JPH11256336A - 炭窒化チタン被覆工具 - Google Patents

炭窒化チタン被覆工具

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JPH11256336A
JPH11256336A JP7656198A JP7656198A JPH11256336A JP H11256336 A JPH11256336 A JP H11256336A JP 7656198 A JP7656198 A JP 7656198A JP 7656198 A JP7656198 A JP 7656198A JP H11256336 A JPH11256336 A JP H11256336A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チタンの炭窒化物層の粒界の強度を高めると
ともにチタンの炭窒化物層上に形成された他の層との膜
密着性を高めることにより、従来に比して格段に切削耐
久特性に優れた炭窒化チタン被覆工具を提供する。 【解決手段】 基体表面に周期律表のIVa、Va、VIa
族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化
物、炭窒酸化物、並びに酸化アルミニウムのいずれか一
種の単層皮膜または二種以上の多層皮膜を有しその少な
くとも一層がチタンの炭窒化物層からなる炭窒化チタン
被覆工具において、前記チタンの炭窒化物層が双晶構造
を持った結晶粒を含有することを特徴とする炭窒化チタ
ン被覆工具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭窒化チタン被覆工
具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、被覆工具は超硬質合金、高速度
鋼、特殊鋼からなる基体表面に硬質皮膜を化学蒸着法
や、物理蒸着法により成膜して作製される。このような
被覆工具は皮膜の耐摩耗性と基体の強靭性とを兼ね備え
ており、広く実用に供されている。特に、高硬度材を高
速で切削する場合、切削工具の刃先温度は1000℃前
後まで上がり、被削材との接触による摩耗や断続切削等
の機械的衝撃に耐える必要がある。このため、耐摩耗性
と強靭性とを兼ね備えた被覆工具が重宝されている。
【0003】硬質皮膜には、耐摩耗性と靭性に優れた周
期律表IVa、Va、VIa族金属の炭化物、窒化物、炭窒
化物からなる非酸化膜や耐酸化性に優れた酸化膜が単層
あるいは多層膜状に形成されて用いられる。非酸化膜で
は例えばTiC、TiN、TiCNが利用され、酸化膜
では特にα型酸化アルミニウムやκ型酸化アルミニウム
等が利用されている。特に、周期律表IVa、Va、VIa
族金属の炭窒化物からなる非酸化膜は靭性と耐摩耗性に
優れており被覆工具に多用されているが、膜中に発生す
るクラックを低減する等改善の余地が多く残っている。
【0004】このため本発明者等は特許公報第2660
180号や特願平8−195554により柱状晶の形態
を持つ炭窒化膜を提案してきた。また、他にも、特開平
6−158324や、特開平6−158325、特開平
7−62542、特開平7−100701等が従来より
提案されている。
【0005】しかし、上記従来の提案はチタンの炭窒化
物層の膜厚やマクロ組織、X線回折強度等に着目した内
容であり、チタンの炭窒化物層の粒界の強度を高めると
ともに隣接する他の層との膜密着性を高めることが可能
なミクロ組織について言及していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の非酸化膜被
覆工具におけるTiの炭窒化物層の欠点を踏まえて、本
発明が解決しようとする課題はチタンの炭窒化物層の粒
界の強度を高めるとともにチタンの炭窒化物層上に形成
された他の層との膜密着性を高めることにより、従来に
比して格段に切削耐久特性に優れた炭窒化チタン被覆工
具を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究してきた結果、周期律表IVa、
Va、VIa族金属の炭窒化物からなる非酸化膜に双晶構
造を持った結晶粒を含有させることにより、さらには特
にチタン等の炭窒化物層に双晶構造を持った結晶粒を含
有させることにより、これらの皮膜を被覆した工具の切
削耐久特性等が優れることを見出し、本発明に想到し
た。
【0008】すなわち本発明は、基体表面に周期律表の
IVa、Va、VIa族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、
炭酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物、並びに酸化アルミニ
ウムのいずれか一種の単層皮膜または二種以上の多層皮
膜を有しその少なくとも一層がチタンの炭窒化物層から
なる炭窒化チタン被覆工具において、前記チタンの炭窒
化物層が双晶構造を持った結晶粒を含有する炭窒化チタ
ン被覆工具である。本発明の被覆工具は、チタンの炭窒
化物層が双晶構造を持っておりかつ後述の図1、図4、
図7からもわかるように双晶を形成する結晶粒が相互に
直接接触しておりかつエピタキシャルに成長しているた
め、粒界の強度が高くなり良好な切削耐久特性が実現さ
れていると判断される。
【0009】また、本発明は、基体表面に周期律表のIV
a、Va、VIa族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭
酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物、並びに酸化アルミニウ
ムのいずれか一種の単層皮膜または二種以上の多層皮膜
を有しその少なくとも一層がチタンの炭窒化物層からな
る炭窒化チタン被覆工具において、前記チタンの炭窒化
物を主とする層はfcc構造を持ち、その格子定数が
0.427〜0.430nmである炭窒化チタン被覆工
具である。格子定数が0.427nm未満の時はTiN
