JP2001170804A - ジルコニウム含有膜被覆工具 - Google Patents

ジルコニウム含有膜被覆工具

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JP2001170804A
JP2001170804A JP35500499A JP35500499A JP2001170804A JP 2001170804 A JP2001170804 A JP 2001170804A JP 35500499 A JP35500499 A JP 35500499A JP 35500499 A JP35500499 A JP 35500499A JP 2001170804 A JP2001170804 A JP 2001170804A
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zirconium
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gas
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Toshio Ishii
敏夫 石井
Masayuki Gonda
正幸 権田
Yuzo Fukunaga
有三 福永
Shiro Okayama
史郎 岡山
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Hitachi Tool Engineering Ltd
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D
    • C23C28/04Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings of inorganic non-metallic material
    • C23C28/044Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings of inorganic non-metallic material coatings specially adapted for cutting tools or wear applications

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Abstract

(57)【要約】 【目的】高温においても膜硬度が急激に低下せず、膜の
密着性と耐摩耗性とが優れた被覆工具を実現し、切削耐
久特性の優れるジルコニウム含有膜被覆工具を提供す
る。 【構成】工具基体表面に周期律表のIVa、Va、VI
a族並びにアルミニウムの炭化物、窒化物、酸化物、炭
窒化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物のいずれか一
種の単層皮膜または二種以上の多層皮膜を設け、前記皮
膜の少なくとも一層がジルコニウムを含有し且つX線回
折ピーク最強度面が、(422)面または(311)面
として構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジルコニウム含有
膜被覆工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、被覆工具は超硬合金、高速度
鋼、特殊鋼等からなる基体表面に硬質皮膜を化学蒸着法
や物理蒸着法により成膜して作製される。このような被
覆工具は皮膜の耐摩耗性と基体の強靭性とを兼ね備えて
おり、広く実用に供されている。特に、高速で切削する
場合や切削液を用いずに旋削加工する場合には、切削工
具の刃先の温度が1000℃前後まで達するため、高温
環境下における被削材との接触による摩耗や断続切削等
の機械的衝撃に耐える必要があり、耐摩耗性と靭性の両
者が優れた被覆工具が重宝されている。
【0003】一般の被覆工具用硬質皮膜には、耐摩耗性
と靭性とが優れる、周期律表IVa、Va、VIa族金
属の炭化物、窒化物、炭窒化物からなる非酸化膜や、耐
酸化性に優れる酸化アルミニウム膜が単層膜あるいは複
層膜として用いられている。
【0004】これら硬質皮膜は、化学蒸着(CVD)法
あるいは物理蒸着(PVD)法により成膜されている。
PVD法の特長は、多数の元素を含有する膜を比較的容
易に成膜できることであり、欠点は、CVD膜に比べて
基体と膜の間の密着性が劣ることである。これに対し
て、CVD法の欠点は、化学反応を用いて成膜するため
に、多数の元素を含有する膜を成膜することが困難なこ
