JP2002373864A - 窒化ガリウム結晶への酸素ドーピング方法と酸素ドープされたn型窒化ガリウム単結晶基板 - Google Patents

窒化ガリウム結晶への酸素ドーピング方法と酸素ドープされたn型窒化ガリウム単結晶基板

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JP2002373864A
JP2002373864A JP2002103723A JP2002103723A JP2002373864A JP 2002373864 A JP2002373864 A JP 2002373864A JP 2002103723 A JP2002103723 A JP 2002103723A JP 2002103723 A JP2002103723 A JP 2002103723A JP 2002373864 A JP2002373864 A JP 2002373864A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素をn型ドーパントとして取り込むことが
できる窒化ガリウム単結晶の成長方法を提供すること。 【解決手段】 C面以外の面を表面(上面)にもつ種結
晶を用いて、ガリウム原料と窒素原料とドーピングすべ
き酸素を含む原料ガスを供給しながらC面以外の表面を
保ちつつ窒化ガリウム結晶を気相成長させることにより
当該表面を通して窒化ガリウム結晶中に酸素をドーピン
グする。または、C面を表面にもつ種結晶を使って、ガ
リウム原料と窒素原料とドーピングすべき酸素を含む原
料ガスを供給しながらC面以外のファセット面を発生さ
せ当該ファセット面を保ちつつ窒化ガリウム結晶をc軸
方向に気相成長させることによりファセット面を通して
窒化ガリウム結晶中に酸素をドーピングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、3−5族窒化物
系化合物半導体からなる発光ダイオードや、半導体レ−
ザなどの発光デバイスや、電子デバイスに用いられる窒
化ガリウム(GaN)単結晶基板結晶の酸素ドーピング
方法に関する。基板の上にエピ成長するGaN薄膜成長
およびGaNバルク結晶成長における、GaN結晶自体
への不純物ドーピングである。窒化物系化合物半導体と
一般的に表現するのは、積層される薄膜がGaN薄膜だ
けでなく、これにIn、P、As、…などの成分を加え
た三元混晶膜、四元混晶膜を積層することがあるからで
ある。光を発生する活性層はGaInNである。しかし
主体はGaNである。がその他の成分もあるので窒化物
系と正確に述べているのである。だから以後の記述にお
いて、GaN系デバイスとかGaInN系デバイスとか
表現するが同一のものをさしているのである。
【0002】
【従来の技術】窒化物系半導体を用いた発光デバイス
は、青色LEDをはじめ、既に実用化がなされている。
従来、窒化物系半導体を用いた発光デバイスは、基板と
してサファイヤが用いられていた。単結晶サファイヤ基
板の上に、GaN層、GaInN層などをエピタキシャ
ル成長させてエピウエハとする。GaNに対し、n型ド
ーパントとして利用されているものはSiである。エピ
ウエハの上にウエハプロセスによってGaInN−LE
Dデバイスを作製する。サファイヤは極めて安定した堅
牢な基板である。サファイヤ基板の上にGaN層やさら
にその上にGaInN層が良好にエピ成長する。現在で
もGaN系の青色LEDはサファイヤ基板の上に作られ
ている。サファイヤ(α−Al)とGaNは格子
定数が違う(ミスマッチ)が、それでもサファイヤ基板
の上にGaN層はうまく成長するのである。しかもGa
N層は多大な転位の存在にも拘らず劣化せず堅牢であ
る。
【0003】サファイヤは三方晶系の単結晶を作るの
で、そのC面の上にGaN薄膜を成長させる。サファイ
ヤとGaNは晶系が異なるから3回対称性のあるC面の
上にしかGaNをエピタキシャル成長させることができ
ない。だから現在使用され実績のあるGaInN−LE
Dは何れもC面のサファイヤ基板に、c軸方向に成長し
た薄膜の集合からなっている。
【0004】つまりサファイヤ面上のGaNやGaIn
N薄膜などエピ層はいずれもC面成長している。サファ
イヤを基板に使う限りC面成長しかできない。他の面方
位でエピタキシャル成長することは不可能であった。だ
から現在製造され利用されているGaInN−LED、
GaInN−LDはいずれもC面成長のGaN、GaI
nN層などのを積み重ねであり、他の面方位の薄膜は存
在しない。しかしながら、ELO(エピタキシャルラテ
ラルオーバーグロース)やpendeo−epiについ
ては成長途中段階で端部にC面以外の面が現れ、その限
りではない。
【0005】サファイヤとGaNは格子不整合が大きく
欠陥が多いのであるが、GaNはセラミックに近い堅牢
さをもっており欠陥が成長しない、欠陥が増大して脆性
化するということはない。夥しい欠陥密度であるがGa
N−LEDは長寿命であり、すでに厚い実績があり高い
評価がなされている。
【0006】ところがサファイヤ基板にはいくつかの欠
点がある。サファイヤ基板は極めて硬くて劈開面がな
い。そのためにウエハプロセスによってデバイスをウエ
ハ上に形成した後、チップに切り出すときに劈開によっ
て分離することができない。機械的に切断(ダイシン
グ)する他はない。ダイシング工程のためにコスト高に
なる。
【0007】LEDの場合はそれでもよいが、LD(半
導体レ−ザ)の場合は共振器をなすミラー面が活性層の
両側に必要である。が、劈開面がないから自然劈開によ
ってミラー面を形成することができない。RIE(リア
クティブイオンエッチング)等の気相エッチングなどで
端面を精度良く平坦平滑に加工してミラー面を出す必要
がある。これは簡単な作業でない。またチップ毎に加工
しなければならず煩雑な作業である。共振器面出しの作
業がGaInN系−LDの製造コストを押し上げる原因
になっている。
【0008】さらにサファイヤは絶縁体であるから、底
面に電極を形成するということができない。p電極、n
電極ともに上面に形成しなければならない。サファイヤ
基板の上にn型層を何層か積層する必要がある。電流が
横に流れるからn型導電層を厚く形成しなければならな
い。積層したn型層の上にp型層を積んでpn接合を形
成する。上面にあるp型層にp電極を付けるのは当然で
あるが、外周部のp型層を少し除去してn型層を露呈さ
せて、その部分にn電極をオーミック接合するという煩
雑さがある。工程数、工程時間が増えてコスト高にな
る。また同一面に電極を二箇所形成する必要性から、必
要なチップの面積が大きくなる。その点からもコスト増
大を招いていた。サファイヤ基板のGaN系のLEDは
実績があるが、上記のような欠点を克服できないでい
る。
【0009】このような問題を解決できる理想的な基板
はGaN単結晶基板である。GaNやGaInNなどの
エピ層を堆積させるのであるから、GaN基板であれば
結晶格子のミスマッチの問題は全くない。それにn型G
aNを作ることができれば、n型電極をチップの底面か
らとることが可能になる。上下にp電極、n電極を配分
できればデバイス製造もより楽になるし、パッケージへ
の実装においてワイヤボンディングも容易になる。必要
なチップ面積を削減することができる。
