JPH11506327A - 肝細胞増殖因子受容体拮抗剤とその使用法 - Google Patents

肝細胞増殖因子受容体拮抗剤とその使用法

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JPH11506327A JP8536672A JP53667296A JPH11506327A JP H11506327 A JPH11506327 A JP H11506327A JP 8536672 A JP8536672 A JP 8536672A JP 53667296 A JP53667296 A JP 53667296A JP H11506327 A JPH11506327 A JP H11506327A
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Abstract

(57)【要約】 肝細胞増殖因子(HGF)受容体拮抗剤を提供する。HGF受容体拮抗剤はHGF受容体抗体とそれらの断片を含む。HGF受容体拮抗剤はHGF受容体に対するHGFの結合をブロックし、実質的にHGF受容体活性を阻害することに用いられ得る。HGF受容体拮抗剤は製薬学的に許容できる組成物、製造物またはキット内に含まれ得る。HGF受容体拮抗剤を用いたガンの治療法もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 肝細胞増殖因子受容体拮抗剤とその使用法 発明の分野 本出願は肝細胞増殖因子受容体拮抗剤に関する。本出願はまた、ガンを含む哺 乳動物の特定の病理学上の病気の治療または診断への拮抗剤の使用法に関する。 発明の背景 肝細胞増殖因子(「HGF」)は特定の組織そして細胞のタイプに対して増殖因子と して機能する。HGFは始めに肝細胞のマイトジェンとして同定された[Michalopou los等,Cancer Res.,44:4414-4419(1984);Russel等,J.Cell.Physiol.,119:183 -192(1984);Nakamura等,Biochem.Biophys.Res.Comm.,122:1450-1459(1984)]。 Nakamura等,上記参照、は部分的に肝切除されたラットの血清からのHGFの精製 を報告した。その後、HGFはラット血小板から精製され、そのサブユニット構造 が決定された[Nakamura等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83:6489-6493(1986);Naka mura等,FEBS Letters,224:311-316(1987)]。ヒト血漿からのヒトHGF(「huHGF」) の精製は、Gohda等,J.Clin.Invest.,81:414-419(1988)により最初に記述された 。 「delta5 HGF」と表される5アミノ酸を欠失した天然で生じる変異体も含めて、 ラットHGFとヒトHGFの両方が分子的にクローン化されている[Miyazawa等,Bioch em.Biophys.Res.Comm.,163:967-973(1989);Nakamura等,Nature,342:440-443(1 989);Seki等,Biochem.Biophys.Res.Comm.,172:321-327(1990);Tashiro等,Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA,87:3200-3204(1990);Okajima等,Eur.J.Biochem.,193:3 75-381(1990)]。 ヒト血清から精製される主要な型に相当するhuHGFの成熟型は、アミノ酸R494 とV495の間のヒトプロホルモンのタンパク質分解切断によって由来するジスルフ ィド結合したヘテロ二量体である。この切断法により、440アミノ酸より成るα- サブユニット(分子量69kDa)と234アミノ酸より成るβ-サブユニット(分子量34kD a)を構成する分子を生ずる。huHGFのcDNAの核酸配列により、α-鎖とβ-鎖の両 方がプレ-プロ前駆体タンパク質をコードする単一のオープンリーディングフレ ーム内に含まれることが明らかとなった。天然のhuHGFの予想される一次構造で は、鎖内のS-S結合がα-鎖のCys 487とβ-鎖のCys 604の間で形成される[Nakamu ra等,Na ture,上記参照]。α-鎖のN末端に先行して、メチオニン基で始まる54アミノ酸が 存在する。この部分は特有な31残基の疎水性リーダー(シグナル)配列とプロ配列 を含む。α-鎖は55アミノ酸(aa)で始まり、4個のクリングルドメインを含む。ク リングル1ドメインはα-鎖の約aa128から約aa206にわたり、クリングル2ドメイ ンは約aa211と約aa288の間であり、クリングル3ドメインは約aa303から約aa383 にわたると定義され、クリングル4ドメインは約aa391から約aa464にわたる。 様々なクリングルドメインの定義は、他のタンパク質(プロトロンビンやプラ スミノーゲンのような)のクリングル様ドメインとのホモロジーに基づいてなさ れ、それゆえ、上述の限定は正確に近いというだけである。現在までのところ、 これらのクリングルの機能は決定されていない。huHGFのβ-鎖はセリンプロテア ーゼの触媒ドメインと高いホモロジーを示す(プラスミノーゲンセリンプロテア ーゼと38%のホモロジー)。しかしながら、セリンプロテアーゼの触媒三つ組を形 成する3つの残基のうち2つはhuHGFにおいて保存されていない。それゆえ、セリ ンプロテアーゼ様ドメインであるにもかかわらず、huHGFは触媒活性を持たない ようであり、β-鎖の正確な役割は未知のままである。HGFは4つの推定のグリコ シル化部位を含み、それらはα-鎖の294位と402位そしてβ-鎖の566位と653位に 位置する。ラットHGFの配列とhuHGFの配列の比較により、2つの配列は高く保存 され、同様の特有の構造的特徴を持つことが明らかにされている。ラットHGFに おける4つのクリングルドメインの長さはhuHGFにおけるものと正確に同じである 。さらに、システイン残基は正確に同じ位置にあり、これは同じ三次元構造を示 唆する[Okajima等,上記参照;Tashiro等,上記参照]。 ヒト白血球から単離されたcDNAの一部には、15ベースペアーのフレーム内欠失 が観察された。COS-1細胞内でのcDNA配列の一過性発現により、クリングル1ドメ イン内で5アミノ酸を欠失するHGF分子(delta5 HGF)をコードしたものは完全に機 能的であることが明らかとなった[Seki等,上記参照]。 天然に生じるhuHGF変異体は、成熟したhuHGFのN末端フィンガーと最初の2つの クリングルドメインに対するコーディング配列を含むhuHGF転写産物の選択的ス プライス型に相当するものであると同定されている[Chan等,Science,254:1382- 1385(1991);Miyazawa等,Eur.J.Biochem.,197:15-22(1991)]。HGF/NK2と表され るこの変異体は、ある研究者達によって、成熟huHGFの競合的な拮抗剤であると 提案 されている。しかしながら、Hartmann等はHGF/NK2がMDCK細胞の散乱を引き起こ す能力を保持しているかもしれないと報告している[Hartmann等,Proc.Natl.Aca d.Sci.,89:11574-11578(1992)]。 HGF/NK1と表されるもう一つのHGF変異体もまた、HGFの競合的な拮抗剤として 作用することが報告されている[Lokker等,J.Biol.Chem.,268:17145-17150(1993 );Lokker等,EMBO J.,11:2503-2510(1992)]。N末端ヘアピンと第一のクリング ルドメインを含むそのHGF/NK1分子は、A549ヒト肺ガン腫細胞のHGF受容体に対す るHGFの結合をブロックすることが見出された。しかしながら、特定の濃度のHGF /NK1がA549細胞内の受容体チロシンリン酸化の検出可能な増大を引き起こすこと も見出され、これは作用剤活性を示唆した。従って、HGF/NK1の作用剤または拮 抗剤作用は細胞のタイプに依存するであろうと思われる。 HGFとHGF変異体は米国特許第5,227,158、5,316,921そして5,328,837にさらに 記述されている。 HGFに対する高アフィニティー受容体はc-Met原ガン遺伝子の産物として同定さ れている[Bottaro等,Science,251:802-804(1991);Naldini等,Oncogene,6:501 -504(1991);1992年8月6日に印刷されたWO 92/13097;1993年8月19日に印刷され たWO 93/15754]。この受容体は普通「c-Met」または「p190MET」として表されてお り、典型的には天然型では190kDaのヘテロ二量体(50kDaのα-鎖と145kDaのβ-鎖 をジスルフィド結合で結合した)の膜貫通チロシンキナーゼタンパク質を含む[Pa rk等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84:6379-6383(1987)]。c-Met受容体のいくつか の切り詰められた型も記述されている[WO 92/20792;Prat等,Mol.Cell.Biol.,1 1:5954-5962(1991)]。 HGFのc-Metに対する結合活性は、最初の2つのクリングルを含むHGF分子のN末 端部分に位置する機能的ドメインにより導かれる[Matsumoto等,Biochem.Biophy s.Res.Commun.,181:691-699(1991);Hartmann等,Proc.Natl.Acad.Sci.,89:1157 4-11578(1992);Lokker等,EMBO J.,11:2503-2510(1992);LokkerとGodowski,J. Biol.Chem.,268:17145-17150(1991)]。c-Metタンパク質はHGFの結合により145kD aのβ-サブユニットのチロシン残基がリン酸化する。 HGF受容体に対する特定の抗体は文献に報告されている。いくつかの該抗体を 以下に記述する。 Prat等,Mol.Cell.Biol.,上記参照は、c-Met遺伝子がコードするβ-鎖の細胞 外ドメインに特異的ないくつかのモノクローナル抗体を記述している[WO 92/207 92も参照]。モノクローナル抗体はMetタンパク質を大量発現している完全に生育 しているGTL-16細胞(ヒト胃ガン腫細胞系)を用いたBalb/cマウスの免疫化の後選 択された。免疫化されたマウスから得た脾臓細胞をAg8.653ミエローマ細胞と融 合し、ハイブリドーマ上清をGTL-16細胞との結合によりスクリーニングした。DL -21,DN-30,DN-31そしてDO-24として表される4つのモノクローナル抗体が選択さ れた。 Prat等,Int.J.Cancer,49:323-328(1991)は、ヒト正常組織と新生物の組織内 のc-Metタンパク質の局在を検出するために抗-c-Metモノクローナル抗体DO-24を 使用することを記述している[Yamada等,Brain Research,637:308-312(1994)も 参照]。ネズミモノクローナル抗体DO-24はIgG2aイソタイプ抗体であると報告さ れている。 Crepaldi等,J.Cell Biol.,125:313-320(1994)は、上皮組織とMDCK細胞単層内 のHGF受容体の非細胞の局在を同定するためにモノクローナル抗体DO-24とDN-30[ Prat等,Mol.Cell.Biol.,上記参照に記述されている]、そしてモノクローナル抗 体DQ-13を使用することを報告している。Crepaldi等によれば、モノクローナル 抗体DQ-13はヒトc-Met配列の19のCOOH末端アミノ酸(Ser1372からSer1390)に相当 するペプチドに対して集合した。 ヒトc-Metの細胞質ドメインに特異的なモノクローナル抗体もまた記述されて いる[Bottaro等,上記参照]。 上記示したモノクラーナル抗体のいくつかは、Upstate Biotechnology Incorp orated,レークプラシッド、ニューヨークから商業的に入手可能である。c-Met の細胞外エピトープに特異的なモノクローナル抗体DO-24とDL-21は、Upstate Bi otechnology Incorporatedから入手可能である。c-Metの細胞内エピトープに特 異的なモノクローナル抗体DQ-13もまた、Upstate Biotechnology Incorporated から入手可能である。 c-Metへの結合に加えて、HGFは細胞表面または細胞外マトリックスに存在する 、あるヘパリンおよびヘパラン硫酸プロテオグリカンと結合することが認識され ている[Rouslahti等,Cell,64:867-869(1991);Lyon等,J.Biol.Chem.,269:1121 6-11223(1994)]。ヘパラン硫酸はヘパリンと組成と構造において等しいグリコサ ミノグリカンであり、多くの哺乳動物細胞表面に見出される。特定の増殖因子活 性 の調節におけるヘパリン及びヘパラン硫酸プロテオグリカン(「HPSGs」)の役割を 説明するために、様々な仮説が提案されている。例えば、ヘパリンまたはHSPGs を結合する場合、特定の増殖因子はそれら各自の高アフィニティー受容体と結合 するためにより好ましい構造をとるという仮説[Lindahl等,Annual Rev.Biochem .,47:385-417(1995)];HSPGsは特定の増殖因子の高アフィニティー受容体に対す るリガンドの提示を促進する特定の増側因子に対するドッキング部位として機能 するという仮説[Yayon等,Cell,64:841-848(1991);Moscatelli等,J.Biol.Chem .,267:25803-25809(1992);Nugent等,Biochemistry,31:8876-8883(1992)];そ してHSPGsは受容体活性を促進するリガンドの二量体化を促進するという仮説[Or nitz等,Mol.Cell.Biol.,12:240-247(1992);Spivak-Kroizman等,Cell,79:1015 -1024(1994)]が設けられている。さらに、ヘパリンに結合すると特定の増殖因子 はタンパク質分解活性[Damon等,J.Cell.Physiol.,138:221-226(1989);Mueller 等,J.Cell.Physiol.,140:439-448(1989);Rosengart等,Bichem.Biophys.Res.C ommun.,152:432-440(1989)]そして変性[Copeland等,Arch.Biochem.Biophys.,28 9:53-61(1994)]に対してより安定で耐性になることが仮定されている。 HGFと水溶性ヘパリンおよび他のヘパリン様分子を共にインキュベートすると 、HGFの二量体化/オリゴマー化を促進し、HGFのマイトジェン活性を強化するこ とが報告されている[例えば、1995年3月16日に印刷されたWO 94/09969;Zionche ck等,J.Biol.Chem.,270:16871-16878(1995)を参照]。 Mizuno等はHGF分子内のヘパリン結合部位を探し当てることを試みる実験を記 述している[Mizuno等,J.Biol.Chem.,269:1131-1136(1994)]。Mizuno等は様々な 欠失変異体HGFs[d-K1(第一のクリングルドメインの欠失);d-K2(第二のクリング ルドメインの欠失);d-K3(第三のクリングルドメインの欠失);d-K4(第四のクリ ングルドメインの欠失);d-beta(ベータ鎖の欠失);d-H(N末端ヘアピンループの 欠失);そしてHK1K2(N末端ヘアピンループと第一および第二のクリングルドメイ ンから構成される)を構成し、固定したヘパリンカラムに対するそれら各自の結 合を調べた。その文献は、d-Hとd-K2変異体はヘパリンアフィニティーカラムへ の結合を減少することを示し、その一方天然のHGFとその他の構成HGF変異体はヘ パリンカラムに固く結合することを報告している。 HGFとc-Met受容体に対しては、様々な生物学的活性が記述されている[一般的 に は、GoldbergとRosen編、Birkhauser Verlag-Basel(1993),pp.67-79のChan等,H epatocyte Growth Factor-Scatter Factor(HGF-SF)and the C-Met Receptor参照 ]。肝機能不全の患者の血漿[Gohda等,上記参照]および実験的に誘発した肝損傷 の動物の血漿[Lindroos等,Hepatol.,13:734-750(1991)]または血清[Asami等,J .Biochem.,109:8-13(1991)]では、HGFの濃度が増大することが観察されている。 この反応の動態は通常迅速で、肝再生の間のDNA合成の第一周より先に起こる。H GFはまたメラノサイト、腎管状細胞、角質細胞、特定の内皮細胞そして上皮由来 の細胞を含む、特定の細胞のタイプに対してマイトジェンとなることが示されて いる[Matsumoto等,Biochem.Biophys.Res.Commun.,176:45-51(1991);Igawa等, Biochem.Biophys.Res.Commun.,174:831-838(1991);Han等,Biochem.,30:9768-9 780(1991);Rubin等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:415-419(1991)]。HGFとc-Met 原ガン遺伝子の両方がCNS傷害に対するミクログリア反応において役割を果たす ことが仮定されている[DiRenzo等,Oncogene,8:219-222(1993)]。 HGFはまたin vitroで上皮および血管内皮細胞の解離を促進する活性をもつ「散 乱因子」としても作用しうる[Stoker等,Nature,327:239-242(1987);Weidner等 ,J.Cell Biol.,111:2097-2108(1990);Naldini等,EMBO J.,10:2867-2878(1991 );Giordano等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:649-653(1993)]。更に、HGFは最近 上皮モルフォジェンとして記述されている[Montesano等,Cell,67:901-908(1991 )]。その結果、HGFは腫瘍侵入において重要であると仮定される[GoldbergとRose n編、Birkhauser Verlag-Basel(1993),pp.131-165のComoglio,Hepatocyte Grow th Factor-Scatter Factor(HGF-SF)and the C-Met Receptor]。Bellusci等,Onc ogene,9:1091-1099(1994)は、HGFがNBT-II膀胱ガン腫細胞の運動性と侵入性を促 進し得ることを報告している。 c-Met RNAはいくつかのネズミミエローマ前駆腫瘍細胞系において検出されて いる[Iyer等,Cell Growth and Differentiation,1:87-95(1990)]。さらに、c-M etは様々なヒト固形腫瘍において発現される[Prat等,Int.J.Cancer,上記参照] 。c-Metガン遺伝子の大量発現もまた、濾胞性上皮由来の甲状腺腫瘍の病因と進 行において役割を果たしていることを示唆している[DiRenzo等,Oncogene,7:254 9-2553(1992)]。慢性的c-Met/HGF受容体活性化もまた、特定の悪性腫瘍において 観察されている[Cooper等,EMBO J.,5:2623(1986);Giordano等,Nature,339:15 5(19 89)]。 上記疾患または病理学上の病気を強化しまたは促進するHGFおよび/またはc-Me tの役割の故に、HGFとc-Metの一つかそれ以上の生物学的効果を実質的に減少ま たは阻害する手段を持つことは有用であろう。 発明の概要 本発明はHGF受容体に特異的に結合することができるHGF受容体拮抗剤を提供す る。好ましいHGF受容体拮抗剤はHGFのマイトジェン、モートジェン(遊走または 散乱)または他の生物学的活性あるいはHGF受容体活性化を実質的に減少または阻 害することができ、それゆえガンのような様々な疾患と病理学上の病気の治療に 有用である。本発明の一つの実施態様として、HGF受容体拮抗剤は抗体である。 好ましくはこの拮抗剤はモノクローナル抗体であり、より好ましくはモノクロー ナル抗体のFab断片である。 本発明はまた、HGF受容体拮抗剤モノクローナル抗体を生産するハイブリドー マ細胞系も提供する。 本発明はまた、図1A(SEQ ID NO:1)と図1B(SEQ ID NO:2)のアミノ酸配列を含む 単離したポリペプチドを含むHGF受容体拮抗剤も提供する。図1A(SEQ ID NO:1)と 図1B(SEQ ID NO:2)のアミノ酸配列より成るポリペプチドは、ここで記述するモ ノクローナル抗体5D5FabのそれぞれL鎖とH鎖に相当する。 本発明はまた、もう一つのヘテロ構造のポリペプチドまたはポリマーと結合ま たは融合したHGF受容体拮抗剤を含むキメラ分子も提供する。該キメラ分子の例 として、アルブミン配列またはポリエチレングリコール(「PEG」)配列と結合また は融合したHGF受容体拮抗剤アミノ酸配列を含むものがある。 さらに本発明は、HGF受容体拮抗剤をコードする単離した核酸分子を提供する 。一面では、核酸分子はHGF受容体拮抗剤をコードするRNAまたはDNAであり、該H GF受容体拮抗剤をコードする核酸配列と相補的であり、厳格なコンディションの 下でそれと安定に結合したままのものである。一つの実施態様として、核酸配列 は以下のものから選択される: (a)残基1から残基220(すなわちヌクレオチド1から660;SEQ ID NO:3)を包括的 に コードする図1Aの核酸配列; (b)残基1から残基230(すなわちヌクレオチド1から690;SEQ ID NO:4)を包括的 にコードする図1Bの核酸配列;または (c)遺伝学的コードの縮重の範囲内にある(a)または(b)の配列に相当する核酸 配列。 本発明はまた、ベクターを用いてトランスフェクトまたはトランスフォームさ れたホスト細胞によって認識されるコントロール配列(類)と実施可能に結合され たHGF受容体拮抗剤をコードする核酸分子を含む複製可能な該ベクターも提供す る。ベクターまたは核酸分子(類)を含むホスト細胞もまた提供される。