膜(格子定数0.424nm)の特性に近く硬度が低く
なり、0.430nmを超えるとTiC膜(格子定数
0.4327nm)の特性に近く耐酸化性が低くなり、
TiCN膜の特長である耐摩耗・耐酸化性のバランスが
悪くなる欠点が生じる。
【0010】また、本発明の被覆工具のチタンの炭窒化
物層のX線回折強度はI(422)が最大であり、かつ
I(311)、I(220)、I(111)のいずれか
がこれに次ぐ場合にチタンの炭窒化物層が双晶構造を持
っており、優れた切削耐久特性が実現される。あるいは
I(220)が最大であり、かつI(311)、I(4
22)、I(111)のいずれかがこれに次ぐ場合にチ
タンの炭窒化物層が双晶構造を持っており、優れた切削
耐久特性が実現される。
【0011】また、本発明の被覆工具はチタンの炭窒化
物層の上に形成されている層も双晶構造を持ち、このチ
タンの炭窒化物層の上に形成されている層まで双晶構造
が連続的に形成されている。このようにチタンの炭窒化
物層とその上に形成されている層との間が連続的に形成
されているので、両層間の密着性が優れるとともに各層
内における粒界の強度が高められて優れた切削耐久特性
が得られるものと判断される。
【0012】また、前記チタンの炭窒化物層の上に形成
された層がチタンの炭化物、チタンの炭酸化物、チタン
の炭窒酸化物、酸化アルミニウム膜のいずれか一種の単
層皮膜または二種以上の多層皮膜からなることが好まし
い。
【0013】また、前記チタンの炭窒化物層の上に形成
された層が(422)面または(220)面からのX線
回折強度が最も大きいことは両層間が何らかの形で連続
的に成膜されていることを示し、良好な両層の密着性を
実現したものと考えられる。
【0014】また、チタンの炭窒化物層のPR(hk
l)とその表面上に成膜された非酸化膜層のPR(hk
l)とが比例することは両層間が何らかの形で連続的に
成膜されていることを示し、良好な両層の密着性を実現
したものと考えられる。具体的にいえば、前記チタンの
炭窒化物層の等価X線回折強度比(x)と前記チタンの
炭窒化物層の上に形成された層の等価X線回折強度比
(y)との関係がy=ax+b で線形近似され、a=
0.5〜1.5、b=−1〜1で表されるように構成さ
れた炭窒化チタン被覆工具が好ましく、また、その相関
の強さを示す相関関数R2が0.9以上であることが好
ましい。また、前記チタンの炭窒化物層の上に形成され
た層が前記チタンの炭窒化物層からエピタキシャルに成
長していることが好ましい。また、前記チタンの炭窒化
物層または前記チタンの炭窒化物層の上に形成された層
の上にさらにチタンの酸化物層、チタンの炭酸化物層、
チタンの窒酸化物層、チタンの炭窒酸化物層、酸化アル
ミニウム層のいずれか一種の単層皮膜または2種以上の
多層皮膜が形成されていてもよい。また、周期律表のIV
a、Va、VIa族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物のう
ちの少なくとも一種以上とFe、Ni、Co、W、M
o、Crのうちの少なくとも一種以上とからなる超硬質
合金を基体とすることが実用的である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳説する。本発明
の被覆工具において、TiCN層のX線回折ピークの同
定は、ASTMファイル(Powder Diffra
ction File Published by J
CPDS International Center
forDiffraction Data)に記載が
ないため、TiCとTiNのX線回折データ(ASTM
ファイルNo.29−1361とNo.38−142
0)および本発明品を実測して得たX線回折パターンか
ら求めた表1の数値を用いて行った。なお、TiCNの
X線回折強度I0は表2に示したTiCのX線回折強度
0と同一と仮定した。
【0016】
【表1】
【0017】表2にASTMファイル No.32−1
383に記載されているTiCのX線回折強度I0(hk
l)とd定数からX線源に上記CuKα1線を用いた時
に得られる2θ値を計算した結果をまとめた。X線回折
強度I0(hkl)は等方的に配向しているTiC粉末粒
子のX線回折強度を表している。
【0018】
【表2】
【0019】等価X線回折強度比PR(hkl)はTi
CN、TiCの(hkl)面からのX線回折ピーク強度
を定量的に評価するために次式により定義した。この値
は表1、表2に記載された等方粒子のX線回折ピーク強
度I0(hkl)に対する実測した皮膜のX線回折ピーク
強度I(hkl)の相対強度を示している。PR(hk
l)値が大きい程(hkl)面からのX線回折ピーク強
度が他のX線回折ピーク強度よりも強く、(hkl)面
方向に測定物(皮膜)が配向していることを示してい
る。 PR(hkl)={I(hkl)/I0(hkl)}/[Σ{I(hkl)/I0 (hkl)}/8]・・・・・式(1) 但し、(hkl)=(111)、(200)、(22
0)、(311)、(222)、(420)、(42
2)、(511)
【0020】本発明の被覆工具を製作するために既知の
成膜方法を採用できる。例えば、通常の化学蒸着法(熱
CVD)、プラズマを付加した化学蒸着法(PACV
D)、イオンプレーティング法等を用いることができ
る。用途は切削工具に限るものではなく、チタンの炭窒
化物層を含む単層あるいは多層の硬質皮膜を被覆した耐
摩耗材や金型、溶湯部品等でもよい。
【0021】本発明の被覆工具において、チタンの炭窒
化物層はTiCNに限るものではない。例えばTiCN
にCr、Zr、Ta、Mg、Y、Si、Bを単独または
二種以上組み合わせて0.3〜10重量%添加した膜で
もよい。0.3重量%未満ではこれらを添加する効果が
現れず、10重量%を超えるとTiCN膜の耐摩耗、高
靭性の効果が低くなる欠点が現れる。また、チタンの炭
窒化物層はCH3CNとTiCl4とを反応させて成膜す
る所謂MT−TiCN膜に限るものではなく、CH4
2、TiCl4を反応させて成膜する従来のTiCN膜
でもよい。また、本発明の被覆工具において、チタンの