とであり、長所は、600〜1050℃と高温で成膜す
るため膜の密着性が高いことと、より高温で使用しても
膜特性の劣化が少ないことである。このため、切削加工
時に刃先が1000℃前後まで昇温する旋削工具にはC
VD法で成膜されたTiC、TiN、TiCN、Al2
O3膜のみが実用化されているのが現状である。
【0005】このようにTiC、TiN、TiCN膜
は、常温で測定したビッカース硬度Hvが約3200、
2100、2700と硬く、耐摩耗性が優れているた
め、旋削用工具に多用されているが、これらの膜の硬度
は高温で急激に低下し、乾式切削等により刃先の温度が
1000℃前後に達すると、耐摩耗性が急激に低下する
欠点を有している。
【0006】また、これらTiC、TiN、TiCN膜
の特性を改善するため(Ti,Al)Nや(Ti,Z
r)N、(Ti,Zr)C膜等、二種類以上の金属成分
を含有した膜が検討されている。このうち(Ti,A
l)N膜は実用化されているが、これらはいずれも、ス
ッパタ法やイオンプレーティング法等のPVD法、また
はプラズマCVD法で成膜したものであり、成膜温度が
低く、当該膜が圧縮応力を有しており膜の密着性が低
い、あるいは膜中に塩素が残留しており膜の硬度が低
く、耐摩耗性が劣る欠点がある。
【0007】引っ張り残留応力を有するZr含有膜を熱
CVD法で成膜する例は特開平1−252305、特開
平5−177412、特開平5−177413で開示さ
れている。しかし、これらはいずれもZrC、ZrN、
ZrCN、ZrCO、ZrCNOと、金属成分がZrの
みからなるCVD膜を用いており、(Ti,Zr)N、
(Ti,Zr)C、(Ti,Zr)CN等、Zrと他の
金属成分との混合膜は検討していない。ZrC膜等、Z
r単独からなる膜の硬度は室温における膜硬度が低く、
湿式切削や低速で切削し刃先温度が高温にならないとき
に、耐摩耗性が劣る欠点がある。
【0008】TiとZrの両者を含有するCVD膜とし
ては、特開平3−267361によってTi−Zr−N
膜が開示されているが、プラズマCVD法を用いてお
り、膜中に塩素が残留するため、膜硬度が低く、工具と
して耐摩耗性が劣る欠点がある。また、基板にアルミナ
板を用いており、基板自体の靭性が低いため、工具とし
て使用時に欠落を生じ易く、切削耐久特性が劣る欠点が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは 上記の
従来膜被覆工具の欠点を解決するため、鋭意研究してき
た結果、ジルコニウム含有膜、例えば、(Ti,Zr)
N、(Ti,Zr)C、(Ti,Zr)CN膜等が高温
においても膜硬度が急激に低下せず、膜の密着性と耐摩
耗性とが優れることを見いだし、先に特願平11−18
2622を出願した。本発明が解決しようとする課題
は、上記発明を更に改善し、耐摩耗性と高温耐久特性と
が更に優れたジルコニウム含有膜被覆工具を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の特
願平11−182622の発明内容に加えて、ジルコニ
ウム含有膜の結晶配向や結晶形状等を更に制御すること
により、更に優れた切削耐久特性を持つ工具を実現でき
ることを見出し、本発明に想到した。
【0011】すなわち本発明は、基体表面に周期律表の
IVa、Va、VIa族並びにアルミニウムの炭化物、
窒化物、酸化物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒
酸化物のいずれか一種の単層皮膜または二種以上の多層
皮膜を有し、前記皮膜の少なくとも一層がジルコニウム
を含有し且つX線回折ピーク最強度面が、(422)面
または(311)面であることを特徴とするジルコニウ
ム含有膜被覆工具、である。
【0012】同時に、前記ジルコニウム含有膜が膜厚方
向に細長い柱状の結晶粒から構成されている場合、前記
ジルコニウム含有膜の下層がチタンの炭窒化物膜または
チタンの炭窒酸化物膜である場合、前記ジルコニウム含
有膜中にジルコニウムが0.3〜50質量%含有されて
いる場合、前記ジルコニウム含有膜が引張り残留応力を
有するととも、膜中の塩素量が2質量%以下である場
合、前記ジルコニウム含有膜に含まれるジルコニウム以
外の主たる金属成分はチタンである場合、前記ジルコニ
ウム含有膜が原料ガスとして少なくとも有機CN化合物
ガスを用い、温度750〜950℃で熱化学蒸着法によ
り成膜されている場合も同様に、夫々本発明の優れた実
施形態である。
【0013】
【作用】ジルコニウム含有膜のX線回折ピーク最強度面
が、(422)面または(311)面であることによ
