JP4022042B2 - 被覆工具及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削工具、耐摩工具等として用いる被覆工具に関し、より詳しくは、チタンジルコニウム膜を少なくとも一層以上被覆してなる単層又は多層の被覆工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
超硬合金、高速度鋼、あるいは特殊鋼などからなる工具基体の表面に、単層又は多層の硬質皮膜を施した被覆工具は、皮膜の耐摩耗性と基体の強靭性とを兼ね備えているため、広く実用に供されている。特に、高速で切削する場合や切削液を用いずに旋削加工する場合には、切削工具の刃先の温度が1000℃前後にまで達するため、高温環境下における被削材との接触による摩耗や断続切削等の機械的衝撃に耐える必要があり、耐摩耗性と靭性の両特性に優れた被覆工具が使われている。
【0003】
一般に、被覆工具の硬質皮膜としては、耐摩耗性及び靭性に優れることが要求されるため、周期律表4、5、6族金属の炭化物、窒化物、又は炭窒化物からなる膜が用いられており、また耐酸化性に優れる酸化アルミニウム膜も用いられている。これら硬質皮膜は、良く知られているように、CVD法あるいはPVD法により成膜される。PVD法は、多数の元素を含有する膜を比較的容易に成膜できるという特長を有するが、CVD法により成膜した皮膜に比べて、基体と膜の間、及び皮膜相互間の密着性が劣るという欠点がある。これに対して、CVD法は、化学反応を用いて成膜するために多数の元素を含有する膜を成膜することが困難であるという欠点はあるが、600〜1050℃の高温で成膜するために、膜の密着性が高いこと、高い温度で使用しても膜特性の劣化が少ないこと、などの特長がある。
【0004】
このため、切削加工時に刃先が比較的高い温度まで昇温する旋削工具等の皮膜としては、CVD法で成膜されたTiC、TiN、TiCN、Al2O3膜などが実用化されているのにすぎない。これら実用化されている皮膜のうち、TiC、TiN、TiCN膜は、常温で測定したビッカース硬度Hvが約3200、2100、2700と非常に硬く、耐摩耗性に優れているため、旋削用工具に多用されている。しかし、これらの膜の硬度は、より高い温度になると急激に低下する。このため、刃先の温度が1000℃前後に達するような乾式切削等に用いる工具に適用した場合には、耐摩耗性が急激に低下するという問題がある。
【0005】
近年、これらTiC、TiN、TiCN膜の特性を改善するために、(Ti、Al)N、(Ti、Zr)N、(Ti、Zr)C等、二種類以上の金属成分を含有した膜が検討されている。なお、これら膜のうち、(Ti、Al)N膜は既に実用化されている。しかしながら、公知技術におけるこれらの膜は、いずれもスパッタ法やイオンプレーティング法等のPVD法、又はプラズマCVD法により成膜されたものであり、成膜温度が低いために、膜の密着性に問題がある。また、膜の硬度が低く、耐摩耗性にも問題がある。
【0006】
成膜温度が低いと、生成した膜が圧縮残留応力を有するために、膜の密着性が低くなる。このため、熱CVD法で成膜することにより、引張残留応力を有するZr含有膜を得ることが、特開平1−252305号公報、特開平5−177412号公報、特開平5−177413号公報等に開示され提案されている。しかし、これら公報に開示された発明における膜は、ZrC膜、ZrN膜、ZrCN膜、ZrCO膜、ZrCNO膜であり、いずれも金属成分がZrのみからなるCVD膜である。ZrC膜等のように金属元素がZr単独からなる膜の硬度は、室温における膜硬度が低い。このため、湿式切削又は低速切削などのように、刃先温度が比較的低い温度で使用されるような場合においては、耐摩耗性が劣る欠点がある。
【0007】
また、複数の金属成分、例えばTiとZrの両者を含有する膜として、特開平3−267361号公報により、プラズマCVD法により成膜した(Ti、Zr)N膜が開示されている。しかし、公知のプラズマCVD法を用いた成膜方法では、膜中に塩素が残留し、膜の硬度が低くなって、工具としての耐摩耗性が劣るという欠点がある。また、この公報記載の発明においては、基板にアルミナ板を用いており、基板自体の靭性が低いために、工具として使用した時に欠落を生じ易く、切削耐久特性に問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記従来技術における被覆工具の欠点を解決するために、鋭意研究した結果、金属成分としてチタン及びジルコニウムを含有する硬質膜、例えば(Ti、Zr)CN膜等において、特定の条件を満たした場合には、高温においても膜硬度が急激に低下せず、膜の密着性と耐摩耗性に優れた膜を実現できることを見いだし、先に特願平11−182622号及び特願平11−355004号として出願し、当該技術を開示した。
