JPH11502535A - 2−メチル−チエノ−ベンゾジアゼピンの製造及び結晶形態 - Google Patents

2−メチル−チエノ−ベンゾジアゼピンの製造及び結晶形態

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JPH11502535A JP8529532A JP52953296A JPH11502535A JP H11502535 A JPH11502535 A JP H11502535A JP 8529532 A JP8529532 A JP 8529532A JP 52953296 A JP52953296 A JP 52953296A JP H11502535 A JPH11502535 A JP H11502535A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、II型の、医薬品として美観を有する、安定なオランザピンの結晶多形を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 2−メチル−チエノ−ベンゾジアゼピンの製造及び結晶形態 本発明は、2−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−10H−チ エノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピン(以下、その一般名である「オラ ンザピン」と称する)の新規の形態に関し、より具体的には、その化合物の新規 の結晶形態及びその新規の形態を活性成分として含有する医薬製剤に関する。 従来既知の形態に対して明確な利点を有するオランザピンの新規結晶形態がこ こに合成され、特性化された。既知の形態とは、米国特許第5,229,382号 (以下、「'382特許」と称する)に記載の方法を用いて製造される物質であ って、新規結晶形態はこれと、X線粉体回折分析により明確に区別される。'3 82特許に記載された手法によって製造されたオランザピンの最初の形態(以下 、「I型」と称する)は、準安定であり医薬製剤の商業的な用途にはあまりふさ わしくないことが分かっている。しかし、本発明によれば、新たに発見されたオ ランザピンの第二の結晶多形(以下、「II型」と称する)は、高純度の形態、 即ちI型を含まず、水又はアセトニトリル等の溶媒和物の混入がない形態で得る ことが可能であると分かっており、安定で、医薬品としての美観を有するので、 錠剤のような医薬製剤の商業的用途に非常にふさわしい。 オランザピンは、精神病患者の処置において非常に有望であることが示されて おり、その目的のために現在試験中である。残念ながら、'382特許に記載の 方法を用いて製造したオランザピンは、通常、商業的な医薬品の用途には望まし くない色を呈する。特に、空気にさらされて、色が経時的に変化することが分か った。'382特許に記載の方法を用いて製造したオランザピンを炭素処理して も、望ましくない色を全部除くことはできない。経時的に色が変化するこのよう な医薬品は、色の変化がはっきりと分かる錠剤のような剤型を選択したならば、 精神病患者には特に厄介になるだろう。したがって、高純度で変色のないことが 望ましい。本発明の新規の結晶多形は、医薬品としての美観のために望まれ精神 病患者に投与する薬物に必要な、望ましい特性を適確にもたらし、満足のゆく色 安定 性を有し、水及びアセトニトリルのような望ましくない溶媒和物を実質的に含ま ない。 本発明は、以下の格子面間隔で示される典型的なX線粉体回折パターンを有す るII型オランザピン結晶多形を提供する。 II型のX線回折パターンの典型的な例を以下に示す(式中、dは格子面間隔 を表し、I/I1は典型的な比強度を表する)。 本明細書に記載したX線回折パターンは、波長λ=1.541Åの銅Kα照射 源を有するSimens D5000 X線粉体回折計を使用して得られた。 本発明はさらに、II型結晶多形を実質的に純粋な形態で提供する。 本発明はまた、II型を活性成分として、1又はそれ以上の薬学的に許容し得 る添加剤とともに含有する錠剤等の医薬製剤を提供する。本発明の別の態様にお いては、精神病状態、軽い不安、胃腸障害の処置のためのII型の使用方法、及 びそのような方法に使用するための医薬製剤の提供方法を提供する。 '382特許に教示されている製造方法により入手可能な結晶多形を、I型と 称し、実質的に以下に示すように、Simens D5000 X線粉体回折計を使用して得 られた典型的なX線粉体回折パターン(式中、dは格子面間隔を表す)を有する 。 I型のX線回折パターンの典型的な例を以下に示す(式中、dは格子面間隔を 表し、I/I1は典型的な比強度を表する)。 本明細書に記載したX線回折パターンは、波長λ=1.541Åの銅Kαによ り得られた。欄中、「d」で記された格子面間隔は、オングストームである。典 型的な非強度は、欄中「I/I1」で記した。 本発明により提供されるオランザピンの新規の形態を、実質的に純粋な形態で 製造することはかなり難しい。しかし、本発明によれば、適度に高純度なオラン ザピン、即ち工業用品質のもの(つまり、望ましくない関連物質を約5%未満、 好ましくは望ましくない関連物質を約1%未満で含有するオランザピン。実施例 1を参照。)を、無水条件下で酢酸エチルに溶解した場合に、形成したII型が 、この溶液から実質的に純粋な形態、即ち望ましくない結晶多形又は水若しくは アセトニトリル等の溶媒を含まない形態で析出し得ることを発見した。無水条件 とは、1%未満の水が酢酸エチル中に存在していることを意味する。 本発明に従うII型の製造では、工業用品質のオランザピンを、撹拌などのか きまぜによって酢酸エチル中に溶解し得る。