り、ジルコニウム含有膜が高い結晶性と粒界強度を持つ
とともに、被覆する膜厚を増加させても膜表面の結晶粒
幅が粗大化せず、局所的な突起が形成されないことによ
り、耐摩耗性と靱性とが優れる良好な切削耐久特性が実
現されていると判断される。
【0014】本発明の被覆工具において、前記ジルコニ
ウム含有膜が膜厚方向に細長い柱状の結晶粒から構成さ
れていることが好ましい。ジルコニウム含有膜が膜厚方
向に細長い柱状の結晶粒から構成されていることによ
り、結晶粒径を粗大化させることなく膜厚を厚くできる
とともに、膜表面の凹凸を小さく出来、膜表面の摺動性
を高めるとともに、膜の靱性を高めることが出来、優れ
た切削耐久特性が実現されていると判断される。
【0015】また、本発明の被覆工具において、前記ジ
ルコニウム含有膜の下層がチタンの炭窒化物膜またはチ
タンの炭窒酸化物膜であることが好ましい。下層がチタ
ンの炭窒化物膜またはチタンの炭窒酸化物膜であること
により、ジルコニウム含有膜のX線回折最強度面が(4
22)面または(311)に成りやすく、前記の理由に
より良好な切削耐久特性が実現されていると判断され
る。
【0016】また、本発明の被覆工具において、前記ジ
ルコニウム含有膜中に、ジルコニウムが0.3〜50質
量%含まれていることが好ましい。また、1〜40質量
%含まれていることが更に好ましく、5〜30質量%含
有されていることが最も好ましい。膜中に、ジルコニウ
ムが0.3〜50質量%含有されていることにより、ジ
ルコニウム含有膜の良好な耐熱特性や高温での高硬度性
の特長が実現されていると判断される。0.3質量%以
下ではジルコニウム含有の効果が小さく、50質量%を
越えるとTiCやTiCN膜に比べて常温での膜硬度が
低下し、結果的に切削耐久特性が低下する傾向があらわ
れる。また、ジルコニウムが1〜40質量%含有されて
いる場合は、ジルコニウム含有膜の良好な耐熱特性や高
温高硬度の特長が顕著に実現されていると判断される。
また、ジルコニウムが5〜30質量%含有されているこ
とにより、ジルコニウム含有膜の良好な耐熱特性や高温
高硬度の特長が最も顕著にあらわれ、最も良好な切削耐
久特性が実現されていると判断される。
【0017】また、ジルコニウム含有膜中の他の主な金
属成分がチタンであることが好ましい。ジルコニウム含
有膜中の他の主な金属成分がチタンであることにより、
チタン含有膜(例えば、TiC、TiCN膜等)の常温
での膜硬度が高い特長とジルコニウム含有膜の高温での
膜硬度が高い特長の、両特長が得られ、優れた耐摩耗性
を持ち、良好な切削耐久特性が実現されていると判断さ
れる。また、ジルコニウム含有膜がチタンとの炭窒化物
膜または炭窒酸化物膜であることが好ましい。ジルコニ
ウム含有膜がチタンとの炭窒化物膜または炭窒酸化物膜
であることにより、ジルコニウム含有膜のX線回折ピー
ク最強度面が、(422)面または(311)面に成り
やすく、膜厚方向に細長い柱状の結晶粒から構成され易
くなり、切削耐久特性の優れたジルコニウム含有膜被覆
工具をより実現しやすくなる。
【0018】また、本発明の被覆工具において、前記ジ
ルコニウム含有膜が引っ張り残留応力を有するととも、
膜中の塩素量が2質量%以下であることが好ましく、塩
素量が1質量%以下であることが更に好ましい。ジルコ
ニウム含有膜が引っ張り残留応力を有することにより膜
の緻密性が高まるとともに、基体乃至は下地膜との間に
優れた密着性を得ることが出来、膜中の塩素量が2質量
%以下、好ましくは1質量%以下であることにより、膜
の硬度が高く、優れた切削耐久特性を持つ被覆工具が実
現されていると判断される。ジルコニウム含有膜が引っ
張り残留応力を有しないと膜の緻密性が低く、基体や下
地膜との密着性が劣る欠点が現れ、塩素量が2質量%を
越えると膜硬度が低下し、耐摩耗性が悪くなる。
【0019】また、本発明の被覆工具において、周期律
表のIVa、Va、VIa族金属の炭化物、窒化物、炭
窒化物のうちの少なくとも一種以上とFe、Ni、C
o、W、Mo、Crのうちの少なくとも一種以上とより
なる超硬合金を基体とすることが好ましい。上記の超硬
合金を基体とすることにより本発明の被覆工具全体の靭
性、硬度、耐熱性がバランス良く高まり、被覆工具とし
て良好な切削耐久特性が実現されていると判断される。
【0020】また、本発明の被覆工具において、前記ジ
ルコニウム含有膜が、原料ガスとして少なくとも有機C
N化合物を用い、温度750〜950℃で熱化学蒸着法
により成膜されていることが好ましい。また、有機CN
ガスとしてCH3CNガスを用いていることが更に好ま
しく、更にジルコニウムのガス源としてジルコニウムの
ハロゲン化ガスを用いていることが最も好ましい。ま