【0009】
なお、被覆工具において旧来より用いられている炭窒化チタン膜、炭窒化チタン膜等の耐摩耗性を改善するために、炭窒化チタンジルコニウム等の膜を工具基体上に被覆する方法が最近提案されている(特表平11−510856号)。この方法は、少なくとも2種の金属元素を含む炭窒化物膜を、CN化合物ガスを用いてCVD法で被覆する方法であるが、本発明者等が当該公報記載の技術に従い再現検討した結果では、得られた炭窒化チタンジルコニウム膜は結晶粒径が大きく、工具としての耐摩耗性や耐チッピング性が必ずしも満足できるものではなかった。
【0010】
本発明は、上記本願発明者らが先に提案した発明、すなわち、金属成分としてチタン及びジルコニウムを含有する硬質膜に係る発明を更に発展させ、結晶がより一層緻密であり、結晶の配向性が高く、結晶粒径が小さいチタンジルコニウム系含有膜を実現し、耐摩耗性、耐チッピング性、高温硬度等に優れ、工具寿命の永い被覆工具を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、金属成分としてチタン及びジルコニウムを含有し、かつ、炭素及び窒素並びに酸素を含むチタンジルコニウム膜を工具基体上に形成することにより、結晶粒径が小さく、耐摩耗性や耐チッピング性に優れる被覆層が得られ、優れた工具寿命を持つ工具を実現できることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明による被覆工具は、工具基体表面に、炭窒酸化チタンジルコニウム膜を少なくとも一層以上有する被覆工具において、該炭窒酸化チタンジルコニウム膜は、ジルコニウム含有量が0.3〜50質量%、酸素含有量が0.3〜10質量%、X線回折における最強ピークの面指数が(422)又は(311)、該炭窒酸化チタンジルコニウム膜の下層がチタンの炭窒化物膜又はチタンの炭窒酸化物膜であり、該炭窒酸化チタンジルコニウム膜は、膜厚方向に細長い柱状の結晶粒とし、該柱状の平均結晶粒径と膜厚との比を、0.045〜0.1としたことを特徴とする被覆工具である。
【0012】
本発明において、工具基体としては、超硬合金や高速度鋼あるいは特殊鋼等からなる既知の基体を用いることができる。本発明による被覆工具は、工具基体上に被覆する硬質皮膜のうちの少なくとも一層を、炭素及び窒素ならびに酸素を含有する炭窒酸化チタンジルコニウム膜とすることにより、耐摩耗性や耐チッピング性に優れ、優れた工具寿命を持つ被覆工具を実現できるのである。その理由は必ずしも明確ではないが、チタンを含有することにより耐摩耗性に優れ、ジルコニウムを含有することにより耐熱特性と高温硬度を改善し、炭素を含有することにより耐摩耗性が優れ、窒素を含有することにより耐チッピング性が優れ、更に酸素を含有することによって結晶粒径をより一層小さくして、耐摩耗性や耐チッピング性を向上するものと考えられる。
【0013】
本発明において、炭窒酸化チタンジルコニウム膜中のジルコニウム含有量は、0.3〜50質量%含有されていることが好ましい。膜中にジルコニウムが0.3〜50質量%含有されていることにより、ジルコニウム含有による効果、すなわち、良好な耐熱特性や高温高強度が得られる。0.3質量%未満ではジルコニウム含有の効果が小さく、50質量%を越えるとTiC膜やTiCN膜に比べて常温での膜硬度が低下し、結果的に切削耐久特性が低下する傾向が現れる。また、ジルコニウムが1〜40質量%含有されている場合には、更に良好な耐熱特性や高温高強度が得られるので、より好ましいジルコニウム含有量は1〜40質量%である。更にまた、ジルコニウムが5〜30質量%含有されている場合には、ジルコニウム含有膜の最も良好な耐熱特性や高温高強度の特徴が現れ、最も良好な切削耐久特性が得られるので、ジルコニウムの含有量を5〜30質量%の範囲とするのが最も好ましい。ジルコニウムの含有量は、後述する製造方法において、原料ガス中のジルコニウム供給ガス(例えば、ZrCl4など)の濃度を適宜調整し、膜中のジルコニウム量を最適化すること等により調整することができる。
【0014】