さらに核 酸分子(類)を含むホスト細胞の培養と、ホスト細胞カルチャーからのタンパク質 の回収を含むHGF受容体拮抗剤の生産法が提供される。 本発明はまた、製薬学的に許容できるキャリアー内の一つかそれ以上のHGF受 容体拮抗剤を含む製薬学的合成物も提供する。一つの実施態様として、製薬学的 合成物は製品の商品またはキットを含むであろう。 本発明はまた、HGF受容体活性化の阻害法を含む、HGF受容体拮抗剤の使用法も 提供する。 さらに本発明は、ガンを持っていると診断された哺乳動物に対する効果的な量 のHGF受容体拮抗剤の投与法を含むガンの治療法も提供する。HGF受容体拮抗剤は 単独で哺乳動物に投与されてもよいし、代わりに抗ガン剤のような他の治療試薬 と組み合わせて哺乳動物に投与されてもよい。 拮抗剤はHGF受容体に対するHGFの結合をブロックするまたはHGF受容体の活性 化を実質的に妨害するために用いられ得ると考えられ、それによってHGF受容体( 類)に対するHGFの結合と関連するまたはHGF受容体(類)の活性化と関連する病理 学上の病気を治療することができる。 図面の簡単な説明 図1Aと1Bはそれぞれモノクローナル抗体5D5FabのL鎖(図1A)とH鎖(図1B)のアミ ノ酸配列を示す。 図2はモノクローナル抗体1A3.3.13によるc-Met-IgG融合タンパク質に対するHG Fの結合の阻害を示すグラフである。 図3は増殖アッセイにおけるヒト乳房上皮細胞に対するモノクローナル抗体3D 6,6G1そして1A3.3.13の刺激効果を示す棒グラフである。 図4は増殖アッセイにおけるミンク肺細胞に対するモノクローナル抗体3D6,05- 237そして05-238の刺激効果を示す棒グラフである。 図5は増殖アッセイにおけるBaF3-hmet.8細胞に対するモノクローナル抗体1A3. 3.13Fabの阻害効果を示す棒グラフである。 図6Aと6Bはc-Metを発現しているBaF3-hmet.8細胞に対するモノクローナル抗体 5D5の結合特異性を示すFACS解析グラフである。 図7はモノクローナル抗体5D5と5D5Fabによるc-Met-IgG融合タンパク質に対す るHGFの結合の阻害を示すグラフである。 図8Aと8Bは増殖アッセイにおけるBaF3-hmet.8細胞に対する5D5Fabの阻害効果 を示すグラフである。 図9はc-Metを発現しているヒト胸部ガン腫細胞系(MDA-MB-435)に対する5D5Fab の阻害効果を示す棒グラフである。 図10Aと10Bはc-Metチロシンリン酸化に対する5D5Fabの阻害効果を示す棒グラ フである。 図11A-11Cはヘパリンの存在下、非存在下で行った増殖アッセイにおけるBaF3- hmet.8細胞に対するNK1(図11A),5D5Fab(図11B)そして5D5FabとrhuHGF(図11C)の 阻害効果を比較するグラフである。 図12はキメラ5D5Fabの発現のためのディスシストロニックオペロンを含むプラ スミドp5D5の制限地図である。 図13は組換え5D5Fabによるc-Met-IgG融合タンパク質に対するHGFの結合の阻害 を示すグラフである。 図14A-14Dはヘパリンの存在下、非存在下で行った増殖アッセイにおけるBaF3- hmet.8細胞に対する組換え5D5Fabと組換え抗VEGFFab(コントロールFab)の阻害効 果を比較するグラフである。 発明の詳細な説明 I.定義 ここで用いられている「肝細胞増殖因子」および「HGF」なる語は、典型的には6個 のドメイン(フィンガー、クリングル1、クリングル2、クリングル3、クリングル 4そしてセリンプロテアーゼドメイン)を持つ構造をとり、以下に記述するように HGF受容体と結合する性質を持つ増殖因子を示す。「肝細胞増殖因子」および「HGF」 なる語は、ヒト(「huHGF」)と非ヒト哺乳動物種由来の肝細胞増殖因子を含み、特 にラットHGFを含む。ここで用いられている語は、成熟、プレ、プレ-プロそして プロ型、天然由来の精製または単離されたもの、化学的に合成されたものまたは 組換え的に生産されたものを含む。ヒトHGFはMiyazawa等,1989,上記参照または Nakamura等,1989,上記参照によって印刷されたcDNA配列によってコードされて いる。Miyazawa等とNakamura等によって報告された配列は、14アミノ酸において 異なっている。差異の理由は完全にははっきりしていない;多型またはクローニ ングアーティファクトが可能性としてある。両配列は上述の語によって特に包含 されている。各個体のアミノ酸配列における一つかそれ以上のアミノ酸の差異に よって示されるように、天然の対立遺伝子バリエーションが存在し個体間で生じ ていると理解されよう。本発明のHGFは好ましくは天然の哺乳動物HGFと少なくと も約80%の配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%の配列同一性そしてさ らにより好ましくは少なくとも約95%の配列同一性をもつ。「肝細胞増殖因子」お よび「HGF」なる語は、Seki等,上記参照によって開示されたようなdelta5 huHGF を特に含む。 ここで用いられている「HGF受容体」と「c-Met」なる語は、HGFに対する細胞の受 容体を示し、それは典型的には細胞外ドメイン、膜貫通ドメインそして細胞内ド メインを含み、HGFを結合する能力を保持しているそれらの変異体と断片をも含 む。「HGF受容体」と「c-Met」なる語は、フルレングスを含むポリペプチド分子を含 み、天然のアミノ酸配列はp190METのように様々に知られている遺伝子によって コードされている。本定義はHGF受容体の可溶性型、天然由来のHGF受容体、in v itro合成的に生産されたものまたは組み替えDNA技術を含む遺伝学的操作によっ て得られたものを特に包含する。HGF受容体変異体または断片はRodrigues等,Mo l.Cell.Biol.,11:2962-2970(1991);Park等,Proc.Natl.Acad.Sci.,84:6379-638 3(1987);またはPonzetto等,Oncogene,6:553-559(1991)に印刷されたヒトc-Met アミノ酸配列のいかなるドメインとも好ましくは少なくとも約65%の配列同一性 、より好ましくは少なくとも約75%の配列同一性を占める。 「5D5Fab」なる語は、図1A(SEQ ID NO:1)に示されたアミノ酸配列の1から220ア ミノ酸残基と図1B(SEQ ID NO:2)に示されたアミノ酸配列の1から230アミノ酸残 基を含み、それらの生物学的に活性のある欠失、挿入または置換変異体をも含む ポリペプチドを示すものとしてここで用いられる。好ましい実施態様としては、 5D5Fabはモノクローナル抗体5D5FabのそれぞれL鎖とH鎖に相当する図1Aと1Bに示 されるアミノ酸配列より成る。さらなる好ましい実施態様としては、生物学的に 活性のある変異体は上述の配列と少なくとも約80%の配列同一性、より好ましく は少なくとも約90%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約95%の配 列同一性をもつ。本定義はここで記述されるモノクローナル抗体5D5のパパイン 切断のような抗体由来で得られた5D5Fab、または例えば以下の実施例13に記述さ れている組換え法または合成法によって調製された5D5Fabを包含する。 ここで用いられている「タグを付けたエピトープ」なる語は、「タグポリペプチ ド」と融合したHGF受容体拮抗剤またはそれらの一部を含むキメラポリペプチドを 示す。タグポリペプチドは抗体を生産するときのエピトープを供給するために十 分な残基をもち、しかし拮抗剤の活性を妨害しないよう十分に短い。タグポリペ プチドはまた好ましくは抗体が他のエピトープと実質的に交差反応しないように 全く独特でもある。適したタグポリペプチドは一般的には少なくとも6アミノ酸 残基をもち、通常約8から約50の間のアミノ酸残基(好ましくは約10から約20の間 の残基)をもつ。 ここで用いられている「サルベージ受容体結合エピトープ」なる語は、IgG分子 のin vivoでの半減期を増大する原因であるIgG分子(例えばIgG1,IgG2,IgG3また はIgG4)のFc部位のエピトープを示す。 ここで開示されている様々なポリペプチドを記述するのに用いられている「単 離した」なる語は、自然界の構成要素から同定されて分離されおよび/または回収 されたポリペプチドを意味する。自然界の混合した構成要素は、ポリペプチドの 診断または治療用途を典型的には妨害するであろう物質であり、酵素、ホルモン そして他のタンパク質性または非タンパク質性溶液を含むであろう。好ましい実 施態様としては、ポリペプチドは(1)スピニングカップシークエネーターの使用 によりN末端または内部のアミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程 度に、(2)クマシーブルーまたは銀染色を用いる非還元または還元状態の下でのS DS-PAG Eによって均質に精製されるであろう。HGF受容体拮抗剤自然界の少なくとも一つ の構成要素が存在しないであろうから、単離したポリペプチドは組換え細胞内で のIn situのポリペプチドを含む。しかしながら普通は、単離したポリペプチド は少なくとも一つの精製工程によって調製されるであろう。ここで均質とは他か ら由来するタンパク質とポリペプチドとの約5%以下の混合を意味する。 「単離した」HGF受容体拮抗剤核酸分子は、通常はHGF受容体拮抗剤核酸の天然の ソースとして関連している少なくとも一つの混合した核酸分子から同定され分離 された核酸分子である。単離したHGF受容体拮抗剤核酸分子は天然で見出される 形態と場所以外のものである。それゆえ単離したHGF受容体拮抗剤核酸分子は天 然の細胞内に存在するようなHGF受容体拮抗剤核酸分子とは区別される。しかし ながら単離したHGF受容体拮抗剤核酸分子は、例えば核酸分子が染色体の位置に おいて天然の細胞のものとは異なるHGF受容体拮抗剤を通常は発現する細胞内に 含まれるHGF受容体拮抗剤核酸分子を含む。 「コントロール配列」なる語は、特定のホスト生物内で実施可能に結合したコー ド配列の発現のために必要なDNA配列を示す。原核生物に適したコントロール配 列は、例えばポロモーター、必要であればオペレーター配列そしてリボソーム結 合部位を含む。真核生物細胞はプロモーター、ポリアデニレーションシグナルそ してエンハンサーが知られている。 核酸がさらなる核酸配列との機能的な関連内に置かれたとき、核酸は「実施可 能に結合」している。例えばプレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、もしそ れが配列の転写に作用すれば、ポリペプチドのためのDNAと実施可能に結合して いる;またはリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を促進するために正しい場 所に置かれていれば、コード配列と実施可能に結合している。一般的に「実施可 能に結合」とは、結合されているDNA配列が隣接し、分泌リーダーの場合には隣接 しそしてリーディングフレーム内にあることを意味する。しかしながらエンハン サーは隣接している必要はない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションによ って成し遂げられる。もし該部位が存在しなかったなら、合成オリゴヌクレオチ ドアダプターまたはリンカーをありきたりの実施にしたがって用いる。 「アミノ酸(類)」なる語は、全て天然で生じているL-α-アミノ酸を示す。本定 義はノルロイシン、オルニチンそしてホモシステインを含むことを意味する。ア ミ ノ酸はそれぞれ1文字または3文字の名称で表される: 配列リストと図では、特定の他の1文字または3文字名称が、アミノ酸配列の特 定の位置で2つかそれ以上のアミノ酸を示し表すために用いられる。例えばSEQ I D NO:2のアミノ酸残基1では、3文字名称の"Glx"が残基1ではアミノ酸がグルタミ ンまたはグルタミン酸であることを表すために用いられている。 配列リストと図で示されているヌクレオチド塩基は"A"(アデニン)、"C"(シト シン)、"G"(グアニン)、"T"(チミン)そして"S"(シトシンまたはグアニン)を含む 。 「ヘパリン」なる語は、ある広い意味で用いられ、硫酸化した直鎖状のアニオン 性のムコ多糖の異種のグループを示し、しばしばグリコサミノグリカンとして示 される。他のものも存在するかもしれないが、ヘパリン内の主要な糖は以下のも のである:α-L-イズロン酸=2-スルフェート、2-デオキシ-2-スルファミノ-α- グルコース=6-スルフェート、ベータ-D-グルクロン酸、2-アセタミド-2-デオキ シ-α-グルコースそしてL-イズロン酸。これらと随意に他の糖は典型的にはグリ コシド結合で結合されている。ヘパリンの分子量は典型的には由来するものと分 子量測定法に依存して約6,000から約20,000Daまで変わる。ヘパリンはいくつか の哺乳動物種において様々な細胞と組織、特に肝臓と肺の天然の構成物である。 ここで用いられている「ヘパリン非依存性」なる語は、ヘパリンを結合する能力 を実質的に減少しているまたはヘパリンあるいはヘパラン硫酸とプロテオグリカ ンを含むヘパリン様グリコサミノグリカンを結合することができないHGF受容体 拮抗剤を表す。HGF受容体拮抗剤がヘパリン非依存性かどうかの決定は、過度の 実験 の必要なく当業者により決定される。ヘパリン非依存性は例えば、実施例に記述 されているようにヘパリンの存在下で拮抗剤のHGFブロッキング活性をアッセイ すること、そして分子の活性を観測することによって決定することができる。 ここで用いられている「作用剤」と「作用剤的」なる語は、HGFの生物学的活性ま たはHGF受容体活性化を直接間接に実質的に誘発、促進または高めることができ る分子を示しまたは表す。 ここで用いられている「拮抗剤」と「拮抗剤的」なる語は、HGFの生物学的活性ま たはHGF受容体活性化を直接間接に実質的に打ち消す、減少するまたは阻害する ことができる分子を示しまたは表す。 ここで用いられている「HGFの生物学的活性」なる語は、HGFのマイトジェン、モ ートジェン、モルフォジェン活性またはHGFがHGF受容体と結合する結果として生 じるいかなる活性をも示す。「HGF受容体活性化」なる語は、HGF受容体の二量体化 またはHGF受容体誘発性チロシンキナーゼ活性を示す。HGF受容体活性化はHGFがH GF受容体と結合する結果として生じるであろうが、代わりにいかなるHGFのHGF受 容体との結合とも非依存的に生じることもあろう。HGFの生物学的活性は例えば 、肝細胞増殖促進のin vitroまたはin vivoアッセイにおいて測定されよう。初 代培養の大人のラット肝細胞が肝細胞増殖に対するHGFの効果を試験するのに用 いられている。よって、HGF受容体拮抗剤の効果は初代培養のラット肝細胞のDNA 合成を誘発するHGFの能力を試験するのに適したアッセイで測定することができ る。ヒト肝細胞は正常ラット肝細胞の初代培養の調製のために確立された方法と 同様に培養することができる。代わりに、HGF受容体拮抗剤の効果は実施例4と5 に記述されているミンク肺細胞またはヒト乳房上皮細胞のような、HGF受容体(類 )を発現している他のタイプの細胞のDNA合成を誘発するHGFの能力を試験するの に適したアッセイで測定することができる。DNA合成は例えば、DNAへの3H-チミ ジンの取り込みを測定することによってアッセイすることができる。HGF受容体 拮抗剤の有効性は増殖とDNAへの3H-チミジンの取り込みをブロックする能力によ って測定することができる。HGF受容体拮抗剤の効果はまた動物モデルでin vivo で試験することができる。 「抗体」なる語はある広い意味でここで用いられ、完全な免疫グロブリンまたは 抗体分子、ポリクローナル抗体、多特異性抗体(すなわち、少なくとも2つの完 全 な抗体から構成される二特異性抗体)そしてここで記述されている望ましい拮抗 剤的性質のいくらかを示す範囲で、免疫グロブリン断片(Fab,F(ab')2またはFvの ような)を含む。抗体は典型的には特異的な抗原に対する結合特異性を示すタン パク質またはポリペプチドである。天然の抗体は通常2つの同一のL鎖と2つの同 一のH鎖より構成されるヘテロ四量体の糖タンパク質である。典型的には、各L鎖 は一つの共有結合のジスルフィド結合でH鎖と結合しており、一方ジスルフィド 結合の数は異なる免疫グロブリンイソタイプのH鎖間で様々である。各H鎖とL鎖 はまた一様に間隔を空けた鎖間ジスルフィド架橋をもつ。各H鎖は一方の端に可 変ドメイン(VH)をもち、それにたくさんの定常ドメインが続く。各L鎖は一方の 端に可変ドメイン(VL)、もう一方の端に定常ドメインがある;L鎖の定常ドメイ ンはH鎖の最初の定常ドメインと一直線上に並び、L鎖の可変ドメインはH鎖の可 変ドメインと一直線上に並ぶ。特定のアミノ酸残基がL鎖とH鎖の可変領域間の界 面を形成していると考えられている[Chothia等,J.Mol.Biol.,186:651-663(1985 );NovotnyとHaber,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:4592-4596(1985)]。どんな脊 椎動物由来の抗体のL鎖でも、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カ ッパ(κ)とラムダ(λ)と呼ばれる2つの明らかに区別されるタイプに割り当てる ことができる。H鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して、免疫グロブリン は異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンには5つの主要なク ラスがある:IgA,IgD,IgE,IgGそしてIgM、およびこれらのいくつかはさらにサブ クラス(イソタイプ)、例えばIgG-1、IgG-2,IgG-3そしてIgG-4;IgA-1とIgA-2に分 けられる。免疫グロブリンの異なるクラスに相当するH鎖の定常ドメインは、そ れぞれα、デルタ、イプシロン、γそしてμと呼ばれる。 「抗体断片」とは完全な抗体の一部、一般的には完全な抗体の抗原結合部位また は可変部位を含む。抗体断片の例として、Fab,Fab',F(ab')2そしてFv断片、ディ アボディ、単一鎖抗体分子そして抗体断片から形成される多特異的抗体が含まれ る。 「可変」なる語は抗体間の配列において異なる可変ドメインの特定の部分を 表すのにここでは用いられ、特定の抗原に対する各特定の抗体の結合と特異性に おいて用いられる。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメインを通して通常は 均一には配置されていない。典型的にはL鎖とH鎖の両可変ドメイン内の相補性決 定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる3個所に集中している。可変ドメインの より高く保存されている部分はフレームワーク(FR)と呼ばれている。天然のH鎖 とL鎖の可変ドメインはそれぞれ、主にβ-シート構造を採用する4つのFR領域を 含み、それにβ-シート構造と接続しているそしてある場合にはβ-シート構造の 一部を構成するループを形成する、3つのCDRが接続している。各鎖のCDRはFR領 域によって極めて接近して共に維持されており、他の鎖のCDRと共に抗体の抗原 結合部位の形成に寄与している[Kabat、E.A.等,Sequences of Proteins of Immu nological Interest,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1987)]。定 常ドメインは抗原に対する抗体の結合には直接には含まれないが、抗体依存性細 胞毒性における抗体の参加のような様々なエフェクター機能を示す。 ここで用いられている「モノクローナル抗体」なる語は、実質的に均一の抗体の 個体群から得られた抗体を示す、すなわち個体群に含まれる個々の抗体が少量存 在するであろう考えられる天然に生じる突然変異を除いて均一であるものを示す 。ここでいうモノクローナル抗体は、H鎖および/またはL鎖の一部が特定の種由 来の抗体内の配列に相当するもの、または特定の抗体のクラスまたはサブクラス に属するものと同一または相同であり、一方鎖(類)の残りの部分はもう一つの種 由来の抗体内の配列に相当するもの、またはもう一つの抗体のクラスまたはサブ クラスに属するものと同一または相同である「キメラ」抗体を含み、望ましい拮抗 剤的活性を示す範囲で該抗体の断片をも含む[米国特許第4,816,567号;Morrison 等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984)]。 ここで用いられている「ガン」と「ガンの」なる語は、典型的に非制御細胞増殖に よって特徴付けられる哺乳動物内の生理学的病気を示しまたは表す。ガンの例と しては、ガン腫、リンパ腫、肉腫、芽腫そして白血病を含むがそれに限られない 。該ガンのより好ましい例としては、扁平上皮細胞ガン腫、肺ガン(小細胞と非 小細胞)、胃腸ガン、肝臓ガン、腎臓ガン、脾臓ガン、頭部ガン、膀胱ガン、肝 腫瘍、胸部ガン、結腸ガンそして頭と首のガンを含む。ここで用いられている「 ガン」なる語が病気のいかなる一つの特別な形態に限定されない一方、本発明の 方法は哺乳動物内におけるHGFの増大した濃度またはHGF受容体の大量発現あるい は活性化を伴うことが見出されるガンに特に効果的であろう。 ここで用いられている「治療」なる語は、治癒力のある治療、予防治療そして予 防的治療を示す。 ここで用いられている「哺乳動物」なる語は、ヒト、ウシ、ウマ、イヌそしてネ コを含む哺乳動物として分類されるいかなる動物をも示す。本発明の好ましい実 施態様としては、哺乳動物はヒトである。 II.本発明の組成物と方法 本発明の一つの実施態様として、HGF受容体拮抗剤を提供する。HGF受容体拮抗 剤の非限定的な例として、抗体、ポリペプチド、糖タンパク質、糖ペプチド、糖 脂質、多糖、オリゴ糖、核酸、生物有機分子、タンパク質類似体、製薬学的試薬 とそれらの代謝産物、転写と翻訳コントロール配列等を含む。 A.抗体組成物 本発明の一つの実施態様として、本発明のHGF受容体拮抗剤はHGF受容体抗体を 含む。例えば拮抗剤抗体はポリクローナル抗体でもよい。ポリクローナル抗体の 調製法は当業者に知られている。ポリクローナル抗体は例えば免疫化試薬、必要 ならばアジュバントの一度かそれ以上の注射によって、哺乳動物内で生産できる 。