領域には第1導電型の
不純物イオンが追加注入されてソース・ドレイン領域と
なる。また、第1導電型の不純物イオンを厚みが薄くな
った第1の酸化膜を介して第1の半導体領域に注入する
ので、注入エネルギーは低くて済む。
【0076】本発明に係る請求項6載の半導体装置の製
造方法によれば、半導体基板材料に対する選択比が高い
ウエットエッチングにより、厚みが薄くなった第2の酸
化膜およびその下部の厚みが薄くなった第1の酸化膜を
除去するので、半導体基板の表面がオーバーエッチング
される割合が小さく、シリサイドプロテクション膜およ
びサイドウォール酸化膜の端縁部近傍の半導体基板表面
内に存在する第2の半導体領域の厚さが過度に減少する
ことがさらに防止される。
【0077】本発明に係る請求項7載の半導体装置の製
造方法によれば、SOI基板上に第1および第2のMO
Sトランジスタを備えた半導体装置においては、SOI
層の厚さが過度に減少することが防止されるので、シリ
サイド工程においてSOI層が全てシリサイド膜になる
可能性が低減する。従って、シリサイド膜が剥離して導
電性のダストとなるような現象が防止されるので、導電
性のダストの存在により半導体装置の動作特性が劣化す
ることが防止され、またシリサイド膜の剥離に起因する
半導体装置としての機能の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態1の半導体装置の製
造方法を示す図である。
【図2】 本発明に係る実施の形態1の半導体装置の製
造方法を示す図である。
【図3】 本発明に係る実施の形態1の半導体装置の製
造方法を示す図である。
【図4】 本発明に係る実施の形態1の半導体装置の製
造方法を示す図である。
【図5】 本発明に係る実施の形態1の半導体装置の製
造方法を示す図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態1の半導体装置の製
造方法の変形例を示す図である。
【図7】 本発明に係る実施の形態1の半導体装置の製
造方法の変形例を示す図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態2の半導体装置の製
造方法を示す図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態2の半導体装置の製
造方法を示す図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態2の半導体装置の
製造方法を示す図である。
【図11】 本発明に係る実施の形態2の半導体装置の
製造方法を示す図である。
【図12】 本発明に係る実施の形態2の半導体装置の
製造方法を示す図である。
【図13】 本発明に係る実施の形態2の半導体装置の
製造方法を示す図である。
【図14】 本発明に係る実施の形態2の半導体装置の
製造方法の変形例を示す図である。
【図15】 本発明に係る実施の形態2の半導体装置の
製造方法の変形例を示す図である。
【図16】 MOSトランジスタの製造におけるサリサ
イド工程を説明する図である。
【図17】 MOSトランジスタの製造におけるサリサ
イド工程を説明する図である。
【図18】 シリサイドプロテクション膜の用途を説明
する図である。
【図19】 シリサイド膜の問題点を説明する図であ
る。
【図20】 シリサイド膜の問題点を説明する図であ
る。
【図21】 シリサイドプロテクション膜の動作を説明
する平面図である。
【図22】 シリサイドプロテクション膜の動作を説明
する平面図である。
【図23】 シリサイドプロテクション膜の問題点を説
明する図である。
【符号の説明】
5,5A ゲート酸化膜、6,6A ゲート電極、8,
15,16 シリコン酸化膜、9,17 シリサイドプ
ロテクション膜、R1,R2 レジストマスク、11
A,21,21A サイドウォール酸化膜。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成された第1および第
    2のMOSトランジスタを備え、前記第1のMOSトラ
    ンジスタにおいてシリサイド膜の形成を望まない部分に
    はシリサイドプロテクション膜が形成された半導体装置
    の製造方法であって、 (a)前記半導体基板の主面上の前記第1および第2のM
    OSトランジスタが形成される領域に、それぞれ第1お
    よび第2のゲート酸化膜、第1および第2のゲート電極
    を順に積層して形成する工程と、 (b)前記第1および第2のゲート電極をマスクとして、
    前記半導体基板に第1導電型の不純物イオンを注入し、
    前記第1および第2のゲート電極の側面外方の前記半導
    体基板の表面内に、自己整合的に比較的低濃度の第1導
    電型の第1の半導体領域をそれぞれ形成する工程と、 (c)前記第1および第2のゲート電極および前記半導体
    基板の表面を覆うように酸化膜を形成する工程と、 (d)前記第1および第2のゲート電極と、該第1および
    第2のゲート電極の側面に形成された前記酸化膜とをマ
    スクとして、前記酸化膜の上部から第1導電型の不純物