【0010】それに何よりも、GaNには劈開があるか
ら自然の劈開によってウエハをチップに切り出すことが
できる。但し劈開面は正三角形の辺の方向にあり、矩形
上の劈開面でない。だから劈開だけで矩形状のチップを
切り出すことができない。その点Si半導体や、GaA
s半導体とは違って不利な点である。しかし一部は劈開
によってチップ分離できる。だからダイシングによる切
り出し加工が軽減される。それに半導体レ−ザ(LD)
とする場合に必須の共振器のミラー面を劈開によって作
り出すことができるのである。劈開によって平坦平滑の
ミラー面ができればGaInN系青色LDをより簡単に
作ることができるはずである。
【0011】しかしながら高品質で大面積のGaN単結
晶を長い間、育成することができなかった。GaN基板
を入手できないから、GaN基板の上にGaInN系の
LED、LDを作製するということは不可能であった。
だから実用的なGaN基板上のLED、LDを作製する
ことはできなかった。
【0012】窒素の蒸気圧が高いので、GaN融液を入
れたるつぼに種結晶を付けて引き上げるという通常の引
き上げ法ではGaN結晶を作る事はできない。超高圧を
掛けてGaN単結晶を合成することはできるが小さいも
のしか製造することができない。とても実用的な大きさ
のGaN結晶を成長させることは不可能である。また石
英管に封入したボートの中に多結晶を入れて加熱溶融し
端から固化してゆくボート法でもGaN単結晶を作るこ
とはできない。その他の結晶成長技術によってもGaN
の大型の基板を製造することはできなかった。
【0013】ところが近年になって気相成長法によって
GaNの単結晶を成長させるという手法が提案され様々
な改良がなされている。大型GaN基板がないので異種
材料の基板を使う。その基板の上に薄膜成長と同様の気
相合成法によってGaNの単結晶層を堆積してゆく。気
相成長法は本来は薄膜の成長のための方法であるが、時
間を掛けて成長を持続することによって厚い結晶層が得
られる。厚いGaN結晶が成長したら基板をエッチング
や研磨によって除去することによってGaNの単体の基
板ができる。もちろん単純に気相合成するだけではなか
なか良質のGaN結晶を得る事はできない。いくつもの
工夫が必要である。
【0014】気相合成といっても幾つかの異なる方法が
ある。これらはいずれもサファイヤ基板の上にGaNの
薄層を成長させるために開発された手法である。有機金
属(例えばトリメチルガリウムTMG)とアンモニアを
原料とする有機金属気相成長法(MOCVD)、ガリウ
ム単体をボートに入れてHClガスによって酸化しGa
ClとするHVPE(ハイドライド気相エピタキシ−)
や、有機金属とHClを反応させGaClを作りアンモ
ニアと反応させるMOC法(有機金属塩化物気相成長
法)、GaN多結晶を加熱し昇華させて基板へ堆積させ
る昇華法というのがある。サファイヤ基板の上に成長さ
せて先述のGaInN系LEDを製造するのに用いるこ
とができる。それぞれに長所と短所がある。
【0015】(1)有機金属気相成長法(MOCVD
法) そのうちで最もよく利用されているのはMOCVD法で
ある。コールドウオールの反応炉において、TMGとア
ンモニアを水素で希釈した原料ガスを加熱したサファイ
ヤ基板に吹き付けることによって基板上で直ちに反応を
おこさせてGaNを合成する。これは大量のガスを吹き
付けてその一部だけがGaN薄膜形成に寄与するので残
りは無駄になる。収率が低い。成長速度も大きくするこ
とはできない。LEDの一部をなすGaN薄層の形成に
はよいが、厚いGaN結晶層を積むのには向いていな
い。それに有機金属に含まれる炭素が不純物として混入
するので特性を落とす場合がある。
【0016】(2)有機金属塩化物成長法(MOC法) MOC法はホットウオール型反応炉においてTMGとH
Clを反応させ一旦GaClを作り、これを加熱させた
基板の近くでアンモニアと反応させGaNとする。この
方法はGaClを経るのでMOCVD法よりも炭素の混
入が少ないがそれでも炭素混入があり、電子移動度の低
下などを招く場合がある。
【0017】(3)ハイドライド気相成長法(HVPE
法) HVPE法は、Ga単体を原料とする。図1によって説
明する。ホットウオール型反応炉1の周囲にはヒ−タ2
が設置されている。反応炉1の上頂部に2種類の原料ガ
スを導入するためのガス導入管3、4が設けられる。反
応炉1の内部上方空間にGaボート5を設ける。Ga融
液6をGaボート5に収容しヒ−タ2によって加熱す
る。反応炉1の上方のガス導入口3はGaボート5に向
かって開口している。これはH+HClガスを導入す
る。もう一方のガス導入管4はGaボート5より下方で
開口している。これはH+NHガスを導入する。
【0018】反応炉1の内部空間の下方にはサセプタ7
が回転軸8によって回転昇降自在に支持される。サセプ
タ7の上にはGaAs基板を載せる。あるいはGaAs
基板から出発しGaNを作ることができれば、サセプタ
7上にGaN基板を載せることもできる。ヒ−タ2によ
ってサセプタ7や基板9を加熱する。HCl(+H
ガスをガス導入管3から供給しGa融液6に吹き付ける
とGaClというガス状の中間生成物ができる。これが
炉内を落下して加熱された基板の近傍でアンモニアと接
触する。基板9の上でGaClとNHの反応が起こっ
てGaNが合成される。この方法は原料が炭素を含まな
いからGaN薄膜に炭素が混入せず電気特性を劣化させ
るということがない、という利点がある。
【0019】(4)昇華法 GaNは高圧を掛けないと融液にできない。低圧で加熱
すると昇華してしまう。この方法は、GaN多結晶を加
熱し昇華させて空間中を輸送し、より温度の低い基板に
堆積させるものである。
【0020】さらにサファイヤ基板の上に、GaN薄膜
を成長させる手法の改良も提案されている。有力な改良
法の一つを述べる。
【0021】[ラテラルオーバーグロース法(Lateral
Overgrowth)] 碓井彰「ハイドライドVPEによる厚膜GaN結晶の
成長」電子情報通信学会論文誌vol.J81−C−I
I、No.1、p58〜64(1998年1月)、
【0022】などにラテラルオーバーグロース法による
GaN成長の詳しい説明がある。サファイヤ基板の上に
縞状(或いはストライプ状)の窓のあるマスクを付けそ
の上にGaNを成長させる。窓の中から別個の結晶粒が
成長し窓を越えてゆき窓の外のマスクの上で合体する。
そのために欠陥密度が減少する。これはサファイヤ基板
の上にGaN膜を付ける際において欠陥密度を減らすた
めの工夫である。
【0023】本発明者は気相合成法の中でもHVPE法
を利用したGaN結晶基板の製造方法について改良を進
めている。GaN基板を作ろうとするのであるから異種
材料を基板にするが、サファイヤを基板とするとサファ
イヤだけを除く事ができない。化学的にも物理的にも堅
牢で、研磨やエッチングでサファイヤだけ除去できない
のである。
【0024】それに対して、基板としてGaAsを用い
るという方法がある。3回対称性のあるGaAsの基板
の上に、Ga金属と水素ガス希釈HCl、水素ガス希釈
NH を原料としてGaNを成長させる。当然にc軸方
向に成長し成長面はC面である。そのままでは転位が線
状に成長してゆく。転位が消える事なく永久に伸びてゆ
く。
