JP2003266212A - クロム含有膜被覆工具 - Google Patents
クロム含有膜被覆工具Info
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- JP2003266212A JP2003266212A JP2002076632A JP2002076632A JP2003266212A JP 2003266212 A JP2003266212 A JP 2003266212A JP 2002076632 A JP2002076632 A JP 2002076632A JP 2002076632 A JP2002076632 A JP 2002076632A JP 2003266212 A JP2003266212 A JP 2003266212A
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- JP
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- film
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- chromium
- aluminum oxide
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】工具として使用・未使用が容易に判別出来、し
かも従来に比べて工具表面の膜密着性と摺動性や耐摩耗
性が優れ、切削耐久特性が大幅に改善された被覆工具を
提供する。 【構成】基体表面に、クロムの炭化物、窒化物、炭窒化
物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物のいずれか1種の
単層皮膜又は2種以上の多層皮膜からなり引張残留応力
を有するクロム含有膜を酸化アルミニウム膜よりも工具
表面側に被覆してなることにより構成する。
かも従来に比べて工具表面の膜密着性と摺動性や耐摩耗
性が優れ、切削耐久特性が大幅に改善された被覆工具を
提供する。 【構成】基体表面に、クロムの炭化物、窒化物、炭窒化
物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物のいずれか1種の
単層皮膜又は2種以上の多層皮膜からなり引張残留応力
を有するクロム含有膜を酸化アルミニウム膜よりも工具
表面側に被覆してなることにより構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロム含有膜被覆
工具に関するものである。
工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、硬質膜被覆工具は超硬合金、高
速度鋼又は特殊鋼よりなる基体表面に化学蒸着(CV
D)法又は物理蒸着(PVD)法等により硬質皮膜を被
覆することにより作製され、皮膜の耐摩耗性と基体の強
靭性とを兼ね備えているため広く利用されている。特に
高硬度材を高速で切削する場合には切削工具の刃先温度
が1000℃付近にまで上昇することがあり、このよう
な高温で工具は被削材との接触による摩耗や断続切削等
の機械的衝撃に耐える必要があるため耐摩耗性と耐欠損
性性とを兼ね備えた上記の硬質膜被覆工具が重宝されて
いる。硬質皮膜は、CVD法或いはPVD法により成膜
されている。PVD法で成膜された膜は一般に圧縮応力
を有しておりCVD法で成膜された膜は引張応力を有し
ている。PVD法の長所は多数の元素を含有する膜を比
較的容易に成膜できることであり、欠点はCVD膜に比
べて膜の密着性が劣ることである。すなわち、PVD法
で成膜され圧縮応力を有する皮膜は下地膜との密着性が
劣るため切削の初期に皮膜が剥がれてしまい摺動性や耐
摩耗性を高める皮膜の役割があまり期待できない欠点が
ある。これに対して、CVD法の長所は750〜105
0℃と高い温度で成膜されるため膜間の密着性が優れし
かもより高温で使用しても膜特性の劣化が少ないことで
あり、欠点は化学反応を用いて成膜するために多数の元
素を含有する膜を成膜することが困難なことである。こ
のため、切削加工時に刃先が1000℃前後まで昇温す
る旋削工具に使用されている皮膜は熱CVD法で成膜さ
れたTiC、TiN、TiCN、Al2O3膜に限定さ
れているのが実状である。熱CVD法で成膜された硬質
膜被覆工具表面の皮膜は耐摩耗性を左右するため種々の
改善がなされてきた。例えば、基体表面に高硬度の炭化
チタン膜を被覆して耐摩耗性を改善したもの、或いはこ
の炭化チタン膜の表面にさらに酸化アルミニウム膜を被
覆し耐酸化性を改善したもの等がある。特に、酸化アル
ミニウム膜は化学的に安定しており酸化に強く被削材と
も反応し難いため多くの工具で利用されている。
速度鋼又は特殊鋼よりなる基体表面に化学蒸着(CV
D)法又は物理蒸着(PVD)法等により硬質皮膜を被
覆することにより作製され、皮膜の耐摩耗性と基体の強
靭性とを兼ね備えているため広く利用されている。特に
高硬度材を高速で切削する場合には切削工具の刃先温度
が1000℃付近にまで上昇することがあり、このよう
な高温で工具は被削材との接触による摩耗や断続切削等
の機械的衝撃に耐える必要があるため耐摩耗性と耐欠損
性性とを兼ね備えた上記の硬質膜被覆工具が重宝されて
いる。硬質皮膜は、CVD法或いはPVD法により成膜
されている。PVD法で成膜された膜は一般に圧縮応力
を有しておりCVD法で成膜された膜は引張応力を有し
ている。PVD法の長所は多数の元素を含有する膜を比
較的容易に成膜できることであり、欠点はCVD膜に比
べて膜の密着性が劣ることである。すなわち、PVD法
で成膜され圧縮応力を有する皮膜は下地膜との密着性が
劣るため切削の初期に皮膜が剥がれてしまい摺動性や耐
摩耗性を高める皮膜の役割があまり期待できない欠点が