炭窒化物層の上層はTiC、TiCO、TiCNOに限
るものではない。例えばTiNあるいは原料ガスにCH
3CNガスを用いずにN2ガスを用いて成膜した他のTi
CN等の膜でもよく、さらには例えばTiCにCr、Z
r、Ta、Mg、Y、Si、Bを単独または二種以上組
み合わせて0.3〜10重量%添加した膜でもよい。
0.3重量%未満ではこれらを添加する効果が現れず、
10重量%を超えるとTiC膜の耐摩耗の効果が低くな
る欠点が現れる。また、上記層には本発明の効果を消失
しない範囲で不可避の添加物、不純物を例えば数重量%
程度まで含むことが許容される。また、下地膜はTiN
に限るものではなく、例えば下地膜としてTiC膜を成
膜した場合も下記実施例と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0022】本発明の被覆工具に被覆することができる
酸化アルミニウム膜としてκ型酸化アルミニウム単相ま
たはα型酸化アルミニウム単相の膜を用いることができ
る。また、κ型酸化アルミニウムとα型酸化アルミニウ
ムとの混合膜でもよい。また、κ型酸化アルミニウムお
よび/またはα型酸化アルミニウムと、γ型酸化アルミ
ニウム、θ型酸化アルミニウム、δ型酸化アルミニウ
ム、χ型酸化アルミニウムの少なくとも一種以上とから
なる混合膜でもよい。また、酸化アルミニウムと酸化ジ
ルコニウム等に代表される他の酸化物との混合膜でもよ
い。
【0023】本発明の被覆工具において、チタンの炭窒
化物層、チタンの炭化物層、チタンの炭酸化物層、チタ
ンの炭窒酸化物層、酸化アルミニウム層は必ずしも最外
層である必要はなく、例えばさらにその上に少なくとも
一層のチタン化合物(例えばTiN層等)を被覆しても
よい。
【0024】次に本発明の被覆工具を実施例によって具
体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定さ
れるものでない。下記の実施例および比較例において、
単に%と記しているのは重量%を意味している。
【0025】(実施例1)WC72%,TiC8%,
(Ta,Nb)C11%,Co9%の組成よりなる切削
工具用超硬基板をCVD炉内にセットし、その表面に、
化学蒸着法によりH2キャリヤーガスとTiCl4ガスと
2ガスとを原料ガスに用い0.3μm厚さのTiNを
900℃でまず形成した。続いて、750〜950℃で
TiCl4ガスを0.5〜2.5vol%、CH3CNガ
スを0.5〜2.5vol%、N2ガスを25〜45v
ol%、残H2キャリヤーガスで構成された原料ガスを
毎分5500mlだけCVD炉内に流し、成膜圧力を2
0〜100Toorの条件として反応させることにより
6μm厚さのTiCN膜を成膜した。その後、950〜
1020℃でCH4/TiCl4ガスの容積比を4〜10
としたTiCl4ガスとCH4ガスとH2キャリヤーガス
とをトータル2,200ml/分で5〜30分間流して
まず成膜し、そのまま連続して本構成ガスにさらに2.
2〜110ml/分のCO2ガスを追加して5〜30分
間成膜することによりチタンの炭化物および炭酸化物か
らなる層を作製した。続いてAl金属小片を詰め350
℃に保温した小筒中にH2ガス310ml/分とHCl
ガス130ml/分とを流すことにより発生させたAl
Cl3ガスとH2ガス2l/分とCO2ガス100ml/
分とをCVD炉内に流し、1010〜1020℃で反応
させることにより所定の厚さのα型酸化アルミニウム膜
を成膜し本発明の被覆工具を得た。
【0026】図1は実施例1の条件で作製した本発明の
代表的な被覆工具のミクロ組織の一例を示している。ま
た図2は図1に対応した模式図である。図1は、チタン
の炭窒化物層(図2の11)、チタンの炭化物および炭
酸化物からなる層(図2の12)、酸化アルミニウム層
(図2の13)部分のミクロ組織を(株)日立製作所製
の透過電子顕微鏡(H−9000NA)により5万倍で
撮影した写真である。図1、図2より、チタンの炭窒化
物層の結晶粒(図2の11a、11bはその一部)上に
チタンの炭化物および炭酸化物からなる層(図2の12
a、12bはその一部)が形成されている。さらにその
上に酸化アルミニウム層(図2の13aはその一部)が
形成されている。図1、図2に示される11a、11b
部分の電子線回折像を上記透過電子顕微鏡により照射径
25nmで観察した結果、両者はfcc結晶構造を持つ
とともに(110)面が同一面内(図1の写真面内)に
あることがわかった。さらに11aと11bとが11c
を境界にして鏡映の関係にあることから本発明の被覆工
具はチタンの炭窒化物層11が双晶構造を持った結晶粒
を含有していることがわかった。また、その上に成膜さ
れているチタンの炭化物および炭酸化物からなる層中の
12a、12bの電子線回折像から両者もfcc結晶構
造の(110)面が同一面内(図1の写真面内)にある
ことがわかった。よって、12a、12bが双晶関係に
あることや、チタンの炭窒化物層11a、11b上にチ
タンの炭化物および炭酸化物からなる層12a、12b
がエピタキシャルに成長していることがわかる。また、
図1、図2より双晶境界部11cと12cが連続してい
ることがわかる。ここで、図1の透過電子顕微鏡写真は
成膜面の断面を厚さ20μm以下に研磨した後、さらに
イオンミリングにより膜断面の厚さを極端に薄くした状
態で電子線を膜断面を透過させて撮影したものである。
このため、チタンの炭窒化物層および/またはチタンの
炭化物層、炭酸化物層の双晶部分が観察される確率は低
いと考えられる。したがって、図1のように一視野に一
乃至二箇所の双晶部分が観測されるということはかなり
の頻度でチタンの炭窒化物層および/またはチタンの炭
化物層、炭酸化物層に双晶部分が存在していると判定さ
れる。
【0027】図3は実施例1の条件で作製した本発明品
の代表的な皮膜部分を試料面にして理学電気(株)製の
X線回折装置(RU−200BH)を用いて2θ−θ走査
法により2θ=10〜145度の範囲で測定したX線回
折パターンである。X線源にはCuKα1線(λ=0.