典型的には免疫化試薬および/またはアジュバントは複数回の皮下注射または 腹膜内注射によって哺乳動物に注射されるであろう。好ましくは免疫化試薬はc- Metポリペプチドまたはそれの融合タンパク質を含む。免疫化試薬を免疫化され る哺乳動物内で免疫原性をもつことが知られているタンパク質に接合することが 有用である。用いられるであろう該免疫原性を持つタンパク質の例として、キー ホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロブリンそしてダ イズトリプシン阻害剤が限定されることなく含まれる。ミョウバンのような凝集 剤もまた哺乳動物の免疫反応を高めるために用いられる。用いられるであろうア ジュバントの例として、フロイント完全アジュバントとMPL-TDMアジュバント(− リン酸化リピドA,合成トレハロースジコリノミコレート)(monophosphoryl Lipid A,synthetic trehalose dicorynomycolate)が含まれる。免疫化プロトコールは 過度の実験の必要なく当業者によって選択される。それから哺乳動物の血を採り 、HGF受容体抗体力価のため血清をアッセイする。もし必要ならば、抗体力価が 増大するまたは安定水準に達するまで、哺乳動物を引き上げることができる。 本発明の拮抗剤抗体は、代わりにモノクローナル抗体でもよい。本発明の拮抗 剤モノクローナル抗体は、KohlerとMilstein,Nature,256:495(1975)に記述され ているもののように、ハイブリドーマ法を用いて調製することができる。ハイブ リドーマ法では、典型的にはマウスまたは他の適切なホスト動物を、免疫化試薬 に特異的に結合するであろう抗体を生産するまたは生産することができるリンパ 球を導き出すために、免疫化試薬と共に(上述したように)免疫化する。代わりに 、リンパ球をin vitroで免疫化してもよい。好ましくは免疫化試薬はc-Metポリ ペプチドまたはそれの融合タンパク質を含む。代わりに免疫化試薬は受容体に対 するHGFの結合に関係する一つかそれ以上のアミノ酸残基をもつ、HGFまたはHGF 受容体の断片または一部を含む。より好ましい実施態様としては、免疫化試薬は 実施例1で記述されているように、IgG配列と融合したc-Metの細胞外ドメインを 含む。 もしヒト由来の細胞が必要ならば、一般的には各末梢血リンパ球("PBL")が用 いられ、またはもし非ヒト哺乳動物由来のものが必要ならば、脾臓細胞あるいは リンパ節細胞が用いられる。それからリンパ球をハイブリドーマ細胞を形成する ためにポリエチレングリコールのような適した融合試薬を用いて、不朽化細胞系 と融合する[Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academi c Press,(1986)pp.59-103]。不朽化細胞系は通常はトランスフォームされた哺乳 動物細胞、特にネズミ、ウシそしてヒト由来のミエローマ細胞である。通常はラ ットまたはマウスのミエローマ細胞系が用いられる。ハイブリドーマ細胞は好ま しくは非融合の固定化した細胞の増殖または生存を阻害する一つかそれ以上の物 質を含む適した培地で培養される。例えばもし親の細胞がヒポキサンチン−グア ニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠いていたなら、 ハイブリドーマのための培地は典型的にはヒポキサンチン、アミノプテリンそし てチミジンを含み("HAT培地")、それらの物質はHGPRT-欠失細胞の増殖を妨げる 。 好ましい不朽化細胞系は効率よく融合し、選択された抗体生産細胞によって安 定した高レベルの抗体発現を助長し、そしてHAT培地のような培地に感受性なも のである。より好ましい固定化細胞系はネズミミエローマであり、それは例えば 、Salk Institute Cell Distribution Center,サンディエゴ、カリフォルニアそ してAmerican Type Culture Collection,ロックビル、メリーランドより得られ る。該ネズミミエローマ細胞系の例としては、以下の実施例1で記述されているP 3X63AgU.1がある。ヒトミエローマとマウス-ヒトヘテロミエローマ細胞系も、ヒ トモ ノクローナル抗体の生産のため記述されている[Kozbor,J.Immunol.,133:3001-3 005(1984);Brodeur等,Monoclonal Antibody Production Techniques and Appl ications,Marcel Dekker,Inc.,ニューヨーク、(1987)pp.51-63]。 それからハイブリドーマ細胞を培養する培地を、HGF受容体に対して向けられ るモノクローナル抗体の存在のためアッセイし得る。好ましくは、ハイブリドー マ細胞によって生産されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降法また は放射性免疫検定法(RIA)あるいは固相酵素免疫検定法(ELISA)のようなin vitro 結合アッセイによって測定される。該技術とアッセイは本分野では既知のもので あり、さらに以下の実施例でも記述されている。モノクローナル抗体の結合アフ ィニティーは例えば、MunsonとPollard、Anal.Biochem.,107:220-239(1980)のス キャチャード分析によって測定される。 望ましいハイブリドーマ細胞を同定した後、クローンを限界希釈法によってサ ブクローン化し、標準的な方法[Goding,上記参照]で成育させる。この目的のた め適した培地としては、例えばダルベッコ変法イーグル培地とPRMI-1640培地が 含まれる。代わりにハイブリドーマ細胞を動物の腹水でin vivoで成育させても よい。 サブクローンから選択されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA-セフ ァロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、 アフィニティークロマトグラフィーのようなありきたりの免疫グロブリン精製法 によって、培地または腹水分泌液から単離または精製されるであろう。 モノクローナル抗体は、米国特許第4,816,567号に記述されているような組換 えDNA法によって作ることもできる。本発明のモノクローナル抗体をコードするD NAは、一般的な方法を用いて(ネズミ抗体のH鎖とL鎖をコードする遺伝子に特異 的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)容易に単離 し、シークエンスできる。本発明のハイブリドーマ細胞は該DNAの好ましいソー スとして使える。一度単離されれば、DNAを発現ベクターに組み込み、それから 組換えホスト細胞でモノクローナル抗体の合成を得るために、それをサルCOS細 胞、大腸菌、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはそうしないと免疫グ ロブリンタンパク質を生産しないミエローマ細胞のようなホスト細胞にトランス フェクトする。DNAはまた、例えばホモ構造のネズミ配列の代わりにヒトH鎖とL 鎖定常ドメインによってコード配列を置換することによって[米国特許第4,816,5 67号;Morrison等, 上記参照]、または非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全部あるいは 一部を、免疫グロブリンコード配列と共有結合で結合することによって修飾する こともできる。該非免疫グロブリンポリペプチドを本発明の抗体の定常ドメイン と置換することができ、またはHGF受容体に対して特異性を持つ一つの抗原結合 部位とHER2またはCD3のような異なる抗原に対する特異性をもつもう一つの抗原 結合部位を含む二価キメラ抗体を作り出すために、本発明の抗体の一つの抗原結 合部位の可変領域と置換することができる。 しかしながら、HGF受容体と結合できる一価抗体はHGF受容体拮抗剤として特に 有用である。特定の理論に裏付けられているわけではないが、現在ではc-Metと 結合しているhuHGFが受容体の凝集または二量体化を誘発し、それが次には細胞 内受容体キナーゼ活性を活性化するというメカニズムによって、c-Metの活性化 が生じるであろうと考えられている。一価抗体は該凝集または二量体化を誘発で きないようであるため、一価抗体はc-Metを活性化できない。該一価抗体は受容 体のHGF結合部位に対して向けられているであろうし、あるいはさもなければHGF 、その断片またはその変異体が受容体に近づくのを立体的に妨げることによるよ うに、HGF、その断片またはその変異体が受容体と結合するのを妨害するであろ う。代わりに一価抗体はHGF受容体の二量体化を立体的に妨げることができるか も知れない。 一価抗体の調製法は、本分野ではよく知られている。例えば免疫グロブリンL 鎖と修飾されたH鎖の組換え発現法が含まれる。H鎖はH鎖の交差反応を妨げるた めに、一般的にいかなる点かで切り詰められる。代わりに関連したシステイン残 基をもう一つのアミノ酸残基で置換してもよいし、または交差反応を妨げるため に欠失してもよい。FabL鎖とH鎖の組換え発現については、さらに詳細に以下に 記述する。 In vitro法もまた一価抗体の調製に適している。それの断片、特にFab断片を 生産するための抗体の切断は、本技術で知られているありきたりの技術を用いて 成し遂げられる。例えば切断はパパインを用いて実施できる。パパイン切断の実 施例は1994年12月22日に印刷されたWO 94/29348と米国特許第4,342,566号に記述 されている。パパイン切断はまた、以下の実施例6と7にも記述されている。抗体 のパパイン切断は典型的にはそれぞれが一つの抗原結合部位をもつFab断片と呼 ばれる2つの同一の結合断片と、残りのFc断片を生産する。ペプシン処理は二つ の抗原結合部位をもち、いまだ抗原と交差反応できるF(ab')2断片を生じる。 抗体切断によって生産されたFab断片もまたL鎖の定常ドメインとH鎖の第一の 定常ドメイン(CH1)を維持している。Fab'断片は抗体ヒンジ部の一つまたはそれ 以上のシステインを含むH鎖CH1ドメインのカルボキシ末端にいくつかの残基が付 加されている点でFab断片と異なる。Fab'-SHはここでは定常ドメインのシステイ ン残基(類)がフリーなチオール基をもつFab'を意味する。F(ab')2抗体断片はも ともとFab'間にヒンジシステインをもつFab'断片の組み合わせとして生産された 。抗体断片の他の化学的結合もまた知られている。 本発明の好ましい実施態様としては、拮抗剤はc-Metに特異的なモノクローナ ル抗体のFab断片を含む。より好ましい実施態様としては、モノクローナル抗体F ab断片は、American Type Culture Collectionの下に寄託されている登録番号AT CC HB-11894またはATCC HB-11895というハイブリドーマ細胞系によって選択され た、それぞれのモノクローナル抗体の切断によって生産されたモノクローナル抗 体Fab断片と同じ生物学的特性を持つ。「生物学的特性」なる語は、例えばc-Metに 対するhuHGFの結合を実質的に減少または阻害する、あるいはc-Metの活性化を阻 害する能力のように、モノクローナル抗体のin vitroおよび/またはin vivo活性 を示す。よって一価抗体は好ましくは、ここで記述されている1A3.3.13抗体また は5D5.11.6抗体と実質的に同様のエピトープに結合する。これはここと実施例で 記述されている結合アッセイによって測定される。例えば特別に開示されている 1A3.3.13抗体(すなわちATCC寄託番号HB-11894が持つ抗体)、または特別に開示さ れている5D5.11.6抗体(すなわちATCC寄託番号HB-11895が持つ抗体)と同じ特異性 を抗体がもつかどうかを測定するために、実施例で記述されているような競合的 なELISA結合アッセイが用いられる。さらなる好ましい実施態様としては、モノ クローナル抗体Fab断片はここで定義されているようなヘパリン非依存性拮抗剤 である。本発明のより好ましい実施態様としては、モノクローナル抗体またはそ の断片はHGF、その断片またはその変異体の結合、あるいはHGF、その断片または その変異体のマイトジェン活性を、以下の実施例で記述されているようなin vit roの競合的結合アッセイまたは増殖アッセイによって測定して、少なくとも約50 %、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上阻害するであろう。 上述の拮抗剤抗体に加えて、キメラやハイブリッド拮抗剤抗体を架橋剤を含む ものを含めて合成タンパク質化学において既知の方法を用いて調製してもよい。 例えば免疫毒素をジスルフィド変換反応を用いて、またはチオエステル結合を形 成することによって構築してもよい。この目的のため適した試薬の例として、イ ミノチオレートとメチル-4-メルカプトブチリミデートが含まれる。 本発明の拮抗剤抗体はディアボディを含む。「ディアボディ」なる語は2つの抗 原結合部位を持つ小さな抗体断片を意味し、その断片は同一のポリペプチド鎖(VH -VL)内のL鎖可変ドメイン(VL)と結合したH鎖可変ドメイン(VH)を含む。同一鎖 の2つのドメイン間をつなぐことができるほど小さいリンカーを用いることによ って、ドメインをもう一つの鎖の相補的なドメインと無理矢理つなぎ、2つの抗 原結合部位を作り出す。ディアボディについては、例えばEP 404,097;WO 93/11 161;そしてHollinger等,Proc.Natl.Acad.Sci.,90:6444-6448(1993)に更に詳細 に記述されている。 さらに本発明の拮抗剤抗体は、ヒト化された抗体またはヒト抗体をも含む。非 ヒト(例えばネズミ)抗体のヒト化型は非ヒト免疫グロブリン由来の極小の配列を 含むキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖または(Fv,Fab,Fab',F(ab')2また は抗体の他の抗原結合配列のような)それの断片である。ヒト化抗体はヒト抗体( 受容者抗体)を含み、その中の受容者の相補性決定領域(CDR)由来の残基が、望ま しい特異性、アフィニティーそして力量を持つマウス、ラットまたはウサギのよ うな非ヒト種のCDR由来の残基に置き換えられている。ある例では、ヒト免疫グ ロブリンのFvフレームワーク残基が相当する非ヒト残基によって置き換えられて いる。ヒト化抗体はまた受容者抗体でも組み込まれたCDRやフレームワーク配列 でもなく見出される残基をも含む。一般的には、ヒト化抗体は少なくとも1つそ して典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含むであろう。そしてそ の中の全てまたは実質的に全ての非ヒト免疫グロブリンのものに相当するCDR領 域、及び全てまたは実質的に全てのFR領域が、ヒト免疫グロブリンコンセンサス 配列のものである。ヒト化抗体もまた最適には、免疫グロブリン、典型的にはヒ ト免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部を含むであろう[Jones等,Na ture,321:522-525(1986);Reichmann等,Nature,332:323-327(1988);そしてPre sta,Curr.Op.struct.Biol.,2:593-596(1992)]。 非ヒト抗体のヒト化の方法は本分野ではよく知られている。一般的にはヒト化 抗体は、その中に非ヒト由来の一つかそれ以上のアミノ酸残基をもつ。これらの 非ヒトアミノ酸残基はしばしば「インポート」残基と示され、それは典型的には「 インポート」可変ドメインからとってくる。ヒト化はネズミCDRまたはCDR配列を ヒト抗体の相当する配列と置換することによって、本質的にはWinterと共同研究 者[Jones等,Nature,321:522-525(1986);Riechmann等,Nature,332:323-327(19 88);Verhoeyen等,Science,239:1534-1536(1988)]の方法にしたがって実施され る。よって、該「ヒト化」抗体はキメラ抗体であり(米国特許第4,816,567)、それ は完全なヒト可変ドメインの実質的な一部が非ヒト種由来の相当する配列によっ て置換されている。実際にはヒト化抗体は典型的には、いくらかのCDR残基とFR 領域がネズミ抗体内の類似体部位由来の残基によって置換されているヒト抗体で ある。 ヒト化抗体を作製するにおいて、ヒト可変ドメイン、L鎖とH鎖の両方ともの選 択は、抗原性を減少するために重要である。「ベストフィット」法("best-fit"met hod)によれば、ネズミ抗体の可変ドメインの配列は、既知のヒト可変ドメイン配 列の完全なライブラリーに対してスクリーニングされる。それからネズミのもの に最も近いヒト配列がヒト化抗体に対するヒトフレームワーク(FR)として受入ら る[Sims等,J.Immunol.,151:2296(1993);ChothiaとLesk,J.Mol.Biol.,196:901 (1987)]。もう一つの方法は、L鎖またはH鎖の特定のサブグループの全てのヒト 抗体のコンセンサス配列由来の特定のフレームワークを用いる。同じフレームワ ークはいくつかの異なるヒト化抗体のために用いらてもよい[Carter等,Proc.Na tl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);Presta等,J.Immunol.,151:2623-2632(1993)] 。 抗体は抗原に対する高いアフィニティーと他の好ましい生物学的性質を保有し てヒト化されることがさらに重要である。この目的を達成するため、好ましい方 法によると、ヒト化抗体は元の配列とヒト化された配列の三次元モデルを用いて 、元の配列と様々な概念のヒト化産物の解析法によって調製される。三次元免疫 グロブリンモデルは一般的に入手可能であり、当業者には身近なものである。コ ンピュータープログラムにより、選択された候補の免疫グロブリン配列の考えら れる三次元コンフォーメーション構造を図式化し表現したものが入手可能である 。これらの表現の視察は候補の免疫グロブリン配列の機能化における残基の考え られる役割の解析、すなわちその抗原を結合する候補の免疫グロブリンの能力に 影響する残基の解析を可能にする。この方法により、FR残基は目標となる抗原( 類)に対するアフィニティーを増大するような、望ましい抗体特性を成し遂げる ため に、コンセンサスそしてインポート配列から選択され結合される。一般的には、 CDR残基は抗原結合に影響することに直接にそして最も実質的に含まれる[1994年 3月3日に印刷されたWO 94/04679を参照]。 内生の免疫グロブリン生産の非存在下で、ヒト抗体の全レパートリーを免疫化 により生産できるトランスジェニック動物(例えばマウス)を用いることもできる 。例えば、キメラのそして生殖細胞系ミュータントマウス内の抗体H鎖接合部位( JH)遺伝子のホモ接合体の欠失が、内生の抗体生産の完全な阻害を引き起こすこ とが記述されている。該生殖細胞系ミュータントマウス内へのヒト生殖細胞系免 疫グロブリン遺伝子配列の移転が、抗原攻撃に対するヒト抗体の生産を引き起こ すのであろう[Jakobovits等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551-255(1993);Jak obovits等,Nature,362:255-258(1993);Bruggermann等,Year in Immuno.,7:33 (1993)]。ヒト抗体はファージディスプレーライブラリー(phage display librar ies)でもまた生産できる[HoogenboomとWinter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Ma rks等,J.Mol.Biol.,222:581(1991)]。Cote等とBoerner等の方法もまたヒトモノ クローナル抗体の調製に利用できる[Cole等,Monoclonal Antibodies and Cance r Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985)そしてBoerner等,J.Immunol.,147(1):86-95 (1991)]。 B.ポリペプチドと核酸組成物 本発明はまた一つかそれ以上の単離されたポリペプチドを含むHGF受容体拮抗 剤を提供する。一つの実施態様として、拮抗剤は図1A(SEQ ID NO:1)に示された1 から220のアミノ酸残基と、図1B(SEQ ID NO:2)に示された1から230のアミノ酸残 基を含む。好ましくは、拮抗剤は抗HGF受容体モノクローナル抗体FabのL鎖とH鎖 にそれぞれ相当する2つの単離されたポリペプチドを含む。 1.HGF受容体拮抗剤の調製 以下の記述は主として拮抗剤核酸を含むベクターを用いてトランスフォームま たはトランスフェクトされた細胞の培養と、細胞カルチャーからのポリペプチド (類)の回収によるHGF受容体拮抗剤の生産に関する。もちろん本分野でよく知ら れている代わりの方法が、HGF受容体拮抗剤ポリペプチドを調製するために用い られることは考えられる。 1.HGF受容体拮抗剤をコードするDNAの単離 HGF受容体拮抗剤をコードするDNAは、拮抗剤mRNAを持ち、検出可能なレベルに それを発現すると考えられる組織から調製したcDNAライブラリーから得られるで あろう。よって、ヒトc-Met拮抗剤DNAはヒト組織から調製されるcDNAライブラリ ーから便利に得ることができる。c-Met拮抗剤をコードする遺伝子もまた、ゲノ ムライブラリーから、またはオリゴヌクレオチド合成によって得られるだろう。 ライブラリーは(c-Met受容体拮抗剤または少なくとも約20-80塩基のオリゴヌ クレオチドに対する抗体のような)プローブを用いてスクリーニングができ、そ のプローブは興味ある遺伝子またはそれによってコードされるタンパク質を同定 するためにデザインされている。選択されたプローブを用いてcDNAまたはゲノム のライブラリーをスクリーニングすることは、Sambrook等,Molecular Cloning: A Laboratory Manual(ニューヨーク:Cold Spring Harbor Laboratory Press,19 89)に記述されているような標準的な方法を用いて実施されるであろう。