【0025】そこでGaAs基板へ直接に或いはある程
度GaN層が成長したあと多数の規則正しく配列された
穴を有するマスクを載せてマスク穴を通じてGaNの成
長を続ける方法などを本発明者は創案している。これは
サファイヤ基板でなく、GaAs基板上のGaN成長に
ラテラルオーバーグロース法(Lateral Overgrowth)を
適用したものである。例えば本出願人による
【0026】特願平10−183446号
【0027】などに説明がある。これはGaAs(11
1)面を基板としてドット、ストライプ窓のあるマスク
によって基板を覆い、その上にGaN膜を気相成長させ
るものである。孤立した窓から結晶核が独立に成長しマ
スクの上で合体するから欠陥の数を減らすことができ
る。転位の延伸を断ち切って欠陥の少ない結晶を成長さ
せることができる。
【0028】そのような方法によって三回対称性のある
GaAs(111)面の上にGaN層を気相成長させ
て、GaAs基板をエッチング(王水)、研磨によって
除去しGaNのみからなる自立膜を製造することが可能
となる。そのようにしてできたGaN結晶は表面がC面
(0001)である。つまり(0001)面GaN結晶
である。
【0029】さらにには、そのような製造方法で作製
した20mm以上の直径、0.07mm以上の厚さをも
つGaN自立単結晶基板を提案している。これもC面を
もつGaN(0001)結晶である。さらに本発明者の
発明にかかる
【0030】特願平10−171276号
【0031】も、そのような製造方法で作製したGaN
自立単結晶基板を提案する。これも(0001)面Ga
N結晶である。これらの発明においては、GaAs基板
にGaNを厚く気相成長させるからどうしても反りがで
きてしまい、反りを減ずるにはどうすればよいのか?と
いうことが問題になっている。また成長面(C面)が平
坦な面になる場合とギザギザな粗面になる場合があるが
その条件などを求めている。導電型は殆ど問題になって
いない。
【0032】Kensaku Motoki, Takuji Okahisa, Naok
i Matsumoto, Masato Matsushima, Hiroya Kimura, Hit
oshi Kasai, Kikurou Takemoto, Koji Uematsu, Tetsuy
a Hirano, Masahiro Nakayama, Seiji Nakahata, Masak
i Ueno, Daijirou Hara, Yoshinao Kumagai, Akinori K
oukitu and Hisashi Seki,"Preparation of Large Free
standing GaN Substrates by Hydride Vapor Phase Epi
taxy Using GaAs as a Starting Substrate", Jpn. J.
Appl.Phys. Vol.40(2001) pp.L140-143
【0033】はGaAs(111)結晶を基板としてラ
テラルオーバーグロース法によってGaN単結晶自立膜
を製造している。これも(0001)GaN結晶であ
る。厚みは500μmで直径は2インチの結晶である。
n型の導電型であったと述べている。転位密度は2×1
cm−2であり、キャリヤ濃度はn=5×1018
cm−3で、移動度は170cm/Vs、抵抗率は
8.5×10−3Ωcmであると説明している。n型ド
ーパントについては説明していない。
【0034】特願平11−144151号
【0035】は、本発明者になるものであるが、n型の
ドーパントとして酸素が有効であることを初めて見い出
している。そして酸素をn型ドーパントとしたn型Ga
N自立膜を提案している。さらに酸素はGaN中で活性
化率が高くて1に近いということも発見している。炭素
(C)もGaN中でn型不純物であるから炭素を極力排
除する必要があるといっている。そのためにも現在主流
であるMOCVD法は好ましくない。HVPE法がよい
と主張している。
【0036】GaNは3回対称性のある六方晶系(Hexa
gonal symmetry)の結晶であるから、結晶面の表記がG
aAs(閃亜鉛鉱型)など立方晶系(cubic symmetry)
の場合とは相違する。六方晶系の結晶表記法について簡
単に述べる。3つのパラメータによって表現する方法
と、4つのパラメータを使う方法がある。ここでは4パ
ラメータを使った表現を用いる。初めの3つの主軸a
軸、b軸、d軸とする。これらの主軸は一平面上にあっ
て、120度の中心角を成している。しかもa=b=d
である。
【0037】a、b、dのいずれにも直交する軸があ
る。これをc軸という。a軸、b軸、d軸に対してc軸
は独自のものである。平行な多数の結晶面がある。その
結晶面の原点からかぞえて1番目の結晶面がa軸、b
軸、d軸、c軸を切る切片が原点から、a/h、b/
k、d/m、c/nの距離にあるとする。これらの軸の
正の部分を切ることができない場合は反対に延長した−
a、−b,−dとの交差点を考える。h,k,m,nは
必ず整数である。その場合の面指数を(hkmn)と書
くものと約束する。
【0038】3つの主軸a、b、dに関する指数は幾何
学的な制限則h+k+m=0が存在する。c軸との交差
点の指数nは自由である。面指数の表現にはカンマを入
れない習わしであるから正負の整数4つを括弧の中に入
れたものが表記となる。負の数は数字の上に上線を引い
て表現するのが鉱物学の決まりである。それができない
のでここでは前にマイナス符号を付して表す。
【0039】(hkmn)によって表現されるのは個別
面表現である。{hkmn}によって表現されるものは
包括面表現である。その結晶の対称操作によって変換し
得る全ての面方位を包含する包括的な表現である。
【0040】面方位とは別に、線方向を示す表現があ
る。個別方向は[hkmn]によって表現する。これは
個別面方位(hkmn)と直交する方向を意味する。包
括方向表示は、<hkmn>である。これは個別方位
(hkmn)から結晶が許す対称操作によって到達でき
る全ての個別方位の集合である。
【0041】C面が最も代表的な面である。これまでの
結晶成長によって作製されたGaNは全てC面成長だと
いえる。サファイヤやGaAsなど異種単結晶基板を用
いる場合、三回対称性面を使うしかないのでその上に成
長する面はC面に限定される。C面(0001)以外に
重要な面が二つある。
【0042】一つは{1−100}面である。これは劈
開面である。C面に垂直な面であるが、これは6つの個
別面の集合である。(1−100)、(10−10)、
(01−10)、(−1100)、(−1010)、
(0−110)の全てをM面と呼ぶ。劈開面は互いに6
0度の角度を成しており直交しない。
【0043】もう一つ重要な面は{11−20}面であ
る。これにも通称があってA面と呼ばれる。A面は劈開
面でない。A面も6つの個別面の総称である。(11−
20)、(1−210)、(−2110)、(2−1−
10)、(−12−10)、(−1−120)の全てを
A面と呼ぶ。
【0044】C面は一義的に決まるが、A面とM面は3
つの異なる方向のものがある。あるA面とあるM面とは
直交する。だからA面、M面、C面は直交する面の組を
構成することができる。本発明者の
【0045】特願平10−147049号は、劈開面
