JPH11513630A - 電子制御可能なブレーキ操作装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自動車用の電子制御可能なブレーキ操作装置は、マスターブレーキシリンダと協働するシミュレータと、電子制御ユニットによって制御可能な圧力源とを備えている。この圧力源の圧力によって車両の車輪ブレーキに圧力を加えることができる。車輪ブレーキは分離弁によって遮断可能な少なくとも１つの液圧接続部を介して、マスターブレーキシリンダに接続可能である。ブレーキ操作装置は更に、運転者が希望する減速度を認識するための装置と、車輪ブレーキの手前に接続配置された各々１個の流入弁および流出弁と、車輪の回転状態を検出する車輪センサとを備えている。特に低い圧力値の範囲における、このようなブレーキ操作装置のブレーキ圧力の調整を改善するために、本発明では、圧力源が連続的に調節可能な少なくとも１個のピストンシリンダユニット（９）として形成され、このピストンシリンダユニットの圧力室（１０）がマスターブレーキシリンダ（２）と車輪ブレーキ（７，８）に接続可能であることが提案される。

Description

【発明の詳細な説明】 電子制御可能なブレーキ操作装置 本発明は、請求項１の上位概念記載の電子制御可能なブレーキ操作装置に関す る。 このようなブレーキ操作装置は例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第３１２ ４７５５号公報によって知られている。公知のこのブレーキ操作装置の圧力源は 、ポンプと液圧アキュムレータと圧力媒体貯蔵容器とからなっている。この場合 、分離弁と流入弁と流出弁の機能は、多位置方向制御弁または４／４方向制御弁 によって達成される。この方向制御弁の入口ポートはポンプの送出側またはアキ ュムレータと圧力媒体貯蔵容器とデュアル回路状のマスターブレーキシリンダの 各々１つの圧力室に接続されている。一方、出口ポートには車輪ブレーキが接続 されている。単独アシストブレーキまたは圧力上昇の際に、４／４方向制御弁は その第１の接続位置に切換えられ、この第１の接続位置では、車輪ブレーキがマ スターブレーキシリンダから切り離され、圧力源に接続される。圧力保持相は第 ２の接続位置で達成される。この第２の接続位置では、車輪ブレーキがマスター ブレーキシリンダと圧力源から切り離される。圧力低下は第３の接続位置で行わ れる。この第３の接続位置では、車輪ブレーキと無圧の圧力媒体貯蔵容器とが接 続される。 公知のブレーキ操作装置の場合には、複雑な圧力源の使用に依る比較的に高い コストは別として、特に低い圧力範囲でのブレーキ圧力調整（配分）が不所望で ある。これは４／４方向制御弁の使用に起因する。 そこで、本発明の課題は、特にＡＢＳコントロールの際に上記の欠点が充分に 除去されるように、冒頭に述べた種類の電子操作可能なブレーキ操作装置を改良 することである。特に、低い圧力範囲でのブレーキ圧力調整を大幅に改善し、同 時に全体コストを低減すべきである。 この課題は本発明に従い、圧力源が連続的に調節可能な少なくとも１個のピス トンシリンダユニットとして形成され、このピストンシリンダユニットの圧力室 がマスターブレーキシリンダと車輪ブレーキに接続可能であることによって解決 される。この手段により、通常のブレーキング操作はピストンシリンダユニット によって同様に行われ、圧力保持相は、電流が通じていないときに開放する（Ｓ Ｏ）流入弁を操作することによって行われ、エネルギーが節約される。ブレーキ 圧力上昇速度は分離弁の操作を遅らせることによって高めることができる。 本発明によるブレーキ操作装置の他の有利な実施形は、従属請求項２〜１９か ら明らかである。 次に、図を参照して本発明の３つの実施の形態を詳しく説明する。