JPH11251687A - 半導体の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
半導体の製造方法及び半導体装置Info
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- JPH11251687A JPH11251687A JP5463498A JP5463498A JPH11251687A JP H11251687 A JPH11251687 A JP H11251687A JP 5463498 A JP5463498 A JP 5463498A JP 5463498 A JP5463498 A JP 5463498A JP H11251687 A JPH11251687 A JP H11251687A
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Abstract
ロファイルを持つp−n接合を形成できるようにする。 【解決手段】 サファイアよりなる基板10の上には、
n型GaNよりなるn型コンタクト層12、n型Al
0.1 Ga0.9 Nよりなるn型クラッド層13、GaNよ
りなる第1の光ガイド層14、In0.20Ga0.80Nより
なる量子井戸活性層15及びGaNよりなる第2の光ガ
イド層16が順次形成されている。第2の光ガイド層1
6の上面には膜厚が20nmでp型ドーパントであるM
gとn型ドーパントであるSiとがコドープされたAl
0.1 Ga0.9 Nよりなる拡散抑制層17が形成され、該
拡散抑制層17の上面にはp型Al0.1 Ga0.9 Nより
なるp型クラッド層18が形成されている。
Description
用いるGaN系III −V族化合物半導体の製造方法及び
この化合物半導体を用いた半導体装置に関する。
用の光源として青紫色光を放射する窒化ガリウム(Ga
N)系のIII −V族化合物半導体を用いた半導体発光装
置の研究や開発が盛んに行なわれている。この半導体発
光装置は、活性層がp−n接合で挟まれてなり、該活性
層に不純物が含まれないことが高品質化にとって重要と
なる。すなわち、p型ドーパント及びn型ドーパントの
分布が急峻である必要がある。
プの化合物半導体は、p型ドーパントをドープしても水
素パッシベーションによってp型ドーパントの活性化が
抑制されるため、低抵抗なp型半導体層を得られにく
い。このため、低抵抗なp型半導体層を得るためには、
p型ドーパントを高濃度にドープしてアニール処理等を
施す必要がある。
ついて説明する。GaNのp型ドーパントには、一般に
ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2 Mg)
が用いられている。しかしながら、結晶成長に有機金属
気相成長(MOVPE)法を用いる場合には、成長時の
結晶中にp型ドーパントであるMgが所定の結晶以外に
まで拡散するという問題がある("Applied Physics Lett
ers, Vol.55 (1989) pp.1017-1019")。また、この拡散
は成長時に生じるだけでなく、成長後のアニール処理に
よっても生じる可能性がある。
炉である石英リアクタに吸着するメモリ効果について検
討した結果が"Journal of Crystal Growth, Vol.145 (1
994)pp.214-218"に記載されている。この論文によれ
ば、Mgがメモリ効果を有するため、短時間に多量のC
p2 Mgを反応炉に導入してもGaN結晶内のMg分布
が急峻とはならず、ドープに遅延が生じることが示され
ている。
子整合できる基板上に成長するIII−V族化合物半導体
の場合には、n型ドーパントであるSiを濃度が1×1
020cm-3程度に高濃度にドープすることによりMgの
拡散を抑制できることが知られている("Journal of Cry
stal Growth, Vol.107 (1991) pp.779-783")。
れば、GaN系半導体発光装置において、p型AlGa