ある。これに対して、CVD法の長所は750〜105
0℃と高い温度で成膜されるため膜間の密着性が優れし
かもより高温で使用しても膜特性の劣化が少ないことで
あり、欠点は化学反応を用いて成膜するために多数の元
素を含有する膜を成膜することが困難なことである。こ
のため、切削加工時に刃先が1000℃前後まで昇温す
る旋削工具に使用されている皮膜は熱CVD法で成膜さ
れたTiC、TiN、TiCN、Al2O3膜に限定さ
れているのが実状である。熱CVD法で成膜された硬質
膜被覆工具表面の皮膜は耐摩耗性を左右するため種々の
改善がなされてきた。例えば、基体表面に高硬度の炭化
チタン膜を被覆して耐摩耗性を改善したもの、或いはこ
の炭化チタン膜の表面にさらに酸化アルミニウム膜を被
覆し耐酸化性を改善したもの等がある。特に、酸化アル
ミニウム膜は化学的に安定しており酸化に強く被削材と
も反応し難いため多くの工具で利用されている。
【0003】しかし、酸化アルミニウム膜は透明である
ため一旦切削工具として使用された後も使用済みの痕跡
が一目では判別し難い欠点がある。このため、多くの工
具では酸化アルミニウム膜の外側に略金色の窒化チタン
膜が被覆されている。このような工具は一旦使用される
と最外層の窒化チタン膜の表面が黒く変色するために工
具が使用済であることが容易に判別される利点があるた
め広く実用されているが、残念ながら、酸化アルミニウ
ム膜の表面に窒化チタン膜や炭窒化チタン膜を形成する
ため工具表面の摺動性が低下し切削耐久特性が低下する
という欠点が現れていた。また、化学蒸着法で成膜した
酸化アルミニウム膜の上にチタン、クロム、バナジウ
ム、ジルコニウムの炭化物又は窒化物或いは炭窒化物か
ら成る層をPVD法によって形成した被覆硬質合金が特
開昭62−192576で提案されている。しかし、こ
れら酸化アルミニウム膜の上に成膜された被膜はいずれ
もPVD法で成膜されているため圧縮応力を有しており
酸化アルミニウム膜等から容易に剥がれてしまい表面に
被覆されている効果が小さい欠点がある。また、刃先部
の最外層の少なくとも一部が酸化アルミニウム膜で構成
されていないため被削材と溶着しさらに膜剥がれが発生
し易い欠点がある。
ため一旦切削工具として使用された後も使用済みの痕跡
が一目では判別し難い欠点がある。このため、多くの工
具では酸化アルミニウム膜の外側に略金色の窒化チタン
膜が被覆されている。このような工具は一旦使用される
と最外層の窒化チタン膜の表面が黒く変色するために工
具が使用済であることが容易に判別される利点があるた
め広く実用されているが、残念ながら、酸化アルミニウ
ム膜の表面に窒化チタン膜や炭窒化チタン膜を形成する
ため工具表面の摺動性が低下し切削耐久特性が低下する
という欠点が現れていた。また、化学蒸着法で成膜した
酸化アルミニウム膜の上にチタン、クロム、バナジウ
ム、ジルコニウムの炭化物又は窒化物或いは炭窒化物か
ら成る層をPVD法によって形成した被覆硬質合金が特
開昭62−192576で提案されている。しかし、こ
れら酸化アルミニウム膜の上に成膜された被膜はいずれ
もPVD法で成膜されているため圧縮応力を有しており
酸化アルミニウム膜等から容易に剥がれてしまい表面に
被覆されている効果が小さい欠点がある。また、刃先部
の最外層の少なくとも一部が酸化アルミニウム膜で構成
されていないため被削材と溶着しさらに膜剥がれが発生
し易い欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、工具として使用・未使用が容易に判別出来
しかも従来に比べて工具表面の膜密着性と摺動性とが優
れ、切削耐久特性が大幅に改善された被覆工具を提供す
ることである。本発明者らは上記従来技術被覆工具の欠
点を解決するために鋭意研究した結果、有色で引張残留
応力を有するクロム含有膜を工具の表面に形成すること
によって工具として使用・未使用が容易に判別できるよ
うになるとともに、工具表面の摺動性と皮膜間の密着性
が高く、優れた切削耐久特性を有する工具が得られるこ
とを見出し、本発明に至った。更には、被削材との接触
頻度が最も高い刃先部の最外層の少なくとも一部に内層
の酸化アルミニウム膜を露出させることにより被削材と
の溶着が少なく更に優れた切削耐久特性を有する工具が
得られることを見出し、本発明に至った。
する課題は、工具として使用・未使用が容易に判別出来
しかも従来に比べて工具表面の膜密着性と摺動性とが優
れ、切削耐久特性が大幅に改善された被覆工具を提供す
ることである。本発明者らは上記従来技術被覆工具の欠
点を解決するために鋭意研究した結果、有色で引張残留
応力を有するクロム含有膜を工具の表面に形成すること
によって工具として使用・未使用が容易に判別できるよ
うになるとともに、工具表面の摺動性と皮膜間の密着性
が高く、優れた切削耐久特性を有する工具が得られるこ
とを見出し、本発明に至った。更には、被削材との接触
頻度が最も高い刃先部の最外層の少なくとも一部に内層
の酸化アルミニウム膜を露出させることにより被削材と
の溶着が少なく更に優れた切削耐久特性を有する工具が
得られることを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体表面に、
クロムの炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化
物、炭窒酸化物のいずれか1種の単層皮膜又は2種以上
の多層皮膜からなり引張残留応力を有するクロム含有膜
を、酸化アルミニウム膜よりも工具表面側に被覆してな
るクロム含有膜被覆工具である。このように有色のクロ
ム含有膜により工具の最外層部分を構成することにより
工具として使用済みか否かが容易に判別出来るようにな
るとともに、工具表面に良好な摺動性が得られるため優
れた切削耐久特性が実現されている。クロムは特に耐酸