図１，２， ３は、本発明によるブレーキ操作装置の第１と第２と第３の実施の形態の回路図 である。 図に示した電子制御可能な本発明によるブレーキ操作装置は、操作ペダル１に よって操作可能なデュアル回路状のマスターブレーキシリンダまたはタンデム式 マスターシリンダ２を備えている。このマスターブレーキシリンダは２個のピス トン３，４によって画成され互いに分離された圧力室５，６を備えている。この 圧力室は無圧の圧力媒体貯蔵容器３０に接続されている。第１の圧力室（一次圧 力室）５は、遮断可能な第１の液圧管路１１によって、特にデュアル回路状に形 成されたピストンシリンダユニット９に接続されている。このピストンシリンダ ユニットには、例えば前車軸に付設された車輪ブレーキ７と、後車軸に付設され た車輪ブレーキ８が接続されている。管路１１の遮断は第１の分離弁１６によっ て行われ、圧力室１０と車輪ブレーキ７，８の間の管路部分には、電磁操作可能 な、特に電流が通じていないときに（通常時に）開放する（ＳＯ）各々１個の流 入弁１２，１３が設けられている。更に、低圧アキュムレータ３６が圧力室１０ の方に開放する逆止弁１７を介して圧力室１０に接続されている。この低圧アキ ュムレータは電磁操作可能な、特に電流が通じていないときに閉じる（ＳＧ）各 々１個の排出弁１４，１５を介して、車輪ブレーキ７，８に接続可能である。 圧力センサ１８を接続することができるマスターブレーキシリンダ２の第２の 圧力室６は、第２の分離弁１９によって遮断可能な液圧管路２５を介して、ピス トンシリンダユニット９の第２の圧力室２０と、図示していない他の対の車輪ブ レーキに接続可能である。マスターブレーキシリンダ２の第２の圧力室６に接続 された液圧回路の構造は、第１のブレーキ回路１１に関連して説明した回路と同 一であるので、もはや説明する必要はない。 単独アシスト圧力源（外部圧力源）としての働きをする前述のピストンシリン ダユニット９は、タンデム構造の液圧シリンダ２１を備えている。この液圧シリ ンダ内には、前述の圧力室１０，２０を画成する２個のピストン２２，２３が摺 動可能に案内されている。この場合、第１のピストン２２は特に可逆の直流モー タ２４によって駆動可能である。 電子制御ユニット２６は直流モータ２４と電磁弁１２〜１５，１６，１９を一 緒に作動させるために役立つ。この制御ユニットには入力信号として、操作ペダ ル１と協働する操作変位センサ２９の出力信号と、前述の圧力センサ１８の出力 信号が供給され、これらの出力信号から、運転者が希望する減速度を認識するこ とができる。しかし、運転者が希望する減速度の認識のために、他の手段、例え ば操作ペダル１の操作力を感知する力センサを使用することができる。車両の速 度に対応する車輪センサの出力信号が、他の入力量として電子制御ユニット２６ に供給される。この場合、車輪ブレーキ７，８に付設された車輪センサには参照 符号２７，２８が付けてある。更に、回転角度電圧変換器３１が設けられている 。この回転角度電圧変換器は直流モータ２４のロータの角度位置を検出し、それ によってピストンシリンダユニット９のピストン２２，２３の位置を間接的に検 出することができる。 図１から判るように、操作ペダル１とマスターブレーキシリンダ２の間にシミ ュレータ３２が作用的に配置されている。このシミュレータは操作ペダル１に力 を伝達するように連結された、第１のマスターシリンダピストン３の一部を形成 するスリーブ３３と、このスリーブ３３内に配置されたシミュレータばね３４と によって形成されている。その際、シミュレータばね３４は軸方向において一方 ではピストン３に支持され、他方ではスリーブ３３に支持されている。 図１に示したブレーキ操作装置は次のように作用する。