た、温度800〜900℃で熱化学蒸着法により成膜さ
れていることが更に好ましい。ジルコニウム含有膜が、
原料ガスとして少なくとも有機CN化合物ガスを用い
て、温度750〜950℃で熱化学蒸着法により成膜さ
れていることにより、(422)または(311)面の
X線回折強度が高く、結晶粒径が小さく、緻密で膜間の
密着性が優れたジルコニウム含有膜が得られ、優れた切
削耐久特性が実現されていると判断される。また、有機
CNガスとしてCH3CNガスを用いることにより(4
22)または(311)面のX線回折強度が更に高くな
り、ジルコニウム含有膜の特長が顕著に実現されている
と判断される。また、更にジルコニウムのガス源として
ジルコニウムのハロゲン化ガスを用いていることによ
り、より安価にジルコニユムを供給出来ると共に、(4
22)または(311)面のX線回折強度が高いジルコ
ニウム含有膜がより安定して実現されていると判断され
る。温度750〜950℃以上で熱化学蒸着法により成
膜されることにより、(422)または(311)面の
X線回折強度が更に強くなり、優れた切削耐久特性が実
現されていると判断される。特に800〜900℃以上
で熱化学蒸着法により成膜されることにより(422)
または(311)面のX線回折強度が更に強くなり、更
に優れた切削耐久特性が実現されていると判断される。
温度750℃未満で熱化学蒸着法により成膜されると、
ジルコニウム含有膜の成膜速度が極端に低下し、経済的
では無く、950℃を越えて成膜するとジルコニウム含
有膜の結晶粒径が大きくなり、膜の靱性や切削耐久特性
が低下する欠点が現れる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明におけるジルコニ
ウム含有膜の代表例である炭窒化チタン・ジルコニウム
(Ti,Zr)CNに則って、本発明をより具体的に詳
説する。本発明の被覆工具において、炭窒化チタン・ジ
ルコニウム膜のX線回折ピークの同定は、JCPDSフ
ァイル(Powder Diffraction Fi
le Published by JCPDS Int
ernationalCenter for Diff
raction Data)に記載がないため、TiC
とTiNのX線回折データ(ASTMファイルNo.2
9−1361とNo.38−1420)および本発明品
を実測して得たX線回折パターンから求めた表1の数値
を用いて行った。
【0022】
【表1】
【0023】本発明の被覆工具において、結晶粒の形状
は膜の破断面を走査電子顕微鏡で観察する事により測定
した。また、ジルコニウム含有膜の組成は膜断面を研磨
し、研磨面をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)
により分析することにより測定した。
【0024】膜の残留応力σは、X線応力測定法による
並傾法を用いて、次式に示す応力計算式により求めた。 σ=-(1/2){E/(1+ν)}cotθ0{∂(2θ)/∂(sin2Ψ)} …(1) ここで、Eは弾性定数、νはポアソン比、θ0は無歪み
の格子面からの標準ブラッグ回折角、Ψは回折格子面法
線と試料面法線との傾き、θは測定試料の角度がΨの時
のブラッグ回折角である。式(1)より、膜応力の符号
(±)の決定には2θ−sinΨ線図の勾配のみが必
要とされ、弾性定数Eやポアソン比ν、cotθ0(常
に+)の正確な値は必要としないことがわかる。
【0025】本発明の被覆工具を製作するためには、熱
化学蒸着法(熱CVD)以外でも、種々の既知の成膜方
法、例えば、プラズマを付加した化学蒸着法(PACV
D)、アークイオンプレーティング法、スッパタ法等を
用いることができる。用途は切削工具に限るものではな
く、ジルコニウム含有膜を含む単層あるいは複層や多層
の硬質皮膜を被覆した耐摩耗材や金型、溶湯部品等でも
よい。
【0026】本発明の被覆工具において、ジルコニウム
含有膜は例えば(Ti,Zr)C、(Ti,Zr)N、
(Ti,Zr)CN、(Ti,Zr)CO、(Ti,Z
r)NO、(Ti,Zr)CNO等に限るものではな
い。これらの成分に例えばCr、Ta、Nb、Hf、M
g、Y、Si、Bを単独または複数組み合わせて各元素
を0.3〜10質量%添加した膜でも良い。0.3質量
%未満ではこれらを添加する効果が現れず、10質量%
を超えるとジルコニウム含有膜の高温高硬度の効果が低
くなる欠点が現れる。また、上記膜には本発明の効果を
消失しない範囲で不可避の添加物、不純物を例えば数質
量%程度まで含むことが許容される。
【0027】本発明の被覆工具において、有機CNガス