Nよりなるp型クラッド層の一部をp型にドープしない
アンドープ層とすることにより、p型クラッド層の直下
に形成される活性層へのMgの拡散を抑制できることが
示されている。
系半導体はGaNと格子整合する基板が存在しないた
め、エピタキシャル基板を製造する際には、サファイア
(結晶Al2 O3 )や炭化ケイ素(SiC)等よりなる
格子不整合基板を用いたヘテロエピタキシャル成長とな
らざるを得ない。これにより、GaAs系半導体では結
晶中の欠陥密度が103 cm-2程度であるが、GaN系
半導体では欠陥密度が109 cm-2程度と極めて多数の
貫通転位が生じるため、p型ドーパントがこの貫通転位
を通って容易に拡散し、急峻な不純物プロファイルを持
つp−n接合を得られないという問題がある。
示された従来の半導体発光装置は、拡散抑制層としてG
aNよりもバンドギャップが大きいAlGaN層をアン
ドープとしているため、p−n接合部の直列抵抗が増加
するという問題があり、直列抵抗の増加は、発光装置の
動作中の発熱を促進し、発光装置の信頼性を著しく低下
させる。
ガリウム系半導体に急峻なドーパントプロファイルを持
つp−n接合を形成できるようにすることを目的とす
る。
め、本発明は、窒化ガリウム系半導体において、p型半
導体層とn型半導体層とよりなるp−n接合部における
p型半導体層のn型半導体層側の領域にp型ドーパント
とn型ドーパントとを同時にドープ(コドープ)してな
る半導体層を設ける構成とする。
リウム系半導体と格子整合されない基板上にアンドープ
又はn型窒化ガリウム系半導体よりなる第1の半導体層
を形成する工程と、第1の半導体層の上に窒化ガリウム
系半導体よりなる第2の半導体層をp型ドーパントとn
型ドーパントとをコドープしながら形成する工程と、第
2の半導体層の上にp型窒化ガリウム系半導体よりなる
第3の半導体層を形成する工程とを備えている。
ドープ又はn型窒化ガリウム系半導体よりなる第1の半
導体層とp型窒化ガリウム系半導体よりなる第3の半導
体層との間に、p型ドーパントとn型ドーパントとをコ
ドープした第2の半導体層を形成するため、第2の半導
体層におけるp型ドーパントとn型ドーパントとがクー
ロン相互作用により電気的に中性な原子対を形成するの
で、第3の半導体層に含まれるp型ドーパントが拡散し
にくくなる。
の半導体層の膜厚が5nm以上且つ500nm以下であ
ることが好ましい。
体層の上にガリウム原子を吸収する第4の半導体層を形
成する工程と、第4の半導体層に対して熱処理を行なう
工程とをさらに備えていることが好ましい。
リウム系半導体と格子整合されない基板上に形成された
n型窒化ガリウム系半導体よりなる第1のクラッド層
と、第1のクラッド層の上に形成された窒化ガリウム系
半導体よりなる活性層と、活性層の上に形成され、p型
ドーパントとn型ドーパントとがコドープされた窒化ガ
リウム系半導体よりなる拡散抑制層と、拡散抑制層の上
に形成されたp型窒化ガリウム系半導体よりなる第2の
クラッド層とを備えている。
窒化ガリウム系半導体よりなる第2のクラッド層との間
に、p型ドーパントとn型ドーパントとがコドープされ
てなる拡散抑制層が形成されているため、該拡散抑制層
におけるp型ドーパントとn型ドーパントとがクーロン
相互作用により電気的に中性な原子対を形成するので、
第2のクラッド層に含まれるp型ドーパントが活性層側
に拡散しにくくなる。
リウム系半導体と格子整合されない基板上に形成された
n型窒化ガリウム系半導体よりなる第1のクラッド層
と、第1のクラッド層の上に形成された窒化ガリウム系
半導体よりなる活性層と、活性層の上に形成されたn型
窒化ガリウム系半導体よりなる拡散抑制層と、拡散抑制
層の上に形成されたp型窒化ガリウム系半導体よりなる
第2のクラッド層とを備えている。
窒化ガリウム系半導体よりなる第2のクラッド層との間
に、n型窒化ガリウム系半導体よりなる拡散抑制層が形
成されているため、第2のクラッド層に含まれるp型ド