本発明において、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の酸素含有量は、10質量%以下であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより望ましい。膜中に、酸素が0.05〜10質量%含有されている場合には、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の面指数が(422)又は(311)であるX線回折ピークの強度が高まり、膜の柱状晶形態が強くなるとともに膜表面の平均結晶粒径が小さくなり、より優れた切削耐久特性が得られる。酸素の含有量が0.05質量%未満では酸素含有の効果が比較的小さい。一方、10質量%を越えると常温での膜硬度が低下し、結果的に切削耐久特性が低下する傾向があらわれる。また、酸素が0.3〜5質量%含有されている場合は、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の上記特長が更に強くあらわれる。更にまた、酸素が0.3〜3質量%含有されている場合には、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の上記の特長が最も顕著にあらわれ、最も良好な切削耐久特性が得られる。したがって、より好ましい酸素含有量は0.3〜5質量%であり、最も好ましい酸素含有量は0.3〜3質量%の範囲である。炭窒酸化チタンジルコニウム膜中の酸素量は、後述する製造方法等において、原料ガス中のCO、CO2などの酸素供給ガスの濃度を最適化することにより調整することができる。
【0015】
なお、本発明による炭窒酸化チタンジルコニウム膜の組成は、後述するように、膜断面を研磨し、研磨面をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)で分析することにより知ることができる。
【0016】
本発明における炭窒酸化チタンジルコニウム膜は、そのX線回折強度が最強であるピークの面指数が(422)又は(311)であることが好ましい。X線回折強度が最強であるピークの面指数が(422)又は(311)である場合に、特に、炭窒酸化チタンジルコニウム膜が高い結晶性と粒界強度を持つとともに、耐摩耗性と靱性とが更に優れた良好な切削耐久特性が得られる。
【0017】
また、本発明における前記炭窒酸化チタンジルコニウム膜は、その膜厚方向に細長い柱状の結晶粒から構成されていることが好ましい。炭窒酸化チタンジルコニウム膜が膜厚方向に細長い柱状の結晶粒から構成されていることにより、被覆する膜厚を増加させても膜表面の結晶粒幅が粗大化せず、局所的な突起が形成されず、更に優れた切削耐久特性が得られる。
【0018】
本発明において、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の下層は、チタンの炭窒化物膜又はチタンの炭窒酸化物膜であることが好ましい。下層がチタンの炭窒化物膜又はチタンの炭窒酸化物膜であることにより、その上に成膜される炭窒酸化チタンジルコニウム膜のX線回折強度が最強であるピークの面指数が(422)又は(311)になり易く、炭窒酸化チタンジルコニウム膜が高い結晶性と粒界強度を持ち、耐摩耗性と靱性に優れた良好な切削耐久特性が得られる。
【0019】
本発明の被覆工具において、炭窒酸化チタンジルコニウム膜は(Ti、Zr)(C、N、O)に限るものではない。これらの成分に、例えばCr、Ta、Nb、Hf、Mg、Y、Si、Bなどを単独で若しくは複数組み合わせて、0.3〜10質量%添加した膜でも良い。なお、0.3質量%未満ではこれら元素を添加する効果が現れず、10質量%を超えると炭窒酸化チタンジルコニウム膜の高温高硬度の効果が低くなる欠点が現れる。また、上記膜には本発明の効果を消失しない範囲で、例えば数質量%程度以下の範囲で、不可避の不純物等を含むことが許容される。
【0020】
本発明の被覆工具において、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の上に、更に酸化アルミニウム膜や酸化ジルコニウム膜等を適宜被覆して多層膜としても良い。酸化アルミニウム膜としては、κ型酸化アルミニウム単相又はα型酸化アルミニウム単相あるいはこれらの混合膜が用いられる。また、κ型酸化アルミニウム及び/又はα型酸化アルミニウムと、γ型酸化アルミニウム、θ型酸化アルミニウム、δ型酸化アルミニウム、χ型酸化アルミニウムのうちの少なくとも一種以上とからなる混合膜であってもよい。更には、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウム等に代表される他の酸化物との混合膜でもよい。
【0021】
本発明に係る被覆工具は、原料ガスとして少なくとも有機CN化合物ガス、ジルコニウムのハロゲン化ガス及び酸化炭素ガスを用い、750〜1000℃の温度で、熱CVD法により炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜することが好ましい。上記方法により成膜することにより、X線回折強度は(422)ピーク又は(311)ピークが高く、結晶粒径が小さく、緻密で膜間の密着性が優れた炭窒酸化チタンジルコニウム膜が得られ、優れた切削耐久特性が得られる。