はCH3CNに限るものではなく、(CH3)3N、C
H3(NH)2CH3等でも良い。また、Zr供給用の
ガスはZrCl4、ZrCl3、ZrCl2ガス等の塩
化ジルコニウムに限るものではなく、他のハロゲン化ジ
ルコニウムやZr(t−OC4H9)等の有機金属ガス
を用いてもよい。
【0028】本発明の被覆工具に被覆することができる
酸化アルミニウム膜としてκ型酸化アルミニウム単相ま
たはα型酸化アルミニウム単相の膜を用いることができ
る。また、κ型酸化アルミニウムとα型酸化アルミニウ
ムとの混合膜でもよい。また、κ型酸化アルミニウムお
よび/またはα型酸化アルミニウムと、γ型酸化アルミ
ニウム、θ型酸化アルミニウム、δ型酸化アルミニウ
ム、χ型酸化アルミニウムの少なくとも一種以上とから
なる混合膜でもよい。また、酸化アルミニウムと酸化ジ
ルコニウム等に代表される他の酸化物との混合膜でもよ
い。
【0029】また、本発明の被覆工具において、酸化ア
ルミニウム膜、酸化ジルコニウム膜、または酸化アルミ
ニウムと酸化ジルコニウムからなる複合膜の上に、例え
ばさらにその上に少なくとも一膜のチタン化合物(例え
ばTiN膜やTiCN膜およびその多層膜等)やジルコ
ニウム化合物(例えばZrN膜やZrCN膜およびその
多層膜等)を被覆してもよい。
【0030】
【実施例】次に本発明の被覆工具を実施例によって具体
的に説明するが、これら実施例により本発明が限定され
るものでない。 (実施例1)WC:72質量%、TiC:8質量%、
(Ta,Nb)C:11質量%、Co:9質量%の組成
よりなるスローアウェイインサートCNMG12040
8の切削工具用超硬合金基体をCVD炉内にセットし、
その表面に、熱化学蒸着法により、H2キャリヤーガス
とTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに用い0.3
μm厚さのTiN膜を900℃でまず形成した。次い
で、TiCl4ガスを0.5〜2.5vol%、CH3
CNガスを0.5〜2.5vol%、N2ガスを25〜
45vol%、残H2キャリヤーガスで構成された原料
ガスを毎分5500mlだけCVD炉内に流し、圧力
6.6kPa、成膜温度900℃の条件で、1μm厚さ
のTiCN膜を成膜した。さらに続いて、TiCl4ガ
ス0.3〜2.5vol%、ZrCl4ガス0.3〜
2.5vol%、CH3CNガス0.6〜5vol%、
N2ガス25〜45vol%、残H2キャリヤーガスで
構成された原料ガスを毎分5500mlだけCVD炉内
に流し、成膜圧力2.7k〜13.3kPa、成膜温度
750〜950℃で、TiとZr、C、Nからなる(T
i,Zr)CN膜を13μm厚さ成膜した。
【0031】図1は実施例1の条件で作製した本発明品
の代表的なX線回折パターンである。工具表面平坦部の
皮膜部分を試料面にして、理学電気(株)製のX線回折
装置(RU−200BH)により、X線源にCuKα1
線(λ=0.15405nm)を用いて2θ−θ走査法
により測定した。2θの測定範囲は10〜145度で、
ノイズ(バックグランド)は装置に内蔵されたソフトに
より除去した。図1のX線回折パターンから求めた、本
発明品のZr含有膜(Ti,Zr)CNの各ピークの2
θ値とX線回折強度および各2θ値から求めた格子定数
を表2にまとめて示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2より、(Ti,Zr)CNの結晶構造
が立方晶であり格子定数が0.429nmであるとして
計算した各ピークの2θ値と本発明品の実測値とが良く
一致することがわかる。表2中に、各ピークの立方晶で
の面指数を記した。なお、(111)面の回折ピーク位
置は2θが低角度のため測定誤差が大きく、(400)
面は回折ピーク強度が弱く読み取りが困難であり、(5
11)面は回折ピーク強度が低く、ピーク幅も広いた
め、2θ値の読み取りが困難である。このため、上記の
格子定数の計算では、(111)面、(400)面、
(511)面の値を用いずに計算した。図1と表2か
ら、本発明品の、(Ti,Zr)CNのX線回折強度I
(hkl)は(422)面が最も強く、次が(311)
面、その次に(111)面の強度が強いことがわかる。
【0034】図2は、本発明の代表的な被覆工具の皮膜
部の破断面を走査電子顕微鏡装置(S―4200)によ
り撮影したものである。ジルコニウム含有膜が膜厚方向
に細長い柱状の結晶粒から構成され、膜厚に比べて結晶
粒径が小さく、膜表面の凹凸も小さくなっていることが
わかる。
【0035】表3は、同様にして測定した、実施例1で
作製した代表的な本発明品の(Ti,Zr)CNのX線