(M面)を辺にもつGaNデバイスを提案している。こ
れもC面を表面にするGaN結晶である。劈開面を問題
にする発明なのでここに挙げた。貫通転位を減らすため
の工夫もいろいろと提案されている。本発明者の
【0046】特願平11−273882号はC面を鏡
面成長させるのでなく、C面以外のファセット面を保有
したままc軸方向に成長させることによってファセット
に転位を掃きよせ転位を低減している。これはファセッ
ト面を維持しつつというが、平均的にはC面成長であ
る。さらに本発明者の
【0047】特願2000−207783号はGaN
中の貫通転位が面と直交して延伸するという性質を発見
している。C面成長ならc軸方向に貫通転位が伸びる。
そこでこの発明はC面成長させたGaNをA面方向に切
り出し、その上にA面成長させるあるいはC面成長させ
たGaNをM面方向に切り出し、その上にM面成長させ
るという凝った方法を提案する。その後C面で切り出
し、低転位のGaN結晶を得るという巧妙な発明であ
る。
【0048】この従来技術、だけがC面以外の面で
成長させるということを初めて提唱している。目的は違
うが面方位に着眼した初めての発明であるからここに紹
介した。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】サファイヤ基板上への
GaN気相成長法は例外なくC面を上面として成長させ
ている。サファイヤ基板(α−Al)の3回対称
面の上にGaNを成長させる場合、C面は6回対称性を
もち鏡面になり最も成長させ易いのである。だから現在
製造され使用されているサファイヤ基板上のGaInN
−LEDやGaInN系−LDはC面のGaN層、Ga
InN層の積み重ねである。
【0050】それはGaAsを基板とするときも同様で
GaAsの3回対称面(111)の上にGaNを成長さ
せるときもC面が表面になるように成長させる。本発明
者はGaNのn型ドーパントとして酸素(O)を使いた
い。酸素をドープしようとする場合、成長面(C面)に
はなかなか入っていかない、ということを最近本発明者
が発見した。
【0051】これはわかりやすい現象ではない。だから
最近まで誰も気付かなかったのである。本発明者はC面
成長させたGaN試料の表面の組成をSIMS(Second
aryIon Mass Spectroscopy)によって分析した。これは
イオン(一次イオン)を加速して試料に当て試料からた
たき出される二次イオンの数を数えることによって試料
表面に存在する物質の存在比を求める方法である。初め
の頃は分解能が充分でなくイオンビームがかなりの広が
りを持っていたので二次イオンが広い範囲から放出され
ていた。それで酸素の二次イオンも試料面から出ていた
のでC面にも酸素がドープされるかのように見えたので
ある。
【0052】しかしながらビームを絞ることによってS
IMSの分解能を上げると意外な事が分かってきた。粗
面化したC面は細かく見ると、C面部分の他に凹凸(フ
ァセット)がたくさんあって傾斜面を保持しながら成長
することがある。二次イオンはC面からも凹凸部分から
も放出される。C面と凹凸部(ファセット)を区別して
酸素二次イオンを測定すると、C面から酸素が殆どでて
来ないということがわかった。換算してみると、C面以
外の酸素濃度が5×1018cm−3の時でも、同じ結
晶表面上のC面での酸素濃度は1×1017cm−3
満であることが分かった。つまり酸素を取り込む能力に
おいて50倍もの相違があるという事である。酸素二次
イオンはC面から出るのでなく実はファセットから放出
されているのである。
【0053】また、成長条件を変化させ、全面鏡面のC
面としたサンプルを作成し、表面よりSIMSにて分析
を行うと、やはり、酸素は1×1017cm−3未満で
あり濃度は低かった。
【0054】ということはC面には酸素が殆どドープさ
れないということである。C面成長でありC面には酸素
が入らないのに酸素が自然に入ってしまうのはC面以外
のファセット面があるからである。そういうことが初め
て分かってきた。
【0055】単結晶が成長しているのであるから面内の
どの部分も結晶方位は同一である。ファセットの部分も
上方がc軸になるような構造をもっている。だからc軸
方向に成長しているのである。それはそうなのである
が、表面に露呈した面がC面でないということである。
そして原料ガスに含まれる酸素が結晶内に取り込まれる
かどうかということはその部位の内部的な結晶構造によ
るのでなくて、結晶成長時の表面自体の微視的な構造に
よるのである。表面が傾いておりC面以外の面、たとえ
ばM面やA面が露呈しているのであれば、その面がもつ
独自の酸素吸着能力によって酸素を取り込むということ
になる。
【0056】GaNの成長においてファセットとなる部
分は平均的な成長方向に沿って連続する事が多い。ファ
セットは頻繁に消滅・発生を繰り返すのでない。例え
ば、c軸方向に結晶成長する場合、ファセット面が維持
されて縦方向にGaNがc軸方向に成長してゆくという
ことである。だからSIMSとエッチングを組み合わせ
て酸素濃度を結晶の深さ方向にc軸方向に測定すると酸
素濃度分布はだいたいどの深さでも同じようなばらつき
を示す。だからC面成長においても酸素がドープされる
のはC面以外の微視的なファセット面が存在するからで
ある。
【0057】そのようなことは未だに斯界の専門家にも
知られていない。酸素ドープしたGaNがn型になる理
由は本発明者等がによって初めて明らかにしている。
酸素が窒素サイトを置換してn型不純物になるのであろ
う。しかし酸素をGaN中でn型ドーパントとして利用
するというのは未だ主流でない。本発明者が主張してい
るだけである。GaN中のn型ドーパントとして主流で
あるのは硅素(Si)である。Siがガリウム(Ga)
サイトを置き換えてn型になると考えられている。酸素
をn型ドーパントとするという着想は本発明者以外に見
当たらないのが現状である。それに酸素ドープには面方
位依存性がある事がいまだに知られていない。GaN成
長は3回対称性のある異種材料から成長するので必ずC
面を表面とする成長しか行われていない。しかし前記の
実験からC面には酸素が殆ど入らない。だからC面鏡面
成長に固執すると酸素を所望の濃度でドープすることが
できない。ということは所望の抵抗率のn型GaN基板
を作ることができないということである。そのような新
発見に基づき本発明は酸素を効率良くドーピングするこ
とのできるGaN結晶成長方法を提案する。
【0058】
【課題を解決するための手段】成長面を変えて成長させ
るなど詳細な検討を重ねた結果、酸素の取り込み量は面
方位依存性があるということが分かった。酸素ドープ量
の面方位依存性があることを発見したのは本発明者の実
験の成果である。それに、C面には入らないがどのよう
な面方位にも酸素が入らないということでないというこ
とが分かった。C面以外で酸素が入り(ドーピングさ
れ)易い面が存在するのである。酸素ドープしやすい面
方位は大きく2つの種類のものがある、ということが分
かってきた。
【0059】それは次のような面方位である。 (1) {kk−2kh} (k,hは整数) 特に、{11−20}面が顕著な効果を示す、というこ
とがわかっている。{11−22}面でも酸素の取り込
み効率は大きい。高面指数になるに従い、酸素の取り込