ブレーキ操作ペダル１ を踏むことによってブレーキ操作を開始すると、操作状態が操作変位センサ２７ によって認識され、電子制御ユニット２６に伝えられる。この電子制御ユニット の制御信号は弁１６，１９を切換え、それによってマスターシリンダ圧力室５， ６がピストンシリンダユニット９の圧力室１０，２０から分離される。圧力セン サ１８によって、運転者が希望する減速度の第２の報告が行われるかまたは実際 の圧力値の第２の設定基準値が電子制御ユニット２６に供給される。この電子制 御ユニットは直流モータ２４の制御信号を発生する。直流モータはピストン２２ ，２３を操作方向に摺動させ、それによって車輪ブレーキ７，８内の圧力を上昇 させる。目標値と実際値の調整は、ピストンシリンダユニット９の第１の圧力室 １０に接続された第２の圧力センサ３５を介して行われる。ブレーキングの際に 運転者によって感じられる普通のペダル感触は、シミュレータばね３４の圧縮に よって保証される。 圧力の低下は、ピストン２２，２３の戻りによって、事情によっては直流モー タ２４の回転方向を逆転することによって行われる。 ＡＢＳコントロールの場合には、余剰の圧力媒体を低圧アキュムレータ３６に 貯えることができる。コントロールすべき車輪において、流入弁１２，１３と流 出弁１４，１５を介して圧力を変更することができる。この場合、低圧アキュム レータ３６は逆止弁１７を経て、後退するピストンシリンダユニット９によって 空にされる。 トラクションスリップコントルールまたは走行安定性コントロールの際には、 分離弁１６，１９が閉鎖される。この場合、必要なブレーキ圧力はピストンシリ ンダユニット９によって生じる。圧力保持相は電流が通じていないとき開放する （ＳＯ）流入弁１２または１３を切り換えることによって行われる。電流が通じ ていないときに閉じる（ＳＧ）流出弁１４，１５を切換えることによってあるい は電流が通じていないときに閉じる（ＳＧ）流入弁１２，１３を切換え、同時に 直流モータ２４に供給される電流を減らすことによって、圧力を低下させること ができる。前述の逆止弁１７は、コントロールの後またはコントロール中に、ピ ストンシリンダユニット９の方への圧力媒体の還流を可能にする。 図２，３に示した本発明対象物の第２と第３の実施の形態の場合には、図１に 関連して述べたデュアル回路状のピストンシリンダユニット９の代わりに、単一 回路状の２個のピストンシリンダユニット１０９₁₁，１０９₂₁，１０９₁₂，１０ ９₂₂が使用される。その圧力室１１０₁₁，１１０₁₂または１２０₂₁，１２０₂₂は 一方では分離弁１６，１９を介してマスターブレーキシリンダ２の圧力室５，６ に接続され、他方では各々１対の車輪ブレーキに接続されている。 図２に示した第２の実施の形態の場合のブレーキ回路の分割（分配）は、図１ に示した第１の実施の形態のブレーキ回路分割に一致しているので、前車軸と後 車軸に付設された各々１個の車輪ブレーキ７，８が、ピストンシリンダユニット １０９₁₁，１０９₂₁の各々の圧力室１１０₁₁，１２０₂₁と協働する。その際、両 圧力室１１０₁₁，１２０₂₁の間には特に、圧力差電圧変換器３６が接続されてい る。 図３に示した第３の実施の形態の場合のブレーキ回路分割は特に、車両の後車 軸に付設された車輪ブレーキ１０８，１１０が第１のピストンシリンダユニット １０９₁₂の圧力室１１０₁₂に接続され、車輪ブレーキが流入弁と流出弁を介在し ないで圧力室１１０₁₂に接続されるように行われている。前車軸に付設された車 輪ブレーキ１０７，１０９は、各々１個の流入弁（１１２，１１３）と流出弁（ １１４，１１５）を介して、第２のピストンシリンダユニット１０９₂₂の圧力室 １２０₂₂に接続されている（黒−白−回路分割）。他の（斜めの）ブレーキ回路 分割は、特に第２の分離弁と第２のピストンシリンダユニット１０９₂₂の圧力室 １２０₂₂との間に挿入された、電流が通じていないときに閉じる（ＳＧ）電子操 作可能な弁３７を使用することによって可能である。 