ーパントが拡散抑制層にまで拡散してくると、p型ドー
パントと該拡散抑制層中のn型ドーパントとがクーロン
相互作用により電気的に中性な原子対を形成するので、
第2のクラッド層に含まれるp型ドーパントが活性層側
に拡散しにくくなる。
抑制層の膜厚が正孔の拡散長以下であることが好まし
い。
抑制層の膜厚が5nm以上且つ500nm以下であるこ
とが好ましい。
ッド層の上に形成されたp型窒化ガリウム系半導体より
なるコンタクト層と、該コンタクト層の上面に形成さ
れ、ガリウム原子を吸収するガリウム吸収層とをさらに
備えていることが好ましい。
ドーパントがマグネシウムであり、n型ドーパントがシ
リコンであることが好ましい。
抑制層がAlx Ga1-x N(但し、0<x<1とす
る。)よりなることが好ましい。
第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
る半導体発光装置の断面構成を示し、図1(b)は比較
用の半導体発光装置の断面構成を示している。まず、図
1(a)及び(b)に示す半導体発光装置の製造方法を
説明する。図1(a)及び(b)において、あらかじめ
サファイア(結晶Al2 O3 )よりなる基板10に対し
て有機溶剤を用いた超音波洗浄を行ない、続いて、有機
金属気相成長(MOVPE)装置(図示せず)の反応炉
内に設けられたサセプタ上に基板10を保持する。次
に、反応炉内を真空排気した後、圧力が70Torrの
水素雰囲気において基板10を約1100℃で15分間
加熱することにより基板表面の熱クリーニングを行な
う。
た後、ガリウム源であるトリメチルガリウム(TMG)
を流量が2μモル/分で、窒素源であるアンモニアを流
量が2.5L/分で、キャリアガスである水素を流量が
2L/分でそれぞれ反応炉に導入して、基板10の上面
に膜厚が30nmのGaNよりなる低温バッファ層11
を成長させる。
た後、n型ドーパントであるSiを含むシランガス(S
iH4 )を新たに反応炉に導入して、低温バッファ層1
1の上面に膜厚が3μmで不純物濃度が1×1018cm
-3のn型GaNよりなるn型コンタクト層12を成長さ
せ、続いて、アルミニウム源であるトリメチルアルミニ
ウム(TMA)を新たに反応炉に導入して、n型コンタ
クト層12の上面に膜厚が0.3μmで不純物濃度が1
×1018cm-3のn型Al0.1 Ga0.9 Nよりなるn型
クラッド層13を成長させる、続いて、TMAの導入を
止め、n型クラッド層13の上面に膜厚が0.1μmの
GaNよりなる第1の光ガイド層14を成長させる。
窒素をキャリアガスとし膜厚が3nmのIn0.20Ga
0.80Nよりなる量子井戸活性層15及び膜厚が0.1μ
mのGaNよりなる第2の光ガイド層16を順次成長さ
せる。
温し、p型ドーパントであるMgを含むCp2 Mgガス
をMgの不純物濃度が5×1019cm-3となり、且つ、
n型ドーパントであるSiを含むSiH4 ガスをSiの
不純物濃度が1×1020cm-3となるように原料ガスに
添加しながら、第2の光ガイド層16の上面に膜厚が2
0nmのAl0.1 Ga0.9 Nよりなる拡散抑制層17を
成長させ、続いて、SiH4 ガスの供給を止めて、拡散
抑制層17の上面に膜厚が0.28μmのp型Al0.1
Ga0.9 Nよりなるp型クラッド層18を成長させる。
ここで、図1(b)に示す半導体発光装置の場合は、拡
散抑制層17を設けないのでp型クラッド層18の膜厚
が0.3μmとなる。
0.4μmでMgの不純物濃度が1×1020cm-3のp
+ 型GaNよりなるp型コンタクト層19を成長させ、
続いて、成長したエピタキシャル基板に対して窒素雰囲
気中で温度が700℃、1時間のアニール処理を行なっ
てp型クラッド層18及びp型コンタクト層19を低抵
抗化する。
ドライエッチングを行なってn型コンタクト層12を露
出させ、該露出面にTi/Auよりなるn側電極20を
選択的に形成すると共に、p型コンタクト層19の上面
に幅が10μmでNi/Auよりなるストライプ形状の