【0022】
有機CN化合物ガスとしては、CH3CN、(CH3)3N、CH3(NH)2CH3等を用いることができる。これらのなかで、CH3CNガスは工業的に量産されており、より安価にかつ安定して入手することが出来る利点がある。また、有機CNガスとしてCH3CNガスを用いることにより、(422)面指数又は(311)面指数のピークのX線回折強度が更に高くなり、膜の柱状晶形態が更に強くなるとともに膜表面の平均結晶粒径が更に小さくなり、より優れた切削耐久特性が得られる。
【0023】
ジルコニウムのガス源としては、ZrCl4、ZrCl3、ZrCl2等の塩化ジルコニウムや、他のハロゲン化ジルコニウムなどを用いることができる。これらのうち、塩化ジルコニウムは、他のハロゲン化ジルコニウムやZr(t−OC4H9)4等の有機金属ガスを用いた場合よりも、安価かつ工業的に安定してジルコニウムが供給できるので好ましい。
【0024】
酸化炭素ガスとしては、C3O2、C5O2など公知のガスも使用可能であるが、COガス又はCO2ガスあるいはこれらの混合ガスを用いることが好ましい。これらのガスを用いることにより、C3O2、C5O2など、他の酸化炭素ガスを用いた場合よりも、安価かつ工業的に安定して酸素が供給出来できる利点がある。また、CO及びCO2の比率を変えることにより炭素と酸素の比率を制御することができ、結晶配向性の高い微細な柱状組織の優れた工具寿命を得るための、最適な条件を設定することができる利点がある。
【0025】
本発明において、炭窒酸化チタンジルコニウム膜は、750〜1000℃の温度で成膜することが好ましい。この温度範囲で成膜することにより、(422)又は(311)ピークのX線回折強度が強くなり、優れた工具寿命が得られる。750℃未満の温度で熱CVD法により成膜すると、成膜速度が極端に低下するため経済的な観点から好ましくない。一方、1000℃を越えて成膜すると炭窒酸化チタンジルコニウム膜の結晶粒径が大きくなり、膜の靱性や耐摩耗性が低下する欠点が現れる。また、800〜950℃で熱CVD法により成膜することにより、(422)又は(311)ピークのX線回折強度が更に強くなり、更に優れた切削耐久特性が得られるので、特に好ましい温度域は800〜950℃である。
【0026】
被覆工具における被覆は引張残留応力を有することが好ましいとされ、引張残留応力を有しない膜においては、膜の緻密性が低く、基体や下地膜との密着性が劣ることが知られている。
一般に、超硬合金製工具基体上にCVD法により高温で成膜すると、超硬合金とチタンジルコニウム膜との熱膨張率の違いから、チタンジルコニウム膜中に引張残留応力が現れ、皮膜と工具基体間に高い密着性が得られる。しかし、何らかの要因で、引張残留応力を有しない膜が成膜されたときは、基体や下地膜との密着性が劣る欠点が現れる。
【0027】
本願発明者らは、本発明における炭窒酸化チタンジルコニウム膜における残留応力の挙動を詳細に検討した結果、製造方法によっては膜中に塩素を含有させることができ、含有された塩素の量が膜の特性に大きく影響することを見出した。例えば、本発明において、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の原料ガスとしてZrCl4を用いた場合には、炭窒酸化チタンジルコニウム膜中に塩素を含ませられるが、その量は0.01〜2質量%とすることが好ましく、より好ましくは塩素量を0.01〜1質量%とするのが良い。塩素量が2質量%以下である場合には、炭窒酸化チタンジルコニウム膜が引張残留応力を有し、膜の緻密性がより一層高まるとともに、基体又は下地膜との間に優れた密着性を得ることができる。また、膜中の塩素量が1質量%以下の場合には、更に膜の硬度が高くなり、更に優れた切削耐久特性を持つ被覆工具が得られる。しかし、塩素量が0.01質量%未満になると、柱状組織が得られにくくなり工具寿命が低下する欠点が現れる。また、塩素量が2質量%を越えると膜硬度が低下し、耐摩耗性が悪くなり、工具寿命が低下する欠点が現れる。膜中の塩素量は、例えば、成膜温度を750℃以上に上げることで膜中の塩素量を下げることができるなど、使用する原料ガスと成膜温度を適切に選択することにより調節することが可能である。
【0028】