み効率は低下してゆく傾向があるようである。
【0060】(2) {k−k0h} (k,hは整
数) 特に、{1−100}面が顕著な効果を示す。{1−1
01}面でも酸素の取り込み効率は大きい。この面方位
も高面指数になるに従い、酸素の取り込み効率が低下し
てゆく傾向があるようである。
【0061】つまり面{hkmn}には固有の酸素ドー
ピング能力というようなものがあり、これをOD{hk
mn}という関数によって表現できる。
【0062】OD{hkmn}の詳細はいまだよくわか
らないが、C面以外の面{hkmn}についてOD{h
kmn}>OD{0001}ということが言える。つま
りC面は酸素ドーピングが最も難しい面だということで
ある。
【0063】A面{11−20}については、OD{1
1−20}>50OD{0001}である。 A面はC
面よりも50倍以上も酸素ドーピングしやすいというこ
とである。
【0064】M面{1−100}についても、OD{1
−100}>50OD{0001}である。M面はC面
よりも50倍以上も酸素ドーピングしやすいのである。
【0065】酸素ドーピングを行うには、C面以外の面
を上面に持つように結晶成長することによって効率的に
ドーピングができる。この方法によってドーピングする
には、バルク結晶内で、結晶成長の履歴がC面以外の面
である領域において、酸素ドーピングがなされる。
【0066】必ずしも全面がこれらの(C面以外の)結
晶面である必要はない。部分的にファセット面という形
で存在するだけであってもよい。もちろんC面成長部分
が広く存在する場合は、その部分での酸素取り込み効率
は低下している。
【0067】酸素取り込みの面方位依存性はその現象を
本発明者らが発見したばかりである。そのメカニズムの
詳細は未だ不明である。結晶面の表面に出ている原子の
結合の手の状態が異なる事に起因する特定元素の結合の
仕方が異なるため、不純物の取り込まれ方が変化するも
のと考えられる。
【0068】特にGaN(0001)Ga面が成長面と
なった場合、酸素がn型キャリヤとして入るべき窒素サ
イトに、非常に入りにくいメカニズムが働いているもの
と推測される。これらの現象は当然ながら、サファイ
ア、SiC、GaN等のいかなる下地基板、種結晶を用
いた場合においても見られる普遍的な現象である。
【0069】
【発明の実施の形態】なお酸素のドーピングは、結晶成
長中の原料ガスの中に水を含ませるのが最も効果的であ
る。HVPEの場合はアンモニア(NH)、塩化水素
ガス(HCl)に水を含ませる。もともとNH、HC
lには不純物として水が含まれている事が多く、特に水
を原料ガスに追加しなくても元々含まれた水分によって
酸素ドープされる事もある。しかし安定的に酸素ドーピ
ングを行うためには微量の水を原料ガスに定量的に加え
るのが望ましい。
【0070】本発明の思想に従って、効率的に酸素ドー
ピングする方法には多く分けて二つの手法がある。一つ
はC軸以外の方向に成長させる(非C軸成長)させるこ
とであり、もうひとつはC軸方向にファセット成長させ
ることである。つまり非C軸成長とファセットC軸成長
である。
【0071】(甲)[非C軸成長]C面以外の面{hk
mn}を表面(上面)にもつ種結晶を用いて、C面以外
の面で結晶成長させ、その面方位にのびた単結晶インゴ
ットを製造する方法。甲の方法は、種結晶の結晶面{h
kmn}をそのまま維持して結晶成長した場合、全面に
おいて、効率的に酸素ドーピングがなされる。
【0072】例えば、種結晶全面において、{1−10
0}面(M面)、或いは一般的に{k−k0h}面
(k,hは整数)である場合に効率的な酸素ドーピング
が行われる。
【0073】また{11−20}(A面)或いは一般的
に{kk−2kh}面(k,hは整数)においても同様
である。この場合の酸素ドープ効率は単純に
【0074】OD=OD{hkmn}
【0075】によって象徴的に表現される。この方法は
原理は単純であるが実行するには幾つかの問題がある。
C面以外の表面を持つGaN単結晶は天然に存在しない
し、異種基板から気相成長によって製造することもでき
ない。現在LEDやLDに使われている、サファイヤの
3回対称面の上に成長させたGaN、GaInN薄膜は
C面結晶である。先述のようにサファイヤ基板上に成長
させた場合はサファイヤを除去できずGaN結晶単体を
得ることはできない。
【0076】GaAs(111)面の上に気相成長させ
た場合、C面をもつGaN結晶が成長する。GaAs基
板を王水で除去できるからGaNの単体単結晶が得られ
る。しかしその結晶も表面はC面である。厚いGaNの
結晶を作り、例えばA面方向に切断してA面を表面に持
つ単結晶を作り、これを種結晶とする。このようにC面
以外の面をもつ種結晶を作るという前工程が必要にな
る。
【0077】(乙)[ファセットC軸成長]C面を上面
とする結晶を成長させるが、ミクロに見ればC面以外の
ファセット面を持つように成長させる方法。
【0078】乙の方法は種結晶表面の平均的な結晶面が
C面であっても、ミクロにC面以外のファセット面を持
って成長した場合、ファセット面を通して酸素をドーピ
ングする効果が得られるのである。
【0079】具体的なファセット面としては、{1−1
01}面などの{k−k0h}面(k,hは整数)があ
る。これらはM面を傾斜させた面である。M面自体はC
面と垂直であるからファセット面とはならない。
【0080】或いは{11−22}面などの{kk−2
kh}面などがある。これらはA面を傾斜させた面であ
る。A面自体はC面と垂直であるからC面成長でのファ
セット面とはならない。これは単一のファセット面をC
面内に含む場合である。
【0081】単一といってもGaN結晶はc軸まわりに
6回対称性があるからこれらの面は6つの個別面の集合
である。単一の面であっても6角錘状の穴(ピット)や
6角錘状の突起をC面上に形成することができる。全部
の面が出現しないこともあるがそれでも3角錐状穴、突
起とか異形の5角錘状の穴、突起を形成する。
【0082】これは単一のファセット面を含む場合であ
るが、複数のファセット面を含むようなC面成長をさせ
ることによって酸素ドープを有効にすることができる。
例えば、{kk−2kh}面、{k−k0h}面からな
る複数のファセット面を含んで結晶成長させる事によっ
て酸素ドーピングさせることができる。例えば{11−
21}面が6つと{1−101}面が6つで正12角錐
を形成することができる。二つの面の組み合わせによっ
てそのような穴または突起を形成できる。3以上の面が
集まればより複雑な形状の角錐の穴や突起を作り出すこ
とができる。
【0083】{kk−2kh}面、{k−k0h}面
(k,hは整数)の集合からなる逆六角錐(六角錐
穴)、逆十二角錐(十二角錐穴)形状のピット状ファセ
ット面を保有しながらC面成長させる場合、このピット
状ファセット面において酸素ドープすることができる。
この方法は複合的であり、{hkmn}面のC面内での
存在確率をρ{hkmn}と書くと、酸素ドープ効率は
【0084】OD=Σρ{hkmn}OD{hkmn} というように象徴的に表現することができる。
【0085】GaNの成長方法は従来のサファイヤ基板
上の成長方法として有効なHVPE法、MOC法、MO
CVD法、昇華法など全てを利用することができる。