p側電極21を形成する。また、n型クラッド層13,
第1の光ガイド層14,量子井戸活性層15,第2の光
ガイド層16,拡散抑制層17,p型クラッド層18及
びp型コンタクト層19に対してドライエッチングを行
なって共振器を形成する。
装置の特性を図面を参照しながら説明する。
装置を2次イオン質量分析(SIMS)法を用いて測定
したドーパントプロファイルを示し、図2(b)は比較
用の半導体発光装置のドーパントプロファイルを示して
いる。図2(a)に示すように、エピタキシャル基板の
上面からの深さが0.7μm〜0.9μmの間に位置す
る光ガイド層14,16及び量子井戸活性層15には、
p型ドーパントのMgが拡散せず急峻なド−パントプロ
ファイルを得られており、拡散抑制層17が有効に働い
ていることが分かる。一方、図2(b)に示すように拡
散抑制層17を設けない場合には、光ガイド層14,1
6及び量子井戸活性層15が形成されている領域にまで
p型ドーパントのMgが拡散していることが分かる。
タクト層19を低抵抗化するアニール処理の前に、p型
コンタクト層19の上面にスパッタ法を用いて膜厚が8
0nmの酸化シリコン(SiO2 )よりなり、Ga原子
を吸収するガリウム吸収層を堆積させた後、アニール処
理を行なうと、図2(a)に示すドーパントプロファイ
ルよりもさらに急峻なプロファイルを得ることができ
る。これは、SiO2 よりなるガリウム吸収層がアニー
ル処理中にGa原子を吸収してp型コンタクト層19に
多数の空孔を生じさせ、p型ドーパントであるMg原子
が該空孔に捕縛されることにより活性層側に拡散しにく
くなるためである。
装置の発光スペクトル強度を表わし、図3(b)は比較
用の半導体発光装置の発光スペクトルを表わしている。
図3(a)は本実施形態に係る半導体発光装置に20m
Aの直流電流を室温で注入して動作させた場合であっ
て、量子井戸活性層15からの量子準位発光である42
0nmのスペクトルのみが現われている。
光装置の場合は、量子井戸活性層15からの量子準位発
光である420nmのスペクトルとMgの拡散により形
成された準位である450nmのスペクトルが重複して
現われている。なお、注入する直流電流を2mAと小さ
くすると、450nmのスペクトルがより顕著となる。
これは、注入されたキャリアが、波長が450nmの低
エネルギー側の発光準位で発光に寄与し、注入電流の増
加と共に波長が420nmの高エネルギー側の発光準位
に遷移することに起因する。すなわち、拡散抑制層17
を設けない場合には、量子井戸活性層15の量子準位発
光に寄与しない無効電流が多く、色純度の低下及び発光
効率の低下を招くことになる。
は、p型ドーパントの活性層側への拡散を抑制する拡散
抑制層17を有しており、量子井戸活性層15にp型ド
ーパントであるMgが拡散しにくいため、低電流から2
0mAまで420nmのスペクトルのみが観察され、注
入されたキャリアが量子準位からの発光に有効に寄与し
ていることが分かる。
比較用の半導体発光装置との各電流−電圧特性を比較し
た結果、拡散抑制層17を設けたことによる直列抵抗の
増加はみられず、両発光装置とも直流電流20mAの注
入時に5V程度の電圧を示した。これは、拡散抑制層1
7の膜厚が20nm程度では、注入された正孔が比較的
容易に活性層側に注入されることを意味し、該膜厚が5
nm〜500nm程度であれば、望ましくは10nm〜
80nm程度であれば、しきい値電圧の上昇を招くこと
なく波長が420nmの青紫色光を得ることができる。
導体発光装置は、第2の光ガイド層16とp型クラッド
層18との間にp型ドーパントであるMgの活性層側へ
の拡散を抑制する拡散抑制層17を有しているため、発
光装置の直列抵抗を増加させることなく、色純度及び発
光効率を大幅に向上させることができる。
Nを用いているため、AlGaNは結晶格子の結合力が
GaNよりも大きいので、Mgの拡散をより効果的に抑
制できる。
ントにマグネシウム(Mg)を用いたが、これに限ら
ず、炭素(C),亜鉛(Zn)及びベリリウム(Be)