受容体 拮抗剤をコードする遺伝子の単離のための代わりの方法は、PCR方法体系を用い ることである[Smabrook等,上記参照;Dieffenbach等,PCR Primer:A Laborator y Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1995)]。 スクリーニングの一つの方法として、様々なヒト組織由来のcDNAライブラリー をスクリーニングするために、選択されたオリゴヌクレオチド配列を用いる。プ ローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、偽のポジティブを最小化す るのに十分な長さで十分に明白であるべきである。オリゴヌクレオチドはスクリ ーニングされるライブラリー内のDNAとのハイブリダイズに対して検出できるよ うに好ましくはラベルされている。ラベルの方法は本技術ではよく知られており 、32P-ラベルATP,ビオチン化または酵素ラベルのようなラジオラベルの使用が含 まれる。全てのタンパク質をコードする配列を持つ核酸は、cDNAに逆転写されて いないであろうmRNAの前駆体またはプロセッシングされた中間体を検出するため に、ここで開示されるアミノ酸配列を用いて、およびもし必要ならば、Sambrook 等,上記参照、に記述されているような一般的なプライマー伸長法を用いて、選 択されたcDNAまたはゲノムライブラリーのスクリーニングによって得られるだろ う。 拮抗剤ポリペプチドのアミノ酸配列変異体は、そのDNAに適した核酸の変化を 導 入することによって、または望ましい拮抗剤ポリペプチドの合成によって調製す ることができる。該変異体は、5D5Fabに対する図1Aおよび1Bに示されているアミ ノ酸配列の片方または両末端において、残基の挿入、置換及び/または欠失して いるものをを表す。挿入、置換及び/または欠失のいかなる組み合わせも、最終 構成物に到達するためになされ、ここで定義されるような望ましい拮抗剤活性を 持つ最終構成物を提供することができる。好ましい実施態様としては、変異体は 5D5Fabについてここで同定された配列と、少なくとも約80%の配列同一性、より 好ましくは約90%の配列同一性、そしてさらにより好ましくは約95%の配列同一 性をもつ。 上述のような天然の配列のバリエーションは、米国特許第5,364,934号に示さ れている保存的および非保存的ミュータントに対する技術そしてガイドラインの いかなるものかを用いてなされうる。これらはオリゴヌクレオチド介在性(サイ トディレクト)ミュータジェネシス、アラニンスキャニングそしてPCRミュータジ ェネシスを含む。 2.複製ベクターへの核酸の挿入 受容体拮抗剤をコードする核酸(例えばcDNAまたはゲノムDNA)は、さらなるク ローニング(DNAの増幅)のため、または発現のための複製ベクターに挿入するこ とができる。様々なベクターが公に入手可能である。ベクター構成要素は一般的 に、しかし限定することなく以下の一つまたはそれ以上を含む:シグナル配列、 複製オリジン、一つかそれ以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プ ロモーターそして転写終結配列があり、それぞれが以下に記述されている。 (i)シグナル配列構成要素 HGF受容体拮抗剤は直接だけでなく、ヘテロ構造のポリペプチドを用いた融合 ポリペプチドとしても組換え的に生産でき、そのヘテロ構造のポリペプチドは天 然のタンパク質またはポリペプチドのN末端に特異的な切断部位を持つシグナル 配列または他のポリペプチドであり得る。一般的には、シグナル配列はベクター の構成要素であり得、またはそれはベクターに挿入される拮抗剤DNAの一部であ り得る。選択されたヘテロ構造のシグナル配列は好ましくはホスト細胞によって 認識され そしてプロセッシングされるものである(すなわち、シグナルペプチダーゼによ って切断される。シグナル配列は例えばアルカリホスファターゼ、ペニシリナー ゼ、lppそして熱安定性エントロキシンIIリーダーから選択された原核生物のシ グナル配列であり得る。酵母の分泌のためのシグナル配列は、例えば酵母インベ ルターゼリーダー、アルファーファクターリーダー(サッカロミセスとクルイベ ロミセスαファクターリーダーを含み、後者は米国特許第5,010,182号に記述さ れている)、または酸性ホスファターゼリーダー、C.albicansグルコアミラーゼ リーダー(1990年4月4日に印刷されたEP 362,179)、または1990年11月15日に印刷 されたWO 90/13646に記述されているシグナルであり得る。哺乳動物細胞発現で は、哺乳動物のシグナル配列がタンパク質の分泌に向けられて用いることができ 、それは同じまたは関連した種の分泌されたポリペプチド由来のシグナル配列の ようなものから、例えば単純ヘルペス糖タンパク質Dシグナルのようなウイルス 分泌リーダーでもよい。 該前駆体領域のためのDNAは好ましくは拮抗剤をコードするDNAに対するリーデ ィングフレーム内にライゲーションされる。 (ii)複製オリジン構成要素 発現ベクターとクローニングベクターの両方が、一つかそれ以上の選択された ホスト細胞内でベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。一般的にクローニ ングベクターではこの配列は、ベクターがホスト染色体DNAと非依存的に複製で きるようにするものであり、複製のオリジンまたは自律複製配列を含む。該配列 は様々な細菌、酵母そしてウイルスに対してよく知られている。プラスミドpBR3 22由来の複製オリジンは、ほとんどのグラムネガティブ細菌に対して適しており 、2μプラスミドオリジンは酵母に適しており、そして様々なウイルスのオリジ ン(SV40,ポリオーマ,アデノウイルス,VSVまたはBPV)は哺乳動物細胞内でのクロ ーニングベクターに対して有用である。一般的に複製構成物のオリジンは、哺乳 動物発現ベクターに対しては必要でない(SV40オリジンは典型的にはそれが速い プロモーターを含むため用いられる)。 ほとんどの発現ベクターは「シャトル」ベクターであり、すなわちそれらは少な くとも一つのクラスの生物内で複製できるが、発現のためもう一つの生物内にト ランスフェクトすることができる。例えばベクターは大腸菌内でクローニングさ れ、そしてたとえそれがホスト細胞染色体と非依存的に複製できないとしても、 それから同じベクターが酵母または哺乳動物細胞内にトランスフェクトされる。 DNAはまたホストゲノム内に挿入されることによって増幅され得る。これはホ ストとしてバチルス種を用いれば容易に成し遂げられ、例えば、バチルスゲノム DNA内に見出される配列と相補的なDNA配列をベクター内に含ませることによって 成し遂げられる。このベクターを用いたバチルスのトランスフェクションは、ゲ ノムとの相同的組換えおよび受容体拮抗剤DNAの挿入の結果である。しかしなが ら、拮抗剤をコードするゲノムDNAの回収は、拮抗剤DNAを摘出するために制限酵 素切断が必要とされるため、外来的に複製されるベクターの回収よりも複雑であ る。 (iii)選択遺伝子構成物 発現ベクターおよびクローニングベクターは典型的には、選択遺伝子、選択マ ーカーとも呼ばれるものを含む。この遺伝子は選択培地内で成長するトランスフ ォームされたホスト細胞の生存または成長のため必要なタンパク質をコードする 。選択遺伝子を含まないベクターでトランスフォームされたホスト細胞は、培地 内で生き残れないであろう。典型的な選択遺伝子は、(a)例えばアンピシリン、 ネオマイシン、メトトレキセートまたはテトラサイクリンといった抗生物質また は他の毒素に対して耐性を示すタンパク質、(b)栄養要求性欠乏を補足するタン パク質、または(c)例えばバチルスにとってのD-アラニンラセマーゼをコードす る遺伝子といった複雑な培地からは入手できない重大な栄養素を供給するタンパ ク質をコードする。 選択スキームの一つの例として、ホスト細胞の成長を抑える薬剤の使用がある 。ヘテロ構造遺伝子を用いてうまくトランスフォームされた細胞は、薬剤耐性を 示すタンパク質を生産し、それゆえ選択摂生を生き残れる。該ドミナント選択の 例として、薬剤としてネオマイシン[Southern等,J.Molec.Appl.Genet.,1:327(1 982)]、ミコフェノール酸[Mulligan等,Science,209:1422(1980)]またはハイグ ロマイシン[Sugden等,Mol.Cell.Biol.,5:410-413(1985)]を用いる。上述した該 3例はそれぞれ、適切な薬剤G418またはネオマイシン(ジェネティシン)、xgpt(ミ コフェノール酸)、またはハイグロマイシンに対する耐性を導くために、真核生 物のコン トロールの下で細菌の遺伝子を用いるものである。哺乳動物細胞に対して適した 選択マーカーのもう一つの例は、DHFRまたはチミジンキナーゼのような、拮抗剤 核酸を取り込むのに適した細胞を同定できるものである。哺乳動物細胞トランス フォーマントは、トランスフォーマントだけがマーカーを取り込んだことによっ て唯一に生き残ることに適応する選択圧のもとに置かれる。選択圧は、培地中の 選択試薬の濃度が継続的に変化するコンディションの下でトランスフォーマント を培養することによって押し付けられ、それによって選択遺伝子と受容体拮抗剤 をコードするDNAの両者の増幅が導かれる。増幅とは成長にとって重大なタンパ ク質の生産のため非常に大きな需要のある遺伝子が、組換え細胞の継続的な世代 において染色体内でタンデムに繰り返されるプロセスである。増幅可能な遺伝子 の他の例として、メタロチオネイン-I そして-II、アデノシンデアミナーゼそし てオルニチンデカルボキシラーゼが含まれる。 DHFR選択遺伝子を用いてトランスフォームされた細胞は、DHFRの競合的な拮抗 剤であるメトトレキセート(Mtx)を含む培地ですべてのトランスフォーマントを 培養することによって最初に同定されるであろう。野生型DHFRを用いる場合に適 したホスト細胞は、Urlaub等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216(1980)に記述さ れているように調製され普及している、DHFR活性に欠陥のあるチャイニーズハム スター卵巣(CHO)細胞系である。それからトランスフォームされた細胞を上昇し た濃度のメトトレキセートにさらす。これによりDHFR遺伝子のマルチコピー、そ してそれに付随して受容体拮抗剤をコードするDNAのような発現ベクターを含む 他のDNAのマルチコピーの合成が導かる。もし例えばMtxに高い耐性であるミュー タントDHFR遺伝子を用いるならば、外来性DHFRの存在にもかかわらず、この増幅 法は例えばATCC番号CCL61CHO-K1などのいかなる他の適したホストを用いても使 用できる(EP117,060)。 代わりに、HGF受容体拮抗剤、野生型DHFRタンパク質そしてアミノグリコシド3 '-ホスホトランスフェラーゼ(APH)のようなもう一つの選択マーカーをコードす るDNA配列を用いてトランスフォームまたはコトランスフォームされたホスト細 胞(特に外来性DHFRを含む野生型ホスト)は、例えばカナマイシン、ネオマイシン またはG418などのアミノグリコシド系抗生物質のような選択マーカーに対する選 択試薬を含む培地中での細胞成長によって選択できる。米国特許第4,965,199号 を参 照。 酵母を用いる場合に適した選択遺伝子は、酵母プラスミドYRp7内に存在するtr p1遺伝子である[Stinchcomb等,Nature,282:39(1979);Kingsman等,Gene,7:141 (1979);Tschemper等,Gene,10:157(1980)]。trp1遺伝子は、例えばATCC番号440 76またはPEP4-1のようなトリプトファン内で成長する能力を欠如した酵母のミュ ータント株のための選択マーカーを提供する[Jones,Genetics,85:12(1977)]。 そこで酵母ホスト細胞ゲノム内のtrp1領域の存在は、トリプトファンの非存在下 での成長によってトランスフォーメーションを検出するための効果的な環境を提 供する。同様に、Leu2欠失酵母株(ATCC20,622または38,626)は、Leu2遺伝子をも つ既知のプラスミドによって相補される。 加えて、1.6μm環状プラスミドpKD1由来のベクターは、クルイベロミセス酵母 のトランスフォーメーションに対して用いられる[Bianchi等,Curr.Genet.,12:1 85(1987)]。さらに最近では、組換え仔ウシキモシンの大規模生産のための発現 システムがK・ラクティスに対して報告されている[Van den Berg,Bio/Technolog y,8:135(1990)]。クルイベロミセスの工業的な株による成熟した組換えヒト血清 アルブミンの分泌のための安定なマルチコピー発現ベクターもまた開示されてい る[Fleer等,Bio/Technology,9:968-975(1991)]。 (iv)プロモーター構成要素 発現ベクターおよびクローニングベクターは、通常ホスト生物によって認識さ れ、受容体拮抗剤核酸配列に実施可能に結合されたプロモーターを含む。プロモ ーターは構造遺伝子のスタートコドンの上流(5')に位置する(一般的には約100か ら1000bp内)非翻訳配列であり、それらが実施可能に結合している特定の核酸配 列の転写と翻訳をコントロールする。該プロモーターは典型的には、誘発性と構 造性の2つに分類される。誘発性プロモーターは例えば栄養素の存在または非存 在、あるいは温度変化といったいくつかの培地コンディションの変化に応じて、 それのコントロールの下で増大したレベルのDNAからの転写を始めるプロモータ ーである。現在、様々な可能なホスト細胞によって認識される多くの数のプロモ ーターがよく知られている。これらのプロモーターは、制限酵素切断によって元 となるDNAからプロモータを切り出し、ベクター内に単離したプロモーター配列 を挿入す ることにより、受容体拮抗剤をコードするDNAに実施可能に結合される。様々な ヘテロ構造受容体プロモーターが、受容体拮抗剤DNAの増幅及び/または発現に向 けられて使用できるであろう。 原核生物ホストを用いた使用にとって適したプロモーターは、β-ラクタマー ゼとラクトースプロモーターシステム[Chang等,Nature,275:615(1978);Goedde l等,Nature,281:544(1979)]、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp) プロモーターシステム[Goeddel,Nucleic Acids Res.,8:4057(1980);EP 36,776 ]そしてtacプロモーターのようなハイブリッドプロモーター[deBoer等,Proc.Na tl.Acad.Sci.USA,80:21-25(1983)]を含む。しかしながら、他の既知の細菌プロ モーターも適している。それらの核酸配列は印刷されており、それによって必要 とされる制限部位を提供するためリンカーまたはアダプターを用いて、当業者は 受容体拮抗剤をコードするDNAにそれらを実施可能に結合できる[Siebenlist等, Cell,20:269(1980)]。細菌システムで用いられるプロモーターもまた、HGF受容 体拮抗剤をコードするDNAに実施可能に結合するシャインダルガノ(S.D.)配列を 含むであろう。 プロモーター配列は真核生物のためのものも知られている。事実上すべての真 核生物の遺伝子が、転写開始部位からおよそ25から30塩基上流に位置するATリッ チ領域を持っている。ほとんどの真核生物遺伝子の3'末端には、AATAAA配列があ り、それはコード配列の3'末端にポリAテールを付加するためのシグナルであり 得る。これらの配列の全てが、真核生物発現ベクターに適するように挿入される 。 酵母ホストを用いる場合の適したプロモーター配列の例として、3-ホスホグリ セリン酸キナーゼ[Hitzeman等,J.Biol.Chem.,255:2073(1980)]またはエノラー ゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘクソキナーゼ、ピルビ ン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソ メラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリ ン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼそしてグルコキナーゼのよう な他の解糖系の酵素[Hess等,J.Adv.Enzyme Reg.,7:149(1968);Holland,Bioch emistry,17:4900(1978)]の各プロモーターが含まれる。 成長コンディションによってコントロールされる転写という付加的な利点を有 する誘発性プロモーターである他の酵母プロモーターは、アルコールデヒドロゲ ナーゼ2、イソシトクロムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝と関連する分解酵 素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼそして マルトースおよびガラクトース利用に関わる酵素に対する各プロモーター領域が ある。酵母発現に用いる適したベクターおよびプロモーターは、さらにEP 73,65 7に記述されている。酵母エンハンサーもまた酵母プロモーターを用いて便利に 使用される。 哺乳動物ホスト細胞内のベクターからのHGF受容体拮抗剤転写は、例えばポリ オーマイルス、鶏頭ウイルス(1989年7月5日に印刷されたUK 2,211,504)、アデノ ウイルス(アデノウイルス2のような)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイ ルス、サイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルスそして好ましくはシミアンウイ ルス40(SV40)のようなウイルスのゲノムから得られるプロモーター、または以下 のプロモーターがホスト細胞システムと両立できれば、例えばアクチンプロモー ターまたは免疫グロブリンプロモーターなどのヘテロ構造哺乳動物プロモーター 、またはヒートショックプロモーターから得られるプロモーターによってコント ロールされる。 SV40の速いおよび遅いプロモーターはSV40ウイルス複製オリジンも含むSV40制 限断片として便利に得られる[Fiers等,Nature,273:113(1978);MulliganとBerg ,Science,209:1422-1427(1980);Pavlakis等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78:7398 -7402(1981)]。ヒトサイトメガロウイルスの極端に速いプロモーターはHindIII E制限断片として便利に得られる[Greenaway等,Gene,18:355-360(1982)]。ベク ターとしてウシパピローマウイルスを用いた哺乳動物ホスト内のDNA発現システ ムは、米国特許第4,419,446号に開示されている。このシステムの変形は米国特 許第4,601,978号に記述されている[Gray等,Nature,295:503-508(1982)のサル細 胞での免疫インターフェロンをコードするcDNAの発現;Reyes等,Nature,297:59 8-601(1982)の単純ヘルペス由来のチミジンキナーゼプロモーターのコントロー ルの下でのマウス細胞でのヒトβ-インターフェロンcDNAの発現;CanaaniとBerg ,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.79:5166-5170(1982)の培養マウスおよびウサギ細胞 でのヒトインターフェロンβ1遺伝子の発現;そしてGorman等,Proc.Natl.Acad. Sci.USA,79:6777-6781(1982)のラウス肉腫ウイルスの長い末端反復配列をプロモ ーターとして用いた、CV-1サル腎細胞、ニワトリ胚繊維芽細胞、チャイニーズハ ムスター卵巣細胞、ヒーラ細胞そしてNIH-3T3細胞での細菌CAT配列の発現も参照 ]。 (v)エンハンサーエレメント構成要素 高等哺乳動物による本発明のHGF受容体拮抗剤をコードするDNAの転写は、ベク ターにエンハンサー配列を挿入することにより増大するであろう。エンハンサー はDNAのシス作用エレメントであり、通常約10から300bpであり、その転写を増大 するためにプロモーターに基づいて作用する。エンハンサーは向きと位置に比較 的非依存的であり、転写ユニットの5'[Laimins等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78: 993(1981)]そして3'[Lusky等,Mol.Cell Bio.,3:1108(1983)]、イントロン内[Ba nerji等,Cell,33:729(1983)]、同様にコード配列それ自体内[Osborne等,Mol.C ell Bio.,4:1293(1984)]に見出されている。多くのエンハンサー配列が哺乳動物 遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテインそしてイ ンスリン)から現在では知られている。しかしながら典型的には、当業者は真核 生物細胞ウイルス由来のエンハンサーを用いる。例としては、複製オリジンの後 ろ側(100-270bp)にSV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの速いプロモータ ーエンハンサー、複製オリジンの後ろ側にポリオーマエンハンサーそしてアデノ ウイルスエンハンサーが含まれる。真核生物プロモーターの活性化のためのエン ハンサーエレメントについてはYaniv,Nature,297:17-18(1982)も参照。エンハ ンサーはHGF受容体拮抗剤-コード配列に対して5'または3'の位置でベクターに挿 入されるが、好ましくはプロモーターから5'部位に位置される。 (vi)転写終結構成要素 真核生物ホスト細胞(酵母、菌類、昆虫、植物、動物、ヒトまたは他の多核細 胞生物由来の核のある細胞)内で用いられる発現ベクターは、また転写の終結とm RNAの安定化のために必要な配列を含むであろう。該配列は、真核生物またはウ イルスのDNAまたはcDNAの非翻訳領域の5'そして時には3'から共通して入手可能 である。これらの領域はHGF受容体拮抗剤をコードするmRNAの非翻訳領域内のポ リアデニル化断片として転写される核酸部分を含む。 (vii)ベクターの構築と解析 一つかそれ以上の上記リストの構成要素を含む適したベクターの構築は、標準 的なライゲーション法を用いる。