ブレーキ装置は電気自動車でブレーキエネルギーを回収するためにも適してい る。この場合、ピストンシリンダユニットの制御は遅延制御回路で行われる。こ の遅延制御回路は車両駆動装置によって生じるブレーキトルクの作用も考慮する 。前車軸に伝達可能な全体トルクを上回ると、ＳＯ弁が閉じ、最適なブレーキ力 分配が達成されるまで後車軸のブレーキ圧力が高まる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シール・ロタール ドイツ連邦共和国、Ｄ−65719 ホーフハ イム、アン・デア・タン、16

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．マスターブレーキシリンダと、このマスターブレーキシリンダと協働するシ ミュレータと、電子制御ユニットによって制御可能な圧力源とを備え、この圧力 源の圧力によって車両の車輪ブレーキに圧力を加えることができ、車輪ブレーキ が分離弁によって遮断可能な少なくとも１つの液圧接続部を介して、マスターブ レーキシリンダに接続可能であり、更に、運転者が希望する減速度を認識するた めの装置と、車輪ブレーキの手前に接続配置された各々１個の流入弁および流出 弁と、車輪の回転状態を検出する車輪センサとを備えている、自動車用の電子制 御可能なブレーキ操作装置において、圧力源が連続的に調節可能な少なくとも１ 個のピストンシリンダユニット（９，１０９₁₁，１０９₂₁，１０９₁₂，１０９₂₂ ）として形成され、このピストンシリンダユニットの圧力室（１０，２０，１１ ０₁₁，１２０₂₁，１１０₁₂，１２０₂₂）がマスターブレーキシリンダ（２）と車 輪ブレーキ（７，８，１０８，１１０，１０７，１０９）に接続可能であること を特徴とする電子制御可能なブレーキ操作装置。 ２．ピストンシリンダユニット（９）がデュアル回路状に形成され、第１の圧力 室（１０）に、第１の車軸に付設された一方の車輪ブレーキ（７）と第２の車軸 に付設された一方の車輪ブレーキ（８）が接続され、第２の圧力室（２０）に、 第１と第２の車軸に付設された他方の車輪ブレーキが接続されていることを特徴 とする請求項１記載の電子制御可能なブレーキ操作装置。 ３．圧力源が単一回路状の２個のピストンシリンダユニット（１０９₁₁，１０９₂₁ ）によって形成され、第１のピストンシリンダユニット（１０９₁₁）の圧力室 （１１０₁₁）に第１の車軸に付設された一方の車輪ブレーキ（７₁）と第２の車 軸に付設された一方の車輪ブレーキ（７₁）が接続され、第２のピストンシリン ダユニット（１０９₂₁）の圧力室（１２０₂₁）に、第１と第２の車軸に付設され た他方の車輪ブレーキが接続されていることを特徴とする請求項１記載の電子制 御可能なブレーキ操作装置。 ４．ピストンシリンダユニットがデュアル回路状に形成され、第１の圧力室に、 一方の車軸に付設された車輪ブレーキが接続され、第２の圧力室に、他方の車 軸に付設された車輪ブレーキが接続されていることを特徴とする請求項１記載の 電子制御可能なブレーキ操作装置。 ５．圧力源が連続的に調節可能な２個の単一回路状のピストンシリンダユニット （１０９₁₂，１０９₂₂）として形成され、このピストンシリンダユニットの圧力 室（１０₁₂，１２０₂₂）に、各々の車軸に付設された車輪ブレーキ（１０９，１ １０または１０７，１０８）が接続され、第１の車軸に付設された車輪ブレーキ （１０９，１１０）と第１のピストンシリンダユニット（１０９₁₂）との間の接 続部に、電流が通じていないときに閉じる（ＳＧ）弁（３７）が配置され、他方 の車軸に付設された車輪ブレーキ（１０７，１０８）が、流入弁と流出弁を介在 しないで接続されることを特徴とする請求項１記載の電子制御可能なブレーキ操 作装置。 ６．ピストンシリンダユニットが液圧シリンダによって形成され、この液圧シリ ンダのピストンが可逆の直流モータによって操作可能であることを特徴とする請 求項１〜５のいずれか一つに記載の電子制御可能なブレーキ操作装置。 ７．ピストンシリンダユニットが液圧シリンダによって形成され、この液圧シリ ンダのピストンが、弁制御式直線駆動装置または空気圧式直線駆動装置または液 圧式直線駆動装置によって操作可能であることを特徴とする請求項１〜６のいず れか一つに記載の電子制御可能なブレーキ操作装置。 ８．ピストンシリンダユニット（９）の圧力室（１０）が、圧力室（１０）の方 に開放する逆止弁（１７）を介して、低圧アキュムレータ（３６）に接続され、 車輪ブレーキ（７，８）が流出弁（１４，１５）によって低圧アキュムレータに 接続可能であることを特徴とする請求項１〜７のいずれか一つに記載の電子制御 可能なブレーキ操作装置。 ９．ピストンシリンダユニットと流入弁の間に圧力アキュムレータが配置されて いることを特徴とする請求項１〜８のいずれか一つに記載の電子制御可能なブレ ーキ操作装置。 10．マスターブレーキシリンダが操作ペダルによって操作可能である、、請求項 １〜９のいずれか一つに記載の電子制御可能なブレーキ操作装置において、運転 者が希望する減速度を認識するための装置が、操作ペダル（１）の操作変位 を検出する変位センサ（２９）と、マスターブレーキシリンダ（２）内に発生す る液圧を検出する圧力センサ（１８）との組み合わせによって形成されているこ とを特徴とする電子制御可能なブレーキ操作装置。 11．マスターブレーキシリンダが操作ペダルによって操作可能であり、シミュレ ータが弾性的に予備付勢された液圧シミュレータピストンによって形成されてい る、請求項１〜９のいずれか一つに記載の電子制御可能なブレーキ操作装置にお いて、運転者が希望する減速度を認識するための装置が、操作ペダル（１）の操 作変位を検出する第１の変位センサと、シミュレータピストンの変位を検出する 第２の変位センサとの組み合わせによって形成されていることを特徴とする電子 制御可能なブレーキ操作装置。 12．シミュレータ（３２）が操作ペダル（１）とマスターブレーキシリンダ（２ ）の間に作用するよう配置された圧縮ばね（３４）によって形成されていること を特徴とする請求項１〜１０のいずれか一つに記載の電子制御可能なブレーキ操 作装置。 13．運転者が希望する減速度を認識するための装置が、マスターブレーキシリン ダの圧力室に接続された２個の圧力センサによって形成されていることを特徴と する請求項１〜９のいずれか一つに記載の電子制御可能なブレーキ操作装置。 14．ピストンシリンダユニット（９）のピストン（２２）の位置を検出するため の手段（３１）が設けられていることを特徴とする請求項１〜１３のいずれか一 つに記載の電子制御可能なブレーキ操作装置。 15．ピストンシリンダユニット（１０９₁₁，１０９₂₁）の圧力室（１１０₁₂，１ ２０₂₁）の間に、圧力差電圧変換器（３６）が配置されていることを特徴とする 請求項３記載の電子制御可能なブレーキ操作装置。 16．ピストンシリンダユニットによって加えられる液圧を検出する圧力センサが 設けられていることを特徴とする請求項１〜１５のいずれか一つに記載の電子制 御可能なブレーキ操作装置。 17．低圧アキュムレータの変位を検出する変位センサまたは変位スイッチが設け られていることを特徴とする請求項７〜１６のいずれか一つに記載の電子制御 可能なブレーキ操作装置。 18．マスターブレーキシリンダとピストンシリンダユニットの間に圧力スイッチ が配置されていることを特徴とする請求項１〜１７のいずれか一つに記載の電子 制御可能なブレーキ操作装置。