    イオンを注入し、前記第1の半導体領域を含む前記半導
    体基板の表面内に自己整合的に比較的高濃度の第1導電
    型の第2の半導体領域を形成する工程と、 (e)前記第1のゲート電極の上部から該第1のゲート電
    極の側面外方近傍の前記酸化膜の上部に渡るように選択
    的にレジストマスクを形成する工程と、 (f)前記レジストマスクに覆われない前記酸化膜をエッ
    チングし、前記レジストマスクの下部の前記酸化膜を前
    記シリサイドプロテクション膜として残し、前記第2の
    ゲート電極および前記第2のゲート酸化膜の側面の前記
    酸化膜をサイドウォール酸化膜として残す工程と、を備
    える半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(f)は、 (f−1)前記レジストマスクに覆われない前記酸化膜の
    厚みを異方性ドライエッチング法により薄くする工程
    と、 (f−2)厚みが薄くなった前記酸化膜をウエットエッチ
    ング法により除去する工程と、を備える請求項1記載の
    半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に形成された第1および第
    2のMOSトランジスタを備え、前記第1のMOSトラ
    ンジスタにおいてシリサイド膜の形成を望まない部分に
    はシリサイドプロテクション膜が形成された半導体装置
    の製造方法であって、 (a)前記半導体基板の主面上の前記第1および第2のM
    OSトランジスタが形成される領域に、それぞれ第1お
    よび第2のゲート酸化膜、第1および第2のゲート電極
    を順に積層して形成する工程と、 (b)前記第1および第2のゲート電極をマスクとして、
    前記半導体基板に第1導電型の不純物イオンを注入し、
    前記第1および第2のゲート電極の側面外方の前記半導
    体基板の表面内に、自己整合的に比較的低濃度の第1導
    電型の第1の半導体領域をそれぞれ形成する工程と、 (c)前記第1および第2のゲート電極および前記半導体
    基板の表面を覆うように第1の酸化膜を形成する工程
    と、 (d)前記第1の酸化膜の厚みを異方性ドライエッチング
    法により薄くし、前記第1のゲート電極および前記第1
    のゲート酸化膜の側面に第1のサイドウォール酸化膜
    を、前記第2のゲート電極および前記第2のゲート酸化
    膜の側面に第2のサイドウォール酸化膜を形成する工程
    と、 (e)前記工程(d)の前または後に、前記第1の酸化膜の
    上部から第1導電型の不純物イオンを注入し、前記第1
    の半導体領域を含む前記半導体基板の表面内に自己整合
    的に比較的高濃度の第1導電型の第2の半導体領域を形
    成する工程と、(f)厚みが薄くなった前記第1の酸化膜
    の上部に第2の酸化膜を形成する工程と、 (g)前記第1のゲート電極の上部から該第1のゲート電
    極の側面外方近傍の前記第2の酸化膜の上部に渡るよう
    に選択的にレジストマスクを形成する工程と、 (h)前記レジストマスクに覆われない前記第2の酸化膜
    およびその下部の厚みが薄くなった前記第1の酸化膜を
    エッチングにより除去し、前記レジストマスクの下部の
    前記第2の酸化膜を前記シリサイドプロテクション膜と
    する工程と、を備える半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(e)は、前記工程(d)の前に行
    われ、かつ、 前記第1および第2のゲート電極と、該第1および第2
    のゲート電極の側面に形成された前記第1の酸化膜とを
    マスクとして第1導電型の不純物イオンを注入する工程
    を備える、請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(e)は、前記工程(d)の後に行
    われ、かつ、 前記第1および第2のゲート電極と、前記第1および第
    2のサイドウォール酸化膜とをマスクとして第1導電型
    の不純物イオンを注入する工程を備える、請求項3記載
    の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(h)は、 (h−1)少なくとも前記レジストマスクに覆われない前
    記第2の酸化膜の厚みを異方性ドライエッチング法によ
    り薄くする工程と、 (f−2)厚みが薄くなった前記第2の酸化膜およびその
    下部の厚みが薄くなった前記第1の酸化膜をウエットエ
    ッチング法により除去する工程と、を備える請求項3記
    載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体基板は、絶縁性基板の上に形
    成されたSOI層を備えたSOI基板である請求項1ま
    たは請求項3記載の半導体装置の製造方法。
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