単離したプラスミドまたはDNA断片を切断し、 調製し、そして必要とされるプラスミドを作製するために望ましい形に再ライゲ ーションする。 構築したプラスミドが正しい配列か確かめるための解析として、ライゲーショ ン混合物を大腸菌K12株294(ATCC31,446)をトランスフォームすることが用いられ 、そして適当かどうかアンピシリンまたはテトラサイクリン耐性によって成功し たトランスフォーマントを選択できる。トランスフォーマントからプラスミドを 調製し、制限エンドヌクレアーゼ切断によって解析し、、および/またはMessing 等,Nucleic Acids Res.,9:309(1981)の方法またはMaxam等,Methods in Enzymo logy,65:499(1980)の方法によってシークエンスする。 (viii)一過性発現ベクター HGF受容体拮抗剤をコードするDNAの哺乳動物細胞内での一過性発現のために提 供される発現ベクターが用いられてもよい。一般的には一過性発現は、ホスト細 胞が発現ベクターの多数のコピーを蓄積し、次には発現ベクターによってコード されている望ましいポリペプチドを高レベルで合成するように、ホスト細胞内で 効率よく複製可能な発現ベクターの使用を含む[Sambrook等,上記参照]。適した 発現ベクターとホスト細胞を含む一過性発現システムは、クローン化したDNAに よってコードされるポリペプチドの簡便な積極的な同定を可能にし、同様に望ま しい生物学的または生理学的な性質のための該ポリペプチドの速いスクリーニン グを可能にする。それゆえ一過性発現システムは受容体拮抗剤の類似体及び変異 体の同定の目的に対して、本発明では特に役に立つ。 (ix)適した具体例としての脊椎動物細胞ベクター 組換え脊椎動物細胞カルチャー内でのHGF受容体拮抗剤の合成に対する翻案の ために適した他の方法、ベクターそしてホスト細胞は、Gething等,Nature,293: 620-625(1981);Mantei等,Nature,281:40-46(1979);EP 117,060;そしてEP 11 7,058に記述されている。 3.ホスト細胞の選択とトランスフォーメーション ここでベクター内のDNAをクローン化または発現するための適したホスト細胞 は、上述した原核生物、酵母、高等真核生物である。この目的のため適した原核 生物は、グラムネガティブまたはグラムポジティブ生物のような真正細菌を限定 なく含み、例えば大腸菌のようなエシェリキア、エンテロバクター、エルヴィニ ア、クレブシエラ、プロテウス、ネズミチフス菌のようなサルモネラ、霊菌のよ うなセラチアそしてシゲラといった腸内細菌、および枯草菌とバチルスリケニフ ォルミス(例えば1989年4月12日に印刷されたDD266,710に開示されているバチル スリケニフォルミス41P)のようなバチルス、緑膿菌のようなシュードモナスそし てストレプトミセスも同様に含む。好ましくはホスト細胞は、タンパク質分解酵 素の最小限の量を分泌すべきである。 原核生物に加えて、糸状菌または酵母のような真核生物細菌がHGF受容体拮抗 剤-コードベクターのためのクローニングホストまたは発現ホストとして適して いる。サッカロミセスセレビシエまたは一般的なパン酵母は、低級真核生物ホス ト微生物の間で最も広く用いられている。しかしながら、多くの他の属、種そし て株が、広く入手でき、ここで有用である。グリコシル化HGF受容体拮抗剤の発 現にとって適したホスト細胞は、多細胞生物由来のものである。該ホスト細胞は 複雑なプロセッシング及びグリコシル化活性が可能である。原則として、いかな る高等細胞カルチャーも、脊椎動物カルチャー由来から非脊椎動物カルチャー由 来まで実施できる。非脊椎動物細胞の例として、植物細胞及び昆虫細胞が含まれ る。非常に多くのバキュロウイルス株及び変異体そしてスポドプテラフルギペル ダ(芋虫)、エデスエギプティ(カ)、エデスアルボピクタス(カ)、ドロソフィラメ ラノガスター(ショウジョウバエ)そしてカイコガのようなホスト由来の相当する 複製を許容する昆虫ホスト細胞が、同定されている[Luckow等,Bio/Technology, 6:47-55(1988);Setlow等編 Genetic Engineering、第8版(Plenum Pubulishing, 1986),pp.277-279内のMiller等;そしてMaeda等,Nature,315:592-594(1985)]。 トランスフェクションのための様々なウイルス株が広く入手可能であり、例えば オートグラファカリフォルニカNPVのL-1変異体およびカイコガNPVのBm-5株があ る。 ワタ、トウモロコシ、ポテト、ソラマメ、ペチュニア、トマトそしてタバコの 植物細胞が、ホストとして利用できる。典型的には植物細胞は、細菌アグロバク テリウムツメファシエンスの特定の株と共にインキュベーションによってトラン スフェクトし、その細菌は受容体拮抗剤-コードDNAを含むように前もって処理さ れている。A.ツメファシエンスと共に植物細胞をインキュベーションする間、受 容体拮抗剤をコードするDNAは、トランスフェクトされるような植物細胞ホスト にトランスファーされ、そして適したコンディションの下で受容体拮抗剤-コー ドDNAを発現するであろう。加えて植物細胞で両立できる調節配列およびシグナ ル配列は、ノパリンシンテースプロモーターおよびポリアデニル化シグナル配列 のように入手可能である[Depicker等,J.Mol.Appl.Gen.,1:561(1982)]。加えてT -DNA 780遺伝子の上流領域から単離されたDNA領域により、組換えDNAを含む植物 組織内で植物で発現できる遺伝子の活性化したまたは増大した転写レベルが可能 である[1989年6月21日に印刷されたEP 321,196]。 カルチャー内の脊椎動物細胞(組織細胞)の増殖もまた、本分野でよく知られて いる[例えばTissue Culture,Academic Press,KruseとPatterson編(1973)参照]。 有用な哺乳動物ホスト細胞系の例として、SV40(COS-7,ATCC CRL 1651)によって トランスフォームされたサル腎CV1系;ヒト胚腎系(293細胞または懸濁液カルチ ャー内で成長のためサブクローン化された293細胞、Graham等,J.Gen Virol.,36 :59(1977));仔ハムスター腎細胞(BHK,ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター 卵巣細胞/-DHFR(CHO,UrlaubとChasin, Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216(1980)) ;マウスセルトリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.,23:243-251(1980));サル腎 細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカグリーンサル腎細胞(VERO-76,ATCCCRL-1587) ;ヒト子宮頚ガン細胞(HELA,ATCC CCL 2);イヌ腎細胞(MDCK,ATCC CCL 34);バ ッファローラット肝細胞(BRL 3A,ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 7 5);ヒト肝細胞(Hep G2,HB 8065);マウス乳房腫瘍(MMT 060562,ATCC CCL 51); TRI細胞(Mather等,Annals N.Y.Acad.Sci.,383:44-68(1982));MRC5細胞;そし てFS4細胞がある。 ホスト細胞はトランスフェクトされ、そして好ましくはHGF受容体拮抗剤生産 のための上述の発現ベクターまたはクローニングベクターを用いてトランスフォ ームされ、そしてプロモーターの誘導、トランスフォーマントの選択または望ま しい配列をコードする遺伝子の増幅のため適したように修飾されたありきたりの 栄養素培地で培養される。 トランスフェクションとは、いかなるコード配列が実際に発現されようとされ まいと、ホスト細胞によって発現ベクターが取り込まれることを示す。非常に多 くのトランスフェクションの方法が当業者に知られており、例えばCaPO4および エレクトロポレーションがある。成功したトランスフェクションは一般的に、該 ベクターの作用のいかなる徴候でもホスト細胞内で生じれば、認識される。 トランスフォーメーションとは、染色体外エレメントとしてまたは染色体への 組み込みによるかいずれでも、DNAを複製するために生物にDNAを導入することを 示す。用いられるホスト細胞に依存して、トランスフォーメーションは該細胞に 適した標準的な方法を用いてなされる。Sambrook等,上記参照内で記述されてい るような塩化カルシウムを用いたカルシウム処理またはエレクトロポレーション が、原核生物または実質的な細胞壁障害を持つ他の細胞のために使用される。ア グロバクテリウムツメファシエンスを用いた感染は、Shaw等,Gene,23:315(1983 )と1989年6月29日に印刷されたWO 89/05859に記述されているように、特定の植 物細胞のトランスフォーメーションのために使用される。加えて植物は、1991年 1月10日に印刷されたWO 91/00358に記述されているような超音波処理を用いてト ランスフェクトしてもよい。 該細胞壁を持たない哺乳動物細胞に対しては、Grahamとvan der Eb,Virology ,52:456-457(1978)のリン酸カルシウム沈殿法が好ましい。哺乳動物細胞ホスト システムトランスフォーメーションの一般的な面としては、米国特許第4,399,21 6号に記述がある。酵母へのトランスフォーメーションは典型的には、Van Solin gen等,J.Bact.,130:946(1977)とHsiao等,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),76:3829( 1979)の方法にしたがって実施される。しかしながら、核マイクロインジェクシ ョン、エレクトロポレーション、完全な細胞への細菌プロトプラスト融合または 例えばポリプレン、ポリオルニチンというポリカチオンのような、他の細胞への DNA導入法もまた用いることができる。哺乳動物細胞をトランスフォームする様 々な方法に対しては、Keown等,Methods in Enzymology,185:527-537(1990)とMa nsour等,Nature,336:348-352(1988)を参照。 4.ホスト細胞の培養 HGF受容体拮抗剤を生産するために用いられる原核生物細胞は、Sambrook等, 上記参照で一般的に記述されている適した培地内で培養できる。 HGF受容体拮抗剤を生産するため用いられる哺乳動物ホスト細胞は、様々な培 地で培養できる。商業的に入手可能な培地の例としては、Ham's F10(Sigma)、Mi nimal Essential Medium("MEM",Sigma)、PRMI-1640(Sigma)そしてダルベッコ変 法イーグル培地("DMEM",Sigma)が含まれる。いかなる該培地も、ホルモンおよび /または増殖因子(インスリン、トランスフェリンまたは上皮増殖因子のような) 、塩類(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウムそしてリン酸塩のような)、 バッファー(HEPESのような)、ヌクレオシド(アデノシン及びチミジンのような) 、抗生物質(ゲンタマイシンTM薬剤のような)、微量元素(マイクロモーラー範囲 で最終濃度に通常存在する無機化合物として定義される)及びグルコースまたは 同等のエネルギー源が必要であるとして補われる。いかなる他のサプリメントで あっても、当業者に既知であろう適した最終濃度で含んでよい。温度、pH、それ に類するもののような培養条件は、発現のため選択されたホスト細胞に事前に用 いたものであり、当業者には明白であろう。 一般的に、哺乳動物細胞カルチャーの生産力を最大化するための原理、プロト コールそして実施上の技術は、Mammalian Cell Biotechnology:a Practical App roach,M.Butler編,(IRL Press,1991)に見出すことができる。 この開示で示されるホスト細胞は、カルチャー内の細胞だけでなく、ホスト動 物内にある細胞をも包含する。 5.遺伝子増幅/発現の検出 遺伝子増幅および/または発現は、ここで提供される配列に基づく適切なラベ ルプローブを用いて、例えばありきたりのサザンブロッティング、mRNAの転写量 を測定するにはノーザンブロッティング[Thomas,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:5 201-5205(1980)]、ドットブロッティング(DNA解析)またはin situハイブリダイ ゼーションによって直接にサンプル内で測定することができる。様々なラベルが 用いられうるが、最も一般的にはラジオアイソトープ、特に32Pがある。しかし ながら、ポリヌクレオチドへの導入のためビオチン修飾ヌクレオチドを用いるよ うに、他の方法もまた用いられる。すなわちビオチンは、アビジンまたは抗体に 対する結合のための部位として用いられ、ラジオヌクレオチド、蛍光剤または酵 素のような広く様々なラベルを用いてラベルすることが可能である。代わりにDN A二重鎖、 RNA二重鎖そしてDNA-RNAハイブリッド二重鎖またはDNA-タンパク質二重鎖を含む 、特異的な二重鎖を認識することができる抗体を用いてもよい。次に抗体はラベ ルされ、表面での二重鎖の形態により、二重鎖に結合した抗体の存在が検出でき るために、二重鎖が表面のどこに結合しているかのアッセイを実施できる。 代わりに遺伝子発現は、遺伝子産物の発現を直接測定するために、細胞または 組織切片の免疫組織化学的染色および細胞カルチャーまたは体液のアッセイのよ うな、免疫学的方法で測定することができる。免疫組織化学的染色法を用いると 、細胞サンプルは典型的には、脱水および固定によって調製され、遺伝子産物と 特異的に結合するラベル抗体を用いた反応が続くが、そのラベルは酵素的ラベル 、蛍光ラベルまたは発光ラベルのような通常視覚的に検出されるものである。免 疫組織化学的染色および/またはサンプル体液のアッセイのために有効な抗体は 、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、いかなる動物内でも調製できる 。 6.HGF受容体拮抗剤ポリペプチドの精製 HGF受容体拮抗剤は分泌シグナル無しで直接生産されるとホスト細胞溶解産物 から回収されるが、好ましくはHGF受容体拮抗剤は分泌ポリペプチドとして培地 から回収される。もし受容体拮抗剤が膜結合型であれば、適した洗浄剤溶液(例 えばTriton-X100)を用いて膜からそれを引き離すことができ、あるいはその細胞 外領域を酵素的な切断によって引き離すことができる。 拮抗剤がヒト由来の細胞以外の組換え細胞内で生産された場合には、拮抗剤ポ リペプチドはヒト由来のタンパク質またはポリペプチドと関連がない。しかしな がら、受容体拮抗剤として実質的にホモ構造である調製を得るために、組換え細 胞タンパク質またはポリペプチドから受容体拮抗剤を精製することが望ましい。 第一段階として、粒子状の細胞破片を除去するために、培地または溶解産物を遠 心分離するとよい。その後HGF受容体拮抗剤を水溶性タンパク質およびポリペプ チドの混合物から精製するが、以下の方法は適した精製法の典型例である:イオ ン交換カラムを用いての分別;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカまたはDEAEの ようなカチオン交換樹脂を用いてのクロマトグラフィー;等電点電気泳動;SDS- PAGE;硫安沈降;例えばSephadexG-75を用いたゲル濾過;そしてIgGのような不 純物を除去するためのプロテインA Sepharoseカラム。 フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)のようなプロテアーゼ阻害剤もま た、精製の間のタンパク質分解を阻害するのに有用であり、そして抗生物質も外 来的な不純物の成長を妨げるために含まれよう。 7.共有結合修飾 HGF受容体拮抗剤の共有結合修飾は、本発明の範囲に含まれる。HGF受容体拮抗 剤受容体の共有結合の一つのタイプとして、拮抗剤の選択された側鎖またはNあ るいはC末端残基に反応可能な有機誘導体化試薬を用いて、拮抗剤の目標とする アミノ酸に反応させて分子を導入することがある。二官能基を持つ誘導体化は、 非水溶性支持体マトリックスまたは精製の方法に用いる表面に対して拮抗剤を架 橋するのに有用である。広く用いられている架橋試薬は、例えば1,1-ビス(ジア ゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、例えば4-アジドサリチル 酸のエステルといったN-ヒドロキシスクシンイミドエステル、3,3'-ジチオビス (スクシンイミジルプロピオネート)のようなジスクシンイミジルエステルを含 む、ホモ二官能イミドエステル、そしてビス-N-マレイミド-1,8-オクタンのよう な二官能マレイミドを含む。メチル-3-[(p-アジドフェニル)ジチオ]プロピオイ ミデートのような誘導体化試薬は、光の存在の下で架橋を形成することが可能な 光活性化中間体を生じる。代わりに、米国特許第3,969,287号;第3,691,016号; 第4,195,128号;第4,247,642号;第4,229,537号そして第4,330,440号に記述され ている臭化シアン-活性化炭化水素のような反応性非水溶性マトリックス及び反 応基質が、タンパク質固定のために用いられる。 他の修飾は、それぞれグルタミル残基およびアスパルチル残基に相当するグル タミニル残基およびアスパラギニル残基の脱アミド化、プロリンおよびリシンの ヒドロキシル化、セリル残基またはトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化 、リシン、アルギニン及びヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化[T.E.Creigh ton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,サンフ ランシスコ、pp.79-86(1983)]、N末端アミンのアセチル化およびC末端カルボキシ ル基の脱アミド化を含む。残基の修飾された形態は本発明の範囲に含まれる。 本発明の範囲内に含まれる受容体拮抗剤ポリペプチドの共有結合の修飾のもう 一つのタイプは、ポリペプチドの天然のグリコシル化パターンを変更することを 含む。「天然のグリコシル化パターンを変更する」ということは、一つかそれ以上 の炭化水素を欠失すること、および/または天然のポリペプチドには存在しない 一つかそれ以上のグリコシル化部位を加えることを意味するようここでの目的と して向けられる。 ポリペプチドのグリコシル化は、典型的にはN結合型とO結合型のいずれかであ る。N結合型とは、アスパラギン残基の側鎖に炭化水素部分が付着することを示 す。アスパラギン-Z-セリン及びアスパラギン-Z-トレオニンというトリペプチド で、Zはプロリン以外のいかなるアミノ酸でもよいものが、アスパラギン側鎖に 炭化水素部分を酵素的に付着するための認識配列である。それゆえポリペプチド 内にこれらのトリペプチド配列のどちらかが存在すると、潜在的なグリコシル化 部位を作り出し得る。O結合型グリコシル化は、ヒドロキシルアミノ酸、最も共 通にはセリンまたはトレオニンに対して、N-アセチルガラクトサミン、ガラクト ースまたはキシロースの糖類の一つが付着することを示すが、5-ヒドロキシプロ リンまたはヒドロキシリシンもまた付着部位に使われ得る。 ポリペプチドへのグリコシル化部位の付加は、(N結合型グリコシル化部位の場 合)上述のトリペプチド配列の一つかそれ以上を含むようにアミノ酸配列を変更 することによって成し遂げられる。変更は(O結合型グリコシル化部位の場合)、 天然の配列に一つかそれ以上のセリンまたはトレオニン残基を付加または置換す ることによってもなしうる。アミノ酸配列は、DNAレベルでの変化、特にコドン を望ましいアミノ酸に翻訳されるように選択するように、前もって選ばれた塩基 にポリペプチドをコードするDNAを突然変異させることによって、任意に変化し うる。DNAミューテーション(類)は、上述した方法または米国特許第5,364,934号 、上記参照内の方法を用いてなしうる。 ポリペプチド内の炭化水素部分の数を増大するもう一つの方法は、ポリペプチ ドへのグリコシドの化学的または酵素的結合によるものである。用いられる結合 方法に依存して、糖(類)は(a)アルギニンおよびヒスチジン、(b)フリーカルボキ シル基、(c)システインのもののようなフリースルフヒドリル基、(d)セリン、ト レオニンまたはヒドロキシプロリンのもののようなフリーヒドロキシル基、(e) フェニルアラニン、チロシンまたはトリプトファンのもののような芳香族残基、 または(f)グルタミンのアミド基に付着し得る。これらの方法は1987年9月11日に 印 刷されたWO 87/05330およびAplinとWriston,CRC Crit.Rev.Biochem.,pp.259-30 6(1981)に記述されている。 ポリペプチド内に存在する炭化水素部分の除去は、化学的にまたは酵素学的に 、あるいはグリコシル化のターゲットとして機能するアミノ酸残基をコードする コドンの突然変異的置換によって成し遂げられうる。例えば化合物トリフルオロ メタンスルホン酸または同等の化合物にポリペプチドをさらすことによる化学的 な脱グリコシル化は、ポリペプチドは完全なままである一方、結合糖(N-アセチ ルグルコサミドまたはN-アセチルガラクトサミド)を除いて、ほとんどまたは全 ての糖を切断することを引き起こす。化学的な脱グリコシル化については、Haki muddin等,Arch.Biochem.Biophys.,259:52(1987)およびEdge等,Anal.Biochem., 118:131(1981)に記述がある。ポリペプチドの炭化水素部分の酵素的な切断は、T hotakura等,Meth.Enzymol.,138:350(1987)に記述されているように様々なエン ドグリコシダーゼおよびエクソグリコシダーゼの使用により達成できる。 潜在的グリコシル化部位のグリコシル化は、Duskin等,J.Biol.Chem.,257:310 5(1982)に記述されているように化合物ツニカマイシンの使用により妨げられる 。ツニカマイシンはタンパク質-N-グリコシド結合の形成をブロックする。 