を用いてもよく、また、n型ドーパントにシリコン(S
i)を用いたが、酸素(O)であってもよい。
3 )を用いたが、炭化ケイ素(SiC)を用いてもよ
い。この場合は、炭化ケイ素が導電性を有するため、n
側電極20を形成するためのエピタキシャル基板のエッ
チングが不要となり、基板10のp側電極21と反対側
の面にn側電極20を形成できる。
2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
体発光装置の断面構成を示し、図4において、図1
(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号
を付すことにより説明を省略する。
をn型クラッド層13とp型クラッド層18とよりなる
p−n接合で挟まずに、n型クラッド層13に埋め込む
構成とする。
法を説明する。第1の実施形態と同様に、MOVPE法
を用いてサファイアよりなる基板10の上に低温バッフ
ァ層11及びn型コンタクト層12を順次成長させた
後、n型コンタクト層12の上面に膜厚が0.28μm
で不純物濃度が1×1018cm-3のn型Al0.1 Ga
0.9 Nよりなる第1のn型クラッド層13Aを成長させ
る。
に膜厚が0.1μmのGaNよりなる第1の光ガイド層
14、膜厚が3nmのIn0.20Ga0.80Nよりなる量子
井戸活性層15及び膜厚が0.1μmのGaNよりなる
第2の光ガイド層16を順次成長させる。続いて、第2
の光ガイド層16の上面に第1のn型クラッド層13A
と同一の組成を有し、膜厚が20nmの拡散抑制層とし
ての第2のn型クラッド層13Bを成長させる。
に膜厚が0.3μmのp型Al0.1Ga0.9 Nよりなる
p型クラッド層18と、膜厚が0.4μmでMgの不純
物濃度が1×1020cm-3のp+ 型GaNよりなるp型
コンタクト層19を順次成長させる。続いて、p型コン
タクト層19の上面にスパッタ法を用いて膜厚が80n
mの酸化シリコンよりなるガリウム吸収層22を堆積さ
せた後、アニール処理を行なって、p型クラッド層18
及びp型コンタクト層19を低抵抗化する。
ドライエッチングを行なってn型コンタクト層12を露
出させ、該露出面にTi/Auよりなるn側電極20を
選択的に形成すると共に、ガリウム吸収層22を選択的
に除去した後、p型コンタクト層19の上面に幅が10
μmでNi/Auよりなるストライプ形状のp側電極2
1を形成する。また、第1のn型クラッド層13A,第
1の光ガイド層14,量子井戸活性層15,第2の光ガ
イド層16,第2のn型クラッド層13B,p型クラッ
ド層18及びp型コンタクト層19に対してドライエッ
チングを行なって共振器を形成する。
クラッド層18の成長時及びその後のアニール処理時に
おいて、第2の光ガイド層16の上面に既に第2のn型
クラッド層13Bが形成されているため、p型クラッド
層18から量子井戸活性層15までの距離が大きくなる
と共に、p型クラッド層18からのp型ドーパントが第
2のn型クラッド層13B中のn型ドーパントとクーロ
ン相互作用により電気的に中性な原子対を形成するた
め、活性層側への拡散がより強く抑制されるようにな
る。
装置の特性を図面を参照しながら説明する。
SIMS法を用いて測定したドーパントプロファイルを
示している。図5に示すように、エピタキシャル基板の
上面からの深さが0.72μm〜0.92μmの間に位
置する光ガイド層14,16及び量子井戸活性層15よ
りなる活性領域には、p型ドーパントのMgが拡散せず
急峻なド−パントプロファイルが得られており、第2の
n型クラッド層13Bが拡散抑制層として有効に働いて
いることが分かる。
は、直流電流の注入においても、低電流注入時から量子
井戸活性層15の量子準位発光である420nmのスペ
クトルのみが観察されることから、注入されたキャリア
がInGaNよりなる量子井戸活性層15の量子準位発
光にのみ寄与しており、また、電流−電圧特性において
も、量子井戸活性層15をp−n接合部ではなく、n型