本発明の被覆工具において、炭窒酸化チタンジルコニウム膜は熱CVD法で成膜されることが好ましいが、プラズマCVD法あるいはアークイオンプレーティング法等のPVD法によって成膜することも可能である。ただし、プラズマCVD法で成膜すると膜中の塩素量が2質量%を越え易く、膜硬度と耐摩耗性が低下して工具寿命が短くなり易い。また、PVD法で成膜すると膜の残留応力が圧縮応力になり、膜の下地に対する密着性が低下し膜剥がれを起こしやすくなり工具寿命が低下する欠点が現れ易い。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の被覆工具を実施例等によって具体的に説明するが、これら実施例等により本発明が限定されるものではない。また、以下の実施例における平均結晶粒径は、図1に示す通り、被覆工具の皮膜表面を走査型電子顕微鏡、倍率5000倍で観察し、写真表面の横方向に直線3本を、対角線方向に直線2本の計5本を引き、下記数式1により求めた値である。
【0030】
【数式1】
【0031】
本発明における上記X線回折強度の測定方法を以下に詳述する。なお、説明の便宜上、炭窒酸化チタンジルコニウムの場合についての測定方法を記すが、他のチタンジルコニウム膜についても、測定する膜組成に近いJCPDSファイル(Powder Diffraction File Published by JCPDS International Center for Diffraction Data)を用いて、同様の方法で測定することができる。炭窒酸化チタンジルコニウムのX線回折はJCPDSファイルに記載がない。このために、TiCとTiNのX線回折データ(JCPDSファイルNo.29−1361とNo.38−1420)及び本発明品を実測して得たX線回折パターンから求めた表1に示す面指数と2θ値を基準にして同定した。
【0032】
【表1】
【0033】
ここでX線回折パターンはX線源にCuKα1線(λ=0.15405nm)を用い、試料の工具表面平坦部の皮膜部分を測定面として、2θ−θ走査法により2θ=10〜145°の範囲で測定する。バックグランドは装置に内蔵されたソフトにより除去した。また、炭窒酸化チタンジルコニウムの格子定数が0.42〜0.44の範囲で変動するため、表1の2θ値を基準にして測定したX線回折ピークに現れているTiC、TiN、WCのピーク(JCPDSファイルNo.25−1047)、α型酸化アルミニウム(同ファイル番号10−173)、κ型酸化アルミニウム(同番号4−0878)等のピークとの位置関係も考慮して炭窒酸化チタンジルコニウムのX線回折ピークを決定した。
【0034】
また、本発明において、膜の残留応力σは、X線応力測定法による並傾法を用いて、次に示す応力計算式により求めている。
【0035】
【数式2】
【0036】
ここで、Eは弾性定数、νはポアソン比、θ0は無歪みの格子面からの標準ブラッグ回折角、Ψは回折格子面法線と試料面法線との傾き、θは測定試料の角度がΨの時のブラッグ回折角である。数式1より、膜応力の符号(±)の決定には2θ−sin2Ψ線図の勾配のみが必要とされ、弾性定数Eやポアソン比ν、cotθ0(常に+)の正確な値は必要としないことがわかる。以下の実施例において、残留応力が引張応力の場合には+記号で、圧縮応力の場合には−記号で表してある。
【0037】
(実施例1)
WC:72質量%、TiC:8質量%、(Ta、Nb)C:11質量%、Co:9質量%の組成よりなるスローアウェイチップの切削工具用超硬合金基体を熱CVD炉内にセットし、H2キャリヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに用い0.3μm厚さのTiN膜を900℃で形成した。次いで、TiCl4ガスを0.5〜2.5vol%、CH3CNガスを0.5〜2.5vol%、COガスとCO2ガスの混合ガスを0.5〜2.5vol%、N2ガスを25〜45vol%、残H2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分5500mlだけCVD炉内に流し、圧力6.6kPa、成膜温度850℃の条件で、1μm厚さのTiCNO膜を成膜した。
【0038】
更に続いて、TiCl4ガス0.3〜2.5vol%、ZrCl4ガス0.3〜2.5vol%、CH3CNガス0.6〜5vol%、COガスを0.5〜2.5vol%、N2ガス25〜45vol%、残H2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分5500mlだけCVD炉内に流し、成膜圧力2.7k〜13.3kPa、成膜温度750〜1000℃の範囲で変化させた条件で反応させることにより厚さ10μmのTiとZr、C、N、Oからなる様々な炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜した。このとき、ZrCl4ガス量を高めTiCl4やCH3CNガス量を下げてZr含有量を増加させる等の調整を行い、炭窒酸化チタンジルコニウム膜中のZr含有量が異なる試料を作成した。
【0039】