化性と摺動性とを高めるため工具表面が被削材や切屑か
ら受ける摩耗や衝撃を小さくするため良好な切削耐久特
性が実現されている。また、引張残留応力を有している
ことによりクロム含有膜とその下地膜との間に優れた密
着性が得られる。ここで、皮膜が引張残留応力を有する
か否かはX線応力測定法の1種である並傾法を用いて膜
応力σの符号(±)を求めることにより判定できる。符
号が+の時は引張残留応力を持ち、−の時は圧縮残留応
力を有している。一般に、膜の残留応力σは、X線応力
測定法による並傾法を用いて、次式に示す応力計算式に
より求められる。
クロムの炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化
物、炭窒酸化物のいずれか1種の単層皮膜又は2種以上
の多層皮膜からなり引張残留応力を有するクロム含有膜
を、酸化アルミニウム膜よりも工具表面側に被覆してな
るクロム含有膜被覆工具である。このように有色のクロ
ム含有膜により工具の最外層部分を構成することにより
工具として使用済みか否かが容易に判別出来るようにな
るとともに、工具表面に良好な摺動性が得られるため優
れた切削耐久特性が実現されている。クロムは特に耐酸
化性と摺動性とを高めるため工具表面が被削材や切屑か
ら受ける摩耗や衝撃を小さくするため良好な切削耐久特
性が実現されている。また、引張残留応力を有している
ことによりクロム含有膜とその下地膜との間に優れた密
着性が得られる。ここで、皮膜が引張残留応力を有する
か否かはX線応力測定法の1種である並傾法を用いて膜
応力σの符号(±)を求めることにより判定できる。符
号が+の時は引張残留応力を持ち、−の時は圧縮残留応
力を有している。一般に、膜の残留応力σは、X線応力
測定法による並傾法を用いて、次式に示す応力計算式に
より求められる。
【0006】
【数1】
【0007】ここで、Eは弾性定数、νはポアソン比、
θ0は無歪みの格子面からの標準ブラッグ回折角、Ψは
回折格子面法線と試料面法線との傾き、θは測定試料の
角度がΨの時のブラッグ回折角である。前記数式1よ
り、膜応力の符号(±)の決定には2θ−sin2Ψ線
図の勾配のみが必要とされ、弾性定数Eやポアソン比
ν、cotθ0(常に+)の正確な値は必要としないこ
とがわかる。
θ0は無歪みの格子面からの標準ブラッグ回折角、Ψは
回折格子面法線と試料面法線との傾き、θは測定試料の
角度がΨの時のブラッグ回折角である。前記数式1よ
り、膜応力の符号(±)の決定には2θ−sin2Ψ線
図の勾配のみが必要とされ、弾性定数Eやポアソン比
ν、cotθ0(常に+)の正確な値は必要としないこ
とがわかる。
【0008】本発明の被覆工具は、刃先部の最外層の少
なくとも一部が酸化アルミニウム膜で構成されているこ
とが好ましい。被削材との接触頻度が高い刃先部の少な
くとも一部が耐酸化性と耐溶着性とが特に優れている酸
化アルミニウム膜で構成されていることにより被削材と
溶着することが特に少なくなり、更に優れた切削耐久特
性が実現される。この時も刃先部以外の主要部が有色の
クロム含有膜で覆われているため良好な摺動性と工具使
用済の有無が容易に判定できる利点が確保される。刃先
部の最外層の少なくとも一部に酸化アルミニウム膜を露
出させる方法としては、例えば当初最外層を構成してい
るクロム含有膜等を研磨布、バフ、ブラシ或いはラバー
等と研磨用砥粒とを組み合わせて研磨する、或いは砥粒
を含んだ加圧基体や流体流を吹き付ける等の方法があ
る。
なくとも一部が酸化アルミニウム膜で構成されているこ
とが好ましい。被削材との接触頻度が高い刃先部の少な
くとも一部が耐酸化性と耐溶着性とが特に優れている酸
化アルミニウム膜で構成されていることにより被削材と
溶着することが特に少なくなり、更に優れた切削耐久特
性が実現される。この時も刃先部以外の主要部が有色の
クロム含有膜で覆われているため良好な摺動性と工具使
用済の有無が容易に判定できる利点が確保される。刃先
部の最外層の少なくとも一部に酸化アルミニウム膜を露
出させる方法としては、例えば当初最外層を構成してい
るクロム含有膜等を研磨布、バフ、ブラシ或いはラバー
等と研磨用砥粒とを組み合わせて研磨する、或いは砥粒
を含んだ加圧基体や流体流を吹き付ける等の方法があ
る。
【0009】次に、本発明の被覆工具は、クロム含有膜
と酸化アルミニウム膜の間にチタン含有膜が挿入されて
いることが好ましい。こうすることによりクロム含有膜
と酸化アルミニウム膜の間に更に優れた密着性が得られ
るとともにチタン含有膜により耐摩耗性が強化され、更
に優れた切削耐久特性が実現される。チタン含有膜には
TiNやTiC、TiCN、TiNO、TiCO、Ti
CNO等を用いることができる。
と酸化アルミニウム膜の間にチタン含有膜が挿入されて
いることが好ましい。こうすることによりクロム含有膜
と酸化アルミニウム膜の間に更に優れた密着性が得られ
るとともにチタン含有膜により耐摩耗性が強化され、更
に優れた切削耐久特性が実現される。チタン含有膜には
TiNやTiC、TiCN、TiNO、TiCO、Ti
CNO等を用いることができる。
【0010】更に、本発明の被覆工具は、前記刃先部、
特にホーニング部近傍の表面粗さRaを0.12μm以
下とすることが好ましい。こうすることにより、特に被
削材との接触頻度が高い刃先部の摺動性が更に高まり更
に優れた切削耐久特性が実現される。刃先部の表面粗さ
Raは0.08μm以下であることが最も好ましく、最
も優れた切削耐久特性が実現できる。
特にホーニング部近傍の表面粗さRaを0.12μm以
下とすることが好ましい。こうすることにより、特に被
削材との接触頻度が高い刃先部の摺動性が更に高まり更
に優れた切削耐久特性が実現される。刃先部の表面粗さ
Raは0.08μm以下であることが最も好ましく、最
も優れた切削耐久特性が実現できる。