【0086】
【実施例】[実施例1(M面(1−100)を上面とす
る結晶成長;図2)]GaN単結晶のインゴットから切
り出した表面がM面(1−100)からなるGaN種結
晶を準備した(図2(a))。GaN単結晶は、GaA
s基板の上にラテラルオーバーグロース法によってGa
NをC面成長させGaAs基板を王水で溶解除去したも
のである。M面だからこの結晶の成長方向に平行な一つ
の面で切っていることになる。
【0087】このM面種結晶は表面研磨してあり、表面
に加工変質層は除去されて全く存在しない。
【0088】この種結晶の上に、HVPE法によって、
GaN結晶を成長させた(図2(b))。その成長条件
は、以下の通りである。なお窒素分の原料ガスであるN
については、2ppmほどの水を含んだ原料ガスを
使用した。水は酸素源として含ませているのである。
【0089】・成長温度 1020℃ ・NH分圧 0.2atm (2×10Pa) ・HCl分圧 1×10−2atm(10Pa) ・成長時間 6時間
【0090】成長膜厚さが約500μmとなった。その
後、下地の種結晶部を研削除去した(図2(c))。さ
らに表面を研磨した(図2(d))。種結晶を除いて成
長部だけにした結晶層の厚みは約400μmであった。
【0091】この試料の電気的特性をホール(Hall)測
定によって求めると、4点での平均が、 ・キャリヤ濃度 = 6×1018cm−3 ・キャリヤ移動度= 160Vs/cm の程度であり結晶内でほぼ均一であった。
【0092】さらに同一サンプルの表面付近のSIMS
(Secondary Ion Mass Spectroscopy)分析を行った。
その測定の結果次のようなことが分かった。
【0093】水素(H) 2×1017cm−3 炭素(C) 3×1016cm−3 酸素(O) 8×1018cm−3 珪素(Si) 3×1017cm−3
【0094】キャリヤ濃度が6×1018cm−3であ
り、酸素濃度が8×1018cm である。GaNの
中でn型不純物になる可能性のある炭素(1016cm
−3のオーダー)、珪素(1017cm−3のオーダ
ー)はキャリヤ濃度(1018cm−3のオーダー)よ
いもずっと低い。ということはこれらのキャリヤ(電
子)は、酸素に由来するということである。酸素がn型
不純物として働いており、その活性化率がかなり高いと
いうことを示唆する。
【0095】抵抗率を測定したところ、7×10−3Ω
cm程度でかなり高い導電性をもっている。n型導電性
のGaN基板として利用できる。つまりサファイヤのよ
うに上面にn電極をとらなければならないということは
なくn型GaN基板の底面からn電極をとることが可能
となる。この実施例によって製造された試料は、表面が
平坦な、厚さ400μmの単体のGaN基板である。G
aN基板の上に、その後、エピタキシャル成長を行って
デバイスを作製することができるような形状となってい
る。
【0096】[比較例1(C面(0001)を上面とす
る結晶成長;図3)]GaN単結晶のインゴットから切
り出した、表面がC面(0001)面からなるGaN種
結晶を準備した(図3(a))。表面の極性はGa面で
ある。このC面種結晶は表面研磨してあり、表面に加工
変質層が全く存在しない。
【0097】この種結晶の上にHVPE法によってGa
Nを成長させた。その成長条件は、以下の通りである。
実施例1と同様に窒素分の原料ガスであるNHについ
ては、2ppmほどの水を含んだ原料ガスを使用した。
【0098】 ・成長温度 1050℃ ・NH分圧 0.15atm (1.5×10Pa) ・HCl分圧 5×10−3atm(5×10Pa) ・成長時間 10時間
【0099】成長膜厚さが約500μmとなった(図3
(b))。表面は(0001)面からなる平坦な鏡面状
態であった。成長後の表面もC面を維持している事が分
かる。その後、下地の種結晶部を研削除去した(図3
(c))。表面を研磨し種結晶を除いて成長部だけにし
た結晶層の厚みは約400μmであった(図3
(d))。
【0100】この試料の電気的特性をホール(Hall)測
定によって求めようとしたが測定不能であった。その原
因は、GaN結晶が高抵抗の膜となっており極めて電気
伝導度が低くて現在保有している測定機器では測定でき
ないからである。基板面内どの点においても測定不能で
あった。つまり自由に動き得る電子が乏しくキャリヤ濃
度が低すぎて充分な電流が流れず測定できないというこ
とである。
【0101】さらにこの試料の表面付近のSIMS(Se
condary Ion Mass Spectroscopy)分析を行った。その
測定の結果次のようなことが分かった。
【0102】水素(H) 1×1018cm−3 炭素(C) 7×1016cm−3 酸素(O) 1×1017cm−3 珪素(Si) 2×1016cm−3以下
【0103】このように酸素濃度が実施例1よりずっと
低い。約1/100程度に低下していることが分かる。
これは面方位(C面とM面)の違いだけに起因する。つ
まり酸素の取り込みについて著しい面方位依存性がある
ということである。Siについても約1/10に減少し
ており、Siについても面方位依存性が見られる。炭素
や水素はむしろC面成長の方が結晶中へより多く入るよ
うである。が、依存性は少ない。もっとも顕著な面方位
依存を示すのは酸素である。
【0104】この比較例ではn型不純物としての酸素の
取り込み量が少ないからn型キャリヤ(電子)が放出さ
れず絶縁体になるのであろうと考えられる。このような
高抵抗の基板は底面からn電極を取り出せないのでGa
Nデバイスの導電性基板としては使用不能である。
【0105】[実施例2(C面(0001)を上面とし
ピット状ファセット面を維持する結晶成長;図4)]G
aN単結晶のインゴットから切り出した、表面がC面
(0001)からなるGaN種結晶を準備した(図4
(a))。この表面の極性はGa面である。このC面種
結晶は表面研磨してあり、表面の加工変質層は除去され
て全く存在しない。
【0106】この種結晶の上に、HVPE法によって、
GaNを成長させた。その成長条件は、以下の通りであ
る。窒素分の原料ガスであるNHについては、2pp
mほどの水を含んだ原料ガスを使用した。
【0107】・成長温度 1030℃ ・NH分圧 0.2atm (2×10Pa) ・HCl分圧 1×10−2atm(10Pa) ・成長時間 5時間
【0108】成長膜厚さが約500μmとなった(4
(b))。表面状態は、比較例1のように平坦なC面の
鏡面ではなかった。成長後の結晶の表面は、C面以外の
小面からなる多数のファセット面を有する。ファセット
面がキラキラと光を反射し光って見える。特に逆六角錐
状、逆十二角錐状のファセット面からなるピット状形態
が見られる。つまり角錐のピットの集合である。これら
の錘面がファセット面である。このサンプルにおいて
は、C面はほとんど見られない。
【0109】様々な面方位のものが混在している。多い
のは{1−101}面、{11−22}面、{1−10
2}面、{11−24}面である。これらを纏めて{k
−k0h}(k,hは整数)、{kk−2kh}面
(k,hは整数)というように表現することができる。
【0110】その後、下地の種結晶部を研削除去した
(図4(c))。種結晶を除いて成長部だけにした結晶
層の厚みは約400μmであった。この基板はファセッ