15405nm)を用い、ノイズ(バックグランド)は
装置に内蔵されたソフトにより除去した。図3のX線回
折パターンから、TiCN(チタンの炭窒化物層)の各
ピークの2θ値は表1の2θ値とよい符合を示した。な
お、図3等のX線回折パターンから実測される2θ値は
表1に記載されている2θ値の前後で微妙に異なるた
め、測定されたX線回折パターンにおけるTiCN(炭
窒化チタン)のピークの同定は、2θ値とともに、その
前後のWCのピーク、TiCのピーク、TiCNのピー
ク、TiNのピーク、κ-Al23のピーク、α-Al2
3のピーク等との位置関係も考慮して決定した。ま
た、図3から、チタンの炭窒化物層のX線回折強度I
(hkl)は面間距離dが0.0875nmの(42
2)面が最も強く、次に面間距離dが0.1516nm
の(220)面あるいは0.1293nmの(311)
面、その次に面間距離dが0.2477nmの(11
1)面の強度が強いことがわかる。さらに、図3から、
本発明品のチタンの炭窒化物層の格子定数を求めたとこ
ろ、表3の結果が得られた。表3より、測定誤差の非常
に小さな2θ≧40度において、本発明品のチタンの炭
窒化物層の格子定数は平均値±3σn-1で0.428〜
0.429nmの範囲にあった。なお、(111)面は
2θが低角度のため測定誤差によって見掛け上格子定数
が大きくなっている。また、(400)面は回折ピーク
が弱く読み取りが困難であり、(511)面は回折ピー
ク強度が低く、しかもピーク幅が広く、2θ値の読み取
りが困難であるため格子定数の計算からは除外した。
【0028】
【表3】
【0029】次に、実施例1の条件で製作した切削工具
5個を用いて鋳物の被削材を以下の条件で1時間連続切
削試験した後に、各切削工具のチタンの炭窒化物層や酸
化アルミニウム層の剥離状況を倍率200倍の光学顕微
鏡により観察し、評価した。 被削材 FC250(HB230) 切削速度 300m/min 送り 0.3mm/rev 切り込み 2.0mm 水溶性切削油使用 この切削試験の結果、上記本発明品はいずれも1時間連
続切削後もチタンの炭窒化物層やアルミナ層の剥離が見
られず切削工具として耐久性に優れていることが判明し
た。
【0030】次に、実施例1の条件で製作した切削工具
5個を用いて以下の条件で断続切削し、1,000回衝
撃切削後に刃先先端の欠け状況を倍率50倍の実体顕微
鏡で観察し、評価した。 被削材 SCM材 切削条件 100 m/min 送り 0.3 mm/rev 切り込み 2.0 mm この切削試験後の本発明品はいずれも刃先が健全で欠損
不良は認められず、切削耐久特性が優れていることがわ
かった。
【0031】(従来例1)チタンの炭窒化物層のミクロ
組織と切削特性との相関を明確にするために行った従来
例を以下に説明する。実施例1と同様に組成がWC72
%、TiC8%、(Ta、Nb)C11%、Co9%の
切削工具用超硬基板の表面に化学蒸着法によりH2キャ
リヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに用
い0.3μm厚さのTiNを900℃でまず形成した。
次に、990℃でTiCl4ガスを1〜2vol%、C
4ガスを3〜6vol%、N2ガスを32vol%、残
2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分550
0mlだけCVD炉内に流し成膜圧力75Toorの条
件で反応させることにより6μm厚さのTiCN膜を成
膜した。その後、950〜1020℃でCH4/TiC
4ガスの容積比が4〜10のTiCl4ガスとCH4
スとH2キャリヤーガスとをトータル2,200ml/
分で5〜30分間流してまず成膜し、そのまま連続して
本構成ガスにさらに2.2〜110ml/分のCO2
スを追加して5〜30分間成膜することによりチタンの
炭化物および炭酸化物からなる層を作製した。続いてA
l金属小片を詰め350℃に保温した小筒中にH2ガス
を310ml/分とHClガス130ml/分とを流す
ことにより発生させたAlCl3ガスとH2ガス2l/分
とCO2ガス100ml/分とをCVD炉内に流し10
10〜1020℃で反応させることにより所定の厚さの
α型酸化アルミニウム層を成膜し従来の炭窒化チタン被
覆工具を得た。この従来の炭窒化チタン被覆工具におい
て、チタンの炭窒化物層近傍を上記と同様に透過電子顕
微鏡で観察したが、チタンの炭窒化物層に双晶構造部は
見られなかった。
【0032】次に、従来例1の条件で作製した切削工具
5個を用いて実施例1と同一の条件で連続切削試験を行
った結果、これら従来例品はいずれも10分間連続切削
後にチタンの炭窒化物層や酸化アルミニウム層の剥離が
見られた。また、従来例1の条件で作製した切削工具5
個を実施例1と同一条件で断続切削し、1,000回衝
撃切削後に刃先先端の欠け状況を倍率50倍の実体顕微
鏡で観察した結果、いずれにも大きな欠けが発生してお
り切削工具として劣っていることが判明した。上記の連
続切削試験および断続切削試験で剥離や欠けを発生した
部分をミクロ観察したところ、剥離や欠けのほとんどが
粒界部から発生していた。
【0033】(実施例2)組成がWC72%,TiC8
%,(Ta,Nb)C11%,Co9%の切削工具用超
硬基板をCVD炉内にセットし、その表面に化学蒸着法
によりH2キャリヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスと
を原料ガスに用い0.3μm厚さのTiNを900℃で
まず形成した。次に、750〜950℃でTiCl4
スを0.5〜2.5vol%、CH3CNガスを0.5
〜2.5vol%、N2ガスを25〜45vol%、残
2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分550
0mlだけCVD炉内に流し成膜圧力を20〜100T
oorの条件で反応させることにより6μm厚さのTi
CN膜を成膜した。その後、950〜1020℃でCH