得られた溶液からの結晶化は、結晶 種の添加(seeding)、冷却、反応容器のガラスをこする(scratching)、及び 他のこのような一般的な方法を含む慣用の方法のいずれによるものでもよい。 本明細書に使用する「実質的に純粋な」なる語は、約5%未満のI型、好まし くは約2%未満のI型、及びさらに好ましくは約1%未満のI型を伴っているI I型を意味する。さらに、「実質的に純粋な」II型は、約0.5%未満の関連 物質を含有するであろう。ここで「関連物質」とは、望ましくない化学的不純物 又は残留溶媒又は水を意味する。具体的に、「実質的に純粋な」II型は、アセ トニトリルを含量約0.05%未満で、より好ましくはアセトニトリルを含量約 0.005%未満で含有する。さらに、本発明の結晶多形は、会合した水を0.5 %未満で含有する。 本発明の新規の結晶多形は溶媒和物を含まないこと、例えば無水物として存在 することが好都合である。 II型を含有する医薬製剤は、I型を約10%未満で、好ましくはI型結晶多 形を約5%未満で含有する。 オランザピンは、有用な中枢神経系活性を有する。この活性は、例えば'38 2特許に記載されているような十分確立された手法を用いて実証されている。本 発明によって提供されるII型は、'382特許に記載のオランザピンと同一の 受容体活性のプロファイルと同一の治療用途を有するとみられる。したがって、 II型は、分裂病、分裂病様障害、精神病、軽い不安状態、及び腸の機能障害( functional bowel disorders)の処置に有用である。 II型は、広い投与量範囲にわたり効果的であり、投与する実際の投与量は、 処置する状態に依存する。例えば、成人のヒトの処置においては、1日あたり、 投与量約0.25〜50mg、好ましくは1〜30mg、さらに最も好ましくは1 〜20mgを使用してよい。1日1回の投与で通常は十分であるが、分割した投 与量で投与してもよい。中枢神経系の疾患の治療に関しては、1日あたり、1〜 30mg、好ましくは2.5〜20mgの投与量範囲が適切である。 II型は、通常、経口で投与し、この目的のために、医薬製剤の形態で使用す るのが普通である。 したがって、II型を活性成分として、薬学上許容し得る担体をとともに含有 する医薬製剤を製造し得る。本発明の組成物の製造では、医薬組成物の製造のた めの慣用の技術を使用してよい。例えば、活性成分を、通常、担体と混合し、又 は担体で希釈し、又はカプセル、サシェ、紙又は他の容器の形態であってよい担 体内に入れる。担体が希釈剤として働く場合には、活性成分のビークル、添加剤 又は媒体として作用する固体、半固体又は液体の物質であってよい。活性成分は 、例えばサシェ内で、顆粒状の固形容器上に吸着させることができる。適当な担 体のいくつかの例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール 、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、 トラガカント、ゼラチン、シロップ、メチルセルロース、メチル−及びプロピル −ヒドロキシ安息香酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム又は鉱油である。本 発 明の組成物は、所望ならば、患者への投与後の、迅速な、持続する、又は遅延さ せた活性成分の放出をもたらすように調剤することができる。例えば、このよう な好ましい、迅速に放出する製剤が、米国特許第5,079,018号、同第5, 039,540号、同第4,305,502号、同第4,758,598号及び同第 4,371,516号に記載されており、これらは、本明細書の一部を構成する。 投与方法に依存して、中枢神経系の状態の処置のための組成物は、錠剤、カプ セル剤、経皮送達のためのゲル若しくは懸濁剤、経口使用のための懸濁剤若しく はエリキシル剤又は坐剤として調剤してよい。好ましくは、組成物を単位投与剤 型に調剤し、各用量に、0.25〜100mg、より一般的には1〜30mgの活 性成分を含有する。徐放性製剤が望ましい場合には、単位投与剤型は、0.25 〜200mgの活性成分を含有し得る。本発明の好ましい製剤は、活性成分0.2 5〜75mg又は1〜30mgを、そのための薬学上許容し得る担体とともに含有 する、カプセル剤又は錠剤である。 本発明の出発物質は、当業者によく知られている様々な手法により製造するこ とができる。本発明の製造法において出発物質として使用する材料は、本明細書 の一部を構成する、Chakrabarti,米国特許第5,229,382号('382)に よって教示されている一般的な手順によって製造することができる。 以下の実施例は説明を目的として提供されるものであり、特許請求された発明 の範囲の限定と解釈されるべきものではない。 化合物の特徴化の方法には、例えば、X線粉体パターン分析、熱重量分析(T GA)、示差走査熱量分析(DSC)、水の滴定分析、及び溶媒成分のH1−N MR分析が含まれる。 実施例1 工業用品質のオランザピン 適当な三頸フラスコ中に以下のものを加える。 ジメチルスルホキシド(分析用) 6倍量 中間体1 75g N−メチルピペラジン(試薬) 6当量 中間体1は、当業者に知られている方法を用いて製造することができる。例え ば、中間体1の製造は、'382特許に教示されている。表面下窒素噴出ライン を加えて反応中に形成したアンモニアを除いた。反応物を120℃に加熱し、反 応中はその温度で維持した。反応は、未反応の中間体1が5%以下になるまでH PLCで追跡した。反応が完了したら、混合物を20℃にゆっくりと冷却した( 約2時間)。次いで、反応混合物を適当な三頸丸底フラスコに移し、水浴中に移 した。この溶液を撹拌しながら、10倍量の試薬等級のメタノールを加え、反応 物を20℃で30分間撹拌した。3倍量の水を約30分間かけてゆっくりと加え た。