【0011】本発明の被覆工具において、クロム含有膜
は上記の膜に限るものではなく、例えばZr、Hf、T
i、Mg、Y、Si、Bの1種又は2種以上を0.3〜
10質量%添加した膜でも良い。0.3質量%未満では
これらを添加する効果が現れず、10質量%を超えると
上記膜の耐摩耗や高靭性の効果が低くなる欠点が現れ
る。
は上記の膜に限るものではなく、例えばZr、Hf、T
i、Mg、Y、Si、Bの1種又は2種以上を0.3〜
10質量%添加した膜でも良い。0.3質量%未満では
これらを添加する効果が現れず、10質量%を超えると
上記膜の耐摩耗や高靭性の効果が低くなる欠点が現れ
る。
【0012】本発明において、最外層のクロム含有膜の
上に更に美観を高めるために少なくとも一層のチタンや
ジルコニウム、ハフニウム、ボロンの化合物(例えばT
iN、ZrN、HfN、TiCN、ZrCN、HfC
N、TiBN、BCN、BN或いはこれらを組み合わせ
た多層膜等)を被覆してもよい。また、本発明に用いる
酸化アルミニウム膜にはκ型酸化アルミニウム(κ−A
l2O3)単相膜やα型酸化アルミニウム(α−Al2
O3)単相膜或いはκ型酸化アルミニウムとα型酸化ア
ルミニウムとの混合膜でもよい。また、κ型酸化アルミ
ニウム及び/又はα型酸化アルミニウムと、γ型酸化ア
ルミニウム、θ型酸化アルミニウム、δ型酸化アルミニ
ウム、χ型酸化アルミニウムの少なくとも1種とからな
る混合膜でもよい。また、酸化アルミニウム膜の代わり
に酸化アルミニウムと酸化ジルコニウム等に代表される
他の酸化物との混合膜でもよい。また、本発明で用いる
膜には被覆工具の切削耐久特性を劣化させない範囲でW
やCo等不可避の添加物や不純物を、例えば3質量%程
度まで含むことが許容される。
上に更に美観を高めるために少なくとも一層のチタンや
ジルコニウム、ハフニウム、ボロンの化合物(例えばT
iN、ZrN、HfN、TiCN、ZrCN、HfC
N、TiBN、BCN、BN或いはこれらを組み合わせ
た多層膜等)を被覆してもよい。また、本発明に用いる
酸化アルミニウム膜にはκ型酸化アルミニウム(κ−A
l2O3)単相膜やα型酸化アルミニウム(α−Al2
O3)単相膜或いはκ型酸化アルミニウムとα型酸化ア
ルミニウムとの混合膜でもよい。また、κ型酸化アルミ
ニウム及び/又はα型酸化アルミニウムと、γ型酸化ア
ルミニウム、θ型酸化アルミニウム、δ型酸化アルミニ
ウム、χ型酸化アルミニウムの少なくとも1種とからな
る混合膜でもよい。また、酸化アルミニウム膜の代わり
に酸化アルミニウムと酸化ジルコニウム等に代表される
他の酸化物との混合膜でもよい。また、本発明で用いる
膜には被覆工具の切削耐久特性を劣化させない範囲でW
やCo等不可避の添加物や不純物を、例えば3質量%程
度まで含むことが許容される。
【0013】本発明の被覆工具の製作は既知の成膜方法
を採用できる。例えば、通常の化学蒸着法、プラズマを
付加した化学蒸着法(PACVD)、イオンプレーティ
ング法等を用いることができる。本発明の被覆工具にお
いて、クロム含有膜は膜中の塩素量が2質量%以下であ
ることが好ましい。より高温で成膜する熱CVD法を用
いることにより膜中の塩素量が2質量%以下になりより
高い膜硬度と耐摩耗性が得られる。これに対してプラズ
マCVD法で成膜すると膜中の塩素量が2質量%を越え
膜硬度と耐摩耗性が低下し、工具寿命が低下する欠点が
現れる。用途は切削工具に限るものではなく、硬質皮膜
を被覆した耐摩耗材や金型、溶湯部品等でもよい。以
下、本発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する
が、それら実施例により本発明が限定されるものではな
い。
を採用できる。例えば、通常の化学蒸着法、プラズマを
付加した化学蒸着法(PACVD)、イオンプレーティ
ング法等を用いることができる。本発明の被覆工具にお
いて、クロム含有膜は膜中の塩素量が2質量%以下であ
ることが好ましい。より高温で成膜する熱CVD法を用
いることにより膜中の塩素量が2質量%以下になりより
高い膜硬度と耐摩耗性が得られる。これに対してプラズ
マCVD法で成膜すると膜中の塩素量が2質量%を越え
膜硬度と耐摩耗性が低下し、工具寿命が低下する欠点が
現れる。用途は切削工具に限るものではなく、硬質皮膜
を被覆した耐摩耗材や金型、溶湯部品等でもよい。以
下、本発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する
が、それら実施例により本発明が限定されるものではな
い。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明例1としてW
C72質量%、TiC8質量%、(Ta、Nb)C11
質量%、Co9質量の主成分組成よりなるJIS規格C
NMG120408形状の切削工具用超硬合金基体をC
VD反応炉内に設置し、H2キヤリヤーガスとTiCl
4ガスとN2ガスとを原料ガスに用いて0.5μm厚さ
のTiN膜を900℃で形成後、H2キャリヤーガスと
TiCl4ガス、N2ガス、CH3CNガスを原料ガス
に用いて6μm厚さのTiCN膜を890℃で形成し
た。その後、1000℃でH2キヤリヤーガスとTiC
l4ガス、CH4ガスとを原料ガスに用いてTiC膜を
15分間成膜した後、そのまま連続して本構成ガスに二
酸化炭素ガスと一酸化炭素ガスとを追加しTiCO膜を
15分間成膜した。その後、H2キャリヤーガス、Al
Cl3ガス、CO2ガスを原料ガスに用いて4μm厚さ
のα−Al2O3膜を1020℃で形成した。その後、
H2キヤリヤーガスとN2ガス及びCVD反応炉の直前
で約900℃付近に保持した金属クロムにHClガスを
反応させることにより作製した塩化クロムガス(CrC
l3、CrCl4と考えられる)を原料ガスに用いて厚
さ1μmのCrN膜を1020℃で形成し、その後室温