作製した炭窒酸化チタンジルコニウム膜の組成は、エネルギー分散形X線分析装置(EDX)を用い測定した。測定は膜表面の組成を分析しており、EDXの測定深さが約2μmであるのに対して炭窒酸化チタンジルコニウム膜の膜厚が10μmと厚いため、炭窒酸化チタンジルコニウム膜のみの組成が分析されていると判断した。分析した比較例1、本発明例2〜11の炭窒酸化チタンジルコニウム膜のTi含有量、Zr含有量、酸素含有量、Cl含有量、平均結晶粒径及びX線強度最強面、残留応力等を表2に纏めて示す。なお、比較のために、Zrを含有しないものも同様な方法で作製し、その組成等を比較例1として表2に示す。
【0040】
上記のようにして製作した被覆工具を用いて、以下の条件で連続切削を行い、切削時間5分毎に工具の摩耗状態を調べて、膜の寿命を評価した。
被削材FC250(HB230)
切削速度300m/分
送り0.3mm/rev
切り込み1.0mm
水溶性切削油使用
ここで、平均逃げ面摩耗量が0.4mm、クレーター摩耗が0.1mmのどちらかに達した時間を連続切削寿命と判断し、これを表2に併記した。
【0041】
【表2】
【0042】
表2より、本発明例2〜11は、いずれも連続切削寿命が35分以上と長く、被覆工具として優れていることがわかる。本発明例3〜11の炭窒酸化チタンジルコニウム膜中のZr含有量が0.3〜50質量%は、連続切削寿命が40分以上と長く、より優れた工具特性が得られている。本発明例4〜11のZr含有量が1〜40質量%は連続切削寿命が45分以上と更に長くなり、本発明例5〜9の5〜30質量%は55分以上と最も長くなっており、最も優れた工具特性が得られることがわかる。
【0043】
(実施例2)
実施例1、本発明例6の組成を基準として、酸素量を変化させて炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜した以外は、実施例1と同じ方法で被覆工具を作製した。膜中の酸素含有量は、酸化炭素ガス量を調節することで変化させた。得られた膜の組成及び工具寿命の評価結果等を表3に纏めて示す。比較例13は、酸素を含有しない皮膜、すなわち炭窒化チタンジルコニウム膜を有するものである。
【0044】
【表3】
【0045】
表3より、比較例13、酸素を含有しない炭窒化チタンジルコニウム膜のものに比べて、本発明例14〜21の酸素を含有する本発明に係る炭窒酸化チタンジルコニウム膜のものは工具寿命が改善されていることが判る。しかし、比較例22は、膜中の酸素含有量が多くなると、平均結晶粒径が大きくなり、連続切削寿命も低下する。したがって、酸素の含有量は10質量%以下であることが好ましい。また、本発明例14〜21の酸素の含有量が0.3〜5質量%の時は、連続切削寿命が45分以上と長くなり、本発明例15〜17の酸素含有量が0.3〜3質量%の時には、連続切削寿命が50分以上と最も長くなり、切削耐久特性が最も優れている。すなわち、本発明被覆工具においては、炭窒酸化チタンジルコニウム膜に酸素を含有させることが必須であるが、その含有量は10%質量以下であることが好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%とする。なお、最も優れた特性を得るためには、炭窒酸化チタンジルコニウム膜中の酸素を0.3〜3質量%の範囲にするのが望ましい。
【0046】
(実施例3)
実施例1及び2において、最も特性が良いと思われる本発明例6の組成を基準として、塩素量を変化させて炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜した以外は、実施例1と同じ方法で被覆工具を作製した。得られた膜の組成及び工具寿命の評価結果等を表4に纏めて示す。また、本実施例においては、成膜温度を選択することで膜中の塩素含有量を変化させた。
【0047】
【表4】
【0048】
表4からわかるように、成膜温度を上げるにしたがい炭窒酸化チタンジルコニウム膜中のCl含有量は減少する。表4において、本発明例23の塩素を3.5質量%も含有しているものは、本発明例24〜27に比べて、連続切削寿命が短い。このことから、本発明の被覆工具においては、炭窒酸化チタンジルコニウム膜中のCl含有量はあまり多くない方が良く、炭窒酸化チタンジルコニウム膜中のCl含有量は、多くても3.5質量%以下とすることが好ましく、望ましくは2%以下であると考えられる。特に好ましくは、1%以下の塩素を含む炭窒酸化チタンジルコニウム膜であり、このような膜を有する被覆工具は優れた連続切削寿命を有するので、この範囲に制御することが望ましい。
【0049】
(実施例4)