共有結合修飾のもう一つのタイプは、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号 ;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号;または第4,179,337号に示さ れた方法で、例えばポリエチレングリコール("PEG")、ポリプロピレングリコー ルまたはポリオキシアルキレンといった様々な非タンパク質性ポリマーの一つに HGF受容体拮抗剤を結合することを含む。WO 93/00109もまた、PEG分子へポリペ プチド内のアミノ酸残基を結合する方法を記述している。 8.HGF受容体拮抗剤キメラ 本発明はまた、もう一つのヘテロ構造ポリペプチドに融合されたHGF受容体拮 抗剤を含むキメラ分子をも提供する。 一つの実施態様として、キメラ分子はタグポリペプチドとの拮抗剤の融合を含 み、該タグポリペプチドは抗タグ抗体が選択的に結合できるエピトープを提供す る。エピトープタグは一般的に拮抗剤のアミノ末端またはカルボキシル末端に置 かれる。拮抗剤の該エピトープタグ型の存在は、タグポリペプチドに対する抗体 を用いて検出できる。またエピトープタグの提供は、抗タグ抗体を用いるアフィ ニティー精製またはエピトープタグに結合するもう一つのタイプのアフィニティ ーマトリックスによって、拮抗剤を容易に精製することを可能にする。 様々なタグポリペプチドとそれら各自の抗体が本分野ではよく知られている。 例として、flu HAタグポリペプチドとその抗体12CA5[Field等,Mol.Cell.Biol., 8:2159-2165(1988)];c-mycタグとそれらの抗体8F9,3C7,6E10,G4,B7そして9E10[ Evan等,Molecular and Cellular Biology,5:3610-3616(1985)];そして単純ヘ ルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグとその抗体[Paborsky等,Protein Engine ering,3(6):547-553(1990)]を含む。他のタグポリペプチドとしては、Flag-ペプ チド[Hopp等,BioTechnology,6:1204-1210(1988)];KT3エピトープペプチド[Mar tin等,Science,255:192-194(1992)];αチューブリンエピトープペプチド[Skin ner等,J.Biol.Chem.,266:15163-15166(1991)];そしてT7遺伝子10タンパク質ペ プチドタグ[Lutz-Freyermuth等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6393-6397(1990)] が含まれる。一度タグポリペプチドが選択されれば、それに対する抗体はここで 開示される方法を用いて作製できる。 一般的に、エピトープタグ化された拮抗剤は、上述の方法にしたがって構築さ れ生産され得る。HGF受容体拮抗剤-タグポリペプチ融合体は、好ましくはタグポ リペプチドDNA配列にフレーム中でHGF受容体拮抗剤部分をコードするcDNA配列を 融合し、そして適切なホスト細胞内で合成されたDNA融合合成物を発現すること によって構築される。通常本発明のHGF受容体拮抗剤-タグポリペプチドキメラを 調製する場合、タグポリペプチドのN末端をコードする核酸に拮抗剤の3'末端を 融合するであろうが、しかしながら5'での融合もまた可能である。例えば約5か ら約10のヒスチジン残基のポリヒスチジン配列をN末端またはC末端に融合し、ア フィニティークロマトグラフィーにおける精製の取っ掛かりとして用いることが できる。 エピトープタグ化HGF受容体拮抗剤は、抗タグ抗体を用いたアフィニティーク ロマトグラフィーによって精製できる。アフィニティー抗体が付着しているマト リックスは、例えばアガロース、制御されたポアグラスまたはポリ(スチレンジ ビニル)ベンゼンを含むであろう。それからエピトープタグ化されたHGF受容体拮 抗剤は、本分野で既知の方法を用いてアフィニティーカラムから溶出されること ができる。 本発明のもう一つの実施態様として、HGF受容体拮抗剤をその血清半減期を増 大するために、サルベージ受容体結合エピトープと融合することができる。これ は例えば、HGF受容体拮抗剤抗体断片内にサルベージ受容体結合エピトープを取 り込むことによって成し遂げられる(例えば抗体断片内の適した領域のミューテ ーションによって、または例としてDNAまたはペプチド合成により、どちらかの 末端または中間で抗体断片に融合するペプチドタグ内にエピトープを取り込ませ ることによって)。 増大したin vivoでの半減期をもつ該キメラを調製する組織的な方法は、いく つかの段階が含まれる。第一段階は、IgG分子のFc領域のサルベージ受容体結合 エピトープの配列と構造を同定することを含む。一度このエピトープが同定され れば、興味のあるHGF受容体拮抗剤の配列を、同定した結合エピトープの配列と 構造を含むように修飾する。配列をミューテートした後、キメラをそれが元の拮 抗剤より長いin vivoの半減期を持つかどうか調べるためにテストする。もしキ メラがテストの結果、より長い半減期を持たなかったなら、その配列を同定され た結合エピトープの配列と構造を含むようにさらに改変する。 興味あるHGF受容体拮抗剤内に組み込まれているサルベージ受容体結合エピト ープは、上記定義したような適した該エピトープであり、その性質は例えば修飾 されている拮抗剤のタイプに依存するであろう。移動は興味あるHGF受容体拮抗 剤がいまだ拮抗剤活性を保持するようになされる。 サルベージ受容体結合エピトープは一般的には、Fcドメインの一つまたは二つ のループ由来の一つかそれ以上のアミノ酸内の領域を構成し、好ましくはHGF受 容体拮抗剤抗体断片内の類似位置に移動されている。好ましくはFcドメインの一 つまたは二つのループ由来の三つかそれ以上の残基が移動され、より好ましくは エピトープはIgGのFc領域のCH2ドメインからとられ、拮抗剤抗体のCH1,CH3また はVH領域または一つの該領域よりたくさんに移動される。代わりにエピトープは 拮抗剤抗体断片のFc領域のCH2ドメインからとられ、そしてCL領域またはVL領域 に移動される。 もう一つの実施態様として、キメラ分子は免疫グロブリン定常ドメインまたは アルブミンのようなもう一つのヘテロ構造ポリペプチドと融合したHGF受容体拮 抗剤を含む。これは単量体、ホモ多重結合またはヘテロ多重結合の型のキメラ、 特 にヘテロ二量体型のキメラを含む。 一般的には、キメラ分子は一種の抗体由来の可変ドメインがもう一種の可変ド メインで置換されているキメラ抗体と同様の方式で構築することができる。例え ばEP 0 125 023;EP 173,494;Munro,Nature,312:597(1984年12月13日);Neube rger等,Nature,312:604-608(1984年12月13日);Sharon等,Nature,309:364-367 (1984年5月24日);Morrison等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984); Morrison等,Science,229:1202-1207(1985);Boulianne等,Nature,312:643-646 (1984年12月13日);Capon等,Nature,337:525-531(1989);Traunecker等,Natur e,339:68-70(1989)を参照。キメラがヒトのためにin vivoの治療に向けられる場 合、好ましくはIgはヒト免疫グロブリンである。免疫グロブリンL鎖またはH鎖の 定常領域をコードするDNAは、知られており、cDNAライブラリーから容易に入手 可能である。例えばAdams等,Biochemistry,19:2711-2719(1980);Gough等,Bio chemistry,19:2702-2710(1980);Dolby等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:6027-60 31(1980);Rice等,Proc.Natl.Acad.Sci.,79:7862-7865(1982);Falkner等,Na ture,298:286-288(1982);そしてMorrison等,Ann.Rev.Immunol.,2:239-256(198 4)を参照。 該融合の調製法のさらに詳細なものは、イムノアドヘシンの調製に関する出版 物に見出される。一般的にいうイムノアドヘシン、およびCD4-Ig融合分子は特徴 的に1989年4月6日に印刷されたWO 89/02922に開示されている。IgGH鎖定常領域 と結合したヒト免疫不全ウイルス(HIV)の受容体であるCD4の細胞外部分を含む分 子は、本分野で知られており、CD4の水溶性細胞外部分よりも著しく長い半減期 と低いクリアランスをもつことが見出されている[Capon等,上記参照;Byrn等, Nature,344:667(1990)]。 もう一つの実施態様として、キメラはアルブミンと融合したHGF受容体拮抗剤 を含む。該キメラはプラスミド発現ベクター内にアルブミンの完全なコード領域 を挿入することによって構築できる。拮抗剤をコードするDNAを四つのグリシン 残基よりなるリンカーをコードする挿入物と共に、アルブミン配列の5'末端に挿 入する[Lu等,FEBS Letters,356:56-59(1994)]。それからHGF受容体拮抗剤-アル ブミンキメラは例えば望ましい哺乳動物細胞または酵母で発現させることができ る。 C.治療法と診断法 本発明のもう一つの実施態様として、ガンの治療法が提供される。本方法では 、HGF受容体拮抗剤はガンをもつと診断された哺乳動物に投与される。ここで用 いられる「ガン」なる語は、一つの特異的な病気の型に限定されない一方、哺乳動 物におけるHGFの増大したレベルまたはHGF受容体の大量発現あるいは活性化を伴 うことが見出されたガンに、本方法は特に効果的である。本発明の好ましい方法 としては、ガンは胸部ガンである。本発明の方法が手術のようなまだ他の治療上 の技術と組み合わせて用いられ得ることももちろん考えられる。 拮抗剤は好ましくは、製薬学的に許容できるキャリー内で哺乳動物に投与され る。適したキャリアーとその処方については、Oslo等によって編集されたReming ton's Pharmaceutical Sciences,第16版、1980、Mark Publishing Co.に記述さ れている。典型的には適切な量の製薬学的に許容できる塩が、等浸透圧の処方に するための処方において用いられる。製薬学的に許容できるキャリアーの例とし て、塩水、リンガー溶液そしてブドウ糖溶液がある。溶液のpHは好ましくは約5 から約8、そしてより好ましくは約7から約7.5である。さらにキャリアーには拮 抗剤を含む固体の疎水性ポリマーの半透性のマトリックスのような持続放出調製 を含み、該マトリックスは例えばフィルム、リポソームまたはミクロ粒子といっ た形作られた商品の形態でもよい。特定のキャリアーが例えば投与の経路及び投 与される拮抗剤の濃度に依存してより好ましいということは、当業者には明らか であろう。 拮抗剤は注射(静脈、腹膜、皮下、筋肉の)、または効果的な形態で血流への輸 送を確保する点滴のような他の方法によって、哺乳動物に投与される。拮抗剤は また、全身の治療上の効果だけでなく、局所的に長期にわたって持続的に行使す るために、腫瘍内、腫瘍周辺、損傷内、損傷周辺の各経路によって投与してもよ い。局所的または静脈注射が好ましい。 拮抗剤を投与するための効果的な投与量とスケジュールは経験的に決定され、 該決定の決定権は当業者の手中にある。投与しなければならない拮抗剤の投与量 は例えば拮抗剤を受ける哺乳動物、投与経路、用いられる拮抗剤と哺乳動物に投 与されている他の薬剤の特定のタイプに依存して変化するであろうことを、当業 者は理解しているであろう。抗体拮抗剤の適切な投与量を選択する際のガイドラ インは、例えばFerrone等編、Noges Publications,パークリッジ、N.J.,(1985) の第22章とpp.303-357のHandbook of Monoclonal Antibodies;Smith等,Antibo dies in Human Diagnosis and Therapy,Haber等編、Ravan Press,ニューヨーク( 1977)pp.365-389などの抗体の治療上の使用についての文献で見出される。単独 で用いられる拮抗剤の典型的な毎日の投与量は、上述のファクターに依存して、 約1μg/体重のkgから100mg/体重のkgまでの範囲または一日当たりそれ以上であ ろう。 拮抗剤はまた、一つかそれ以上の他の効果的な量の治療上の試薬と組み合わせ て、または放射線治療と組み合わせて哺乳動物に投与される。考えられる治療上 の試薬は、免疫アジュバント及びサイトカインと同様に、化学療法薬も含まれる 。本発明によって考えられる化学療法薬は、本分野で既知の化学物質または薬剤 を含み、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド("Ara- C")、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルファン、サイトキシン、タクソー ル、メトトレキサート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチンおよびカ ルボプラチンのような商業的に入手可能なものである。拮抗剤は一つかそれ以上 の他の治療上の試薬と共に、連続的にまたは同時に投与することができる。拮抗 剤と治療上の試薬の量は、例えば用いられる薬剤がどんなタイプか、治療される ガンおよび投与のスケジュールと経路に依存するが、それぞれが個別的に用いら れる場合より一般的に少量であろう。 哺乳動物への拮抗剤の投与に続いて、哺乳動物のガンと生理的なコンディショ ンを当業者によく知られた様々な方法でモニターできる。例えば腫瘍の大きさを 物理的にまたは標準的なX線イメージ法によって観察できる。 本発明の拮抗剤はまた、非治療上の応用において有用性をもつ。例えば診断ア ッセイのためin vitroで拮抗剤を用いる方法が提供される。例えば拮抗剤を特異 的な細胞と組織内のHGF受容体の大量生産を検出するための診断アッセイに用い られる。本分野で知られている様々な診断アッセイ法を用いることができ、それ は競合的結合アッセイ、直接または間接のサンドイッチアッセイ及び異種のまた は同種のそれぞれで実施される免疫沈降法のようなものがある[Zola,Monoclona l Antibodies:A Manual of Techniques,CRC Press,Inc.(1987)pp.147-158]。診 断アッセイで用いられる拮抗剤は、検出可能な部分を用いてラベルすることがで きる。検出可能な部分は、直接または間接に検出可能なシグナルを提供するべき である。 例えば検出可能な部分は、3H14C,32pまたは125Iのような放射性同位体、フルオ レセイン,イソチオシアネート,ローダミンまたはルシフェリンのような蛍光化合 物または化学発光化合物、またはアルカリホスファターゼ、ベータガラクトシダ ーゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼのような酵素であろう。検出可能な部分 を拮抗剤に結合するための本分野で知られているいかなる方法でも用いることが でき、その方法にはHunter等,Nature,194:495(1962);David等,Biochemistry, 13:1014-1021(1974);Pain等,J.Immunol.Meth.,40:219-230(1981);そしてNygr en,J.Histochem.and Cytochem.,30:407(1982)が含まれる。 加えてHGF受容体拮抗剤抗体はHGF受容体(類)の免疫精製にも用いられる。 D.製造物とキット 本発明の更なる実施態様において、ガンの治療またはHGF受容体の検出あるい は精製のため有用な物質を含む製造物とキットが提供される。製造物としては、 ラベルのついた容器が含まれる。適した容器は例えばボトル、ガラスビンそして 試験管が含まれる。容器はガラスやプラスチックのような様々な物質から形成さ れるであろう。容器には、ガンの治療またはHGF受容体の検出あるいは精製のた め効果的である活性試薬を持つ構成物が入っている。構成物中の活性試薬はHGF 受容体拮抗剤であり、好ましくはc-Metに特異的なモノクローナル抗体のFab断片 が含まれる。容器のラベルは構成物が、ガンの治療またはHGF受容体の検出ある いは精製のため用いられ、上述したようなin vivoまたはin vitroでの各使用の ための使用法も示されているであろう。 本発明のキットは上述した容器を含み、そしてバッファーを含む第二の容器を も含む。それは商業的におよび使用者の見地から望ましい他の物質を含み、使用 のための説明書と共に挿入された他のバッファー、希釈液、フィルター、針、シ リンジそしてパッケージを含む。 本発明は以下の実施例を参考としてより十分に理解されるであろう。しかしな がら、実施例は本発明の範囲を制限するようには構成されていない。ここでの全 ての参照用の引例は、参考として組み入れられる。 実施例 本実施例で示される全ての制限酵素は、New England Biolabsから購入され、 製品の説明書にしたがって用いられた。本実施例で示される全ての他の商業的に 入手可能な試薬は、特別な方法が示されていなければ製品の説明書にしたがって 用いられた。以下の実施例および明細書を通してATCC登録番号によって示される 細胞のソースは、American Type Culture Collection、ロックビル、メリーラン ドである。 実施例1 抗c-Met抗体の調製 Balb/cマウス(Chales River Laboratoriesから得た)を、2.5μg/50μlc-Met-I gG融合タンパク質(Ribi Immunochemical Research Inc.,ハミルトン、MTから購 入したMPL-TDMアジュバントで希釈した)を各後脚肉肢に5回注射することによっ て免疫化した。注射は0日に投与され、そして56日,63日,66日および73日に投与 された。c-Met-IgG融合タンパク質(ヒトIgG1H鎖に融合したc-Metの細胞外ドメイ ンを含む)は本質的に、Mark等,J.Biol.Chem.,267:26166-26171(1992)に記述さ れたように構築し、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内で生産された。続 いてc-Met-IgGはChamow等,J.Immunol.,153:4268-4280(1994)から修正された溶 出スキームを用いて、固定プロテインA(Bioprocessing,Inc.,プリンストン、NJ) 上のアフィニティークロマトグラフィーを用いた単一ステップで精製された。カ ルチャー上清を20mMTris,0.15MNaClで平衡化されたプロテインAカラムに流した 。カラムを最初の平衡化バッファーで洗い、それから非特異的に結合したタンパ ク質を除去するため0.5M塩化テトラメチルアンモニウムを含む平衡化バッファー で洗った。20mMTris,pH7.4,3.5MMgCl2を用いてc-Met-IgGを溶出させた。このc-M et-IgG溶出液を濃縮し、約2-4mg/mlの最終濃度までSephadexG25のゲル濾過によ って20mMTris,pH7.4,0.15MNaClに変換した。 77日にマウスから膝窩リンパ節を取り出し、1%ペニシリン-ストレプトマイシ ンを補ったDMEM培地(Biowhitakker Corp.から得た)に単一細胞懸濁液を調製した 。それから35%ポリエチレングリコールを用いて、ネズミミエローマ細胞P3X63Ag U.1(ATCC CRL 1597)とリンパ節細胞を融合し、96穴カルチャープレートで培養し た。融合から由来するハイブリドーマをHAT培地で選択した。融合の10日後、c-M et-I gG融合タンパク質に結合するモノクローナル抗体の存在を試験するため、ハイブ リドーマカルチャー上清をELISAでスクリーニングした。 ELISAでは、2μg/mlヤギ抗ヒトIgG Fc(Cappel Laboratoriesから購入した)の5 0μlを各ウェルに加えることによって、96穴ミクロタイタープレートをコート し、4℃オーバーナイトでインキュベートした。それからプレートを蒸留水で3回 洗った。2%ウシ血清アルブミンの200μlを用いて、ミクロタイター内のウェルを ブロックし、1時間室温でインキュベートした。それからプレートを再び蒸留水 で3回洗った。 洗浄ステップの後、0.4μg/mlのc-Met-IgG融合タンパク質(上述したような)の 100μlを各ウェルに加えた。シェーカー装置で室温で1時間プレートをインキュ ベートし、引き続き蒸留水で3回洗った。 それからハイブリドーマ上清の100μlを加工されたウェルに加えた。培地に調 和したP3X63AgU.1ミエローマ細胞の100μlをコントロールとして別の加工された ウェルに加えた。シェーカー装置で1時間室温でプレートをインキュベートし、 それから蒸留水で3回洗った。 次に、アッセイバッファー(PBS中に0.5%ウシ血清アルブミン,0.05%Tween-20,0 .01%Thimersol)で1:1000に希釈した50μlHRP結合ヤギ抗マウスIgG Fc(Cappel La boratoriesから購入した)を各ウェルに加え、シェーカー装置で室温で1時間プレ ートをインキュベートした。プレートを蒸留水で3回洗い、引き続き基質(5mgOPD ,12.5mlPBS,5μlH2O2)の50μlを各ウェルに加え、10分間室温でインキュベート した。2NH2SO4の50μlを各ウェルに加えることにより反応を止め、自動ミクロタ イタープレートリーダーで490nmの吸光度を読み取った。 ELISAでスクリーニングした912のハイブリドーマ上清のうち、24の上清がポシ ティブ(バックグランドより約2倍上と計算される)と分析された。ELISAでポジテ ィブと分析された上清をさらにA549細胞(c-Metを発現するヒト類表皮細胞系;ATC C CCL 185)またはc-Metを発現するBaF3トランスフェクテッド細胞(以下の実施例 6を参照)およびフルオレセイン結合マウス抗IgGを用いたFACS解析によって解析 した。19/24上清に示されたFACS解析は抗c-Met抗体に対してポジティブであった 。 