まで冷却することにより本発明のクロム含有膜被覆工具
を作製した。作製した本発明例1のクロム含有膜の残留
応力を理学電気(株)製のX線回折装置(RU−200
BH)と応力測定用ソフト(ManualNo.MJ1
3026A01)を用いて並傾法(X線の走査面と応力
の測定方向面とが平行)により測定した結果、符号は+
であり、本発明例のクロム含有膜が引張残留応力を有し
ていることが判明した。また、本発明例1の刃先部表面
の平均面粗さRaを形状測定顕微鏡((株)キーエンス
社製、測定部VK−8510、コントロール部VK−8
500)で評価した結果0.14μmであった。
C72質量%、TiC8質量%、(Ta、Nb)C11
質量%、Co9質量の主成分組成よりなるJIS規格C
NMG120408形状の切削工具用超硬合金基体をC
VD反応炉内に設置し、H2キヤリヤーガスとTiCl
4ガスとN2ガスとを原料ガスに用いて0.5μm厚さ
のTiN膜を900℃で形成後、H2キャリヤーガスと
TiCl4ガス、N2ガス、CH3CNガスを原料ガス
に用いて6μm厚さのTiCN膜を890℃で形成し
た。その後、1000℃でH2キヤリヤーガスとTiC
l4ガス、CH4ガスとを原料ガスに用いてTiC膜を
15分間成膜した後、そのまま連続して本構成ガスに二
酸化炭素ガスと一酸化炭素ガスとを追加しTiCO膜を
15分間成膜した。その後、H2キャリヤーガス、Al
Cl3ガス、CO2ガスを原料ガスに用いて4μm厚さ
のα−Al2O3膜を1020℃で形成した。その後、
H2キヤリヤーガスとN2ガス及びCVD反応炉の直前
で約900℃付近に保持した金属クロムにHClガスを
反応させることにより作製した塩化クロムガス(CrC
l3、CrCl4と考えられる)を原料ガスに用いて厚
さ1μmのCrN膜を1020℃で形成し、その後室温
まで冷却することにより本発明のクロム含有膜被覆工具
を作製した。作製した本発明例1のクロム含有膜の残留
応力を理学電気(株)製のX線回折装置(RU−200
BH)と応力測定用ソフト(ManualNo.MJ1
3026A01)を用いて並傾法(X線の走査面と応力
の測定方向面とが平行)により測定した結果、符号は+
であり、本発明例のクロム含有膜が引張残留応力を有し
ていることが判明した。また、本発明例1の刃先部表面
の平均面粗さRaを形状測定顕微鏡((株)キーエンス
社製、測定部VK−8510、コントロール部VK−8
500)で評価した結果0.14μmであった。
【0015】(実施例2)比較例2としてクロム含有膜
が引張残留応力を有している場合と圧縮残留応力を有し
ている場合との差違による切削耐久特性への影響を明ら
かにするために、本発明例1の試料と同一の膜構成と成
膜条件でα−Al2O3膜までを形成した後、試料をア
ーク放電方式のイオンプレーティング装置内にセットし
直し、その表面にCr合金ターゲットとN2ガスとを用
いて400℃、基体へのバイアス電圧−150Vの成膜
条件でCrN膜を1μm厚さ成膜することにより比較例
2を作製した。作製した比較例2のCrN膜の残留応力
は符号が−であり、圧縮残留応力を有していることがわ
かった。
が引張残留応力を有している場合と圧縮残留応力を有し
ている場合との差違による切削耐久特性への影響を明ら
かにするために、本発明例1の試料と同一の膜構成と成
膜条件でα−Al2O3膜までを形成した後、試料をア
ーク放電方式のイオンプレーティング装置内にセットし
直し、その表面にCr合金ターゲットとN2ガスとを用
いて400℃、基体へのバイアス電圧−150Vの成膜
条件でCrN膜を1μm厚さ成膜することにより比較例
2を作製した。作製した比較例2のCrN膜の残留応力
は符号が−であり、圧縮残留応力を有していることがわ
かった。
【0016】(実施例3)比較例3としてクロム含有膜
におけるクロム含有の有無による切削耐久特性への影響
を明らかにするために、本発明例1と同一の膜構成と成
膜条件でα−Al2O3膜までを形成した後、H2キャ
リヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに
用いて1μm厚さのTiN膜を1000℃で形成するこ
とにより比較例3の試料を製作した。
におけるクロム含有の有無による切削耐久特性への影響
を明らかにするために、本発明例1と同一の膜構成と成
膜条件でα−Al2O3膜までを形成した後、H2キャ
リヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに
用いて1μm厚さのTiN膜を1000℃で形成するこ
とにより比較例3の試料を製作した。
【0017】本発明例1及び比較例2、3の膜密着性と
連続切削寿命特性を以下の条件で評価した。膜の密着性
は、各試料5個を用いて、以下の条件で30秒間切削し
た後、膜剥離の有無を倍率50倍の工具顕微鏡を用いて
観察することにより評価した。 被削材:FC25(HB230) 切削速度:250m/分 送り:0.3mm/rev 切り込み:1.0mm 水溶性切削油使用 また、連続切削寿命は、上記の条件で更に連続切削し、
平均逃げ面摩耗量が0.4mm、クレーター摩耗が0.
1mmのどちらかに達した時間を連続切削寿命時間と判
断した。
連続切削寿命特性を以下の条件で評価した。膜の密着性
は、各試料5個を用いて、以下の条件で30秒間切削し
た後、膜剥離の有無を倍率50倍の工具顕微鏡を用いて
観察することにより評価した。 被削材:FC25(HB230) 切削速度:250m/分 送り:0.3mm/rev 切り込み:1.0mm 水溶性切削油使用 また、連続切削寿命は、上記の条件で更に連続切削し、
平均逃げ面摩耗量が0.4mm、クレーター摩耗が0.
1mmのどちらかに達した時間を連続切削寿命時間と判
断した。
【0018】上記の切削テストの結果、30秒切削後に
比較例2はCrN膜が刃先部全体で大きく剥離している