回折最強度面と膜中のジルコニユム含有量と塩素量(質
量%)をまとめて示したものである。表3中には、後述
の、連続切削時の工具寿命も合わせて示した。
【0036】
【表3】
【0037】表3において、750〜950℃の範囲で
成膜温度を高めるにつれてジルコニウム含有膜の(42
2)と(311)への配向が強くなり、膜中の塩素ガス
量も減少した。特に、成膜温度が800〜900℃の範
囲で(422)と(311)への配向が強く、膜中の塩
素ガス量が1質量%以下であるジルコニウム含有膜を安
定して成膜する事が出来た。また、ZrCl4ガス量を
高めTiCl4やCH4CNガス量を下げるにつれて、
ジルコニウム含有膜中のZr含有量が増加した。
【0038】膜中のジルコニユム含有量と塩素量とは、
本発明品の膜断面を研摩し、(Ti,Zr)CN断面の
研摩面中の5点に含まれるジルコニユム量と塩素量とを
電子プローブマイクロアナライザー(EPMA、日本電
子(株)製JXA−8900R)を用い、加速電圧15
KV、試料電流0.2μAで分析した。
【0039】また、膜の残留応力を理学電気(株)製の
X線回折装置(RU−200BH)と応力測定用ソフト
(Manual No.MJ13026A01)を用い
て、並傾法(X線の走査面と応力の測定方向面とが平
行)とΨ一定法(θ−2θ連動スキャン)により測定し
た結果、表3中試料の膜の残留応力はいずれも+であ
り、引っ張り残留応力を有していることがわかった。
【0040】表3より、本発明品の(Ti,Zr)CN
のX線回折強度最強面は(311)面または(422)
面であることがわかる。
【0041】表3の「膜特性」欄から、本発明品の、ジ
ルコニウム含有膜は、Zrが0.1〜90質量%、塩素
量は0.1〜2.5質量%含有されていることがわか
る。金属成分の内、ジルコニウム以外の大部分はTiで
あり、他には、WあるいはCoが数%以下検出されるだ
けであった。
【0042】表3の「連続切削寿命」欄に、本発明品の
切削寿命特性の評価結果を示した。実施例1の条件で作
製した発明品各3個を用いて、下記の条件で被削材を連
続切削し、平均逃げ面摩耗量が0.4mm、クレーター
摩耗が0.1mmのどちらかに達した時間を測定し、3
個の平均値を「連続切削寿命」とした。 被削材 FC250(HB230) 切削速度 300m/分 送り 0.3mm/rev 切り込み 1.0mm 水溶性切削油使用
【0043】表3より、本発明品は、いずれも連続切削
寿命が25分以上と長く優れていることがわかる。ま
た、ジルコニウム含有膜中のジルコニウム含有量が0.
3〜50質量%(試料No.2〜19)の時、連続切削
寿命が65分以上と長く優れた工具特性が得られ、1〜
40質量%(試料No.4〜17)の時は連続切削寿命
が75分以上と更に長くなり更に優れた工具特性が得ら
れ、5〜30質量%(試料No.5〜15)では90分
以上と最も長くなっており最も優れた工具特性が得られ
ることがわかる。また、試料No.7〜12より、ジル
コニウム含有膜中の塩素量が0.1〜2質量%の時に連
続切削寿命が95分以上と長くなり、塩素量が1質量%
以下の時には、連続切削寿命が100分以上と更に長く
なり、切削耐久特性が更に優れていることがわかる。
【0044】(比較例1)ジルコニウム含有膜における
X線回折ピーク最強度面の相違による切削耐久特性への
影響を明らかにするために、本発明品と同一の組成と形
状よりなる切削工具用超硬合金基板をCVD炉内にセッ
トし、その表面に、実施例1と同一の条件でTiN膜を
形成した。さらに続いて、TiCl4ガスを0.2vo
l%、ZrCl4ガスを0.2vol%、CH3CNガ
スを0.4vol%、N2ガスを45vol%、残H2
キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分5500m
lだけCVD炉内に流し、成膜圧力2.7kPa、成膜
温度790℃で、TiとZr、C、Nからなる(Ti,
Zr)CN膜を14〜18μm厚さ成膜することによ
り、比較品を作製した。この場合、TiN膜と(Ti,
Zr)CN膜との間にTiCN膜は成膜しなかった。
【0045】作製した比較例1の(Ti,Zr)CN膜
の代表的なX線回折測定結果を図3に示す。図3に示す
ように、比較例1のX線回折強度は、いずれも(22
0)面が最強であった。
【0046】図4は、比較例1の皮膜部の破断面をSE
Mにより撮影したものである。ジルコニウム含有膜の膜
厚が厚くなるにつれて、急激に結晶粒が粗大化してお
り、膜表面の凹凸も大きくなっていることがわかる。
【0047】比較例1の条件で作製した切削工具各3個
を用いて実施例1と同一の条件で切削耐久特性を評価し