4/TiCl4ガスの容積比が4〜10のTiCl4ガス
とCH4ガスとH2キャリヤーガスとをトータル2,20
0ml/分で5〜30分間流してまず成膜し、そのまま
連続して本構成ガスにさらに2.2〜110ml/分の
CO2ガスを追加して5〜30分間成膜することにより
チタンの炭化物および炭酸化物からなる層を作製した。
次いで、AlCl3ガスとH2ガス2l/分とCO2ガス
100ml/分およびH2Sガス8ml/分とをCVD
炉内に流し1010℃でα型酸化アルミニウム膜を成膜
した。その後、H2ガス4l/分とTiCl4ガス50m
l/分とN2ガス1.3l/分を流し1010℃で窒化
チタン膜を形成した本発明の炭窒化チタン被覆工具を作
製した。
【0034】図4は実施例2の条件で製作した本発明の
代表的な被覆工具において観察されたチタンの炭窒化物
層、チタンの炭化物および炭酸化物からなる層、および
酸化アルミニウム層近傍の透過電子顕微鏡写真の一例で
ある。図5は図4に対応した模式図である。図4、図5
において、チタンの炭窒化物層の結晶粒(図5の21
a、21bはその一部)上にチタンの炭化物および炭酸
化物からなる層(図5の22a、22bはその一部)が
形成されており、さらにその上に酸化アルミニウム層
(図5の23a、23bはその一部)が形成されてい
る。図4、図5に示される21a、21b部分の電子線
回折像を(株)日立製作所製の透過電子顕微鏡H−90
00NAにより照射径25nmで観察した結果、両者は
fcc結晶構造を持つとともに(110)面が同一面内
(図4の写真面内)にあり、21aと21bとが21c
を境界にして鏡映の関係にあることがわかった。すなわ
ち、本発明の被覆工具を構成するチタンの炭窒化物層が
双晶構造を持っていることを確認した。また、その上に
成膜されているチタンの炭化物および炭酸化物からなる
層中の22a、22bからも両者が双晶関係にあること
を示す電子線回折像が得られた。さらに、双晶境界部2
1cと22cとが連続していることがわかった。
【0035】図6は実施例2の条件で作製した本発明の
被覆工具の皮膜部分を試料面にして2θ−θ走査法によ
り測定したX線回折パターンを示している。図6から、
チタンの炭窒化物層のX線回折強度は面間距離dが0.
0875nmの(422)面が最も強く、次いで面間距
離dが0.1516nmの(220)面あるいは面間距
離dが0.2477nmの(111)面の強度が強いこ
とがわかる。さらに、図6から、本発明品のチタンの炭
窒化物層の格子定数を求めたところ、表4の結果が得ら
れた。表4より、測定誤差の非常に小さな2θ≧40度
において、本発明品のチタンの炭窒化物層の格子定数は
平均値±3σn-1で0.427〜0.430nmの範囲
にあった。なお、(111)面は2θが低角度のため測
定誤差によって見掛け上格子定数が大きくなっている。
また、(400)面は回折ピークが弱く読み取りが困難
であり、(511)面は回折ピーク強度が低くしかもピ
ーク幅が広く、2θ値の読み取りが困難であるため格子
定数の計算からは除外した。
【0036】
【表4】
【0037】次に、実施例2の条件で製作した切削工具
5個を用いて鋳物の被削材を以下の条件で1時間連続切
削試験した後に、各切削工具のチタンの炭窒化物層や酸
化アルミニウム層の剥離状況を倍率200倍の光学顕微
鏡により観察し、評価した。 被削材 FC25(HB230) 切削速度 300m/min 送り 0.3mm/rev 切り込み 2.0mm 水溶性切削油使用 この切削試験の結果、上記本発明品はいずれも1時間連
続切削後もチタンの炭窒化物層や酸化アルミニウム層の
剥離が見られず切削耐久特性が優れていることが判明し
た。また、実施例2の条件で製作した切削工具5個を以
下の条件で断続切削し、1,000回衝撃切削後に刃先
先端の欠け状況を倍率50倍の実体顕微鏡で観察し、評
価した。 被削材 SCM材 切削条件 100 m/min 送り 0.3 mm/rev 切り込み 2.0 mm この切削試験後の上記本発明品はいずれも刃先が健全で
欠損不良等は全く認められなかった。
【0038】(従来例2)チタンの炭窒化物層のミクロ
組織と炭窒化チタン被覆工具の切削耐久特性との相関を
さらに明確にするために行った従来例を以下に説明す
る。上記実施例と同様にWC72%、TiC8%、(T
a、Nb)C11%、Co9%の組成の切削工具用超硬
基板の表面に化学蒸着法によりH2キャリヤーガスとT
iCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに用い0.3μm厚
さのTiNを900℃でまず形成した。次に、990℃
でTiCl4ガスを1〜2vol%、CH4ガスを3〜6
vol%、N2ガスを32vol%、残H2キャリヤーガ
スで構成された原料ガスを毎分5500mlだけCVD
炉内に流し成膜圧力75Toorの条件で反応させるこ
とにより6μm厚さのTiCN膜を成膜した。その後、
950〜1020℃でCH4/TiCl4ガスの容積比が
4〜10のTiCl4ガスとCH4ガスとH2キャリヤー
ガスとをトータル2,200ml/分で5〜30分間流
してまず成膜し、そのまま連続して本構成ガスにさらに
2.2〜110ml/分のCO2ガスを追加して5〜3
0分間成膜することによりチタンの炭化物および炭酸化
物からなる層を作製した。次いで、AlCl3ガスとH2
ガス2l/分とCO2ガス100ml/分およびH2Sガ
ス8ml/分とをCVD炉内に流し1010℃でα型酸
化アルミニウム膜を成膜した。その後、H2ガス4l/
分とTiCl4ガス50ml/分とN2ガス1.3l/分
を流し1010℃で窒化チタン膜を形成した従来の炭窒
化チタン被覆工具を作製した。この従来の被覆工具にお
いてチタンの炭窒化物層近傍を実施例2と同様に透過電
子顕微鏡で観察したが、チタンの炭窒化物層に双晶構造
部は見られなかった。
【0039】従来例2の条件で作製した切削工具5個を
用いて上記実施例と同一の条件で連続切削試験を行った
結果、この従来例品はいずれも10分間連続切削後にチ