にも関わらず、本発明例1と比較例2、3はいずれも膜
が剥離しておらず膜密着性が優れていることが判明し
た。また、切削後の工具を見ると本発明例1は最外層の
銀色のクロム含有膜が黒く変色しているため工具が使用
済であることが容易に判別できた。
比較例2はCrN膜が刃先部全体で大きく剥離している
にも関わらず、本発明例1と比較例2、3はいずれも膜
が剥離しておらず膜密着性が優れていることが判明し
た。また、切削後の工具を見ると本発明例1は最外層の
銀色のクロム含有膜が黒く変色しているため工具が使用
済であることが容易に判別できた。
【0019】また、各試料の連続切削寿命は比較例2、
3はそれぞれ10分、17分であったのに対して、本発
明例1は30分であった。本発明例1の連続切削寿命は
比較例2、3に比べて3倍、1.8倍と格段に長く、最
外層の皮膜が引張残留応力を持つクロム含有膜から成っ
ている効果が著しいことが判明した。
3はそれぞれ10分、17分であったのに対して、本発
明例1は30分であった。本発明例1の連続切削寿命は
比較例2、3に比べて3倍、1.8倍と格段に長く、最
外層の皮膜が引張残留応力を持つクロム含有膜から成っ
ている効果が著しいことが判明した。
【0020】(実施例4)本発明例1と同一の膜構成と
成膜条件でα−Al2O3膜とCrN膜とを形成し、そ
の後室温まで冷却した。次に、ラバー砥石を用いて刃先
部のホーニング部分周辺を研磨することにより内層の酸
化アルミニウム膜を露出させて本発明例4のクロム含有
膜被覆工具を作製した。本発明例4の刃先部表面の平均
面粗さRaは、0.12μmであった。
成膜条件でα−Al2O3膜とCrN膜とを形成し、そ
の後室温まで冷却した。次に、ラバー砥石を用いて刃先
部のホーニング部分周辺を研磨することにより内層の酸
化アルミニウム膜を露出させて本発明例4のクロム含有
膜被覆工具を作製した。本発明例4の刃先部表面の平均
面粗さRaは、0.12μmであった。
【0021】(実施例5)本発明例1と同一の膜構成と
成膜条件でα−Al2O3膜とCrN膜とを形成した
後、さらにダイヤモンドの微粒を塗布したブラシを用い
て刃先部のホーニング部周辺を研磨して内層の酸化アル
ミニウム膜を露出させることにより本発明例5のクロム
含有膜被覆工具を作製した。この本発明例5の刃先部表
面を構成する酸化アルミニウム膜表面の平均面粗さRa
を本発明例1と同一の条件で測定した結果0.08μm
であった。
成膜条件でα−Al2O3膜とCrN膜とを形成した
後、さらにダイヤモンドの微粒を塗布したブラシを用い
て刃先部のホーニング部周辺を研磨して内層の酸化アル
ミニウム膜を露出させることにより本発明例5のクロム
含有膜被覆工具を作製した。この本発明例5の刃先部表
面を構成する酸化アルミニウム膜表面の平均面粗さRa
を本発明例1と同一の条件で測定した結果0.08μm
であった。
【0022】本発明例4、5とを先述の条件で切削評価
した結果、各試料の平均連続切削寿命はそれぞれ45分
と55分であった。このことから、刃先部表面に酸化ア
ルミニウム膜が露出しておらず本発明例1の面粗さRa
が0.14μmの平均連続切削寿命が30分であったの
に対して、本発明例4は1.5倍と格段に連続切削寿命
が長く、本発明例5は1.8倍と最も平均連続切削寿命
が長いことがわかった。すなわち、本発明は、刃先部表
面に酸化アルミニウム膜が露出しており刃先部表面の平
均面粗さRaが0.12μm以下であることが好まし
く、0.08μm以下であることが最も好ましいことが
判明した。
した結果、各試料の平均連続切削寿命はそれぞれ45分
と55分であった。このことから、刃先部表面に酸化ア
ルミニウム膜が露出しておらず本発明例1の面粗さRa
が0.14μmの平均連続切削寿命が30分であったの
に対して、本発明例4は1.5倍と格段に連続切削寿命
が長く、本発明例5は1.8倍と最も平均連続切削寿命
が長いことがわかった。すなわち、本発明は、刃先部表
面に酸化アルミニウム膜が露出しており刃先部表面の平
均面粗さRaが0.12μm以下であることが好まし
く、0.08μm以下であることが最も好ましいことが
判明した。
【0023】(実施例6)クロム含有膜と酸化アルミニ
ウム膜との間にチタン含有膜が挿入されている場合の切
削耐久特性への影響を明らかにするために、本発明例1
と同一の膜構成と成膜条件でα−Al2O3膜までを形
成した後、H2キャリヤーガスとTiCl4ガスとN2
ガス及びCO2ガスとを原料ガスに用いて0.5μm厚
さのTiNO膜を1000℃で形成した後、本発明例1
と同じ条件でCrN膜を1μm厚さ成膜することにより
本発明例6の試料を製作した。
ウム膜との間にチタン含有膜が挿入されている場合の切
削耐久特性への影響を明らかにするために、本発明例1
と同一の膜構成と成膜条件でα−Al2O3膜までを形
成した後、H2キャリヤーガスとTiCl4ガスとN2
ガス及びCO2ガスとを原料ガスに用いて0.5μm厚
さのTiNO膜を1000℃で形成した後、本発明例1
と同じ条件でCrN膜を1μm厚さ成膜することにより
本発明例6の試料を製作した。
【0024】本発明例1と本発明例6の膜密着性の差異
を求めるため各試料5個を以下の条件で切削評価した。
被削材には断続切削性を高めるため4ツ溝を入れた。 被削材:S53C溝入材(HS38) 切削条件:220m/分 送り:0.2mm/rev 切り込み:2.0mm 切削液使用せず(乾式切削) 1000回衝撃切削後に倍率50倍の実体顕微鏡で観察
すると本発明例1、6はともに刃先先端に欠けが発生し
ておらずいずれも良好な切削特性を有していることが判
明した。更に、1500回まで衝撃切削を継続したとこ
ろ本発明例1はクレータ部全体にCrN膜が剥がれてお
り刃先の一部に欠けが発生し工具寿命に達していること
が判明した。一方、本発明例6はクレータ部の一部しか