実施例3、本発明例27は、他のものと比べて、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の平均結晶粒径/膜厚比及びX線強度が最強のピーク面指数の違いが大きい。そこで、成膜温度、使用ガス濃度等を調整して、平均結晶粒径及びX線強度最強のピーク面指数の異なる炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜して、被覆工具を作製した。表5に、平均結晶粒径/膜厚比に着目し整理した試料の組成及び連続切削寿命等を示す。
【0050】
【表5】
【0051】
図2は、表5に示す本発明例27の炭窒酸化チタンジルコニウム系皮膜部の破断面を走査電子顕微鏡により撮影したものである。図2より、本発明例の炭窒酸化チタンジルコニウム膜が膜厚方向に細長い柱状の結晶粒から構成されていることがわかる。また、表5及び表4より、成膜温度を下げるにつれて平均結晶粒径/膜厚比が小さくなり、より微細な柱状組織を示すことがわかる。また、回折ピークの最強度面は、成膜温度が高くなると(311)あるいは(422)面から他の面に変わることがわかる。
【0052】
(実施例5)
図3は本発明例6の工具表面平坦部における皮膜部分のX線回折パターンである。図3のX線回折パターンから求めた本発明例の炭窒酸化チタンジルコニウム膜の各ピークの2θ値とX線回折強度及び各2θ値から求めた格子定数を表6に纏めて示す。
【0053】
【表6】
【0054】
表6より、本発明品の炭窒酸化チタンジルコニウム膜はX線回折ピークの2θ値が表1と良く一致しており、格子定数は0.42〜0.44の範囲にあることがわかる。また、本試料は熱CVD法で成膜され引張残留応力を有していることを考えると、他の試料においても格子定数が0.42〜0.44の範囲にある時はこの試料もまた引っ張り残留を有していると推測できる。なお、(111)面指数の回折ピーク位置は2θが低角度のため測定誤差が大きく、(400)面指数のピークは回折ピーク強度が弱く読み取りが困難であり、(511)面指数のピークは回折ピーク強度が低く、ピーク幅も広いため、2θ値の読み取りが困難である。このため、上記の格子定数の計算では、(111)面、(400)面、(511)面指数のピークの値を用いずに計算した。また、表6より本発明の炭窒酸化チタンジルコニウムは(422)面指数のピーク強度が最も強く、次が(311)面指数のピーク強度、その次に(111)面指数のピーク強度が強いことがわかる。
【0055】
(実施例6)
本発明において、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の下層が違うことによる工具寿命への影響等を明らかにするため、比較例30として、切削工具用超硬合金基板と厚さ0.3μmの窒化チタン膜を成膜し、その上に厚さ11μmの炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜した。本発明例31として、切削工具用超硬合金基板と厚さ0.3μmの窒化チタン膜を成膜した後、厚さ1μmの炭窒化チタン膜を形成し、その上に厚さ10μmの炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜した。なお、本実施例における製造方法は、下層の成膜工程以外は実施例1と同じである。比較例30及び本発明例31の炭窒酸化チタンジルコニウム膜の酸素含有量、Zr含有量、Cl含有量、Ti含有量の分析結果と平均結晶粒径及びX線強度最強面、残留応力の符号及び後述の連続切削寿命を表7に纏めて示す。
【0056】
【表7】
【0057】
表7より、比較例30の炭窒酸化チタンジルコニウム膜は(220)面指数のピークが強く、本発明例6及び31のものと比較して、工具寿命が短くなっている。したがって、本発明においては、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の下層を、炭窒化チタンあるいは炭窒酸化チタンとすることが好ましく、炭窒酸化チタンとするのがより望ましい。
【0058】
(実施例7)
炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜するときの原料ガスとして有機CN化合物ガスを用いていないこと以外は実施例1と同様な条件で、比較例32〜35として、切削工具用超硬合金基板上に厚さ0.3μmの窒化チタン膜を成膜し、その上に厚さ1μmの炭窒酸化チタン膜を成膜した後、TiCl4ガス1.5vol%、ZrCl4ガス1.0vol%、CH4ガス2.5vol%、COガスとCO2ガスの混合ガスを1.5vol%、N2ガス35vol%、残りH2キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分5500mlだけCVD炉内に流し、成膜温度1010〜1100℃で変化させた条件で反応させることにより、厚さ10μmの炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜した。比較例32〜35の炭窒酸化チタンジルコニウム膜の酸素含有量、Zr含有量、Cl含有量、Ti含有量、平均結晶粒径、X線強度最強面、残留応力の符号及び連続切削寿命を表8に纏めて示す。