タンの炭窒化物層や酸化アルミニウム層の剥離が見られ
た。また、従来例2の条件で作製した切削工具5個を実
施例2と同一条件で断続切削し、1,000回衝撃切削
後に刃先先端の欠け状況を倍率50倍の実体顕微鏡で観
察した結果、いずれにも大きな欠けが発生しており、切
削工具として耐久性が劣っていることが判明した。前記
の連続切削試験、断続切削試験により発生した剥離、欠
けはほとんどが粒界部から発生していた。
【0040】(実施例3)WC72%,TiC8%,
(Ta,Nb)C11%,Co9%の組成の切削工具用
超硬基板をCVD炉内にセットし、その表面に、化学蒸
着法によりH2キャリヤーガスとTiCl4ガスとN2
スとを原料ガスに用い0.3μm厚さのTiNを900
℃でまず形成した。次に、750〜950℃でTiCl
4ガスを0.5〜2.5vol%、CH3CNガスを0.
5〜2.5vol%、N2ガスを25〜45vol%、
残H2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分55
00mlだけCVD炉内に流し成膜圧力を20〜100
Toorの条件で反応させることにより6μm厚さのT
iCN膜を成膜した。その後、950〜1020℃でC
4/TiCl4ガスの容積比が4〜10のTiCl4
スとCH4ガスとH2キャリヤーガスとをトータル2,2
00ml/分で120分間流してチタンの炭化物層を成
膜した。次いで、AlCl3ガスとH2ガス2l/分とC
O、CO2混合ガス150ml/分およびH2Sガス8m
l/分とをCVD炉内に60分間流し1010℃でκ型
酸化アルミニウムを成膜した。その後、H2ガス4l/
分とTiCl4ガス50ml/分とN2ガス1.3l/分
を30分間流し1010℃で窒化チタン膜を成膜し本発
明の被覆工具を作製した。
【0041】図7は実施例3の条件で作製した代表的な
炭窒化チタン被覆工具において、チタンの炭窒化物層と
チタンの炭化物層と酸化アルミニウム層の近傍を(株)
日立製作所製の透過電子顕微鏡(H−9000NA)に
より5万倍で撮影した写真の一例である。図8は図7に
対応した模式図である。 図7、図8より、チタンの炭窒
化物層内に双晶構造を有する結晶粒(図8の31a、3
1b)が存在している。さらに、その上に成膜されてい
るチタンの炭化物層にも双晶構造部分(図8の32a、
32b)が存在しており、双晶境界部31cと32cと
が連続している。このことから両者(31aと32a、
31bと32b)が連続して形成されていることがわか
る。
【0042】図9は図7、図8における双晶部分32a
の中央近傍の電子線回折像を(株)日立製作所製の透過
電子顕微鏡H−9000NAにより照射径25nmで撮
影したものである。同様に、図10は双晶部分32bの
中央近傍の電子線回折像であり、図11は双晶境界部3
2cの中央近傍の電子線回折像である。さらに、図12
は図9の、図13は図10の、図14は図11の電子線
回折スポットの指数付けを各々行ったものである。図9
〜図14より双晶部分32a、32bはいずれもfcc
構造の(110)面が同一平面内に写っており、32a
と32b部分の回折像は2−22、1−11、000、
−11−1の各スポットを共有する鏡面になっており3
2cの粒界を境に32a部分と32b部分とが双晶関係
にあることがわかる。
【0043】また、図15は上記と同様にして図7、図
8における双晶部分31aの中央近傍の電子線回折像を
撮影したものである。同様に、図16は双晶部分31b
の中央近傍の電子線回折像であり、図17は双晶境界部
31cの中央近傍の電子線回折像である。さらに、図1
8は図15の、図19は図16の、図20は図17の電
子線回折スポットの指数付けを各々行ったものである。
図15〜図20より、上記32a、32b部分と同様
に、31a、31b部分の両者もfcc構造の(11
0)面が同一平面内に写っており、31a部分と31b
部分の回折像が2−22、1−11、000、−11−
1の各スポットを共有する鏡面になっており31cの粒
界を境に31a部分と31b部分とが双晶関係にあるこ
とがわかる。さらに、図7〜図20より31a、31b
の双晶境界部31cと32a、32bの双晶境界部32
cとは連続しており、チタンの炭窒化物層とその上に成
膜された層との双晶構造部とが連続していること、ま
た、31aと32aおよび31bと32bとはそれぞれ
の(110)面が平行に成長しており、32aと32b
とは31aと31bとからエピタキシャルに成長してい
ることがわかる。
【0044】図21は実施例3の条件で作製した代表的
な本発明の被覆工具の皮膜部分を上記実施例と同様にし
て試料面にして理学電気(株)製のX線回折装置(RU
−200BH)を用いて2θ−θ法により2θ=10〜1
45°の範囲で測定したX線回折パターンである。図2
1から本発明品のチタンの炭窒化物層のX線回折強度は
TiCNの面間距離dが0.1516nmの(220)
面が最も強く、次いでTiCNの面間距離dが0.24
77nmの(111)面の強度が強いことがわかる。
【0045】上記本発明品において、TiCN層および
TiC層部分のX線回折強度I(hkl)の測定結果を
表5、表6にまとめた。さらに、表7、表8にそれぞれ
表5、表6から求めた等価X線回折強度比PR(hk
l)をまとめた。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】図22は表7、表8の本発明品No.31
〜39におけるTiCN膜の等価X線回折強度比PR
(hkl)とTiC膜の等価X線回折強度比PR(hk
l)との相関を示している。図22より、本発明品のチ
タンの炭窒化物層とこの層上に形成されたチタンの炭化
物層とは等価X線回折強度比PR(hkl)が比例して
いることがわかる。すなわち、チタンの炭窒化物層の等
価X線回折強度比(x)とこの層の上に形成されたチタ
ンの炭化物層の等価X線回折強度比(y)との関係を線
形近似:y=ax+bで求めたとき、a=0.5〜1.