実施例2 抗c-Met抗体5D5.11.6の調製 c-Met-IgG融合タンパク質を0日と7,14,21,28,211,273そして279日に投与した 以外実施例1に記述されたようにBalb/cマウスを免疫化した。282日にリンパ節を 取り出し、実施例1に記述されたように融合を実施した。実施例1に記述したELIS Aにしたがってハイブリドーマ上清を試験した。ポジティブ抗c-Metモノクローナ ル抗体の一つを5D5.11.6("5D5")と名付けた。さらなる抗体解析により、5D5モノ クローナル抗体がカッパL鎖を含むIgG1イソタイプ抗体であることが示された。 Balb/cマウスに腹水を生産させ、それからプロテインGアフィニティカラムを 用いてモノクローナル抗体を精製した。1.4の吸光係数を用いて280nmの吸光度に よってタンパク質濃度を測定した。 実施例3 HGF結合をブロックする抗c-Met抗体1A3.3.13の阻害アッセイ c-Met-IgG融合タンパク質に対するHGFの結合をブロックするための抗体(実施 例1に記述された)の能力を調べるために、阻害アッセイを実施した。阻害アッセ イを実施する前に、実施例1でELISAによりポジティブと測定された24のハイブリ ドーマ上清を、約1μg/mlの抗体調製を生ずるためにプロテインA-セファロース カラムで精製した。アッセイのため0.05M重炭酸ナトリウム,pH9.6内の2μgヤギ 抗ヒトFc(Jackson Immunochemical,West Grove,PAから購入した)の100μlを各ウ ェルに加えることによって、96穴ミクロタイタープレートをコートし、4℃オー バーナイトでインキュベートした。それから洗浄バッファー(PBS中の0.05%Tween -20,0.01%Thimersol)でプレートを3回洗った。150μlのブロッキングバッファー (PBS,pH7.4中に0.5%BSA,0.01%Thimersol)を各ウェルに加えることによってウェ ル内の非特異的結合をブロックし、起動シェーカーの速い振動を用いて2時間室 温でインキュベートした。 次に室温と起動シェーカーの振動を継続しながら、ウェルからブロッキングバ ッファーを除去し、プレートを洗浄バッファーで洗った。次にPBS中の10ng/mlc- Met-IgG融合タンパク質,0.5%BSA,0.05%Tween-20そして0.01%Thimersol(実施例1 に記述された)を各ウェルに加えた。プレートを2時間インキュベートし、それか ら洗浄バッファーで3回洗った。 Naka等,J.Biol.Chem.,267:20114-20119(1992)を修正した方法を用いて、組換 えヒトHGF(rhuHGF)をCHO細胞内で生産した。rhuHGFをトランスフェクトされた細 胞を2%胎児ウシ血清を含む培地で400Lバイオリアクター内で8日間成育させた。 それからrhuHGFを含むカルチャー上清を濃縮し浄化し、それから固形のNaClを0. 3Mまで加えて調節した。それからカチオン交換クロマトグラフィーを用いた単一 ステップでrhuHGFを精製した。調節し、濃縮したカルチャー上清を、20mMTris,p H7.5,0.3MNaClで平衡化したS-Sepharose Fast Flowのカラムに流した。非結合タ ンパク質を洗い出した後、20mMTris,pH7.5,0.3MNaClから20mMTris,pH7.5,1.2MNa Clまでの直線勾配で、rhuHGFを溶出した。rhuHGFを含む画分をSDS-PABE分析に基 づいてプールした。S-SepharoseFastFlowプールを濃縮し、約3-5mg/mlの最終濃 度になるように、20mMTris,pH7.5,0.5MNaClにSephadexG25のゲル濾過によって変 換した。それからアッセイバッファー(PBS中に0.5%ウシ血清アルブミン,0.05%Tw een-20,0.01%Thimersol)でrhuHGFを10μg/mlの濃度に希釈することによってrhuH GFストック溶液を調製した。コントロールgp120抗体(Genentech,Inc)のストック 溶液もまた、アッセイバファーで抗体を10μg/mlの濃度に希釈することによって 調製した。 それからrhuHGF、gp120または24のモノクローナル抗体の一つの各50μlを、10 00,100,10または1ng/ml/ウェルの最終濃度になるように加工されたウェルに加え た。すぐに200ng/mlのビオチン化rhuHGF(Reserch Organics,Inc.,クリーブラン ド、OHから得たビオチン-X-NHSを用いてビオチン化したrhuHGF)の50μlもまた、 各ウェルに加えた。100μlのHRP-streptavidin(アッセイバッファーで1:2000に 希釈した)(Zymed Laboratoriesから購入した)を各ウェルに加え、プレートを30 分間インキュベートした。プレートを再び蒸留水で3回洗った。50μlの基質(5mg OPD,12.5mlPBS,5μlH2O2)を各ウェルに加え、色素が出るのを20分間待った。各 ウェルに100μlの4.5N硫酸を加えることによって反応を止めた。自動ミクロタイ タープレートリーダーを用いて492nmの吸光度を測定した。 1A3.3.13として示されるモノクローナル抗体の一つは、HGFの結合を有意にブ ロックした(図2)。さらなる抗体の解析により、1A3.3.13モノクローナル抗体は カッパL鎖を含むIgG1イソタイプ抗体であることが示された。 実施例4 ヒト乳房上皮細胞系における抗体3D6,6G1および1A3.3.13のマイトジェンアッセ イ 3D6,6G1および1A3.3.13として示される実施例1で記述された融合において生産 され、実施例3に記述されたように精製されたいくつかの異なる抗体を、ヒト乳 房上皮細胞バイオアッセイにおいてDNA合成を誘導するその能力を試験し比較し た。 ヒト乳房上皮細胞(Clonetics Corp.,No.CC-2551から得た)をMammary Epitheli al Cell Basal Medium(Clonetics Corp.,No.CC-3151)内で培養した。バイオアッ セイを実施する前に、細胞をトリプシン処理し、洗いそして1×105細胞/mlの濃 度にアッセイ培地(1mg/mlBSA,ペニシリン,ストレプトマイシンそしてL-グルタミ ンを補ったBasal Medium)で再懸濁した。次に細胞の100μlを96穴カルチャープ レートのウェルに加えた。rhuHGF(実施例3に記述されている)を20ng/mlおよび20 0ng/mlの濃度にアッセイ培地で希釈した。3D6,6G1,1A3.3.13及びコントロールgp 120抗体を200ng/mlおよび2μg/mlの濃度にアッセイ培地で希釈した。それからrh uHGF及び抗体調製物の100μlを加工されたウェルに加えた。プレートを5%CO2で3 7℃で16時間インキュベートした。 次に1μCi3H-チミジン(Amersham)を各ウェルに加え、プレートを37℃で24時間 5%CO2と共にインキュベートした。ヒト乳房上細胞を集め、それからDNAに取り込 まれた放射能の量をミクロプレートシンチレーションカウンターで測定した。 その結果は、10ng/mlの濃度で3D6,6G1,1A3.3.13抗体はいくらかのHGF作用剤的 効果をもつことを示した(図3参照)。 実施例5 ミンク肺細胞系における抗体05-237および05-238のマイトジェンアッセイ 抗c-Met抗体05-237および05-238(Upstate Biotechnology Inc.,レークプラシ ッド、NY;Prat等,Mol.Cell.Biol.,上記参照、Prat等,Int.J.Cancer,上記参照 も参照)および抗体3D6(実施例4に記述されている)を、ミンク肺バイオアッセイ でDNA合成を誘導するその能力を試験し比較した。ミンク肺細胞(Mv 1 Lu,ATCC C Cl64)を10%胎児ウシ血清、ペニシリン、ストレプトマイシンおよびL-グルタミン を補ったDME/F12(50:50)内で培養した。バイオアッセイを実施する前に、ミンク 肺細胞をトリプシン処理し、洗い、1×105細胞/mlの濃度にアッセイ培地(1mg/ml BSA、ペニシリン、ストレプトマイシンおよびL-グルタミンを補ったDME/F12培地 )に 再懸濁した。それからバイオアッセイを実施例4に記述されたように実施した。 その結果は、抗体05-237および05-238はHGF作用剤効果をもつことを示した(図 4参照)。 実施例6 モノクローナル抗体1A3.3.13Fabの拮抗剤活性 1A3.3.13モノクローナル抗体Fab断片の拮抗剤活性を、チミジン取り込みアッ セイを用いて測定した。モノクローナル抗体1A3.3.13(実施例3に記述されている )をFab断片を得るためにパパインを用いて切断した。パパイン切断は始めに20mM リン酸塩/10mMEDTA,pH7.0,バッファーでオーバーナイトで抗体を透析することに よって実施された。それから抗体をおよそ10mg/mlまで濃縮した。次に0.5ml固定 パパイン(6%数珠上にしたアガロースに架橋されている、Pierce Chemicalsから 得た)を16×100mmチューブに加えた。パパインビーズを4ml切断バッファー(12ml リン酸塩バッファー,pH10内に42mgシステイン-HCl)を用いて2回洗った。各洗浄 の際、分液器を用いて水分を除去した。1A3.3.13抗体の約0.5から1mlをパパイン ビーズに加え、それから温められたシェーカーバス(37℃,200rpm)でオーバーナ イトでインキュベートした。結合バッファー(Pierce Chemicalsから得たImmunop ure IgG Binding Buffer)の1.5mlをチューブに加え、上清を分液器を用いてビー ズから分離した。それから上清を結合バッファーで平衡化したプロテインAカラ ムに通した。さらに加えた結合バッファーをカラムに通し、Fab断片を含む溶出 液を1ml画分に集めた。画分を280nmの吸光度で解析し、PBSでオーバーナイトで 透析した画分に含まれるFab断片を解析した。280nmの吸光度をFabの濃度(約1.53 )を測定するために再び読んだ。画分内のFabの純度を測定するために、画分をま た7.5%SDSゲルに乗せた。さらに1A3.3.13Fab断片を阻害アッセイ(実施例3に記述 されているような)で試験した。Fab断片はHGF結合を確かに阻害したが、完全な1 A3.3.13抗体と比較すると阻害効果は弱いことが示された(データは示していない )。 pRK5.tk.neoベクター[de Sauvage等,Nature,369:533-538(1994);Gorman等, DNA Cloning:A New Approach,2:143-190(IRL Washington 1985)]にヒトc-Metに 対するフルレングスcDNA(Rodrigues等,上記参照内でpOK met cDNAとして記述さ れている)を挿入することによって、発現ベクターを調製した。最終プラスミド を 直線化し、IL-3依存性細胞系、BaF3[Palacios等,Cell,41:727-734(1985)]内に エレクトロポレーション(800マイクロファラッド、250V,BRLエレクトロポレータ ー)でトランスフェクトした。トランスフェクトされたものの選択は、2ng/mlG41 8の存在下で2-3週間細胞を培養することによって実施された。選択されたトラン スフェクトされた細胞系の一つは、BaF3-hmet.8として示され、c-Metを発現して いることをウェスタンブロッティングによって確認された。BaF3-hnet.8はまた3 H-チミジンの取り込みを測定する増殖アッセイで、HGFに対する反応がポジティ ブであると試験された。元となるBaF3細胞も、pRK,tk,neoベクター単独("BaF3-n eo")でのトランスフェクションによって由来するいかなる細胞も、c-metの発現 または増殖アッセイでHGFに対する反応が見出されなかった。 10%胎児ウシ血清,5%WEHI-調製培地(IL-3のソースとして)および2mMグルタミン を補ったPRMI培地で、BaF3-hmet.8細胞を培養した。アッセイの実施の前に、ア ッセイ培地(10%胎児ウシ血清を補ったPRMI培地)で細胞を2回洗い、5×104細胞/m lの濃度にアッセイ培地で再懸濁した。次に細胞の100μlを96穴カルチャープレ ートの各ウェルに加えた。様々な濃度(0.2μg/ml,2μg/ml,20μg/ml)のコントロ ールgp120Fab断片(上述のようにパパインで切断されたgp120モノクローナル抗体 )と1A3.3.13Fab断片をアッセイ培地に調製し、100μlを加工されたウェルに加え られた。プレートを37℃で15時間、5%CO2の下でインキュベートした。 1μCi3H-チミジンをカルチャープレートの各ウェルに加えた。細胞を7時間後 に集め、そしてDNAに取り込まれた放射能の量をミクロプレートシンチレーショ ンカウンターで測定した(CPM)。 その結果は図5に示されている。10μg/mlの濃度で、1A3.3.13Fab断片はHGFの 存在下でBaF3-hnet.8細胞増殖を有意にブロックした。 実施例7 5D5抗体Fabの調製 5D5モノクローナル抗体(実施例2に記述されているような)を透析し、透析後に 抗体をCentricon30フィルターを用いて7mg/mlに濃縮することを除いて、本質的 に実施例6に記述されているようにパパインを用いて切断した。PBSでオーバーナ イトで5D5Fab断片を透析後、残余のF(ab')2を除去するためにゲル濾過(SuperoseTM 12,Pharmacia)によって5D5Fab断片の調製物をさらに精製した。 実施例8 c-Metに対する5D5抗体と5D5Fabの結合のアッセイ 飽和した濃度の5D5抗体またはコントロールIgG、引き続いてフルオレセイン結 合マウス抗IgGと共に、BaF3-hmetまたはBaF3-neo細胞(それぞれ実施例6に記述さ れている)をインキュベートすることによって、5D5抗体(実施例2に記述されてい る)の結合特異性を調べた。1×105BaF-hmet細胞またはBaF3-neo細胞の50μlと共 に10μg/ml5D5抗体を、30分4℃で細胞区分けバッファー(PBSと1%胎児ウシ血清) 内でインキュベートした。細胞区分けバッファーで細胞を2回洗い、1500rpmで5 分間回転した。それから1:1000に希釈した100μlのヤギ(Fab')2抗マウスIgGFc(C appel)と共に4℃で30分間細胞をインキュベートした。再び細胞区分けバッファ ーで細胞を2回洗い、1500rpmで5分間回転した。それから250μlの細胞区分けバ ッファーと共に細胞をミクロタイターチューブに移動し、そしてBecton Diskins on FACScanを用いたフローサイトメトリーによって解析した。図6Aと6Bが示すよ うに、5D5抗体はBaF3-hmet細胞に結合するが、BaF-neo細胞には結合せず、5D5抗 体はc-Metに結合することが示唆される。 5D5抗体(実施例2)および5D5Fab(実施例7に記述されている)のc-Met-IgG融合タ ンパク質に対するHGFの結合をブロックする能力を調べるために、本質的に実施 例3に記述されているような阻害アッセイもまた実施した。rhuHGF,5D5抗体,5D5F abそしてコントロールgp120Fabを、図7に示されているように0から10μg/mlの範 囲の濃度で試験した。図7のグラフ中の各データの点は3回の平均である。図7に 表されているデータにより、5D5抗体と5D5Fabの両方がc-Met-IgGに対するHGFの 結合をブロックしたことが示されている。 実施例9 5D5Fabの拮抗剤活性 A.BaF-hmet細胞アッセイ 実施例6に記述したようなチミジン取り込みアッセイを用いて、5D5Fab断片の 拮抗剤活性を調べた。様々な濃度(0,0.01,0.1,1.10μg/ml)のコントロールgp120 Fa bと5D5Fab(実施例7)をアッセイ培地で調製し、単独でまたは10ng/mlのrhuHGFの 存在下のそれぞれで加工されたウェルに加えた。その結果は図8Aと8Bに示されて いる。データは対応する実験の4回の実験の平均±SEMである。図8Aと8Bに示され ているように、5D5Fabは1μg/mlと同等の濃度では拮抗剤として作用し、HGFの存 在下でBaF3-hmet細胞増殖を有意にブロックする。 B.ヒト乳房腫瘍細胞アッセイ ヒト胸部ガン腫細胞系内のDNA合成の誘導を測定するために、5D5Fab断片の拮 抗剤活性をマイトジェンアッセイで調べた。HDA-MB-435ヒト胸部ガン腫細胞(ATC C HTB 129)(それはc-Metを発現している)を、DMEM,5%胎児ウシ血清,100U/mlペニ シリン,100μg/ml硫酸ストレプトマイシンそして2mMグルタミン内で培養した。 アッセイを実施する前に、アッセイ培地(DMEM,0.1%BSA,2mMグルタミン)で洗い再 懸濁した。それから細胞を5,000細胞/ウェルになるように96穴プレートで培養し 、様々な濃度のrhuHGF(0,0.1,1.10.100.1000ng/ml)と共に、10μg/mlの5D5Fab( 実施例7)の非存在または存在下でオーバーナイトで37℃でインキュベートした。 次に1μCi3H-チミジンを各ウェルに加え、プレートを37℃で24時間インキュベー トした。それから細胞を集め、DNAに取り込まれた放射能の量をミクロプレート シンチレーションカウンターで測定した。その結果が図9に示されている。デー タは対応する実験の6回の実験の平均±SEMである。図9に示されているように、H GFに対するガン腫細胞のマイトジェン反応は、5D5Fabによって完全にブロックさ れている。 実施例10 c-Metのチロシンリン酸化に対する5D5Fabの影響 c-Met受容体を刺激するまたはc-Met活性化を誘導する5D5Fabの能力を、c-Met チロシンリン酸化を測定するin vitroアッセイで調べた。Sadick等の方法に基づ いてサンドイッチELISAでc-Metのリン酸化を測定したが、該方法はウサギ抗c-Me tポリクローナルIgGを用いてコートしたプレート上にc-Metを捕らえ、抗P-Tyrを 用いて検出するものであった[Sadick等,Anal.Biochem.,235:207-214(1996)]。5 μg/mlウサギ抗c-MetポリクローナルIgGを用いて4℃オーバーナイトでミクロタ イタープレートをコートし、それから実施例3に記述されているように非特異的 結合をブ ロックした。ミクロタイタープレートをコートしている間、A549細胞(実施例1に 記述されている)を100mmディッシュで培養した。次の日にアッセイバッファー(1 %BSAを補ったMEN)で細胞を2回洗い、それからNK1[Lokker等,J.Biol.Chem.,268: 17145-17150(1993)に記述されているように調製されたNK1]と共にまたは5D5Fab 単独(10μg/ml)(実施例7)あるいは5D5FabをrhuHGF(10ng/ml)と共に、10分間免疫 性をテストした。細胞をPBSを用いて2回洗い、それから1mlの溶解バッファー(PB S,0.2%TritonX-100,10μg/mlアプロトニン,5mMNaF,2mMオルトバナジン酸ナトリ ウムそして0.2mMPMSF)で、室温で軌道シェーカー上で30分間細胞を溶解させた。 溶解産物を10分間遠心分離し、100μl上清をブロックされたミクロタイタープレ ートに二重に移動した。23℃で2時間のインキュベートの後、ビオチン-抗-P-Tyr (Upstate Blotech,レークプラシッド、NY)、引き続きHRP-ストレプタビジンと共 に23℃で2時間インキュベーションして、チロシンリン酸化を検出した。次にTMB ベルオキシダーゼ基質(KPL,Gaithersberg,MD)を加えた。リン酸を用いて反応を 止め、自動プレートリーダーで450nmのODを測定した。ビオチン化ウサギ抗-c-Me tポリクローナルIgG(NIHSビオチン、Pierce Chemical)を用いて検出を行うほか は上述と同様にして、トータルc-Metをもう片方のウェルで測定した。 図10Aと10Bに示されているように、チロシンリン酸化c-Metの相対量(図10A)お よびトータルc-Met(図10B)に対して溶解産物を分析した。図10Aと図10Bに示され ている結果は、対応する実験の4回の実験の平均±SEMである。 NK1はc-Metのチロシンリン酸化を確かに刺激したが(作用剤活性を示す)、HGF に対するA549細胞の反応を有意には阻害しなかった。対照的に、5D5Fabはチロシ ンリン酸化に対して刺激効果を持たず、HGF反応をブロックした。 実施例11 5D5Fabの拮抗剤活性に対するヘパリンの影響 BaF3-hmet細胞をNK1(実施例10に記述したように;0,0.01,0.1.1μg/ml)、5D5Fa b(実施例7に記述したように;0,0.01,0.1,1,10μg/ml)または5D5Fabと10ng/mlHGF と共にインキュベートすることを除いて、実施例6および9に記述したようにチミ ジン取り込みアッセイを用いて、5D5Fabの拮抗剤活性に対するヘパリンの影響を 調べた。各インキュベーションはヘパリン(1μg/ml)(Sigma)の非存在または存在 下でなされた。図11Aから11Cに示されているその結果は、対応する実験の4回の 実験の平均±SEMである。 図11Aに示されているように、外来性ヘパリンの存在によって、NK1は作用因子 に転化し得る。対照的に、ヘパリンは5D5Fabに対して作用剤活性を示さなかった (図11B)。ヘパリンによってHGFに対する反応は増大されたが、5D5Fabは拮抗剤の ままであり、HGF活性を完全にブロックした(図11C)。 実施例12 HGF誘発性細胞移動に対する5D5Fabの影響 HGF誘発性細胞移動を阻害する5D5Fabの能力を調べるためにアッセイを実施し た。48穴修飾ボイデンチェンバーの上部ウェルにA549細胞(実施例1に記述されて いる)を加え、下部ウェルにはrhuHGF(10ng/ml)および/または5D5Fab(実施例7;10 μg/ml)を含ませた。8ミクロンのポアサイズを持つポリビニルピロリドンを含ま ないポリカルボネートのバリアーを用いた。37℃で6時間のインキュベートの後 、膜の上部表面上の細胞をすり落とし、その膜をDifQuikTM(Baxter Scientific Products)を用いて染色した。膜の下部上に動したA549細胞を各ウェルに対して2 0の無作為に選択された範囲内で数えた。以下の表1に示されているデータは4個 のウェルの平均±SDである。 その結果は5D5FabがHGFに対する移動反応をブロックしたことを示す。 