【0059】
【表8】
【0060】
表8から、比較例32〜35のものは、工具寿命が40分以上であり良好な工具特性を有していることがわかる。しかし、本実施例による炭窒酸化チタンジルコニウム膜は、(220)、(111)面指数のピークが強く、比較例32の炭窒酸化チタンジルコニウム膜は平均結晶粒径/膜厚比が0.1を越えており、また、比較例33〜35の炭窒酸化チタンジルコニウム膜は平均結晶粒径/膜厚比が0.3を越えていることから、これら試料のものは、比較対象の本発明例6のものに比べて結晶粒が粗大化して、工具寿命が短くなっていることがわかる。
【0061】
本発明例6のように使用原料ガスが有機CN化合物ガスであるものは、1000℃以下で成膜されるが、本実施例のものは使用ガスの関係から、成膜温度が1000℃を越える温度で成膜されたため、ピーク面指数が(111)から(220)へと変化するとともに結晶粒が粗大化したものと考えられる。したがって、本発明において、炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜するときの原料ガスには、有機CN化合物ガスを用いることが好ましい。
【0062】
以上詳述した実施例において、炭素及び窒素の含有量については表中に記載していないが、これら元素の含有量は、いずれの本発明例のものも、炭素が約5〜8質量%、窒素が約6〜19質量%の範囲内にあった。
【0063】
なお、本発明による皮膜は、切削工具用途に限るものではなく、炭窒酸化チタンジルコニウム膜を含む単層あるいは複層や多層の硬質皮膜を被覆した耐摩耗材や金型、溶湯部品等にも適用できる。
【0064】
また、本発明の被覆工具において、酸化アルミニウム膜、酸化ジルコニウム膜、又は酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムからなる複合膜の上に、例えば、更にその上に少なくとも一膜のチタン化合物(例えばTiN膜やTiCN膜及びその多層膜等)やジルコニウム化合物(例えばZrN膜やZrCN膜及びその多層膜等)を被覆してもよい。
【0065】
【発明の効果】
上述したように、チタン、ジルコニウム、炭素、窒素、及び酸素を含有する炭窒酸化チタンジルコニウム膜を少なくとも一層以上有するように皮膜を構成する本発明によれば、結晶が緻密で結晶配向性が高く結晶粒径が小さな皮膜を成膜することができ、高温においても膜硬度が急激に低下せず、膜の密着性に優れ、耐摩耗性や耐チッピング性及び切削耐久特性が優れた被覆工具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、平均結晶粒径を求める測定方法を示す。
【図2】図2は、本発明例27の破断面の組織を示す。
【図3】図3は、本発明例6の工具表面平坦部における皮膜部分のX線回折パターンを示す。
Claims (4)
- 工具基体表面に、炭窒酸化チタンジルコニウム膜を少なくとも一層以上有する被覆工具において、該炭窒酸化チタンジルコニウム膜は、ジルコニウム含有量が0.3〜50質量%、酸素含有量が0.3〜10質量%、X線回折における最強ピークの面指数が(422)又は(311)、該炭窒酸化チタンジルコニウム膜の下層がチタンの炭窒化物膜又はチタンの炭窒酸化物膜であり、該炭窒酸化チタンジルコニウム膜は、膜厚方向に細長い柱状の結晶粒とし、該柱状の平均結晶粒径と膜厚との比を、0.045〜0.1としたことを特徴とする被覆工具。
- 請求項1記載の被覆工具において、該炭窒酸化チタンジルコニウム膜中の塩素の含有量が0.01〜2質量%であることを特徴とする被覆工具。
- 請求項1又は2記載の被覆工具において、該炭窒酸化チタンジルコニウム膜が引張残留応力を有することを特徴とする被覆工具。
- 請求項1乃至3いずれかに記載の被覆工具の製造方法において、該炭窒酸化チタンジルコニウム膜は、原料ガスとして少なくとも有機CN化合物ガス、ジルコニウムのハロゲン化ガス、酸化炭素ガスを用い、750〜1000℃の温度で、熱CVD法により炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜することを特徴とする被覆工具の製造方法。
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