5、b=−1〜1の範囲に入ることがわかった。具体例
を挙げれば、チタンの炭窒化物層を実質的に構成するT
iCNとチタンの炭化物層を実質的に構成するTiCと
の間のPR(hkl)の相関において、PR(422)
の線形近似では y=0.88x+0.51 でかつ相
関係数R2=0.97で表すことができた。また、PR
(311)の線形近似でy=1.62x−0.57 で
かつ相関係数R2=0.92で表すことができた。
【0051】次に、図23は表7、表8に示したTiC
N層とTiC層の等価X線回折強度比PR(111)、
PR(220)、PR(311)、PR(422)を対
象として相関を求めたものであり、両者の相関を y=
1.03x+0.06 でかつ相関係数R2=0.92
で表すことができた。
【0052】次に、上記図21から、実施例3の条件で
製作した本発明の被覆工具を構成するチタンの炭窒化物
層の格子定数を求めたところ、表9の結果が得られた。
表9より、測定誤差の非常に小さな2θ≧40度におい
て、本発明品のチタンの炭窒化物層の格子定数は平均値
±3σn-1で0.428〜0.430nmの範囲にあっ
た。なお、(111)面は2θが低角度のため測定誤差
によって見掛け上格子定数が大きくなっている。また、
(400)面は回折ピークが弱く読み取りが困難であ
り、(511)面は回折ピーク強度が低く、しかもピー
ク幅が広く、2θ値の読み取りが困難であるため格子定
数の計算からは除外した。
【0053】
【表9】
【0054】次に、実施例3の条件で製作した本発明の
切削工具5個を用いて鋳物の被削材を以下の条件で1時
間連続切削試験した後に、各切削工具のチタンの炭窒化
物層や酸化アルミニウム層の剥離状況を倍率200倍の
光学顕微鏡により観察した。 被削材 FC25(HB230) 切削速度 300m/min 送り 0.3mm/rev 切り込み 2.0mm 水溶性切削油使用 この切削試験の結果、上記本発明品はいずれも1時間連
続切削後もチタンの炭窒化物層や酸化アルミニウム層の
剥離が見られず切削工具として優れていることが判明し
た。また、実施例3の条件で製作した切削工具5個を以
下の条件で断続切削し、1,000回衝撃切削後に刃先
先端の欠け状況を倍率50倍の実体顕微鏡で観察し、評
価した。 被削材 SCM材 切削条件 100 m/min 送り 0.3 mm/rev 切り込み 2.0 mm この切削試験後の上記本発明品はいずれも刃先が健全で
欠損不良が認められず、切削耐久特性が優れていること
がわかった。
【0055】(従来例3)本発明品と同様にWC72
%、TiC8%、(Ta、Nb)C11%、Co9%の
組成の切削工具用超硬基板の表面に化学蒸着法によりH
2キャリヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガ
スに用い0.3μm厚さのTiNを900℃でまず形成
した。次に、990℃でTiCl4ガスを1〜2vol
%、CH4ガスを3〜6vol%、N2ガスを32vol
%、残H2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分
5500mlだけCVD炉内に流し成膜圧力75Too
rの条件で反応させることにより6μm厚さのTiCN
膜を成膜した。その後、950〜1020℃でCH4
TiCl4ガスの容積比が4〜10のTiCl4ガスとC
4ガスとH2キャリヤーガスとをトータル2,200m
l/分で120分間流してチタンの炭化物層を成膜し
た。次いで、AlCl3ガスとH2ガス2l/分とCO、
CO2混合ガス150ml/分およびH2Sガス8ml/
分とをCVD炉内に60分間流し1010℃でκ型酸化
アルミニウムを成膜した。その後、H2ガス4l/分と
TiCl4ガス50ml/分とN2ガス1.3l/分を3
0分間流し1010℃で窒化チタン膜を成膜し従来例品
を作製した。前記従来例品を構成するチタンの炭窒化物
層近傍を実施例3と同様にして透過電子顕微鏡で観察し
たが、チタンの炭窒化物層に双晶構造部は見られなかっ
た。
【0056】次に、従来例3の条件で作製した切削工具
5個を用いて上記実施例3と同一の条件で連続切削試験
を行った結果、この従来例品はいずれも10分間連続切
削後にチタンの炭窒化物層や酸化アルミニウム層の剥離
が見られた。また、従来例3の条件で作製した切削工具
5個を実施例3と同一条件で断続切削し、1,000回
衝撃切削後に刃先先端の欠け状況を倍率50倍の実体顕
微鏡で観察した結果、いずれにも刃先先端に大きな欠け
が発生しており、切削工具として切削耐久特性が劣って
いることが判明した。
【0057】このように、双晶構造を有したチタンの炭
窒化物層を被覆した本発明の被覆工具は従来に比して格
段に切削耐久特性を改善するものである。
【0058】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、チタン
の炭窒化物層自体の機械強度およびその上に成膜した上
層膜との密着性が良く、切削耐久特性に優れた有用な炭
窒化チタン被覆工具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具のセラミ
ック材料の組織写真の一例である。
【図2】図1に対応した模式図である。
【図3】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具のX線回
折パターンの一例を示す図である。
【図4】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具のセラミ
ック材料の組織写真の一例である。
【図5】図4に対応した模式図である。
【図6】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具のX線回
折パターンの一例を示す図である。
【図7】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具のセラミ
ック材料の組織写真の一例である。
【図8】図7に対応した模式図である。
【図9】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具の電子線
回折像を透過電子顕微鏡で観察した写真である。