膜剥がれが発生しておらず刃先の欠けも観察されなかっ
た。このことから、本発明例6は本発明例1に比べて工
具寿命が1.5倍優れており、クロム含有膜と酸化アル
ミニウム膜との間にチタン含有膜が挿入されていること
が好ましいことが判明した。
を求めるため各試料5個を以下の条件で切削評価した。
被削材には断続切削性を高めるため4ツ溝を入れた。 被削材:S53C溝入材(HS38) 切削条件:220m/分 送り:0.2mm/rev 切り込み:2.0mm 切削液使用せず(乾式切削) 1000回衝撃切削後に倍率50倍の実体顕微鏡で観察
すると本発明例1、6はともに刃先先端に欠けが発生し
ておらずいずれも良好な切削特性を有していることが判
明した。更に、1500回まで衝撃切削を継続したとこ
ろ本発明例1はクレータ部全体にCrN膜が剥がれてお
り刃先の一部に欠けが発生し工具寿命に達していること
が判明した。一方、本発明例6はクレータ部の一部しか
膜剥がれが発生しておらず刃先の欠けも観察されなかっ
た。このことから、本発明例6は本発明例1に比べて工
具寿命が1.5倍優れており、クロム含有膜と酸化アル
ミニウム膜との間にチタン含有膜が挿入されていること
が好ましいことが判明した。
【0025】
【発明の効果】上述の通り、本発明によれば、工具とし
ての使用・未使用が容易に判別出来、しかも工具表面の
膜密着性と摺動性とが優れ、切削耐久特性が大幅に改善
された被覆工具を提供することができる。
ての使用・未使用が容易に判別出来、しかも工具表面の
膜密着性と摺動性とが優れ、切削耐久特性が大幅に改善
された被覆工具を提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 3C046 FF02 FF03 FF11 FF16
4K029 AA04 BA58 BC02 BD05 CA03
DD06
4K030 AA01 AA03 AA09 AA17 AA18
BA02 BA06 BA18 BA36 BA38
BA42 BA43 BA46 BB12 CA03
FA10 LA22
Claims (4)
- 【請求項1】超硬合金、高速度鋼又は特殊鋼よりなる基
体表面に、クロムの炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化
物、窒酸化物、炭窒酸化物のいずれか1種の単層皮膜又
は2種以上の多層皮膜からなり引張残留応力を有するク
ロム含有膜を酸化アルミニウム膜よりも工具表面側に被
覆してなることを特徴とするクロム含有膜被覆工具。 - 【請求項2】請求項1に記載の被覆工具において、前記
被覆工具の刃先部の最外層は、少なくとも一部に酸化ア
ルミニウム膜を露出させたことを特徴とするクロム含有
膜被覆工具。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の被覆工具において、
前記クロム含有膜と酸化アルミニウム膜の間に、チタン
含有膜が挿入されていることを特徴とするクロム含有膜
被覆工具。 - 【請求項4】請求項1乃至3記載の被覆工具において、
刃先部近傍の表面粗さRaが0.12μm以下であるこ
とを特徴とするクロム含有膜被覆工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002076632A JP2003266212A (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | クロム含有膜被覆工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002076632A JP2003266212A (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | クロム含有膜被覆工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003266212A true JP2003266212A (ja) | 2003-09-24 |
Family
ID=29205338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002076632A Pending JP2003266212A (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | クロム含有膜被覆工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003266212A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006231512A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Sandvik Intellectual Property Ab | 被覆切削工具インサート |
JP2006265679A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Nagaoka Univ Of Technology | 高硬度材料 |
CN1304636C (zh) * | 2004-09-29 | 2007-03-14 | 南京工业大学 | 化学镀镍磷合金镀液及其镀覆工艺 |
JP2007111813A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Mitsubishi Materials Corp | 硬質被覆層が高速切削加工ですぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆サーメット製切削スローアウエイチップ |