ト面のため表面が平坦でない。そこで両面を研磨して厚
さ350μmの基板とした(図4(d))。
【0111】この試料の電気的特性をホール(Hall)測
定によって求めると、4点での平均が、 ・キャリヤ濃度 = 5×1018cm−3 ・キャリヤ移動度= 170Vs/cm
【0112】の程度であり結晶内でほぼ均一であった。
さらに同じ試料の表面付近のSIMS(Secondary Ion
Mass Spectroscopy)分析を行った。その測定の結果次
のようなことが分かった。
【0113】水素(H) 2×1017cm−3 炭素(C) 3×1016cm−3 酸素(O) 5×1018cm−3 珪素(Si) 4×1016cm−3 以下
【0114】キャリヤ濃度が5×1018cm−3であ
り、酸素濃度が5×1018cm である。GaNの
中でn型不純物になる可能性のある炭素(1016cm
−3のオーダー)、珪素(1016cm−3のオーダ
ー)はキャリヤ濃度(1018cm−3のオーダー)よ
いもずっと低い。ということはこれらのキャリヤ(電
子)は、酸素に由来するということである。酸素濃度と
キャリヤ濃度が同程度だということは、酸素がn型不純
物として働いており、その活性化率がかなり高いという
ことを示唆する。
【0115】抵抗率を測定したところ、6×10−3Ω
cm程度でかなり高い導電性をもっている。n型導電性
のGaN基板として利用できる。つまりサファイヤのよ
うに上面にn電極をとらなければならないということは
なくn型GaN基板の底面からn電極をとることが可能
となる。この実施例はc軸方向の成長でもC面以外のフ
ァセット面を維持しつつ成長させるとファセット面から
酸素が入り込み低抵抗のn型GaN結晶を製造できると
いうことを意味している。この実施例にかかる試料片
は、表面が平坦な、厚さ350μmの単体のn型GaN
基板であった。その後に、GaN基板表面上にさらにエ
ピタキシャル成長を行い、デバイス作製が可能な形状で
あった。
【0116】
【発明の効果】これまで行われてきたGaNのC面鏡面
成長では酸素ドーピングが殆ど不可能であった。本発明
は、C面以外の面が上面になるように成長させるか、フ
ァセットを維持しながらC面成長させることによって、
C面以外の面を露呈させつつGaN成長を行うようにす
る。本発明によって、GaN結晶中へ効果的に酸素を取
り込むようにすることができる。面方位を決めることに
よって酸素のドーピング量を正確に制御することができ
る。酸素がn型ドーパントとして有効に機能することが
できる。極めて効率的な酸素ドーピング方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】HVPE法によるGaN結晶の成長装置の概略
断面図。
【図2】M面(1−100)を持つGaN種結晶の上
に、GaN層を気相成長法によって成長させる実施例1
の工程を示すGaN結晶の断面図。(a)はM面(1−
100)を持つGaN種結晶断面図、(b)はGaN種
結晶の上に、(1−100)結晶を成長させた状態のG
aN結晶断面図。(c)は種結晶を除去した成長部分だ
けのGaN結晶断面図。(d)はさらに研磨した状態の
M面GaN結晶の断面図。
【図3】C面(0001)を持つGaN種結晶の上に、
GaN層を気相成長法によって成長させる比較例1の工
程を示すGaN結晶の断面図。(a)はC面(000
1)を持つGaN種結晶断面図、(b)はGaN種結晶
の上に、(0001)結晶を成長させた状態のGaN結
晶断面図。(c)は種結晶を除去した成長部分だけのG
aN結晶断面図。(d)はさらに研磨した状態のC面G
aN結晶の断面図。
【図4】C面(0001)を持つGaN種結晶の上に、
ファセット面を維持しながらGaN層を気相成長法によ
って成長させる実施例2の工程を示すGaN結晶の断面
図。(a)はC面(0001)を持つGaN種結晶断面
図、(b)はGaN種結晶の上に、ファセットを多数有
する(0001)結晶を成長させた状態のGaN結晶断
面図。(c)は種結晶を除去した成長部分だけのGaN
結晶断面図。(d)はさらに研磨した状態のC面GaN
結晶の断面図。
【符号の説明】
1 HVPE反応炉 2 ヒ−タ 3 原料ガス導入管 4 原料ガス導入管 5 Ga溜(Gaボート) 6 Ga融液 7 サセプタ 8 回転軸 9 基板 10 ガス排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA03 AA13 AA14 AA20 BA08 BA38 CA04 DA08 EA01 LA18 5F045 AA04 AB14 AC12 AC13 AF04 AF13 CA10

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si化合物を含まずガリウム原料と窒素
    原料とドーピングすべき酸素を含む原料ガスを供給しつ
    つ、C面以外の一定方位の表面を保ちつつ窒化ガリウム
    結晶を気相成長させることにより、当該C面以外の面を
    通して結晶中に酸素ドーピングを行うことを特徴とする
    窒化ガリウム結晶への酸素ドーピング方法。
  2. 【請求項2】 {kk−2kh}面(k,hは整数)を
    保ちつつ窒化ガリウム結晶を成長させることにより、
    {kk−2kh}面を通して結晶中に酸素ドーピングを
    行うことを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム結
    晶への酸素ドーピング方法。
  3. 【請求項3】 {k−k0h}面(k,hは整数)を保
    ちつつ窒化ガリウム結晶を成長させることにより、{k
    −k0h}面を通して結晶中に酸素ドーピングを行うこ
    とを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム結晶への
    酸素ドーピング方法。
  4. 【請求項4】 {11−20}面(A面)を保ちつつ窒
    化ガリウム結晶を成長させることにより、{11−2
    0}面を通して結晶中に酸素ドーピングを行うことを特
    徴とする請求項2に記載の窒化ガリウム結晶への酸素ド
    ーピング方法。
  5. 【請求項5】 {1−100}面(M面)を保ちつつ窒
    化ガリウム結晶を成長させることにより、{1−10
    0}面を通して結晶中に酸素ドーピングを行うことを特
    徴とする請求項3に記載の窒化ガリウム結晶への酸素ド
    ーピング方法。
  6. 【請求項6】 c軸方向に窒化ガリウムを結晶成長させ
    る場合において、Si化合物を含まずガリウム原料と窒
    素原料とドーピングすべき酸素を含む原料ガスを供給し
    つつ、C面以外のファセット面を発生させファセット面
    を保ちつつ窒化ガリウム結晶をc軸方向に気相成長させ
    ることにより、当該ファセット面を通して結晶中に酸素
    ドーピングを行うことを特徴とする窒化ガリウム結晶へ
    の酸素ドーピング方法。
  7. 【請求項7】 {kk−2kh}(k,hは整数)で表
    現されるファセット面を発生させ、{kk−2kh}フ
    ァセット面を保ちつつ窒化ガリウム結晶をc軸方向に気