【図10】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具の電子
線回折像を透過電子顕微鏡で観察した写真である。
【図11】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具の電子
線回折像を透過電子顕微鏡で観察した写真である。
【図12】図9の電子線回折像に指数付けを行った図で
ある。
【図13】図10の電子線回折像に指数付けを行った図
である。
【図14】図11の電子線回折像に指数付けを行った図
である。
【図15】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具の電子
線回折像を透過電子顕微鏡で観察した写真である。
【図16】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具の電子
線回折像を透過電子顕微鏡で観察した写真である。
【図17】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具の電子
線回折像を透過電子顕微鏡で観察した写真である。
【図18】図15の電子線回折像に指数付けを行った図
である。
【図19】図16の電子線回折像に指数付けを行った図
である。
【図20】図17の電子線回折像に指数付けを行った図
である。
【図21】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具のX線
回折パターンの一例を示す図である。
【図22】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具の等価
X線回折強度比PRの膜間の相関の一例を示す図であ
る。
【図23】本発明に係わる炭窒化チタン被覆工具の等価
X線回折強度比PRの膜間の相関の一例を示す図であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 権田 正幸 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地日立金属株式 会社磁性材料研究所内 (72)発明者 島 順彦 千葉県成田市新泉13番地の2日立ツール株 式会社成田工場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面に周期律表のIVa、Va、VIa
    族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化
    物、炭窒酸化物、並びに酸化アルミニウムのいずれか一
    種の単層皮膜または二種以上の多層皮膜を有しその少な
    くとも一層がチタンの炭窒化物層からなる炭窒化チタン
    被覆工具において、 前記チタンの炭窒化物層が双晶構造を持った結晶粒を含
    有することを特徴とする炭窒化チタン被覆工具。
  2. 【請求項2】 前記チタンの炭窒化物層がfcc構造を
    持ち、格子定数が0.427〜0.430nmである請
    求項1に記載の炭窒化チタン被覆工具。
  3. 【請求項3】 前記チタンの炭窒化物層が(422)面
    または(220)面からのX線回折強度が最も大きい請
    求項1または2に記載の炭窒化チタン被覆工具。
  4. 【請求項4】 前記チタンの炭窒化物層の上に双晶構造
    を持った結晶粒を含有する層が形成されている請求項1
    乃至3のいずれかに記載の炭窒化チタン被覆工具。
  5. 【請求項5】 前記チタンの炭窒化物層の上に形成され
    た層の双晶境界部が下地である前記チタンの炭窒化物層
    の双晶境界部から連続している請求項4に記載の炭窒化
    チタン被覆工具。
  6. 【請求項6】 前記チタンの炭窒化物層の上に形成され
    た層がチタンの炭化物、チタンの炭酸化物、チタンの炭
    窒酸化物のいずれか一種の単層皮膜または二種以上の多
    層皮膜からなる請求項4または5に記載の炭窒化チタン
    被覆工具。
  7. 【請求項7】 前記チタンの炭窒化物層の上に形成され
    た層が(422)面または(220)面からのX線回折
    強度が最も大きい請求項4乃至6のいずれかに記載の炭
    窒化チタン被覆工具。
  8. 【請求項8】 前記チタンの炭窒化物層の等価X線回折
    強度比と前記チタンの炭窒化物層の上に形成された層の
    等価X線回折強度比とが比例している請求項4乃至7の
    いずれかに記載の炭窒化チタン被覆工具。
  9. 【請求項9】 前記チタンの炭窒化物層の等価X線回折
    強度比(x)と前記チタンの炭窒化物層の上に形成され
    た層の等価X線回折強度比(y)との関係がy=ax+
    b で線形近似され、a=0.5〜1.5、b=−1〜
    1 である請求項4乃至8のいずれかに記載の炭窒化チ
    タン被覆工具。
  10. 【請求項10】 前記チタンの炭窒化物層の上に形成さ
    れた層がエピタキシャルに成長している請求項4乃至9
    のいずれかに記載の炭窒化チタン被覆工具。
  11. 【請求項11】 前記チタンの炭窒化物層または前記チ
    タンの炭窒化物層の上に形成された層の上にさらにチタ
    ンの酸化物層、チタンの炭酸化物層、チタンの窒酸化物
    層、チタンの炭窒酸化物層、酸化アルミニウム層のいず
    れかの単層皮膜または二種以上からなる多層皮膜が形成
    されている請求項4乃至10のいずれかに記載の炭窒化
    チタン被覆工具。
  12. 【請求項12】 周期律表のIVa、Va、VIa族金属の
    炭化物、窒化物、炭窒化物のうちの少なくとも一種以上
    とFe、Ni、Co、W、Mo、Crのうちの少なくと
    も一種以上とからなる超硬質合金を基体とする請求項1
    乃至11のいずれかに記載の炭窒化チタン被覆工具。
JP07656198A 1998-03-10 1998-03-10 炭窒化チタン被覆工具 Expired - Lifetime JP4004133B2 (ja)

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