JP2007118154A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Mitsubishi Materials Corp | 硬質被覆層が高速切削加工ですぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆サーメット製切削スローアウエイチップ |
JP2008207219A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | Toyo Advanced Technologies Co Ltd | プレス用金型 |
WO2017217012A1 (ja) * | 2016-06-14 | 2017-12-21 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 表面被覆切削工具 |
EP3711883A4 (en) * | 2017-11-16 | 2021-08-25 | MOLDINO Tool Engineering, Ltd. | COATED CUTTING TOOL, MANUFACTURING PROCESS AND DEVICE FOR CHEMICAL GAS PHASE SEPARATION FOR IT |
-
2002
- 2002-03-19 JP JP2002076632A patent/JP2003266212A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1304636C (zh) * | 2004-09-29 | 2007-03-14 | 南京工业大学 | 化学镀镍磷合金镀液及其镀覆工艺 |
JP4624940B2 (ja) * | 2005-02-25 | 2011-02-02 | サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ | 切削工具インサートを製造する方法 |
JP2006231512A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Sandvik Intellectual Property Ab | 被覆切削工具インサート |
JP2006265679A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Nagaoka Univ Of Technology | 高硬度材料 |
JP4701386B2 (ja) * | 2005-03-25 | 2011-06-15 | 国立大学法人長岡技術科学大学 | 高硬度材料 |
JP2007111813A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Mitsubishi Materials Corp | 硬質被覆層が高速切削加工ですぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆サーメット製切削スローアウエイチップ |
JP2007118154A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Mitsubishi Materials Corp | 硬質被覆層が高速切削加工ですぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆サーメット製切削スローアウエイチップ |
JP2008207219A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | Toyo Advanced Technologies Co Ltd | プレス用金型 |
WO2017217012A1 (ja) * | 2016-06-14 | 2017-12-21 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 表面被覆切削工具 |
JP2017221992A (ja) * | 2016-06-14 | 2017-12-21 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 表面被覆切削工具 |
CN109311099A (zh) * | 2016-06-14 | 2019-02-05 | 住友电工硬质合金株式会社 | 表面被覆切削工具 |
US20190232380A1 (en) * | 2016-06-14 | 2019-08-01 | Sumitomo Electric Hardmetal Corp. | Surface-coated cutting tool |
US10987738B2 (en) | 2016-06-14 | 2021-04-27 | Sumitomo Electric Hardmetal Corp. | Surface-coated cutting tool |
EP3711883A4 (en) * | 2017-11-16 | 2021-08-25 | MOLDINO Tool Engineering, Ltd. | COATED CUTTING TOOL, MANUFACTURING PROCESS AND DEVICE FOR CHEMICAL GAS PHASE SEPARATION FOR IT |
US11541461B2 (en) | 2017-11-16 | 2023-01-03 | Moldino Tool Engineering, Ltd. | Coated cutting tool, and method and system for manufacturing the same by chemical vapor deposition |
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