    相成長させることにより、{kk−2kh}ファセット
    面を通して結晶中に酸素ドーピングを行うことを特徴と
    する請求項6に記載の窒化ガリウム結晶への酸素ドーピ
    ング方法。
  8. 【請求項8】 {11−22}面からなるファセット面
    を有して結晶成長させることにより、当該ファセット面
    より酸素ドーピングを行うことを特徴とする請求項7に
    記載の窒化ガリウム結晶への酸素ドーピング方法。
  9. 【請求項9】 {k−k0h}(k,hは整数)で表現
    されるファセット面を発生させ、{k−k0h}ファセ
    ット面を保ちつつ窒化ガリウム結晶をc軸方向に気相成
    長させることにより、{k−k0h}ファセット面を通
    して結晶中に酸素ドーピングを行うことを特徴とする請
    求項6に記載の窒化ガリウム結晶への酸素ドーピング方
    法。
  10. 【請求項10】 {1−101}面からなるファセット
    面を有して結晶成長させることにより、当該ファセット
    面より酸素ドーピングを行うことを特徴とする請求項9
    に記載の窒化ガリウム結晶への酸素ドーピング方法。
  11. 【請求項11】 {kk−2kh}(k,hは整数)と
    {k−k0h}(k、hは整数)で表現される面方位の
    異なる2種類以上のファセット面を発生させ、{kk−
    2kh}と{k−k0h}のファセット面を保ちつつ窒
    化ガリウム結晶をc軸方向に気相成長させることによ
    り、{kk−2kh}と{k−k0h}ファセット面を
    通して結晶中に酸素ドーピングを行うことを特徴とする
    請求項6に記載の窒化ガリウム結晶への酸素ドーピング
    方法。
  12. 【請求項12】 C面以外の面(非C面)をもつ窒化ガ
    リウム単結晶基板の上に、Si化合物を含まずガリウム
    原料と窒素原料と酸素あるいは酸素化合物を含む原料ガ
    スを供給しつつ、C面以外の一定方位の表面(非C面)
    を保ちつつ窒化ガリウム結晶を非C軸方向に気相成長さ
    せることにより、当該C面以外の非C面を通して結晶中
    に酸素ドーピングを行い、非C面窒化ガリウム基板を除
    去しあるいは除去しないでえられた自立しており酸素を
    n型不純物として含む非C面n型である酸素ドープされ
    たn型窒化ガリウム単結晶基板。
  13. 【請求項13】 {kk−2kh}面(k,hは整数)
    をもつ窒化ガリウム単結晶基板の上に、{kk−2k
    h}面を保ちつつ窒化ガリウム結晶を成長させることに
    より、{kk−2kh}面を通して結晶中に酸素ドーピ
    ングを行うことによってえられたn型で{kk−2k
    h}面をもつことを特徴とする請求項12に記載の酸素
    ドープされたn型窒化ガリウム単結晶結晶基板。
  14. 【請求項14】 {k−k0h}面(k,hは整数)を
    もつ窒化ガリウム単結晶基板の上に、{k−k0h}面
    を保ちつつ窒化ガリウム結晶を成長させることにより、
    {k−k0h}面を通して結晶中に酸素ドーピングを行
    うことによって得られたn型で{k−k0h}面をもつ
    ことを特徴とする請求項12に記載の酸素ドープされた
    n型窒化ガリウム単結晶基板。
  15. 【請求項15】 {11−20}面(A面)をもつ窒化
    ガリウム基板の上に、{11−20}面(A面)を保ち
    つつ窒化ガリウム結晶を成長させることにより、{11
    −20}面を通して結晶中に酸素ドーピングを行うこと
    によって得られたn型で{11−20}面(A面)をも
    つことを特徴とする請求項13に記載の酸素ドープされ
    たn型窒化ガリウム単結晶基板。
  16. 【請求項16】 {1−100}面(M面)をもつ窒化
    ガリウム単結晶基板の上に、{1−100}面(M面)
    を保ちつつ窒化ガリウム結晶を成長させることにより、
    {1−100}面を通して結晶中に酸素ドーピングを行
    うことによって得られたn型で{1−100}面(M
    面)を有することを特徴とする請求項14に記載の酸素
    ドープされたn型窒化ガリウム単結晶基板。
  17. 【請求項17】 窒化ガリウム以外の材料の基板あるい
    はC面窒化ガリウム基板の上にガリウム原料と窒素原料
    と酸素又は酸素化合物を含みSi化合物を含まない原料
    ガスを供給しつつ、C面以外のファセット面を発生させ
    非C面ファセット面を保ちつつ窒化ガリウム結晶をc軸
    方向に気相成長させることにより、当該非C面ファセッ
    ト面を通して結晶中に酸素ドーピングを行うことによっ
    てえられた結晶からファセット面を研磨によって除去
    し、窒化ガリウム以外の基板を用いた場合は基板を除去
    し、C面窒化ガリウム基板を用いた場合は基板を除去し
    あるいは基板を除去しないでえられる自立しており酸素
    をn型不純物として含むC面n型である酸素ドープされ
    たn型窒化ガリウム単結晶基板。
  18. 【請求項18】 {kk−2kh}(k,hは整数)で
    表現されるファセット面を発生させ、{kk−2kh}
    ファセット面を保ちつつ窒化ガリウム結晶をc軸方向に
    気相成長させることにより、{kk−2kh}ファセッ
    ト面を通して結晶中に酸素ドーピングを行い{kk−2
    kh}ファセット面を研磨によって除去したことによっ
    てえられた自立しており酸素をn型不純物として含むC
    面n型である請求項17に記載の酸素ドープされたn型
    窒化ガリウム単結晶基板。
  19. 【請求項19】 {11−22}面からなるファセット
    面を有して結晶成長させることにより、当該{11−2
    2}ファセット面より酸素ドーピングを行い{11−2
    2}を研磨によって除去したことによって得られた自立
    しており酸素をn型不純物として含むC面n型であるこ
    とを特徴とする請求項18に記載の酸素ドープされたn
    型窒化ガリウム単結晶基板。
  20. 【請求項20】 {k−k0h}(k,hは整数)で表
    現されるファセット面を発生させ、{k−k0h}ファ
    セット面を保ちつつ窒化ガリウム結晶をc軸方向に気相
    成長させることにより、{k−k0h}ファセット面を
    通して結晶中に酸素ドーピングを行い{k−k0h}フ
    ァセット面を研磨によって除去したことによって得られ
    た自立しており酸素をn型不純物として含むC面n型で
    あることを特徴とする請求項17に記載の酸素ドープさ
    れたn型窒化ガリウム単結晶基板。
  21. 【請求項21】 {1−101}面からなるファセット
    面を有して結晶成長させることにより、当該ファセット
    面より酸素ドーピングを行い{1−101}面を除去す
    ることによって得られた自立しており酸素をn型不純物
    として含むC面n型であることを特徴とする請求項20
    に記載の酸素ドープされたn型窒化ガリウム単結晶基
    板。
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