反応物のスラリーを0〜5℃に冷却し30分間撹拌した。生成物を濾過し、 湿潤ケーキを冷メタノールで洗浄した。この湿潤ケーキを、45℃で一晩真空乾 燥した。生成物は工業用オランザピンであると同定された。 収量:収率76.7%;力価:98.1% 実施例2 II型 工業用品質の2−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−10H− チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピンの試料270gを無水酢酸エチ ル(2.7L)中に懸濁した。混合物を76℃に加熱し、76℃に30分間維持 した。混合物を25℃に冷却した。得られた生成物を、吸引濾過を用いて単離し た。この生成物は、X線粉体分析を用いてII型であると同定された。 収量:197g II型を製造するための上記に記載した方法により、97%以上の力価を有す し、総関連物質が0.5%以下、単離後の収率が73%以上である、医薬品とし て美観を有する生成物を得る。 実施例3 錠剤 活性成分を適当な希釈剤、滑沢剤、崩壊剤及び結合剤とともに造粒し圧縮する ことにより、錠剤を製造する。 II型オランザピン 10.0mg ステアリン酸マグネシウム 0.9mg 微晶性セルロース 75.0mg ポビドン 15.0mg デンプン、直接圧縮可能 (directly compressible) 204.1mg 実施例4 錠剤 ヒドロキシプロピルセルロースの一部を精製水に溶解して造粒のための溶液を 調製した。非常に微細な粒度の、残りのヒドロキシメチルセルロース(合計4. 0%w/w最終錠剤重量)を、高剪断造粒機中で、II型(1.8%w/w)、 ラクトース(79.32%w/w)及びクロスポビドンの一部(5%w/w)と 混合した。すべての成分を、添加前に安全のためふるいにかけ、造粒機中で乾燥 配合した。次いで、この混合物を高剪断造粒機中でヒドロキシプロピルセルロー ス溶液とともに造粒した。顆粒を標準的な方法を用いて湿潤分級(wet sized) した。次いで、この湿潤顆粒を流動床乾燥機中で乾燥し、分級した。次いで、こ の材料を転動ビン(tumble bin)ミキサーに加えた。 微晶性セルロース(顆粒状)(10%w/w)、ステアリン酸マグネシウム( 0.5%w/w)及びクロスポビドンの残りからなる外部粉体(outside powder )を、分級した顆粒に加えた。混合物を配合し、適当な器具により打錠装置上で 圧縮した。サブコーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロース(10%w/w)を精製水と混合し、溶 液を調製した。コア錠剤を大体同じ断片に分割し、ヒドロキシプロピルメチルセ ルロース溶液でスプレーコートした。この操作は、目打ちしたコーティングパン の中で行った。コア錠剤のコーティング 白色色素混合物(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコ ール、ポリソルベート80、及び二酸化チタン)を精製水と混合し、コーティン グ懸濁液を調製した。サブコートされた錠剤を大体同じ断片に分割し、このコー ティング懸濁液で上記のようにスプレーコートした。この操作は、目打ちしたコ ーティングパンの中で行った。 コートされた錠剤にカルナウバろうを軽くかけ、適当な表示で刻印する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG, CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T D,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,UG ),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BB, BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,HU,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN (72)発明者 ヘンドリクセン,バリー・エイ イギリス、ジーユー2・6キューイー、サ リー、ギルフォー、ウォルサム・アベニュ ー71番 “キャッスルウェラン" (72)発明者 ラーセン,サミュエル・ディ アメリカ合衆国47906インディアナ州 ウ エスト・ラファイエット、ハミルトン3088 番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の格子面間隔: により示される典型的なX線粉体回折パターンを有する、II型オランザピン結 晶多形。 2.実質的に純粋な、請求項1に記載のII型。 3.明細書中で定義したI型を約5%未満で含有する、請求項2に記載のII型 。 4.明細書中で定義したI型を含量約2%未満で含有する、請求項3に記載のI I型。 5.溶媒和物を含まない、請求項1〜4のいずれかに記載のII型。 6.無水物である、請求項1〜5のいずれかに記載のII型。 7.活性成分として、請求項1〜6のいずれかに記載のII型を、そのための1 又はそれ以上の薬学上許容し得る担体、添加剤又は希釈剤とともに含有する医薬 製剤。 8.錠剤である、請求項7に記載の医薬製剤。 9.無水条件下で酢酸エチル中の工業用品質のオランザピンをスラリーにし、形 成したII型を溶液から結晶化させることを含んでなる、II型を製造する方法 。 10.精神病、分裂病、分裂病様障害、軽い不安、胃腸障害、及び急性躁病から なる群から選択される状態の処置に使用するための、II型オランザピン結晶多 形。
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