クラッド層13A,13B中に埋め込んだことによる直
列抵抗の著しい増加は確認されず、直流電流が20mA
の場合に6V程度の電圧値を示した。ここでも、第2の
n型クラッド層13Bの膜厚が正孔の拡散長程度である
5nm〜500nm程度、望ましくは10nm〜80n
mであれば、しきい値電圧の上昇を招くことなく波長が
420nmの青紫色光を得ることができる。
導体発光装置は、n型クラッド層中に活性領域を埋め込
むことにより、p型クラッド層側からp型ドーパントで
あるMgの活性層側への拡散を抑制するため、急峻なド
ーパントプロファイルを容易に且つ確実に得ることがで
き、色純度及び発光効率が大幅に向上する。
原子を吸収するガリウム吸収層22を有しているため、
Ga原子の空孔にMgが捕縛されることにより、Mgの
活性層側への拡散が一層抑制される。
ド層13BがAl0.1 Ga0.9 Nよりなるため、AlG
aNは結晶格子の結合力がGaNよりも大きいので、M
gの拡散をより効果的に抑制できることになる。
ントにマグネシウム(Mg)を用いたが、これに限ら
ず、炭素(C),亜鉛(Zn)及びベリリウム(Be)
を用いてもよく、また、n型ドーパントにシリコン(S
i)を用いたが、酸素(O)であってもよい。
3 )を用いたが、炭化ケイ素(SiC)を用いてもよ
い。
型ドーパントの拡散抑制方法は、GaN系半導体におけ
るp−n接合の優れた界面制御を容易に行なえるため、
発光装置のみならず、他の電子デバイスにも適用でき
る。
と、p型ドーパントとn型ドーパントとがコドープされ
た第2の半導体層において、p型ドーパントとn型ドー
パントとが電気的に中性な原子対を形成するため、第3
の半導体層に含まれるp型ドーパントの拡散を抑制する
ので、結晶中のp型ドーパントの分布が急峻となり、第
1の半導体層がn型の場合には界面制御に優れたp−n
接合を形成できる。
の半導体層の膜厚が5nm以上且つ500nm以下であ
ると、第1の半導体層と第3の半導体層との直列抵抗値
を増大させることなくp型ドーパントの第1の半導体層
側への拡散を確実に抑制できる。
体層の上にガリウム原子を吸収する第4の半導体層を形
成する工程と、第4の半導体層に対して熱処理を行なう
工程とをさらに備えていると、第3の半導体層のガリウ
ム原子が第4の半導体層に吸収されて形成された空孔に
p型ドーパントが捕縛されるため、p型ドーパントの第
1の半導体層側への拡散をさらに抑制できる。
p型ドーパントとn型ドーパントとがコドープされた拡
散抑制層において、該p型ドーパントと該n型ドーパン
トとが電気的に中性な原子対を形成するため、第2のク
ラッド層に含まれるp型ドーパントの拡散を抑制するの
で、結晶中のp型ドーパントの分布が急峻となり、第1
のクラッド層と第2のクラッド層とが界面制御に優れた
p−n接合を形成する。
n型の拡散抑制層において、第2のクラッド層からのp
型ドーパントと該拡散抑制層中のn型ドーパントとが電
気的に中性な原子対を形成し、該拡散抑制層がp型ドー
パントの活性層側への拡散を抑制するため、結晶中のp
型ドーパントの分布が急峻となり、第1のクラッド層と
第2のクラッド層とが界面制御に優れたp−n接合を形
成する。
膜厚が正孔の拡散長以下であると、正孔の注入が妨げら
れることなく、p型ドーパントの拡散を確実に抑制でき
る。
抑制層の膜厚が5nm以上且つ500nm以下である
と、正孔の注入が妨げられることなく、すなわち、しき
い値電圧が増大することなくp型ドーパントの拡散を確
実に抑制できる。
ッド層の上に形成されたp型窒化ガリウム系半導体より
なるコンタクト層と、該コンタクト層の上面に形成さ
れ、ガリウム原子を吸収するガリウム吸収層とをさらに
備えていると、第2のクラッド層のガリウム原子がガリ
ウム吸収層に吸収されて形成された空孔にp型ドーパン
トが捕縛されるため、p型ドーパントの活性層側への拡
散をさらに抑制できる。
ドーパントがマグネシウムであり、n型ドーパントがシ
リコンであると、窒化ガリウム系半導体において界面制