実施例13 5D5Fab(実施例7)の部分を4-20%勾配SDSゲルで分離し、PVDF(Immobilon-PSQ)膜 (Millipore,Marlborough,MA)上で1時間250mAの定電流でBioRad Trans-Blotトラ ンスファーセルを用いて電気ブロットした[Matsudaira,J.Biol.Chem.,262:1003 5-10038(1987)]。それから50%メタノール中の0.1%クマシーブルーR-250を用いて 30秒間膜を染色し、50%メタノール中の10%酢酸を用いて2-3分間脱染した。脱染 後水を用いて膜を入念に洗い、BlotTMカートリッジ(Applied Biosystems)を用い てモデル473A自動タンパク質シークエンサーでシークエンスする前に乾燥させて おいた。Nelson Analytical 760インターフェースを用いてJustice Innovation ソフトウェアーでピークを統合し、DEC alphaで配列解釈を実施した[Henzel等, J.Chromatography,404:41-52(1996)]。 得られた5D5H鎖の配列は脱ブロッキングが必要であり、それを以下のように実 施した。7mMDTTを用いて45℃で1時間Fab断片を還元し、180mMイソプロピルアセ トアミドを用いて25℃で20分間アルキル化した[Krutzsch等,Anal.Biochem.,209 :109-116(1993)]。それから10mMDTT(切断バッファー中に)を含む0.1Mリン酸ナト リウムを用いてMicrocon-10で3回アルキル化Fab断片を交換し、20μl切断バッフ ァー中で1mUのピログルメートアミノペプチダーゼ(Takara Biochemicals,Berkel ey,CA)を用いて45℃で3時間切断した。それから脱ブロックされたFabをPVDF膜に 移動させ、上述のようにシークエンスした。 L鎖とH鎖の可変領域の5'末端に特異的な加工PCRプライマーにN末端配列を用い 、一方3'プライマーを各鎖のコンセンサスフレームワーク4にアニールするよう に加工した[Kabat等,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Pub lic Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,(1991)] 。クローニングのため制限酵素部位を加えるためそのプライマーも加工した。St ratagen RNA単離キットを用いてハイブリドーマ5D5の108細胞から抽出したトー タルRNAを、RT-PCRのための基質として用いた。フレームワーク4特異的プライマ ーとSuperscript II RNase H-Reverse Transcriptase(Gibco-BRL,Gaithersburg, MD)を用いて、標準的なコンディション[Kawasaki等,PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Innis等編、Academic Press,San Diego,pp21-27(1 990)]の下で逆転写を実施した。2%DMSOを反応混合物内でインキュベートする以 外、Kawa saki等,上記参照に記述されているようにPCR増幅はTaqポリメラーゼ(Perkin El mer-Cetus,Foster City,CA)を用いた。制限酵素SfiIとRsrII(L鎖)またはMluI とApaI(H鎖)を用いてDNA断片を切断し、ゲルを精製して、発現ベクターpAK19[C arter等,Bio/Tachnology,10:163-167(1992)]の誘導体内にクローン化した。STI Iシグナル配列と可変ドメインの間、および各鎖の可変ドメインと定常ドメイン の接合点に、独特な制限部位を含ませるため、このベクターpXCA730をサイトデ ィレクトミュータジェネシス[Kunkel等,Proc.Natl.Acad.Sci.,82:488(1985)]に よって修飾した。L鎖とH鎖の可変ドメインcDNAをヒトCKおよびCH1ドメインの上 流とフレーム中に挿入した。F(ab')2分子を生ずるジスルフィド架橋を形成する ことが可能なpAK19内のH鎖のC末端システインを、抗体のFab型のみを発現するよ うに除去した。 Carter等,上記参照によって記述されているように大腸菌K12株33B6[Rodrigue s等,Cancer Res.,55:63-70(1995)]内で組換え5D5Fabを発現させた。図12はキメ ラ5D5Fabの発現のためのディスシストロニックオペロンを含むプラスミドp5D5の 該略図描写を示す。大腸菌アルカリホスファターゼプロモーターのコントロール の下で発現がなされ、それはリン酸塩飢餓状態で誘導される。大腸菌のペリプラ ズム空間に配列を向けるため、大腸菌熱安定性エンテロトキシンIIシグナル配列 が各抗体鎖に先行した。抗体5D5(VLおよびVH)由来のネズミ可変ドメインは、正 確にその3'末端でそれぞれヒトK1CLおよびCH1定常ドメインと融合していた。 10-L発酵過程から細胞ペレットを継続的供給遠心分離によって集菌し、冷凍し て-70℃で貯蔵した。抽出バッファー(120mMMES,pH6.0および5mMEDTA,5mlグラム のペースト)内にペレットの一部を懸濁した。ウルトラツーラックス(Janke and Kunkel)を用いて懸濁液を入念に混ぜた。それから冷却用コイルを取り付けた細 胞ホモジナイザー(Microfluidizer,Microfluidics Corp.による,Newton,MA)を通 した2通路を用いて、完全な細胞を破壊した。それからpH6.0に調節しておいた5% (v/v)ストックを用いて0.1%(v/v)ポリエチレンイミンに懸濁液を調節した。25.4 00×gで30分間の遠心分離により完全な細胞とPEI凝集破片を可溶性画分から分離 した。精製水を加えて上清を4mSより低い伝導度に調節し、40ミクロン粒子サイ ズのBakerbound ABX(J.T.Baker,Phillipsburg,N.J.)のカラム(1×10cm)に流した 。カラムは50mMMES,5mMEDTA,pH6.0で平衡化しておいた。全工程は100cm/時間の 直線状フロ ーレートでなされた。流した後、カラム流出物の吸光度がベースラインに平衡化 するまで、カラムを平衡化バッファーで洗った。平衡化バッファー内の0から100 mM硫酸アンモニウムの直線勾配の16カラム容量を用いて溶出を実施した。カラム 画分をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析し、Fabを含む画分をプール した。ABXカラムからのプールの伝導度は4mSより低くし、25mMMOPSバッファー、 pH6.9で平衡化しておいたSP-Sepharose High Performance樹脂(Pharmacia Biote ch,Piscataway,N.J.)のカラム(1×10cm)上に流した。全工程を100cm/時の直線フ ローレートで実施した。流すのに引き続き、平衡化バッファーの1カラム量を用 いてカラムを洗った。それから平衡化バッファーに0から200mM酢酸ナトリウムの 直線勾配の16カラム量を用いて、5D5Fabをカラムから流出させた。カラム画分を SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析し、Fabを含む画分をプール した。 5D5FabのL鎖は図1A(SEQ ID NO:1)に示されているようにアミノ酸残基1から220 を含み、および5D5FabのH鎖は図1B(SEQ ID NO:2)に示されているようにアミノ酸 残基1から230(その中のアミノ酸残基1はグルタミン酸残基を含む)を含む。5D5Fa bの分子量分析により、それはおよそ45kDaの分子量をもつことが示された。十分 に理解されてはいないが、天然の5D5FabH鎖のアミノ酸残基1はグルタミンであろ うと思われる。 実施例14 c-Metに対する組換え5D5Fab結合のアッセイ c-Met-IgG融合タンパク質に対するHGFの結合をブロックする組換え5D5Fab(実 施例13)の能力を調べるために、本質的に実施例3および8に記述されているよう な阻害アッセイを実施した。実施例13に示されているように0.001-10μg/mlの範 囲の濃度で、rhuHGF、組換え5D5Fabおよび組換えコントロールFab(抗VEGFFab,Ge nentech,Inc.)を試験した。図13に示されているデータは二重のウェルの平均±S Dである。図13のグラフはコントロールがそうでない一方、組換え5D5Fabがc-Met に対する結合を阻害することを表す。 実施例15 組換え5D5Fabの拮抗剤活性へのヘパリンの影響 実施例6,9および11に記述されているようなチミジン取り込みアッセイを用い て、組換え5D5Fab(実施例13)の拮抗剤活性へのヘパリンの影響を調べた。0-10.0 00ng/mlの組換え5D5Fab(実施例13)または組換えコントロールFab(実施例14に記 述されている抗VEGFFab)をそれぞれ単独、1μg/mlヘパリン(Sigma),10ng/mlrhuH GFまたは10ng/mlrhuHGFプラス1μg/mlヘパリンと共に、BaF3-hmet細胞をインキ ュベートした。 その結果が図14A-14Dに示されており、データは対応する実験の4回の実験の平 均±SEMである。その結果により、組換え5D5Fabはヘパリンの存在下でも非存在 下でも拮抗剤のままであったことが示された。 物質の寄託 以下のカルチャーはAmerican Type Culture Collection,12301 Parklawn Driv e Rockville,MD,USA(ATCC)に寄託されている。 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の規定に基づ いて寄託がなされた。これは寄託の日から30年間生存能力のあるカルチャーの管 理を保証する。生物はブタペスト条約の定める期間ATCCから入手可能であり、Ge nentech,Inc.とATCCの間の合意により、関係のある米国特許の発行か、米国また は外国の特許出願の公開かの、いずれか早い時点で公衆に対してカルチャーの子 孫の永久に制限のない入手可能性が保証され、かつ米国特許法第122条ならびに それに従う長官規則(特に8860G638に関係する37CFR1.14を含む)に従って米国特 許商標長官によって権利を与えられることが決定された公衆に対する子孫の入手 可能性が保障される。 本出願の譲受人は、もし寄託したカルチャーが適したコンディションの下で培 養されながら死んだまたは失われたまたは破壊された場合、同じカルチャーの生 存能力のある標本を告示して直ちにそれらを置き換えることを合意した。寄託さ れた株の利用可能性は、特許法にしたがっていかなる政府の権威に基づいて許可 された権利に違反して、自由に本発明を実施できるというように解釈されない。 先の文書の明細書が当業者をして本発明を実施せしめるのに十分であると考え られる。寄託された実施態様は本発明の一面の例証としてのつもりであり、機能 的に均質であるいかなるカルチャーも本発明の範囲内にあるので、本発明は寄託 されたカルチャーによって範囲を限定されることはない。ここで物質の寄託は、 ここに含まれる記述されたものが、その最適のモードを含む本発明の任意の面の 実施可能性に対して不十分であることの自認を構成するものではなく、存在する 特別に説明された請求の範囲が表された特定の例に限定されるとみなされるもの でもない。
【手続補正書】 【提出日】1998年2月26日 【補正内容】 特許請求の範囲 1.HGF受容体に特異的に結合する肝細胞増殖因子(HGF)受容体拮抗剤。 2.抗体である請求項1の拮抗剤。 3.モノクローナル抗体である請求項2の抗体。 4.抗体がc-Met受容体に結合する請求項2の抗体。 5.抗体がc-Met受容体に対するヒトHGFの結合を阻害する請求項4の抗体。 6.Fab断片を含む請求項2の抗体。 7.キメラ抗体を含む請求項2の抗体。 8.American Type Culture Collectionの下に寄託された登録番号ATCC HB-11894 のハイブリドーマ細胞系によって生産されるモノクローナル抗体の生物学的特性 をもつ請求項2の抗体。 9.抗体がAmerican Type Culture Collectionの下に寄託された登録番号ATCC HB -11894のハイブリドーマ細胞系によって生産されるモノクローナル抗体が結合す るエピトープと実質的に同じエピトープに結合する請求項2の抗体。 10.American Type Culture Collectionの下に寄託された登録番号ATCC HB-1189 5のハイブリドーマ細胞系によって生産されるモノクローナル抗体の生物学的特 性をもつ請求項2の抗体。 11.抗体がAmerican Type Culture Collectionの下に寄託された登録番号ATCC H B-11895のハイブリドーマ細胞系によって生産されるモノクローナル抗体が結合 するエピトープと実質的に同じエピトープに結合する請求項2の抗体。 12.HGF受容体に特異的に結合し、請求項8から11のいずれか一項に記載された抗 体のL鎖のアミノ酸残基に相当するアミノ酸配列と、H鎖の1-230アミノ酸残基に 相当するアミノ酸配列を含む 、単離されたHGF受容体拮抗剤。13 .HGF受容体に特異的に結合し、請求項8から11のいずれか一項に記載された抗 体のものに相当するアミノ酸配列を含む、単離されたHGF受容体拮抗剤。 14 .請求項12または13のHGF受容体拮抗剤をコードする単離された核酸。15 .請求項1のHGF受容体拮抗剤をコードする単離された核酸。16 .該拮抗剤が抗体である請求項15の核酸。17 .請求項12または13の核酸を含むベクター。18 .請求項17のベクターを含むホスト細胞。19 .請求項18のホスト細胞を培養し、ホスト細胞カルチャーからHGF受容体拮抗 剤を回収することを含むHGF受容体拮抗剤の生産法。20 .請求項3の抗体を生産するハイブリドーマ細胞系。21 .ATCC HB-11894を含む請求項20のハイブリドーマ。22 .ATCC HB-11895を含む請求項20のハイブリドーマ。23 .ヘテロ構造ポリペプチド配列を融合した請求項1、12または13のHGF受容体拮 抗剤を含むキメラ分子。24 .上記ヘテロ構造ポリペプチドがタグポリペプチド配列である請求項23のキメ ラ分子。25 .上記ヘテロ構造ポリペプチド配列が免疫グロブリン配列である請求項23のキ メラ分子。26 .上記ヘテロ構造ポリペプチド配列がアルブミン配列である請求項23のキメラ 分子。27 .請求項1、12または13のHGF受容体拮抗剤および製薬学的に許容できるキャリ アーを含む製薬組成物。28 .上記拮抗剤が抗体である請求項27の製薬組成物。29 .ガンをもつとして診断された哺乳動物に効果的な量のHGF受容体拮抗剤を投 与することを含む哺乳動物におけるガンの治療法。30 .上記拮抗剤が抗体である請求項29の方法。31 .上記ガンが胸部ガンである請求項29の方法。32 .上記ガンが脾臓ガンである請求項29の方法。33 .上記ガンが結腸ガンである請求項29の方法。34 .上記ガンが肺ガンである請求項29の方法。35 .容器; 該容器のラベル;および 該容器内に含まれる組成物; を具備し、組成物がガンの治療に効果的な活性試薬を含み、該容器のラベルが組 成物がガンの治療のため用いられ得ることを示し、そして該組成物中の活性試薬 がHGF受容体拮抗剤を含むものである製造物。36 .該拮抗剤が抗体である請求項35の製造物。37 .さらに哺乳動物に対するHGF受容体拮抗剤の投与についての説明書を含む請 求項35の製造物。38 .第一の容器、該容器のラベルおよび該容器内に含まれる組成物を具備し; 組成物がガンの治療に効果的な活性試薬を含み、該容器のラベルが組成物がガン の治療のため用いられ得ることを示し、そして該組成物中の活性試薬がHGF受容 体拮抗剤を含むものであり、 製薬学的に許容できるバッファーを含む第二の容器;および ガンを治療するためのHGF受容体拮抗剤の使用説明書 を含むキット。39 .容器; 該容器のラベル;および 該容器内に含まれる組成物; を含み、組成物がHGF受容体の検出または精製に効果的な活性試薬を含み、該容 器のラベルが組成物がHGF受容体の検出または精製のため用いられ得ることを示 し、そして該組成物中の活性試薬がHGF受容体拮抗剤を含むものである製造物。40 .該拮抗剤が抗体である請求項39の製造物。41 .第一の容器、該容器のラベルおよび該容器内に含まれる組成物を具備し; 組成物がHGF受容体の検出または精製に効果的な活性試薬を含み、該容器のラベ ルが組成物がHGF受容体の検出または精製のため用いられ得ることを示し、そし て該組成物中の活性試薬がHGF受容体拮抗剤を含むものであり、 製薬学的に許容できるバッファーを含む第二の容器;および HGF受容体を検出または精製するためのHGF受容体拮抗剤の使用説明書 を含むキット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/10 C12P 21/08 15/09 ZNA G01N 33/566 C12P 21/08 33/577 B G01N 33/566 C12N 5/00 B 33/577 15/00 ZNAA //(C12P 21/08 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA ,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.HGF受容体に特異的に結合する肝細胞増殖因子(HGF)受容体拮抗剤。 2.抗体である請求項1の拮抗剤。 3.モノクローナル抗体である請求項2の抗体。 4.抗体がc-Met受容体に結合する請求項2の抗体。 5.抗体がc-Met受容体に対するヒトHGFの結合を阻害する請求項4の抗体。 6.Fab断片を含む請求項2の抗体。 7.キメラ抗体を含む請求項2の抗体。 8.American Type Culture Collectionの下に寄託された登録番号ATCC HB-11894 のハイブリドーマ細胞系によって生産されるモノクローナル抗体の生物学的特性 をもつ請求項2の抗体。 9.抗体がAmerican Type Culture Collectionの下に寄託された登録番号ATCC HB -11894のハイブリドーマ細胞系によって生産されるモノクローナル抗体が結合す るエピトープと実質的に同じエピトープに結合する請求項2の抗体。 10.American Type Culture Collectionの下に寄託された登録番号ATCC HB-1189 5のハイブリドーマ細胞系によって生産されるモノクローナル抗体の生物学的特 性をもつ請求項2の抗体。 11.抗体がAmerican Type Culture Collectionの下に寄託された登録番号ATCC H B-11895のハイブリドーマ細胞系によって生産されるモノクローナル抗体が結合 す るエピトープと実質的に同じエピトープに結合する請求項2の抗体。 12.HGF受容体に特異的に結合し、図1Aのアミノ酸残基1-220および図1Bのアミノ 酸残基1-230を含む、単離されたHGF受容体拮抗剤。 13.請求項12のHGF受容体拮抗剤をコードする単離された核酸。 14.請求項1のHGF受容体拮抗剤をコードする単離された核酸。 15.該拮抗剤が抗体である請求項14の核酸。 16.請求項12の核酸を含むベクター。 17.請求項16のベクターを含むホスト細胞。 18.請求項17のホスト細胞を培養し、ホスト細胞カルチャーからHGF受容体拮抗 剤を回収することを含むHGF受容体拮抗剤の生産法。 19.請求項3の抗体を生産するハイブリドーマ細胞系。 20.ATCC HB-11894を含む請求項19のハイブリドーマ。 21.ATCC HB-11895を含む請求項19のハイブリドーマ。 22.ヘテロ構造ポリペプチド配列を融合した請求項1または請求項12のHGF受容体 拮抗剤を含むキメラ分子。 23.上記ヘテロ構造ポリペプチドがタグポリペプチド配列である請求項22のキメ ラ分子。 24.上記ヘテロ構造ポリペプチド配列が免疫グロブリン配列である請求項22のキ メラ分子。 25.上記ヘテロ構造ポリペプチド配列がアルブミン配列である請求項22のキメラ 分子。 26.請求項1または請求項12のHGF受容体拮抗剤および製薬学的に許容できるキャ リアーを含む製薬組成物。 27.上記拮抗剤が抗体である請求項26の製薬組成物。 28.ガンをもつとして診断された哺乳動物に効果的な量のHGF受容体拮抗剤を投 与することを含む哺乳動物におけるガンの治療法。 29.上記拮抗剤が抗体である請求項28の方法。 30.上記ガンが胸部ガンである請求項28の方法。 31.上記ガンが脾臓ガンである請求項28の方法。 32.上記ガンが結腸ガンである請求項28の方法。 33.上記ガンが肺ガンである請求項28の方法。 34.容器; 該容器のラベル;および 該容器内に含まれる組成物; を具備し、組成物がガンの治療に効果的な活性試薬を含み、該容器のラベルが組 成物がガンの治療のため用いられ得ることを示し、そして該組成物中の活性試薬 がHGF受容体拮抗剤を含むものである製造物。 35.該拮抗剤が抗体である請求項34の製造物。 36.さらに哺乳動物に対するHGF受容体拮抗剤の投与についての説明書を含む請 求項34の製造物。 37.第一の容器、該容器のラベルおよび該容器内に含まれる組成物を具備し; 組成物がガンの治療に効果的な活性試薬を含み、該容器のラベルが組成物がガン の治療のため用いられ得ることを示し、そして該組成物中の活性試薬がHGF受容 体拮抗剤を含むものであり、 製薬学的に許容できるバッファーを含む第二の容器;および ガンを治療するためのHGF受容体拮抗剤の使用説明書 を含むキット。 38.容器; 該容器のラベル;および 該容器内に含まれる組成物; を含み、組成物がHGF受容体の検出または精製に効果的な活性試薬を含み、該容 器のラベルが組成物がHGF受容体の検出または精製のため用いられ得ることを示 し、そして該組成物中の活性試薬がHGF受容体拮抗剤を含むものである製造物。 39.該拮抗剤が抗体である請求項38の製造物。 40.第一の容器、該容器のラベルおよび該容器内に含まれる組成物を具備し; 組成物がHGF受容体の検出または精製に効果的な活性試薬を含み、該容器のラベ ルが組成物がHGF受容体の検出または精製のため用いられ得ることを示し、そし て該組成物中の活性試薬がHGF受容体拮抗剤を含むものであり、 製薬学的に許容できるバッファーを含む第二の容器;および HGF受容体を検出または精製するためのHGF受容体拮抗剤の使用説明書 を含むキット。
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