た結果、切削中に、膜中にクラックが発生するとともに
結晶粒の脱落等により急激に摩耗が進んだ。その結果、
10分で工具寿命に達し、本発明品よりも切削耐久特性
が劣ることがわかった。
【0048】(実施例2)WC:72質量%、TiC:
8質量%、(Ta,Nb)C:11質量%、Co:9質
量%の組成よりなるスローアウェイインサートCNMG
120408の切削工具用超硬合金基板をCVD炉内に
セットし、その表面に、熱化学蒸着法により、H2キャ
リヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに
用い0.3μm厚さのTiN膜を900℃でまず形成し
た。次いで、TiCl4ガスを0.5〜2.5vol
%、CH3CNガスを0.5〜2.5vol%、N2ガ
スを25〜45vol%、COガス0.5〜10vol
%、残H2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分
5500mlだけCVD炉内に流し、圧力6.6kP
a、温度850℃の条件で、1μm厚さのTiCNO膜
を成膜した。さらに続いて、750〜950℃でTiC
l4ガスを0.3〜2.5vol%、ZrCl4ガスを
0.3〜2.5vol%、CH3CNガスを0.6〜5
vol%、N2ガスを25〜45vol%、残H2キャ
リヤーガスで構成された原料ガスを毎分5500mlだ
けCVD炉内に流し、成膜圧力2.7k〜13.3kP
a、成膜温度750〜950℃で、TiとZr、C、N
からなる(Ti,Zr)CN膜を6μm厚さ成膜した。
そして、トータル2,200ml/分だけのTiCl4
ガス、CH4ガス、H2キャリヤーガスを流して、温度
950〜1020℃でチタンの炭化物膜を15分間成膜
した後、そのまま連続して本構成ガスにさらに2.2〜
550ml/分のCO2とCOの混合ガスを追加して1
5分間成膜することによりチタンの炭酸化物膜を作製し
た。続いてAlCl3ガスとH2ガス2l/分とCO2
とCOの混合ガス500ml/分とをCVD炉内に流
し、1010〜1020℃で120分間反応させること
により酸化アルミニウム膜を成膜した。この酸化アルミ
ニウムの表面に、更に、H2キャリヤーガスとZrCl
4ガスとN2ガスとにより0.5μm厚さのZrN膜を
1000℃で成膜することにより、本発明品を作製し
た。
【0049】本発明品の(Ti,Zr)CN膜のX線回
折強度を実施例1と同じ方法で測定した結果、いずれも
最強度面は(422)面または(311)面であった。
なお、ピークの同定は、表1に示したピーク位置を中心
にして、その前後のWCのピーク(JCPDSファイル
No.25−1047)、TiCのピーク(同No.3
2−1383)、TiNのピーク(同No.38−14
20)、κ型酸化アルミニウムのピーク(同No.4−
878)、α型酸化アルミニウム(同No.10−17
3)のピーク等との位置関係も考慮して決定した。
【0050】(比較例2)ジルコニウム含有膜における
X線回折ピーク最強度面の相違による切削耐久特性への
影響を明らかにするために、本発明品と同一の組成と形
状よりなる切削工具用超硬合金基板をCVD炉内にセッ
トし、その表面に、実施例2と同一の条件でTiN膜を
形成した。続いて、TiCl4ガスを0.2vol%、
ZrCl4ガスを0.2vol%、CH3CNガスを
0.4vol%、N2ガスを45vol%、残H2キャ
リヤーガスで構成された原料ガスを毎分5500mlだ
けCVD炉内に流し、成膜圧力2.7kPa、成膜温度
790℃で、TiとZr、C、Nからなる(Ti,Z
r)CN膜を7μm厚さ成膜した。TiN膜と(Ti,
Zr)CN膜との間にTiCNやTiCNO膜は成膜し
なかった。その後更に、実施例2と同じ条件でチタンの
炭化物および炭酸化物からなる膜、酸化アルミニウム
膜、ZrN膜を成膜することにより、比較品を作製し
た。
【0051】作製した比較例の(Ti,Zr)CN膜の
X線回折強度は、いずれも(220)面が最強であっ
た。
【0052】実施例2の本発明品と比較例2の従来品の
切削寿命特性は、切削工具各3個を用いて、下記の条件
で被削材を連続切削し、平均逃げ面摩耗量が0.4m
m、クレーター摩耗が0.1mmのどちらかに達する時
間を測定し、これらの平均値を連続切削寿命時間とし
た。 被削材 S53C(HS35) 切削速度 250m/min 送り 0.2mm/rev 切り込み 1.5mm 水溶性切削油使用
【0053】切削テストの結果、比較例2の比較品は、
切削中に膜中にクラックが発生するとともに結晶粒の脱
落等により急激に摩耗が進み、20分以内で切削寿命に