御に優れたp−n接合を確実に形成できる。
抑制層がAlx Ga1-x N(但し、0<x<1とす
る。)よりなると、Alx Ga1-x Nは結晶格子の結合
力がGaNよりも大きいので、p型ドーパントの拡散を
より効果的に抑制できる。
系半導体発光装置を示す構成断面図である。(b)は拡
散抑制層を設けない比較用のGaN系半導体発光装置を
示す構成断面図である。
系半導体発光装置のドーパントプロファイルを表わすグ
ラフである。(b)は拡散抑制層を設けない比較用のG
aN系半導体発光装置のドーパントプロファイルを表わ
すグラフである。
系半導体発光装置の発光スペクトル強度を表わすグラフ
である。(b)は拡散抑制層を設けない比較用のGaN
系半導体発光装置の発光スペクトル強度を表わすグラフ
である。
発光装置を示す構成断面図である。
発光装置のドーパントプロファイルを表わすグラフであ
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 窒化ガリウム系半導体と格子整合されな
い基板上にアンドープ又はn型窒化ガリウム系半導体よ
りなる第1の半導体層を形成する工程と、 前記第1の半導体層の上に窒化ガリウム系半導体よりな
る第2の半導体層をp型ドーパントとn型ドーパントと
をコドープしながら形成する工程と、 前記第2の半導体層の上にp型窒化ガリウム系半導体よ
りなる第3の半導体層を形成する工程とを備えているこ
とを特徴とする半導体の製造方法。 - 【請求項2】 前記第2の半導体層の膜厚は5nm以上
且つ500nm以下であることを特徴とする請求項1に
記載の半導体の製造方法。 - 【請求項3】 前記第3の半導体層の上にガリウム原子
を吸収する第4の半導体層を形成する工程と、 前記第4の半導体層に対して熱処理を行なう工程とをさ
らに備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導
体の製造方法。 - 【請求項4】 窒化ガリウム系半導体と格子整合されな
い基板上に形成されたn型窒化ガリウム系半導体よりな
る第1のクラッド層と、 前記第1のクラッド層の上に形成された窒化ガリウム系
半導体よりなる活性層と、 前記活性層の上に形成され、p型ドーパントとn型ドー
パントとがコドープされた窒化ガリウム系半導体よりな
る拡散抑制層と、 前記拡散抑制層の上に形成されたp型窒化ガリウム系半
導体よりなる第2のクラッド層とを備えていることを特
徴とする半導体装置。 - 【請求項5】 窒化ガリウム系半導体と格子整合されな
い基板上に形成されたn型窒化ガリウム系半導体よりな
る第1のクラッド層と、 前記第1のクラッド層の上に形成された窒化ガリウム系
半導体よりなる活性層と、 前記活性層の上に形成されたn型窒化ガリウム系半導体
よりなる拡散抑制層と、 前記拡散抑制層の上に形成されたp型窒化ガリウム系半
導体よりなる第2のクラッド層とを備えていることを特
徴とする半導体装置。 - 【請求項6】 前記拡散抑制層の膜厚は正孔の拡散長以
下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の半導
体装置。 - 【請求項7】 前記拡散抑制層の膜厚は5nm以上且つ
500nm以下であることを特徴とする請求項4又は5
に記載の半導体装置。 - 【請求項8】 前記第2のクラッド層の上に形成された
p型窒化ガリウム系半導体よりなるコンタクト層と、 前記コンタクト層の上面に形成され、ガリウム原子を吸
収するガリウム吸収層とをさらに備えていることを特徴
とする請求項4又は5に記載の半導体装置。 - 【請求項9】 p型ドーパントはマグネシウムであり、
n型ドーパントはシリコンであることを特徴とする請求
項4又は5に記載の半導体装置。 - 【請求項10】 前記拡散抑制層はAlx Ga1-x N
(但し、0<x<1とする。)よりなることを特徴とす
る請求項4又は5に記載の半導体装置。
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