達したのに対して、実施例2で作製した本発明はいずれ
も30分以上切削でき、優れた切削耐久特性を示すこと
が判明した。
【0054】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、高温で
の膜硬度が高く、しかも、膜厚が厚くなるに連れても膜
表面付近の結晶粒の幅が粗大化せず、膜表面に局所的な
突起が形成され難いジルコニウム含有膜が形成されてお
り、良好な耐摩耗性と靱性を有しており、優れた切削耐
久特性を示すジルコニウム含有膜被覆工具を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のジルコニウム含有膜被覆工具
のX線回折パターンの一例を示す。
【図2】図2は、本発明のジルコニウム含有膜被覆工具
のセラミック材料の組織を示す顕微鏡写真の一例を示
す。
【図3】図3は、比較例のX線回折パターンの一例を示
す。
【図4】図4は、比較例のセラミック材料の組織を示す
顕微鏡写真の一例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡山 史郎 千葉県成田市新泉13番地の2 日立ツール 株式会社成田工場内 Fターム(参考) 3C046 FF11 FF16 FF20 FF22 FF24 4K030 AA03 AA09 AA18 BA02 BA18 BA22 BA35 BA36 BA38 BA41 BA42 BA43 BA46 BA53 BA56 BA57 BB01 BB03 BB12 CA03 FA10 JA06 JA10 LA21 LA22 4K044 AA09 AB10 BA12 BA13 BA18 BB02 BC01 BC05 BC11 CA13 CA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面に周期律表のIVa、Va、V
    Ia族並びにアルミニウムの炭化物、窒化物、酸化物、
    炭窒化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物のいずれか
    一種の単層皮膜または二種以上の多層皮膜を有し、前記
    皮膜の少なくとも一層がジルコニウムを含有し且つX線
    回折ピーク最強度面が、(422)面または(311)
    面であることを特徴とするジルコニウム含有膜被覆工
    具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のジルコニウム含有膜被
    覆工具において、前記ジルコニウム含有膜が膜厚方向に
    細長い柱状の結晶粒から構成されていることを特徴とす
    るジルコニウム含有膜被覆工具。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のジルコニウム
    含有膜被覆工具において、前記ジルコニウム含有膜の下
    層がチタンの炭窒化物膜またはチタンの炭窒酸化物膜で
    あることを特徴とするジルコニウム含有膜被覆工具。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のジル
    コニウム含有膜被覆工具において、前記ジルコニウム含
    有膜中にジルコニウムが0.3〜50質量%含有されて
    いることを特徴とするジルコニウム含有膜被覆工具。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のジル
    コニウム含有膜被覆工具において、前記ジルコニウム含
    有膜に含まれるジルコニウム以外の主たる金属成分はチ
    タンであることを特徴とするジルコニウム含有膜被覆工
    具。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のジル
    コニウム含有膜被覆工具において、前記ジルコニウム含
    有膜が引張り残留応力を有するととも、膜中の塩素量が
    2質量%以下であることを特徴とするジルコニウム含有
    膜被覆工具。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のジル
    コニウム含有膜被覆工具において、前記ジルコニウム含
    有膜が、原料ガスとして少なくとも有機CN化合物ガス
    を用い、温度750〜950℃で熱化学蒸着法により成
    膜されていることを特徴とするジルコニウム含有膜被覆
    工具。
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